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超巨大アイドルの地球訪問ツアー
"あ゙ー!!もう!!なんで同接数だけじゃなく、チャンネル数も減少してるの!!"
一人の女がPC画面に向かって不満をぶちまけている。彼女が見ている画面が写し出している数字は、ただ淡々と今の現状を冷酷なまでに映しだしていた。
彼女の名前は、結月真矢。一部の界隈では名の知れたアイドルであり、小規模なライブハウスではあるが単独ライブを開催したりと熱狂的なファンに支えられて活動を続けている。しかし、そんな彼女も今では人気は下火となり、今や引退の危機を迎えていた。
その人気の陰りの原因は、言ってしまえば飽きられたといってもいい。事実、彼女がランキング上位に食い込んでいたのは数年前。デビューして数年も過ぎればごそっと入れ替わるくらい激しいこの界隈の例にもれず、彼女の人気にも陰りが見え始めたのだ。
そんな状況を打開しようといろんな策を打ってきた真矢。握手会だけでなくファン同行ツアーやサイン会、合同イベントに参加するなどの活動もしてきたし、本人は乗り気ではなかったグラビア撮影など肌を露出して露骨なてこ入れもしてきた。
やれることはすべてやってきた。だが、それでも結果は振るわなかった。決して容姿が悪いわけではない。真矢のスタイルはそこらのグラビアアイドルに引けを取らないといっても過言ではない。瑠璃色の長いツインテールに整った顔立ち。すらっとした体型と抜群のスタイルを兼ね備えており、そのプロポーションを維持するためにジム通いをしているという努力家でもある。にもかかわらず結果は出ず今に至る。
"なんなの!こっちはこんなに頑張ってるのに!!"
本人の努力が必ずしも実るわけではない、アイドル業界はそれほどに厳しいものだ。それは彼女自身がよく理解しているつもりだった。
だが、目の前のランキングに出てくるのは、デビューしたての若い子ばかり。真矢の姿どころか文字すらどこにも見当たらない。
"特にこいつ、ただ顔がよくてトークが面白いってだけで、1位を取ってるのが気に入らないのよ!"
真矢が嫉妬している相手は、最近最も勢いのある新人アイドル。彼女はまだデビューしてから間もないため知名度こそ低いものの、持ち前の明るい性格と屈託のない笑顔を武器にすでに多くのファンから支持を得ていた。
ネットの口コミには、
『無垢な笑顔が可愛らしい』
『素人っぽいトークが逆に新鮮でいい』
『写真も動画も演じてないからこそ、素の部分が見え隠れてて親近感がある』
『実況動画も友達としてるみたいで楽しい』
といったコメントが多数寄せられていた。真矢が努力して身に着けたスキルとは真逆の部分が評価されていることに余計腹立たしさを感じてしまう。このアイドルはどこに所属しているのだろうか、そんな思いから新人アイドルの情報を根掘り葉掘りあさり始める真矢。
……どうやら、彼女は『地球』という星で、アイドル業をしているらしい。地球と言う星についてはあまり聞いたことのなかった真矢は、もう少しだけその星の情報をあさってみる。
温暖な気候で7割が海の自然が豊かな星であること。まだ、宇宙進出は未熟で、銀河連邦及び辺境惑星登録すらできていないこと。そんな原始惑星にもかかわらず、一部のアイドル好きなマニアが新人アイドルの動画を無断転載しており、彼女に入れている銀河のファンたちはそんな非公式の動画を見てアイドルの人気ランキングに投票していたのだ。
そして特に目についたのは……、なんとその地球人というのは、真矢たちの一般的な人間よりも1万分の1の大きさしかない極小ヒューマノイドだということ。
"ぷっ!!あっはははは!!!何これ!?そんな小さな体なのによくアイドルなんてやってられるわね!!"
あまりにも滑稽な内容に思わず吹き出す真矢。確かに面白い話ではあったが、そんなノミ以下の存在が自分のプライドを傷つけたのは事実。こちらは血のにじむような努力を重ねて、何とか今の地位にしがみ付いているのに。あの極小惑星の田舎アイドル風情は、のんきに楽しそうに駄弁っているだけで、あっという間にトップランキングにのし上がっている。
ありえない。真矢の頭の中にふつふつと怒りが込み上げてくる。許せない。自分がここまで苦労を重ねてきた中、あんな奴らはのうのうと遊んでいるだけ。こんなことが許されてたまるか。
絶対に潰す。文字通り、物理的に。真矢の心の中で黒い感情が渦を巻き始めた。幸いなことに地球は原始的かつ極小すぎるので、銀河連邦の有人惑星リストにも載っていない。だから、地球で何が起ころうと警察機構に知られることはない。
"なんだか、面白くなってきたわね♪"
さらに調べたところ、どうやら数日後に例のアイドルのコンサートが行われるらしい。そこで真矢は思いついた。ここなら確実にあの子がいる。そこで少しだけ、あの子を懲らしめてアイドルをやめるよう諭せば、生意気な極小アイドルは消え去り、すべて真矢の思い通りになる。
"待ってなさいよ、地球。すぐに私がつぶしてあげるんだから……"
真矢はPCを閉じると、不敵な笑みを浮かべながら、次の計画に向けて動き出した。
***
コンサート当日。会場には大勢の観客が集まっていた。その誰もがこれから行われるイベントに胸を躍らせているようだった。
人気急上昇中のアイドルである彼女の初単独ライブということで、チケットは販売開始と同時に即完売。グッズ販売も大賑わいを見せ、早くも売り切れ続出という状況だった。
"みんなー!きょうはありがとう!!!"
ステージの上でマイク片手に元気いっぱいにファンたちに向かって呼びかける彼女。その声に応えるように歓声が上がる。その光景を見て満足げな表情を見せる彼女だったがそれもつかの間、会場を大地震が襲った。
ずうぅぅぅぅううん!!!突然の振動に歓声であふれていた会場は一変、悲鳴に満ち溢れた。
ずうぅぅぅぅううん!!!再度、身体を激しく揺さぶられる振動が会場を襲う。ステージの上の機材が音を立てて倒れてゆく。機材だけではない、アイドルもスタッフも観客もその場で尻もちをついたり、、倒れたりとパニック状態に陥っていた。
ずうぅぅぅぅううん!!!揺れはまだ収まらない。それどころかどんどん大きくなっていく。地震か?。しかもかなり大きい。このままでは会場ごと押しつぶされてしまうのではないか!?
"もー、なんなのよー!これー!!"
アイドルの悲鳴のような叫びがステージの上に響く。しかし誰も答えてくれるものはいない。皆我先にと出口へと殺到しているからだ。
ずどぉおおおん!!! ひと際大きな衝撃が走る。天井が崩れ、瓦礫が降り注ぐ。
ずどん!ずがん!ずごん!ずどん!ずばん!ずだん!天井に吊るされていた巨大な機材がいくつも落下しては轟音が鳴り響き、多くの観客を下敷きにしてしまっている。会場はもはや収集がつかないほどにパニックに陥っていた。
"ここが地球?何にもないんだけど……"
地球に降り立った真矢は、ふわふわと新雪のように沈んでしまう地面を両足で踏みしめて、片手を腰に当ててあたりを見渡す。
今日の彼女の格好はオフということもあり、普段着ているアイドル衣装ではなく、白を基調としたノースリーブのキャミソールにデニム生地のホットパンツとラフな服装をしている。キャミソールは鍛えてくびれたウエストのシルエットを映しだし、お椀のような胸を見せつけるかのように大胆に露出して、ホットパンツからはすらりと伸びた長い脚と、その抜群のプロポーションを強調している。一方の足元は銀色のピンヒールサンダルを履いており、全体的にどこかセクシーな雰囲気を醸し出している。
初めて来た地球は、真矢の想像していたものとはかけ離れていた。目の前に広がるのはどこまでも続く広大な平野と海。彼女が敵視しているアイドルの会場近くに降り立ったのに、何もない。
"なによこのゴミみたいな星は。ちょっと期待外れなんですけど……"
ぼそりと独り言を呟く真矢。せっかくわざわざこの星まで来てやったのに、ここまで何もないと拍子抜けしてしまう。
"真矢、地球人より身体が大きいから、怪獣みたいに遊んであげようと思ったのにぃ……"
そういって、ほほを膨らませて不満げにつぶやく少女は、ふらふらとあたりを歩いてみる。だが、あたりを見渡しても、水たまりみたいな海と苔みたいな緑色の平原、そしてカビみたいな灰色の地面しか見当たらない。
"街なんか、どこにもないじゃない……"
はぁーっと大きくため息をついて、その場でしゃがみ込んでしまう真矢。これから、どうしよう……。そう、思いつめていた時だった。ふと、足元を見てみると、灰色のカビのようなものは何やら幾何学的な模様が折り重なってできている。これは自然物とは思えない、まるでコンクリートで作られたタイルのようだし、さらに規則的に地面に敷かれているのだ。
最初はそれが何なのか分からなかったが、じっくり見てみるとそれは1つの塊になっているわけではなく、いくつかブロック状に積み重なったものが整列して並んでいることが分かった。
なんだろうこれ……?興味を持った真矢はその1つを指で掬って、目の前に運んでくる。持ち上げた際に少し崩れてしまったが、その不思議な灰色の苔の様子を見る分には問題ない。真矢がぐっと目を近づけてよく見てみると、それはどう見ても人工物の集合体にしか見えなかった。
"え……。うっそ……。これが、まち?……"
手にしたものは、真矢が目を凝らしてもピントが合わないほど細かいコンクリート素材が多数存在している人工物。ここに来る前に調べた通りの地球の街だった。彼女は驚きのあまりしばらく固まっていたが、やがて震えだす。事前に地球の大きさは調べていたものの、いくら1万分の1とはいえ、知的生命体が作り出した街なのだから、それなりの建造物があってしかるべきだと思っていた。
だが、目の前にあるのは、髪の毛よりも細く、苔よりも短い、脆い砂のようなコンクリートとアスファルトで固めた超・超・超極小の地球人の街。
いや、『街』というにはゴミ過ぎる。これはコロニーだ。微生物が集まって作るコロニーといった方が正しい。
おそらくこのコロニーの中には、1万分の1しかない地球人がたくさんいるのだろう。体長0.17ミリ、ミジンコの10分の1以下の大きさしかない知的生命体、地球人。そんな大きさなのだし、きっと虫くらいの知性しかいないのではないか。そんな彼らの足りない知性で作ったこの建物は彼らからしたら、さぞ立派なものかもしれない。
だが、真矢から見れば塵芥の集まりでしかない。吹けば埃の様に吹き飛んでしまう矮小な街に住む地球人の存在を目の当たりにして、真矢は改めて自分との生物としてのレベルの違いを思い知る。
"ぷっ!あっははははは!!!何これ!?こんなの蟻の巣だってもっと大きいわよ!?こんなのに、いっちょ前に文明なんて築いてたりするの!?"
思わず吹き出してしまい、笑ってしまう真矢。そんな吹き出した吐息だけで、手にしている地球人の巣は埃のように舞い上がってしまい、口から飛び出た唾液の飛沫は隕石の衝突ように街に降り注ぎ、ビルや道路を粉砕して粉々にしてしまう。真矢が唾を吐いた場所は大きく陥没し、その中心部にはぽっかりとクレーターができて、超巨大少女の唾液の湖が広がってしまう。
"わっ!、あっとと、少し息を掛けただけなのに、地球の街にとっては大災害になるのね"
真矢は少し笑っただけで壊滅してしまう地球人の巣を見てあきれる様につぶやく。いや、こんなことをしてる場合ではない。そもそも真矢がここまでやってきたのは、あの新人アイドルを潰すためにほかならない。もしかしたら、もう踏みつぶしてしまったのではないだろうか……。そんなのはつまらなすぎる。
彼女は指先に残った街の残骸に向かって口をすぼめて、ふっと強く息を吹いた。その瞬間、小さな小さな巣は暴風に巻き込まれたように空高く巻き上げられ、街にいた1万人近い地球人は一気に成層圏まで吹き飛んでしまう。
そんな地球人にとっては大災害の事なんかよりも少女は手早くホットパンツのポケットから情報端末を取り出し、憎き新人アイドルの会場がどこにあるか、まだ無事なのかを確認をし始めた。
"あー、よかったまだ無事みたいね〜、真矢が来るまで生きてなきゃダメよ。たっぷりイジメてあげるんだから♪"
どうやら会場は真矢のいる所から、10歩ほど離れたところにあるらしい。
"近くにあるみたいでよかった~"
真矢の歩幅は6km以上ある。地球人にしてみれば、遠く離れた街も彼女からしたらわずか数mの距離。このエベレストの2倍もある超巨大アイドルから逃げられる場所は、この地上のどこにもなかった。
ずうぅぅぅぅうんん!!!ずうぅぅぅぅうんん!!!ずうぅぅぅぅうんん!!!ずうぅぅぅぅうんん!!!
鼻歌を歌いながら真矢は一直線に、新人アイドルのコンサート会場へ向かう。世界最高峰よりもはるかに大きな彼女の行方を遮るものは何もない。
身長15,000m、体重430,000トンの真矢が歩くだけで、山は崩れ、大地は割れ、踏み抜いた足の回りには押し上げられた土が盛り上がり、新たな山脈が出来上がるほどだった。
その光景はまさに怪獣の蹂躙とは桁が違う、超巨大女神による天地創造といった方が相応しい。
ズゴォオオオオンン!!! 少女の足踏みが町を襲う。履いている銀色のハイヒールサンダルがまるで隕石のような衝撃を生み、地面に亀裂が走りその中心にできたクレーターはまるで隕石が降ってきたかのように、深く、広く、そして底が見えないほどに深かった。少女の足の下敷きになった哀れな数千人単位の地球人はその天文学的な質量に押しつぶされ、その痕跡すら残さず蒸発して地上から消え去ってしまう。
真矢が刻み込んだ足跡ですら、その全容を見ることのできる地球人はおらず、彼女の体重で盛り上がって作られた山脈ですら目がくらむようなその光景。
地球のありとあらゆる存在を凌駕する彼女の姿を見たものは、誰一人として例外なく恐怖を超えた一種の被征服感とも呼べる複雑な感情に打ちひしがれていた……。
ずうぅぅうん!!ずうぅぅうん!!ずうぅぅうん!!ずうぅぅうん!! ずうぅぅうん!!ずうぅぅうん!!ずどぉおおん!!ずどぉおおん!!
手にした情報端末によれば、あの憎たらしい新人アイドルがいるライブ会場はこの辺りらしい。真矢は足元を目を凝らして探してみるが、やはり地球人の街は小さすぎて足元の存在が何なのか、まったく分からない。真矢はしゃがんで目的の施設を探してみることにした。
ぶおおおおおおおお!!!
真矢のホットパンツに包まれた二つの巨尻が一気に降下して、上空1万mの大気を大量に押し下げ、地表に猛烈なダウンバーストをもたらしてしまう。
直径3kmもある尻肉が上空に二つならんだその光景は、地球人からどう見えていただろうか。彼らはとりあえずカメラをかざし、その存在を写真に収めようとするが、当然、画角に収まりきらず、撮った写真には画面一面の巨大なデニム生地しか映らないし、お尻の湾曲すらとらえることが出来ない。この写真を見せて、ただの少女の臀部写真だと誰が信じてくれるのか……。
しゃがんだ真矢は、目を皿にして地表の街からライブ会場になりそうな、建造物を探してみる。すると、目についたのは周りの建物よりも二回りほど大きなドーム型施設。おそらくこれがあの新人アイドルの会場なのだろう。ライブ会場は幸いなことに崩壊を免れており、真矢が到着した時点では例のアイドルは会場から、まだ避難はできていないようだ。
"……小さ~、これじゃあ、真矢が身じろぎしただけで全滅だね♪"
そういって、真矢はしゃがんだまま、足を動かしドーム施設の真上に足を掲げた。
ズゴォオオオオンン!!! 少女の足踏みが街を襲う。履いている銀色のハイヒールサンダルが、大量の建造物を消し飛ばし、無数の市民を蒸発させてしまう。だが、ドーム施設だけは奇跡的にまだ顕在していた。サンダルのヒールが織りなす、アーチの下にいたからだ。
踏みつぶしてしまえば一瞬で消えてしまえるが、それはつまらなすぎる。真矢のアイドルとしてのプライドを傷つけた存在には、ふさわしい最期を与えてやらねばならない。
真矢は手にした端末の画面をドーム施設内のカメラ映像に切り替えてみた。画面をみると、新人アイドルと3万人の観客、そしてステージの大型ビジョンには巨大な真矢が映し出されているのがよくわかる。
"イエーイ、会場のみんな〜見てる?みんなのドームの上にあるのなんだかわかる?これね、真矢のサンダル。みんなが入ってるその施設、真矢のサンダルのヒールよりも細いんだよ?"
真矢は、しゃがんでいる自分の足元にあるドームを指差しながら、楽しげにしゃべり始める。そう、今彼女が履いているのは普通のサンダルなのだ。それを遥かに上回る大きさの超巨大少女が身に着けていればそれは、もはや天災を通り越して神罰に等しい。軽く嘲っただけで、会場の空気はシンと静まり、3万人のちっぽけな恐怖が伝わってくる。
そんな会場の様子を端末で知った瞬間、真矢は目の前の建造物が今まで以上に愛おしくなった。
あれだけ小さい建造物なのだ。自分がちょっと動いただけでも簡単に壊れてしまいそうだ。そんな施設にいるのは、目に見えないほどにさらに小さい地球人。会場にいた人間すべてが、真矢に命乞いの言葉をささげている。
————動かないで……。
————助けてください……。
皆、言葉の最後に、真矢様、真矢様、という少女をあがめる様に付け加えるのだ。そう、あの新人アイドルでさえも。
微生物レベルの地球人とは言え、ここまで神聖視されると気分がいい。
そんな彼らの声を聞いた真矢は、つい嬉しくなって彼らをもう少しだけ延命させてやることにしてあげることにした。
"いいわ、あなた達は物分かりがいい微生物みたいだから、命だけは助けてあげる。真矢に感謝しなさいよね"
そう言うと真矢はしゃがみこんだ状態から、ゆっくりと指を地面に突き刺し、ドーム施設の周辺を地盤ごと掬い上げてしまった。ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!! 数十万トンの土砂が、少女の指先一つで容易く持ち触られてしまった。
だけど、掬ったこの建物をどこにしまおうか……。ずっと持ってるのもつかれるし、ポケットに入れてしまうとすぐに潰れてしまいそうだ。
"うーん、あっそうだ♪"
真矢は思いついたように顔を明るくして、キャミソールの胸のすそを掴んで引っ張ると、指先のドームをその胸の谷間へと放り込んでしまった。
ペタ・・・・・。汗ばんだ谷間に、地球人のドーム施設を含めた街区が張り付いてしまった。このドーム施設は、真矢の柔らかいおっぱいの谷間にごみのように張り付き、張りのある弾力の肌によってその形を崩すことも許されず、真矢の汗の臭いを嗅ぐことになってしまう。
真矢は止めどなく溢れ出る真矢の汗で街が水没しないよう、特殊なコーティング剤をドーム周辺に一滴だけ垂らす。もともとは異星から採取したバクテリアや苔類が死滅しないようにする、耐衝・耐水性のコーティング剤だったが、地球みたいなすべてが極小の文明の街にはもってこいのモノだった。
"ここでいっか。アイドルのおっぱいに触れるんだから、光栄に思いなさいっ!"
その光景を見ていた人間は誰もいないが、真矢は少し得意気に言った。肌色の谷間にとらわれたドームのすぐ近くに、小さなほくろがある。真矢が水着でグラビア撮影すると、カメラマンがいつもここを可愛いといって、ほめてくれるチャームポイント。そんな小さな真矢のほくろすらも、地球人のドームよりも大きい。
胸の谷間にできた小さな小さな真矢のほくろ。その小さなほくろで野球が出来てしまうほど地球人から見たら大きかった。
少女の体の中でも、もっとも敏感な部位である乳房。その感触を、真矢の体温を、息遣いを、地球人は感じていた。その真矢の温かさは、ドームのガラスを突き抜け、中の人間たちの肉体にも伝わっているだろう……。
真矢は立ち上がって辺りを見回した。さっきまであんなに憎かった地球のアイドルも、今は胸にへばりつくにちっこくてかわいい存在!
そんな、極小アイドルのためにも、『本物のアイドル』という物を見せてあげよう。
"じゃあ真矢が本物のアイドルがどんなものか、教えてあげるね♪"
ずどぉおおんん!! ずどぉおおんん!! ずどぉおおんん!!真矢は街の中心へ、地球人が多く集まる場所に向かう。
まずは、アイドルの基本、握手会を開こう。真矢は、手近にあった駅らしきものに狙いを定める。そこには真矢から遠ざかろうとする、人間がたくさん集まっていた。
"ほら、あんたたちの握手会のために、わざわざ真矢が来てあげたんだから泣いて喜びなさいよ。"
ずどぉおおん!!ずどぉおおん!!真矢は駅のホームを跨ぐように足を踏み下ろした。超巨大アイドルの真矢の足の長さは約2,000m以上にもなる。駅前エリアと呼べるそれらすべてをぺちゃんこに踏み潰し、避難しようとしていた地球人を巨大な足跡の地下深くに押しやり、痕跡すら残さないほどに消し去ってしまう。
仁王立ちだった真矢は駅をまたいだまま、しゃがみ込んで駅の上に掌をかざしてみる。
"どう?真矢の手のひら?これくらい大きければ、一度にたくさんの人と握手できるでしょ?"
ズゴォオオンン!! 全長1,500mの真矢の手が振り下ろされ、駅舎とその周辺の建物を押しつぶすように地面へと落下する。駅舎があったはずの場所は、隕石でも落ちたかのようなクレーターとなり、そこにあったすべての物質を飲み込むようにして地中深くへと押しやった。ただ掌を置いただけで、地上に存在した文明がことごとく壊滅してしまったのだ。
その様子を見た真矢は、満足したかのように微笑む。だが、まだ地球人の上に掌を置いただけ、握手はまだ終わりではない。真矢の広げた掌が握り始め、500mはあるだろう5本の指が、ズゴゴゴゴと地面をえぐりながら閉じられてゆく。その光景を見た人々は、一様に絶望の声を上げた。
逃げても無駄だと悟ったのか、諦めたのか、あるいはその両方か。地上の人々はその場に固まったまま動かなかった。
そして、巨大な手が閉じた時、真矢の拳の中にはさっきまで4000人以上の地球人がいたエリアを圧縮した地域が握られていた。
ぐしゃっ!!! 真矢は軽く力を込めると、手の中にあった土塊を一気に握りつぶしてしまい、ビルや道路はまるで飴細工のように簡単に砕け散ってしまった。
真矢は手を再び開いて中身を見てみると、そこにあったのは、駅のあったことを示す物すらなんの痕跡もない、抉られて黒土がむき出しの痛々しい地表だけだった。
"最後にいい思い出になったかな?真矢と触れ合えてよかったね、ばいば~い♪"
真矢はそういうと、次はどの町にしようかと見回す。真矢が目をつけたのは、まだ無事だったビル群。さすがにあの中なら、まともに遊べそうな玩具もあるに違いない。
そう考えた真矢は、一番近くの高層ビルを標的にする。真矢の足は、1万倍の大きさがあり、ビルとの距離はわずか30cm程度。そのビルは、真矢にとっておもちゃのようなものだ。
ビルは真矢からすれば蟻のようなサイズだが、それでも真矢にとっては絶好の遊び道具になる。それが知的生命体が作り上げた高層建築物なのだからなおのこと、真矢の弑逆心を煽ってくれる。ちょうどいいことに、そのビルの最上階にはまだ多くの人間が残っていた。
"じゃあね~君たちには、真矢がチューしてあげる♪"
真矢は、そのビルをつまみ上げようと人差し指と親指を近づけ、2本の指でつまもうとした。
クシャ……。指先で小さなビルが粉々になってしまった。触るものすべて粉砕してしまうほどに、地球人と真矢の力の差は歴然だった。
"は?勝手に死んでもらったら困るんですけど?"
真矢はつまんでいた指を離すと、あきれたようにため息を一つ付くと、どうやって極小地球人を唇に運ぶか思案し始める。これほどまでの大きさが違うと触れただけで建物は砂になって、人間は血糊と化してしまう。
うーん……。真矢は考えを巡らせていると、あることを思いついた。
そうだ! 簡単なことだ。彼女は両手を地面につき、四つん這いの姿勢から上半身を倒してゆく。
"こっちから、キスしてあげるね♪"
そういうと、真矢は両手を折り曲げ、顔を地面に近づけてゆく。
ズドンッ…………!!! 大きな振動とともに、真矢の唇が地面に叩きつけられた。ピンク色の血色の良い健康的な唇が、地面にめり込み、その衝撃であたり一帯が揺れ動く。
その揺れは、地震となって地球上のあらゆる生き物を襲う。
それは、もちろん真矢の唇プレスから逃れられた人間たちも同様であり、彼らのいる大地は震度7クラスの大地震に見舞われた。
"ん……、ちゅ……、れろ……、くちゃ……"
巨大な唇は潰れてゆく地球の街の感触を楽しんでいるのか、時折リップ音を立てながら舌を這わせて唾液を塗りつけていく。まだそこにいたであろう地球人ごと街を舐めとってしまう。それはまるで獲物をとらえた肉食獣のように執拗で容赦がなかった。
永遠にも感じられたキス蹂躙の後、ようやく真矢の顔が離れた。彼女の唇があった場所には大量の口紅の跡がついており、唇の形に奇麗に街をえぐったあとになっている。真矢は自分の唇についた汚れを拭い去ると、自らが刻み付けたキスの後を見下ろし、満足そうに微笑んだ。
"うふ……、これでみんなが真矢とキスしたことになっちゃった。大サービスだね♪"
真矢はその可愛らしい顔に似合わない妖艶な笑みを浮かべると、胸のあたりが騒がしいのに気付いた。どうやらキスをした時に、真矢の大きな胸が地面についてしまったようだ。グラビアアイドルにも引けを取らない真矢の胸は、飛び跳ねればぽよぽよと柔らかく揺れ、その胸はファンの間では人気の的だったが、地球人にとってみれば真矢の胸は、まさに山そのもの。その胸が地面に接触したのだ。その柔らかな胸の弾力が、5キロ四方の街を薙ぎ払ってしまったらしい。真矢の胸の下には、丸いお椀型に空いたクレーターがきれいに二つ並んでいる。
"んもぅ、真矢のおっぱいが大きすぎてごめんねっ!"
真矢は少し照れるように言うと、真矢の胸に着いたゴミをぺシぺシと払って、惨禍を見下ろしてみる。
"こんなに柔らかい胸なのに、胸を置いただけで死んじゃうなんて、地球人ってば弱すぎだよっ!"
もはや物言う存在がいない、おっぱいクレーター跡に向かって言い放つ。
"そうだ、せっかくだから、真矢のおっぱいが柔らくて気持ちいいこと、みんなに教えてあげるねっ!!"
そう言うと真矢は腕立て伏せの姿勢から、両胸を大地に押し付けてゆく。真矢の胸は直径2,000m以上にもなる。その胸が地面に接触した瞬間、その胸は波紋のように広がってゆき、周辺を一瞬にして飲み込んでしまう。その胸に触れたビルや山、建物などはすべて、跡形もなく消滅してしまった。その光景を見ていた真矢は、自分の胸がすごいという自慢をするかのように嬉しそうな鼻息を漏らす。
"ほら、おっぱいドーザーだぞ~、のろまな地球人はおっぱいで潰してあげるね♪"
そういって、今度は両胸をじめんにおしつけたまま、ゆっくりと動かし始める。
ズゴゴゴゴゴゴ……。真矢は胸の下で小さなビルが砕ける感触を楽しむように胸をぐりぐりと動かす。その動きによって、街が少しずつ、真矢の胸に削り取られてゆく。
真矢の胸ですりつぶした後が、渓谷となって残ってゆく。真矢は胸を上下左右に動かすことで、自分の胸に街が蹂躙されている様子を楽しそうに眺めていた。
地球の歴史や文化が積みあがった街も真矢にしてみれば、机の上に積もった埃のようなもの。触ったり撫でたりしても何の感触もないが、自慢の豊満な胸で知的生命体の住処を蹂躙しているということが、彼女の優越感と支配欲を刺激してたまらない快感になっていた。
"あっははは、真矢の胸にかかればどんな街だって簡単に潰せちゃうんだもんねっ!!真矢のおっぱいすごぉーいっ!!!"
真矢は笑い声を上げながらさらに激しく胸を擦りつける。そのたびに真矢の胸の真下には深い谷ができあがり、そこには地球人の痕跡など一切残らない。
"えへへ、女の子のおっぱいにすり潰されるのってどんな気持ち?ふつうはアイドルのおっぱいに触れられるのってすっごく幸せなんだよ~?"
そして、真矢は楽しそうに喋ると、さらに大きく胸を動かす。そのたび真矢の胸は、無慈悲に町をすり潰してゆく。これは、真矢のちょっとしたいたずら。真矢の身体は、地球のありとあらゆる生物どころか、世界最高峰よりはるかに大きい。そのため、彼女が身じろぎするだけで、地球が何万年もかけないと形成できない渓谷や丘陵があっさりと完成されてしまう。当然、真矢が少しでも動くだけで、地球の文明は崩壊してしまう。
ほんの些細な悪戯心から起こした行動で、何千万もの人が命を失う。
その事実は、地球人の心に大きな傷をつけ、同時に超巨大少女と地球人との力の差を再認識させる結果となった。
それでも、真矢は地球人に対して何も思うところはない。なぜなら、彼女からしたら地球の街など、地面の上に自生している苔のようなもの。その中で生きている地球人などはバクテリアか何かにしか認識できない存在である。
ただ、バクテリアとは違うのは、真矢と同じように意思をもって高度に進化した知的生命体であるという事実だ。
その事実が真矢にとっては何より面白いのだ。仕事でのストレスもたまっているのもあって、真矢は地球人をおもちゃのように弄んで遊んでいる。ただそれだけだった。
"あ—楽しかった!、服が汚れちゃったけどまあいっか♪"
真矢はそういうと、上半身を持ち上げ、巨大な臀部を地面について、ひざを折って座るような姿勢になる。真矢のお尻は直径6,000m以上もあり、それは地上の街3つほどを押しつぶしてもなお、有り余るほどの面積。そんな巨大な質量が今地球の大地にのしかかった。その衝撃は凄まじく、いくつもの都市が押しつぶされ、また、真矢の巨体を支えるために地面が大きく陥没し、大陸がまるで割れたように見える。
真矢のお尻を押し付けただけで、何もかもが消え去ってしまう。いくら文明が進んでいても、真矢の前では無意味。真矢の身体に触れてしまっただけで、文明は破壊されてしまう。
そんな、大陸すらいとも簡単に震え上がらせる真矢の姿を見て、地球人たちは恐怖に慄いていた。
だが、そんな地球人の事などつゆ知らず、真矢は胸に着いた汚れをはたきながら、胸の谷間にこびりついている街の塊を見つめる。
(そういえばさっきのライブ会場の連中の生き残りがいたよね?)
真矢が降り立ってすぐに敵視していたアイドルとライブ会場を街の区画ごと掬ったことを思い出した。その人たちは今頃何をしているのだろう?真矢はそんなことを思いつくと、ポケットから情報端末を取り出し、ライブ会場の様子を映しだした。
そこは、真矢の胸蹂躙で激しく揺さぶられていたようだが、特殊コーティングのおかげか、ステージは散らかっていたが、新人アイドルと観客はおおむね無事だった。
それよりも彼らにとって深刻なのは、真矢の胸から染み出す汗と体温が混ざり合った湿気だ。そのせいで、ライブ会場の中はむせ返るほどの湿度と温度に上がってしまい、まるでサウナ状態となっている。だが、死ぬことはなさそうだ。真矢は映像を見て安堵のため息をつくと、満足げな表情を浮かべる。どうやらあの子たちは死なずに済んだようだ。まだ死んでもらっては困る。これからも微生物のアイドルにはできないことをたくさん見せつけてあげるのだから。
それにしても……。真矢は座っている状態でお尻の周囲を見渡してみる。まるで砂浜で遊んでいたみたいに、あっちこっちに残る足跡と胸を動かした後。
これじゃあまるで自分が怪獣どころか、神様にでもなった気分。文字通り今の彼女なら何でも実現できそうなほど物理的にでかい。
街を踏みつぶして蹂躙したこと。胸を擦って破壊を楽しんだこと。真矢の胸が触れたところは例外なく滅茶苦茶にされて跡形もなく消滅している。
それを見ているうちに真矢は、もっと地球人が残っている街に移動したい衝動に駆られてきた。
次はどこで遊んであげようかな……、そう思った時、真矢の視界には山を越えたあたりにここよりも大きな平野部と地球の街が見えた。
山といっても、彼女からしたら2,000m超えの山脈も自身の膝に届かないような段差なのだが、地球人からしたら街と街を区切る壁のようなものだ。その山を越えていくと平地が広がり、その先には真矢の今の街の倍はあるであろう大都市がそこにはあった。
そのビル群は、真矢から見てもかなり高く、おそらく100階を超えている建物もある。しかし、真矢にとってみれば、どれも同じようなもので、せいぜい背の高い苔があるなぁくらいの感覚しかない。
そこが彼女の次の標的となった。真矢は山の向こうにある平野を眺めると口角を上げて笑う。その笑みは、新しいオモチャを見つけた子供のように純粋な笑顔だった。
"よーし、決めたっ!!次に遊ぶ場所はあそこの都会だよっ♪"
真矢は立ち上がると、街を見下ろす。
"この街より大きいなら真矢を満足させてくれるよね~♪"
真矢はそういうと、足を大きく振り出し歩き始めた。
ズドォン!!ズズゥウウン!!! 一歩歩くごとに地震が起こり、足元の大地を揺らす。たった1歩歩いただけなのに数kmにも及んで大地が揺れ動いた。その振動は、街にいる人たちを容赦なく襲う。
彼女の動きはゆっくりだったが、その動きはあまりにも巨大すぎた。彼女が歩くたびに大地が揺れ、無意識のうちに進行方向にあった中小様々な街を全長2,000m越えの巨大サンダルの靴底で踏み潰していった。
ズガァアアン!! またもや真矢のサンダルから放たれた衝撃波によって、ビルが崩れ落ちてゆく。その光景を見た人々は、悲鳴を上げながら逃げ惑う。そんな中、真矢は軽く鼻歌を歌いながら悠々と歩いてゆく。
その様子は、巨大な少女が、散歩に向かうかのような軽い雰囲気。しかしその歩みは、小さな生命を潰しながら進む、残酷なものだった。
ズシィイイン!!
彼女の足が山に差し掛かる。2000mを超える山脈など何の障壁にもならない。まるで公園の砂場の山を壊すかのように、彼女は山の山頂にあっさりと足をおろしてゆく。
そしてそのまま、真矢は山に体重をかけてゆく。もちろん、真矢の体重を支えることなどできるはずもなく、たちまち山の斜面が崩落してゆく。
その様子を見た真矢は嬉しそうに笑い声を上げてしまう。人々が見上げて感嘆する山が、少女の履いている銀色のサンダルによって地鳴りを立てながらみるみる小さくなってしまうのだ。
そんなこんなで、真矢は山越えにしては呆気なさすぎる峠をあっさりと超え、今度は街へと向かっていった。
一方その頃、地球では突如として現れた怪物にパニックになっていた。その怪物とは、地球から見れば遥か遠くの星からやってきた超絶サイズの美少女。地球からすれば宇宙の彼方からやって来た山よりもはるかに巨大な少女なのだ。
"とーちゃーく!お出迎えの用意は?……、ダメね〜、なーんにもしてないじゃない。真矢様のご到着なんだからちゃんとお迎えしないとね~?"
真矢はそう言い放つと、しゃがみ込んで、混乱している街の中に人差し指を突き立てる。そしてその指をゆっくりと動かしてゆき、街の中を縦横無尽に這わせていった。すると、真矢の巨大な指は、無数のビルと地球人をすりつぶしていく。指先一つで数千単位の地球人が消えてゆく。真矢は指の動きを止めることなく、楽しそうに鼻歌を歌いながら、街のありとあらゆるものをすり潰してゆく。
その動作は、地を這う地球人にはわからないが、真矢の高さから見るとある文字を書いていた。
"ようこそ地球へ"
と。数十万人の地球人を犠牲にして書き上げたのは、真矢を歓迎する言葉。そのことに真矢はクスッと微笑む。
"歓迎の言葉もかけない地球人に変わって、真矢が書いてあげたの。ありがたく思ってよね!"
そう言うと真矢は、再び立ち上がり、腰に手を当てる。その姿は、まるで街を見下ろしている女王のような風格があった。そんな真矢の姿は、もはや人の尺度で測ることなどできない。
14,000mの大きさは東京タワーですら彼女に遠く及ばない。そんな真矢からしたら、こんな地球人の街など子供用プールの面積にしか感じられないほどに小さかった。
そんなことを感じながら、仁王立ちしていると体のあちこちでぽつぽつと光が爆ぜているのに気付く。巨大な真矢の出現による都市破壊を止めるべく、国中の空軍が集まり始めていたのだ。最新鋭戦闘機が50機近く集まっており、真矢の上半身の回りを旋回している。彼らは機体に満載したミサイルを超巨大ミサイルを次々に打ち込む。
だが、その程度のことで真矢が怯むことはない。むしろ真矢にとっては刺激もなく、熱くもない。ミサイルの閃光が辛うじて認識できる程度の威力しかなく、いくら攻撃をしても真矢に傷をつけることはできないし、痛みを感じることもない。
真矢も、何の痛みもないし、ほっといてもよかったが、着ている服に煤汚れが付くのが気に障る。
"もう、邪魔くさいなぁ。"
そう呟きながら、真矢は右手を振り上げる。真矢の胸はちょうど地上10,000メートル。手の位置は、飛行機より遥かに高い位置になる。そんな高さで拳を作ると、真矢はその手を戦闘機集団に狙いをつけ、一気に振り下ろす。その瞬間、凄まじい衝撃波が上空を駆け巡った。ズドン!!
凄まじい衝撃波が上空を駆け巡り、超巨大アイドルの攻撃規模は、地球全体の大気をを震わせるかと思うほどの衝撃を生み出して大気が激しく乱れる。
掌の真下にいた戦闘機は一撃で壊滅し、周辺に飛んでいた機体もその衝撃で爆散してしまう。
真矢はつまらなそうな顔をして、ため息をつく。もう少し手ごたえがあれば、怪獣ごっこが出来たのに、と残念そうに思う。真矢の攻撃を逃れた戦闘機たちが舞い戻ってきて攻撃を再開し始めているが、今の彼女には蚊程度にも思っていないようだ。
"鬱陶しいなぁ、もう!"
真矢はイラついた表情を浮かべると、腕を高く上げ、水平に薙ぎ払うように振る。その動きは、まるでハエを追い払うかの如く。その動作だけで周囲100キロに及ぶ範囲の空が吹き飛び、その衝撃波がさらに周囲の空気を乱したせいで、気流が荒れ狂う。
狙いのない薙ぎ払い。でも、こうでもしないと蚊よりも小さく遅い地球の戦闘機を攻撃することはできないのだ。しかしそれでも、地球の戦闘機は全滅しないのか、手を止めたとたん再び体の回りに埃のような戦闘機がまとわりつき、服を汚す程度の攻撃が再開する。せっかくいい気分で遊ぼうと思ったのに、これじゃあ興ざめだ。
"あーもー、めんどくさい!!"
真矢は舌打ちをすると、汚れたキャミソールを脱いで、ブラジャー姿になった。真矢のGカップのバストを支えるのは、レースとフリルの付いたピンクの可愛いデザインのブラだった。脱いだキャミソールを右手に持つと、それをまとわりつく戦闘機めがけて振り払う。
ブォン!! たったそれだけの動作で、キャミソールは音速を超え超音速爆撃機に匹敵する速度で吹っ飛ぶ。
バシィ!! キャミソールが直撃を受けた機体は一瞬で粉々になり周囲に散らばっていった。それを見ていた残りの戦闘機たちは、慌てて退避行動に入るが、すでに遅かったようだ。地球人の1万倍の真矢の体を覆うキャミソールなのだ。それを長さ4kmもある腕で振り回せば、その破壊範囲は計り知れないものとなる。
真矢の一振りで50機以上の航空機が消え去ってしまう。それだけで終わらない、さらに広範囲の空域を薙ぎ払うため、真矢が巨大な一歩を踏みしめながらキャミソールを振り回す。
ズドオオオン!!ズズゥウウン!!ズドオオオン!!
街の上を真矢の長い足が何度も繰り出され、巨大な足跡が刻まれてゆく。真矢は、体を左右に振っては何度も振り回し、一振りごとに残った戦闘機をせん滅していった。
真矢の戦闘行為が終わったのは、1分ほどだった。だが、それだけで国中から集められた戦闘機はせん滅して、歩き回った地上も真矢の巨大な足跡を残して消滅してしまった。
"ふぅー。ちょっと暴れすぎちゃったかな?さすがに疲れてきちゃった。"
汗をかいてきた真矢は、少し休憩しようと近くのビル群に向かって歩き始めた。
"せっかく休むんだから、人が多い場所で休みたいわね♪"
ズゴォオオ!!ズズズズズズンン!!!
真矢の歩行によって、ビル群はいとも簡単に崩れ去り、その下の地面は陥没して大きな穴が開いてしまう。歩くたびに街を破壊しながら、真矢は脱いだキャミソールを肩に担ぎながら歩き続け、ピンク色のブラに覆われた巨乳を揺らしながら進む。彼女の歩いた後には、巨大なクレーターだけが残されていた。
ズシイィイイン!!ズシィイイン!!
すぐに海沿いの高層ビル群にたどり着いてしまった。その街の郊外エリアには開けた田園地帯が広がっており、地上には戦車部隊をはじめとする軍隊が集結していた。
彼らは、真矢の歩く方向にある平野に展開している。急遽集められた戦闘集団は一個師団相当にまで膨れ上がっていた。
さすがに1ミリ以下とはいえ、これほどまでに集まると真矢もその存在に気づいてしまう。
"なによ?まだやる気なの?しつこいな〜。あんまり面倒だから、ここらの人間を全部すり潰しちゃおっかな~?"
そう言いながら真矢は、地上の部隊をよく見てみるためしゃがんでみると、真矢の視界にはまるで蟻のように小さい人間が大勢いるのが見える。彼らは必死に真矢に抗おうと、武器を構えて彼女に向け発砲し始めていた。
その様子に真矢はクスリと笑う。これほどの軍隊が集まっても、自分1人に敵わないことが面白いのだろう。そんな彼らの姿を見て真矢は、よからぬことを考えてしまう。その考えを実行に移すため、口の中でクチュクチュと唾液を集め始めた。
"んん、ん。ぷっ"
真矢は地上の軍隊に向かってぷっと唾を吐きかけたのだ。真矢の口から吐き出された巨大な粘液は、直径3kmほどの巨大な球体を形成して重力にしたがって地面に衝突してしまう。 びちゃああああん!!!!
その瞬間凄まじい量の液体が降り注ぎ、その周囲にあったものは全てドロドロの液体によって吹き飛ばされるか、押しつぶされてしまう。それは戦車や兵士たちだけでなく、周囲のビルや道路まで含まれていた。
車体価格5億円、総重量70tの最新鋭主力戦車が少女の唾液でドロドロに押しつぶされてしまう。それも一両だけでなく数十両の車両すべて。
彼女の唾液は文字通り、地球の一個師団に相当する破壊力を秘めているのだ。
真矢がつばを吐きかけるだけで、数万人規模の部隊が壊滅する。しかもその被害は拡大する一方だ。
"はっ?女の子の唾液で全滅とか、弱すぎるでしょ……"
真矢もまさか唾吐き程度で、軍隊が全滅するとは思っていなかったようで、しゃがんでいる足元の凄惨な現状を見てあきれてしまったようだ。
"はぁー、せっかく遊んであげようと思ったのに、つまんない"
そう言い捨てると立ち上がって、次の街へと向かって歩こうとした時であった。
ギュルルルルル……。
下腹部から腸が蠢く音が鳴り響く。そういえば朝からトイレに行っていない。真矢の仕事上、ストレスと不規則な生活リズムが重なるため、便秘気味になってしまう事も少なくない。
特に最近は、忙しくてトイレの感覚も不定期になってしまっていた。しかもこんな状況で、真矢は自分が尿意だけでなく、久しぶりの便意も催していることに気付く。
どうしよう……。別に我慢できないほどでもないが、今から帰ると時間がかかる。そうするとせっかくの便通が終わってしまいそうだ。
だが、真矢はアイドル。人前でトイレをするなんて、恥ずかしくてできるわけがない。
けれども、このままでは久しぶりの便通を逃して便秘期間が延びてしまうかもしれない。そうすれば美容にもストレスにも表れ、仕事に支障が出るのも事実。
そんな風にアイドルとして、女性としてのプライドと排泄欲求の間で葛藤しているときだった。
ギュルルルルル……。
さらにお腹が痛む。成層圏に到達してもびくともしない彼女も、上空1万mの寒さにお腹は耐えられなかったようだ。真矢の額に冷や汗が流れる。
(もう、なんでこんな時に!)
真矢は心の中で悪態をつくと、地球の小ささにイラついてしまう。彼女が使えるトイレどころか隠れる場所も存在しないのだ。そんなことをしている間にも、どんどんと限界に近づいてゆく。
もじもじっと、体をくねらせながら少しでも和らげようと試みたが無駄だった。
(もうダメ……早くしないと漏れちゃう……)
真矢は泣きそうな顔になりながらも、何とかこの場を切り抜けられる方法を考える。しかし辺りを見回しても、すべて灰色の苔のような地球人の街並みだけ。
もはや限界か、真矢は目を閉じぐっとこらえるしかない。
(だけど、こんなに人がいる前で……、ん?人?)
そう、この地球には0.17ミリの地球人と真矢しか『人』は存在しない。
だが、どうだろうか?歩き回っただけで、20万人以上の都市が壊滅したり、少女の唾液で木っ端みじんに吹き飛ばされる軍隊を持つ地球人が人間なのか?
地球人が人間だとすれば、この星で一番大きな山よりも巨大な真矢は一体何なのだろう……?  真矢は一つの結論に至る。この星にいる人間は真矢だけであり、人間の指よりも小さい存在の地球人は細菌以下でしかないのだと。
その考えに達したとたん、真矢はすっきりしたような表情になる。そして、ニヤッと不敵に笑い、その場にしゃがみ込むとホットパンツをショーツごと一気にズリおろした。その姿勢のまま、肛門に意識を集中させると、徐々に真矢の尻の穴が広がり、まるでアナルローズと呼ばれるバラの花が咲いたかのように美しい桃色の粘膜が姿を見せた。
ブボオオオオ!! それと同時に、今まで聞いたこともない大音量の放たれる爆音。
限界まで我慢した便意の悪臭を伴ったオナラが地球の都市になだれ込んできた。そのオナラは、一瞬にして観測史上最高の突風を伴って大都市を直撃し、そこに住むすべての人間の命だけでなく、ビルやアスファルトすらも一瞬で吹き飛ばしてしまう。
"ああ、すっごい気持ちいい!!"
真矢は、あまりの快感に腰が砕けそうになるが、なんとか持ち直し、目の前に広がる光景を見た。
"あはははっ!!ちょっと!女の子のオナラで全滅とか大げさすぎ!!あはははっ!!"
彼女の言う通り、巨尻の真下の街はすべてオナラで吹き飛んでしまい、残っているのは丸い巨大なクレーターのみ。そこに存在していたはずのあらゆる生物の痕跡はどこにもない。真矢が腸内にたまったガスを出したせいで、その猛烈な悪臭爆風が、真下の街を吹き飛ばしたということだ。
それを目の当たりにした真矢は地球の矮小さに思わず、笑いを堪えきれない。
"んー、何にもないとこだとつまらないから、今度はこっちの街を借りるね?"
そう言いながら、ズリズリと足を動かし、比較的被害の少ない街の上にお尻を移動させる真矢。先ほどまで地球人に見られるのが恥ずかしいと思っていたのとは対照的に、わざと人が集まるであろう場所に巨大なアナルの狙いをさだめる。
"よし、ここでいいか。いくら小さいとは言っても、真矢がこれからすることくらい予想できるよね?"
真矢の巨尻を不安そうに見上げる地球人をよそに、楽しそうに話す真矢。
"それじゃ、アイドルのうんちタイムです♪"
ミチミチミチ……。さきほど史上災厄の大放屁をかましたアナルが再び脈動し始めている。空を覆い尽くす巨大な少女の臀部と、その中央に蠢く巨大な肉蕾。
地上の人々は、上空を覆いつくす巨尻に対して無力であり、何事もないようただ祈るしかなかった。
"ふんっ!"
ゆっくりと真矢がいきんだその瞬間。彼女の肛門は、直径500mにもなる巨大な蕾を開かせた。
ミヂミヂミヂミヂ!! そのあまりに巨大過ぎる物体は、真矢の括約筋を大きく開かせながら、ずるずると腸液が滴るような音をたてながら姿を現した。
それは、直径1kmはあろうかという巨大な極太の一本糞。
それは、真矢の体内で1週間近く熟成された、凄まじい量の排せつ物。その量たるや、1億トンにも及ぶ。だが、まだその全容を見せていない。
"ふんーーー!!"
真矢が踏ん張る度にモリモリと少しずつ姿を現し始めた。全長は4kmにはなるだろうか、少女の巨大な肛門に負けないくらい巨大な大便がひりだされてゆく。地上にいる人々はそのあまりの大きさに声も出せずただ呆然と見上げていた。
ズウゥウン……。ついに地上に到達した真矢の特大一本糞。あまりにも凄まじい質量の落下によって、大地が大きく揺れ動く。その衝撃により、真矢の足元にある街は大便の落下によって都市機能はマヒし、人々どころか、自動車でさえ跳ね飛んでしまう。
そんなことは気にも留めず、真矢はひたすらに排出を続ける。
メリメリィ……。
やがて、その巨大な汚物は真矢の肛門から完全に姿を現した。長さ4km以上にも達する巨大な真矢のうんこ。その圧倒的な存在感に誰もが言葉を失っていた。
ズドオオオオオンン!!!
ようやく肛門から切り離された大便は重力に従って茶色い巨体を地面に叩きつける。茶色い巨体は数キロにわたって地球の街を押しつぶし、そこにいた地球人は巨大少女の排泄物によってぐちゃぐちゃに押しつぶされてしまった。
大便の落下の衝撃と轟音は遠く離れた地上の街すらも振るわせてしまい、脆いビルなどは崩れ去ってしまうほどであった。
その信じられない程のスケールのデカさと臭気に、その場の全員が戦慄していた。その臭いは、その熱量は、その大きさは、想像を絶するもので、人智を超えた天変地異そのもの。
まさに人知の及ばぬ存在。だが、それは何の変哲もない少女の排泄物。そんなものが、何の罪のない小さな人々にとって恐怖の対象以外の何者でもないのだ。
街を2つほど潰しながら横たわる巨大なうんこ。潰されずに済んだ隣の街並みと比較すると、地球の街はあまりにも小さすぎた。真矢は、自分の出した糞を見ながら満足そうに微笑む。
(こんなにいっぱい出ちゃった……。でもまだまだ出るんだけど……。)
真矢の排泄欲は、まだ止まらない。
"くっ、んふっ"
真矢はさらに息んで、開いた状態の肛門からさらに大量の糞を産み落とそうとしている。
グリュッ……。
再び真矢の肛門が開く。
ブボオオ!!! 一度目の排泄よりさらに強烈な爆音が響き渡る。
ブバババババ! そして、二回目の脱糞が始まった。最初の大便と変わらないほどの太い一本糞が勢いよく噴き出される。
その圧倒的ボリュームに、周囲の人間はなす術もなく真矢の大便に押しつぶされないよう、その場から逃げようとするが、真矢の巨尻から落ち行く大便からは逃れられない。
ブリュッ……ブリリリッ!!真矢の2本目の大便は、先ほどひり出したおかげか、スムーズに排出されていく。
ズドオオオン!!!
一本目の大便に寄り添うように2本目が着地し、さらに街の被害を拡大させてしまう。真矢の巨大な排泄物に圧倒されて、真矢の足元にあった街は見る影もない。
地球人のビルなどよりも真矢の大便に残ったコーンや繊維のほうがはるかに大きい。それらは、彼女が力んで出したとは思えないほどに立派な一本糞で、とんでもない質量となって、真矢のお尻の真下はあっという間に大便で埋め尽くされてしまった。まるで巨大な茶色の山脈が一瞬にして出来てしまったのだ。
"あー、出たぁ……"
真矢は気持ち良さそうな顔を浮かべる。
ブッスウッ! 真矢の肛門から大きなオナラが漏れ出して、巨大なダウンバーストとなって地上に吹きかかるが、そんなことは大便の被害に比べればたいしたことはない。そのオナラの爆風が、吹きすさんだ街をわずかに揺らすが、彼女はまったく意に介さない。
しかし、真矢のアナルは、いまだに何かを吐き出そうとヒクついている。そう、真矢はまだ出し足りない。この程度のものなら朝飯前だと言わんばかりに腸内にたまった排泄物を出そうとしているのだ。
"んぐっ、また来た。下痢の感じ……。まだ、出そう……"
そう言うと真矢は、次の大便をひり出すために、体に力を入れ始める。
"うっ、ふーっ"
ブビッ!真矢のアナルから勢いよくオナラが漏れだす。だが、今回は先ほどとは違い、熱く煮えたぎっているような感覚だった。
ミチミチ……その音と共に、真矢の尻の穴が広がっていく。
ミヂッ……ミヂッ……
その巨大な蕾がゆっくりと開いてゆく。その様子は、彼女から遠く離れて真矢の肛門を見ていた地球人にもハッキリと分かるほどだった。
"んっ!!"
ブビュルルルッ!!真矢は、お腹に力を込めると、今までで一番激しい音を立てて、真矢の肛門から特濃の軟便が噴出した。そのあまりの激しさに、軟便は大空を舞う様に離れた場所まで飛び散って行ってしまう。
ブビイイッ!! ブボオオ!! ブボボボッ!! その音は、まるで火山が噴火したかのような音。その爆音のたびに、真矢の肛門が開き、そして閉じていく。そのたびに、超特大の軟便が噴出し、真矢の後方の大都市を壊滅へと追い込んでしまう。
ブビィィッ!!ブビュゥッ!!!次第に軟便の水分量が増してゆき、ドロっとした液体に変わってゆく。
ビチビチビチ!! 真矢の肛門から、巨大な茶色の水柱が飛び出していく。その飛沫は、地上の街に降り注ぎ、その威力で地面をえぐり取り、街を茶色の沼に置き換えてしまう。その光景を見て真矢は興奮が抑えられずにいた。
自分が生み出した巨大な茶色の沼。その光景を見ているだけで真矢はゾクゾクとした快感を感じてしまっていた。だが、真矢が作り出した巨大な水たまりはまだまだ広がり続けていた。彼女が力めば力むほど、少女のアナルから放たれている下痢はどんどんと強くなっていく。その被害も凄まじく、彼女のお尻の真下の街を呑み込み、さらにその背後にある都市をも襲おうとしていた。真矢の肛門がパクパクと開閉を繰り返し、その度に、巨大な糞が生み出されて、その糞が地上を蹂躙していく。
ブッ……。
真矢の肛門から、最後のガスが放たれる。それが彼女の腸内に残ったものがすべて吐き出された合図となった。お尻の下の街は完全に真矢の大量の大便に置き換わっている。もはや地上は、真矢のアナルから出た下痢便の海と化してしまった。その被害は、真矢の後方の街にまで及んでいる。
"ちょっと、派手にま撒き散らしすぎちゃったかな?でも、すっきりしたかも!"
そう言いながら真矢は、自分の出した糞を眺めていた。そのあまりの量の多さに思わず笑みがこぼれてしまう。
そのあまりの惨状に、生き残った街の人間など存在せず、すべてあの茶色い山脈に押しつぶされるか、下痢の沼に沈んでいるかだ。
大便から離れた地球人たちは、同胞たちが超巨大少女の排泄物に押しつぶされた現実を目の当たりにして、ただ呆然と立ち尽くしてしまう。自分たちが何をしたというのだ。ただそこにいるだけなのに、ただその街に住んでいただけのはずなのに、あんなにも巨大な少女の大便の下敷きにされるなんて。
そのあまりにも理不尽な現実に、彼らはただただ絶望することしかできなかった。
"ついでだから、おしっこもしちゃうね"
その声を聞いた真矢の股間前の街にいた人々は一斉に逃げ出す。だが、そんなことをしても無駄だ。
少女の宣言通り、山をも呑み込めるほどに巨大なマンコから黄金色の鉄砲水が噴き出してきた。
ズドドドドドド!!!
それは、たったの一押しで巨大な街を押し流してしまうほどの水量。真矢が軽く力を入れると、街は一気に決壊し、大津波が発生してしまう。黄金色の生暖かい津波が、地球の街をいとも簡単に押し流してゆく。
"~♪"
地上の地獄絵図とは対照的に、真矢はため込んでいたものを排泄する開放感で満ち溢れて楽しそうに鼻歌を歌っている。
街をまるごと洗い流すほどの大量の尿は、瞬く間に街の近くを流れる河川にたどり着き、人間が作り上げた堤防をやすやすと乗り越えると、川の色を黄色く変えて水位を上げていった。
ズドオオオ!!そのおしっこ洪水は、街を丸ごと飲み込むだけでは飽き足らず、さらに遠く離れた高速道路の橋脚も打ち砕いてしまい、その周辺一帯の道路をすべて少女の尿によって粉砕して洗い流してしまう。
ドバアッ!! ズゴオッ!! ブシャアァッ!! その勢いはもはやダムを破壊してしまったのかと思う程に強烈で、地球人が作り上げたありとあらゆる建造物を破壊してゆく。もう真矢の足元には真矢のウンチと小便でできた巨大な湖ができていた。
そのあまりに壮観で残酷で無慈悲で圧倒的な景色に、人々は言葉を失っていた。たった一人の女性の排泄行為が、2つの大都市圏と数百万の生命を消滅させてしまった。その事実は、地球の常識では考えられないことだった。
だが、これは現実だ。
そのあまりにも巨大な少女の排泄物は、地球の文明を嘲わらうかのようにすべて破壊しつくしていた。
"んふぅ……いい気分……"
自らの排泄物によって地球の街を汚しまくってしまった真矢。しかしそんなことはまったく気にしていない。
なぜなら、真矢にとってはただの排泄行為に過ぎないのだから。真矢は一仕事終えた後のように大きく伸びをして、排泄後の余韻に浸っていた。足元では、真矢の脱糞に巻き込まれてしまった街が壊滅状態になっている。
だが真矢は、そんなことより自分の出すモノで街が壊滅したという事実に喜びを感じてしまう。自分の力の巨大さに酔いしれ、その優越感が真矢の心を満たしていく。
だが、しかし真矢はあることに気づいてしまった。
"あっ。ここ、紙とかないんだっけ……"
真矢は困った表情を浮かべる。そう、真矢の排泄物した後の処理をするものがないのだ。
いくら真矢が大便を出し切ったといっても、少女のアナルの周辺は汚れているし、そのままパンツを履くこと等できない。
だからといって、地球人が使う紙なんて使えっこないし……。だけども、手に持っているのは、先ほど脱いだキャミソールだけ。
どうしよう……。
"しょうがない。海で洗うか"
そう言うと真矢は、ズボンを下げた状態のまま、港湾地区へと移動する。
そのまま、お尻を海に向け、大量の海水を手ですくうとバシャバシャと汚れたアナルを洗ってゆく。そのひと掬いは膨大な量で、その手にすくわれた水の上には小さな船が一隻、すくい上げられ巨大なアナルに激突して砕け散ったが、真矢はそれを知る由もない
"まったく、アイドルにこんな事させるなんて……、真矢が使えるトイレくらい作っておきなさいよ"
そんな悪態をつきながらも、真矢は溜まっていたものを出したせいか、上機嫌だった。
ウォシュレットのような要領で真矢はアナルを洗浄すると、ようやくスッキリした顔になる。
そんな時、真矢のアナルに数筋の細長い白煙を描きながらミサイルが飛び込んできた。数キロに及ぶピンク色の蕾よりもずっと小さい閃光がぽつぽつと現れ始め、少女の肛門に向け攻撃をしているものが現れた。
この港湾地区の近くで停泊していた艦隊が、超巨大少女の破壊活動を止めるべくここまで集結してきたのだ。艦隊はミサイル駆逐艦をはじめ、フリケード艦など数十隻にも及ぶ大規模なものだった。地球上でも類を見ないその大艦隊が集まったとしても、真矢の臀部どころか、目の前に広がる排泄物の質量にはかなわないかもしれない。それほどまでに彼女は膨大であった。
だが、それでも艦隊は立ち向かわなければならない。自分たちの母星を守るため、そして何より市民たちを守るために。
"はぁ、せっかく奇麗になったのに、また汚さないでよ"
そう言って真矢は小さな小さな艦隊に無駄な抵抗をやめるよう、ため息交じりで呼びかける。
そんな彼女の呼びかけにも反応すら見せない地球の艦隊は、さらに攻撃を強めてゆく。大型の巡航ミサイルを打ち尽くしてもなお、残った対空ミサイルや対艦ミサイルに切り替えて攻撃を継続させる。
それでも、攻撃が通らないとみると旗艦から核搭載ミサイルが発射された。ミサイル発射機から眩い光とともに放たれた必殺の破壊兵器が一直線に真矢に迫る。直撃すれば大都市すら破壊しかねない威力を持つ核兵器だが今の彼女にとってはその程度の火力では傷一つ付けることはできないだろう。
ズオォン!!超巨大少女の肛門がまぶしく光る。人類史上最大の攻撃が少女の肛門に炸裂する。
爆発音とともに猛烈な衝撃波が発生した。巨大な少女とはいえやはり人間である以上、核の破壊力の前には無傷ではいられないはずだ。ところが彼女の身体は、少し揺れただけで何の影響も受けていないように見える。それどころか爆風と爆炎の中から現れたその姿はまるで何事もなかったかのようだった。
"ひゃん♡くすぐったいじゃない♡"
なんと全くダメージを受けていなかったのである。それも当然の事であろう。なにしろ彼女はこの星で最も質量がある存在。地球人の渾身の一撃ですら少女の身体にとっては蚊に刺されたようなものなのだ。人間が作り出したちっぽけなミサイルごときではダメージが通るはずがない。
"んっ♡エッチなところに悪戯されたからオナラが出ちゃいそう……"
ブォオオオオオ!!!核攻撃ですらビクともしなかったアナルローズが口を広げ、腸内にたまったガスが噴き出る。それはさっきの排便で腸内がすっきりしたためか、今まで以上で最も勢いの強い放屁になってしまった。
ゴオオオオオオオオオオオ!!!核爆発のきのこ雲をたやすく吹き飛ばしたのち、凄まじい突風が艦隊を襲う。その風圧によって戦闘艦のレーダーマストはへし折られ、ブリッジの防弾ガラスはことごとく粉砕され、甲板上に存在していた砲塔やミサイル発射台を薙ぎ払ってしまう。
そんな風に艦隊の陣形が崩れた瞬間、真矢はすかさず第二波の攻撃を加えてしまう。再びアナルが大きく口を開けると、今度はさっきよりも強くゴオオオッ!強烈な熱線が放たれた。
ゴオオオッ!!ゴゴゴゴゴゴッッ!!!!空気を割いたかのようなけたたましい轟音と共に、観測史上最大の爆風が海上を襲う。それが少女の放屁だと気づいたときにはもう遅かった。すでに手遅れだったのだ。あまりの衝撃によって排水量の少ない艦艇は転覆してしまい、艦隊はもはや反撃するどころか、退避行動もとることもできない状態だった。
しかしそれで終わりではない、さらに真矢の爆風オナラによって海面がめくれ上がり、大きな津波が発生してしまう。生き残った艦船も、その津波に巻き込まれてしまい、水面に浮かぶ木の葉のように荒れ狂う海に飲みこまれるか、あるいはバランスを崩し沈んでいく。
自分のオナラで大艦隊を粉砕したことなど気づきもしない真矢は、すっきりとした腸内に満足すると立ち上がり、ズリ下げていたパンツとズボンを元に戻していった。
"4日ぶりだけど、こんなにたまってたのね……"
立ち上がり、自分が作り出した惨状を見て真矢はつぶやく。その周囲には、地球人が作った高層ビルやマンションが、まるで真矢の出した下痢便に溺れるように倒壊して2本の並んだ茶色い山脈が街を見下ろしている。
そのあまりの凄まじさ。その光景に真矢の口から自然と笑いが漏れ出してくる。
あぁ、楽しい……。この楽しさをもっと味わいたい。
"ちょっと恥ずかしかったけど、たくさん出せてよかったぁ♡"
ブラジャーのままで、はしたなくも公開排泄をしてしまった真矢は、その羞恥心よりも、気持ち良さが勝っているようで、つい嬉しくなって口元が緩んでしまう。
この地域では開けた平野が広がり、多数の街が存在していたこの場所には、今では真矢が排泄欲を満たすために作った巨大な茶色の山が二つ鎮座している。肥沃な大地も黄金色の湖と茶色の沼地に変わってしまっていた。
あのうんちとおしっこの湖の底には真矢と同じ知的生命体の街が存在していたのだ。それを見て地球の街を侵略しているという実感が湧いて、真矢はゾクゾクとした感覚が全身を駆け巡っていく。
——あ~ぁ、ひどいことしちゃったなぁ~
真矢は、自分の排泄行為で無残にも崩壊してしまった街の残骸を見下ろすと、まるでおもちゃを壊した子供の様な笑顔を見せる。
一通り楽しんだので、帰り支度をするためにキャミソールを着た時に胸の谷間に置いておいた街の区画を見つけて思い出した。
そうだ。あの生意気な新人アイドルに教育をしてあげるんだった……。
でも、もうあれほど暴れてしまったし、何よりアイドルが白昼堂々、青空の下で用を足すのを見せつけてしまったのだ。
"あんたたちは、どうしようかなぁ……?"
そう言って真矢は目の前の街を眺める。そこは真矢が今までしてきた大蹂躙を間近で見せつけられ、すっかり怯えてしまっている。
このまま潰すことも動作もないけど、それはつまらないよね。そんなことを考えているうちに真矢の中で悪戯ごころがわいてきた。
"せっかくだし、地球のお土産として真矢のペットにしてあげる!光栄に思いなさい!!"
そう言い放つと真矢は、両手で巨大な胸を持ち上げ、その谷間の街に言い放つ。
哀れなライブ会場の周辺の地球人たちは、その巨大な胸の中に捕らえられたまま抗議することもできず、ただただ恐怖することしかできなかった。
真矢はそんなことは気に留めず来た時と同様に、転送装置のスイッチを入れると、そのまま姿を消してしまった。
こうして、真矢は地球を後にする。真矢が飛び去った後には巨大な足跡と糞尿が残されたままだった。
真矢の地球訪問から数日後。
"はいお疲れさまー、真矢ちゃん撮影ご苦労さん"
"はい、ありがとうございました"
その声とともに今日の真矢の撮影は終わった。その言葉に真矢はにっこりとほほ笑む。
そう、今真矢が立っているのは、とあるスタジオの中。真矢はその真ん中に用意された椅子に座り、カメラに向かって微笑んでいる。今の彼女はいつものステージ衣装ではなく清楚なブラウスとスカートといった私服姿である。
"なんだか、今日の真矢ちゃんいつもと違う感じがして良かったわ、何かいいことあったの?"
今日一緒に仕事をしたカメラマンの女性がそんな感想を口にしていた。
"えー?特にないですよぉ。でも、なんか最近調子が良いんですよ"
その声に真矢が答える。まさか、極小惑星の地球であんなことをしでかしてストレスを解消したからとは口が裂けても言えなかった。
帰ってからも持ち帰った街と地球人を部屋に置いて、彼らの反応を見て楽しんでいる。彼らを机の上などにはおいてやらない。廊下の床に置いたまま、真矢が通り過ぎるたびにその巨大な足音を嫌でも聞かせてあげるのだ。
餌の時間だって落ちてくるパン屑に潰されないよう、ちまちまと逃げ回っているのが、滑稽で仕方がなかった。
持ち帰った地球人はすっかり委縮しきって、真矢が通り過ぎただけで悲鳴を上げるようになっていた。そんな彼らが可愛くて、真矢はついつい苛めすぎてしまうこともある。そんな、真矢の楽しみ方は当然誰にも言えない秘密だ。
でも、その真矢の楽しそうな表情をみて、女性は少し怪しんでいた。
"?、まぁ、元気なことには良いことだし、明日も撮影よろしくね"
"はい、お願いします!"
真矢はぺこりとお辞儀をすると、女性と別れ帰路に着いた。自宅に帰ると、真矢はシャワーを浴びて、また一人PC画面に向かいライバルアイドルたちの情報を確認してみる。
相変わらずランキングの上位の入れ替わりは忙しいようだ。その証拠に、サイトには更新情報が表示されている。
しかし、先週までトップページを埋め尽くしていた地球のアイドルは消え去り、代わりに別の女の子が書かれていた。
"ふーん、また似たようなのが出てきてるのね……。"
その少女の情報を調べていくうちに、その所在も分かってきた。
"そう、地球みたいな極小惑星の人間なんだぁ……、へぇ……"
そう呟くと真矢は、その少女の顔写真を見る。
"じゃあ、どんな星のアイドルなのか確かめに行かなくちゃね~♡"
そういうとパソコンを閉じ明日の用意をして眠りについたのだった……。