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1
- 黑川真美放学回家时被同属是摄影部的中条司邀请到他的家。
2
- 司说有些东西想给她看。
3
- 进入中条家的玄关,旁边马上有楼梯通向地下室。
4
- 看来这个地下室可以穿着鞋进去。
5
- 在司引导下,走下楼梯,进入中条家地下室。
6
- *
7
- 司把房间入口旁边的开关打开。
8
- 渐渐可以看清漆黑的房间里的东西。
9
- 令人意外的是这不止是一间普通的地下室。
10
- 有一个小小的大厅左右的面积,但一根柱子也看不到。
11
- 到目前为止,司仅仅只是说这个空间是「地下室」,其他什么都没有说。
12
- 今天第一次进来时,真美没想到这里是这么宽广的地方。
13
- 但是让真美更加吃惊的是,被绿色覆盖的群山,美丽的蓝色大海,河川上的两条铁桥。
14
- 高楼林立的闹市,挤满住宅和公寓林立的住宅区…等等
15
- 都市的光景在广阔的地下空间中满扩展。
16
- 但全部的建筑物都只是150/1大小的精巧模型。
17
- 中条家骄傲的立体铁道模型的世界在这个地下室蔓延着。
18
- 「怎么?吃惊吧?」司问真美道
19
- 「嗯、嗯。真的很厉害」被眼前扩展的景象压倒的真美没法回话。
20
- 「很到你被模型感动到,作为制作者的我高兴哟」司害羞的说。
21
- 「这个,全部都是司你做的吗?」
22
- 「有九成是父亲做的,我大概做了一成左右吧」司为难地说。
23
- 「果然,笨手笨脚的司是不可能造出这个模型啊」
24
- 「什么啊,你这样说~」
25
- 司似乎对被真美尖锐地指出痛处感到很不满。
26
- 「但是,这个模型真的很厉害啊。我很感动」
27
- 「到这里为止就感到感动,我是非常高兴,不过你以为这就结束,那就大错特错了。」
28
- 司说。
29
- 「哎?什么?还有什么更厉害的?」
30
- 「我之后再说明。先抓紧我的手臂」
31
- 视野从一片白色恢复后,真美发现了四周的变化。
32
- 周围有几个人,和刚才在的地下室明显是不同的地方。
33
- 但那几个人只是站着完全没有动。
34
- 真美靠近看了看。发现全都是看来很真像真人的模型。
35
- 正当真美对周围突然的变化感到不知所措时,司不知道从哪里出现了,
36
- 「我们可以飞进来呀」司呼唤道。
37
- 「喂,司。到底,你到底对我做了什么?而且,这里是哪里?
38
- 满地都是人体模型,好呕心~」慎怒的语调向司顶撞道。
39
- 「想知道这里是哪里?这里就是中央车站呀」司说。
40
- 「嗯,更简单地说,这是模型的世界里的一个火车站。
41
- 总之现我和你都缩得很小,进入到模型的世界。」
42
- 司继续说。
43
- 「我变小了!你不会说我无办法回到原来的大小的吧
44
- …难道,喂啊。」真美不安地问。
45
- 司的眼神闪闪躲躲
46
- 「对不起。其实,我忘了带着回去的时需要的工具」
47
- 在司说完之前,他的背已经吃了一记飞踢。
48
- 吃了真美一下飞踢的司一边耐着背上的痛一边说
49
- 「诶,刚才说的话只是开玩笑。
50
- 回到原来大小的机器有好好地带在身上,不用担心……」
51
- 他就这样钝声倒下躺在地上。
52
- 几分钟之后,司背上的疼痛缓和,他起来,
53
- 走到在附近长椅上坐着的真美。
54
- 「对不起,背还痛吗?」
55
- 「啊,还是很痛。这一脚和你刚刚被我骗了的事算和数吧」司说。
56
- 「嗯,看来已经不要紧了。那么,差不多该向我详细说明一下。
57
- 你特意把我缩小,就是为了带我逛这个箱庭世界吧?」
58
- 「一口气说要说很久哦?」
59
- 「嗯」
60
- 真美附和道,司开始详细说明。
61
- 「原本铁道模型的爱好者在运行模型列车时,
62
- 会在模型上安装超小型的摄像头从低角度的视点眺望模型内的风景,
63
- 或者那些人是对自己创造的模型世界感兴趣。
64
- 但是,也会想用自己的手试着驾驶列车,用自己的眼睛看模型世界的风景,
65
- 用自己的脚在自己创造的城市上走一走。
66
- 现在我手上拿着这个机器,就是为了达成这种愿望而开发。
67
- 这个机器可以把人变成模型世界的标准大小,那么刚才说的事就不再是梦想,
68
- 而是可以简单达到的现实。那个已经是我们刚出生的时候的事了」
69
- 「哎~,换句话说,司可以实际驾驶在那里停泊的模型电车。」
70
- 「嘛,关于这件事。我正想要驾驶电车,载着真美介绍一下这个世界。
71
- 顺便说一下,你是除了家人以外的第一个搭乘我驾驶的列车的人哦。」
72
- 「第一个吗,被这样说的话,感到很高兴」
73
- 「这样的话,载你也载的有价值呢。
74
- 那么,跟我来吧」
75
- 两个人向停了模型列车的月台走去。
76
- 停在月台的列车,还是和普通模型的车厢一样,
77
- 外表和真正的车厢相比也毫不逊色,但模型内部就有一种只是模型的感觉。
78
- 只有车头和其他的车厢完全不同。
79
- 首先从驾驶席的设备来看,和真正的驾驶座无��样,
80
- 在驾驶席后方,安装了为了看前方的景色的坐席。
81
- 司坦言道「最近的铁路模型的列车,只有车头内侧制作出接近现实世界一样的设备。」
82
- 驾驶席旁边的门打开,两人坐上了车头。
83
- 顺便说一下,两端的车厢除了乘务员用的门以外,其他门扉都是无法开启的道具门而已。
84
- 司坐在驾驶座上准备好。
85
- 「那么出发吧」他大声叫道。
86
- 「嗯。虽然和往常一样,只是乘火车而已,但总觉得有点兴奋。」
87
- 「呼~,是因为我驾驶的缘故吗?」
88
- 「啊,并不是那样的啊……」看到真美这样的反应,司笑了。
89
- 「出发前进!」司说完后,列车开始加速。
90
- *
91
- 列车开动了,经过几个区间小站,进入复线的主要线路。
92
- 逐渐开上高架干线,发出行车时特有的声音。
93
- 然后列车静静地溜进一个高架车站的月台旁停下。
94
- 「到达目的地。真美今天进入到「箱庭」,
95
- 第一次的时间不太够啊。
96
- 这里,在这个箱庭内,不应该是最初就带来玩的地方啊,还是期待下次再去其他地方吧」
97
- 「也就是说,司想再带我来这里」
98
- 两人从火车坐到月台。站台上挂着的站名牌写着「新都中央」字样。
99
- 「这里是「新都中央」车站,被设置为最近市中心的车站。
100
- 这是虚构的地名」司介绍这个车站的设置说。
101
- 「嗯,那么检票口的外面,我会介绍一下箱庭都市。
102
- 嘛,说白了,也没有很有趣的东西」
103
- 从站台楼梯下来,两人走过检票口到车站外面。
104
- 真美在高楼林立的模型街上看得发呆,
105
- 这时司他注意自己忘记了很重要的事,讨厌的想法在脑海迅速扩散。
106
- 「说起来,那家伙大概是在个的时间过来啊。
107
- 今天真美第一次来到箱庭,什么也不知道,如果看到那家伙的话……」
108
- 在司不安的时候,真美一个人在车站旁边的马路上走去。
109
- 「喂,快回来呀。我忘记了一件事」司大声呼唤。
110
- 「什么事?」
111
- 「今天是星期二,就要到妹妹回来的时间。」
112
- 「妹妹回来的话有什么不方便吗?」
113
- 「单纯只是回来的话也没有什么问题,
114
- 但她看到地下室的灯开了的话,会把东西丢倒房间里,马上跑下来。」
115
- 「那……这样也有不方便的吗?」
116
- 「问题是妹妹会就以那样的大小跑进来这里啊」
117
- 「就以那样的大小?」真美好像忘记了自己现在被缩小到沙粒的大小。
118
- 「忘了吗。我们现在是缩小进到这里…」
119
- *
120
- 终于,事态往司害怕的方向发展。
121
- 巨大的吱嘎声传到两人的耳朵,
122
- 接下来又听到有节奏的咕咚咕咚声。
123
- 「喂,这个是什么声音?」
124
- 真美大声向司叫道。
125
- 如果不这样做的话,声音传不到司的耳朵。
126
- 「这声音,妹妹走路的声音。」
127
- 司大喊地回应。
128
- 「但是,走路的话为什么会发出这么大的声音?」
129
- 真美还是不明白。
130
- 之后,高楼之间,穿着水手服的巨大少女出现了。
131
- 大楼只有巨人穿的白色长袜一样的高度。
132
- 反衬起来,少女的身影变得更加巨大。
133
- 巨大少女在市城的主要街道上走动,那条单行三车道也显得很狭窄
134
- 在大道和高架铁路交叉的地方停下来。
135
- 巨大的少女把高架铁路轻轻夹在两腿之间,
136
- 下面和铁路并行的幅度宽广的道路被穿着巨大黑色皮鞋的脚占据。
137
- 这个巨大少女是司的妹妹奈央。
138
- 奈央实际身高体重分别是170cm、60kg,14岁,作为女孩子来说是个子相当高。
139
- 80cm的腿长,再加上大人般的容颜,根本看不出只有14岁。
140
- 以那个姿容,在学校所属戏剧部。
141
- 事实上,被模特儿事务所叫上了几次。
142
- 那样的奈央,以实际的大小踏进「箱庭」的街道。
143
- 从这个全部只有150分之一缩小化「箱庭」来看奈央的话,
144
- 是身高255m,腿长120m,体重20万吨的巨大少女。
145
- 这就是现在的奈央。
146
- 穿着远远超过30米的巨大黑色平底鞋的奈央,
147
- 视线朝地,低下头,像是在查找掉在地上的什么东西一样。
148
- 在奈央两腿之间的车站中,有如蚂蚁一样渺小的小人出现。
149
- 「喂,奈央。为什么来这里呀?」
150
- 「像往常一样,在小人的街上散步。」
151
- 「真是的。今天,我带着我的朋友来这里,所以有像奈央一样的巨大女在的话,我朋友会害怕吧?
152
- 所以今天,你先回去」
153
- 在车站,另一个小小人出来了。是真美。
154
- 「初次见面。黑川真美。和中条君是同班同学,也一起在上同一个课外活动,请你多多指教。
155
- 巨大的奈央酱。」
156
- 真美对巨大的奈央毫不惧怕地在做自我介绍。
157
- 「奈央也好好地打招呼吧。不要再保持巨人的样子」司说。
158
- 奈央做出意外的行动。
159
- 不知为何,奈央的身体渐渐,渐渐地变小,终于,变得和两��同样的大小。
160
- 「初次见面,中条奈央。承蒙你照顾我这个小矮人哥哥。」奈央寒暄道。
161
- 「喂,什么呀,你说谁是小矮人哥哥」
162
- 「因为,刚刚就是矮呀」
163
- 「现在不是了吧?」
164
- 顺便说一下,司的原身高173cm,稍稍保持了作为哥哥的颜面。
165
- 「嘛嘛,关系很好嘛。啊?」真美切了进来。
166
- 司和奈央二人同样嘟着嘴生气。
167
- 两人的动作一模一样,也许是兄妹的缘故吧。
168
- 「不好了~」真美突然大声呼喊。
169
- 「怎么了?」
170
- 「今天有补习。所以六点之前要回家…」
171
- 司看了看表。现在已经过了五点半。
172
- 现在开始赶也赶不上。
173
- 「啊~确定会迟到吗~。也不是这么重要的课啊…」
174
- 真美叹气道。
175
- 「那个,黑川桑。有点话跟你说,好吗?」
176
- 「是什么事。奈央酱」
177
- 「不想被哥哥听到的事,所以可以过来这边吗?」
178
- 司离开后,奈央和真美的二人开始商量。
179
- 司很在意两个人的对话。
180
- 偶尔听到「我也可以成为那个吗?」或者「这样做没问题吗?」。
181
- 「但是,这样的话就可以赶上了」只听见到真美这样说。
182
- 司自己一个人也没办法,只好在车站里来回走渡步。
183
- 几分钟后,司回到了原来的地方。这时候发现有什么不对劲。
184
- 刚才在那里的两人都不见了。纵览四周,也找不到两人的身影。
185
- 司带着讨厌的预感仰望天空。
186
- 天空被两个巨人的笑颜覆盖了。
187
- 「小人哥哥,我们先走回家啊。顺便说一下,模型列车由我来保管。」
188
- 奈央晃了晃手里拿着的电车。
189
- 是为了展示这个,是为了表明巨大的自己能轻易地拿走火车吗?
190
- 还是,只是故意要惹怒哥哥。
191
- 「所以小小的哥哥也要走回去啊」
192
- 奈央说,
193
- 「奈央酱想到我也巨大化的话就来得及。
194
- 所以也只能这样,我会注意脚下走路的」真美说。
195
- 留下了一句「再见」,「巨人」的二人发出轰鸣的地震声离去了。
196
- 车站只剩下一个「小人」司。
197
- 司一想到要走真美和奈央150倍的距离就心情沉重起来。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Done 2024-02-23/[ICECAT] 箱庭シリーズ 1 [that123] JP.txt DELETED
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1
- 黒川真美は、学校の帰りに、クラスメートで、同じ写真部に所属する中条司の自宅に招待された。
2
- 司が言うには、見せたいものがあるらしい。
3
- 中条家の玄関の入ってすぐの横のところに、この家の地下室へと続く階段があった。
4
- どうやら、この地下室は土足のまま入っていくことが可能なようだ。
5
- 司に案内されて階段を下りてゆき、中条家の地下にある部屋に入っていった。
6
- *
7
- 司が部屋の入り口近くにある明かりのスイッチを,
8
- 付けると真っ暗闇だった部屋の中の様子が次第に見えてきた。
9
- 意外なことに,そこは普通の地下室と言うよりも,
10
- 小さなホールぐらいの広さはありそうな空間が一本の柱もなく,そこにはあった。
11
- 今まで,司はこの空間の事をただ単に「地下室」としか言っていなかったので,
12
- 今日初めてこの場所に入った真美はここがこんなにも広い場所とは思っていなかった。
13
- だが,真美がさらに驚いたのは,緑に覆われた山々,青く美しい海原,川に架かる二本の鉄橋,
14
- 高層ビルが林立する都会,一戸建て住宅やマンションが立ち並ぶ住宅街…といった
15
- 光景がこの広大な地下空間いっぱいに広がっていたことだ。
16
- ただし、それら全ての建築物や構造物は、精巧にできた150分の1スケールのミニチュアだった。
17
- この地下空間には、中条家自慢の鉄道模型のジオラマの世界が広がっていたのだ。
18
- 「どう?驚いた?」と司が真美に尋ねると
19
- 「う、うん。すごい」としか、目の前に広がっていた光景に圧倒されていた真美は答えられなかった。
20
- 「このジオラマに感動してもらえて,制作者としてうれしいよ」と司は照れながら言った。
21
- 「これ、全部司が作ったの?」
22
- 「まぁ親父が九割で、俺は一割ぐらいかな」とバツが悪そうな司。
23
- 「やっぱり、手先が不器用な司が全部作れるわけないよねー」
24
- 「なんだよその言い方は~」
25
- 厳しいところを真美に的確に指摘されて不満げな司。
26
- 「でも、このジオラマの出来は本当にすごいね。私、結構、感動しちゃった」
27
- 「そこまで感動してくれるのはありがたいんだけど、これで終わりだと思ったら大間違いだ」
28
- と司が言った。
29
- 「えっ?何?まだ何かあるの?」
30
- 「説明は後だ。俺の腕にしっかり掴んでおけよ」
31
- 真っ白だった視界が元通りになってきて,真美はようやく周囲の変化に気付き始めた。
32
- 周りには数人の人影があり、さっきまでいた場所とは明らかに違う。
33
- しかも、その人々は立ったまま全く身動きをしていない。
34
- 真美が、彼らに近づいてみるとどうやら本物の人間ではなくよく出来たマネキンのようだ。
35
- 周囲の突然の変化に戸惑っている真美に、どこからともなく司が現れ、
36
- 「こっちの方に飛んできてたんだな」と、声を掛けた。
37
- 「ちょっと、司。一体、私に何の術をかけたの?それに、ここはどこなの?
38
- マネキンばっかいっぱいあって、なんか気味が悪~い」と少し怒り気味の口調で、司に突っ掛かる。
39
- 「ここがどこか知りたい?ここは中央だけど」と司。
40
- 「まぁ、もっと分かりやすく言うと、あのジオラマの世界の中にある駅だ。
41
- 要するに、オレが、オレ自身とオマエを小さくして、ジオラマの世界に入り込んだってことだ」
42
- とさらに続けて司は言った。
43
- 「私を小さくしてって、まさか、もう元の大きさには戻れないっていうようなことは、
44
- ないでしょうね。…まさか、ね」と不安がる真美。
45
- すると司は伏せ目がちに
46
- 「ごめん。実は、そのまさかなんだ。戻るために必要な道具を置き忘れたみた」
47
- と最後まで司が言い終わる前に、彼は背中に跳び蹴りを食らっていた。
48
- 真美の跳び蹴りを食らった司は、背中の痛みに耐えながら
49
- 「さ、さっき言ったことはいわゆる一つのジョークって奴だ。
50
- 元の大きさに戻るための機械はちゃんと持ってきてるから、心配すんな…」と言って、
51
- そのまま、彼は床ににバタリと倒れてしまった。
52
- 数分後、司の背中の痛みが和らいできたところで、彼は起き上がり、
53
- 近くのベンチに座っていた真美が、彼のほうに寄ってきた。
54
- 「ごめん、背中痛かった?」
55
- 「あぁ、かなり。 まぁ元はと言えば俺が騙したのが悪かったし、お互い様だ」と司は言った。
56
- 「そう、もう大丈夫そうね。じゃ、そろそろ詳しく説明して���らおうかな。
57
- わざわざ私を小さくしてまで、この箱庭の世界を案内したかったんでしょ?」
58
- 「一気に話すと長くなるけどいいな?」
59
- 「うん」
60
- 真美が相槌を打った後、司が説明を始めた。
61
- 「元々、鉄道模型愛好者は模型の列車を運転したり、
62
- 模型に超小型カメラを取り付けてジオラマの風景を低い視点から眺めたり、
63
- あるいは、ジオラマの世界を創ること自体に喜びを感じる人々が居たんだ。
64
- でも、どうせなら自分の手で列車を運転してみたり、自分の目でジオラマの世界の風景を見たり、
65
- 自分の足で自分が創った街を歩いてみたくなったり。
66
- そんな願いを叶えるために開発されたのが、今、俺が手に持っているこの機械なんだ。
67
- この機械さえあれば、ジオラマの世界の標準の大きさになって、さっき言ったようなことが、
68
- 簡単にできるようになったわけだ。それが、俺達がちょうど産まれた頃の話」
69
- 「へぇ~、じゃそれなら、あそこに停まってる模型の電車とかを、司は実際に運転できるわけなんだ」
70
- 「まぁ、そういうこと。これから俺が運転する電車に、真美を乗せてこの世界を少し案内してやるよ。
71
- ちなみに、俺が運転する列車に、家族以外の人間を乗せるのは初めてだ」
72
- 「初めてとか言われると、なんかうれしいな」
73
- 「そう言ってくれると、こっちとしても、乗せる甲斐があるってもんだ。
74
- じゃ、俺について来てくれ」
75
- 二人は、模型の列車が停車しているプラットフォームに歩いていった。
76
- プラットフォームに停車中の車両は、やはり元々普通の模型の車両なので、
77
- 外見は本物の車両と比較しても遜色はないものの、内側はいかにも模型といった安っぽい感じだった。
78
- だが、先頭車両だけは他の車両とは、まるで違っていた。
79
- まず、運転席の設備は見る限りは、本物の運転席のものと変わりはなく、
80
- さらに運転席の後方部分には、前方の景色を見るためのちゃんとした座席が設けられていた。
81
- 司が言うには、「最近の鉄道模型の車両の中でも、先頭車両だけは内側の設備も本物に近づけて、製作されている」とのこと。
82
- 運転席横の扉を開いて、二人は車両に乗り込んだ。
83
- ちなみに、両端の車両の乗務員用の扉以外の扉は開くことのないハリボテである。
84
- 司が運転席に座って、準備が出来た。
85
- 「じゃ出発するよ」と声をかけた。
86
- 「うん。なんか少しドキドキしてきちゃった。いつもと同じように、電車に乗ってるだけなのに」
87
- 「ふ~ん、それって俺が運転するせいか?」
88
- 「べ、別にそういうわけじゃ…」そんな真美の反応に、司はニヤニヤしつつ
89
- 「出発進行!」と言って、列車を加速させていった。
90
- *
91
- 動き出した列車は、構内のポイントをいくつか渡り、複線の本線へと進入していった。
92
- 次第に、線路は高架になり、特有の走行音をたてていた。
93
- そして、列車はある高架駅のホームに、静かに滑り込んで停車した。
94
- 「目的地に到着っと。真美はこの「箱庭」に入るのは今日が、
95
- 初めてだし時間もあんまりないみたいだしな。
96
- ここは、この箱庭で、最初に案内すべき場所じゃないんだけど、お楽しみはまた今度って言うことで」
97
- 「っていうことは、また司がここに連れてきてくれるんだね」
98
- 二人は列車から、ホームに降りた。ホームに掲げられている駅名表には「新都中央」と書かれていた。
99
- 「ここは、「新都中央」っていう駅で、市の中心部に一番近いっていうのが設定。
100
- いかにも架空の地名っぽいだろ」とこの駅の設定を、司は言った。
101
- 「さてと、じゃ改札の外に出て、箱庭の都会を案内してやるよ。
102
- まぁ、はっきり言ってあまり面白いものでもないけどな」
103
- ホームから階段を降りて、駅の改札口を通って、二人は外に出た。
104
- これから、模型の高層ビルが立ち並ぶ街中でも、真美に見せてやるかと、
105
- 司が考えていると、彼は大事なことを忘れているのに気付き、彼の中でイヤな考えが広がった。
106
- 「そういや、大体いつもこのくらいの時間にアイツはやってくるよな。
107
- 今日、初めて箱庭に来た真美が、何も知らずに、もしもアイツの姿を見てしまったら…」
108
- 司の不安が募る間に、真美は一人で駅の側を通る道路に出ていた。
109
- 「おーい、ちょっと戻ってきてくれ。言い忘れて��ことがあるんだ」と大声で、司は呼びかけた。
110
- 「なーに?」
111
- 「今日は、火曜日で妹が帰ってくる時間がもうすぐなんだ」
112
- 「妹さんが、帰ってきてくるのが何か都合が悪いの?」
113
- 「単に、帰ってくるだけなら何にも問題はないんだけど、
114
- 地下室から明かりが漏れてると、部屋に荷物を置いてすぐに、ここにやってくるんだ」
115
- 「それが、そんなにも都合が悪いの?」
116
- 「妹は、そのままの大きさでここにやってくるから問題なんだよ」
117
- 「そのままの大きさ?」真美は、どうやら自分が縮小していることを忘れているようだ。
118
- 「忘れたのかー。俺たちは今、小さくなってここにいるんだから...」
119
- *
120
- ついに、司が恐れていた事態になってきた。
121
- ミシッと何かが軋む巨大な音が、二人の耳に届き、
122
- 続いてドスーンドスーンと周期的な音が、耳に届いた。
123
- 「ねぇ、この音は何?」
124
- 真美は大きな声で司に聞いた。
125
- こうでもしないと、声が司に届かないと思ったからだ。
126
- 「この音は、妹が歩いてくる音だ」
127
- 司が、叫び返す。
128
- 「でも、それだけならなんでこんなに大きい音がするの?」
129
- 真美は、まだ分かってない。
130
- そして、高層ビルの間から、セーラー服を着た巨大な少女の姿が見え始めた。
131
- 立ち並ぶビルは、巨人の履く白のニーソックスと同じぐらいの高さしかない。
132
- 逆に言えば、それだけこの少女が巨大であることを示していた。
133
- 巨大な少女は、街の大通りである片側三車線の道路を窮屈そうに歩き
134
- 大通りと高架鉄道が立体交差している場所で動きを止めた。
135
- 巨大な少女は、両足の間に高架の線路を軽く挟み、
136
- 下を線路と平行して走る幅の広い道路を、巨大な黒いローファーを履いた足で塞いでいた。
137
- この巨大な少女こそが、司の妹の奈央である。
138
- 奈央の実際の身長と体重は170?の60?で、14才、それも女の子としてはかなりの長身だ。
139
- しかも股下は80?あり、なおかつ大人っぽい顔立ちのため、とても14才には見えない。
140
- その容姿を活かして学校では、演劇部に所属している。
141
- 実際に、モデル事務所から声を掛けられたことも数回ある。
142
- そんな奈央が、一たび、小さくならず、実際の体の大きさのまま「箱庭」の街並みに、足を踏み入れるとどうだろうか。
143
- 150分の1に全てが縮小化されたこの「箱庭」での奈央は、
144
- 身長255M、股下120M、体重20万トンの巨大少女となる。
145
- 今の奈央がまさにそうだ。
146
- 30mを優に越える大きさの巨大な黒のローファーを履いた奈央は、
147
- 地面に落ちている何かを探すようにして首を曲げて、視線を地面に向けた。
148
- すると、奈央の両足の間にある駅の中から蟻のように小さな人間が出てきた。
149
- 「おい、奈央。何しにここに来た?」
150
- 「いつものように、小人の街を散歩しに来ただけだよ」
151
- 「ったく。今日は、ここを俺のダチに案内してるから、奈央みたいな巨大女がいたら、ダチが怖がるだろ?
152
- だから、今日のところは、帰ってくれ」
153
- すると、駅の中からもう一人、小さな人間が出て来た。真美だ。
154
- 「はじめまして。黒川真美です。中条君とは、クラスでも部活でも一緒なんで仲良くさせてもらってます。
155
- それにしても、奈央ちゃんおっきいね」
156
- と真美は、巨大な奈央に臆することなく自己紹介をした。
157
- 「奈央もちゃんと挨拶しろ。別に巨人のままでいいから」と司が言った。
158
- すると、奈央が意外な行動に出た。
159
- どういうわけか奈央の体が次第に、小さくなっていき、ついには、二人と同じ大きさになった。
160
- 「はじめまして、中条奈央です。いつもウチのチビ兄がお世話になってます」と挨拶を返した。
161
- 「こら、こんな時まで、チビ兄って言うな」
162
- 「だって、ついさっきまでチビだったもん」
163
- 「今は違うだろ?」
164
- 因みに、司の元の身長は173?で何とか兄としての面目を保ってる。
165
- 「まぁまぁ、仲良く仲良く。ねっ?」と真美が仲裁に入る。
166
- 司と奈央は、二人とも同じように口を尖らせて怒っていた。
167
- 仕草が、そっくりなのも兄妹だからだろう。
168
- 「いっけな~い」と真美が突然、大声で叫んだ。
169
- 「どうした?」
170
- 「今日、塾があるから、六時までに、家に帰らないといけないんだけど...」
171
- 司が、時計を見る。時刻は、五時半を過ぎていた。
172
- 今から、急いでも間に合いそうにも���い。
173
- 「はぁ~、遅刻確定か~。そんなに大事な授業じゃないんだけど...」
174
- 真美は、溜め息を吐く。
175
- 「あのぅ、黒川さん。ちょっと、いいですか?」
176
- 「ん、何かな。奈央ちゃん」
177
- 「お兄ちゃんには、聞かれたくない相談があるので、ちょっとこっちに来てくれませんか?」
178
- 奈央と真美の二人は、司から離れて相談し始めた。
179
- 二人の会話が気になる、司。
180
- 時折、「私もなっていいの?」とか「そんなことして大丈夫?」とか
181
- 「でも、それなら間に合いそう」とか言う真美の声だけが聞こえてきた。
182
- 自分ではどうしようもないので、駅の中をぶらぶら歩きまわる司。
183
- 数分経って、司は元の場所に戻った。異変に気付いたのはその時だ。
184
- 先ほどまでそこにいた二人の姿が見えない。周囲を見渡しても、二人とも見つからない。
185
- イヤな予感がしたので空を見上げる。
186
- 空は、二人の巨人の笑顔で覆われていた。
187
- 「チビ兄、私達は先に歩いて帰ってるからね。ちなみに、模型の電動車は預かったよ」
188
- と、奈央は手に持ってる電車を見せた。
189
- これも、自分が電車を軽々と持ち運べるくらい巨大だと見せつけるためだろうか。
190
- それとも、兄に対するただの嫌がらせか。
191
- 「だから、チビ兄も歩いて帰ってきてね」
192
- と奈央が言って、
193
- 「私も巨大化すれば間に合うって奈央ちゃんが思いついてくれたの。
194
- こうするしかないみたいだし、足元には気をつけて歩くから」と真美が言った。
195
- 「じゃあね」と言い残して、「巨人」の二人は巨大な地響きを立てて去っていった。
196
- 駅に、ただ一人取り残された、「小人」の司。
197
- 真美と奈央が歩く距離の150倍も歩かねばならないかと思うと、気が重くなる司であった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Done 2024-02-23/[ICECAT] 箱庭シリーズ 2 [that123] CN.txt DELETED
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1
- 七月暑假中的一天,这一天司和真美计画去海水浴。
2
- 那天的天气放晴,但由于台风的影响而海水波涛凶涌。
3
- 早上的天气预报报导,今天的海边非常危险。
4
- 司和真美说今天先不要去海水浴的时候,奈央这时搭话了。
5
- 「哥哥,好不容易预定要去海水浴了,
6
- 去「家」里的海水浴场不就好了吗?对方是真美桑呢?
7
- 之前有来过,没什么问题的啦。」
8
- 「对哦,这是一个好主意。在家也能够充分享受海水浴的感觉。
9
- 不好意思,可以帮我准备一下『海』吗?我要打电话给真美」
10
- 「嗯,知道了。我今天回去学校有点事,我先换上制服就开始准备。」
11
- 坦率的回答之后,奈央走了。
12
- 平时的奈央是乖巧老实的女孩子,为什么在「箱庭」中就好像是性格换了一个人似的。
13
- 作为哥哥也对这个问题很伤脑筋。
14
- 司从口袋里拿出手机,叫真美准备去洗海水浴,
15
- 再到中条家来。
16
- 不久,做好海水浴准备着的真美来到中条家。
17
- 这次是第二次来这个家了。正如电话中司所说的那样,从玄关旁边的楼梯下去。
18
- 司就在地下室的入口等待。
19
- 「今天大海风浪太大,去不成真是太遗憾了。还想要好好享受一番」
20
- 「但是,相对来说,可以在家里的私人海滩悠闲畅泳,不是很好吗?」
21
- 真美当然知道没有司口中所说的所谓的中条家的私人海滩。
22
- 但是说穿的话,就会断送司的好意。
23
- 所以,真美装作什么都不知道,在「箱庭」里享受海水浴就可以了。
24
- 「那么,走吧」司的话音刚落,就和上次一样,视野变得一遍白茫茫。
25
- 特意不缩小在模型上走,
26
- 到了之后再缩小的话,不是也很好吗。
27
- 但是真美就会感觉不出气氛。
28
- 所以故意变小到车站,司驾驶火车。
29
- 列车穿过住宅街,经过郊外的小车站后,穿过隧道。
30
- 车窗变得看不见左右模型延伸的风景。
31
- 15分钟左右,列车到了目的地海岸附近的车站。
32
- 这个海岸位于被高100米的山峦三面环抱的中间。
33
- 除了被山与山夹着的车站以外,似乎就只有海了啊。
34
- 而且,几乎没人知道这个海岸的存在。(当然)
35
- 可谓是一个绝好的海水浴点呀(By司)。
36
- 到了海水浴场附近车站的二人,马上从车站月台向眼前的海滩走去。
37
- 到了沙滩上,立刻奔起向大海,跑了一回真美感到不对劲。
38
- 广阔的大海(应该)在眼前展开,然而…
39
- 在那里,完全没有海水,只有干燥的沙地。
40
- 看到这个光景,真美叹息道
41
- 「喂呀,我可是期待在大海里游泳,现在完全没有海水的说,给我讲解一下是怎么样?」用不满和司顶嘴。
42
- 「等一下。按照预定的话,我们乘电车的时候,早就应该准备结束了…
43
- 什么啊…果然叫那家伙做事是错误的。」
44
- 「那家伙是……你的妹妹奈央吗?」
45
- 「要不然还可能是谁?」司说。
46
- 这时,从远远的地方,吱嘎声和有节奏的地面震动声开始响彻四周。
47
- 声音的节奏渐渐地缩短的同时,两人站着地面也开始摇晃。
48
- 「这,这是奈央,在接近的声音吗?」
49
- 真美和奈央初次见面的时候有这种恐惧的体验,
50
- 这次进来也还只是二次,没有应对的经验。
51
- 真美还是几乎没有习惯,对这个声音和震动感到相当恐惧吧。
52
- 司有一种不好的预感。
53
- 「为了慎重起见,先从沙滩离开,在车站的站台上避难吧」司呼唤真美去避难。
54
- 声音和振动变得更加大了,造成这个的「元凶」现身。
55
- 直直长长的黑发,红色围巾的水手服,藏青色的百褶短裙,
56
- 白色膝袜,加上黑色的平底鞋,这个「元凶」,-司的妹妹奈央-,
57
- 一跨跨过围绕海岸的山崖出现了。
58
- 然后,穿巨大的黑色平底鞋的右脚堵住了进来的双线铁路,
59
- 穿着巨大的平底鞋的左脚放在稍微离开沙滩一点点的地方,
60
- 在两人的正上方以双脚打开的姿态站着,停了下来。
61
- 奈央双手抱着装满不知道液体的巨大塑胶瓶。
62
- 「喂,小小的小人哥哥。这个瓶子里的水要灌到那里好呐?」
63
- 是初中女生的可爱声音,
64
- 但由于庞大的身躯,而有可怕音量,奈央向司问。
65
- 相反的,「小人」的哥哥竭尽全力呼喊,为了「巨人」的妹妹听他渺小的声音。
66
- 「啊,就在这一带注入就好了。」司说。
67
- 「还有,不忘记拍下我巨大的身姿啊」「是了是了」
68
- 司的唯唯诺诺的回答有没有传到奈央的耳边就不得而知了,
69
- 奈央打开塑胶瓶的盖子,右腕往前伸,随即把容器内的水完全颠倒而下。
70
- 奈央来看,仅仅只是2公升的水从塑胶瓶的瓶口吐出来而已。
71
- 但从「小人」的司的两人来看,这幅光景又是怎样呢?
72
- 刚才现身的穿着水手服的巨大少女,
73
- 把和15层的高楼同样大小的巨大塑胶瓶的盖子打开,
74
- 用一只��就可以把满载庞大液体量的的容器简单地撑起,
75
- 手腕向前一伸,随即巨大容器就完全倒转。
76
- 一转眼从高度200米以上的位置,把675万公升的液体倾注到地面上来。
77
- 在倒到地上的液体向两个「小人」所在的车站月台逼近。
78
- 沿海一带发生洪水,又立刻平息,并且创造了「大海」。
79
- 奈央在创造「海」的期间,司按照约定把照相机对向巨大的妹妹。
80
- 另一方面,真美对眼前展开的景象感到很震惊。
81
- 「小人哥哥,这样就可以了吗?」
82
- 「Thank you。这边也按照约定,拍下你的照片了。」
83
- 「那么我,我要去学校了。在这边的小小情侣桑。好好享受海水浴吧。」
84
- 说完后,「巨人」奈央和来的时候一样,一跨跨过了山而离去。
85
- 平时多数面无表情的奈央在刚才看起来特别高兴,是心理作用吗?
86
- 海岸只剩下两个「小人」稍稍叹了口气。
87
- 「果然奈央还是非常巨大。
88
- 从我的角度来看的话,平时的奈央也已经是170cm的高大的女生嘛,
89
- 在这里看,快要被奈央踩死一样大了」
90
- 「真美妳不缩小进到这里来,从我看来也是和奈央一样巨大的女生呀。」
91
- 「那么,这次再叫奈央帮忙一下,在司变小的时候,
92
- 我也成为巨大的女生,来到司你的眼前。」 (译: 这个世界又多了一个S)
93
- 「嘛··呀。再多一个巨大女生的话,我会神经过敏的呀。真的不要」
94
- 「如果你不想在这里看到的话……」
95
- 「如果?」
96
- 「相反的,绝对要给你看我巨大的身姿♪」司深深地叹了一口气。
97
- 「这是题外话了,总之先到海里去吧。要不然来这里就没意义了。」
98
- 「也是」两人向对大海方向跑去。
99
- 真美噗嗵一声跳进海里。
100
- 「咦?水是~咸的。水是海水吗?我还在想一定只是普通的水。」
101
- 「这次因为是要去洗海水浴的关系,我叫奈央制作了海水一样的盐水。」
102
- 「模型也要追求真实感啊~
103
- 不是普通的水,而是盐水。有来到海的感觉。
104
- 连这一点点的事都有考虑到,司君你真的好厉害。」
105
- 「这种令人火大的表扬是怎样。」
106
- 「我是夸奖了,不是在发牢骚哦。
107
- 这么说来。刚才奈央创造海的时候,司君你怎么要拍照片呢?
108
- 又或者说,奈央还特意拜托你拍照片……」
109
- 「那是奈央的兴趣。」
110
- 「兴趣?」真美露出惊讶的表情。
111
- 「真美第一次看到奈央时,也和刚才一样,
112
- 奈央以正常的大小进来,从缩小的我们来看,
113
- 奈央变成巨人了吧?奈央自己不单单是想被叫做「巨人」,
114
- 而是更喜欢被叫做「巨大女」或者「巨大妹」之类的样子…
115
- 也喜欢以巨大女的姿态在箱庭的街道上走动,
116
- 奈央更喜欢的是,从小人的视点看到自己巨大的身影,
117
- 我就用相机和摄像机拍下来。
118
- 因为拍到的照片和影片全部交给了奈央,我自己才没有怎么看过」
119
- 「哎~还有这种兴趣,奈央真的很怪啊~」
120
- 「实际上,再想深一层的话。到底什么原因会有这种的爱好,又是从什么时候有的呢……」
121
- 「我也有点明白那种感觉。我上次回去的时候,不是「巨大化」了吗?
122
- 那个时候,在模型城市中,感觉自己好像巨人了一样,总觉得心情很舒畅。
123
- 比如说,从东京铁塔一样高度的建筑物俯瞰
124
- 人类看起来和蚂蚁一样,在路上跑的车小是小小的。
125
- 自己在俯瞰街景时,陷入自己变成巨人的错觉是常有的事。
126
- 但是奈央比起单纯俯视小小的模型街道,
127
- 也就是说,更想从小人的视线看到在模型街道上自己巨大的身影,
128
- 司你被拜托拍的影片和照片不是还在吗?
129
- 实际上,问一下奈央就清楚了吧?」
130
- 「那是,我知道,不过…是自己亲妹妹的话,不会告诉我这种的事吧?」(译: 你要跟我表哥学一下....)
131
- 「那么,会愿意说给听我听吗?
132
- 司,是我的话,奈央或许会坦率地说出来…」
133
- 「好了。那么,这件事交给真美。从奈央口中问出来吧」
134
- 「还有,下次可以「巨人」的姿态进来吗?」
135
- 「那么,真美你有又想成为「巨人」的理由不想说出口啊?」
136
- 「就是这样…有可能♪」
137
- 「『有可能♪』是什么意思呀。哎,我说,以条件进来的话。
138
- 可是会变得很巨大,连哥吉拉当面都可以随意打倒。」
139
- 「这样好过份。把女生和大怪兽放在一起谈对吗?」
140
- 「比哥吉拉这种巨大的生物还要更巨大的女生,不就是跟巨大怪兽一样啊」
141
- 司和真美互相看着对方微笑。在夏天的烈日…不是,是房间的灯光洒满下的两人。
142
- 两个人回到奈央创造的大海,各自享受海水浴。
143
- 饥饿感向他们袭来。
144
- 空腹的肚子发出咕咕的声音。
145
- 现在,时间已经是下午1点多。肚子会饿也很正常。
146
- 虽然要说午饭,这里不是真正的海水浴场,而是,
147
- 中条家的模��专用海水浴场,所以没有「海の家」之类的地方。
148
- 从海中出来了的二人商量要如何吃午饭。
149
- 「如果一开始有带什么食物来就好了。
150
- 待在这也没办法,先回家吧。
151
- 今天妈妈应该在家,
152
- 不在的话,也可以打开冰箱拿冷冻食品出来,算是可以吃一下午饭。」
153
- 「是啊」真美也同意了。司两人决定要回家后,向车站走去。
154
- 到火车站,坐上电车。坐在火车的驾驶席,司正打算开动列车。
155
- 但是不知道怎么了。电车一动不动。
156
- 「咦?不动了啊」「故障了吗?」
157
- 「不知为何,行车铁轨没有电流流过。
158
- 顺便说一下,模型的列车的电是跟着铁轨流动。
159
- 所以,和实际上的铁路不同,模型不用架电线。」
160
- 「哎~,学到了新知识…不过,没有电流流过这台车的,不就是不会动吗?」
161
- 「啊。所以,回家的路要走一小时左右……」
162
- 「这样的话,回到原来的大小机械怎么了?那样的话,我就可以变成巨人……」
163
- 「糟了。忘在地下室的入口。」
164
- 「去死吧。给我去死一百,再复活回来向我道歉(ry」
165
- 「好了好了。没有事先确认是我不好~」完全感受不到司有道歉的诚意。
166
- 这时,大地又发出了熟识的轰呜声。
167
- 「是谁以『巨人』的姿态接近啊?说不定可以帮忙?或者说,我们真的很幸运?」
168
- 「有点太幸运了啊。和完全安排好时间一样。不会是有什么企图吧?
169
- 是谁发出巨大的轰呜声呢?不可能是爸爸这种展开。他现在去了札幌单身赴任。
170
- 妈妈吗?还是,奈央为了管闲事而来?到底是谁呢。」
171
- 地震声向司和真美传来。
172
- 司和真美从这个三面环山的车站看不见接近的「巨人」身影。
173
- 奈央,抑或是司的母亲?
174
- 不管是哪一方,「巨人」还是慢慢接近他们…
175
- 在不能动的电车中避难的司和真美等待「巨人」来袭。
176
- 袭击二人的摇晃的声音逐渐增大。真美感到不对劲。
177
- 「喂,脚步声的感觉和奈央早上来的时候和不同」
178
- 「这么说来,好像是。这样的话,靠近的是妈妈?」
179
- 「不是,不同的是……」真美刚开口的时候。
180
- 「司。午饭拿来了。我要把脚放到沙滩上,离开沙滩等一下。」
181
- 和奈央不同的成年女性的声音从上空传来。
182
- 「看来是妈妈,把午饭带过来。」两人下车走到火车月台。
183
- 司的母亲-和美-上半身在山另一边出现。
184
- 和美用双手捧着载了午饭的巨大盆子。
185
- 然后和奈央早上来这里的时候一样,一跨跨过了大山。
186
- 可能是母女吧,两个动作都很相似。
187
- 然后听到和美说「奈央也要注意脚下」,现在才注意到山的另一侧的奈央。
188
- 奈央双手拿着巨大盆子从山的另一边跨过来。
189
- 真美所感受到的「异变」是因为有两个「巨人」到来,
190
- 所以摇晃和声音比前两次的幅度更大更密。
191
- 小小的沙滩上,在司两人们的眼中映照出突然出现的四枝巨大的柱子的雄壮景色。
192
- 「首先,变小之前放下这个」和美一只手拿着盆子,
193
- 拿在另一只手上写有「海の家」字样招牌的小小平房放在沙滩上。
194
- 和美为了吃饭而把「海の家」的模型拿出来。
195
- 注意到的时候,和美和奈央变得和司两人一样大小。
196
- 「你们肚子饿了吧。来这边来」向海滩的两人招手。
197
- 时间刚刚好,司和真美的肚子又咕咕作响了。
198
- 四个人坐到「海の家」入口附近的桌子和椅子上,
199
- 里头是一间榻榻米的小房间,可以用作午睡的空间。
200
- 在座位上,司和真美开始吃午饭的咖喱,奈央则露出无聊的表情,在打哈欠。
201
- 和美和善地看着这3个人。
202
- 「电车的停电是因为妈妈你动了什么吗?」
203
- 「如果和你们擦肩而过就麻烦了,所以我先把关掉电源,再过来一起吃。
204
- 回去的时候,我会好好地把电源放回原位哦。」
205
- 「因为在这里回不去的话,让人感到有点可怕」
206
- 「是的是的,常常听到有关真美酱的事。从司那边听了好多啊。
207
- 如果喜欢这个的地方的话,欢迎你再来玩呀」
208
- 「好的,谢谢」
209
- 看来已经很饿了,司的咖喱一眨眼就消失了。
210
- 首先吃完咖喱的司赶快回到了海滩。
211
- 「特意从家里拿到海滩招待我,真的不好意思」
212
- 真美再次表示致谢。
213
- 「别那么不好意思也可以哟。虽然这里只是一个狭窄的海水浴场,不过希望你玩得高兴。」
214
- 「是。没能去真正的海水浴场,但还是感到很满足。
215
- 还有,咖喱我吃饱了,谢谢」
216
- 「不用客气」
217
- 真美正要跟着司回到海边。
218
- 「嗯。差不多要回家了,不过,奈央你想怎么办?」
219
- 「我也回去吧」
220
- 「好不容易来到海边,和他们两人一起在海里玩好吗?」
221
- 「但是哥哥和真美桑在约会…打扰到他们就不好了」
222
- 看来奈央考虑到二人而这样回答,
223
- 「奈央也一起玩吧」真��邀请奈央。
224
- 「另外,这个不算是约会啦。
225
- 那么,奈央也能参加吗。下午一起在海边玩吧。」
226
- 「是」奈央的回答带着一点点不满。
227
- 「但是我没有拿泳衣过来,所以还是要回家一次换衣服」
228
- 和美和奈央变成「巨人」回去了。
229
- 和美是回去的时候,把奈央先去换衣服,等一下再又回来这件事告诉了两人。
230
- 中条家的长女,奈央自己的房间。
231
- 奈央在镜子前的身影很消沉。
232
- 奈央失落的原因是泳衣。
233
- 奈央除了学校授课以外,近几年都没有去游泳池和海边了。
234
- 在这几年间,她的身体迅速发育成长,曾经穿过泳衣已经变得很小。
235
- 因此,她可以穿泳衣一件也没有。
236
- 不,其实还有一件,就是奈央现在穿的泳衣。
237
- 但是,这件是学校指定的所谓的「死库水(学校泳装)」。
238
- 学校的活动是没差,但是穿着学校泳装去海边,总觉得很难为情。
239
- 但是母亲不会允许因为讨厌学校泳装这样的理由而不去大海。
240
- 而且,虽然说是大海,但那个地方是中条家的专用海水浴场,
241
- 奈央穿着学校泳装,也只有哥哥司和他的朋友真美看到。
242
- 没办法之下,奈央只好换上了学校泳装。
243
- 奈央从自己的房间,在2层下到1楼,再到玄关旁边的楼梯下去地下室。
244
- 奈央打开地下室的门,把脚踩进「箱庭」。
245
- 街上再次出现巨大少女,但这次少女穿着学校泳衣(死库水)。
246
- 在泳衣胸口贴的一块白布上标注了「2 - A中条」的字样。
247
- 胸口的部分上如果募集刊登赞助商的广告的话,应该可以挣到巨额的广告费吧。(吐槽: 我想到绝对领域)
248
- 奈央好几次作为「巨人」步入「箱庭」,
249
- 但从来没有以学校泳装的姿态踏进去。
250
- 总是只有穿着制服和私服,现在总觉得有别有一番风味的感触。
251
- 突然叫出:「巨大泳装少女出现!」这样的台词和自己身穿泳衣的巨大身影浮现眼前。
252
- 「实际上也是很有趣」是心理作用吧,奈央的心情好起来。
253
- 「但是,因为现在那个矮子哥哥在大海那边,『市心区的高楼大厦的街上耸立着巨大泳装少女』,
254
- 这种感觉的照片,这次没办法拍摄了」好像有点变得无精打采。
255
- 一边只想这件事一边走着走着,走到田野地带,偏离奈央原本要走的路线的地方。
256
- 「巨人」走的路,一定是六车道以上的道路。
257
- 这是为了「巨人」的重量是不会伤到「箱庭」。
258
- 不过,「巨人」少女一人的重量,几乎还是不会损坏到。
259
- 因为要走到司二人所在的海岸要与铁路并发。
260
- 奈央只好慌忙回到原来的大道上。
261
- 从「箱庭」的入口到目的地的海岸,从「小人」来看,距离约1.5km。坐电车去的话要15分钟。
262
- 但是「巨人」的话,就只有100米距离。步行只要2分钟。
263
- 果然「大,就是好」。嗯。
264
- 奈央引用几十年前CM的口号给自己结论。
265
- 从那里再走一分钟,就到了包围海岸的山峦,和前两次一样,轻轻一跨就跨过来了。
266
- 奈央到达海边,看到脚下的沙滩上,真美正在向自己挥手。
267
- 奈央变得和司二人同样大小,奈央走到司的身边。
268
- 「喂喂,你这家伙为什么穿上学校泳衣呀?」
269
- 「讨厌啦。我已经隔了好久没有来海边,以前穿过的泳衣全部变小了~」
270
- 「奈央很巨大啊。各种各样的东西,马上就会变小。」司调侃道。
271
- 「小人哥哥居然向妹妹说这种事、你还是被真美桑踩死好了」
272
- 「喂。同样大小的时候,不可以叫我小人哥哥。
273
- 如果我被真美踩死的话,不就是没有人帮你拍照片吗?」
274
- 「啊」奈央发现在自掘坟墓。
275
- 「还有,奈央,你觉得我会随便踩死司吗?」
276
- 「啊」,奈央再次发现自己所犯的口误。(吐槽: 少女...自己动手不就好了?)
277
- 「这家伙有点脱线啦~」
278
- 「但是这也是可爱之处吧」
279
- 奈央被哥哥和他的朋友说得脸也红了。
280
- 「对不起。对不起。奈央,不要生气」
281
- 看到因为生气而鼓起的奈央,真美马上接口道。
282
- 「对了,奈央。您特意来到这里,不过我有一个请求。」
283
- 「什么?我现在感觉不太想要游泳」
284
- 「再一次变成『巨人』可以吗?但是这次是变成从我们看10倍大小的『巨人』」
285
- 「有必要变成种半高不低的大小吗?」
286
- 「这里是白色的沙滩。沙滩和巨人…想起什么了吗?」
287
- 「难道是…格列佛?」
288
- 「是。重现『格列弗游记』开头那一部分哟。当然扮演格列佛的就是奈央你。」
289
- 「可以啊,但我扮演格列佛要做什么吗?」
290
- 「什么也不用做,等一下,有一件事…你可以试完之后告诉真美我成为巨人是一种怎样的感觉呢」
291
- 「本来格列佛是男的,司最适合那个角色…但是男『巨人』,总觉得很无聊,
292
- 如果『格列佛』是可爱的女孩子的话,会是什么样的感觉呢…奈央,可以吗?���
293
- 「真美桑,这件事完全没问题,不过…哥哥也会参加吗?」
294
- 「是有这个打算,不过,有什么不好吗?」
295
- 「没有,但如果哥哥想对我的身体恶作剧的话,我就把他摘起来投进海里。」
296
- 「我知道了。还是可爱的妹妹的身体要紧,会看到坏坏的哥哥对你恶作剧吗?你不会看到的吧」
297
- 「只会警告一次。然后我就不会留情了」
298
- 「那么,这样的话,我们去那边等你。
299
- 准备好的话,就举起右手吧」
300
- 真美告欣司这件事,顺便也说了奈央会『格列佛』这个角色。
301
- 「虽然我要做『格列佛』,但实际上只是在沙滩睡着而已,太好啊。」
302
- 奈央一边这样想着,一边照着刚刚说好的行动,巨大化成现在10倍的大小,把庞大的身躯仰面朝天横躺在沙滩上。
303
- 奈央举手确认,司和真美向奈央躺着的沙滩走去。
304
- 来到奈央横卧的地方,司故意用奈央听到的音量大声说。
305
- 「哇,在这种地方有巨人睡觉哦」接着
306
- 「巨人,还是第一次看到这巨大的巨人。」真美和司异口同声说道。
307
- 「好,巨人还在睡觉期间,登上去她的身体吧」
308
- 「嗯。就这么办吧」
309
- 有如小学的演艺大会对话持续着。
310
- 司和真美爬上「巨人」的手,为了开始登上巨人的身体,接下来再爬到手臂。
311
- 「巨人」的手臂覆盖着雪白细腻的肌肤,在走路时,感觉到很软的触感。
312
- 在胳膊上走时感到很痒,「巨人」只好抑制想要笑的冲动。
313
- 两个「小人」到达到了「巨人」的躯体时停下脚步。
314
- 「缩小攀登人类的身体这种事,经常在漫画出现……」
315
- 「现在的确是这种事哦?」小小的两人开始理解现在的状况。
316
- 从两人看来,「巨人」的头在小小的「山」的反方向。司开始接近「山」的方向。
317
- 「司,还是不要比较好。你不要攀登奈央的胸哦。」
318
- 「好,好。知道了」
319
- 真美制止司也没用。(吐槽: 人作死就会死)
320
- 「哦,这里有一座山哦!」司连真美的忠告也不听,一边说,一边登上去。
321
- 咕咚咕咚。这座「山」比手臂软很多很多。
322
- 到达「山」的顶峰时,司才发现碰到「巨人」的逆鳞。
323
- 「啊,擅自摸上妹妹的胸部,享受登山吗?哥哥」
324
- 奈央故意没有对司说「矮子哥哥」,而是「哥哥」。
325
- 明显她很生气。
326
- 「哈哈,被发现了吗?」
327
- 「都已经警告过了…你这个笨蛋色狼矮子哥哥。
328
- 就像刚才说的那样,要把你猛扔出大海。不要怪我」
329
- 说完,奈央伸出巨大的手,用指尖轻轻摘起胸部上的司,面向大海。
330
- 奈央挥动手腕,司就飞走了。
331
- 数秒后,听到噗嗵的水声,白色的水柱在海上升起。
332
- 「哈哈,奈央酱,很用力呢」真美苦笑道。
333
- 「那是他自作自受。而且哥哥很擅长游泳,没什么好犹豫。
334
- 真美桑是女生,所以爬上我软软的胸部也没关系。」
335
- 「那么,恭敬不如从命。好软哦」
336
- 真美在奈央的胸部间玩起来。
337
- 「真美桑,差不多该回到原来的大小,要下来吗?」
338
- 「啊,对不起」
339
- 奈央向真美伸出巨大的手掌,再把她放到沙滩上。
340
- 在大海的方向,传来㕷嚓㕷嚓的水声。
341
- 司从海上游回来了。
342
- 「哈哈。还以为要死了」
343
- 司游泳回来,在沙滩上喘着气。
344
- 「那百分百是司的错哦」真美尖锐地说。
345
- 「摸妹妹胸部什么的,哥哥为人太差劲了。我现在才知道~。」
346
- 奈央乘胜追击。
347
- 「奈央,我错了。拜托,原谅我吧」司真心地道歉。
348
- 「奈央,怎么办?要原谅司吗?」
349
- 「那么,对着我说『奈央桑,小人罪孽深重,请原谅小人吧』的话,这次的事情就一笔鈎消。」
350
- 「哇,这个~。完全打碎作为哥哥的自尊心呢」真美不由说了出来。
351
- 「我明白了。这样说的话,就可以了吧?」
352
- 「嗯。但是为了搞清楚哥哥和我的立场……」
353
- 突然,奈央的身体变大,回到了原来的大小。
354
- 「在这个状态下,说刚才的台词,道歉吧。」
355
- 然后「小人」的哥哥,一边屈辱,一边说『奈央桑,小人罪孽深重,请原谅小人吧』,
356
- 向150倍大小「巨人」的妹妹乞求原谅。
357
- 这样子,可以清楚的表现出两人的立场的不同。
358
- 「哥哥有好好说出来了。那么,这次就原谅你吧♪」奈央说。
359
- 脸上溢出了满面的笑容。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Done 2024-02-23/[ICECAT] 箱庭シリーズ 2 [that123] JP.txt DELETED
@@ -1,359 +0,0 @@
1
- 七月の夏休みのある日、この日に司と真美は海水浴を計画していた。
2
- その日の天気は晴れだったものの、台風の影響で波が高くて
3
- 今日の海水浴は非常に危険だと朝の天気予報で報じていた。
4
- 司が真美に今日の海水浴は中止にしようと電話で伝えようとした時、奈央が話しかけてきた。
5
- 「お兄ちゃん、せっかく、海水浴の予定組んでいたんだから、
6
- 「ウチ」の海水浴場に行けばいいんじゃないの?相手は真美さんでしょ?
7
- 前にこの家に来たことがあるし、別に問題はないと思うよ」
8
- 「なるへそ、それはナイスアイデア。あそこにでも充分に海水浴気分が味わえるしな。
9
- 悪いけど、『海』の用意をしておいてくれるか?俺は、真美に電話をしなくちゃいけないし」
10
- 「うん、わかった。でも今日は学校に行く用事があるから、先に制服に着替えてから準備するね」
11
- と素直に返事をして、奈央は歩いていった。
12
- 普段の奈央は、大人しくて、女の子らしいのになぜか、「箱庭」の中では、まるで性格が違ってくる。
13
- 兄としては悩ましい問題だ。
14
- 司は、携帯電話をポケットから取り出して、真美に海水浴に行く用意をして、
15
- 中条家に来るように伝えた。
16
- しばらくして、海水浴の用意を持った真美が、中条家にやってきた。
17
- この家に来るのは二回目だ。電話で司に言われた通りに、玄関の横の階段から地下に降りる。
18
- 地下室の入り口で、司は待っていた。
19
- 「海が荒れてて、行けなくなったのは残念だね。楽しみしてたけど」
20
- 「でも、そのかわりに我が家のプライベートビーチでのんびり泳げるから、いいんじゃない?」
21
- 真美は、司の言う中条家のプライベートビーチが何なのかは、当然のごとく分かってる。
22
- でも、野暮なことを言ったら、司の好意を台無しにしてしまう。
23
- だから、真美は何も知らないふりをして、「箱庭」に入って、海水浴を楽しめばいいと考えていた。
24
- 「じゃ、いくよ」と司の声がして、前回と同じように、視界が真っ白になった。
25
- わざわざ、小さくならずに、模型の上を歩いていって、
26
- そこで小さくなればいいじゃない、と思うかもしれない。
27
- けど、それじゃ雰囲気が出ないと思う真美であった。
28
- だから、わざわざ小さくなって駅から、司の運転する列車に乗るのだ。
29
- 電車は、住宅街を抜け、郊外の小さな駅を過ぎ、トンネルを抜けていった。
30
- 車窓には、とてもジオラマには見えないくらいのすばらしい風景が広がっていた。
31
- 15分ほどで、列車は目的地の海岸最寄りの駅に着いた。
32
- この海岸は、周囲を高さ100m程の三日月状の山並みに囲まれた場所に位置し。
33
- 山と山に挟まれた形の駅がある以外には海しかないような場所だ。
34
- しかも、この海岸を知る人は、ほとんどいない(そりゃそうだ)。
35
- まさに、絶好の海水浴スポットと言えよう(By司)。
36
- 海水浴場最寄りの駅に着いた二人は、すぐさま駅のホームから間近の砂浜へ歩いていった。
37
- 砂浜に着いて、早速海へと駆け出していった真美は、ある異変に気付いた。
38
- 目の前に広がるのは、広大な大海原(のつもり)なハズなのに、なのに。
39
- そこには、なぜか全く海水はなく、ただ乾燥した砂地があるのみだ。
40
- その光景を見て、真美は
41
- 「ちょっと、海で泳ぐのを、せっかく楽しみにしてたのに、海水が全くないってのは、どういうことなのか説明してくれる?」と司に食ってかかっていた。
42
- 「ちょ、ちょっと待ってくれ。予定通りなら、俺達が電車に乗ってる間に、とっくに済んでるはず…
43
- なんだ…けど。やっぱ、あいつに頼んだのが間違いだったな」
44
- 「あいつってアンタの妹の奈央ちゃん?」
45
- 「しかいないだろ?」と司。
46
- その時遠くの方から、何やらドスーンドスーンと周期的に地響きの音が周囲に響き始めた。
47
- だんだん、その音の周期が狭まるとともに、二人が立っている地面が揺れ始めた。
48
- 「こ、これって奈央ちゃんが、ち、近付いてくると、時の音?」
49
- 真美は、奈央と初めて顔を合わせた時にも、この恐怖を経験してはいるが、
50
- 今回を入れてもまだ二回しか、経験していない。
51
- 真美みたいに、まだほとんど慣れていないと、この音と震動にはかなり恐怖を感じるだろう。
52
- 司だって、これにはあまりいい思いはしない。
53
- 「念のために、砂浜から離れて、駅の��ームに避難しよう」と司は、真美に声を掛けて避難した。
54
- 音と振動が、一段と大きくなったところで、ようやく「元凶」がその姿を現した。
55
- ストレートの黒髪のロングヘア、赤いスカーフのセーラー服に、紺色のプリーツスカート、
56
- 白のニーソックスに黒のローファーを履いた「元凶」-司の妹の奈央-は、
57
- 海岸の三方を取り囲む山を、なんと一跨ぎで越えて現れた。
58
- そして、巨大な黒のローファーを履いた右足を二本の線路を塞ぐ形で置き、
59
- これまた巨大な黒のローファーを履いた左足を、少し離れた砂浜に置いて、
60
- 二人の真上で仁王立ちしたままの姿勢で、動きを止めた。
61
- さらに、奈央は両手で、何かの液体が満タンに入った巨大なペットボトルを抱えていた。
62
- 「ねぇ、チビ兄ちゃん。このペットボトルの水、そこに流し込んでいいんだよね?」
63
- 中学生の女の子らしいかわいい声ではあるが、
64
- その巨体ゆえの、ものすごい音量で、奈央は司に尋ねた。
65
- 逆に、「小人」の兄は、精一杯、声を張り上げて「巨人」の妹に聞こえるように
66
- 「あぁ、そこら辺にドバーッと流し込んでくれ」と言った。
67
- 「あと、しっかりと忘れずに、巨大な私の姿を撮っておいてね」「へいへい」
68
- 司の返事が耳に届いたのかは分からないが、奈央は、
69
- ペットボトルの蓋を開けて、右腕を前に伸ばして、すぐさま容器を真っ逆さまに下に向けた。
70
- 奈央からすれば、単に2リットルの水がドバドバと、ペットボトルの口から吐き出されたに過ぎない。
71
- だが、「小人」の司達二人からすれば、この光景はどのようなものだっただろうか。
72
- 先程、姿を現したセーラー服姿の巨大女は、
73
- 15階建てのビルと同じくらいの大きさの巨大なペットボトルの蓋を開け、
74
- 片腕だけで膨大な量の液体で満載の容器をいとも簡単に支え、
75
- 腕を前にまっすぐ伸ばした後に、すぐさま巨大な容器を真っ逆さまにした。
76
- 瞬く間に、高度200m以上の位置から、675万リットルもの液体が、地面に降り注いだ。
77
- 地表に降り注いだ液体の一部は、二人の「小人」がいた駅のホームの間近まで迫った。
78
- 海岸一帯を襲った洪水は、すぐに治まり、そして「海」を創った。
79
- 奈央が「海」を創っている間、司は約束通りカメラを巨大な妹の方に向けていた。
80
- 一方、真美は眼前で繰り広げられる光景に、ただ只、驚くばかりであった。
81
- 「チビ兄ちゃん、これでいいの?」
82
- 「サンキュー。こっちも約束通り、お前の写真も撮っておいたからな」
83
- 「じゃ私は、これから学校行くね。あと、そこの小さなカップルのお二人さん。海水浴を楽しんでね」
84
- と言葉を残して、「巨人」の奈央はやってきた時と同様に、山を一跨ぎして去っていった。
85
- 普段は、無表情であることの多い奈央だが、さっきは上機嫌に見えたのは気のせいだろうか。
86
- 海岸に残った「小人」の二人は少しばかり溜め息をついた。
87
- 「やっぱり奈央ちゃんはおっきいね。
88
- 私からすれば、普段でも奈央ちゃんは、170?あるからおっきな女の子なんだけど、
89
- ここに来て、奈央ちゃん見ると踏み潰されそうなくらいおっきいし」
90
- 「別に、真美も小さくならずにここに入って来たら俺からすれば、奈央と同じ巨大女だ」
91
- 「じゃぁこんど、また奈央ちゃんに協力してもらって、司が小さくなってるときに、
92
- 私も巨大女になって、司の前に出て来てあげるよ」
93
- 「や・め・ろ。これ以上、巨大女が増えると、俺がノイローゼになりそうだからマジでやめてくれ」
94
- 「そこまで見たくないなら…」
95
- 「なら?」
96
- 「逆に、絶対に見せつけてやる♪」司の溜め息が、一層深くなった。
97
- 「それはさておき、とりあえず海に入ろうぜ。じゃなきゃ、ここに来た意味がない」
98
- 「それもそうね」こうして二人は、海へと駆け出していった。
99
- 真美は、バシャバシャと音を立てて、海の中に入っていった。
100
- 「あれ?この水しょっ~ぱい。この水って海水なの?てっきりただの水と思ってたけど」
101
- 「一応、海水浴に行くってことだったから、奈央に海水と同じ塩水を作ってもらったんだ」
102
- 「模型と同じく本物志向を追及するんだね~。
103
- 普通の水じゃなくて、塩水だと海に来たって感じがするし。
104
- そこまで、考えてくれてるなんて司君は、えらいえらい」
105
- 「なんかムカッとくる褒め方だな」
106
- 「褒めてあげたんだから、文句は言わないの
107
- そういえば、さ。さっき奈央ちゃんが海を創ってるとき、司はなんで写真撮ってたの?
108
- というか、奈央ちゃんが、わざわざ頼んでた気もするけど…」
109
- 「あれはな、奈央の趣味なんだ」
110
- 「趣味?」真美は、怪訝そうな表情を浮かべる。
111
- 「真美が初めて奈央にあった時や、さっきみたいに、
112
- 箱庭に奈央が、そのままの大きさで入ってきたら、小さくなってる俺達からすれば、
113
- 奈央は巨人に見えるだろ?奈央自身は、単に「巨人」って言われるより、
114
- なぜか「巨大女」とか「巨大妹」とかって言われる方が好きみたいなんだけど…
115
- で、箱庭の街を巨大女として歩くのも好きみたいなんだけど、
116
- 奈央がもっと好きなのが、小人視点から巨大な自分の姿を、
117
- 俺にカメラやビデオで撮ってもらうことらしい。
118
- 撮った写真やビデオは全部、奈央に渡してるから、あんまり見たことないけど」
119
- 「へぇ~、そういうのが好きって、奈央ちゃんかなり変わってるね~」
120
- 「実際、かなりどころではないと思う。何が原因でこんな趣味を、持つようになったんだろうか…」
121
- 「でも、わかる気もする。私も前回帰る時に「巨大化」したじゃない?
122
- その時、模型の街の中で自分が巨人になったような気がして、なんだか気持ちよかった。
123
- そうでなくても、例えば、東京タワーみたいな高い建物から下を見下ろすと
124
- 歩く人間が蟻に見えたり、走る車はミニカーに見えたり。
125
- 自分が、街を見下ろす巨人になったような錯覚に陥るのはよくあることだと思うよ。
126
- でも、奈央ちゃんは単に模型の小さな町並みを見下ろすことよりも
127
- どっちかっていうと、模型の小さな町並みを見下ろしている巨大な自分の姿を、小人目線で見てみたいから
128
- 司に、ビデオとか写真を撮ってって頼んでるんじゃいないかな?
129
- 実際に、奈央ちゃんに聞いてみればはっきりするんじゃない?」
130
- 「それは、わかってるんだけど...実の妹に、そういうことは聞きにくくね?」
131
- 「なら、私が聞いてあげよっか?
132
- 司じゃなくて、私になら、奈央ちゃんは素直に話してくれるかも知れないから...」
133
- 「よしっ。じゃ、この件は真美に任した。うまく、奈央から聞き出してくれ」
134
- 「そのかわり、こんど、ここに「巨人」で入ってもいいかな?」
135
- 「それって、真美が「巨人」になりたいっていう理由があって、言ってるんじゃないよな?」
136
- 「そんなわけ…あるかも♪」
137
- 「『あるかも♪』って、なんじゃそりゃ。まぁ、俺が言い出したことだし、その条件は飲んでやる。
138
- でも、そんなに巨大になりたきゃ、ゴジラにでもキングギドラにでも勝手になりやがれ」
139
- 「随分、ひどい言い方ね。女の子を怪獣と一緒にしないでくれるかな?」
140
- 「ゴジラよりはるかにでっかい生き物は、女でも十分、巨大怪獣と同じようなもんだよ」
141
- 互いに、笑い合う司と真美。夏の厳しい日差し…ではなくて部屋の明かりの光が二人に降り注ぐ。
142
- 二人は、奈央が創った海に戻っていき、それからしばらくの間、それぞれ海水浴を楽しんでいた。
143
- が、そんな中、彼らを空腹が襲った。
144
- 腹がぐぅぐぅと音を立てて空腹を訴えていた。
145
- 現在、時刻は13時過ぎ。腹も減るはずである。
146
- だが、昼食を取るにも、ここは実際の海水浴場ではなく、
147
- ジオラマの中の中条家専用海水浴場なので「海の家」なんかがあるはずもない。
148
- 海から上がった二人は、昼食をどうするか相談した。
149
- 「初めから、なんか食い物持ってくればよかったな。
150
- ここにいても仕方ないし、とりあえず家に戻ろう。
151
- 一応、今日は、母さんが家にいるはずだし、
152
- いなけりゃ冷蔵庫には冷凍食品が入ってたはずだから、なんとか昼飯にはありつけると思う」
153
- 「そうだね」と真美も同意した。一旦、司の自宅に帰るべく二人は、駅に向かった。
154
- 駅に到着し、電車に乗り込む。運転席に座り、電車を動かそうとする司。
155
- だが、どうしたことか。電車が動かない。
156
- 「あれっ?動かないぞ」「故障でもしたの?」
157
- 「どうも、走行用の電気が線路に流れていないみたいなんだ。
158
- ちなみに、模型の列車は、線路を流れる電気でみんな動いているんだ。
159
- だから、実際の鉄道と違って、ここには架線がないんだ」
160
- 「へぇ~、勉強になったわ…じゃなくて、電気が��れてないってことは、この電車、動かないの?」
161
- 「あぁ。だから、家に帰るには線路上一時間程歩かなきゃいけない…」
162
- 「ところで、あの元の大きさに戻れる機械はどうしたの?あれがあれば、私が巨人になって…」
163
- 「悪ぃ。どうも入り口に置き忘れたみたいだ」
164
- 「死ね。百回死んで百回生き返って私に謝罪と賠償を(ry」
165
- 「はいはい。カクニンシナカッタボクガワルカッタデス。スミマセンデシタ~」と司が、全く誠意のない謝罪をした。
166
- と、その時、毎度お馴染みのあのドスーンドスーンという音がし始め、地響きがし始めた。
167
- 「これって誰かが『巨人』の状態で近づいてるってことだよね?なら助けてもらえる?というか、私達ラッキー?」
168
- 「あぁラッキーだな。まったく図ったかのようなタイミングだぜ。いや図られたのかも?
169
- でも、誰の地響きだろ?父さんは展開的にアリエナイ。つか、今札幌に単身赴任だし。
170
- 母さんか?それとも、奈央がちょっかいを出しに来たのか?そのどっちかだな」
171
- 地響きの中、司は真美に告げた。
172
- 司と真美がいる、三方を山に囲まれたこの駅からでは、近づいてくる「巨人」の姿は見えない。
173
- 奈央か、それとも司の母親か。
174
- 果たして、どちらが「巨人」となってこっちに近づいているのだろうか…
175
- 動かない電車の中に避難して、「巨人」の襲来を待つ司と真美。
176
- 二人を襲う揺れと音が次第に大きくなる。異変に気付いたのは、真美だ。
177
- 「ねぇ、足音の感じが朝、奈央ちゃんが来た時と違うような気がするの」
178
- 「言われてみれば、確かにそうかも。なら、近づいてるのは母さんか」
179
- 「違うの。そうじゃなくて…」真美が言いかけたその時。
180
- 「司。お昼ご飯持ってきたわ。砂浜に足を置くから、砂浜から離れて待ってなさい」と、
181
- 奈央とは違う大人の女性の声が、上空から聞こえてきた。
182
- 「どうやら母さんが、昼飯を持ってきたみたいだ」 二人は、電車からホームに降りて待った。
183
- 司の母親-和美-の上半身が山の向こう側にあった。
184
- 和美は、両手でお昼ご飯が載せられた巨大なお盆を持っていた。
185
- そして、奈央が朝、ここにやってきた時と同じように山を一跨ぎで越えて来た。
186
- このあたりは母娘で似ているのかもしれない。
187
- そして、和美は「奈央も足元に気をつけて」と言い、山の向こうに側にいる奈央に注意を促した。
188
- 奈央も、両手に巨大なお盆を持って山を一跨ぎしてやってきた。
189
- そう、真美が感じていた「異変」は、二人が「巨人」でやってきたため
190
- 揺れと音が前の二回より大幅に大きかったことだったのだ。
191
- 小さな砂浜に、四本の巨大な柱が突如として出現したかのような壮大な光景が、司達の眼には、映っていた。
192
- 「まず、小さくなる前にこれを置かないと」と和美は、お盆に載せてあった、
193
- 「海の家」と書かれた看板がついた小さな家のようなものを手に取り、砂浜に置いた。
194
- どうやら和美は、食事をするための「海の家」の模型を持ってきたようだ。
195
- 気がつくと、和美と奈央は、司達と同じ大きさになっていた。
196
- 「あなたたち、お腹が空いてるでしょ。こっちにいらっしゃい」と砂浜の方に手招きをした。
197
- タイミング良く司と真美のお腹がぐぅぅと鳴った。
198
- 「海の家」は、入り口付近に四人掛けのテーブルと椅子があり
199
- 奥のほうには、畳敷きの小部屋があり、昼寝が出来そうなスペースだ。
200
- 席について、司と真美は昼食のカレーを食べ始め、奈央は暇そうな顔をして、欠伸をしている。
201
- そんな3人を和美はニコニコしながら眺めていた。
202
- 「そういや電車を動かすための電気止めたの母さんだろ?」
203
- 「すれ違いになったら困るから、電気を止めといたのよ。
204
- 帰るときには、ちゃんと元に戻しておくわよ」
205
- 「こっちは、帰れないかもしれないとヒヤヒヤしたんだからさ」
206
- 「そうそう、あなたが、噂の真美ちゃんね。司からいろいろ聞いてるわ。
207
- こんなところでよければ、またいつでも遊びにいらっしゃい」
208
- 「はい、ありがとうございます」
209
- 余程、空腹だったのか司のカレーはみるみるうちになくなっていった。
210
- そして、カレーを先に、食べ終わった司はさっさと海に戻っていった。
211
- 「わざわざ家族専用ビーチに呼んでもらったりしてすみません」
212
- 真美が改めてお礼を言う。
213
- 「そんなに気を使わなくてもいいのよ。ここは、狭い海水浴場だけど楽しんでいってね」
214
- 「はい。それじゃ、本当の海水浴場に行けなかった分目一杯楽しんできます。
215
- あと、カレーごちそうさまでした」
216
- 「どう致しまして」
217
- 真美も、司に続いて海に戻っていった。
218
- 「さてと。そろそろ、私は家の方に戻るけど、奈央はどうするの?」
219
- 「私も戻る」
220
- 「せっかく海に来たのだから、二人と一緒に海で遊んできたら?」
221
- 「でもお兄ちゃんと真美さんデート中みたいだし…邪魔しちゃ悪いよ」
222
- 奈央は二人に配慮しようとして、こういったのだが、
223
- 「奈央ちゃんも一緒に遊ぼうよ」と真美が奈央を誘ってきた。
224
- 「別に、デートで来たわけじゃなさそうね。
225
- それなら、奈央も心おきなく参加できるじゃない。午後は海で遊びなさい」
226
- 「はーい」少し不満気に返事をする奈央。
227
- 「でも、水着は持ってきてないから、着替えに一旦家に、戻らなきゃ」という訳で、
228
- 和美と奈央は「巨人」になって、帰っていった。
229
- 和美は帰り際に、奈央が着替えてから、ここにまた戻ってくることを二人に告げた。
230
- ここは、中条家の長女、奈央の自室。
231
- 鏡の前で落ち込む奈央の姿が、そこにはあった。
232
- 奈央が落ち込んでる原因は水着だ。
233
- 奈央が学校の授業以外で、プールや海にはここ数年行ったことがなかった。
234
- そしてこの数年の間に、彼女の体は大きく成長していて、かつて着ていた水着は小さくなっていた。
235
- そのため、彼女が着られる水着が一着もなかったのである。
236
- いや、実のところ一着だけ、今の奈央が着られる水着があった。
237
- だが、それは学校指定の所謂「スクール水着」だったのだ。
238
- 学校行事でもないのに、スクール水着を着て、海に行くのは気が引ける。
239
- でも、スクール水着が嫌だからという理由で、海に行かないのは母親が許しそうもなかった。
240
- それに、海とは言え、場所は中条家専用海水浴場であり、
241
- 奈央のスクール水着姿を見るのは兄である司とその友人の真美しかいない。
242
- 仕方なく割り切って奈央は、スクール水着に着替えた。
243
- 奈央の部屋がある2階から1階に降り、玄関すぐ横の階段から地下室に降りる。
244
- そして奈央は、地下室のドアを開け、「箱庭」に足を踏み入れた。
245
- この街に再び現れた巨大少女は、こんどはなぜかスクール水着を着用していた。
246
- この水着の胸元に張られた白い布地の上には、でかでかと「2-A 中条」と書かれていた。
247
- 胸元の部分に掲載するスポンサー広告を募集したら、多額の広告料が稼げそうである。
248
- 幾度となくこの「箱庭」に「巨人」として、足を踏み入れてる奈央であったが、
249
- 流石にスクール水着姿で足を踏み入れたことは、なかった。
250
- いつも制服や私服を着ている時とは、なんだか一味違う感触がする。
251
- ふと「巨大スク水少女現る!!」といった言葉とスク水を着た巨大な自分の姿が目に浮かぶ。
252
- 「案外おもしろいかも」心なしか、奈央は気分がよくなった。
253
- 「でも、今、チビ兄は、海にいるわけだから『都心のビル街にそびえ立つ巨大スク水少女』
254
- っていう感じの写真は、こんど撮ってもらうしかなさそう」少ししょんぼり。
255
- 田園地帯を、考えながら歩いているうちに、奈央は本来のルートを外れたところを歩いていた。
256
- 「巨人」が歩くべき道は、片側三車線以上の道路と、ちゃんと決められている。
257
- 「巨人」の重量で「箱庭」が傷まないようにするためだ。
258
- もっとも、「巨人」の少女一人ぐらいの重さではほとんど傷みはしないが。
259
- 司達のいる海岸に行くための道は、鉄道とほとんど並行して走っている。
260
- 奈央は、あわてて元の道に戻った。
261
- 「箱庭」の入り口から、目的地の海岸まで、「小人」からすれば距離にしておよそ15?。電車で行くなら15分。
262
- しかし「巨人」からすれば、距離はたったの100M。しかも歩いても、2分。
263
- やっぱり「大きいことは、いいこと」なのだ。うん。
264
- 何十年か前のCMのフレーズを引用して奈央は自分でそう結論付けた。
265
- そこから一分歩いて、海岸を取り囲む山を、前の二回と同じ様に、軽く一跨ぎで越える。
266
- 奈央が、海岸に到着し、足元の砂浜を見ると、こちらに向かって真美が、手を振っていた。
267
- 奈央が、司達と同じ大きさになると、奈央の方に司が寄ってきた。
268
- 「おいおい���学校指定の水着しか、着れる奴はなかったのか?」
269
- 「うるさいな~。海とか来るの久しぶりで、昔着てた水着が全部小さくなってたの~」
270
- 「奈央はデカ女だからな。いろんなものが、すぐに小さくなる」
271
- 「妹に向かってそんなこというチビ兄は、真美さんに踏み潰されちゃえばいいのに」
272
- 「こら。同じサイズの時には、チビ兄と言うな。
273
- 俺が、真美に踏み潰されたら、お前の写真を撮ってやる人間がいなくなるぞ?いいのか?」
274
- 「あっ」奈央は、墓穴を掘ったことに気付く。
275
- 「ところで奈央ちゃん、勝手に私が司を踏み潰すことになってるのはどういうことかな?」
276
- 「あっ」奈央は再び自分のミスに気付いた。
277
- 「こいつは、どっか抜けてるとかがあるんだよな~」
278
- 「でも、そこがかわいいところじゃない」
279
- 奈央は、兄とその友人に好き放題に言われて赤面した。
280
- 「ごめん。ごめん。奈央ちゃん、そんなに怒らないで」
281
- ぷぅ~とふくれている奈央を見て、すぐに、真美がフォローを入れる。
282
- 「そうだ、奈央。ここにわざわざ来て貰ったところで悪いんだけど、頼みごとがある」
283
- 「何?別に、あんまり泳ぐ気はないからいいけど」
284
- 「もう一回、『巨人』になってくれないか?ただし、今度は俺達から見て10倍サイズの『巨人』にだ」
285
- 「なんでそんな中途半端な大きさになる必要があるの?」
286
- 「ここは白い砂浜。砂浜と巨人...何かを思い出さないか?」
287
- 「もしかして...ガリバー?」
288
- 「そう。『ガリバー旅行記』の冒頭を再現してみるんだよ。もちろんガリバー役は奈央、お前だ」
289
- 「別にいいけど、私をガリバーに仕立て上げて何するの?」
290
- 「何って、こともないんだが...まぁ、真美がどんな感じか試してみたいって言っててな」
291
- 「本来なら、ガリバーは男だから、司が適役なんだけど…男の『巨人』はなんだかつまらないし、
292
- もしも『ガリバー』が、かわいい女の子だったら、どんな感じなのかなって思って…ダメかな?奈央ちゃん?」
293
- 「真美さんに関しては、特に問題はないけど…お兄ちゃんも参加するの?」
294
- 「そのつもりだが、何か不満があるのか?」
295
- 「お兄ちゃん、もし調子乗って、私の体に悪戯でもしたら、摘んで海に投げとばすからね」
296
- 「分かってるって。そんなに、俺がかわいい妹の大事な体に、悪戯をするような悪い兄に見えるか?見えないだろ」
297
- 「一応、警告しといたの。完璧に信用できるわけじゃないし」
298
- 「さて、ということで俺達はあっちの方に行って、待ってるから。
299
- 準備が整ったら、右手を挙げて合図してくれ」
300
- 司達の話にうまく乗せられ、奈央は『ガリバー』役をさせられることになった。
301
- 「『ガリバー』役って言っても、実際、ただ砂浜に寝てるだけで、いいみたいだし」
302
- こう思いつつ、奈央は言われた通り、今の10倍サイズに巨大化になり、仰向けの状態で砂浜に、その巨体を横たえた。
303
- 奈央が手を挙げたのを確認し、彼女の方へと砂浜を歩いていく、司と真美。
304
- 横たわっている奈央の側までやって来て、奈央に聞こえるよう、わざとらしく司は言った。
305
- 「うわっ、こんなところで巨人が寝ているぞ」続けて
306
- 「巨人って、初めて見たけどこんなにも、おっきいんだ」と真美が、司と同じように言った。
307
- 「よし、巨人が眠っている間に、体に登ってみよう」
308
- 「うん。そうしよう」
309
- なんだか小学校の学芸会みたいな会話が続く。
310
- 司と真美は、「巨人」の手から、体に登り始め、続いて腕を登る。
311
- 「巨人」の腕は、白くきめ細やかな肌で覆われていて、しかも歩くたびに、ぷにぷにとした感触が伝わってくる。
312
- 腕の上を歩かれて、くすぐったいのか、「巨人」が笑いを抑えているのがわかる。
313
- 「小人」の二人は、「巨人」の胴体にまで、達していた。
314
- 「小さくなって、人の体に登るような話が、よく漫画とかであるけど…」
315
- 「なるほど、こういうことだったのか」小人の二人は、勝手に納得しあっていた。
316
- 二人がいる所から見て、「巨人」の頭とは、反対の方に、小さな「山」があった。山の方に近付く司。
317
- 「ちょっと司。やめてあげた方がいいよ。奈央ちゃんのおっぱいに登るのは。」
318
- 「いいって、いいって。気にすんな」
319
- 真美は司を制止しようとするも、無駄であった。
320
- 「おおっ、こんなとこに山が���るぞ」と言いつつ、真美の忠告も聞かずに、登っていく。
321
- ぷにぷに。この「山」は、腕よりさらに、ぷにぷにしているようだ。
322
- 「山」の頂に達したところで、司は巨人の逆鱗に触れたことに気がついた。
323
- 「なーに、勝手に妹の胸で、登山を楽しんでいるのかな?お兄ちゃん」
324
- 奈央はわざとらしく、司のことを「チビ兄」ではなく、「お兄ちゃん」と呼ぶ。
325
- 彼女が、怒っているのは明らかだ。
326
- 「あははは、バレたか」
327
- 「アレだけ警告したのに...このスケベバカチビ兄め。
328
- さっき言った通りに、海に投げ飛ばすから。悪く思わないでね」
329
- そう言うと、奈央は腕を伸ばし、胸の上にいた司を、指先で軽く摘みあげて海に向かってポイッ。
330
- 司は、奈央が手首を返しただけで、飛んでいった。
331
- 数秒後、ドボンと水音がしてから、白い水柱が沖の方に立った。
332
- 「あはは、奈央ちゃん、結構キツいことするんだね」真美が苦笑する。
333
- 「あれは、自業自得です。それに、お兄ちゃんは泳ぎが得意ですし、ためらうことはないです。
334
- あと、真美さんは女の子ですし、私の胸をぷにぷにしても構いませんよ」
335
- 「じゃ、お言葉に甘えて。ぷにぷに、ぷにぷに」
336
- 真美は、しばらくの間、奈央の胸で遊んでいた。
337
- 「真美さん、そろそろ元の大きさに戻りたいので、降りてもらえますか?」
338
- 「あっ、ごめんね」
339
- 真美は、差し出された奈央の大きな手のひらに、乗せられ砂浜に降ろされた。
340
- 海の方で、バシャバシャと音がした。
341
- 司が、沖から泳いで戻ってきたようだ。
342
- 「はぁはぁ。死ぬかと思った」
343
- 司は、泳ぎ着かれたのであろうかぜぇぜぇと息を切らしていた。
344
- 「あれは、司が百パーセント悪い」真美がバッサリ切り捨てる。
345
- 「妹の胸を触るなんて、お兄ちゃんサイテー。どういう神経してるんだかわけわかんな~い」
346
- さらに奈央が、追い撃ちをかけた。
347
- 「奈央、俺が悪かった。頼む。許してくれ」司は、本気で謝っていた。
348
- 「奈央ちゃん、どうするの?許してあげる?」
349
- 「じゃ、私に向かって『どうか奈央様、こんなに罪深い僕をお許し下さい』って、言えたら、今回の事は、水に流してあげる」
350
- 「うわっ、きっつ~い。兄としてのプライドを打ち砕くようなこと言わせるのね」思わず、真美が声をあげた。
351
- 「わかった。それを言ったら、なかったことにしてくれるんだな?」
352
- 「うん。でも、お兄ちゃんと私の立場の違いをはっきりさせるために…」
353
- 突然、奈央の体が大きくなりはじめ、本来の大きさに戻った。
354
- 「この状態で、さっきの台詞を言って、謝罪してもらうからね」
355
- そして「小人」の兄は、屈辱に耐えながら『どうか奈央様、こんなに罪深い僕をお許し下さい』と言って、
356
- 150倍の大きさの「巨人」の妹に、許しを請い願った。
357
- その光景には、二人の立場の違いががはっきりと表れていた。
358
- 奈央は、「お兄ちゃん、よく言えました。じゃあ、今回は許してあげる♪」と言った。
359
- その顔には、満面の笑みが溢れていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Done 2024-02-23/[ICECAT] 箱庭シリーズ 3 [that123] CN.txt DELETED
@@ -1,254 +0,0 @@
1
- 在「箱庭海水浴」之后,又过了一星期。现在到了盛夏来临的时期。
2
- 真美又一次来到中条家。按响门口旁边的对讲机。哔---
3
- 「是」回应的是妹妹奈央。
4
- 「我是黑川咯。今天也打扰一下可以吗?」
5
- 「好啊。我先去拿钥匙打开玄关,所以请稍等。」
6
- 过了30秒左右,咔嚓,听到钥匙打开门的声音,门被打开了,看到奈央的身姿。
7
- 「司在『箱庭』里面吗?」
8
- 「嗯,哥哥现在进去『箱庭』了,不过好像正在加建什么,
9
- 他说了『我工作的期间,不要进来』,…
10
- 我现在去告诉哥哥真美桑来了,请等一下」
11
- 「谢谢。」奈央走下了通往地下室的楼梯。
12
- 几分钟之后,奈央回来了。
13
- 司说请她上自己的房间里,在那边等着。
14
- 奈央说司的房间在二楼最深处。
15
- 上到二楼,到了奈央说的房间,门口挂了一块用罗马字写着「TSUKASA」的板子。
16
- 打开门进去。到今天为止,真美还是第一次进去司的房间。
17
- 进到房间,环顾四周。床,衣柜,计算机桌上面都有摆了大量漫画的书架。
18
- 这的确很有十几岁男生的房间的感觉。
19
- 但因为是男孩子的房间,所以有一股和女生房间不一样的微弱气息。
20
- 真美对这种气味感到很新鲜。
21
- 因为真美没有兄弟也没有,加上这几年也没有进过同龄异性的房间。
22
- 「出乎意料是间普通的房间。」为什么我会特别期待有什么不一样呢。
23
- 站了一阵子有点累,所以还是坐在床上。
24
- 突然,对面书架的映入眼帘。
25
- 「啊,这不就是『ロスコン』吗。而且是最新卷,第9卷耶。哎~司也有看哦。」
26
- 真美看到话题作的漫画,随意地从书架上取出,躺在床上阅读。
27
- 看完漫画后,发现在床边平坦的部分放置了模型铁轨和车站。
28
- 铁轨和床一样长,一端有中止行车的标志,
29
- 另一端的铁轨竟然突破墙壁,往房间外面延伸。
30
- 房外的部分被隧道包住。
31
- 想要窥视一下,但是因为太黑,完全看不到里面。
32
- 一直看下去也不是办法,正想要挪开眼睛,
33
- 这时隧道深处出现了光。
34
- 真美把耳朵贴近隧道,听到有电动机械的声音传来。
35
- 看来有模型的电车在这个隧道中奔驰。
36
- 真美把脸伏在隧道的出口附近。
37
- 列车终于要到隧道的出口。
38
- 前面看到两辆连列车火车头的样子。
39
- 机动车的后面似乎连接着几台的货车。
40
- 来了,列车和之前想的一样,接了好几台货物列车。
41
- 列车渐渐开始减速,在中止行车标志的前面完全停下。
42
- 最前头的火车头的驾驶室的门打开,里面有一个小小的人类在月台下车。
43
- 和真美的预期一样,下来的是司。
44
- 「不好意思,久等了。我先回到原来的大小吧」
45
- 司向真美说,马上就变得和真美同样大小。
46
- 「今天为了改变『箱庭』的布局而整修」司向真美说明。
47
- 「这条线路是和『箱庭』连接在一起吗?」
48
- 「啊啊,我的房间和『箱庭』直接连接。好像今天这样,要工作的时候,
49
- 工具和物件都可以方便运送。」
50
- 「哦,那这个呢?在『箱庭』里好像也有这些设备」
51
- 「那些设备也没什么。那,你特意从学校来家干嘛?」
52
- 「想要进去久违的『箱庭』,不过,今天好像在进行改装工程,我还是回避好了。」
53
- 「如果只是进去的话没问题,如果想进来帮忙的话,那就另当别论了……」
54
- 「可以帮忙吗?」
55
- 「真美你想帮吗?有你帮忙当然很高兴。」
56
- 「我对司你如何改造『箱庭』很感兴趣,我也一起来帮忙吧」
57
- 「我明白了。准备好从这里出发吧」
58
- 然后司慌忙地开始准备。
59
- 司把刚才乘坐的火车头倒转过来,把工程必须用到的东西搬上货卡。
60
- 「呼ー准备完毕。那么变成『小人』坐火车吧。」「嗯」
61
- 然后司和真美在床上变小,
62
- 走到旁边的车站月台,上了前头的火车头。
63
- 「出发前进」司大声说,列车慢慢开始加速。
64
- 列车进入到隧道。
65
- 隧道中是一直持续的斜坡,
66
- 因为列车有制动挂着,所以可以保持慢慢的速度。
67
- 「这个隧道有多长?」真美问。
68
- 「以现在我们的大小来看,有10km左右吧」
69
- 「好长啊」
70
- 进入隧道大约15分钟。终于看到出口。
71
- 「马上要到隧道出口」说完,列车就穿过隧道了。
72
- 「穿过长长的隧道后,便是『箱庭』…开玩笑」
73
- 司模仿一篇著名的文学作品的开头说。
74
- 穿过隧道,还是下行的陡坡。
75
- 「可是『箱庭』会从哪边出现?」
76
- 「往左侧的车窗看,大概会看到了。」
77
- 真美被这样一说,立刻看左侧的景色。
78
- 从车窗可以看到延伸的『箱庭』街道。
79
- 「从这里看的风景也很漂亮!」
80
- 「这条线路是沿着『箱庭』的墙跑。
81
- 除了沿着墙以外也没有地方可以放铁轨行驶,
82
- 但副产物就是这条路线可以看到非常好风景。」司自豪地说。
83
- 「即便如此,司的房间出来之后,一直都是大斜坡。」
84
- 「我的房间和『箱庭』之间大概有900米。隧道长10km,
85
- 到了『箱庭』之后,又要走10km。共计20km,是连『横軽』也会大吃一惊的陡坡。」
86
- 「Yokoyama・Carlos先生?」
87
- 「怎么随意就弄了一个日系外国人出来。
88
- 『横軽』呢,轻井泽总应该知道的吧」
89
- 「嗯,有名的避暑胜地。」
90
- 「在轻井泽和横川站之间,也与这里有一样,有一座突然顶起的山巅,
91
- 曾经在铁路爱好者之间是很有名的地方。」
92
- 「曾经…现在已经不再有名?」
93
- 「长野新干线开通之后,轻井泽横川之间的铁路就被废止了。」
94
- 「嗯。被消灭掉。」
95
- 「在这里又再现了哦」
96
- 「『箱庭』真的好令人羡慕啊。我自己也喜欢那样可以创造一个世界。」
97
- 交谈之间,两人乘坐的列车渐渐停下来。
98
- 「是这里吗?刚刚司在工作的地方?」
99
- 「是远一点的地方,之后要再搭车。但是在帮忙之前,
100
- 希望也知道真美模型的处理方法。虽然不是那么难的事」
101
- 「这么说来,你还没有教我模型的处理方法。」
102
- 「顺带一提,刚才我工作的地方是——」
103
- 真美向司手指指往方向看去。
104
- 只有那一角,模型的「地」被剥了起来,还有一个非常巨大的锤子。
105
- 从司的房间出发,已经过了30分钟。
106
- 漫长的下坡终于结束,到了平坦的地方。
107
- 从左手面接近汇合主要高架路线。
108
- 司说「这条主要干线和改造中的区划连接。」
109
- 回程时会再通过这里。
110
- 在主干线行驶10分钟之后,列车进入了支线。
111
- 「马上就要到达目的地。到这边快要一个小时,先教你处理方法。
112
- 等一下只要认真仅慎对待的话,应该不会有特别问题」
113
- 列车进入了延伸往目的地的单线支线,不知不觉间,住家的平房檐掠眼前。
114
- 「跑进很狭窄的地方啊。有必要在这么狭窄的缝隙通过吗?」
115
- 真美向司机兼「箱庭」创造者抱怨道。
116
- 「在说什么呀,你这家伙!这有什么不好吗」
117
- 司在充满热情地叙述自己的喜好。
118
- 「这段之后还会行驶的道路区间啊……」
119
- 「都是因为有这样乱七八糟的线路,所以才这么花时间的。」
120
- 「吵死了,不懂男人浪漫的家伙。」
121
- 今天二人的意见不是很一致。
122
- 偶尔也会有这样的日子。
123
- 在两人争吵的期间,列车在道路(に引かれた线路)上行驶。
124
- 有轨电车也会行经行车路线给人一种奇怪的感觉。
125
- 列车穿过路面行驶区间,终于到达了目的地。
126
- 从司的房间出发快要用了一小时。
127
- 从周围有大量停放货卡车厢,工厂的烟囱和大仓库来看,这里是模仿工厂地带的货物站的地方。
128
- 首先真美从火车头下车,接下来司下来到铁轨上。
129
- 「立即巨大化吧。要是没有『巨人』的话,什么都做不到的」
130
- 对真美说完,她就巨大化了。
131
- 真美的身体眨眼之间比附近工厂的烟囱还要高,
132
- 过一会,连比真美的膝盖高的建筑物也找不到。
133
- 出现了身高225米穿着高中生西装制服的巨大女的身影。
134
- 真美她本人喜不喜欢就另当别论了,
135
- 但是「临海工业区出现了巨大的女子高中生」这句话很合适吧。
136
- 真美以「巨人」姿态在「箱庭」出现是第二次。
137
- 上次变成「巨人」只有一点点时间,实质来说,这是第一次吧。
138
- 因此当司看到巨大的真美的身影影,感受到奈央巨大化的时不同的感觉。
139
- 本来身高只有150cm的弱质少女真美,现在是身高225米的巨大少女。
140
- 很难想像是同一个人,现在她的身影很有震撼力。
141
- 「之后要怎么办?」
142
- 「找一个地方先躺下吧」
143
- 「OK」
144
- 「巨人」真美,一边当心周围的小建筑物,一边躺在货运站铁路旁边的广阔空地。
145
- 虽然是广阔的空地,但对现在的真美来说只是刚好而已。
146
- 「这样就可以了吗?」躺在地上的真美发出巨大的轰鸣声。
147
- 从衬衫的缝隙可以看到粉红色的胸罩包围着巨大的胸部,乳沟清晰地跳入司的眼帘。
148
- 「真美的胸部有这么大吗?虽然说是巨人,但那个大小已经是犯罪…不是…是灾害级别。
149
- 那个煤气鼓一样大小的巨大的胸部,已经可以威胁袭击『箱庭』。
150
- 即使看惯了巨大的奈央,不过…还是有一种难而言语的激动…
151
- 看到巨大的真美,好像有点萌动春心…为什么呢?」
152
- 这种想法浮现出自己的脑海。
153
- 「现在的司小小的,很可爱」
154
- 「嗯,这算是赞扬吗?」
155
- 「嗯,是赞扬。刚刚对我说什么都不懂的讨厌男生,
156
- 现在变成了这么小巧可爱的『小人』桑。
157
- 姐姐看在你可爱份上,原谅你刚才无礼的态度吧♪」
158
- 「随便就假装成姐姐,这个巨大女真是的!」
159
- 「哎呀哎呀,『小人』司君好像完全不明白自己的立场啊。让姐姐告诉��,你的立场如何和我不同」
160
- 说完,真美用对司来说非常巨大的指尖,稍微玩弄一下小人先生的身体。
161
- 对司来说已经是超过被玩弄的级别。
162
- 被「巨大女」的手指轻轻玩弄的司,感到巨大的力量差距而恐惧,突然自卑屈辱感从内心涌出。
163
- 「真美女王大人,对不起。对不起」司开始诚心地道歉。
164
- 司的态度急剧的变化令真美感到踌躇。
165
- 「真美女王大人……」这句话使她想起了一个星期前在海水浴的时候。
166
- 那时,恶作剧的司向妹妹奈央谢罪说「奈央桑,对不起」。
167
- 或许在那个时候,司觉醒了奇怪的快感也说不定。
168
- 想到这一点,真美「女王」自己也在苦笑。
169
- 司为了让人感到比自己说「奈央大人」的时候更加卑屈,
170
- 虽然真美不是施虐癖的「女王」,也被称为「真美大人」、「真美女王大人」,
171
- 完全高兴不起来,司已经抖M变态到让人为难起来。
172
- 真美认真希望司只是一个普通的男生。
173
- 「咦,为什么我会在乎司是不是一个普通的男生……」
174
- 想到这一点,她发现了自己对司的感情。
175
- 「我对司…难道…也许是心理作用,神经过敏而已」真美试图否定自己的真心,
176
- 自己怎么会对司的事情在意起来呢。
177
- 「对了,还是先让司回到原来的状态。现在抖M模式全开,我会很困扰啊。」
178
- 真美试图使司回复过来。
179
- 「哈」司的意识恢复正常。
180
- 「咦,我为什么在这种地方睡着了。我只有被真美的手指玩弄的记忆。」
181
- 「刚刚司晕过去了」真美大胆地配合司的记忆,对司说了「真美女王大人」和开启「抖M模式」这件事则是完全没有提起。
182
- 说出来的话也太可怜了吧。
183
- 「你没有晕过去之前,正要告诉我模型的处理方法吧。」
184
- 「是啊。那么,首先从车辆的拿法说起。拇指和食指捏起车厢才是正确的拿法。
185
- 还有一次只可以拿一辆。尝试我刚才说的那样拿起列车车尾的货车给我看看吧」
186
- 司对躺着仰望上空的真美的脸说。
187
- 真美谨慎地拿起最后面的货车。与其说是拿起,倒不如说是轻轻地采摘。
188
- 对真美来说货卡实在是太小了。
189
- 「嗯,很好的拿法」
190
- 「喂,这辆货车要一直拿着吗?」
191
- 「其次要教的是车辆放在铁路上的方法,拿得太辛苦的时候,只要慢慢地放下来就好了」
192
- 真美谨慎地拿着货卡,感到有点累,马上就把货卡放下。
193
- 「车厢要好好放在铁轨上的话,要使用放在那里的绿色工具。」
194
- 真美找到了司说的工具。把刚才放在地上的货车再次拿到手中,装在斜斜的绿色工具上。
195
- 货卡滑回到铁轨上。
196
- 「真美的手很巧,也有好好地找到模型处理的要领」司赞扬真美道。
197
- 「嘿嘿」真美害羞了。
198
- 「就这样,模型处理方法的讲座结束。之后,在实战兼练习中习惯就好。
199
- 那么,这几台货车放满了之后会用到的材料,
200
- 就火车头的后面,请『巨大女子高中生』黑川真桑帮帮忙可以吗?」
201
- 「我想不到拒绝小人先生请求帮助的理由,那么首先是…」
202
- 司对真美下的命令一个接一个。
203
- 真美也好好听从吩附,用手指轻轻抬起货车,再放回铁轨上。
204
- 女孩子用肌肤透白纤细的胳䏝轻轻地捏起货车才是最精华的部分。
205
- 一转眼,货卡的重组工作结束。
206
- 「工作结束了,司」
207
- 「那么,接下来是…」
208
- 司下令真美再做一次货卡的重组的工作。
209
- 「这不是一样的事吗?」
210
- 「要练习,练习。」
211
- 「已经练习过了,这种杂事没必要加强吧?」
212
- 「好麻烦,怎么这么不听人话呀,这个巨大女」
213
- 司的挖苦令真美很受打击—。
214
- 真美被司的话惹怒了。
215
- 「你这是什么说法呀!麻烦的工作全部都命令给我做,强加我这样做有什么理由吗?」
216
- 「没有什么强加的理由啦。只是顺便练习而已」
217
- 彼此的情绪非常不好,无结果的争吵开始白热化。
218
- 开始互相责备对方。
219
- 这两个人平时都是很和睦,两个人在一起时,同学们都会开玩笑说「夫妻关系很好啊」,
220
- 但偶尔也会像现在一样大吵一架,这种时候又会被揄揶说「喂,夫妻吵架开始了,开始了」。
221
- 刚刚开始的争论渐渐变为相互指责对方的错处,两人停滞不前地吵架。
222
- 司的话说越来越恶劣,不过真美这时说了「箱庭」中绝对不能说出嘴的话。
223
- 「如果司觉得我这么坏的话,我只好这样做了」
224
- 真美用巨大的脚轻轻踩在停放的货卡上。
225
- 「你不先道歉的话,我就踩烂它。现在的我可是身高225m,重13万吨的巨人啊。这么小的玩具的货车马上踩烂也可以。货卡被这种程度的践踏恐怕会承受不了吧。现在的我连这种玩具城市都可以轻易地彻底踩碎破灭在我的脚下。明白了吗?知道了的话,你还是早点道歉吧。是啊,就像刚才那样���边跪在地上一边说『真美女王,对不起。全部都是我不好』。这样的话我就原谅你吧」
226
- 这时真美注意到自己因一时气愤冲口而出的话的严重性。
227
- 「『踩烂』对司来说真的有点为难,还是说轻一点吧…
228
- 实际上,如果那样做的话…一台两台的玩具货车,就不可避免了…
229
- 而且『箱庭』大部分都是司的爸爸创造的吧…所以……」
230
- 意识到知道自己发言的严重性,真美的脚在轻轻发抖。与此同时,真美的身体突然开始缩小。
231
- 「紧急避难用缩小化的设备的开关打开了。
232
- 真美,你要踩烂货车之前,我们因为我的原因而吵架了,我要向你道歉。
233
- 但是在道歉之前。先想一想你的发言,
234
- 『真美女王,对不起。全部都是我不好』如果我这样道歉你满意的话,那就这么办吧。
235
- 听到真美的话之后,说实话,我怀疑自己听错了。
236
- 『要破坏这样的玩具』。
237
- 这个『箱庭』对我有多重要,真美你有好好想过吗。
238
- 因为我自己不通气,责备我或者蔑视我也是完全没问题,
239
- 但是要惹我生气而说要破坏『箱庭』这种话对我的伤害有多严重吗?
240
- 这种发言绝对不可以原谅。
241
- 啊,对了对了,这么想试试踩碎什么的话,这一带都是我创造的。有本事就当着我的脸破坏就好。
242
- 但是如果这个地方被你破坏的话,奈央问起,我会老实说给她听。
243
- 因为奈央也是非常喜欢『箱庭』。
244
- 破坏『箱庭』的家伙,即使如大姐姐一样仰慕的人,也会被讨厌的吧。
245
- 和刚才说的一样,如果想破坏,好。
246
- 但是认为这个『箱庭』可以好像玩具一样是弄坏的家伙,没有进入『箱庭』的资格。
247
- 今天到此为止,快点从这里出去」
248
- 这时,真美的身体再次回到「巨人」的尺寸。
249
- 「只是紧急避难用的,所以回到原来的大小。如果『巨人』你喜欢,一边回去一边踩坏这个城市也可以。
250
- 我会用刚才来的路线回去。」
251
- 司坐上了火车,一个人回家了。
252
- 货运站只剩下一个穿着制服的巨大女孩的身影。
253
- 她站起来,离开这个地方,向『箱庭』的出口走去。
254
- 走向出口时,大滴的泪水从巨大的少女眼中溢出。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Done 2024-02-23/[ICECAT] 箱庭シリーズ 3 [that123] JP.txt DELETED
@@ -1,254 +0,0 @@
1
- あの「箱庭海水浴」から、一週間。只今、夏真っ盛り。
2
- 真美は、再び中条家を訪れていた。門の横のインターホンを押す。ピンポーン。
3
- 「はい」応答したのは、妹の奈央の方だった。
4
- 「黒川でーす。今日、お邪魔してもいいかな?」
5
- 「いいですよ。玄関の鍵を開けに行くので、少し待ってて下さい」
6
- 30秒ほど経ってから、ガチャと鍵が開く音がして、ドアが開き、奈央が姿を見せる。
7
- 「司は、『箱庭』の中にいるの?」
8
- 「うん、お兄ちゃんは今、『箱庭』にいるんだけど、中で何か作業してるみたいで
9
- 『作業してる間は、中に入ってくるな』って言ってし…
10
- 今から、お兄ちゃんに、真美さんが来たってことを、伝えに行きますから、待ってて下さい」
11
- 「ありがとうね」奈央は、地下へと続く階段を降りていった。
12
- 数分後、奈央が戻ってきた。
13
- 司によると、自分の部屋に上がって、待っててほしいということだそうだ。
14
- 奈央に司の部屋の場所を聞くと、二階の一番奥にある部屋らしい。
15
- 二階に上がり、言われた場所に「TSUKASA」とローマ字で書かれたプレートが掛けられていた。
16
- ドアを開けて中に入る。真美が、司の部屋に入るのは、今日が初めてだった。
17
- 部屋に入り、全体を見回す。ベッドに箪笥、パソコン机に大量のマンガが並べられている本棚。
18
- いかにも、十代の男の子の部屋と言った感じだ。
19
- ただ、ここは男の子の部屋なので、女の子の部屋とは違う微かなにおいがした。
20
- そのにおいが真美には、新鮮に感じる。
21
- というのも、真美には男兄弟が一人もおらず、加えてここ数年、同年代の異性の部屋に、入ったことがないからだ。
22
- 「案外、普通の部屋なんだ」特に、何かを期待してたわけではなかったが、そう思ってしまう。
23
- 立ちっぱなしでいるのも、辛いので、ベッドに座る。
24
- ふと、向かいにある本棚に目をやる。
25
- 「あっ、『ロスコン』があるじゃん。しかも、最新巻の9巻。へぇ~、司も読んでるんだ」
26
- 真美は、話題作の漫画を、勝手に本棚から取り出して、ベッドに寝転がって読み始める。
27
- 漫画を読み終えたところで、ベッドの横の平らな部分に、模型の線路と駅が置いてあることに、気がついた。
28
- 線路は、ベッドと同じくらいの長さがあり、一方の端には車止めがあり、
29
- もう一方の端の線路は、なんと壁を突き抜け、部屋の外に延びていた。
30
- 部屋の外の部分は、トンネルと思われる構造になっている。
31
- 覗き込んでも、暗闇のせいで中の様子は全く分からない。
32
- ずっと見ていても仕方がないので、目を離そうとしたところ、
33
- トンネルの奥のほうで、光が見え始めた。
34
- 真美が、トンネルに耳を近づけると、モーター音が伝わってきた。
35
- どうも、このトンネルの中を模型の電車が走っているようだ。
36
- 真美は、トンネルの出口付近に、顔を置いて待ち伏せる。
37
- いよいよ列車が、トンネルの出口に差し掛かる。
38
- 先頭に機関車を二両連ねた列車の姿が、見え始めた。
39
- 機関車の後ろには、多数の貨車が、連結されている。
40
- やって来たのは、どうやら貨物列車に見立てた列車のようだ。
41
- 列車が徐々に、減速し始め、車止めの手前で完全に停まった。
42
- 先頭の機関車の運転室のドアが開き、中から小さな人間が、ホームに降りてきた。
43
- 降りてきたのは、真美の予想通り、司だった。
44
- 「悪い、少し待たせたな。今から元の大きさに戻るよ」
45
- 小さな司が、真美に向かってこう言って、すぐに真美と同じ大きさになった。
46
- 「今日は『箱庭』のレイアウトを変えるために、作業してるんだよ」と司が説明した。
47
- 「ねぇ、この線路って『箱庭』に繋がってるの?」
48
- 「あぁ、俺の部屋と『箱庭』とを直接結んでる。今日みたいに、何か作業する時には、
49
- 道具や荷物を乗せて運べるから便利だぜ」
50
- 「へぇー、『箱庭』には、まだまだ仕掛けがあるみたいだね」
51
- 「仕掛けってほどのもんでもないけどな。で、わざわざ学校帰りに何しに来たんだ?」
52
- 「久しぶりに『箱庭』に入ってみたかったけど、今日は、改装工事中みたいだし、遠慮しとくよ」
53
- 「別に、入るだけなら問題ないが、入ってきたら作業手伝わせるぞ。手伝いたいなら話は別だが…」
54
- 「作業手伝ってもいいの?」
55
- 「真美は、手伝いたいのか?手伝ってくれるなら、うれしい限りなんだけど」
56
- 「どんな風にして、司が『箱庭』を改造しているのか気になるし、一緒に手伝ってあげる」
57
- 「わかった。準備整えて、ここから出発しよう」
58
- それから司は、あわただしく準備をし始めた。
59
- 先程、司が乗って来た二両の機関車を付け替え、作業に必要なものを、貨車に乗せた。
60
- 「ふぅー。準備完了っと。じゃ、『小人』になってから、列車に乗るぞ」「うん」
61
- それから、司と真美は、ベッドの上で小さくなり、
62
- 横にある駅のホームに行き、先頭の機関車に乗った。
63
- 「出発進行!」と司が掛け声をして、列車を加速させていった。
64
- 列車は、走り出すとすぐにトンネルに入った。
65
- トンネルの中は、急な下り勾配が続いているので、
66
- 列車は、ブレーキを掛けて、ゆっくりとした速度を保っていた。
67
- 「このトンネルって、どれくらいの長さがあるの?」と真美が質問してきた。
68
- 「今の俺達のサイズからすれば、10km弱ぐらいかな」
69
- 「結構、長いんだね」
70
- トンネルに入って、およそ15分。ようやく、出口が見えてきた。
71
- 「もうすぐ、トンネルの出口だ」と言い、列車はトンネルを抜けた。
72
- 「トンネルを抜けると、そこは『箱庭』だった...なーんてな」
73
- ある有名な文学作品の冒頭をもじって、司が言った。
74
- トンネルを抜けても、下りの急勾配は続いていた。
75
- 「ところで、『箱庭』のどこに出たの?」
76
- 「左側の車窓を見れば、大体分かると思うな」
77
- 真美は、言われた通りに、左側の景色を見てみる。
78
- 車窓からは、眼下に広がる『箱庭』の小さな街並みが見えた。
79
- 「ここからの眺めも綺麗ね」
80
- 「この線路は、『箱庭』の壁伝いに走っていてるんだよ。
81
- ここぐらいしか、走らせられる場所がなかったんだけど、
82
- 副産物で、物凄く眺めがいい路線になったんだ」と司は、自慢げに語る。
83
- 「それにしても、司の部屋を出てから、ずっと急な下り坂が続いてるね」
84
- 「何せ、俺の部屋と『箱庭』との900mもある計算だからな。トンネル内で10km、
85
- 『箱庭』に入ってからも10km。併せて、20kmも『横軽』もびっくりな急勾配が続くんだ」
86
- 「ヨコヤマ・カルロスさん?」
87
- 「勝手に日系人を作り出さないの。
88
- 『横軽』って言うのはだな、軽井沢は知ってるだろ」
89
- 「うん、避暑地で有名な場所だよね」
90
- 「その軽井沢と、隣の横川駅との間に、ここと同じくらいの急な峠があって、
91
- 鉄道ファンの間では馴染み深い場所だったんだよ」
92
- 「だったってことは…もうないの?」
93
- 「長野新幹線が開通して、軽井沢横川間の鉄道は廃止されたんだ」
94
- 「ふーん。無くなっちゃったんだ」
95
- 「で、ここに再現したってわけ」
96
- 「『箱庭』って羨ましいな。自分の好きなように、世界を創り出せるんだから」
97
- 会話の間にも、二人が乗った列車はどんどん下っていく。
98
- 「ところで、どこに向かってるの?さっきまで、司が作業してた場所?」
99
- 「そこは、後で行く。でも、作業を手伝ってもらう前に、
100
- 真美には模型の扱い方を知ってもらいたいだ。そんなに難しいことじゃないけど」
101
- 「そういえば、模型の扱い方、教えてもらってなかったね」
102
- 「ちなみに、さっきまで俺が作業していた場所はー」
103
- 真美は、司の指差す場所を見た。
104
- その一角だけ、模型の「地」が剥きだしになっていて、やけに巨大なトンカチが置かれていた。
105
- 司の部屋を出発してから、30分は経っただろうか。
106
- 長かった下り勾配が、ようやく終わり、平坦な場所を走っている。
107
- 左手から本線と思われる高架線路が近付き、合流した。
108
- 司によると「あの本線の先が、改造中の区画に繋がってる」らしい。
109
- 後程、またここを通過することになるのだろう。
110
- 10分程本線を走行した後、列車が支線に入った。
111
- 「もうすぐ最初の目的地に着くぞ。そこで一時間位掛けて模型の扱い方を教えるからな。
112
- まっ、丁寧にさえ扱えば、特に問題ないから」
113
- 目的地へと延びる単線の支線に入った列車は、いつの間にか、家々の軒先をかすめるように走っていた。
114
- 「随分、狭いところを走ってるね。何もこんな狭い隙間みたいなところに線路を通さなくてもいいんじゃないの?」
115
- 真美は、運転手兼「箱庭」の創造主に言った。
116
- 「何を言うか、貴様!!それがよいではないか」
117
- やけに熱のこもった言い方で自分の好みを述べる司。
118
- 「それに��この先道路の上を走る区間があってだな…」
119
- 「そんな風に、めちゃくちゃに線路を引いたから、着くのに時間がかかるのよ」
120
- 「うるさいな~、男のロマンが分からん奴だな」
121
- 何か今日は、二人の意見がうまく合わない。
122
- そんな日もたまにはあるのかも知れない。
123
- 二人が口喧嘩をしてる間に、列車は道路(に引かれた線路)の上を走行していた。
124
- 路面電車でもないのに、道路を走っているのは変な感じだ。
125
- 路面走行区間を抜け、やっと列車は目的地に着いた。
126
- 司の部屋を出発してから一時間近く経過していた。
127
- 周囲にある、停車中の大量の貨車、工場の煙突や大きな倉庫などから察するに、ここは工場地帯の貨物駅を模した場所のようだ。
128
- 機関車から、まず真美が降りて、続いて司も線路に降りた。
129
- 「早速だが、巨大化してくれ。お前が『巨人』にならなきゃ、何も出来ないしな」
130
- 真美は、言われた通りに巨大化し始めた。
131
- 真美の体は、瞬く間に近くにあった工場の煙突より高くなり、
132
- ついには、真美の膝より高い建物は見当たらなくなっていた。
133
- ブレザーの制服を着た身長225mの巨大女の姿が、そこにはあった。
134
- 本人が気に入るかは別として、今の真美には、
135
- さしずめ「臨海工業地帯に出現した巨大女子高生」という言葉が、よく似合うだろう。
136
- 真美が、「箱庭」に「巨人」として出現したのは、今回で二回目である。
137
- 前回、「巨人」だった時間はごくわずかだったので、実質初めてと言ってもよい。
138
- それゆえ、司は巨大な真美の姿を見て、奈央が巨大化してる時とは違った感じを受けた。
139
- いつもは身長150cm弱の真美が、今は身長225mの巨大な少女になっているからであろう。
140
- とても同じ人間とは思えない迫力がある。
141
- 「これから、どうすればいいの?」
142
- 「うまいこと場所を見つけて、俯せに寝てくれ」
143
- 「オッケー」
144
- 「巨人」の真美は、周囲の小さな建物に、気をつけながら広大な貨物駅の線路の上に、俯せに寝そべった。
145
- いくらここが、広大な場所とは言え、今の真美にとっては広くはない。
146
- 「これで、いいの?」と言って真美が轟音を立てて寝そべる。
147
- ブラウスの隙間から、ピンクのブラジャーに包まれた巨大な胸の谷間が、はっきりと司の目に飛び込んできた。
148
- 「真美の胸って、こんなに大きかったか?いくら巨人とは言え、あの大きさは犯罪...いや災害レベルだ。
149
- あのガスタンクのような大きさの巨大なおっぱいは、『箱庭』を襲う脅威でしかない。
150
- にしても、巨大奈央は見慣れてるけど...言葉では表しにくいけど...
151
- 巨大真美を見てるとなんかこうムラムラしてくるんだよな...なんでだろ?」
152
- そんな考えが独りでに浮かんできた。
153
- 「それにしても今の司、すっごくちっちゃっくてかわいい~」
154
- 「むっ、それ、誉めてるのか?」
155
- 「うん、誉めてるよ。さっきまで、私に向かってあんなに憎たらしいことを、言ってた男の子が、
156
- こんなに小さくてかわいい『小人』さんに、なってるんだもん。
157
- お姉さん、さっきの君の悪態、そのかわいさに免じて許しちゃう♪」
158
- 「勝手に、年上のお姉さん気取りになるな、この巨大女めっ」
159
- 「あらあら、『小人』の司くんは、どうやら自分の立場がよくわかってないみたいね。立場の違いを、お姉さんが、教えてあげる」
160
- そういって、真美は、司にしてみれば巨大な指の先っちよで、ちょんちょんっと彼の体を軽く弄んでやった。
161
- 司にとっては弄ばれるとかいうレベルではなかったが。
162
- 「巨大女」の指先で、軽く弄ばれた司は、あまりの力の差に恐怖を感じたのか、急に卑屈になって
163
- 「真美女王様、ごめんなさい。ごめんなさい」と一心不乱に謝り始めた。
164
- 司の態度の急激な変化に、真美は戸惑った。
165
- それにしても「真美女王様って…」一週間前の海水浴の時を思い出した。
166
- あの時、悪戯をした司は、妹の奈央に「奈央様、ごめんなさい」と言って謝罪させられた。
167
- もしかしたら、この時に、司は妙な快感を知ってしまったのかも知れない。
168
- にしても、「真美女王様」には真美自身、苦笑する。
169
- 「奈央様」よりも一層、卑屈になってる。
170
- 真美は、サディストではないので「真美様」とか「真美女王様」と呼ばれても、
171
- 全然嬉しくないし、司がドMの変態野郎になっても困る。
172
- 司には、普通の男の子であってほしい、そう思う真美だった。
173
- 「あれっ、なんで私、司が普通の男の子であってほしいなんて思ったんだろう…」
174
- ここまで考えて、自分の司に対する感情に気付く。
175
- 「私が、司のことが…まさか、ね。気のせい、気のせい」と否定しようとするとともに、
176
- 司が自分のことを、どう思ってるのかも気になり始めたのだった。
177
- 「そうだ、司を元の状態に戻しあげなきゃ。あのドMモードでいられるとこっちが困るしね」
178
- 司を正気に戻してあげる真美。
179
- 「はっ」っと、司の精神は正常に戻った。
180
- 「あれっ、俺なんでこんなところで寝ちゃったんだろ。真美の指先で弄ばれてからの記憶がない」
181
- 「今まで、司は気絶してたよ」真美は、あえて司の話に合わせて、司の「真美女王様」発言や「ドMモード」のことは黙っておいた。
182
- 言っちゃうとかわいそうだしね。
183
- 「気絶なんかしてないで、早く模型の扱い方を教えてよ」
184
- 「そうだったな。では、まず車両の持ち方から。車両の胴体の真ん中あたりを、親指と人差し指で摘まんで持つのが、正しい持ち方だ。
185
- あと持つのは、一両ずつな。試しに、さっき俺が言った通りに、列車の最後尾の貨車を持ってみてくれ」
186
- 司は寝そべっている真美の顔を見上げて、言った。
187
- 慎重に、真美は最後尾の貨車を持ち上げる。というよりかは、摘み上げるかっこうだ。
188
- それくらい真美にとって、貨車は小さいのだ。
189
- 「うん、ちゃんと持ち方はできてるな」
190
- 「ねぇ、この貨車、ずっと持ったままにするの?」
191
- 「次に、車両を線路に乗せるやり方を教えるけど、持ってるのしんどかったら、ゆっくり下ろして置けばいい」
192
- 真美は、持つのに疲れたのか、すぐに貨車を置いた。
193
- 「車両を、上手く線路に乗せるには、あそこに置いてある緑色の道具を使うんだ」
194
- 真美は、司が言ってた道具を見つけた。先程、手元に置いた貨車を再び手に取り、傾斜のついた緑色の道具に乗せた。
195
- 貨車は、スーッと滑るようにして線路に乗った。
196
- 「真美は手先が器用だし、模型の扱うにしても要領がいいな」司が真美を誉める。
197
- 「えへへ」と真美は照れ笑いした。
198
- 「これで、模型の扱い方の講習は終わり。後は、練習を兼ねた実戦で慣れればよし。
199
- では、この後使う材料を積んだ貨車が、ここに何両か置いてあるから、
200
- 乗ってきた列車の後ろに、連結する作業を『巨大女子高生』の黒川真美さんに、手伝って貰おうかな?」
201
- 「そこまでして、小人さんに頼まれると断るわけにもいかないから手伝ってあげる♪ まずは...」
202
- 次々に、司は真美に指示していく。
203
- 真美の方も、指示通りに、貨車を指先で軽く摘み上げては、線路に下ろしていく。
204
- 女の子の色白の細い腕が、軽々と貨車を摘み上げる様は圧巻だ。
205
- あっという間に、貨車の組み替え作業が終わった。
206
- 「作業終わったよ、司」
207
- 「じゃ、次は...」
208
- また司は、真美に貨車の組み換え作業を命じた。
209
- 「また、同じことするの?」
210
- 「練習だよ、練習」
211
- 「練習って言って、雑用押し付けてるんじゃないよね?」
212
- 「うっせーな、やれっつたらやれよ,この巨大女」
213
- 嫌味ったらしく言い放つ司。
214
- 真美は、そんな司の言い方にカチンときた。
215
- 「なによその言い方!めんどくさい作業を、全部私に命令して、押し付けたってわけ?」
216
- 「別に、押し付けてるわけじゃねーよ。練習のついでにやってもらっただけなのに」
217
- お互い虫の居所が悪かったのか、さらに不毛な言い争いはヒートアップ。
218
- お互いを詰り合う言葉が飛び交った。
219
- この二人、普段はなんだかんだで仲がよく、二人一緒にいるとクラスメートから「夫婦仲がいいね~」などと茶化されるのだが、
220
- たま~に今みたいに大喧嘩をすることがあって、そんな時は「おっ、夫婦喧嘩が始まった、始まった」などと揶揄される。
221
- さっきから言い争ってるうちに、だんだん互いに自分が悪かったかなと思いはじめるも、引くに引けぬ口喧嘩。
222
- ここまでは司の方が分が悪かったのだが、真美が「箱庭」の中では、絶対に口にしてはならない言葉を言ってしまったのだ。
223
- 「そこまで、司が私の方が悪いって言うんだったらね、こうしてやる」
224
- そういうと、真美は、止まっていた貨車に片足を軽く押し当てた。
225
- 「アンタが先に謝らないならね、コレ、踏み潰すわ。今の私は、身長225M、体重13万トンの巨人なのよ。こんなに小さなおもちゃの貨車なんてすぐに踏み潰せるんだから。それに踏み潰されるのは、この貨車だけじゃ、済まないかもね。今の私なら、こんなおもちゃの街は徹底的に踏み潰して壊せるのよ。ねぇ、わかった?わかったんなら、早く謝んなさいよ。そうよ、さっきみたいに土下座しながら『真美女王様、ごめんなさい。僕が全部悪いです』って言えたら許してあげるわ」
226
- そこまで、一気に真美は言い切ってから自分が言ってしまったことの重大さに気付いた。
227
- 「『踏み潰す』なんて、ちょっと司を困らせようとして、軽く言っちゃったけど…
228
- でも、実際にそんなことしたら…一両のおもちゃの貨車とは言え、取り返しのつかないことになっちゃう…
229
- それに『箱庭』のほとんどは司のお父さんが創ったものだから…だから…」
230
- 自らの発言の重大さに、真美の足が軽く震えだした。と、同時になぜか真美の体が小さくなりはじめた。
231
- 「緊急避難用のスイッチで縮小化させてもらったよ。
232
- 真美、お前が貨車を踏み潰そうとする直前まで、俺は自分のせいで喧嘩になってしまったのだからお前に謝ろうと思ってた。
233
- でも、先に謝りたくないなんて意地を張ってしまった。一番初めの発言に関しては、
234
- 『真美女王様、ごめんなさい。僕が全部悪いです』と俺が謝罪してお前の気が済むのならそうしよう。
235
- でもな、その後の真美の言葉を聞いて、正直耳を疑ったよ。
236
- なにせ『こんなおもちゃの街壊してやる』だもんな。
237
- 俺が、どれだけこの『箱庭』を大切にしてるか、真美は分かってくれてると思ってたんだけどな。
238
- 俺自身を詰ったり、蔑んだりするぶんには全然構わないが、
239
- 『箱庭』を俺への嫌がらせで壊そうとするって言うなんてひどくないか?
240
- そんな発言は、許せない。
241
- あっ、そうそうそんなに踏み潰してみたかったら、この辺り一帯は俺が創った場所だから別に壊したきゃ、壊せばいいよ。
242
- でも、もしこの後お前がここを破壊しつくしてて、奈央がその理由を聞いてきたら、俺は正直に言うつもりだ。
243
- 奈央も、この『箱庭』が大好きだからな。
244
- 『箱庭』を壊そうとする奴は、たとえ姉のように慕ってる人間でも嫌いになるだろうな。
245
- さっきも言った通り、壊したければ壊せばいい。
246
- この『箱庭』を壊してもいいおもちゃだと考えてる奴には、『箱庭』に入る資格はない。
247
- 今日のところは、早くここから出ていってくれ」
248
- その時、真美の体が再び「巨人」サイズになった。
249
- 「緊急避難用だから、元に戻ったようだな。『巨人』に戻ったことだし、踏み潰すなり帰るなり好きにしろ。
250
- 俺は、これからさっきのルートで帰るから。じぁな」
251
- 司は機関車に乗り込み、一人で帰っていった。
252
- 貨物駅に一人取り残された制服姿の巨大な女の子。
253
- 彼女は、立ち上がり、少し離れた場所にある『箱庭』の出口に向かった。
254
- 出口に向かって歩いていく巨大な少女の目には、大粒の涙が溢れていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Done 2024-02-23/[ICECAT] 箱庭シリーズ 4 [that123] CN.txt DELETED
@@ -1,286 +0,0 @@
1
- 从「箱庭」上楼梯到玄关。
2
- 那个时候,真美想到自己的包包还在司的在房间里。
3
- 「要去拿包包」一边想着一边走路的时候,和正面迎来的奈央相撞。
4
- 真美和奈央的身高少说也有差20cm,真美的脸埋进奈央的胸部。
5
- 「真美先生,走路要看路…你这样很危险的」
6
- 奈央发现撞到自己的真美与平时有点不同。
7
- 「什么?真美桑为什么在哭?在『箱庭』时哥哥对你做了奇怪的事吗!?」
8
- 「不是,没有什么大不了的,没关系。不要在意」
9
- 「不是没关系哟。真美桑,是哥哥把你弄哭吧?」
10
- 「司的房间,我要去拿东西……」
11
- 「真美桑先去我的房间吧。东西我帮你拿。
12
- 请好好跟我讲在箱庭中发生了什么。没事的。
13
- 不然我不会再让你进入借用『箱庭』哟」
14
- 奈央说服真美进自己的房间。
15
- 「请随便坐。我去拿你的东西,顺便去拿饮料。」
16
- 奈央拿来了麦茶,真美喝了后,心情平复下来。
17
- 「那么,请你说一下发生了什么」
18
- 真美在奈央的催促下把事情的始末说出来。
19
- 「原来如此。发生了那样的事。首先真美桑,
20
- 我多多少少对哥哥态度感到呕心,
21
- 但是你在『巨人』的状态下说要踩碎『箱庭』之类的话,
22
- 哥哥可是会真的生气。
23
- 说了这样的话,我不会说是你不好,我们也没有先跟你说为什么这是不好的。
24
- 但是我很瞭解还没习惯『箱庭』时,在『巨人』的状态下想要踩碎街道上的一切的心情。
25
- 看到小小的大楼和电车,会刺激到内心深处的破坏欲。
26
- 其实,和真美桑一样,哥哥小时候让爸爸生气了。
27
- 这么说来,我也有试过搞得爸爸很生气。
28
- 我们两个人让他生气的理由也是和你一样。
29
- 没有习惯小小的『箱庭』世界的话,怎样也会涌起破坏欲。
30
- 模型电车和建筑物很容易损坏,在对待时要很小心。
31
- 『箱庭』是自成一国的『箱庭』世界啊,所以在『箱庭』有必须遵守的规则。
32
- 父亲是这样教我们的」
33
- 「『箱庭』的规则?」
34
- 「是啊,要说『箱庭的规则』的话,
35
- 譬如『巨人』可以走的地方都有规定好。
36
- 另一方面,现在可以走的部分,都是哥哥好好地补强的。
37
- 因为我任性想要成为『巨人』,哥哥才会去补强。
38
- 所以现在我以『巨人』的姿态在『箱庭』散步,哥哥也不会发牢骚。
39
- 到目前为止,哥哥和我从来也没有邀请同学进去『箱庭』,
40
- 被邀请这件事,真美桑是第一个呢。
41
- 因为评估过真美桑被邀请进『箱庭』也不会有问题,所以哥哥才会邀请你的。
42
- 所以当真美桑说了这样的话时,哥哥才会比平时更加生气。
43
- 虽然他说了你别再进入『箱庭』这种话。
44
- 其实只要真美桑有学懂『箱庭的规则』,哥哥会明白的,
45
- 也会希望你重新来『箱庭』玩。
46
- 但是哥哥还是应该先为自己的态度向你道歉。
47
- 所以我会做仲介的角色,为你们先设好道歉的平台,请你们明天和好吧。
48
- 今天先让哥哥和真美桑你冷静下来。
49
- 但是明天还是尽快和好比较好。可以吗?」
50
- 「嗯,好啊。我也很讨厌这种紧张的状态拖太久」
51
- 「今天你令哥哥生气的事就当成是自己成长的过程吧。
52
- 但是真美桑也不用想得自己这么坏哦。
53
- 你要记得哥哥以前也有因为这原因而让人生气。」
54
- 「说起来,我经常和司为了小事吵架,不过马上就会和好。
55
- 今天让头脑冷静,好好反省一下」
56
- 「哥哥也要冷静冷静。」
57
- 真美的脸上回复了笑容。
58
- 真美突然想起要问奈央一件事。
59
- 「奈央酱,之前就想问了,奈央为什么会那么想成为『巨人』呢?」
60
- 「即使我自己是想成为『巨人』,但我也不清楚为什么。
61
- 如果说起想为成『巨人』的目的,
62
- 只是因为在『箱庭』中变为『巨人』状态的话,小腹一带会有一种抽动刺痛的感觉,心情会变得很舒畅。」
63
- 「嗯~~是几岁开始有这样的想法呢?」
64
- 「是从我懂事之后开始。
65
- 好像我年幼时已经有说要成为『爱丽丝梦游仙境』的爱丽丝和『格列佛游记』的格列佛。
66
- 经常被其他人说爱丽丝是女孩子,但是格列佛却是男人」
67
- 「很根深蒂固呢」
68
- 「小学的时候就去了『东武世界广场』。
69
- 当然是我想去而撒娇换来的。」
70
- 「那里是展示把世界五大洲的名胜和大城市以25分之一的比例打造的模型的主题公园吧?」
71
- 「是的。可以进入大城市再现的迷你组合模型当中,
72
- 谁都能够成为格列佛就是那个主题公园的卖点。
73
- 嘛,在去主题公园之前,我已经很兴奋,
74
- 到了之后整个人都迷进去欢蹦乱跳,回去的时候筋疲力尽,在回程的车上一直一直睡。
75
- 爸爸也被那里的模型感动到,
76
- 决定要在家建造类似的东西,事实上,那个就是『箱庭』。
77
- 爸爸完成了『箱庭』的时候,说了
78
- 『这是为了奈央而建造的哟。那么奈央就可以任何时候都成为格列佛』之类的话。
79
- 当时我因为感到非常高兴还说了『我好喜欢爸爸』。为了女儿,这就是所谓的笨蛋父母吧。
80
- 实际上,爸爸想要一个宽广的地方运行铁道模型是他自己的兴趣,这才是真正制作『箱庭』的目的。」
81
- 「为了爱女而做到这种程度,好厉害啊」
82
- 「爸爸当初只有完成了很简陋的大楼和住宅再加上一条小小的环状线而已。
83
- 『箱庭』之后不断扩展,变成你现在所知道的那么大的东西。
84
- 有一种『箱庭』已经构成了一个世界的感觉」
85
- 「而且我还拜托爸爸拍下我在『箱庭』中成为『巨人』的样子,照片和影片都有。
86
- 现在是哥哥代替爸爸帮我拍摄了。」
87
- 「奈央,我想看那些影片和照片,可以吗?」
88
- 「好…但是请你不要太期待。」
89
- 奈央在壁橱中拉了大量的相册出来。
90
- 「嗯,绿色是普通的相册,粉红色的相册是『箱庭』专用的相册。」
91
- 真美立刻把粉红色的相册拿在手上。
92
- 「哦〜〜奈央酱好巨大」
93
- 真美拿到的照片拍了穿西装学校制服身姿的奈央,裙子的下摆刚好在大楼的屋顶上左右的大小。
94
- 「这张照片是什么时候拍的?和奈央现在穿的制服不同……」
95
- 「啊,这是小学六年级的时候的拍的。是小学毕业的纪念照。
96
- 顺带一提,那时只是因为私立学校的制服很可爱这种理由而被迫入读那间小学」
97
- 虽然是这样说,真美只是透过照片看到奈央的制服也觉得超可爱的。
98
- 那间小学校服设计得很像某女子高中的制服的说。
99
- 之后的照片都是以仰望的角度拍摄的巨大奈央。
100
- 每张照片的奈央的大小都不同。
101
- 从2m到250m都有,各种各样不同大小的奈央的照片。
102
- 而且都是强调『巨人』主题的构图。
103
- 例如奈央捏起模型电车的照片,只指了比大型货车更巨大的奈央的黑色皮鞋的照片,
104
- 在高楼大厦的街道中,奈央叉开双腿用蔑视的眼神俯望的照片。
105
- 每张照片中的奈央都都充满了笑容。
106
- 看到奈央真心的笑容,就好像在『箱庭』中变成真正的巨人一样。
107
- 「这本相册的话有各种大小的奈央,但是,
108
- 我直接看完后发现只有几张255m的照片,有什么理由吗?」
109
- 「单纯是因为最巨大的时候,可以走的距离很短。
110
- 和真美桑第一次见面的时候,是为了来叫哥哥,
111
- 所以用最巨大的尺寸比较方便快捷。
112
- 一个人来『箱庭』散步来时,会根据不同日子而改变大小。
113
- 只要改变大小,就会经常对『箱庭』的风景感到新鲜感」
114
- 「原来如此,只要改变大小也能享受不同的乐乐吧」
115
- 之后真美打开了绿色的相册。这边是奈央去郊游和运动会的照片,主要都是内容普通的相册。
116
- 真美翻页的过程中,发现了一张照片。
117
- 那是常有的合家照,不过那张照片有一种违和感。
118
- 「奈央酱,这张照片,你会不会觉得很违和?」
119
- 「什么,什么,这是什么照片?」
120
- 真美给奈央看那张照片。
121
- 「我懂了真美桑为何会感到不协调。
122
- 但是我直接回答的话就太无聊了,所以请你努力找出不协调的点吧」
123
- 似乎只好自己去识破不协调感的原形。
124
- 真美瞪大眼睛去看照片。
125
- 不久「我明白了〜♪不知道什么原因,司的身高比奈央的身高还要矮〜」真美呼喊道。
126
- 「正确。」
127
- 「为什么会这个样子呢?」
128
- 「很难去口头说明,不过…」
129
- 12岁 13岁 14岁 15岁 16岁 17岁
130
- 司 145cm 150cm 154cm 162cm 168cm 173cm
131
- 奈央 143cm 151cm 157cm 165cm 169cm 170cm
132
- 9岁 10岁 11岁 12岁 13岁 14岁
133
- 「这张是是我和哥哥的身高的变化图。
134
- 所以这张是3年前的合家照。」
135
- 「原来如此。司初中生的时候的身高输给奈央啊~」
136
- 「竟然输给比自己小三岁的妹妹的身高,这是作为哥哥的耻辱啊。
137
- 那时候我不只在『箱庭』,甚至在『箱庭』外面也会叫哥哥做『矮子哥哥』。
138
- 当时为因调侃他而这样叫的,但我现在感觉做了坏事。
139
- 前年开始,哥哥的身高终于有所成长,追上我的身高,并且又马上超过了。
140
- 但是,果然作为哥哥的话,现在的身高比较好。
141
- 妹妹比哥哥的身高还要高对他的面子也不好,造成变哥哥很自卑。
142
- 现在只有在『箱庭』中的小人哥哥,可以称之为矮子哥哥了。」
143
- 「即便如此,奈央小学毕业的时候也有165cm啊?
144
- 和12岁时的司比较,可是高了20cm ~ ~」
145
- 「如果我和哥哥是双胞胎的话,估计身高差距就会很大了。
146
- 哥哥是班里最矮的,妹妹是在班里最高的。就像漫画发生的事一样。」
147
- 「说不到我一直想巨大化是因为我想我长高吧。因为内心想到巨大化了想的就会长高之类的」
148
- 「身高高也有不好的地方。如果想体验高个子的心情的话,只要缩小成1/120走进『箱庭』就会很有趣哟。真美桑的身高会变成180cm左右。」
149
- 「180cm的我吗…可以俯视司吗?」
150
- 「如果无法俯视的话,就把身高调整到可以俯视就好了。
151
- 但是,真美桑那样做的话,哥哥发脾气的。」
152
- 「是啊,从前被妹妹叫『矮子』,就成了心理创伤呢。」
153
- 两个人以司的过去身高为话题而大笑。
154
- 如果司本人在场的话,会被激怒吧。
155
- 真美因为知道了司过去的自卑的原因而感到高兴。
156
- 「奈央酱。为什么司好像还是没有回来的样子?
157
- 跟我吵架分开之后,他说要直接从『箱庭』回到在自己的房间,差不多回来了吧……」
158
- 虽然大吵了一架,真美还是很关心司的说。
159
- 「我知道了。我会去哥哥的房间看一看。
160
- 像今天心情不好的时候,大概是在睡觉吧……」
161
- 奈央试着进入司的房间是。
162
- 和估计的一样,房间的灯没有亮。正当奈央以为司在睡觉,往床上一看。
163
- 但是床上也看不到司的踪影。
164
- 「那个,哥哥在吗?」
165
- 但是床边的「司专用车站」有火车停靠。
166
- 也就是说司是在这个房间里。
167
- 慢慢接近床边再仔细一看,发现了身高只有1cm左右的「小人」在睡觉。
168
- 司原来没有回到正常大小就睡了。
169
- 「哥哥果然睡着了。
170
- 和真美桑大吵一架,心理上觉得累了吧。
171
- 这样的话,明天再让哥哥你和真美桑和好吧」
172
- 用小小的声音对小小的哥哥小声说,奈央离开了司的房间。
173
- 「司怎么样?」
174
- 奈央回到自己的房间,真美战战兢兢地问道。
175
- 「哥哥睡了」
176
- 「是吗。谢谢你。那怎么办?时间也不早了……」
177
- 「对了,真美桑想看影片吗?
178
- 不过当然是我在『箱庭』中的『巨人』影片啦」
179
- 「想看,想看」真美情绪又高涨起来。
180
- 「好的。但只是录像带哦,都放在父亲的房间里,
181
- 但是放在一个人拿不到的地方,所以要一起来吗?」
182
- 「嗯,好啊」因此,两人走往奈央父亲的房间。
183
- 两人打开门进去房间。
184
- 「我进去也没问题吗?」
185
- 「没事的,也没有特别贵重的东西。
186
- 随便进去房间爸爸也不会发火的」
187
- 这是兼任书房的房间,四周排满了大量的书籍。
188
- 这种简单成熟的房间,有一种一家之主的房间的感觉。
189
- 「诶,可以一起搬吗?」
190
- 奈央用手指指了指书架前放置的10来个纸箱。
191
- 「你就搬那边吧」
192
- 两人托起纸箱底部的两边。
193
- 这个纸箱两个人搬都那么重了,女生一个人搬真的很危险。
194
- 真美忽然看到纸箱侧面用魔术笔写了一些单词。看来是用来标注里面放了什么吧。
195
- 有「ニュー琴似ヒルズ」「パークサイド黒崎」「ラファーレ新越谷」「マリンビュー高石」等等…
196
- 「奈央酱,这个纸箱里的东西是……」真美战战兢兢地问。
197
- 「日本全国各地的公寓模型。」
198
- 「为什么会有那样的东西呀,这里有很多呢?」
199
- 「当然是为了『箱庭』哟」
200
- 「奈央的父亲到底做什么工作?」
201
- 「住房销售公司。这些模型都完成了使命,是不再需要的公寓模型。
202
- 爸爸从公司寄回来给我。
203
- 这也是为了『箱庭』更真实,所以爸爸才开始这样做的……」
204
- 「有这么多不同的大楼模型…奈央的爸爸好厉害啊」
205
- 「顺带一提,『箱庭』中的建筑物模型,
206
- 都是用铁路模型工具把从这些模型改造而成的。
207
- 这箱大概是哥哥想在现在在改造中的局域里放的模型。
208
- 那么,真美桑,想看那个影片呢?
209
- 但是从标题看不出内容有什么差别…」
210
- 看到录像带的标题。
211
- 「巨大小学生,奈央出现!」「不可思议箱庭的奈央」…
212
- 嘛,都是很随便乱标的标题。
213
- 「排满了这种乱标的标题,里面都是拍摄巨大的我的家庭录像。
214
- 爸爸按照内容随便安了一个名字」
215
- 「那么〜我想看『巨大小学生,奈央出现!!』,好吗?是特摄怪兽片吗?看来很有趣♪」
216
- 「有点不好意思,不过隔了好久没看,我也一起去看看好了。」
217
- 随即把录像带插进录像机按播放键。
218
- 画面出现了类似『箱庭』的街道。
219
- 应该是『箱庭』了,因为都没有人和车在街道上。
220
- 取而代之,只有一看就知道是模型的车「被放置」在道路上。
221
- 因为是车模型,所以不会动。
222
- 「画面上马上会出现『巨人』的我。」
223
- 奈央在一旁说明,在画面中,开始看到地面震动和发出很巨大的声音。
224
- 出现了,是穿着小学制服的奈央。
225
- 「我觉得这是小3.小4时的我吧」奈央解释道。
226
- 镜头在仰望巨大的奈央。奈央的身高比旁边13层高的大楼还要也高。
227
- 「哇,大楼和车都这么小,我就像女生版的格列佛」
228
- 怪���一样大的女孩在道路悠然地走。
229
- 好像发现什么,奈央停了下来。
230
- 「小人先生,在道路上违法停车是不行的哟~
231
- 这条路上有很多小小的车,变得很难走。
232
- 我来收拾违停的车吧」
233
- 说完,奈央用一只手抓住放在路上的车。
234
- 每次一只手只拿了一台,奈央边走边对手上的车说「车必须要停在那里」。
235
- 放下车后,马上又回来,抓住车,然后再带去停车场。
236
- 重复了几次。路上,所有的汽车都消失了。
237
- 之后,巨大的奈央在『箱庭』中小心地从铁轨上捏起模型电车嬉戏,
238
- 又或者和大楼比身高(当然,是奈央高了),在尽情地游玩(大闹一番)。
239
- 虽然在闹腾的只是一个女孩子,但那个孩子的身高超过50米,有如怪兽一样的存在。
240
- 看完录像带之后,真美说出了自己的感想「非常可爱的怪兽桑哦。」
241
- 「怪兽什么阿,真美桑也太过分了。把巨大怪兽和『巨人』小女生放在一起,在我眼中可以完全不同的东西。」
242
- 奈央出奇地发起孩子脾气。
243
- 「对不起,对不起。我订正一下。是非常可爱的『巨人』女孩。」
244
- 「很高兴你明白这一点。」奈央冁然而笑。
245
- 「啊,哥哥差不多会起床了,我觉得真美桑还是先回家的好。
246
- 这种时候,真美桑和哥哥遇到的话会很麻烦」
247
- 「是啊。那我先回家。今天,发生了这样的事,真的不好意思啊。
248
- 明天和司直接见面时我会再好好道歉」
249
- 「好,我会和哥哥讲。」
250
- 「今天教了我很多东西,谢谢你。再见了,奈央酱」
251
- 真美回家了。
252
- 「嗯,之后是照顾哥哥…」
253
- 〜数小时前〜
254
- 在回程的列车中,司回想起和真美吵架的事。
255
- 「我想传达的想法有好好地传给真美吗?」『巨人』在『箱庭』中拥有压倒性的强大力量,所以那股力量有必要被『箱庭的规则』所限制」就是司想要传达的想法。
256
- 因为司的原因,真美差点暴走。
257
- 尽管如此,还是在暴走前马上制止了真美。
258
- 在有建筑物被踩烂前停下来真的太好了。
259
- 她有注意自己想做的事有多可怕吧。
260
- 「真美自己有发现的话,做她做『那个』也可以。
261
- 在做之前,对真美来说,对奈央来说,对我来说,还有对『箱庭』来说也是好事」
262
- 司坐上列车,登上了直达到司的房间的斜坡。
263
- 「哥哥,起床啦。哥哥」听到奈央的巨大的声音。
264
- 奈央把司叫醒过来。
265
- 和真美在「箱庭」大吵一架,沿路拆返之后,回到房间因为赌气而睡着了。
266
- 睁开眼睛,看到巨大的奈央的脸在正上方。
267
- 司发现自己还是「小人」。立即回到原来的大小。
268
- 「啊,什么,晚饭时间了吗?」
269
- 「有比晚饭更重要的事!哥哥和真美桑吵架了!?」
270
- 「啊,嘛……」
271
- 「真美桑哭了啊。把女孩子弄哭,哥哥你的人真的太差劲了,本来想这样说的,不过…
272
- 嘛,发生这种事,也不能一概而论吧」
273
- 「是真美告诉奈央的吗?」
274
- 「嗯。真美桑和哥哥吵架之后,我告诉了真美桑『箱庭的规则』哦」
275
- 「是吗,Thank you。你手脚还是这么快。真美已经回家了啊?」
276
- 「嗯,明天还会过来啊」
277
- 「回家的时候,真美还在生气吗?」
278
- 「嗯,『箱庭的规则』的教育和哥哥为什么会这么,她都理解了」
279
- 「但是今天发生的事,我先道歉会比较好」
280
- 「即使是大吵一架,彼此也不可以说『绝对不原谅你。再也不想看到你的脸』,哥哥你们的关系可以很好的啊~(笑)」
281
- 「总觉得有什么深层意义的说法的」
282
- 「没有,没有,没有特别的意义〜」奈央依然在笑。
283
- 司很在意奈央的「笑容」。
284
- 「什么呀,这种笑容,会很让人在意的……」
285
- 「是啊〜那么我先回到自己的房间」
286
- 只要明天好好道歉的话,和真美的关系就恢复原样了,司松了一口气。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Done 2024-02-23/[ICECAT] 箱庭シリーズ 4 [that123] JP.txt DELETED
@@ -1,286 +0,0 @@
1
- 「箱庭」から出て、玄関に続く階段を上がる。
2
- その時、真美は司の部屋に荷物を置いてあることに気がついた。
3
- 「荷物を取りに行かなきゃ」と考えながら歩いてると、やってきた奈央と正面衝突した。
4
- と言っても、真美と奈央の身長差は20cmほどもあり、奈央の胸に真美が顔を埋めた格好だ。
5
- 「真美さん、前をよく見て歩いてくださいよ…危ないじゃないですか」
6
- ぶつかってきた真美の様子がいつもと違うことに奈央は気がついた。
7
- 「あれ?真美さん、なんで泣いてるんですか?『箱庭』の中でお兄ちゃんに、なんか変なことされたんですか!?」
8
- 「そんなに大したことないから、大丈夫。気にしないで」
9
- 「大丈夫じゃないですよ。真美さん、お兄ちゃんに泣かされたじゃないですか」
10
- 「司の部屋に、荷物取りに行かなきゃ…」
11
- 「真美さん、私の部屋に来て下さい。荷物は私が取ってきます。
12
- 箱庭の中で、何があったか話して下さい。いいですね。
13
- でないと、もう『箱庭』に入れて貰えなくなるかもしれないですよ」
14
- 奈央は、力強く言って自分の部屋に真美を招きよせた。
15
- 「適当に座って下さい。荷物取ってきてから、なにか飲み物を持ってきますから」
16
- 奈央が持ってきた麦茶を飲み、心を落ち着かせる。
17
- 「じゃ、何があったか話して下さい」
18
- 真美は、奈央に促されて事の顛末を語った。
19
- 「なるほど。そういうことだったんですか。まず真美さん。
20
- いくらお兄ちゃんにムカついたからと言って、
21
- 『巨人』の状態で『箱庭』の街を踏み潰してやるなんて言ったら、
22
- お兄ちゃんは本気で怒っちゃいます。
23
- そういうことを言ったら、ダメだって言わなかった私達も悪いと言えば悪いですけど。
24
- でも、『箱庭』に慣れていない時に、『巨人』の状態で居たら街を踏み潰したくなる気持ちはよく分かります。
25
- 小さなビルや電車を見てると、心の底にある破壊衝動が刺激されるからだと思います。
26
- 実は、真美さんと同じように、昔、お兄ちゃんも、お父さんに怒られたことがあるんです。
27
- で、かく言う私も、お父さんに怒られたことがあります。
28
- 二人とも、怒られた理由は同じでした。
29
- 小さな『箱庭』の世界に慣れていないと、どうしても破壊衝動が沸き起こってきます。
30
- 模型の電車や建物は壊れやすいから、大切に、丁寧に扱わないとダメなんです。
31
- 『箱庭』は『箱庭』で一つの世界なんだから、『箱庭』には守らなければならないルールがある。
32
- こういうことをお父さんに教えてもらいました」
33
- 「『箱庭』におけるルール?」
34
- 「そうですね、どういうのが『箱庭のルール』と言うと、
35
- 例えば、『巨人』が歩いていい場所は、しっかりと決められています。
36
- でもそのかわり、歩いていい部分はお兄ちゃんが、しっかりと補強してくれました。
37
- 私の『巨人』になりたいっていうワガママのために、お兄ちゃんが補強してくれたんです。
38
- だから、今では私が『巨人』として『箱庭』を散歩しているだけなら、お兄ちゃんは、何も文句は言いません。
39
- それに、今まで、お兄ちゃんも私もクラスメートを『箱庭』に招待したことなんて
40
- 全然なくて、真美さんが初めての人なんです。
41
- 真美さんなら『箱庭』に招待しても、問題ないと判断したからこそ、お兄ちゃんは招待したと思います。
42
- その真美さんが、あんなことを言っちゃったからお兄ちゃんは、普段以上に怒った。
43
- でも、『箱庭』に二度と入るなとまでは言わなかった。
44
- つまり、お兄ちゃんは、真美さんが『箱庭のルール』を知り、理解した上で、
45
- 改めて『箱庭』に遊びに来て欲しいと思ってるはずです。
46
- でも、やっぱりここはお兄ちゃんが先に謝るべきだと思います。
47
- ですから、私が仲介役を引き受けて、謝罪の場を設けますので、明日にでも仲直りしてください。
48
- 今日一日は、お兄ちゃんも真美さんも頭を冷やした方がいいと思います。
49
- でも、出来るだけ早く仲直りした方がいいので明日にします。いいですか?」
50
- 「うん、いいよ。ギクシャクした状態が長くなるのは、私だって嫌だよ」
51
- 「今日、お兄ちゃんに怒られたことは、一種の通過儀礼だと考えてるといいかもしれません。
52
- でも、真美さん。自分だけが悪いなんて思わないで下さいね。
53
- お兄ちゃんも、昔、怒られた���とを思い出したはずですから」
54
- 「そういえば、私と司はよくささいなことで喧嘩してたけどすぐに仲直りしてた。
55
- 今日の所は、頭を冷やして反省しまーす」
56
- 「しっかり冷やしてください。お兄ちゃんもだけどね」
57
- 真美の顔に笑顔が戻っていた。
58
- 真美は、ふとあることを奈央に聞かなければならなかったことを思い出した。
59
- 「ねぇ、奈央ちゃん。前から聞きたかったんだけど、奈央ちゃんはなんでそんなに『巨人』になりたがってるの?」
60
- 「そうですね、自分でもなんで『巨人』になりたいのかは、ハッキリとしたことは分からないです。
61
- 何か目的があって『巨人』になりたい訳ではないし、
62
- ただ『箱庭』の中で『巨人』の状態でいると、下腹部のあたりがキュンとして、気持ちよくなることが多いです」
63
- 「ふむふむ。何歳頃から、そういう風に思ってるの?」
64
- 「物心付いた時からだと思います。
65
- 幼い頃から、『不思議の国のアリス』のアリスや『ガリバー』になりたいとか言ってたみたいですし。
66
- アリスは女の子だけど、ガリバーは男じゃないかとかよく言われました」
67
- 「結構、根が深いね 」
68
- 「で、小学校に入ってすぐの頃に、『新急グローバルペンタゴン』に連れて行ってもらったんです。
69
- もちろん、私が行きたい行きたいって駄々をこねてですけど」
70
- 「そこって、世界五大陸の名所や大都市が25分の1スケールのミニチュアになって展示されてるテーマパークだっけ?」
71
- 「そうです。大都市を再現したミニチュアセットの中に入ることが出来て、
72
- 誰でもガリバーになれるっていうのが売りのあのテーマパークです。
73
- まぁ、そういうテーマパークなんで私は、行く前から喜びまくって、
74
- 着いたら着いたではしゃぎまわって、帰る頃にはクタクタになってて、帰りの車の中でずっと寝っぱなしだったらしいです。
75
- で、お父さんがここのミニチュアに物凄く感動しちゃって、
76
- 我が家にも似たようなものを造ってやるって意気込んで、実際に出来たのがあの『箱庭』なんです。
77
- 『箱庭』が、完成した時にお父さんが
78
- 『奈央のために造ってあげたんだよ。これで、いつでも好きな時に、ガリバーになれるぞ』って言って、
79
- 私が『パパ、大好き』って言っあげたら、すごく喜んでました。親バカというかなんというか。
80
- 実際は、お父さんの趣味の鉄道模型を走らせる広い場所が、欲しかったっていうのが本来の『箱庭』の作製目的だったと思いますよ」
81
- 「愛娘のためにそこまでするとは、すごいお父さんね」
82
- 「完成した当初は、小さな環状線と申し訳程度のビルや家があっただけなんですけど
83
- どんどん『箱庭』が拡大していって、知っての通り今じゃ、あんなにも大きなものになってます。
84
- 『箱庭』はもはや一つの世界を構成してる、そんな感じですね」
85
- 「しかも私が『箱庭』の中で『巨人』になってる姿を、写真やビデオで撮ってって頼むと撮ってくれたりして。
86
- 今では、お兄ちゃんが代わりに撮ってくれますけど」
87
- 「奈央ちゃん、そのビデオか写真見てみたいんだけどいい?」
88
- 「いいですけど…あんまり期待しないでくださいよ」
89
- 奈央が、押し入れの中から、大量のアルバムを引っ張りだしてきた。
90
- 「えっと、緑の方が普通のアルバムで、ピンクのアルバムが『箱庭』用のアルバムです」
91
- 早速、真美はピンクのアルバムを手に取った。
92
- 「おぉ~、奈央ちゃんおっきい~」
93
- 真美が選んだアルバムの写真に写ってるブレザーの制服姿の奈央は、スカートの裾がビルの屋上にかかってるぐらいの大きさだった。
94
- 「ところで、この写真はいつ頃撮ったの?奈央ちゃん、今とは違う制服着てるし…」
95
- 「あーこれは、小学校六年生の時の写真だと思います。小学校卒業記念の写真です。
96
- ちなみに、小学校は私立で制服がかわいいからって理由だけで、入学させられました」
97
- そういうだけあって、奈央が通ってた制服は、真美が見てもかわいらしいものだった。
98
- 小学生の制服と言うより、どっかの女子高校の制服と言ったほうがあっているデザインだった。
99
- その後も、なにかにつけて撮影された巨大奈央の写真を眺めていく。
100
- それぞれの写真ごとに、奈央の大きさが違うのが印象的だった。
101
- 2Mぐらいからいつもの250M程度まで、多様な大きさの奈央の写真があった。
102
- しかも、『巨人』であることを強調するような構図が多かった。
103
- 例えば奈央が模型の電車を摘みあげてたりする写真、大型トレーラーより大きな奈央の黒い革靴だけを撮影した写真、
104
- ビル街の中で奈央が仁王立ちしてる写真がそうである。
105
- 写真の中の奈央は、どれもとびっきりの笑顔で写っていた。
106
- 奈央が言ってた『箱庭』の中で巨人でいるだけで楽しいって言うのは、本当の事のようだ。
107
- 「このアルバムだと、奈央ちゃんはいろんな大きさになってるわけだけど、
108
- 私が直接見たことあるのは255Mの時だけなんだけど、理由あるの?」
109
- 「単に、一番大きいサイズだと歩く距離が短くて済むからなんですけどね。
110
- 真美さんと会ったときは、お兄ちゃんを呼びに来るためだったので、
111
- 一番大きなサイズが便利だったわけです。
112
- 一人で『箱庭』に散歩しに来た時は、日によって大きさを変えてます。
113
- 大きさが変わるだけでも、『箱庭』の風景が新鮮に感じることがよくありますし」
114
- 「なるほど、大きさを変えるだけでも楽しめそうね」
115
- 次に、真美は緑のアルバムを開いた。こっちは、奈央の遠足や運動会の写真が、メインで中身は普通のアルバムだ。
116
- 真美が、ページをめくっていくうちに、一枚の写真を見つけた。
117
- それは、よくある家族写真のようだが、その写真にどこか違和感を感じた。
118
- 「奈央ちゃん、なんかこの写真に、違和感を感じるだけど気のせい?」
119
- 「これですか?」
120
- 真美から写真を見せられる奈央。
121
- 「真美さんが感じる違和感が分かりました。
122
- でも、答えを言ってしまうとつまらないので、がんばって違和感の正体を当ててください」
123
- 自分で違和感の正体を、見破るしかないようだ。
124
- じっと、写真とにらめっこする、真美。
125
- しばらくして「わかった~♪どういうわけか、司の身長が奈央ちゃんよりひく~い」と真美が叫ぶ。
126
- 「正解です」
127
- 「なんでこうなってるの?」
128
- 「口で説明するのは難しいんですけど...」
129
- 12才  13才  14才 15才  16才  17才
130
- 司145cm 150cm 154cm 162cm 168cm 173cm
131
- 奈央143cm 151cm 157cm 165cm 169cm 170cm
132
- 9才 10才  11才 12才 13才 14才
133
- 「これが、私とお兄ちゃんの身長の変化を表した図です。
134
- だから、この写真は3年位前の家族写真です」
135
- 「あー、なるほどね。司が、中学生の頃は奈央ちゃんに身長で負けてたんだ~♪」
136
- 「三歳下の妹に身長で負けるなんて、兄として屈辱的ですよね。
137
- その頃、私は『箱庭』の外でも、お兄ちゃんのことを『チビ兄ちゃん』って呼んでいたんです。
138
- 当時は、からかって呼んでましたけど、今じゃ、悪いことしたかなって思ったりします。
139
- で、一昨年ぐらいになってようやくお兄ちゃんの身長が、私の身長に追い付いて、そしてすぐに、追い抜かれました。
140
- でも、やっぱりお兄ちゃんの方が身長が高い、今の方がいいです。
141
- 兄より妹の方が身長が高いなんて世間体がよくないですし、それにお兄ちゃんのコンプレックスになったりするといけないし。
142
- 今は、『箱庭』の中ではチビ兄ちゃんって、呼んでもいいことになってます」
143
- 「それにしても、奈央ちゃんは小学校卒業時点で165cmもあったんだ?
144
- 12才の時の司と比較すると20cmも違う~」
145
- 「もし、私とお兄ちゃんが双子だったりしたらもっとすごい身長格差があったことになります。
146
- 兄は、クラスで一番チビ、妹は、クラスで一番デカイ。まるで漫画みたいな話ですね」
147
- 「もしかしたら大きくなりたいってずっと思ってたからここまで身長が伸びたのかも」「いいなー、大きくなりたいって思ってただけでそんなに背が高くなるなんて」
148
- 「背が高いといってもいい点、悪い点がありますし。高身長気分を味わいたいなら、120分の1位に縮小して『箱庭』に入ってみると面白いですよ。真美さんの身長なら、180cmぐらいになると思いますから」
149
- 「180cmの私か...司を見下ろせるかな?」
150
- 「見下ろせないなら見下ろせる身長に調整すればいいだけです。
151
- でも、真美さんがそんなことをしたら、お兄ちゃん拗ねると思います」
152
- 「そうね、妹から『チビ』って呼ばれてたら、トラウマになっているよね」
153
- 二人は司の過去の身長をネタにして笑っていた。
154
- この場に司本人が、居たら激怒しそうだ。
155
- 真美は、司の過去のコンプレック��が分かって何気にうれしくなった。
156
- 「ねぇ、奈央ちゃん。司の様子を見て来てくれないかな?
157
- 私と喧嘩別れして、自分の部屋に『箱庭』から直接帰ったから、そろそろ戻ってると思うんだけど…」
158
- 大喧嘩したとは言え、司のことが気が掛かりだった真美。
159
- 「わかりました。お兄ちゃんの部屋に行って様子を見てきます。
160
- 今日みたいに感情的になった時は、多分、ふて寝していると思いますけど…」
161
- 奈央は、司の部屋にそーっと入ってみた。
162
- 予想通り、部屋の電気は点いていなかった。司が寝ていると思われるベッドに目をやる。
163
- だが、そこには司の姿はなかった。
164
- 「あれ?お兄ちゃん、いないのかな?」
165
- だが、ベッドの横の「司専用駅」には、列車が停車していた。
166
- と、言うことは司はこの部屋の中にいるはずだ。
167
- ベッドに近づいて、よーく見てみると、1cmぐらいの「小人」が寝ていた。
168
- 司は、元の大きさに戻らずに寝ていたのだ。
169
- 「やっぱり、お兄ちゃん寝てたんだ。
170
- 真美さんと大喧嘩しちゃって、心理的に疲れたもんね。
171
- 明日には、真美さんとお兄ちゃんを仲直りさせてあげるからね」
172
- と、小さな声で小さな兄にささやいて、奈央は司の部屋を出た。
173
- 「司は、どんな様子だった?」
174
- 部屋に戻ってきた奈央に、真美が恐る恐る尋ねる。
175
- 「お兄ちゃんは、やっぱり寝てました」
176
- 「そう。ありがとう。これからどうしようかな。時間もあることだし」
177
- 「そうだ、真美さん、ビデオの方も見ますか?
178
- もちろん、私が『箱庭』の中で、『巨人』になってるビデオとかですけど」
179
- 「見たい、見たい」と、やたらとはしゃぐ真美。
180
- 「分かりました。ただビデオテープは、お父さんの部屋にあって、
181
- しかも、一人じゃ取れない場所に保管されてるので、一緒に来てもらえますか?」
182
- 「うん、いいよ」という訳で、二人は、奈央達の父親の部屋に向かった。
183
- 二人はドアを開け、部屋の中に入る。
184
- 「私も入って問題ない?」
185
- 「大丈夫ですよ、特に高価な物や貴重な物はないですし。
186
- 勝手に、部屋に入ったぐらいでは怒らないですよ、お父さんは」
187
- 部屋は、書斎も兼ねているのか、大量の書物が至る所に、並べられていた。
188
- どこか渋みのあるこの部屋は、いかにも一家の大黒柱の部屋と言った感じだ。
189
- 「えーっと、これを一緒に動かしてもらえますか?」
190
- 奈央は、本棚の前に置いてある10個ほどの段ボールを指差していた。
191
- 「おっけー、これをどかせばいいんだね」
192
- 二人は、それぞれ段ボールの両端を持って動かす。
193
- 段ボールは、二人で動かすには、それほどの重さではなかったが、女の子が一人で運ぶには危ない。
194
- 真美は、ふと段ボールにマジックで書かれた単語を見た。恐らく、中身のことだろう。
195
- 「ニュー琴似ヒルズ」「パークサイド黒崎」「ラファーレ新越谷」「マリンビュー高石」etc…
196
- 「ところで奈央ちゃん、この段ボールに入ってるのって…」恐る恐る真美が尋ねる。
197
- 「日本全国各地のマンション…の模型です」
198
- 「なんでそんなものが、ここにいっぱいあるの?」
199
- 「もちろん、『箱庭』に設置するためですよ♪」
200
- 「奈央ちゃんのお父さんって、何の仕事してるの?」
201
- 「住宅販売の会社です。で、この模型は完成して、不要になったマンションの模型なんです。
202
- それをお父さんが、会社から譲ってもらって送ってくるんです。
203
- これも『箱庭』をよりリアルにするためだって、お父さんがやり始めたんですけど…」
204
- 「奈央ちゃんのお父さんっていろいろ…そのすごいね」
205
- 「ちなみに、『箱庭』の中にある建物の模型は、
206
- 鉄道模型用の物やコレみたいに建築模型を転用したりしている物があります。
207
- これは、多分お兄ちゃんが今、改造中の区画に置こうと思ってる模型だと思いますよ。
208
- それは、さておき。真美さん、どのビデオが見たいですか?
209
- どれも、中身の大差はありませんが...」
210
- 並べられているビデオテープのタイトルを眺める。
211
- えーっと、「巨大小学生、奈央出現!!」に「不思議の箱庭の奈央」...
212
- とまぁ、やけに凝ったタイトルが並んでる
213
- 「タイトルだけ凝っていて、中身は巨大な私を撮影したただのホームビデオです。
214
- お父さんがどうも勝手に付けたみたいで」
215
- 「じゃあ~ね、『巨大小学生、奈央出現!!』を見てみたいんだ��どいい?なんか特撮か怪獣映画っぽいし、面白そう♪」
216
- 「ちょっと恥ずかしい気もしますけど、久しぶりに私も一緒に見てみます」
217
- すぐさま、テープをビデオデッキに挿入して再生ボタンを押す。
218
- 画面に映りだしたのは、『箱庭』の街並みだった。
219
- もちろん『箱庭』なので、動く人や車の姿はそこにはない。
220
- ただその代わりなのか、道路には一見しただけで模型とわかる車が「置かれて」いた。
221
- これらの車は、模型なので動くことはない。
222
- 「もうすぐ、『巨人』の私が画面に現れると思います」
223
- 奈央の説明通りに、画面の中で、地響きと大きな音がし始めた。
224
- 現れたのは、小学校の制服を着た奈央だった。
225
- 「これは、小学校3.4年の時の私だと思います」と奈央が説明を加える。
226
- カメラは、巨大な奈央を見上げた。奈央の身長は、横にあった13階建てのビルよりも大きかった。
227
- 「うわー、ビルや車がこんなにもちっちゃいなんて、私、ガリバーみたいな女の子になっちゃった」
228
- 道路を悠然と歩く、怪獣みたいに大きな女の子。
229
- 何かを見つけたようにして、奈央は立ち止まった。
230
- 「小人さん、道路に違法駐車をしたらダメですよ~。
231
- ちっちゃな車が、道にいっぱいあって歩きにくいです。
232
- この道に違法駐車してある車を、私が片付けてあげるね」
233
- こう言って、奈央は路上に置いてあった車を、片手で掴み上げた。
234
- 片手に一台ずつ、車を持った奈央は「車をどこかに、置かなきゃ」と言って歩いていった。
235
- また、すぐに奈央は戻ってきて、車を掴み上げ、またどこかに持っていく。
236
- それが、数回繰り返された。路上に、あった車は全て無くなっていた。
237
- その後も、巨大な奈央は『箱庭』の中で模型の電車を線路から丁寧に掴みあげて電車と戯れたり、
238
- ビルと背比べ(もちろん奈央の勝ち)などをして思う存分遊び(暴れ)回っていた。
239
- いくらかわいらしい女の子とは言え、その子の身長が50mもあれば、怪獣と同じような存在になるだろう。
240
- ビデオを一通り見た後で「とってもかわいらしい怪獣さんだったね」と真美が感想を述べた。
241
- 「怪獣だなんて、真美さんひどいです。巨大怪獣と『巨人』の女の子は、私の中では全然違うものなんです」
242
- 珍しく子供っぽく怒り出す奈央。
243
- 「ごめんごめん。訂正するわ。とってもかわいらしい『巨人』の女の子だったね」
244
- 「わかってもらえて嬉しいです」にっこりと笑う奈央。
245
- 「あっ、そろそろお兄ちゃんが起きてくる頃かと思うので、真美さんは家に帰った方がいいです。
246
- こんな時に、真美さんとお兄ちゃんが鉢合わせしたら大変だし」
247
- 「そうだね。私は、家に帰るね。今日は、あんなことになっちゃってゴメンね。
248
- 明日、司には直接会ってちゃんと謝罪するから」
249
- 「はい、お兄ちゃんにもそう伝えておきます」
250
- 「今日は、いろいろ教えてくれてありがとう。じゃあね、奈央ちゃん」
251
- 真美は、家に帰っていった。
252
- 「さてと、今度はお兄ちゃんの世話をしないとね...」
253
- ~数時間前~
254
- 帰りの列車の中で、司は真美との大喧嘩の事を振り返っていた。
255
- 「ちゃんと、俺が伝えたかった事は、真美に伝わったのだろうかと。『巨人』は『箱庭』の中で、圧倒的に強い力を持つ存在だから、その力を制限するために『箱庭のルール』がある」ということを、司は伝えたかった。
256
- 司のせいではあるが、真美は暴走しかけてた。
257
- それでも、すぐに真美の暴走は止まったくれた。
258
- 実際に、建物を踏み潰す前に止まってくれたからよかった。
259
- 自分がしようとしてたことの恐ろしさに、自分で気がついたからだろう。
260
- 「真美が、自分でそのことに気がついたなら、『アレ』を許してやってもいい頃だろう。
261
- その方が、真美にとっても、奈央にとっても、俺にとっても、そして『箱庭』にとってもいいからな」
262
- 司が乗っている列車は、司の部屋まで続く長い長い上り坂を登っていった。
263
- 「お兄ちゃん、起きてよ。お兄ちゃん」奈央の大きな声が、聞こえてきた。
264
- 奈央は、司を起こしに来たのだろう。
265
- 「箱庭」で真美と大喧嘩して、来た道を戻ってきて、部屋に着いてすぐに、ふて寝してたからな。
266
- 目を開くと、巨大な奈央の顔が真上にあった。
267
- 司は、自分がまだ「小人」だったことに気付き、元の大きさに戻る。
268
- 「ん、なんだ、晩飯の時間か?」
269
- 「晩ご飯より大事な話なの!お兄ちゃん真美さんと、大喧嘩したんだって!?」
270
- 「あぁ、まぁな」
271
- 「真美さん、泣いてたんだよ。女の子を泣かすなんて、お兄ちゃんサイテーって、言いたいところだったんだけど…
272
- まぁ、一概にそうも言えない事情があったんだね」
273
- 「ってことは奈央は、真美から話を聞いたのか?」
274
- 「うん。真美さんから、お兄ちゃんとの大喧嘩の話を聞いて、それから『箱庭のルール』を真美さんに教えておいたよ」
275
- 「そうか、サンキュー。相変わらず、手回しが早いな。で、真美はもう帰ったんだな?」
276
- 「うん、明日またうちに来るって」
277
- 「帰る時、真美はまだ怒ってたか?」
278
- 「ううん、『箱庭のルール』について教えるたら、お兄ちゃんが激怒したけとも、納得してくれた」
279
- 「ただ、今日のことは俺が先に謝った方がいいな」
280
- 「たとえ大喧嘩しても、お互い『絶対許さない。顔も見たくない』なんて言わないあたり、お兄ちゃん達は仲がいいね~(ニヤニヤ)」
281
- 「なんだか含みのある言い方だな」
282
- 「別に~」相変わらず奈央はニヤニヤしていた。
283
- 奈央の「ニヤニヤ」が気になる司。
284
- 「そのニヤニヤした表情、気になるからやめれ」
285
- 「は~い。それじゃ私は、自分の部屋に戻るね」
286
- 真美との関係も、明日謝罪すれば元通りになりそうで、司は一安心した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Done 2024-02-23/[ICECAT] 箱庭シリーズ 5 [that123] CN.txt DELETED
@@ -1,260 +0,0 @@
1
- 司和真美争吵后的第二天,真美来到司的家直接向司谢罪。
2
- 因为预先有联系的缘故,奈央在门口等着迎接真美。
3
- 在进入玄关,真美正要打听司的事的瞬间,
4
- 「真美桑,对不起」是奈央的声音,真美还没回过神来就变成只平时10分之1的大小的『小人』。
5
- 又说了「理由之后再说,这段时间先稍微忍耐一下吧」这样的话,
6
- 真美身体被奈央巨大的手拿起,被放在奈央衣服的口袋里,只有脸露了出来。
7
- 从奈央的口袋里往地板下面看。
8
- 彷佛是从高楼看下面的景色一样。
9
- 奈央爬上二楼的阶梯,走过走廊,进去司的房间。
10
- 进入房间后,奈央把右手放在桌子上,和真美相同大小的司在等待。
11
- 「哥哥,真美桑来了」奈央向司说。
12
- 现在奈央的右手放着司,左手放着真美。
13
- 两人在吵架以来第一次见面。
14
- 期间也没有邮件和电话来往。
15
- 不如说是奈央制止了。
16
- 被放在手上的两人似乎不好意思彼此把视线转过去。
17
- 「那么,哥哥道歉吧。」
18
- 奈央在空中把右手和左手黏在一起,创建了一个和解的平台。
19
- 奈央催促司走近还在提心吊胆的真美。
20
- 司深呼吸,说「昨天的事,是我的错。我为我伤害到你说对不起。
21
- 但是奈央告诉我,我想的传达事,你已经理解了哟。
22
- 如果可以的话,请再来『箱庭』玩吧。我们三个一起,还想做很多的事」
23
- 「之后是真美桑。」
24
- 这次奈央催促真美。
25
- 「你的家人这么重视的『箱庭』,我只为了自己的心情而想去踩踏,对不起。
26
- 我已经听了奈央说了『箱庭』有关的事,我发现自己想做的事情很愚蠢。
27
- 所以可以的话,请再一次邀请我去『箱庭』吧」
28
- 「哥哥和真美桑和好了呢。两个人都握手握手」
29
- 手司和真美在奈央巨大的手掌上握手。双方都放下了昨天的芥蒂。
30
- 不愧是被同学嬉称为「夫妻」的两人。
31
- 「我们的主导权被奈央被握住着呢」
32
- 「虽然不知道是怎么一回事,我觉得被奈央玩弄在股掌之中」
33
- 司的话也不见得是错的。
34
- 「ピーンポーンパーンポーン、向真美桑报告一下。
35
- 那个啊,哥哥说过要真美桑礼物的阿,详细情况就由哥哥说吧」
36
- 突然提到司的礼物,什么事不知道的真美露出困惑的表情。
37
- 「咳。嗯,希望真美更加对这个『箱庭』有感情,
38
- 所以划了『箱庭』的一角出来给真美按按照自己的喜好而布局规划。
39
- 总之,真美可以支配『箱庭』…不是,可以管理自己制作的街道。喜欢吗!」
40
- 司说话的口吻显得有点荒乱。
41
- 「真的吗?司,谢谢你,『箱庭』有我的街道,想做什么都可以,很高兴」真美显得很高兴。
42
- 「而且,希望可以增加真美出入『箱庭』的机会,
43
- 以『出租』的形式,决定给真美一辆专用列车作为礼物」
44
- 「但是我没有驾驶过模型电车啊?」
45
- 「真美能够操作普通手机能吧?跟手机一样简单,所以不用担心。
46
- 和实际的电车不同,这台是彻底模型的电车,所以不用繁琐的开车程序。
47
- 立即就能驾驶。奈央也几乎没有驾驶经验,但是她也会开电车」
48
- 「模型的电车的放置场所,还有修理的问题又怎么办?」
49
- 「因为只是一台,又是可以放住口袋里的大小,所以放置问题不会感到困扰。
50
- 我只给了一台决不是我小气,而是有考虑过这样的事啊。
51
- 保养的话,偶尔交给我就好了。」
52
- 「都有考虑过呢。谢谢」
53
- 「那么,之后我们就用真美专用车去『箱庭』的机厂吧,不过奈央你怎么办啊?
54
- 还是要用『巨人』的形式来吗?还是说在这里和我们一起变成『小人』坐火车去?」
55
- 「我有些事要先去处理,大概一个小时左右,我之后再去『箱庭』的机厂。
56
- 哥哥你们都会在那里吧?」
57
- 「啊,那就先约好吧。还有,奈央,等一下放火车的盒子别忘拿给我。一个就好」
58
- 「嗯,哥哥,明白了。一个就好」
59
- 司和真美被奈央的右手运送到「司专用」车站。
60
- 奈央运送他们两个之后就不知道走到哪里去了。
61
- 「我们二个都要好好感谢奈央」
62
- 「嗯,奈央为了我们做了很多啊。真的是一个好女生。」
63
- 两个人各自说出自己对奈央的感谢。这时真美注意到周围的景色有一种奇妙的感觉。
64
- 虽然两个人都变小了,但模型列车停靠的车站比他们还小很多。
65
- 「我们只有缩小成10分之1,从『箱庭』的视点来看我们的话,我们是15倍大小的『巨人』啊。
66
- 因为『箱庭』构成的世界只有150分之一大小」司说明道。
67
- 「说起来的话。现在我们是『巨人』『小人』。有趣……」
68
- 「开始有那样的感觉的话,就要去『箱庭』,那里是更有趣的空间。」
69
- 「这样的话,我想要早一点到『箱庭』。我想选一台特别快的���车」真美看来真的很高兴。
70
- 「嗯,现在就去『箱庭』,不过,今天没有必要特别在后面连接货卡,
71
- 先把机动车和货车分开。稍微等我一下」司着手分离车卡。
72
- 取下链接机车和货车的连接器,用力一推机动车。
73
- 火车头慢慢地动,司停止推动。当然,火车头也很快停了下来。
74
- 「好,准备完毕地。真美,我们坐上机动车出发吧」
75
- 司和真美进一步缩小到『箱庭』的大小,坐火车离开了「司専用站」。
76
- 司的房间和「箱庭」直接连接这条路线,真美称之为是「司线」。
77
- 长长的隧道和连续不断的下行陡坡。到达目的地的机厂,要花不少时间。
78
- 利用段时间,司告诉了真美火车的操作方法。
79
- 「基本上,大概是这样操作就可以了。不难是吧?」
80
- 「嗯,操作步骤是可以理解,但是实际操作就不好说了。」
81
- 「嘛。过了这个下坡路之后,真美也可以实际驾驶一下,所谓『熟能生巧』呀」
82
- 过了一会儿,过了连续不断的陡坡,列车在平坦的土地上奔驰。
83
- 司停下列车,离开驾驶席。
84
- 「像我刚才教的那样,开动火车。」
85
- 「我觉得紧张起来了。当然了,我自己驾驶电车还是第一次……」
86
- 「没关系,没关系。不用按照时间表运行,
87
- 在交行道也不会有人和车无故冲出来,不用左顾右盼都可以驾驶。
88
- 只是也有感到为难的事,偶尔『巨人』少女会来到日本,会做用武力停止列车这种恶作剧。
89
- 因此,在开车的时候只要注意『超速』和『巨人』就好。」司开玩笑地说。
90
- 有司在旁边的话就放心了呢,真美的紧张地解开离合器。
91
- 「出发进行」模仿司的样子,真美加速火车。
92
- 然后,火车速度越来越快。某程度上,已经到达正常的速度了。
93
- 「保持速度在每小时60km,换掉加速档,变成惯性驾驶。
94
- 如果速度掉下来的话,再稍微加速,保持速度在每小时60km。可以吗?」司建议道。
95
- 真美如实地遵照司的教导,谨慎认真地驾驶。
96
- 真美驾驶的火车,在「箱庭」中飒爽地飞驰。
97
- 两人乘坐的火车在机厂停下,司和真美下了车。
98
- 从新干线到已经报废了旧车辆,甚至是全国各地的私营铁路的火车,林林种种的火车都停泊在机厂。
99
- 这样的光景在现实是不可能的,可谓模型特有的景色。
100
- 但是很怀疑真美知不知道这番景象有多珍贵。
101
- 一般人看来,这样的只是很多火车排在一起而已。
102
- 「父子二人制作了这么大的『箱庭』,所以拥有这种数量的模型也是理所当然的。」
103
- 「我应该先跟你讲,在这里只有三分之一左右。其余的都在我和父亲的房间里保管。」
104
- 「那么一共有…哗…」
105
- 真美稍微后悔自己小看了中条父子。
106
- 「嗯,可以在言边选择真美用的火车…」
107
- 「可以的话,我要可爱的火车…」
108
- 「啊啊,不。铁路上火车是大体上要都是很『Cool』或『有型』。
109
- 完全没有『可爱』的火车」
110
- 「嗨,无聊!」
111
- 「不是说不会发牢骚吗。就算要抱怨的话,也不要说这种话呀」
112
- 「没办法啊~这种铁路模型,果然是男人的世界啊~」
113
- 真美跟着司来回来跑,在机厂去这边去那边,终于,真美决定了自己专用的车。
114
- 是近年来JR西○本的地区用电气路段投入服务的列车。
115
- 真美最终选择的理由是「嗯,这样好」。
116
- 只是真美的理由听起来就好像是「这台电车好像比较新。」
117
- 「那么决定好了,不过,奈央还没来,不可以这样直接带回家吧…
118
- 现在我们在火车与火车之间的缘故,暂时不能巨大化……」
119
- 「这样的话,只能等奈央来了。」
120
- 等待几分钟之后,奈央来的时候像往常一样发出巨大的地震声和轰鸣声。
121
- 奈央手上拿着一个模型收纳盒。
122
- 奈央环视脚下,在火车与火车之间找到司和真美。
123
- 「哥哥,要把哪个放进盒子?」奈央问。
124
- 司指向真美选择车辆,传达给奈央。
125
- 奈央立即慢慢蹲下来,伸出手腕抓住火车。
126
- 在司他们来看,少说有十吨的火车,奈央轻轻地就用指尖捏起,认真仅慎地放进去盒子。
127
- 巨大的女孩子手上拿着火车模型放进盒子。
128
- 只是很简单的动作,但在『小人』的角度看上望,有一种出奇的威压感。
129
- 现在已经习惯了巨大的奈央,但是还是会感到惧怕。
130
- 放进盒子之后,奈央缩小成司两人的大小,原地走过来。
131
- 「是的,就是这个」奈央把模型交给真美。
132
- 「谢谢,奈央酱」真美道谢说。
133
- 「这个就是我专用的火车~♪」真美看着放了模型的盒子。
134
- 不管刚刚怎么发牢骚,现在也很高兴的样子。
135
- 「来这里的目的达成,去下一个目的地去吧。」
136
- 「下一个目的地是司交给我的地方吗?」
137
- 「要我的说的话我会叫那个地方做『占领地』…」
138
- 「司不是说可���把那一部分的土地给我吗?
139
- 这种说法说得我好像坏人一样是什么呀?司!」
140
- 「昨天『箱庭』出现了极之愤怒的『巨大女』,
141
- 吵闹起来说是要把脚下的『箱庭』踩碎破坏,
142
- 惊慌的『箱庭』政府首脑为了平息『巨大女』的愤怒,决定交出领土的一部分。」
143
- 「啊~嘛~啊~你真是很拿手惹人生气啊。」
144
- 「为什么真美会生气啊?我只是说『巨大女』的故事而已,什么也没有说是真美呀……啊啊…好痛…」
145
- 真美冷静地踢了司的肚子一脚。
146
- 真美身材娇小,这一击力量并不是很强,但还是很痛。
147
- 「我代替愤怒的『巨大女』桑惩罸你。如果是她的话,司早就被一脚踩死了 ♪」
148
- 「先,先别开玩笑,要如何去那里呀?那边在『洗海水浴场』的海岸…
149
- 从这里使用电车去?…又或者……」
150
- 突然司又说不出话来。
151
- 「或者?」
152
- 「啊,虽然会花点时间,但还是用电车吧。那,是啊,我决定搭电车比较好」
153
- 司好像在隐瞒什么,拼命慌忙地说。
154
- 奈央插进来加入对话。
155
- 「真美桑,在这种时候要巨大化才好啊。
156
- 作为刚才的无礼的惩罚,去的时候把哥哥放在口袋里指路♪」
157
- 「啊,喂。奈央,不要说多余的话!」
158
- 动摇的司斜楞眼睛,「奈央,nice idea」真美的眼睛闪闪发亮。
159
- 「没意见吧,司?」
160
- 被这样一说,只能服从真美的话。
161
- 那结果将会是司作为刚才的惩罚被放进真美衣服的胸前袋里。
162
- 连想抵抗的力气也没有。
163
- 「好的好的,知道了知道了」
164
- 「很粗暴的道歉啊~」
165
- 但真美越发越高兴。
166
- 刚刚不是已经说了「巨大女」≠真美了吗,司欲言又止。
167
- 如果说了的话,只会把事情复杂化。
168
- 司一个人对真美和奈央的联军,是不可能吵赢的。
169
- 「真美和奈央相处有如姐妹是很好,不过,在这种时候联成共同战线也很为难啊。
170
- 而且,最近不仅仅是奈央,连真美也想要成为『巨人』。啊~」司诚实地想。
171
- 在叹息的司旁边,两个女生在吱吱喳喳在嬉戏。
172
- 之后三人摆脱了被夹在火车和火车中间的狭小空间。
173
- 按照刚才的商量的,真美和奈央巨大化成150倍的大小。
174
- 顺便说一下,奈央说『箱庭』已经无她的事,所以先回家了。
175
- 就这样,只有司和真美两个去『占领地』。
176
- 『巨人』真美伸出手柄司抓在手上。
177
- 「果然小小司真可爱啊~」
178
- 虽然是很轻,司还是被真美的称谓刺痛了的说。
179
- 十几岁的男生当然会想制止被人叫「可爱」,但是以现在自己的大小来考量的话,没办法吧。
180
- 真美的手逐渐抬起,然后,催促司进入她胸前的口袋。
181
- 进去一看,正好从脖子以上的部分伸出口袋。
182
- 在口袋的边缘,可以看到外面的景色。
183
- 在高度150米以上的地方往下眺望。
184
- 就像在高层大楼的瞭望台般俯视的光景。
185
- 真美的脚和附近的建筑物相比大很多。
186
- 脚的宽度有几米呢…
187
- 真美真的很巨大。
188
- 平时还要矮司一个头的说…
189
- 但是更令人在意的是后面的「墙」。不管怎样也是很在意。
190
- 注意力全都在集中在背后那相当柔软的「墙」。
191
- 这个想法令司意识到「墙」就是真美的胸部。
192
- 司的「儿子」也「巨大化」了。
193
- 「真美相当有胸呢…之前也不知道」
194
- 对10代的健全男子来说,这是极其自然的反应,
195
- 被真美知道的话会有生命的危险。
196
- 司在想被放在胸前的口袋里真是太好了。
197
- 那么说起来,对于真美来说,现在被放住胸前的口袋上的渺小的自己又是什么呢?
198
- 『小小司』『小人』『宠物』『小动物』『虫子』『垃圾』…
199
- 越来越悲观的答案浮现出来了。
200
- 对于真美是怎么认为的,司,下决心要试着听听看。
201
- 「啊,真美。对现在的我,要怎样想的?」
202
- 不知道是幸运还是不幸,真美没有听到「现在」那部分。
203
- 因此,被误解成司在问喜不喜欢。
204
- 「相对来说,并不讨厌啊。但是…那个…要怎么说呢?…
205
- 啊,这种事不是应该由男生的司先说啊?」
206
- 「不,误解我的意思吗?我想问的是,真美你对『小人』状态的我是怎样想的…」
207
- 托司迟钝的福,抵消了真美的误解。
208
- 「啊,什么啊,是这种意思吗~
209
- 『小人』的司啊…我没有特别想过,与平时不同吧,小小的觉得很可爱。」
210
- 「会不会认为我是『宠物』或『虫子』又或是『垃圾』啊?」
211
- 「恕我失礼~无论司是多么的小,『虫子』或『垃圾』什么的,想都都没有想过。
212
- 但是『宠物』的话会养一下吧。」
213
- 「真美是想把我当成宠物养呀……」
214
- 意外的是,司好像很害怕真美的发言。
215
- 「开玩笑,开玩笑啦」如果不这样说的话,司好像太可怜了。
216
- 司会否被作为宠物饲养的议题暂且不论,司说前方就是之前「海水浴」的海��。
217
- 因为给真美的土地在那边的样子,所以真美往海边的方向走去。
218
- 「箱庭」中的「巨人」真美一直走,到达了大楼一幢挨一幢,和膝盖同样高度的一个角落。
219
- 这一带就是真美第一次来「箱庭」的时候,司介绍的地方。
220
- 「那个时候,这边都是比较高的大楼啊,没想到现在这街上的建筑物全部都是这么小…
221
- 嘛,只是我变大了啊」
222
- 从那里开始真美沿着铁路,一直都是走在「巨人」专用人行道上,
223
- 跨过围着中条家专用海水浴场的山。
224
- 在时,胸前的口袋里的司突然出现。
225
- 「好嘞。现在,真美脚下的那一角就是真美在『箱庭』的领土。
226
- 超出领土范围一点也可以。
227
- 已经是足够放模型铁路或者建筑物的程度。我想如果可以拥有按照自己喜欢而打造一条街的话,会对『箱庭』更有所留恋。」
228
- 司用手指指着「箱庭」的一角,一块长4米的正方形土地被绳子包围起来。
229
- 现在,土地中央只有两条铁路和『巨人』用人行道穿过而已,其他都是什么也没有的空地皮。
230
- 「呐,司,我的领土就是这样?」
231
- 「现在,真美是『巨人』所以看上去觉得很狭窄,如果用『小人』大小去考虑,是长宽都有600m的土地。
232
- 和『海水浴』的海岸比较看看啊,这里的已经相当宽广!」
233
- 被司这样一说,真美稍微离开了自己用踩着的海岸,再走到自己的领土比较一下。
234
- 正如司所说的那样,真美的领土明显更宽广。
235
- 「对不起,对不起,看起来一边只有4米之类的,感到很狭窄。不过实际原来有600米啊。司,感谢,感谢♪」
236
- 「明白就好。对了,真美有考虑过把这条行道做成怎样的风格吗?」
237
- 「嗯、要立即想出自己的街道构造计画之类的,一时想不出来……」
238
- 「应该会有很多想做的事有,充满了烦恼,计画现在也不着急。
239
- 我的一周旅行计画回来听你的好消息。」
240
- 「旅行,从星期一开始去吗?」
241
- 「啊,要充分利用从周一到周五的青春18票,来一个日本全国电车独自旅行。」
242
- 「伴手礼多多指教呢~」
243
- 「是的是的,知道了。只是目的地是随心情的,所以不接受要求特定的手信。那今天你还想做什么吗?」
244
- 「吧~那么,今天就先到这里,回家吧。早点回去想一下街道制作计画」
245
- 真美已经展示出干劲。
246
- 「喔,知道了。从这里的回去路知道吗?其他有很多地方很容易踩烂,注意小心脚步……」
247
- 「嗯,没事没事。不小心用脚踩碎了这种事,绝对不会有。」
248
- 刚刚那种这么有自信的回答,反而更可怕。
249
- 事实上,她是用「巨人」行人道走的话,也没有什么问题,因此这里还是相信真美吧。
250
- 「对了,对了,我不在的期间,和奈央打个招呼的话,就可以进入『箱庭』。」
251
- 「知道了,非常感谢♪~」
252
- 真美向司挥手,回去发出的地震造成巨大的声响。
253
- 果然在「箱庭」中普通大小的人类,也就是所谓的「巨人」,是不同规格的存在呀。
254
- 司的一贯主张「『箱庭』是变小才能享受的空间」的理论。
255
- 顺便说一下,司的周围可是有两个向他唱反调,提出「巨人的比较好」的抗告。
256
- 在那边就是价值观不同…
257
- 「嘛~要为之后的旅行做准备啊」
258
- 伸展一下身体,司也回到自己的房间。
259
- 就这样,按照奈央的想法进行,司和真美的亲密度更高了。
260
- 不就经常听说的「因为下雨了,地面才会更坚固」吗。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Done 2024-02-23/[ICECAT] 箱庭シリーズ 5 [that123] JP.txt DELETED
@@ -1,260 +0,0 @@
1
- 司と真美の大喧嘩の翌日、真美は司に直接謝罪するために司の家にやってきた。
2
- 予め連絡しておいたためか、奈央が玄関前で待っていて、出迎えてくれた。
3
- 玄関に入って、真美が司のことを聞こうとした瞬間、
4
- 「真美さん、ごめんなさい」と奈央の声がして、真美は普段の10分の1のサイズの『小人』にされてしまった。
5
- そして「理由は後で、話しますから少しの間我慢してて下さい」と言われ、
6
- 真美は体を奈央の巨大な手で掴まれ、奈央の服のポケットに顔だけ出した状態で入れられてしまった。
7
- 奈央のポケットから下の床を眺める。
8
- まるで、ビルから下の景色を眺めてるようだった。
9
- 奈央は、二階にに繋がる階段を登っていき、廊下を真っ直ぐ進んで司の部屋に入った。
10
- 部屋に入り、机の上に奈央の右手を置いて、真美と同じサイズになって待っていた司を乗せる。
11
- 「お兄ちゃん、真美さんを連れてきたよ」と、司に声を掛ける。
12
- 今、奈央の右手に司、左手に真美が乗せられている。
13
- 二人が、顔を合わせるのは、大喧嘩して以来だ。
14
- その間、二人はメールも電話も一切していない。
15
- というよりか、奈央に止められていた。
16
- 手のひらに乗せられたまま、気恥ずかしいのか視線を互いに背ける二人。
17
- 「じゃ、お兄ちゃんから謝ってね」
18
- 奈央は、空中で右手と左手をくっつけて、和解の場を作り上げた。
19
- 奈央に、促されておずおずと真美の方に、歩み寄る司。
20
- すぅーっと、深呼吸をして「昨日の事は、俺が悪かった。傷つけるようなことを言ってごめん。
21
- でも、奈央によると、俺が伝えたかったことは、理解してくれたみたいだな。
22
- また、よかったら『箱庭』に遊びに来てくれ。三人で、まだまだしたいこともあるしな」
23
- 「次は、真美さんの番だよ」
24
- 今度は、奈央に促されて真美が前に出てきた。
25
- 「家族みんなが、大事にしてきたこの『箱庭』に対する気持ちを踏み躙るようなことを言ってごめんなさい。
26
- 奈央ちゃんから、『箱庭』に関する話を聞いてたら、自分がしようとしてたことの愚かさに気付いたの。
27
- だから、よかったらもう一度、私を『箱庭』に招待してください」
28
- 「お兄ちゃんと真美さん、仲直りできたみたいね。はい、二人とも握手握手」
29
- 奈央の手のひらの上で、握手する司と真美。昨日、大喧嘩した仲とは思えない。
30
- 流石は、クラスメートから「夫婦」だなんて茶化される二人だ。
31
- 「なんか奈央ちゃんに主導権握られてるね、私達」
32
- 「なんだか知らないけど、奈央の手のひらでおどらされてるみたいだな」
33
- あながち司の言葉は、間違っていない。
34
- 「ピーンポーンパーンポーン、真美さんにお知らせしまーす。
35
- あのね、お兄ちゃんが、なんかね真美さんにプレゼントがあるって言ってたから、詳しいことはお兄ちゃんから聞いてね」
36
- 突然の司からのプレゼントが、何の事だか分からず困惑する真美。
37
- 「コホン。えー、この『箱庭』に、真美がもっと愛着を持ってもってほしいということで、
38
- 『箱庭』の一角に真美が好きなようにレイアウトできる区画を作って置いたんだ。
39
- つまり、『箱庭』の中に真美が支配…じゃなくて、管理できる街を作ったやったからな。喜べー」
40
- やたらと、上からモノを言うような口調で、司が言った。
41
- 「ほんとっ?司、ありがとう!『箱庭』に私の街が作れるなんてうれしいな」大喜びの真美。
42
- 「さらに、これから真美が『箱庭』に出入りする機会が増えると思うから、
43
- 『貸出し』と言う形で、真美専用の車両を一両、プレゼントすることにしたんだ」
44
- 「でも私、いくら模型の電車とは言え、運転なんて出来ないよ?」
45
- 「真美は、普通にケータイ操作できるだろ?それと同じぐらい簡単だから、心配しなくても大丈夫。
46
- 実際の電車と違って、あくまで模型の電車だから、運転するのに煩雑な手順はないんだ。
47
- すぐに、運転できるようになるさ。奈央だって、ほとんど運転しないけど、できるにはできるし」
48
- 「後、模型の電車の置き場所とか手入れの問題はどうなるの?」
49
- 「一両だけだから、ポケットに入るサイズだから置き場所には困らないと思う。
50
- 一両だけっていうのは、決して俺がケチだからではなく、こういったことを考えた上での話だからな。
51
- で、手入れはたまに俺���預けてくれたらいいよ」
52
- 「そこまで、考えてくれているのね。ありがと♪」
53
- 「じゃ、これから真美専用車両を選びに『箱庭』の車両基地まで行くけど、奈央はどうするんだ?
54
- いつものように『巨人』で来るのか?それとも、ここから俺達と一緒に『小人』になって列車に乗っていくか?」
55
- 「私、少しやらなきゃいけないことがあるから一時間ぐらいしたら、『箱庭』の車両基地に行くことにする。
56
- お兄ちゃんたちは、そこにいるんだね?」
57
- 「あぁその予定だ。あと、奈央は車両を入れるケースを忘れずに持ってきてくれ。一つでいいからな」
58
- 「うん、お兄ちゃん、わかった。一つでいいんだね」
59
- 司と真美は、奈央の右手で「司専用駅」 まで運んでもらった。
60
- 奈央は、二人を運び終えるとどこかに行ってしまった。
61
- 「奈央には、俺達二人とも感謝しないとダメだな」
62
- 「うん、奈央ちゃんは私達のためにいろいろとしてくれるよね。ほんといい娘だね」
63
- 二人は、それぞれ奈央に感謝していた。気が付くと真美は、周囲の景色に奇妙な感覚を覚えていた。
64
- 二人とも小さくなっていたはずなのに、駅に停車している模型の列車はそれよりもまだ小さかったのだ。
65
- 「俺達は、10分の1にしか縮小していないから、『箱庭』的視点から見ると俺達は15倍サイズの『巨人』なんだよ。
66
- 『箱庭』の世界は150分の1の大きさで構成されているからな」司が、事情を説明する。
67
- 「そういえばそうだったね。っていうことは今、私達は『巨人』であり『小人』でもあるんだね。おもしろーい♪」
68
- 「そういう感覚を持ち始めてくると『箱庭』は、より一層おもしろい空間になってくるんだ」
69
- 「んじゃ、早く『箱庭』に行こうよ。私の電車早く選びたいし~」真美は、本当に嬉しそうだ。
70
- 「えっと、これから『箱庭』に向かうわけだけど、今日は特に後ろに連結している貨車が必要というわけではないから、
71
- 機関車と切り離す作業をするからな。少し待っててくれ」と言って、司が切り離し作業に取り掛かる。
72
- 機関車と貨車を繋ぐ連結機を外して、機関車を力を込めて押す。
73
- 機関車がゆっくりと動き出したところで、司が押すのを止めた。当然ながら、機関車はすぐに止まる。
74
- 「よし、準備完了っと。真美、出発するから機関車に乗っておけよ」
75
- 司と真美は、『箱庭』サイズにさらに縮小してから、機関車に乗り込み「司専用駅」を後にした。
76
- 司の部屋と「箱庭」とを直接結ぶこの路線。真美は「司線」と勝手に呼んでいる。
77
- 長い長いトンネルと下り急勾配が続いていく。目的地の車両基地までは、割と時間が掛かる。
78
- この時間を利用して、司は真美に列車の操作方法を教えていた。
79
- 「大体、こんなもんで一通りの操作は出来る。難しいことはないだろ?」
80
- 「う~ん、操作手順は理解できたけど、実際に操作してないから何とも言えないよ」
81
- 「だろうな。この下り坂が終わったら、真美も実際に運転してみるといい。『習うより、慣れろ』って言うからな」
82
- しばらく経って、長く続いた急勾配が終わり、列車は平坦な土地を走っていた。
83
- 司は、ブレーキを掛けて列車を停止させ、運転席から離れる。
84
- 「さっき教えたとおりに、列車を動かしてみてくれ。」
85
- 「なんか私、緊張してきちゃった。当たり前だけど、電車を自分で運転するなんて初めてだし…」
86
- 「大丈夫、大丈夫。時間通りに走らせる必要もないし、
87
- 踏み切りでの人や車の無理な横断もないから、よそ見してても運転できるよ。
88
- ただ困ったことに、たまに『巨人』の少女がやってきて、力づくで列車を止める悪戯をすることがあるんだ。
89
- だから、運転する際には『スピードの出し過ぎ』と『巨人』にだけ注意してればいいよ」と冗談交じりに話した。
90
- 司の言葉に安心したのか、真美の緊張はほぐれたようだ。
91
- 「出発進行!」と司の真似をして、真美は機関車を加速させていった。
92
- そして、徐々に機関車は加速していった。ある程度、スピードが出てきたところで、
93
- 「速度が60キロになったら、加速をやめて惰性運転に入る。
94
- 多少速度が落ちてきたなら、また少しだけ加速させて速度を60キロに保つ。いいか?」と司がアドバイスする。
95
- 真美の方も、司の教えを忠実に守り、丁寧な運転をする。
96
- 真美が運転する��行機関車は、「箱庭」の中を颯爽と駆け抜けていった。
97
- 二人の乗った機関車が車両基地に到着し、司と真美が降りる。
98
- 基地には、新幹線からすでに廃車となった旧型車両、さらには全国各地の私鉄の車両まで多種多様な車両が数多く停車していた。
99
- このような光景は現実では有り得なく、模型ならではの光景と言えよう。
100
- ただし、真美にこの光景の貴重さが分かるかどうかは怪しい。
101
- 一般人からしてみれば、こんなのはただ沢山の車両が並んでいるに過ぎないからだ。
102
- 「こんなに大きな『箱庭』を作っちゃう親子だから、これくらいの数の模型を持ってて当然よね」
103
- 「一応言っとくが、ここにあるのは3分の1ぐらいしかないぞ。残りは、俺や親父の部屋に保管してある」
104
- 「そんなにあるんだ...はは...」
105
- 真美は中条親子を少し見くびっていたことを後悔した。
106
- 「さてと、真美用の車両を選ぶんだけど...」
107
- 「出来ればかわいらしい車両がいいんだけど...」
108
- 「んなもん、ないない。鉄道の車両ってのは大体が『いかつい』か『かっこいい』であって
109
- 『かわいい』車両なんて全然ないの」
110
- 「ちぇ、つまんないのー」
111
- 「文句は言わない。文句言うんだったらこの話は無し」
112
- 「むぅ~、しょうがないわね~。そういうあたり鉄道模型って、やっぱ男の世界だよね~」
113
- しばらくの間、真美は司を連れ回して、車両基地をあっち行きこっち行きしてようやく、真美専用車両が決まった。
114
- 近年、JR西○本の地方電化線区用に投入されている車両だ。
115
- 最終的には「うん、これがいい」と、真美も納得しての選択だった。
116
- ただその納得した理由は「コレ、新しそうな電車だし」というの理由だった。真美らしいといえば真美らしいが…
117
- 「さて、決まったのはいいけど、奈央が来ない分には持ち帰ることができないな…
118
- 今、車両の車両の間にいる訳だから、不用意に巨大化するわけにはいかないし…」
119
- 「それなら奈央ちゃんが、来るのを待つしかないね」
120
- 待つこと数分。奈央がいつものように、地響きと轟音を立ててやって来た。
121
- 奈央の手には模型収納ケースが握られている。
122
- 奈央が下を見回して、車両の間にいた司と真美を見つけて
123
- 「お兄ちゃん、どれをケースに入れたらいいの?」と奈央が質問する。
124
- 司は真美が選んだ車両を指し示して、奈央に伝える。
125
- 奈央は、その場でゆっくりとしゃがみ込み、こっちに腕を伸ばして車両を掴む。
126
- 司達からすれば、十数トンはあろうかと言う車両を奈央は軽々と指先で持ち上げ、持ってきていたケースに丁寧に仕舞い込む。
127
- 女の子が、鉄道模型を手に取りケースに仕舞い込む。
128
- たったそれだけの行為なのに、『小人』の視点から眺めるととてつもない迫力がある。
129
- 今は巨大な奈央に慣れたとはいえ、やはり恐怖を感じる。
130
- ケースに入れ終わった奈央が、縮小化して司達の元に歩いてきた。
131
- 「はい、コレ」と真美は、奈央から模型が入ったケースを渡される。
132
- 「ありがとう、奈央ちゃん」と真美が礼を言う。
133
- 「これが、私専用の車両ね~♪」真美は、手渡されたケースに入った模型を眺める
134
- なんだかんだ文句を言っても上機嫌な様子だ。
135
- 「これで一つ目の目的が終わったことだし、次の目的地に行くとしよう」
136
- 「次の目的地って、司が私にくれるっていう場所?」
137
- 「オレからすれば『占領地』って名付けたいところなんだけど...」
138
- 「司が土地の一部をくれるっていったじゃないの?
139
- 私が悪者みたいな言い方をするのは何でかな?つ・か・さ!」
140
- 「昨日、この『箱庭』に、やけに怒った『巨大女』が出現して、
141
- 『箱庭』なんか踏み潰して壊してやるって騒ぎ出したから、
142
- 慌てた『箱庭』政府首脳陣は『巨大女』の怒りを鎮めるために、領土の一部を差し出しことを決めたらしい」
143
- 「つ~か~さ~。アンタって奴は人を怒らせるのが大の得意みたいね」
144
- 「なんで真美が怒ってるんだ?俺は『巨大女』の話をしてるだけで、何も真美の話をしてるわけじゃな…グホッ」
145
- 真美が、司の腹に冷静に一発蹴りを入れた。
146
- 真美は小柄で力もそんなに強いわけではないが、この一撃は辛い。
147
- 「『巨大女』さんの怒りを、私が代弁しておいてあげたわ。彼女なら、司を踏み潰してたかもね♪」
148
- 「じょ、冗談はさておき、どうやっ���そこまで行く?『海水浴』をした海岸の先の場所なんだけど…
149
- ここからまた電車を使っていくか…あるいは…」
150
- 不意に司の言葉が詰まる。
151
- 「あるいは?」
152
- 「や、やっぱ、時間は掛かるけど電車にしようぜ。そ、そうだな、電車の方がいいに決まってる」
153
- 司は何かを隠すように慌ててしゃべる。
154
- そこに遮るようにして、奈央が会話に加わってきた。
155
- 「真美さん、こういう時は巨大化すればいいんですよ。
156
- さっきの暴言の罰として、お兄ちゃんをポケットに入れて、道案内させるのがいいと思いま~す♪」
157
- 「あっ、こら。奈央、余計なことを言うな」
158
- 動揺する司を尻目に「奈央ちゃん、ナイスアイデア♪」真美の瞳が妖しく光った。
159
- 「別に文句はないよね、司?」
160
- こうなったら、真美の言うことに従うほかない。
161
- なんだかんだで結局、司はさっきの罰として真美の服の胸ポケットに入れられることになった。
162
- もはや抵抗する気力さえ起こらない。
163
- 「はいはい、わかったわかった」
164
- 「暴言のお詫びにはこれくらいしてもらわないとね~」
165
- 益々、上機嫌になる真美。
166
- さっきまで「巨大女」≠真美だったんじゃないかと、司が言いたくなったが止めた。
167
- 言ったら言ったで、またややこしいことになるはずだ。
168
- 司一人で真美と奈央の連合軍に、口喧嘩で勝てるはずがない。
169
- 「真美と奈央が姉妹のように仲良くなるのはいいんだけど、こういう風に共同戦線を張られると困るんだよな。
170
- しかも、最近は奈央だけじゃなく真美まで『巨人』になりたがるようになるし。はぁぁ~」というのが司の正直な感想だった。
171
- ため息をつく司の横で、女子二人はきゃっきゃっとじゃれあっていた。
172
- その後三人は、車両と車両に挟まれた狭い空間から抜け出した。
173
- さっきの打ち合わせの通りに真美と奈央が150倍サイズに巨大化する。
174
- ちなみに奈央は『箱庭』にもう用事がないと言うことで、家に帰るらしい。
175
- というわけで、例の『占領地』には司と真美だけが向かうことになった。
176
- 『巨人』の真美が司の方に手を差し出して、手に乗せる。
177
- 「やっぱりちっちゃい司はかわいいね~」
178
- 司を軽く突っ突きながら真美が言った。
179
- 10代の男子に向かって「かわいい」はやめて欲しいが、今の自分の大きさを考えると仕方ない。
180
- 次第に真美の手が持ち上がっていき、そして、胸ポケットに入るように促された。
181
- 入ってみると、丁度首から上の部分だけがポケットの外に出た。
182
- ポケットの縁をしっかりと持って、外の景色を見てみる。
183
- 高さ150メートル以上の場所から今度は下を眺めてみる。
184
- 高層ビルの展望台から見下ろすような光景が広がっていた。
185
- 近くにある建物と比べて、はるかに大きな真美の足。
186
- 足の幅だけで何メートルあるのだろうか...
187
- こんなにも真美は巨大だ。
188
- 普段なら頭一個分は司のほうが大きいというのに...
189
- しかし、後ろの「壁」が気になる。とにかく気になる。
190
- 随分ぽわぽわしてやわらかい「壁」である。
191
- このぽわぽわの「壁」が真美のおっぱいだと意識すると
192
- 司の「息子」がむくむく「巨大化」してきた。
193
- 「真美って結構胸があるんだな...知らなかった」
194
- 10代の健全な男子としてはごく当然の反応ではあるが、
195
- 真美に知られると生命の危機だ。
196
- 司は、少しばかり胸ポケットに入れられてよかったと思った。
197
- そういえば胸ポケットに入れられているほどに小さい今の自分は、真美からするとなんなんだろうか…
198
- 『ちっちゃい司』『小人』『ペット』『小動物』『虫けら』『ゴミ』…
199
- だんだん考えてると悲観的な答えばかり浮かんできた。
200
- 本当のところどう思われているのだろう。司は、答を得るべく思い切って聞いてみた。
201
- 「なぁ、真美。今の俺のことを、どういう風に思っているんだ?」
202
- 幸か不幸か、真美には「今の」という部分が聞き取れなかった。
203
- そのため、司のことが好きか嫌いかを聞かれたのだと勘違いしたのだ。
204
- 「べ、別に嫌いじゃないよ。でも…その…何て言うか…。
205
- って、こういうのって男の司が先に言うもんじゃないの?」
206
- 「ん、なんか勘違いしてないか?オレが聞きたいのは、『小人』の状態のオレを真美がどういう風に思っているかなんだけど...」
207
- 司が鈍感だったおかげで真美の勘違いは帳消しになった。
208
- 「あ��、なんだぁそういう意味か~。
209
- 『小人』の司ね...いつもとは違ってちっちゃくてかわいいなって思う以外には特に思うことはないよ」
210
- 「俺のことを、『ペット』とか『虫けら』とか『ゴミ』とかだと思ってないんだよな?」
211
- 「失礼ね~、いくら司が小さくても『虫けら』とか『ゴミ』なんて思うわけないじゃない。
212
- でも、『ペット』として飼ってみるのはありかもね♪」
213
- 「真美は俺をペットとして飼う気があるのかよ…」
214
- 意外なことに、どうやら司は真美の発言に怯えてるようだ。
215
- 「冗談だよ、冗談」こうでも言っておかないと司がかわいそうだった。
216
- 司をペットとして飼うかどうかの議論はさておき、司の話だと前に「海水浴」をした海岸の先に
217
- 真美に与えられた土地があるそうなので、真美はとりあえず例の海岸まで行くことにした。
218
- 「箱庭」の中を「巨人」の真美が歩いていると、膝と同じくらいの高さのビルがひしめき合う一角にたどり着いた。
219
- このあたりは真美が初めて「箱庭」にやってきた時に司に案内されたところだろう。
220
- 「あの時は、わりと高いビルだと思っていたのに、それに街全体が今はこんなに小さいなんて…
221
- まぁ、それだけ私がおっきいんだけどね」
222
- そこからさらに、真美はずっと線路沿いに「巨人用歩道」を歩き、
223
- 中条家専用海水浴場を囲む山を跨ぎ越えた先にまでやってきた。
224
- ここで、胸ポケットにいた司がひょっこりと出てきた。
225
- 「よいっしょっと。今、真美の足元にあるこの一角が『箱庭』の真美の領土だ。
226
- 多少ぐらいは、領土が枠からはみだしてもいい。
227
- 模型の線路も建物もある程度数があるから、好きなように街造りをすれば『箱庭』にもっと愛着が持てると思う」
228
- 司が指差した「箱庭」の一角は、一辺4メートルの正方形状の土地で、ロープで囲まれていた。
229
- 今は、土地の中央部を二本の線路と『巨人』用歩道が貫いてるだけで、後は何もない更地だった。
230
- 「ねぇ司、私の土地ってこれだけなの?」
231
- 「これだけってな、今、真美が『巨人』だから狭く見えるだけで、『小人』サイズで考えると、一辺600メートルの土地なんだけどな。
232
- 『海水浴』をした海岸と見比べてみろよ、こっちの方がかなり広いぞ」
233
- 司にこう言われて、真美は少し離れた場所に位置する海岸まで歩いていき、自分の領土と見比べた。
234
- 司が言う通り、真美の領土の方が明らかに広かった。
235
- 「ごめんごめん、4メートル四方だなんて聞くと、狭く感じるけど実際のところは、600メートル四方だもんね。司に感謝、感謝♪」
236
- 「分かればよろしい。ところで真美は、ここをどんな風な街にしたいかを考えたのか?」
237
- 「うーん、まだだよ。すぐに自分の街造りのプランなんか思いつかないし…」
238
- 「そのうち、やりたいことが沢山溢れてきて悩みだすことになるはずだから、プランが今はなくても焦ることはないよ。
239
- 俺が、旅行から帰ってくる一週間後にプランが聞けたら嬉しいな」
240
- 「旅行って、月曜から行くって言ってたやつ?」
241
- 「あぁ、月曜から金曜まで青春18キップをフル活用して、日本全国を電車で一人旅をしてくるよ」
242
- 「お土産よろしくね~」
243
- 「へいへい、わかったよ。ただ、行く先は気分次第だからリクエストは受け付けない。で、これからどうするんだ?」
244
- 「う~んじゃ、今日はこのへんで帰るね。早く帰って街作りのプランを考えてみたいし」
245
- 早くもやる気を見せる真美。
246
- 「おう、わかった。ここからの帰り道はわかってるな?いろいろ踏み潰さないように注意して歩け…」
247
- 「うん、大丈夫大丈夫。間違って踏み潰しちゃうことなんて絶ぇっ対にないから」
248
- ここまで自信を持って答えられると、逆に恐ろしい。
249
- 事実、彼女が「巨人」用歩道さえ歩いてくれれば、何の問題もないことわけだからここは真美を信じるしかなさそうだ。
250
- 「そうそう、俺がいない間は奈央に声掛けてくれたら、『箱庭』に入っていいからな」
251
- 「それはどうもありがと♪じゃぁ~ね」
252
- 真美は手を振り、地響きを立てて帰っていった。
253
- やっぱり「箱庭」の中では、普通サイズの人間、いわゆる「巨人」は異質な存在だ。
254
- 司の持論は、「『箱庭』は小さくなってこそ、楽しめる空間だ」という理論だ。
255
- ちなみに、司の周囲には「巨人の方がいいの!��と異論を唱えそうな人物が約二名。
256
- その辺りは価値観の違いということで…
257
- 「さ~て、これから旅行の準備をしないとな」
258
- 体を伸ばす仕草をして、司も自分の部屋に戻っていった。
259
- こうして奈央の思惑通りに司と真美の親密度がより高まった。
260
- 「雨降って、地固まる」とはよく言ったもんだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Done 2024-02-23/[ICECAT] 箱庭シリーズ 6 [that123] CN.txt DELETED
@@ -1,207 +0,0 @@
1
- 真美洗澡之后,回到自己的房间直接走到床上躺下。
2
- 躺在床上,试着回想今天一天的事情。
3
- 和昨天完全不同,今天很高兴。
4
- 发生了很多事,但是什么也比不过司把「箱庭」的一角送给自己高兴。
5
- 「这样的话,我也能够在『箱庭』中创造作自己的街道能…我该怎么规划我的街道呢」
6
- 真美尝试想起「箱庭」中的风景。
7
- 高楼林立的都市…郊外美丽的田野…被山环绕的小小海岸…
8
- 几乎可能出现的地方都有了。只是靠回想「箱庭的风景」很难令自己沸腾起来,
9
- 所以向司借了铁路模型的书看。
10
- 那本书刊载了很多认真谨慎地制作的小小铁路模型世界的照片。
11
- 刊载的模型很多都只有一张桌子大小,真美要拿来直接参考也不容易。
12
- 剩下的页数越来越少的时候,真美翻页时突然停下手来。
13
- 登载了横跨2页的模仿大城市的大型模型照片。
14
- 在建筑物之间的狭窄间隙排列了高速公路和高架铁路,还有电车在中间穿越。
15
- 标题是「这就是大城市布局决定版!」。
16
- 「这个模型很大很美丽。
17
- 说起来,『箱庭』的高楼大厦比想像还要小哟~。
18
- 应该比这个模型还的还要小…」
19
- 再回想起之前以「巨人」的姿态在「箱庭」的高楼大街上走的时候。
20
- 这一瞬间,之前零乱了的想法被一根线漂亮地连接起来一样。
21
- 「想到了」
22
- 真美的「都市」计画瞬间决定下来。
23
- 「要在司回来之前完成,吓他一跳做。等着瞧吧,司!」
24
- 真美一个人擅自发出挑战书。
25
- 「单有清晰的概念,我一个人也做不来的样子。时间也不够啊……」
26
- 真美要实施计画,绝对需要一个合伙。
27
- 虽说如此,可以做这种事的候选人只有一个。
28
- 真美向奈央发送了想要她一齐帮忙建设「都市」的邮件。
29
- 第二天早上,收到奈央的回信。
30
- 和真美的预想一样,奈央也要参加「都市」计划。
31
- 一切都很顺利。
32
- 在这个周末必须先塑造更具体的「都市」形象,
33
- 因为也要顾及空地周边司的模型的配合,不能够塞太满。
34
- 「嘛,这样呀。刚开始制作,才知道不清楚的部分也很多。」
35
- 毕竟真美想让自己的计划被接受,需要完美一点,倒底要怎样得到参考数据呢。
36
- 早餐结束后,正想回到自己的房间,真美的母亲这时说
37
- 「今天一起去新宿好吗?」母亲邀请道。
38
- 正好想要买新衣服。
39
- 到那边如果想要买衣服的话,也许会买给耶。
40
- 「今天真是幸运的一天」真美心情很愉快。
41
- 「司有说过当他不在的期间我自己预先想好『城市的制作』计画就可以了,不过…
42
- 计画已经在周末完美完成了哟~」
43
- 少女自己一个浮出大胆的笑容。
44
- 今天是星期一的下午。
45
- 现在真美在「箱庭」当中。
46
- 真美俯视赋予给自己的土地。
47
- 现在和上周五一样,什么都没有,这个地方,应该可以完成出色的的街道…
48
- 虽然不知道可不可以在星期五之前完成整个城镇,
49
- 尽管如此为了让司吃一惊,真美有一种不管怎样都要试着努力的感觉。
50
- 「真美桑希望是这里盖高楼密集的大城市的说?」
51
- 「嗯,是的。我要我的城市比司在『箱庭』的入口附近制作的城市还要大。」
52
- 真美发出非常强而有力的宣言。
53
- 明显是把司作为竞争对手看待。
54
- 「『城市的制作』具体计画上,有没有绝对不能排除在外的东西?」
55
- 「首先,我的领土内的电车绝对全部都是高架双复线!只有这个不能让步!」
56
- 不知道在哪里学了「双复线」这样的词,
57
- 奈央被真美不明所意的气势吓倒。
58
- 「那个真美桑,为什么你会那么拘泥于四线铁路??」
59
- 因为气势的原因而有点在意,还是试着听一下原因吧。
60
- 「有双复线的地方,总觉得是大城市都会区?
61
- 你看山手线之类的?
62
- 其实我也不太清楚啊!」
63
- 和预料一样,没什么特别理由。
64
- 「嘛,但『箱庭』几乎没有双复线的地方,
65
- 这是让哥哥惊讶的好主意。」
66
- 「是吧是吧?」
67
- 「有其他决定好的事吗?」
68
- 「还有,大楼的高度,一定要比我身高低…」等等…
69
- 真美希望很多奇怪的东西,大部分都不可能实现。
70
- 「那么,首先从什么地方开始?
71
- 现在只有铁路与『巨人专用人行道』,不过,这里要制作高架双复线的话,
72
- 现在铺着的路线不先收拾可是不行啊」
73
- 「奈央酱,铁路和其他模型全部都在司的房间吗?」
74
- 「嗯,模型的雏模都是在哥哥的房间里。
75
- 啊,不过铁路和车站的模型为了方便工作,全部都整理放在纸箱,
76
- 堆在停放在哥哥专用车站的货车上。
77
- 虽然比较花时间,但比起每次开工都要把沉重的纸箱搬下来,还是这样载下来更轻松啦」
78
- 真美和司吵架的那天,司也有说过。
79
- 为了让模型街道更加真实,不仅仅只有建成的车站和其他建筑物,车、人行道和树等等的小道具也是需要的。
80
- 这样的小道具如果分散保管的话很容易遗失和损坏,
81
- 所以分装好放进箱子,载到司的货车上。
82
- 「就是说,『城市制作』需要的材料还是用电车运过来这里比较好啊?」
83
- 「是啊」
84
- 把司房间里的材料运来,真美想要一个能够放东西的宽广地方。
85
- 考虑到之后的工作,这个还是希望先和奈央说一下。
86
- 「如果是这样的话,最好在这条路线前面的弯位做一个临时宽广放置的地方。」
87
- 因为还想不到其他更好的主意,结果奈央帮忙实行这个建议。
88
- 两个人首先把不需要的铁路纷纷剥掉。
89
- -箱庭新闻 地区伴随新都心建设而开始的双复线铁路高架化,现在是反对的市民团体代表的采访-
90
- 现在,在这条街上两个「巨人」少女来到车站,把铁路剥掉,拿走。
91
- 为什么她们要做这样的事?
92
- 个子比较矮的少女(虽说,身高也有225米!!)好像成为了这个地区新的支配者,
93
- 就是她要把这附近再开发成新都心。
94
- 建设新都会区的时候,她预想把这里的铁路双复线高架化,
95
- 把现有的线路撤去。
96
- 虽然双复线高架化,有助于提高新都会区的铁路运输能力。但是,还是希望先等一下。
97
- 也没有提前几天事先说明就把铁路撤去,
98
- 只不过因为是少女自己是「巨人」就可以做强制停止铁路运行这种暴行 ,
99
- 就算是这条街的「统治者」也是不会被原谅的。
100
- 她们的行为,我们坚决反对(ry
101
- 噗吱…
102
- (镜头回到编辑部)
103
- 看来市民团体代表在采访中被踩爆了的样子,
104
- 采访到这里结束。请多多谅解。
105
- 以下是预定要建设新都会区的「巨人」黑川真美桑的采访;
106
- 这个城市就是我的东西!这条街要怎样都是我的自由!
107
- 反抗我的「小人」都要被踩碎哟!!(已经执行完毕)
108
- 先不开玩笑了。
109
- 铁路清除的工作在没有反对派居民的干扰下,顺利进行。
110
- 被剥离的铁路的一部分会再利用,创建连接本线铁路的临时材料放置场。
111
- 剩下的铁轨和之前的车站被回收放到材料放置场。
112
- 看来准备阶段完成了。
113
- 之后是新都心建设需要的大量材料-总而这之是模型建筑物和高架桥啦之类-
114
- 必须要从司的房间运来。
115
- 所以两人暂时从「箱庭」出来,上去二楼。
116
- 进入司的房间,真美从正上方窥视床边的「司专用火车站」。
117
- 车站有二组货物列车停在那边。
118
- 往在前方停靠的货物列车看了看,
119
- 什么也没有,应该后方的才是工程专用列车吧。
120
- 果然,后方的货车都有一些极迷你的模型建筑物被堆在还面。
121
- 「奈央,这些就好了吗?」
122
- 真美呼唤道,奈央把脸凑近看。
123
- 「是啊,必要的东西大概都齐了吧,所以马上可以出发。还有不够的话,之后再拿回去就好了。」
124
- 「那么,走吧…啊,忘了重要的事。」
125
- 说完,真美从口袋里取出了什么。
126
- 真美拿了这期间司以借出的形式,
127
- 真美收到的模型电车出来。
128
- 把停靠的货物列车和的机动车分开,
129
- 用指尖轻轻摘起移到旁边的铁路。
130
- 把自己的电车和铁路上的货车合并。
131
- 「难得从司手中拿到自己专用的火车,开车吧 ♪」
132
- 转眼间,几个小时过去了,手表上已经转到5点。
133
- 「呼~,终于结束了呢~」
134
- 工作告一段落,真美伸直手腕放松。
135
- 「是啊,告一段落。」
136
- 在两人眼前的是4米长的高架桥双复线漂亮地完成的情景。
137
- 而途中也设置了优良的车站。
138
- 真美感慨地眺望着。
139
- 「之后会更有真实感,还要架起铁路的电线和柱子,车站的周边也会整备得更好。」
140
- 「是啊。现在的话在火车站前什么都没有,觉得很孤寂寞的样子。
141
- 今天先做到这边,明天再从这里继续好吗?」
142
- 那天工作结束了。
143
- 接下来的几天,真美每天都走到「箱庭」。
144
- 工作进展很顺利,真美的「街」总算完成了。
145
- 只剩下把这个成果给司看,让他大吃一惊。
146
- 「终于,终于完成我自己的『街』了~♪」
147
- 跨过街道的中心的车站,真美再重新俯视着刚刚完成的自己的「都市」。
148
- 真美的身高超过了多数林立的高层大楼的高度。
149
- 这是因为这个城市的「支配者」的「任性」…不,是「要求」。
150
- 为了整体构造多多少少和预定的有变更,但基本上是真美所希望「都市」的方向。
151
- 从那里稍微离开一点点的地方,奈央也在俯视着「都市」。
152
- 「总觉得比我预想的结果更有点让人看的入迷。」
153
- 「这也是奈央一直帮助我的功劳呀~谢谢啊」
154
- 真美飞奔过去紧紧抱住奈央。
155
- 「哇。稍微、稍微真美桑,在做什么呀,很危险的哦」
156
- 「我们都是女孩子,所以不怕也没关系」
157
- 「不是那、那样的事,而是脚碰到建筑物,建筑物会坏掉。
158
- 哥哥也许会生气哟~」
159
- 奈央指出真美的脚和在道路上放着的车轻轻接触,结果车被刮跑了。
160
- 「对不起,对不起,啊哈哈。不知不觉,这样,不小心…不禁就想要抱住你的说…
161
- 其实我很羡慕奈央。
162
- 和模特儿一样,腿很长,身高又高~而且脸也很可爱。
163
- 我也是作为女孩子出生的呀,自然会很憧憬奈央那样的女孩子啊~」
164
- 「被那样说的话是很高兴…
165
- 只是…那个可能你不会有听过的,
166
- 我完全没有胸,从今以后也一直保持这样的大小的话会很冲击。
167
- 之前,在海水浴的时候,看到真美桑的胸就一直在想,不过…
168
- 其实真美桑是胸部特别大的人?
169
- 你是怎么办增加…你知道,就是胸部成长啊?」
170
- 「从奈央来看,我的胸真的那么大吗?」
171
- 奈央点了点头,
172
- 「至少有C罩杯吧。
173
- 那…我还是…A的之类的…」声音渐渐隐藏起来。
174
- 「奈央还只是14岁呢?如果那样还是成长当中,所以不要那么担心也可以哟。
175
- 我呢,也是14以后渐渐成长起来的…
176
- 如果这样就情绪低落,奈央酱难得这么可爱的脸都弄得不好看了哦」
177
- 「啊啊,上次在学校听到男生们说『果然胸部不大就没有意义啊』
178
- 这样,还可以不介意吗?」
179
- 「那些男生愚蠢的话是最不用介意的。
180
- 随便他们说就行了啊,
181
- 以前我有遇过同样的事,也被这说过的经验。我明白的」
182
- 真美微笑地鼓励奈央。
183
- 「听到真美桑的话就放心了…
184
- 还有,另一件事想拜托你?」
185
- 「好啊,说吧」
186
- 「啊啊,真美桑,之后可以叫你『姐姐』?
187
- 那个一直用敬语说话也是很累的…
188
- 就想要再稍微拉近距离吧…?
189
- 我在想有一个可以叫『姐姐』的人在就好了啊…」
190
- 「『姐姐』吗…
191
- 奈央如果想叫的话就可以呀。
192
- 我也不太喜欢死板的称呼。」
193
- 「啊,谢谢您」
194
- 「还在用这种死板的语气哟,奈央
195
- 把我当成『姐姐』来称呼。就像对司说话的时候一样就好了」
196
- 「是..不是,嗯,姐姐」
197
- 奈央为了从敬语变成亲近的口气而恶战苦斗一番。
198
- 「对,对,感觉很好感觉很好。之后就是习惯了。
199
- 啊,对了,好不容易完成了『街』,拍照纪念吧」
200
- 「那么,我拿相机。」
201
- 奈央用不太习惯的语气对真美说完,往「箱庭」的入口走去。
202
- 「姐姐吗…」
203
- 总觉得被那样称呼会很害羞。真美想。
204
- 「妹妹」的身高比姐姐高20cm的…「姐妹」?
205
- 想起这一点,心情开始复杂起来,
206
- 即便如此,奈央可以亲切地自己为「姐姐」,
207
- 对真美来说也是一件很高兴的事。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Done 2024-02-23/[ICECAT] 箱庭シリーズ 6 [that123] JP.txt DELETED
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1
- 真美がお風呂から上がって、自分の部屋に直行してベッドに倒れ込む。
2
- 俯せになって寝転がって、今日一日の出来事を振り返ってみた。
3
- 昨日とは打って変わって、今日はうれしいことづくしだった。
4
- いろいろあったけど、何よりも、司が「箱庭」の一角をプレゼントしてくれたことがうれしかった。
5
- 「これで私も『箱庭』の中で自分の街が作れるようになるのね…どうしようかな私の街」
6
- 試しに、真美は「箱庭」の中の風景を思い出してみた。
7
- 高層ビルが立ち並ぶ都市…郊外の美しい田園地帯…山に囲まれた小さな海岸…
8
- どれも実際にありそうなくらいの出来だった。ただ「箱庭」の風景を思い出すだけじゃイメージが沸きにくいので、
9
- 司から借りていた鉄道模型の本を読んでみることにした。
10
- その本には、丁寧に作り込まれた小さな鉄道模型の世界を撮影した写真が多数、掲載されていた。
11
- 掲載されてるジオラマはこじんまりとしたテーブルサイズのものが多くて、真美の参考になりにくいものばかりだった。
12
- 段々、残りページが少なくなってきたところで、ページをめくる真美の手が止まった。
13
- 2ページぶち抜きで載っていたのは、大都市を模した大きなジオラマの写真だった。
14
- 所狭しと並べられた建物と建物の間を高速道路と高架の線路とが貫き、そこを電車が走っている。
15
- そこには、「これぞ、大都会レイアウトの決定版!!」という見出しが踊っていた。
16
- 「このジオラマすごいな~、すごくよく出来てる。
17
- そういえば、『箱庭』のビル街は思ったより小さかったんだよね~。
18
- たぶんこのジオラマよりも小さいはず...」
19
- この前、「箱庭」のビル街を「巨人」として歩き回ったときのことを思い出す。
20
- この瞬間、それまでバラバラだったアイデアが一本の線で結んだように、きれいに繋がった。
21
- 「いいこと思いついちゃった♪」
22
- 真美の「街作り」計画の概要が決まった瞬間だった。
23
- 「司が帰ってくるまでに完成させて、びっくりさせてやるんだから。待ってなさいよ、司!」
24
- 一人勝手に挑戦状を叩きつける真美。
25
- 「単純明解なコンセプトだけど、私一人じゃできなさそうだし時間も足りなくなりそうだし…」
26
- 真美の計画を実行するには、絶対に協力者が必要だ。
27
- と言っても、こんなことを頼める候補者は一人しかいない。
28
- 真美は、奈央に「街作り」を手伝って欲しいという内容のメールを送った。
29
- 翌日の朝、奈央からの返信メールが届いていた。
30
- 真美の予想通り、奈央も「街作り」に参加したいとの事。
31
- ここまでの段取りは順調に来ている。
32
- 後は、この週末の間に「街作り」のより具体的なイメージを作り上げなければならないが、
33
- 司が持っている模型の都合もあるので、あまり詰めすぎることが出来なかった。
34
- 「まっ、いいか。そのあたりは作り始めてみないと分からない部分も多いしね」
35
- 結局、真美はそう思って自分を納得させたのだった。
36
- 朝食を食べ終えて、真美が自室に戻ろうとすると母親が
37
- 「今日、これから新宿に出掛けるけど一緒にくる?」と誘ってきた。
38
- 丁度、新しい服が欲しいと思っていたところだ。
39
- 付いて行って服を買って欲しいとねだったら、買ってもらえるかもしれない。
40
- 「なんか今日はラッキーな日かも」と真美は上機嫌だった。
41
- 「司は、自分のいない間に『街作り』の計画を考えておけばいいって言ってたけど...
42
- もう週末の間に完璧に出来ちゃったんだよね~」
43
- なにやら不敵な笑みを浮かべる一人の少女がいた。
44
- 今日は週が変わって月曜日の午後。
45
- また真美は「箱庭」の中にいた。
46
- 自分に与えられた土地を見下ろす真美。
47
- まだ今は、何もないけど金曜日にはこの場所に立派な街が出来上がってる…はず。
48
- 金曜日までに街全体が出来上がるかどうかは分からないけど、
49
- それでも司を驚かしてやろうと真美はとにかく頑張ってみようという気になった。
50
- 「真美さんの希望は、ここを高層ビルがひしめく大都会にしたいっていうことですか?」
51
- 「うん、そうだよ。司が作った『箱庭』の入り口近くにある街より、ずっと大きな街にしてやるんだから」
52
- 真美がやけに力強く宣言した。
53
- 明らかに司をライバル視していた。
54
- 「『街作り』をする上で、コレだけは絶対外せないとか、そん���感じの具体的な計画はあります?」
55
- 「まずね、絶対私の領土内の電車は全て高架の複々線にする!コレだけは譲らないんだから!」
56
- どこで「複々線」などという言葉を知ったのかは不明だが、
57
- 真美のわけのわからぬ気迫に押されてしまう奈央。
58
- 「あの真美さん、何でそんなに複々線にこだわるんですか?」
59
- 気迫の原因が気になったので、その原因聞いてみた。
60
- 「複々線って、なんだか大都会っぽいでしょ?
61
- ほら山手線が走ってるあたりなんかそうでしょ?
62
- あんまり詳しくは知らないんだけど」
63
- 予想通りあんまり大した理由じゃなかった。
64
- 「あっ、でも『箱庭』の中で、複々線になってる箇所はほとんどないので、
65
- これはお兄ちゃんを驚かせるにはいいアイデアだと思いますよ」
66
- 「でしょ、でしょ?」
67
- 「他に決めてることはありますか?」
68
- 「あと、ビルの高さは、私の身長よりも低くする!」etc...
69
- 真美の希望は妙なものばかりだったが、実現不可能ではなかった。
70
- 「じゃ、まずは何から始めます?
71
- 今は、線路と『巨人用歩道』しかないですけど、ここに高架の複々線を作るのなら、
72
- 一旦今敷いてある線路を片付けないとダメですね」
73
- 「奈央ちゃん、線路とかその他の模型って全部、司の部屋にあるんだよね?」
74
- 「確かに、大体の模型はお兄ちゃんの部屋にありますよ。
75
- あっ、でも、線路とか駅舎の模型とかは作業しやすいように、全部まとめてダンボールに入れて、
76
- お兄ちゃん専用駅に停めてある貨車に積んであったと思います。
77
- 時間は掛かるけど、作業する度に一々重いダンボールを持ち運びするよりは、楽チンだとかで」
78
- 真美と司が大喧嘩したあの日もそう司は言っていた。
79
- 模型の街をよりリアルに作り上げるためには、駅舎やその他の建物だけでなく、車や街路樹などの小道具も必要になる。
80
- こういう小道具をバラバラで管理していると紛失や破損しやすいので、
81
- それぞれ袋に小分けして入れたものをダンボールに詰めて、司は貨車に載せておいたのだった。
82
- 「ということは、『街作り』に必要な材料をここまで運んでくるには、電車で運ぶ方がいいんだね?」
83
- 「そうですね」
84
- ついでに司の部屋から運んできた資材を、どばーっと並べておくことが出来る広い場所が真美は欲しくなった。
85
- これからの作業のことを考えて、この希望も奈央に話してみた。
86
- 「それなら、この線路を手前で大きく曲げて一時的に広い場所を作るのがベストだと思います」
87
- 他にいいアイデアが思い浮かばなかったので、結局、奈央のこの提案を実行することにした。
88
- まず、二人は必要のない線路を次々と引き剥がしていった。
89
- -箱庭新聞 地域面より 新都心建設に伴う鉄道の複々線高架化事業に反対する市民団体代表のインタビュー-
90
- 今、この街に二人の「巨人」の少女がやってきて、線路を引き剥がし、駅を持ち去っている。
91
- 何故、彼女達はこんなことをしているのだろうか?
92
- どうも背が低い方の少女(といっても、身長は225メートル!!)が新しくこの地域の支配者となったようで、
93
- 彼女はこの辺りを再開発して新都心を建設するという。
94
- 新都心を建設するにあたって、彼女はここを走る鉄道の複々線高架化をしたいみたいで、
95
- 今ある線路を撤去してるのはそのためだ。
96
- 複々線高架化によって、新都心に通じる鉄道の輸送能力の向上が見込める。だが、ちょっと待ってほしい。
97
- 事前に、何の説明もなく数日間線路を撤去して、
98
- 鉄道の運行をストップさせるという暴挙はいくら彼女が「巨人」で、
99
- なおかつこの街の「支配者」であっても許されるものではない。
100
- 我々は、彼女達の行為に断固として反対す(ry
101
- ブチッ...
102
- (編集部からのお知らせ)
103
- 市民団体代表の方がインタビュー中に踏み潰されたようなので、
104
- インタビューはここで終わりです。ご了承下さい。
105
- 新都心を建設する予定の「巨人」の黒川真美さんのインタビュー;
106
- この街は私のものなの!!この街をどうしたって私の勝手!
107
- 私に逆らう「小人」は踏み潰してやるんだからねっ!(既に実行済み)
108
- 冗談はさておき。
109
- 線路の撤去作業は反対派住民の妨害?もなかったせいか、順調に進んでいた。
110
- 引き剥がした線路の一部を流用して、臨時の資材置場と本線を結ぶ路線を作り上げた。
111
- 余った線路と申し訳程度に設置されていた駅を回収して、資材置場に置いた。
112
- これで、準備の段階の準備が完了した。
113
- 次は、新都心建設に必要な大量の資材-要するに模型の建物とか高架橋セットとか-を
114
- 司の部屋から運んでこなければならない。
115
- なので、二人はひとまず「箱庭」から出て、二階に上がっていった。
116
- 司の部屋に入り、ベッドの横にある「司専用駅」を真美が真上から覗く。
117
- 駅には、貨物列車が二編成停車していた。
118
- 手前の方に停車中の貨物列車を見たところ、
119
- 何も積まれていないことからして、奥の方が工事専用列車だろう。
120
- 案の定、奥の方の貨車には極小サイズの模型の建物が積まれている。
121
- 「奈央ちゃん~、こっちでいいんだよね?」
122
- 真美に呼ばれて、奈央も顔を近づけて覗き込む。
123
- 「そうですね、必要なものはここに大体揃ってるはずなのですぐにでも出発できます。また足りないものがあれば、後で取りに帰ればいいと思います」
124
- 「じゃ、行こっか…って、大事なこと忘れてた」
125
- と言って、真美はポケットから何かを取り出した。
126
- 真美が取り出したのは、この間、司が貸出しという形で
127
- 真美にプレゼントしたあの模型の電車だった。
128
- 停車中の貨物列車の先頭の機関車を貨車から切り離して、
129
- 指先で軽く摘んで持ち上げて隣の線路に移し替えた。
130
- 代わりに自分の電車を線路に乗せて、貨車と連結させた。
131
- 「せっかく、司から自分専用の車両をもらったことだし、運転してあげないとね♪」
132
- あれからあっという間に数時間が経過して、時計はもう5時をまわっていた。
133
- 「ふぅ~、やっと終わったね~」
134
- 作業が一段落ついて、腕を伸ばしてリラックスする真美。
135
- 「そうですね、一段落つきましたね」
136
- 二人の目の前には4メートルに渡って、高架複々線が見事な具合に出来上がっていた。
137
- その途中には立派な駅舎を持った駅も設置した。
138
- 真美は、それを感慨深げに眺めていた。
139
- 「後は、よりリアリティーを出すために線路に架線柱を立てたり、駅の周辺を整備したりするともっといいですよ」
140
- 「そうだね。今のままだと駅前に何もない状態だから寂しい感じがするね。
141
- 今日のところは、これくらいで切り上げて明日また続きをしよっか?」
142
- その日はこれで作業を切り上げた。
143
- 結局、それから数日間毎日、真美は「箱庭」に通い詰めることになった。
144
- 作業は順調に進んで、真美の「街」が完成を完成させることが出来た。
145
- 後は、司にこの出来ばえを見せて驚かせるだけとなった。
146
- 「ついに、ついに私の『街』が完成したんだ~♪」
147
- 街の中心部にある駅を跨ぐ形で、真美は完成したばかりの自分の「街」を改めて見下ろしていた。
148
- 多数の高層ビルが林立するなかで真美の身長を超える高さのビルはなかった。
149
- これはこの街の「支配者」の「わがまま」...ではなく「要望」だった。
150
- 全体としては多少の予定変更はあったものの、ほぼ「街作り」は真美の希望通りになった。
151
- そこから少し離れたところから奈央もまた「街」を見下ろしていた。
152
- 「なんだか私も予想以上の出来ばえにちょっと見惚れてしまいます」
153
- 「これも、奈央ちゃんがずっと手伝ってくれたからだよ~ありがとうね♪」
154
- と、真美は奈央にぎゅっと飛びつき抱きついた。
155
- 「わっ。ちょ、ちょっと真美さん、何してるんですか、あっ危ないですよ」
156
- 「私達女の子同士だから、そんな怖がらなくてもいいじゃない♪」
157
- 「そ、そういうことじゃなくて、不用意に足が当たって建物とか壊れちゃうかもしれないんです。
158
- またお兄ちゃんが怒っちゃうかもしれないんですよ~」
159
- 奈央の指摘どおり真美の足が道路上に置いてあった車に軽く触れ、車は吹っ飛ばされていった。
160
- 「あははごめん、ごめん。つい、こう、うっかりと...思わず抱きつきたくなったというか...
161
- にしても奈央ちゃんは羨ましいな~。
162
- こんなモデルさんみたいに足が長くて背も高くて~おまけに顔もカワイイんだから。
163
- 私も女の子に生まれてきた以上は、奈央ちゃんみたいな子に憧れちゃうな~」
164
- 「そう言われるとうれしいのはうれしいです...
165
- ただ...あのこんなこと聞くのはどうかなって思うんですけど、
166
- 私は胸が全然なくて、これから先ずっとこのままの大きさだったらショックです。
167
- 前に、ここで海水浴��した時に真美さんの胸をみてからずっと思ってたんですけど...
168
- 真美さんの胸って結構おっきい方ですよね?
169
- どうしたらその...胸って大きくなるんですか?」
170
- 「奈央ちゃんからして、そんなに私の胸っておっきいのかな?」
171
- 奈央は首を縦に二度振ってから、
172
- 「少なくともCカップはあるんじゃないかと思ってます。
173
- その...私はまだ...Aなんで...」と声を潜めて言った。
174
- 「奈央ちゃんはまだ14だよね?それならまだ発展途上だから、そんなに心配しなくてもだいじょーぶ。
175
- 私もね、14過ぎてから段々と成長してきたわけだし...
176
- こんなことで落ち込んでたらせっかくの奈央ちゃんのイイトコロが台無しになっちゃうよ」
177
- 「ですよねー、この前学校に行ったら男子達が『やっぱりおっぱいはでかくないと意味ねーよ』とか
178
- 言ってたんですけど気にしない方がいいんですね?」
179
- 「そういう男子の馬鹿な話は気にしないのが一番。
180
- 勝手に言わせておけばいいのよ
181
- 私も昔、同じようなこと言われた経験があるからわかるよ」
182
- にっこり微笑んで真美は奈央を励ました。
183
- 「真美さんの言葉を聞いて安心しました...
184
- あと、もう一つお願いしたいことがあるんですけど?」
185
- 「いいよ、言って言って」
186
- 「えっっと、真美さんのことこれから『お姉ちゃん』って呼んでもいいですか?
187
- あのずっと敬語で話すの疲れて...
188
- もう少し距離を縮めてみたいなぁなんて思ってたりしてたんですけど...?
189
- あと私、『お姉ちゃん』って気軽に呼べる人がいたらいいなぁって思ってて...」
190
- 「『お姉ちゃん』かぁ...
191
- 奈央ちゃんがそう呼びたいのなら呼んでいいよ。
192
- 私もなんだか堅苦しい呼び方はあまり好きじゃないしね」
193
- 「あ、ありがとうございます」
194
- 「まだ堅苦しさが残ってるよ、奈央ちゃん
195
- 私のこと『お姉ちゃん』って呼ぶんだから司と話すときと同じようにしていいよ」
196
- 「はい..じゃなくて、うん、お姉ちゃん」
197
- 奈央はなんとか敬語から親しい口調に変えようとして悪戦苦闘していた。
198
- 「そうそう、いい感じいい感じ。あとは慣れることだね。
199
- あっそうだ、せっかく『街』が完成したんだから記念に写真を撮ろうよ」
200
- 「じゃ、カメラを取ってくるね」
201
- と奈央はなれないタメ口で真美に告げて「箱庭」の入り口へと向かっていった。
202
- 「お姉ちゃん」か...
203
- なんだかそう呼ばれるなんて照れそうになると真美は思っていた。
204
- 「妹」の方が20cmも背が高い「姉妹」か...
205
- そのことを思い出すとすこし複雑な気持ちにはなったが、
206
- それでも奈央が「お姉ちゃん」と親しみを込めて呼んでくれるようになることは、
207
- 真美にとってもうれしいことだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Done 2024-02-23/[ICECAT] 箱庭シリーズ 7 [that123] CN.txt DELETED
@@ -1,318 +0,0 @@
1
- 奈央和真美完成「箱庭」「都市」的那个晚上,
2
- 司从五日四夜的独自旅行回来。
3
- 「欢迎回来,哥哥」
4
- 穿着睡衣的奈央迎接回来的司。
5
- 「嗯,奈央?我回来了。
6
- 啊~~超累的。要去洗澡。
7
- 比起晚饭,先去洗澡吧。总之还是先洗澡ー」
8
- 「妈妈和我都已经洗过了,去洗澡吧,没关系的。
9
- 但是,在此之前,先把积存的衣物放入洗衣机,
10
- 行李带上去二楼。」
11
- 「哦。这样一想,奈央也变得像妈妈一样唠叨了…」
12
- 司在一旁抱怨道,
13
- 「你看,哥哥,快点啊」奈央催捉司。
14
- 「是是是~~」
15
- 司照奈央所说的那样,向走廊前进,走到放有洗衣机的卫生间。
16
- 「呼~用不着哥哥被知道了?」奈央吐叹息道。
17
- 刚才都是为了不让司进入「箱庭」,
18
- 所以赶快引导他去洗澡。
19
- 如果司不等到明天进入「箱庭」看到的话,趣味减半。
20
- 今天都已经这样,应该无法去「箱庭」了吧。
21
- 嘛,回来当天累成这样,哥哥也很难想到刚刚的事是怎样。
22
- 司进去洗澡几分钟之后,奈央又踏进「箱庭」。
23
- 再一次用自己的眼睛去看一下和真美两人合作创建起来的「都市」。
24
- 奈央也对这次的结果有点自信。
25
- 这样的话,司一定也会表扬我吧。
26
- 连奈央膝盖的高度也都比不上的模型建筑物,
27
- 一个挨着一个在「巨人专用步道」旁边,奈央在中间慢慢走。
28
- 到现已经是第几次踏上「箱庭」成为「巨人」,
29
- 在这小小的世界阔步的呢,奈央自己也不知道。
30
- 成为「巨人」俯瞰小小的世界,
31
- 她高兴的感觉一下子就会在胸口高涨起来,不管是从前还是现在都一样。
32
- 奈央突然想到了自己是什么时候开始对成为「巨人」有高兴的感觉。
33
- *
34
- 懂事时开始,奈央就很喜爱「不思议之国的爱丽丝」和「格列佛旅行纪」这类的海外童话书,小孩子的自己深深地被吸引了。
35
- 幼的孩子第一次接触这些著名的海外童话会有兴趣是很普通的事吧。
36
- 只是,奈央和其他的孩子稍微不同。
37
- 有一天,父母问「奈央长大了想做什么吗?
38
- 花店?还是,点心店?」
39
- 询问奈央将来的梦想。
40
- 「如果可以变大的话~~
41
- 我想要去小人先生的国家~」
42
- 带着天使一样可爱的笑容回答。
43
- 一开始,父母以为奈央把「如果长大」的部分听成「如果变大」,
44
- 就是直接转成「巨大化的」的意思,
45
- 所以又重新改成用「成为大人」去奈央。
46
- 尽管如此,奈央的答案还是和之前一样。
47
- 对于奈央将来的梦想有点困惑的父母改变提问的方式,再次问奈央。
48
- 「啊,那个啊。格列佛先生也去了小人先生的国家,
49
- 格列佛先生也有到了有很多非常可怕的巨人的地方啊?
50
- 这么可怕的地方,奈央也想去吗?」
51
- 「不,不对!只有小人先生的国家,其他的都不想去!!!」
52
- 父母是终于领悟到奈央的真实愿望是成为「巨人」。
53
- 当然在现实世界格列佛去的「小人国」应该不会有,
54
- 父母想到根本没有可以让奈央成为格列佛般的「巨人」的地方。
55
- 当然,也考虑到年幼的奈央对理解那件事有点困难。
56
- 父母不想要破坏年幼女儿的梦,
57
- 最后,又想到别人会不会觉得女儿是一个奇怪的孩子,
58
- 决定灌进一点谎言。
59
- 「奈央,那个在其他孩子面前说要成为『格列佛』一样是不行的呀」
60
- 「哎,为什么为什么?为什么不可以说?」
61
- 「其实呀,大家也和奈央一样想去『小人先生的国家』。
62
- 但是能够去孩子是有限的,大家都想去了,
63
- 奈央不就是去不成了吗?
64
- 所以在大家面前保持沉默的比较好。
65
- 奈央乖乖的话,就可以像格列佛去小人的国家哟」父母欺骗说。
66
- 虽然不知道她懂不懂父母说的事,
67
- 奈央也就坦率地回答「嗯」。
68
- 其实,父母对这件事也没有很担心。
69
- 同年的男孩也有「如果变得大,想成为奥特曼」
70
- 这样对未来梦想的想法。
71
- 只是方向性有点不同,再加上奈央是女孩子,
72
- 结很得出奈央会这样想最多也就只是到小学低年级这样的结论。
73
- 几年之后奈央也会成长,明白到这个世界,
74
- 也许能找到和其他的女孩子一样的梦想。
75
- 嘛,说白了就是让时间来解决,乐观地等待,据说奈央的父母也是因此给出这样的回答。
76
- 奈央那时候的记忆是已经很模糊了,
77
- 详细的情形也是从父母听到的。
78
- 之后,奈央进入小学就立刻知道了『东武世界广场』的存在,
79
- 马上就撒起娇来要去,那年的黄金周就带着她去游玩…
80
- 在园内兴奋地走动,玩累了在回家的车上,想起了一直睡到自然醒。
81
- 那次之后,爸爸就在这个地下室开始制作「箱庭」…
82
- 这个小世界一点一点地继续扩大。
83
- 结果,奈央「如果变得大」想���的
84
- 「小人国家」就在自己的家的地下室,变成什么时候喜欢都能去,
85
- 成为非常接近的存在。
86
- 无论怎么说「箱庭」可是从专用海滨浴场到徒步旅行路线,
87
- 一次汇集了所有简单的户外活动。
88
- 对工作很忙的父亲来说,有「箱庭」对家族来说也确实会变得方便。
89
- 就这样「箱庭」完全融入了中条家的生活。
90
- 试着回顾到现在的话,每一次到「庭箱」还是很开心,
91
- 奈央感到自己还是小孩子一般。
92
- 从亲戚和周围的大人们来看,
93
- 「奈央比起真实年龄看上去更有大人味」
94
- 常常被这样说,不过自己没这样认为,他们能看见仅仅只是身高和外表看上去有大人味而已。
95
- 心理年龄,和实际年龄都没有变。
96
- 到达要再一次要检查的「街」,没有什么异常。
97
- 明天好不容易要一次过披露,想要以万全的状态逞现。
98
- 虽说是对方是司,所以到那里不会太在意的,不过.....
99
- 只要从表面瞥一下,没有异常就可以了。
100
- 没有特别问题,只是检查一下,决定返回自己的房间先睡。
101
- 好歹最近好像比较疲劳,从刚才开始就忽然被睡魔袭击。
102
- 「哈~总觉得忽然变得发困...快点去睡吧」奈央一边打哈欠一边上楼梯。
103
- *
104
- 第二天,司过了上午9点还是在呼呼大睡。
105
- 奈央到司的房间把他叫起来。
106
- 「哥哥,已经9点了哟~早点起床,起床~」
107
- 「不,奈央?啊,我已经9点多了吗?」
108
- 司一边打哈欠,一边坐起身体。
109
- 「早饭已经做好,快吃吧,这是妈妈说的啊」
110
- 「是吗,Thank you。那么,到一楼去」
111
- 「还有,真美姐姐,过一会过来『庭箱』玩,刚刚我的手机收到短信了」
112
- 听到这个,司慌忙一跃而起,确认自己的手机。
113
- 果然,司的手机也有收到真美同样内容的邮件。
114
- 「糟糕,我回来的第二天,立刻过来拿伴手礼……」
115
- 「还有期待哥哥回来的吧。两个人关系很好啊~。
116
- 你看你看,再不准备姐姐就要来哦~♪」
117
- 「这样的事情,哇—啊」
118
- 司乱跳乱闹地下楼梯了。
119
- 「诶~有这种哥哥只会徙增妹妹的辛劳啊」
120
- 奈央又吐出了小小的叹息。
121
- 司换好衣服,又匆匆收拾房间,马上真美约定的时间到了。
122
- 然后,到了约定的时间就像安排好似的,门铃响起来。
123
- 玄关的门一打开,「好久不见,还精神吗?」真美笑容明亮地说话。
124
- 「健康与否暂且不论,到昨天为止的独自旅行使我很疲劳。」
125
- 「这样啊~,这次的礼物是什么呢?」
126
- 「那个,在这样的情况下,一般是先问『去了哪里?』的吗??」
127
- 「不是啦~不用听,只要看伴手礼也大致明白去了什么地方。」
128
- 「是吗,是吗?嘛,这样在门口站着闲谈什么的,先进去家吧」
129
- 「那么,打扰了。」
130
- 司先上了楼梯,真美也准备跟着上去,
131
- 在客厅走廊的深处,看到奈央招手。
132
- 「呐,奈央,还没给司知道吧?」
133
- 「嗯,哥哥回来后,还一次也没有进去『庭箱』…」
134
- 「那么,就照刚才发的邮件的实行吧,不过,没有问题吗?」
135
- 「嗯,哥哥是笨蛋,我想只有这个是,但这个也没办法。」
136
- 「那么,斟酌有点破绽吧。」
137
- 「有破绽哟?」
138
- 「没关系,没关系的♪」
139
- 「那斟酌好时机行事吧。」
140
- 「嗯,拜托了」
141
- 真美急忙上去二楼。
142
- *
143
- 「那么,这就是伴手礼,广岛名产红叶馒头!忌廉味和巧克力味道也有一些的。」
144
- 「谢谢你哦~♪」
145
- 「真美的话,和当地的记念挂件比,
146
- 还是认为食物比较好吧…」
147
- 「嗯,比起奇怪的商品,红叶馒头会更喜欢(笑)」
148
- 「是这样啊,那真是太好了。但是,馒头吃太多要当心哟。
149
- 体重增加也完全不是我的错。是所谓的自我责任哦。」
150
- 「啊,是怎样。女生最在意的事就这样直截了当说出来…但反应迟钝也有反应迟钝的好,因为你先在这里等一下~」
151
- 「所以,要当心了……」
152
- 奈央突然进入到房间。
153
- 奈央一进来就说「哥哥,对不起」接下来的瞬间,
154
- 「缩小机」对准司和真美方向按下开关。
155
- 于是,在床上坐着的两个人就缩小到150分之一的大小了。
156
- 奈央虽然有事先道歉了,但很自然地,
157
- 司突然叫出「喂—,奈央!突然,你干什么啊」和被激怒了。
158
- 「是的是的,停下来停下来。在这里,要揭开秘密哦~♪」
159
- 一起变小的真美把他按下来。
160
- 「什么?揭开秘密?」
161
- 司有点不懂得,而不知所措。
162
- 「实际上,司啊,你会想看到的东西」
163
- 「特意小了,是在『庭箱』当中的吗?」
164
- 「呵呵~,是啊♪ 如果正常地进去『庭箱』的话不是很无聊吗?」
165
- 「但是,也不需要突然什么也没说明吧?」
166
- 「莫非是为了这样而生气?」
167
- 「没有什么特别的…���以前开始就被奈央突然缩小,都习惯了….嘛,虽然…」
168
- 「是吗,如果完全没有问题。
169
- 那么,奈央,把我和司搬到『司专用站』吧。」
170
- 之后真美往上仰望,召唤了「巨大妹:奈央」。
171
- 果然比起哥哥的司,真美和奈央更好,好像被驯服似的。
172
- 彼此都女孩所以各种方便吗,司一直想着。
173
- 奈央那庞大的身躯接近两人,他们因为空气被压制而产生的强风狂吹。
174
- 每次发生这种事,都要被迫体会到自己的渺小。
175
- 而且笨蛋奈央巨大的手必须手脚并用攀登上去。
176
- 就更加体会到自己的渺小了。
177
- 两个人马上爬上去,奈央的手慢慢地开始动,运送两人到『司专用站』。
178
- 停止动作的时候,从奈央的手跳到了站台。
179
- 「从这里到『庭箱』为止,都要坐电车去啊?」
180
- 「是啊,不愧是司。很明白嘛」
181
- 「特意和奈央合伙,向我发出奇袭攻击,
182
- 准备了让我很期待的东西吧?」
183
- 「嘛。大概,能回应到司的期待…」
184
- 「真美也这样说的话,我也很期待了。快点走吧!」
185
- 两个人进到停在站旁的列车。
186
- 司坐上驾驶席,制动解除,火车起动。
187
- 出发之后,马上进入隧道,不一会,向漆黑的下坡路隧道跑去。
188
- 「刚才说了想要展示什么东西吧?
189
- 我非常讨厌如此焦急,快告诉我」
190
- 「那么,想早点知道吗~?」
191
- 真美故意触动司的神经说,
192
- 反过来被司和盯上。
193
- 「哇,知道啦。我会跟你讲,不要那样的盯着我啊」
194
- 呼—吸了一口大气之后,真美继续说。
195
- 「啊,那个呀,从司得到的地方,我的『街』完成了…」
196
- 「啊,完成了,只用了我去旅行的五天时间!?喂喂,真的吗?那…」
197
- 「看了司借给我的铁路模型书,一转眼灵感涌现…凭着那个气势完成了♪
198
- 尽管如此,奈央也有一直帮我,所以才这么快完成了啊…
199
- 但是老实说,吓了一跳吧?」
200
- 「吓了一跳。
201
- 真美,我打算旅行回来之后你有什么不明白的地方商量,再预计开始制作,不过…
202
- 怎么说,完成了…是意料之外。
203
- 姑且先听一下,是不是放了和『庭箱』不相符的东西了吧?
204
- 例如奇怪的纪念像随意放在街上…」
205
- 「嗯,这样的事没有做哦。
206
- 使用了模型书作为参考,所以我认为没有奇怪的感觉」
207
- 「那么,作出的成绩的自信程度是?」
208
- 「自信的程度?这个又不是学校的考试…
209
- 也不能够清楚地说明白。
210
- 但是,我和奈央两人也很满意,
211
- 我想得到司也一定会喜欢…」
212
- 「这样的话,没问题的了」
213
- 在行进方向有一点小亮光先行显现了。
214
- 终于到达长长的隧道的出口。
215
- 虽说如此,给真美的地方还要在街上走,越过海岸线的前方,所以到达目的地还需要一点时间。
216
- 在此期间,司说了在旅行中遇到了奇怪老奶奶的故事,反而真美说了和奈央一起玩的事。
217
- 列车渐渐向目的地前进。
218
- 穿过隧道走过「海水浴」海岸附近,马上再次进入隧道。
219
- 在穿过第二个隧道的话,应该是没有什么大楼耸立的地方。
220
- 是相当大的...200米富余空地。
221
- 「喂喂,那个是什么...」
222
- 「是我的『街』的一部分。但是,到达那里之后再详细说明!」
223
- *
224
- 实际上,司到站之后,走到街上发现了连续的惊喜。
225
- 本来什么也没有的地方只用5天就建成了,
226
- 完成度高的难以想像。
227
- 站前漂亮地整备ーー。
228
- 两侧种植了高高大树的大街。
229
- 然后,街上都是20层以上的大楼。而且不仅仅只有一幢。
230
- 除了没有在活动的人和车以外,有一种不知道去了哪里的大都市的错觉。
231
- 「就是呢,从刚才开始司在意的那个大楼是这条街道的象征。」
232
- 这样说,真美在一个挨着一个的大楼大街中,用手指指着压倒性的高耸大楼。
233
- 在到达这里前,从电车上就已经看到了那个大楼了。
234
- 「确实,那幢绝对是最高的大楼。从很远也可以看见。
235
- 在附近看的话更厉害。是这条街道的象征吗…原来如此」
236
- 「那幢是新买来组装的哟,是奈央和两个人的钱合资。
237
- 钱包稍微受伤了(笑。
238
- 对了,顺便说一下,那塔楼的高度稍微低过真正的我的身高啊,要说为什么….」
239
- 「总之就是真美身高要比这个城市的建筑物高,来这里的话也会有『巨人』的优越感…」
240
- 「啊~,比我先说出来,好过分。很不容易想要在司面前前夸…」
241
- 「真可惜啊。」
242
- 先不说以车站为中心,整备的街道和所有这些,是怎样做了,又是怎样顺利完成,
243
- 总之,奈央和真美的两人的手,建成了这个街道。
244
- 司从心底对这个结果坦率地感到佩服了。
245
- 要向这个「街」挑毛病很困难。
246
- 「交给真美这样的工作很适合啊~
247
- 我除了铁路以外的构造物的排列都很笨拙,不太擅长,也有直截了当��工减料的地方。
248
- 也有不合适的方向。
249
- 当然了,真美这里用了5天的布局简直是美谈啊。
250
- 最近,光是在自己制作的线路上跑,都没有新鲜的味道,有点乏味。
251
- 嘛,所谓的有点『老套』了,偶尔,想看看外部的风格进入到『庭箱』。
252
- 总之很美味的说,真是太好了」
253
- 司连声点头称是。
254
- 「但是那么每天都来这里不麻烦吗?」
255
- 「包括今天在内连续六天特意来这的人到底在说什么呀?…
256
- 真美每天来这里的也没有觉得麻烦吧,
257
- 『庭箱』就家中,要来的话只要从玄关就可以轻松进来了吧?
258
- 是会遭受我妈妈烦扰那样的事,我不太在乎,所以也没事。
259
- 还有,这有在这里说哦。
260
- 上次,我的表姐来我家,没有缩小进来『庭箱』,
261
- 用巨大的脚把铁路堵住,用巨大的脚把车踢开,衣服的下摆剐到大楼。
262
- 在模型的大楼密集的地区跌倒。
263
- 表姐摔倒的时候,我是『小人』的姿态在稍微离开的地方哦,不过,脚底一直摇曳着。
264
- 地震强度有3或4左右。而且声音也相当厉害了。那样的轰~的轰鸣声我也只有听到2次而已」
265
- 「2次,以前也发生过这样的事吗?」
266
- 「以前,奈央有发生过同样的事。那时,也是不可抗力。没有办法。
267
- 但是,人摔倒的瞬间是能看见的慢动作,很有趣啊」
268
- 「哎~,确实这样的一瞬间没有看过」
269
- 「然后,结果表姐摔倒的周边,就像是大怪兽肆虐过的痕迹一样的状况。
270
- 或者说,那家伙实际上就是巨大怪兽一样的东西」
271
- 「对年长的姐姐用这种说法可以吗?」
272
- 「只是自己说年长一点而已,就把我狠狠地捉弄我的人,所以这样说也不要紧。
273
- 刚才也说了,之后收拾或者说重建『庭箱』的工作很辛苦啊。
274
- 明白的吧?那个辛苦。只有有经验的才懂啊。
275
- 夏姐呃…不,和表姐来一次的麻烦相比,
276
- 真美每天都来的麻烦根本微乎其微,所以,嗯……
277
- 混杂了我的牢骚,不好意思,不过,这个是真话。」
278
- 「司也很辛苦啊,哈哈」
279
- 真美苦笑道。
280
- 「这样现在笑着的真美在『巨人』的状态下跌倒的话,同样也会酿成大事故,不是吗?」
281
- 「嗯~那样的事不要说嘛~好好地明白呀~」
282
- 「那么,该做什么呢?这在之后」
283
- 「该做什么,哈哈哈」
284
- 两人之间漂浮一点点的沈黙。
285
- 「咦,这之后没什么特别的事,没有考虑过吗?」
286
- 「嗯,因为这几天只有集中完成『街』,之后的事什么的都没有想过…
287
- 啊,但是,好久没这种做到的感觉。
288
- 一段时间后,再进来『庭箱』好吗?我一直在这里的,有点厌倦了!
289
- 我啊,在『庭箱』当中,偶尔来的话就刚刚好的感觉。
290
- 我在这里的习惯和新鲜感有点淡薄的感觉了…
291
- 但是,又是过一周左右?那就又想来这里。」
292
- 「的确,我和奈央从小在『庭箱』当中都习惯了,
293
- 事到如今,这样已经变小变大中得感到新鲜感,
294
- 真美每次来这里不会享受着与平时的生活有什么不同的感觉吗?」
295
- 「啊~是啊,从我来看,这里是『主题公园』一样的东西…
296
- 很快乐,不过,每天都来就有点累。不过,还是会想再到这里。
297
- 变小央望大大的奈,反之,也想在小小模型的街中变成巨人从上往下看,试着是什么感觉,
298
- 和度过『非日常』的经历时快乐有点相似。」
299
- 「如果今天之后没事,好不容易来了,至少到一直到中午吧,和奈央一起去我的房间玩好吗?
300
- 出门外面是也是很厌烦很热。因此,在挂了冷气机的室内过一天如何?」
301
- 「嗯,是的哟♪啊,那有连我也可以玩的游戏吗?」
302
- 「我的房间的壁橱里有软件之类…
303
- 但是,确实有一些聚会用游戏。如果这样的话没问题吧?」
304
- 「嗯,那样的游戏我也可以」
305
- 「那么,回家吧。回我的房间。到车站吧!」
306
- 「啊,等一下,司。
307
- 我安排了奈央酱来接我,这样先不动,不然很危险吧…」
308
- 「是哦,被妹妹无意识踩死不是太好啊。
309
- 说起来,刚才奈央叫你『真美姐姐』,这五天有什么事吗?」
310
- 「咦,迟钝的司也发现了变化,不错啊」
311
- 「只有两个人的关系前进就不得不怀疑的」
312
- 「不要,这是女孩们共同秘密」
313
- 「被这样说的话,就不知道要怎样回应了…」
314
- 轰轰的声音大大响起,地面震动起来。
315
- 「看来…」
316
- 「按照约定,奈央酱来了啊!」
317
- 每次巨大的奈央登场时的熟识前兆。
318
- 就这样,暑假期间的漫长而短暂的期间,三人的关系发生迅速的变化。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Done 2024-02-23/[ICECAT] 箱庭シリーズ 7 [that123] JP.txt DELETED
@@ -1,318 +0,0 @@
1
- 奈央と真美が「箱庭」の「街作り」を完成させた日の夜遅くに、
2
- 司は、四泊五日の一人旅から帰ってきた。
3
- 「おかえり~、お兄ちゃん」
4
- パジャマ姿で奈央は、帰ってきた司を出迎えた。
5
- 「ん、奈央か。ただいま~。
6
- あ~~、めっちゃくちゃ疲れた。风吕だ。
7
- 晩メシよりもまず、风吕。とにかく风吕に入りてー」
8
- 「もうお母さんも私もお风吕に入ったから、お风吕は大丈夫だよ。
9
- でも、その前に、溜まった洗濯物を洗濯机に入れて、
10
- 残りの荷物を二阶に持って上がっていってね」
11
- 「あいよ。ったくー、奈央も母さんみたいに口やかましくなったな...」
12
- 司がボヤいているそばから、
13
- 「ほらほら、お兄ちゃん、早く来てよー」と奈央が急かしている。
14
- 「はいはいはい~~」
15
- 司は、奈央に言われるがまま洗濯机が置いてある洗面所へと廊下を进んでいった。
16
- 「ふぅ~、これでお兄ちゃんに知られずにすんだかな?」と奈央は、溜め息を吐いていた。
17
- とりあえずさっきは、司が「箱庭」に入ってくることを阻止するために、
18
- さっさと、风吕に入るように诱导したのだ。
19
- 明日を待たずに、司が「箱庭」に入って中を见てしまったらおもしろみが半减する。
20
- もうこれで今日のところは、「箱庭」に行くことはないだろう。
21
- まぁ、へとへとに疲れて帰ってきた日に、わざわざ行くとは元々考えにくかったのが。
22
- 司を风吕に押し込んでから数分后、奈央は「箱庭」に足を踏み入れていた。
23
- 真美と二人で协力して作り上げた「街」をもう一度、自分の目で见てみたくなったのだ。
24
- 奈央も今回の出来ばえには、少し自信を持っていた。
25
- これならきっと、司も褒めてくれるだろう。
26
- 奈央の膝下にも及ばないほどの小さな模型の建物が、
27
- ひしめき合う中にある「巨人用歩道」をのっしのっしと歩いていく。
28
- 今まで何度、この「箱庭」に足を踏み入れて「巨人」となって、
29
- この小さな世界を阔歩したのかは、奈央自身でもわからない。
30
- 「巨人」になってこの小さな世界を见下ろす度に、
31
- 彼女の胸の辺りがキュンとなることは昔から変わらない。
32
- 奈央は、自分はいつ顷から「巨人」になるとうれしく感じるんだろうとふと思った。
33
- *
34
- 物心付いた时から、「不思议の国のアリス」や「ガリバー旅行纪」などの海外の童话がお気に入りの本で、子どもなりに深く兴味を持っていた、奈央。
35
- 最も、幼い子どもなら一度は触れるであろうこれらの著名な海外の童话に、一度くらい兴味を持つのは极々普通の话ではある。
36
- ただ、奈央は他の子とは少しだけ変わっていた。
37
- ある日、両亲が「奈央は、大きくなったら何になりたいのかな?
38
- お花屋さん?それとも、お菓子屋さん?」
39
- と奈央に将来の梦について闻いてみた。
40
- 「んとね~、なおはね~、おっきくなったらっね
41
- がりば~さんみたいにこびとさんのくににいきたいの~」
42
- と天使のようにかわいらしい笑颜でこのように答えたという。
43
- 初めのところ、両亲は奈央が「大きくなったら」の部分を「大人になったら」ではなくて、
44
- 文本通り「巨大化」 の意味で捉らえたのだと考えて、
45
- 改めて「大人になったら」と言叶を変えて奈央に质问してみた。
46
- それでも、奈央の答えは同じだった。
47
- 奈央の将来の梦に、少し困惑した両亲は质问の内容を変えて、再び奈央に闻いてみた。
48
- 「あ、あのね、なお。ガリバーさんは小人さんの国にも行ったけど、
49
- 他にも、ものすごく怖くて大きな巨人がいっぱいいるところにも、ガリバーさんは行ったんだよ?
50
- そんな怖いところにも、奈央は行きたいのかな?」
51
- 「ううん、いや!なおは、こびとさんのくににしかいきたくないの!!!」
52
- 奈央には、本当に「巨人」になりたいという愿望があることをようやく、両亲は悟った。
53
- もちろん现実の世界でガリバーが行った「小人の国」などあるはずがなく、
54
- 奈央がガリバーのような「巨人」になれる场所などないと両亲は思っていた。
55
- そして、そのことを理解するにはまだ幼い奈央には无理だとも考えた。
56
- ただ、両亲はまだ幼い娘の梦を壊すようなことはしたくないとも
57
- また、人様から娘があまりにも変な子だと思われたくないとも考えた末に、
58
- ちょっとした嘘を吹き込むことにした。
59
- 「奈央、あのね他の子のいる前で『ガリバー』みたいになりたいって言っちゃだめだよ」
60
- 「え~、なんでなんで?なんでいっちゃだめなの?」
61
- 「実はね、みんなもね奈央と同じように『小人さんの国』に行きたいと思ってるの。
62
- でも、行くことの出来る子は限られてて、みんなが行きたい行きたいって思うようになったら
63
- 奈央が行けなくなっちゃうでしょ?
64
- だからみんなには黙ってた方がいいの。
65
- お利口さんの奈央なら、ガリバーみたいにいつか小人の国にいけるよ」と言ってごまかした。
66
- すると、両亲の言っていることの意味を知ってか知らぬかはわからないものの、
67
- 奈央の方も「うん」と素直に返事をした。
68
- 実のところ、両亲はこのことをそこまで深く心配したわけではなかった。
69
- 同世代の男の子が「おおきくなったら、ウルトラマンになりたい」
70
- と将来の梦を语るのと同じような物だと考えたからだ。
71
- ただ、それとは少し方向性が违って、加えて奈央が女の子だということを踏まえても、
72
- 奈央がこんなことを言い出すのも、遅くても小学校低学年までだと结论づけた。
73
- 何年か経てば奈央だって、世の中を知って成长するだろうし、
74
- 他に女の子らしい将来の梦が见つかるかもしれないと。
75
- まぁ、端的に言えば时が解决するのを楽観的に待とうというのが、奈央の両亲が出した答えだった。
76
- 最も、この顷の记忆は奈央にしてみれば暧昧なもので、
77
- 详しいことは両亲から后になって闻かされたものだ。
78
- それから、奈央が小学校に入ってすぐにあの『新急グローバルペンタゴン』の存在を知ると
79
- すぐに行きたい行きたいと駄々をこねて、その年のゴールデンウイークに连れて行ってもらって...
80
- 园内で大はしゃぎして、游び疲れて帰りの车中は、ずっと寝っぱなしだったことまで自然と思い出されてきた。
81
- それから、お父さんがこの地下室に「箱庭」作りを始めて...
82
- 少しずつ、それでも着実にこの小さな世界は広がっていった。
83
- 结局、奈央が「大きくなったら」行きたいと思ってた
84
- 「小人の国」は自宅の地下にあっていつでも好きなときに行ける
85
- 近くてやっぱりどう考えてみても近い存在になったのだ。
86
- なにせ「箱庭」には、専用海水浴场からハイキングコースまで、
87
- 简単なアウトドア活动が出来そうな场所が一通り揃ってあるのである。
88
- 仕事が多忙な父亲にとっても、「箱庭」で家族サービスが出来る点は実に都合がよかった。
89
- こうして「箱庭」は中条家の生活にすっかり溶け込んでいった。
90
- 今までを振り返ってみると、毎回毎回「箱庭」にやってきて楽しいと思ってしまうあたり、
91
- 奈央は、まだまだ子供っぽいなと自分自身で感じる。
92
- 亲戚などの周りの大人たちからは、
93
- 「奈央ちゃんは年齢に比べて大人っぽく见えるね」
94
- などと、しばしば言われるが、そう见えるのはただ単に身长と外见が大人っぽく见えるだけだとしか自分では考えていない。
95
- 本当の精神年齢は、実际の年齢とそう変わらないはずだ。
96
- そんなこんなで目的地の「街」に到着して、何か异常がないかをチェックする。
97
- 明日、せっかくお披露目する以上は、一応、万全な状态でありたい。
98
- とは言っても相手は司なのでそこまで気にしすぎることはないのだが.....
99
- 上からチラッと见る限りは异常はなし。
100
- 特に问题はなさそうなので、点検はこのくらいにして、自分の部屋に戻って寝ることにした。
101
- どうやら最近の疲れが出てきたようで、さっきから急に睡魔が袭ってきているのだ。
102
- 「ふぁ~、なんだか急に眠くなってきちゃった...早く寝よっと」とあくびをしながら奈央は阶段を上がっていった。
103
- *
104
- 翌朝、司は午前9时を过ぎるまでグーグー大きないびきをかいてぐっすりと眠っていた。
105
- 司の部屋に、奈央が彼を起こしにやって来た。
106
- 「お兄ちゃん、もう9时过ぎちゃってるよ~早く起きて起きて~」
107
- 「ん、奈央か。ふぁああ、ってもう9时过ぎなのか」
108
- 大きなあくびをして、体を起こす司。
109
- 「朝ごはんは、もうできてるから早く食べちゃって、ってお母さんが言ってたよ」
110
- 「そうか、サンキュー。んじゃ、一阶に行ってくるな」
111
- 「それと真美お姉ちゃんがが、もうすぐしたら『箱庭』に游びに来るって、さっき私のケータイにメール着てたよ」
112
- これ��闻いて慌てて飞び起きた司は、自分のケータイを确认する。
113
- やはり、司のところにも真美から同じ内容のメールが着ていた。
114
- 「げっ、俺が帰ってきた翌日に、早速お土产をせびりに来るとは…」
115
- 「それだけ、お兄ちゃんが帰ってくるのを楽しみにしてたってことだよ。仲いいもんね~二人とも。
116
- ほらほら、早く支度しないとお姉ちゃんがやって来ちゃうよ~♪」
117
- 「んなこと、わっーてるって」
118
- 司は、ドタバタと阶段を降りていった。
119
- 「まったく~、手间が挂かる兄を持つと妹の苦労が増えちゃうんだから」
120
- 奈央はまた小さな溜め息を吐いた。
121
- 司が着替えたり、部屋を片付けたりと慌ただしくしてるうちにすぐに真美が来る约束の时间になった。
122
- そして、约束の时间になると図ったかのように呼び铃がなった。
123
- 玄関のドアを开けると「久しぶり~、元気してた?」と真美が明るい笑颜で话し挂けてきた。
124
- 「元気かどうかはさておき、昨日までの一人旅の疲れはもう取れたぜ」
125
- 「そっかぁ~、で、今回のお土产は何かな?」
126
- 「あのな~、こういう场合、普通は『どこに行ってきたの?』とかを闻くのが筋じゃないのか?」
127
- 「いいじゃない~、そんなことを闻かなくてもお土产で大体の场所はわかるんだし♪」
128
- 「そうですか、そうですか。まぁ、こんな玄関で立ち话しをするのも何だし、家に上がってくれ」
129
- 「それじゃ、お邪魔します~」
130
- 司が阶段を上がっていき、真美も后に続こうとしたところで、
131
- リビングに続く廊下の奥から奈央が手招きしているのを见つけた。
132
- 「ねぇ奈央ちゃん、まだ司にはバレてないよね?」
133
- 「うん、お兄ちゃんは家に帰ってきてからまだ一回も『箱庭』には入ってないはず...」
134
- 「なら、さっきメールした通りに実行するけど问题はないね?」
135
- 「うん、お兄ちゃんには悪いと思うけどこればかりは、仕方ないと思う」
136
- 「じゃ、隙を见计らってやっちゃってね」
137
- 「やっちゃいますよ?」
138
- 「大丈夫、大丈夫♪」
139
- 「じゃ、顷合いを见计らってやっちゃうね」
140
- 「うん、お愿いね」
141
- 真美は、急いで二阶に上がっていった。
142
- *
143
- 「ほい、これがお土产の広岛名物もみじまんじゅう!カスタードクリーム味とチョコレート味もあるぜ」
144
- 「ありがとうね~♪」
145
- 「真美の场合、ご当地ストラップとかそんなのよりかは、
146
- どっちかって言うと食べ物の方がいいかって思ったけど...」
147
- 「うん、ヘンなグッズよりもみじまんじゅうの方が好き(笑)」
148
- 「そうかそうか、それはよかった。ただし、まんじゅうの食べ过ぎには注意しろよ。
149
- 体重が増えても全くもって俺のせいではない。いわゆる自己责任って奴だ」
150
- 「あっ、ひっどーい。女の子が一番気にすることをズバリ言うなんて...无神経もいいとこだって、まった~く」
151
- 「だから、気をつけろって…」
152
- とそこへ奈央が部屋に入ってきた。
153
- 奈央が入ってくるなり「お兄ちゃん、ごめんね」と言って、次の瞬间、
154
- 「缩小机」を司と真美の方に向けてスイッチを押した。
155
- すると、ベットの上に座っていた二人が、150分の1の大きさにまで小さくなっていた。
156
- 一応、奈央はあらかじめ谢っていたが、当然のごとく、
157
- 司は突然のことに「こらー、奈央!いきなり、何すんだよ」と激怒していた。
158
- 「はいはい、ストップストップ。ここで、早くも种明かし~♪」
159
- と一绪に小さくなった真美が止めに入る。
160
- 「种明かし?何のことだ?」
161
- 司が何のことか分からず、戸惑っていた。
162
- 「実は、司にね、见せたいものがあるの」
163
- 「わざわざ小さくしたってことは、『箱庭』の中にあるのか?」
164
- 「ふふ~ん、そうだよ♪普通に『箱庭』の中に入っていったらツマラナイでしょ?」
165
- 「でもさ、なにもいきなり何の说明もなくこうすることはないんじゃね?」
166
- 「もしかして怒ってる?」
167
- 「别に...奈央に突然小さくされるなんて昔から惯れてるし....まぁ、いいけどさ...」
168
- 「そっか、なら全然问题ないね。
169
- じゃ、奈央ちゃん、私と司をそこの『司専用駅』まで运んでね」
170
- というわけで真美は、上を见上げて「巨大妹:奈央」を召唤した。
171
- 実の兄である司より、真美はうまく奈央を手なずけているような気がする。
172
- お互い、女の子同士だからいろいろと都合がいいのかと、司はずっと思っている。
173
- 奈��が、その巨体を二人がいる方に近付けたので、空気が押されて発生した强い风が二人に吹き付けた。
174
- こういうことがある度に、自分がどれだけ小さくなったかを思い知らされる。
175
- しかも、马鹿でかい奈央の手に足を挂けてよじ登らなければならない。
176
- 余计に、自分の小ささを思い知らされる。
177
- 二人が登るとすぐに、奈央の手がゆっくりと动き出して、二人を『司専用駅』まで运ぶ。
178
- 动きが止まったところで、奈央の手から飞び降りてプラットホームに着いた。
179
- 「で、ここから『箱庭』までは、电车で行けってことだな?」
180
- 「そうだよ、さすがは司。わかってるじゃん」
181
- 「わざわざ奈央とグルにまでなって、俺に奇袭攻撃を仕挂けてまでしたんだから、
182
- 期待を抱かせるそれなりのものを用意してくれているんだろうな?」
183
- 「まぁね。多分、司の期待には応えられる出来だとは思っているんだけど.....」
184
- 「真美がそこまで言うのなら俺も期待する。早く行こうぜ」
185
- 二人は、駅に止まっていた列车に乗り込んだ。
186
- 司が、运転席に座って、ブレーキを解除して、列车を始动させる。
187
- 出発するとすぐにトンネルに入って、ここからしばらくの间は、真っ暗な下り坂のトンネルを走っていく。
188
- 「で、さっき言ってた见せたいものって何なんだ?
189
- 俺は焦らされるのがすごく嫌だから早く教えてくれ」
190
- 「そんなにも、早く知りたいの~?」
191
- 真美がわざと司の神経を逆なでることを言うものの、
192
- 逆に司にギロッと睨まれた。
193
- 「わ、わかったわよ。教えてあげるからもうそんな风に睨まないでよ」
194
- ふぅーっと一呼吸置いてから、真美は続けて话した。
195
- 「あ、あのね、司から贳った场所にね、私の『街』を完成させたの...」
196
- 「か、完成って、俺が旅行に行っているたった五日间の间に!?おいおい、マジかよそれ...」
197
- 「司が贷してくれた鉄道模型の本见てたら、あっという间にイメージが涌いてきて...その势いで完成させちゃったんだ♪
198
- それでも、奈央ちゃんがずっと一绪に手伝ってくれたからこそ、こんなにも早く完成させることが出来たんだけどね...
199
- でも、正直言って、びっくりしたでしょ?」
200
- 「びっくりしないわけがない。
201
- 真美のことだから、旅行から帰ってきた俺に何かわからない点を相谈してから、作り始めると予想していたんだけど...
202
- まさか、完成させてくるとは...想定外だな。
203
- 一応、闻いておくが『箱庭』にそぐわないようなものになってないよな?
204
- 例えば、変なモニュメントみたいなのを胜手にドカッと街中に置いたり...」
205
- 「うん、そんなことはしてないよ。
206
- あの模型の本を参考にして作ったから、変な感じにはなってないと思うの」
207
- 「じゃ、出来具合いの自信のほどは?」
208
- 「自信のほどは?って言われても、学校のテストじゃないんだし...
209
- はっきり言ってわからないよ。
210
- でも、私と奈央ちゃんが二人とも満足するくらいの出来だったから、
211
- 司にもきっと気に入ってもらえると思ってる...」
212
- 「それなら、大丈夫そうだな」
213
- 进行方向のずっと先に、小さな明るい点のようなものが见えてきた。
214
- ようやく长い长いトンネルの出口に达しそうだ。
215
- とは言え、真美に提供した场所は、街を通り过ぎ、海岸を越えた先にあるので、到着まではまだまだ时间が挂かる。
216
- その间、司は旅行中に见かけた変なおばあさんの话をして、逆に真美は奈央と一绪に游んだ时の话をしていた。
217
- 列车は段々と目的地に向かっている。
218
- トンネルを抜けて「海水浴」をした海岸付近を通り过ぎて、すぐさま再びトンネルに入る。
219
- そして、二つ目のトンネルを抜けると何もなかったはずの场所に大きなビルがそびえたっていた。
220
- かなり大きい...200メートルは余裕であるだろう。
221
- 「おいおい、アレはなんだよ...」
222
- 「私の『街』の一部だよ。でも、详しい说明はあそこに着いてから♪」
223
- *
224
- 実际に、司が駅に到着して、街中に入ってみると先程以上の惊きの连続だった。
225
- 何もなかったあの场所がわずか5日间で作り上げたとは、
226
- とても考えられないレベルに仕上がっていたからだ。
227
- キレイに整备された駅前ロータリー。
228
- 両侧に背の高い木が植えられた大通り。
229
- そして、通りに沿ってあるのは、20阶くらいは优にあるビル。それも一つだけではない。
230
- 动く人���车がない以外は、どこかの大きな都市に来たのかと错覚するぐらいだ。
231
- 「それでね、さっきから司が気にしてたあのビルは、この街のシンボルなの」
232
- こう言って、真美はビルがひしめき合う街中でも、圧倒的な高さを夸ってそびえ立っているビルを指差した。
233
- ここに到着する前に、电车から见えていたあのノッポビルだ。
234
- 「确かに、あのビルだけダントツに高いな。かなり远くからでも见えてたし。
235
- 近くで见るともっとすごいな。この街のシンボルタワーか...なるほど」
236
- 「あれだけは新しく买ってきて组み立てたんだよ、奈央ちゃんと二人でお金出し合って。
237
- 少しばかりお财布にダメージがあったけどね(笑。
238
- そうそうちなみに、あのビルの高さは本当の私の身长より少しだけ低くしてあってね、なんでかって言うと....」
239
- 「つまり、真美より背の高い建物はこの街にはないから、ここに『巨人』でやってくると少しばかり优越感があると...」
240
- 「あ~、私より先に言うなんて、ヒドイ。せっかく司に自慢しようと思ってたのに...」
241
- 「残念でした~っと」
242
- それはともかくとして、駅を中心に整备された街のこれら全てが、どうやったらこうもうまくいくのかわからなかったが、
243
- とにかく、奈央と真美の二人のみの手によって、この街は作り上げられていた。
244
- 司は、心の底から出来ばえに素直に感心してしまった。
245
- この「街」にケチをつけることなんて无理だった。
246
- 「真美がこういうことに向いているのなら任せよっかな~。
247
- 俺は、线路以外の构造物を并べるのは不器用であまり得意じゃないし、ぶっちゃけ手抜きになってるところもある。
248
- こういうことにも向き不向きってあるからな。
249
- 当たり前だけど、真美がこの5日间レイアウトを作っていて楽しかったらの话だけどな。
250
- ここ最近は、自分が作った线路ばっかり走ってるもんだから、新鲜味がないと言うか、面白みがないというか。
251
- まぁ、いわゆる『マンネリ』気味だったから、たまには、外部の风を『箱庭』の中に入れてみたりしたかったし。
252
- とにかく、うまいこといってよかった」
253
- 司が、うんうんと颔いてみせる。
254
- 「でもね、そんなに毎日のようにここに通って迷惑にならない?」
255
- 「今まで今日を含めて六日间も连続して、ここに通っている人间が今さら何を言ってるんだか...
256
- 真美が毎日ここに来たぐらいじゃ迷惑になるわけないし、
257
- それに『箱庭』には家の中を玄関だけ通れば行けるからラクだろ?
258
- ウチの母さんは、迷惑が挂かるとかそういうことは、あまり気にしないから大丈夫だって。
259
- それと、これはここだけの话。
260
- この前な、ウチの従姉がウチにやって来て、『箱庭』に小さくならずに入ってきたんだけど、
261
- 线路にデカい足载せて塞ぐやら、车はそのデカい足で蹴飞ばすやら、ビルに服の裾を引っ挂けて倒すやら。
262
- で、とどめにミニチュアのビルが沢山密集している地域でこけやがってさ。
263
- 従姉がこけた时、俺は『小人』で少し离れたところにいたんだけど、结构足元が揺れたからな。
264
- 震度で言うと3か4くらい。それに、音も结构すごかった。あんなすっげ~轰音闻いたのは、2回だけだよ」
265
- 「2回ってことは、前にもあったの?」
266
- 「昔、奈央が、同じようなことやらかしたがあってな。その时は、不可抗力だったからしょうがなかったけど。
267
- でもな、人间がこけた瞬间がスローモーションで见れるって、中々面白いんだぜ」
268
- 「へぇ~、确かにそんな瞬间は见たことないな~」
269
- 「んで、结果的に従姉がこけた周辺は、もうまさに大怪獣が暴れて壊灭した迹のような状况になって。
270
- というか、実际巨大怪獣みたいなもんだったな、アイツは」
271
- 「年上のお姉さんなのに、そんな言い方していいの?」
272
- 「ただ自分の方が年上と言うだけで、オレを散々弄缲り回してきた人间だから、これくらい言っても大丈夫だって。
273
- で、さっきも言ったけどその后片付けというか『箱庭』の复兴作业が大変だったわけですよ。
274
- わかるだろ?あの大変さ。経験者にしかわからないんだよな、アレは。
275
- 夏姉ぇ...じゃなくてその従姉が一回やって来て挂ける迷惑なんかと比べたら、
276
- 毎日真美がやって来て挂かる迷惑なんて微々たるものだから、うん。
277
- 愚痴混じりになって悪いけど、コレが本音だ」
278
- 「���も大変なんだね、アハハ」
279
- 真美が苦笑する。
280
- 「そうやって今、笑ってる真美も『巨人』の状态でこけたら同じような大惨事になるんだけど、わかってる?」
281
- 「ん~、そういうこと言わないでよ~、ちゃんとわかってるってば~」
282
- 「さて、どうするんだ?この后は」
283
- 「どうしよっか、ハハハ」
284
- 少しばかりの沈黙が二人の间に漂った。
285
- 「えーっと、特に何もこの后のことについては、考えていないということか?」
286
- 「うん、だってここ数日间は、この『街』を完成させることだけに集中してたから、后のことは何も考えてないの...
287
- あーでも、久しぶりに何かこう、やり遂げた感じがする~。
288
- 后しばらくは、『箱庭』とはサヨナラしてもいいかな?ずっとここに居たから少し饱きちゃった♪
289
- 私はね、『箱庭』には、たまに来るのがちょうどいい感じがするの。
290
- あんまりここに居るのに惯れると新鲜味が薄れてきちゃう気がするし...
291
- でも、また一周间かそれぐらいしたらまたここに来たくなると思うから」
292
- 「なるほど、オレとか奈央は小さい顷から『箱庭』に惯れているから、
293
- もう今更、そういう小さくなったり大きくなったりすることに新鲜味を感じることはないけど、
294
- 真美は、ここにくる度に何か普段の生活とは违う感じを楽しんでいたわけか...」
295
- 「ん~そうね、私からすればここは『テーマパーク』みたいなものかな...
296
- 楽しいけど、毎日来るとちょっと疲れちゃう。けど、やっぱりまたここに来たくなっちゃう。
297
- 小さくなっておっきな奈央ちゃんを见上げたり、逆に、小さな模型の街の中に入って巨人みたいに上から见下ろしてみたりなんかしてね、
298
- 『非日常的』な体験をして楽しいときを过ごすっていう点でよく似てると思うよ」
299
- 「なら今日はこの后普通にさ、せっかく来たんだし、少なくとも昼ぐらいまで、奈央も含めて俺の部屋で游んでいかね?
300
- 外は出挂けるのもうんざりするぐらい暑そうだから、クーラーガンガン挂けてインドアな一日を过ごすというのはどうだ?」
301
- 「うん、そうするよ♪ねぇ、なんか私でも出来るゲームあるの?」
302
- 「それは、オレの部屋の押入れにあるソフト类と相谈しなければならないな...
303
- でも、确かパーティーゲーム系ならいくつかあったし、多分。これくらいなら大丈夫...だよな?」
304
- 「うん、それ系のゲームならなんとかなる」
305
- 「じゃ、一旦帰るかオレの部屋にな。駅まで戻ろうぜ」
306
- 「あっ、ちょっと待って、司。
307
- もうすぐ奈央ちゃんが迎えにきてくれる手筈になってるから、じっとしていた方が危なくないよ...」
308
- 「そうだな、妹に踏み溃されそうになるのはゴメンだからな。
309
- そういやさ、さっき、奈央がお前のこと『真美お姉ちゃん』って呼んでた気がするけど、この五日间でなんかあったのか?」
310
- 「あれれ、钝感な司君にしては変化に気付くなんて上出来ね」
311
- 「二人だけで话が进んでるとあれこれ疑わざるを得ないな」
312
- 「いいじゃない、女の子同士で秘密を共有するくらい♪」
313
- 「むぅ~、そう言われてしまうとうまく言い返せないな...」
314
- すると、ドーンドーンと大きな音がしだして、地面が震えだした。
315
- 「どうやら...」
316
- 「约束通り、奈央ちゃんがやって来たみたいだね♪」
317
- 毎度毎度、巨大な奈央が登场する际のお驯染みの前触れである。
318
- こうして、夏休みの间という长いようで短い期间で、三人の関系は急速に変化していったのだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Done 2024-02-23/[ICECAT] 箱庭シリーズ 8 [that123] CN.txt DELETED
@@ -1,646 +0,0 @@
1
- 热战展开的夏天甲子园决赛也在前几天结束,
2
- 不长不短的暑假也终于来到了到尾声。
3
- 从早上开始司就在「箱庭」中进行久违的电车行驶。
4
- 最近,自己一个人的旅行啦,真美做出的「都市」的开幕式啦,
5
- 回到住在父亲故乡的祖父母过盂兰盆节,暑假作业报告啦,
6
- 都没空长时间泡在「箱庭」运行电车。
7
- 昨天,课题报告终于大致完成,
8
- 高中的暑假作业结束,
9
- 可以这样在「箱庭」自由驾驶电车渡过。
10
- 隔了好久才品味到的爽快感,不禁使司哼唱起来。
11
- 「今天,那个『巨人姐妹』也没有到这里来的预定,
12
- 就这样,不会被谁打扰的幸福时光~♪」
13
- 司把脑内想的事,擅自唱起来。
14
- 歌里的「巨人姐妹」当然是真美和奈央。
15
- 顺便说一下,包括今天在内,这几天的上午奈央都要去补习班的夏季讲习,
16
- 真美去了朋友家玩。
17
- 「今天,知道那个巨大女人二人组不来,喜不自禁。♪」
18
- 平时奈央和真美的话,不会像司一样缩小化,
19
- 而是作为「巨人」来这个「箱庭」游玩。
20
- 因此,好像今天,司成为「小人」驾驶电车,
21
- 她们作为「巨人」出现有点不合适。
22
- 当然司的真心话是对于奈央和真美变成「巨人」是没意见。
23
- 奈央是自己的妹妹,而真美是自己邀请的,所以没关系。
24
- 只是不知道从什么时侯开始,奈央和真美两人一起就会是「巨人」状态。
25
- 对她们感受到有点害怕。
26
- 她们的脚只少有30米以上。
27
- 而且身高都超过200米。
28
- 上次,司在电车驾驶以「小人」的视点看到那两个人在「箱庭」里走路的样子,
29
- 无意中眺望一下就不寒而栗。
30
- 那一瞬间,两人就像袭击「箱庭」的大怪兽。
31
- 当然,这种事是不可能和否定的,司能够相信那两个人。
32
- 只是内心不知道哪里产生了拒绝反应也说不定。
33
- 也许是司某件遗忘了的事所引起也说不定。
34
- 幸运的是,这种不适感没有很强,稍微平静下来就会缓和。
35
- 只是,确实是不太舒服。
36
- 那两个人同时作为「巨人」时,
37
- 在「箱庭」就要极力控制自己的驾驶,
38
- 这不安的心情,只是因为自己一时之气的迷惑下得出的结论,他决定不去想太多。
39
- 是奏效了吗,之后,司也没有感到不舒服了。
40
- *
41
- 从刚才就一直想着一些事情,不知不觉,
42
- 司驾驶的列车到了真美和奈央建成的「都市」的附近。
43
- 上次,第一次通过这里的时候对结果感到吃惊。
44
- 自己去旅行的时间只有五天,虽然说奈央帮手,
45
- 完全没有想到还是个菜鸟的真美的作品完成度会这么高。
46
- 有点懊悔的司也只好表扬成品。
47
- 其实「箱庭」又多了一个华丽的地区,所以司自己也喜欢。
48
- 但是司没有坦率传达那个心情给真美。
49
- 这是因为司有一点点隐藏起对真美成品感到的嫉妒。
50
- 另外司对语言的运用比较笨拙,
51
- 再加上他对那样的场面有点害羞的体质。
52
- 在想起以前的事的时候,
53
- 司没有注意到前方。
54
- 司发现时,出现了什么出奇地巨大的物体,堵住了列车前方的路。
55
- 司为了避免撞上慌忙制动。
56
- キィー制动特有的声音响彻四周,
57
- 列车终于停止了。
58
- 在还有数十米就会撞上的地方。
59
- 在得救了之后,注意到了堵着铁路的巨大的物体的真正身份。
60
- 这是一只巨大的「鞋」。
61
- 从外形来说是女性的高跟鞋。
62
- 鞋跟的高度就有10米。
63
- 「咚」一声就把两条铁路堵住。
64
- 穿着高跟鞋的是一只巨大的黑丝袜脚,
65
- 女性圆润的曲线一直往上延伸。
66
- 在司现在站在的地方,
67
- 看不清楚巨大高跟鞋的主人的脸。
68
- 那么,这是谁的脚呢。
69
- 本来「箱庭」是在家中,
70
- 外部的人不应该这么简单就可以侵入,所以,
71
- 恐怕是司认识的。
72
- 首先是想到奈央,但奈央没有这样的鞋而驳回。
73
- 而且在铁路上放上「巨人」的脚这种错误,
74
- 至少熟悉「箱庭」的奈央绝对不会这样做。
75
- 那么真美呢?
76
- 真美还不太习惯「箱庭」,但性格谨慎,所以会很注意脚下。
77
- 而且,今天的这个时候,她在朋友家玩啊,
78
- 特意取消和朋友的计画,来司的家可能性近于零。
79
- 这样的话,现在就真的变成「巨人」入侵「箱庭」,
80
- 是谁用巨大的脚堵着铁路呢!?
81
- 司从列车下来确认身份。
82
- *
83
- 司抬头往上看,是和真美、奈央完全不同的年轻女性的巨大的脸。
84
- 「哎呀呀—,司♪久违了~我来玩了哦。」
85
- 「哇,是夏姐。为什么在这里啊?」
86
- 用巨大的脚堵着铁路的是藤泽夏姫,作为司和奈央的表姐的女人。
87
- 她现在是东京都内著名私立大学的大学生。
88
- 司从小就亲昵地叫她为「夏姐」。
89
- 夏姫平时都只会在祖父母家见面,
90
- 也不太来���的家。
91
- 夏姫蹲下把脸贴近司。
92
- 「咦?舅妈没说今天我会来吗?」
93
- 「没听说」
94
- 「哎呀呀,对不起。
95
- 以为你一定知道的啊。
96
- 从舅妈问到司在『庭箱』,所以到这里来了,
97
- 不知不觉,没注意脚下就堵住了铁路♪
98
- 我没有来过这里太多次…把你吓坏了吧。」
99
- 夏姫苦笑地向司谢罪。
100
- 「是有点危险,差点撞上夏姐突然出现的脚而死了。
101
- 总之,夏姐不缩小进来的话,
102
- 黄金勇者内的巨大怪兽一样,要小心哦。」
103
- 「好好,会会注意的~♪
104
- 喂~对了,司。
105
- 这样的尺寸也不好说话,有什么好的方法?」
106
- 「啊~那样的话,我原来的大小,
107
- 或者夏姐你缩小就好了。」
108
- 「那么,我缩小吧。
109
- 但是!难得我可以品味怪兽的心情,也不要太小哦」
110
- 夏姫缩到刚才的五分之一,
111
- (即使如此还是身高50米!)嘛,缩小了。
112
- 周围的建筑物只有到夏姫的胸部的高度。
113
- 「嗯,总觉得,这个大小比刚才还要好的感觉。
114
- 那么,爬上我的手吧」夏姫把自己巨大的手伸到司的面前。
115
- 「什么?」
116
- 「把你放上去啦,正好这个高度可以带你上大楼的屋顶。
117
- 不要说了。你看再,磨磨蹭蹭我会不高兴的」
118
- 「为什么我要做事这种事」
119
- 「要遵从姐姐,表姐的姐也是写成姐姐的姐。也就是说我。
120
- 不要再说了,按我说的去做吧。好吗!?」
121
- 「真是的,知道了。反正不这样做反抗的话,又会说些白痴的歪理。」
122
- 说完,司马上攀登伸出的巨大的手。
123
- 夏姫比较年长的缘故,司的话语权被完全主动占领了。
124
- 司坐在夏姫的手渐渐上升。
125
- 为了不被掉下去,司贴近手掌。
126
- 手的上升到夏姫的脸的高度停下来,
127
- 「司,望向这边」她说。
128
- 司对声音作出反应,回头一看,前方突然吹起猛烈的风。
129
- 「哇」
130
- 「巨大姐姐的暴风攻击」
131
- 缩拢的嘴呼出气息对司进行攻击,这个巨大女,完全是太有精神了。
132
- 怎么说呢,应该是「小人」的司,完全被夏姫玩弄才是正确。
133
- 司呛声抗议。
134
- 「怎么了呀?太可怕了?很吃惊?」夏姫好像什么也没发生,用笑容来询问,反而更可怕。
135
- 「夏姐呀,我真的很讨厌这样。还以为要死了」
136
- 「好的好的,对不起对不起。这样行吗?」
137
- 「完全感受不到道歉的诚意。」
138
- 「给你道歉还在抱怨。
139
- 但是呢,司如此渺小,不知不觉就会想欺负了呢。
140
- 仿佛,回到了从前一样啊」
141
- 「对我来说,夏姐看起来很愉快日子只是单纯的地狱而已…」
142
- 「诶,对司来说的话,是甜美又怀念,而难过的夏天地狱啊」
143
- 「对我来说,只是用来被测试摔跤技巧的对象,
144
- 我只有痛苦的记忆而已。」
145
- 「我有模仿那种野蛮的行为什么的,完全没有印象,哈哈哈哈」
146
- 「夏姐你只是在装傻而已」
147
- 「司你这样对姐姐是不对的哦」
148
- 语调完全改变,开始变得奇怪。
149
- 「夏姐,呃,开玩笑也不要这样?」
150
- 「不,是司你做错了啊。
151
- 那么,从现在开始而好好抓着。
152
- 也不知道会不会从我的手掉落」
153
- *
154
- 司坐在夏姫巨大的手,轻轻地被运送。
155
- 夏姫的一只手指都比现在司的身体粗大。
156
- 夏姫的手指不是特别粗。
157
- 夏姫只是和年轻女性一样修长美丽的手指。
158
- 尽管如此,对小人司来说也有很高大的感觉。
159
- 司用只手抱着,恐怕也无法抱起来吧。
160
- 夏姫现在是通常的3分之1的大小。
161
- 但是奈央平常都是不缩小直接进入「箱庭」。
162
- 很早以前司就被缩小,被奈央成为玩伴。
163
- 不过,和身高远远超过200米的奈央玩真是有够呛的…
164
- 好几次还差点死掉。
165
- 所以,司的内心对现在这个大小的夏姫很有感觉,
166
- 和奈央相比更可爱啊。
167
- 「夏姐~小心脚下。
168
- 道路上满满都是车,小心不要踢到…」
169
- 「咦,司说了什么?」
170
- 夏姫注意了手上的司的声音。
171
- 正好那个时候,夏姫的脚踢上路上的车。
172
- (应该说是放着的)模型汽车被踢开了。
173
- 踢开的汽车先后撞上了停在附近的车,最后撞上大楼而停下。
174
- 「还是做了」
175
- 「啊~~哦~呃~个
176
- 所以说要注意脚下…」
177
- 「哇,我也不完全是我的错。
178
- 在这样狭窄的地方停车是不好的。
179
- 绝对是!总之,把车放在这边的司自作自受!」
180
- 「喂,夏姫!不要转嫁责任想要逃走!
181
- 夏姐现在就像怪兽一样,在『庭箱』中走路,就会发生这种事啊!」
182
- 「很厌烦。对年长的我这种口气回应,而且还要叫我做怪兽…司,觉悟吧!」
183
- 说完,夏姫用右手的手指缠绕着司的身体,「轻轻」紧握。
184
- 「夏姐,呀…不要,很痛苦……」
185
- 司脖子以下的身体自由几乎都被夺走,
186
- 即便如此,他还是想办法稍微踢脚,在夏姫的手中挣扎。
187
- 但是,无论司如何抵���,巨大夏姫的手指文风不动。
188
- 「呵呵~♪违背了姐姐,就要有相配的痛苦哟。嘛,不过再这样就是欺负了,满可怜的,今天就到这,原谅你吧」
189
- 夏姫把握紧司的手指松开,把司解放了。
190
- 从前司在祖父母家每次见到夏姫都会被欺负。
191
- 当时被拼命地折磨,现在互方都成长了,自然也不再发生。
192
- 「不知不觉你身高就比我高,
193
- 而且你是男孩子,所以已经力量肯定敌不过的…
194
- 总觉得很寂寞呀…
195
- 因为找到了人偶一样这么小巧可爱的司,
196
- 不知不觉…那个…变得想玩弄了~」
197
- 夏姫巨大的食指温柔对接触了胯间。
198
- 自己的重要的部分突然被摸,不由得大声叫出来。
199
- 「哇,突然干什么哦。」
200
- 「只是恶作剧哦♪司也是男孩子,这里有『可爱的东西』呢~啊♪
201
- 还是说说看到漂亮的姐姐而兴奋,裤子撑帐篷了吗~♪」
202
- 「不是这样的…」
203
- 「哎呀,在我的眼里看到的时裤子膨胀开来的样子,没感觉吗?」
204
- 「男生那里受到刺激自己会有反应,没、没办法的吧。你这个性骚扰混蛋!」
205
- 「司你这个变态。被作为亲戚的姐姐对重要的地方恶作剧而兴奋了啊」
206
- 「啊!今天你打算对我做什么啊!」
207
- 「因为欺负司很快乐啊。
208
- 而且,你这么好的反应的,我更加想欺负了♪
209
- 总之看到你的存在本身就几乎要说出『请欺负』,刺激我抖S的心啊~
210
- 是『欺负气场』哟。
211
- 难道说,在学校也是被玩弄的角色?」
212
- 「不,没有那样的事。
213
- 欺负我的只有夏姐…不,只有夏姐一个」
214
- 「呼~,这是真的吗?
215
- 司张大口说谎也不先考虑一下…
216
- 嗯,好吧。既然是这样」
217
- *
218
- 夏姫想要找到可以放下手中的司的好地方,找到了附近住宅街的学校。
219
- 邻接的校园夏姫踩进去也有充分的大小。
220
- 为了不要践踏学校的四周排列的民居,在幅度狭窄的小巷慎重地放下巨大的脚。
221
- 小巷的幅度,只有比夏姫脚宽一些。
222
- 跨过了数条小巷和十几户人家,终于到达了学校旁边的道路。
223
- 然后夏姫蹲下来,把司放在校舍的屋顶上。
224
- 然后夏姫再次有意无意地站起来。
225
- 夏姫包裹着黑丝袜的脚巍然屹立在校舍的旁边。
226
- 轻松地跨过校舍进入校园带。
227
- 这个校园没有很大,
228
- 但夏姫坐下的空间还是够的。
229
- 「好嘞」
230
- 夏姫在校园里弯下腰。
231
- 巨大的屁股着地时冲击摇晃,变成咕咚声向四周扩散。
232
- 隔着屋顶上设置的铁丝网,看到坐着的夏姫的巨大的脸和眼睛。
233
- 模型的学校有防止滚下的铁丝网,高度正好是司的头的位置。
234
- 有一种坠落的恐惧心理。
235
- 只是这样脸在外边,和夏姫对话会变得简单点。
236
- 「这里是真正的小人街道啊。大楼也有民家、学校也有,车也在~。就像格列佛一样在小人世界的街上行走,心情真好啊」
237
- 夏姫看来很喜欢「箱庭」。
238
- 「今天,干嘛来我家?」
239
- 「干嘛啊,来和司见面了啊~」
240
- 「那绝对是谎言吧。赶快说真正的目的?」
241
- 「你啊~一直不太坦率渐渐也变得……不,不重要了呢。~」
242
- 夏姫不知为何吐出了叹息。
243
- 「的确,来见你见并不是是事实啊。嘛,单纯的说,我的家人在这附近买东西,就顺便到你家这样而已啊」
244
- 和现实世界是一模一样的,只是所有的东西大小完全不同,这个小小的「箱庭」世界。
245
- 夏姫在「箱庭」的模型街上走走,
246
- 和「小人」司玩的时候,有一种优越感了吧。
247
- 因为也有司要管理「箱庭」的时候,
248
- 当然不会缩小化涉足「箱庭」。
249
- 所以司对夏姫说的事也有产生共鸣。
250
- 「呐,司。有点想回到原来的大小可以吗?
251
- 反正想用各种大小探险一下这个世界呢。」
252
- 「如果我不可以,你也打算无视吧?
253
- 随意你喜欢就好。」
254
- 明白到再对夏姫说什么都是徒劳,
255
- 司只有依着夏姫喜欢的去做。
256
- 「谢谢~♪不愧是司啊~。
257
- 有好好听姐姐说的话」
258
- 刚刚的发言态度180度扭转的说,
259
- 夏姫露出格外高兴的表情。
260
- 「那么,一会再又回到这里。
261
- 嗯…回到原来大小的开关是…」
262
- 夏姫还没有习惯手中拿着的缩小机操作。
263
- 过了一会,夏姫的身体渐渐长大。
264
- 原本已经是巨大怪兽尺寸。夏姫巨大的身驱更加巨大化。
265
- 如果夏姫身边的不是司,而是
266
- 不习惯「箱庭」和「巨人」的话,就会有生命感到威胁的感觉。
267
- 到刚才为止被夏姫整个身体被占领的校园,
268
- 如今夏姫只有一只左脚就占领了。
269
- 夏姫的另一只脚放在校舍另一面,把校舍夹在中间。
270
- 脚放置的地方也是空地。
271
- 夏姫顺利地找到了空地。
272
- 夏姫的脚想办法避免了践踏建筑物和房屋而踩到空地上。
273
- *
274
- 现在夏姫在校舍的正上方,双脚稍微分开站立。
275
- 实际上,腿和腿之间也有100米左右的距离。
276
- 司的头上夏姫的裙子悠然地飘扬。
277
- 也就是说,在夏姫的正下方的司,内容一览无余。
278
- 「司从这里动看我的裙子内部的话,我就立刻踩学校。
279
- 你在想的事情全都一清二楚!」
280
- 从上方落下了夏姫的死亡警告。
281
- 要踩死这只是开玩笑的吧,司只是当成是笑话没听见。
282
- 夏姫把握了司应该的所在位置。
283
- 比司巨大150倍的夏姫的身体发出声音,
284
- 使四周大气都为之震动的音量。
285
- 和刚刚夏姫的音量相比,可是不同而语的巨大。
286
- 虽然说听到了夏姫的死亡宣告,可是司还是一个血气方刚的男生。
287
- 在夏姫脚下的绝好位置,
288
- 被威胁而不可以眼睁睁放过这个机会。
289
- 妹妹奈央的裙子底的话,
290
- 露出是常有的事。
291
- (偶尔会有看见,虽然尽可能不去看。
292
- 但还是无论如何也不可能。这个是不可抗力的。)
293
- 顺便说一下,一个星期前看到时是蓝白条纹胖次哦。
294
- 司的「儿子」很正直呢,不知不觉中就有「反应」了。
295
- 自己作为哥哥反而有点可怜了。
296
- 但是这次是夏姫。
297
- 性格和口德都有些问题,
298
- 但保持沉默的话,基本上是漂亮的大姐姐。
299
- 从这个超低角度的地方的窥视夏姫窥隐密的地方,
300
- 敢于窥视才会有价值。
301
- 此外,从刚才开始就被夏姫狠狠的骚扰。
302
- 作为反击向头顶的裙子看一下也可以吧,
303
- 即使夏姫不允许,但神应该还是会原谅我的。
304
- 司找到了藉口说服自己,为自己辩解。
305
- 「喂,司。我要走哪一带走告诉我好吗。
306
- 不告诉我的话就会在这一带乱走。
307
- 建筑物踩烂掉也不知道哦。」
308
- 「女王大人」因为巨大化而更傲慢。
309
- 为了保护「箱庭」在傲慢的巨大女王的魔爪…不,是魔脚底下,
310
- 司勉勉强强指出现在所处的位置最接近的「巨人」专用人行道。
311
- 「谢谢!」
312
- 「女王大人」姑且也有对小人道谢的温柔。
313
- 下决心抬头仰望上空,看到了粉红色。
314
- 是夏姫的内裤。而且是女孩子的粉红色。
315
- 夏姫口味这么少女,司很意外的感觉。
316
- 那的确是美好的光景。
317
- 男生的话是没有人会不兴奋的吧。
318
- 今晚的菜就在这瞬间决定了。
319
- 而且对司刚才面带的高压态度,
320
- 自己看见夏姫的裙底的事,
321
- 有稍微复仇了一样的心情。
322
- 另一方面,司窥视着夏姫的裙子,根本完全没有注意到就走了。
323
- 夏姫自己本身没预料那个司会真的敢仰望窥视自己的裙底。
324
- 刚才就像多次发生小型地震-强度至少也有2 - 3级左右-一样摇晃。
325
- 这一切只是夏姫走路所产生的。
326
- 每数秒钟,夏姫巨大的脚到达地面而地震。
327
- 夏姫对「小人」的事没有很懂吧,
328
- 「巨人」只要在走着就真的会造成地面摇晃,和小型地震一样。
329
- 夏姫的身姿,她只走数步就给「小人」的感觉离开很远了,
330
- 即是司从学校还是可以充分确认得到她的身影。
331
- 没有和她一样高的建筑物遮住视野,所以看得清楚。
332
- 所以,也可以说夏姫这个大小在「箱庭」的世界是异质的存在。
333
- 但是自己走路的姿态居然是如此宏大,夏姫自己也没有注意到吧。
334
- 如果把现在的光景用相机录下来再放出来作为展示的话,一定会感到很惊讶吧。
335
- 如果没有一次以「小人」的角度出发目击的话根本是难以想像。
336
- 现在夏姫一定是在体味成为大怪兽心情。
337
- 确实试着从上往下看模型街道,
338
- 变成「巨人」在「箱庭」的小街道中步行的话,
339
- 那种难以用言语表达的优越感司也表示认同。
340
- 问题是,那种优越感过头的话每次都会卷起各种各样的麻烦事。
341
- 真美那次就是前例证明。
342
- 那个时候,因为设法说服真美而平安无事。
343
- 如果没能说服真美的话,他们之间的关系也成为不可挽回的东西了。
344
- 没有习惯的人长时间在「箱庭」的话,回到原来的世界时,物件的大小会有怪怪的感觉。
345
- 没有特别关系,听说过一种病患者会有不实际的物体大小异常感。
346
- 是叫「不思议之国的爱丽丝症候羣」这样很俏皮的名字。
347
- 这个情形也会影响到夏姫,会被不一致的感觉所袭击。
348
- 恢复之前通常的感觉比较花费时间。
349
- 就像医药品广告的『请细读「箱庭」的使用注意事项和用法,并遵守正确的使用量。』
350
- 一样说一声不就好了吗?
351
- *
352
- 夏姫还是没有回来。
353
- 刚才说一下子就会回来了,
354
- 但已经过了15分钟以上。
355
- 无奈缩小机被夏姫夺走,
356
- 孤身一人的话没什么事做也是很无聊。
357
- 而且夏姫会在小小的街道当中干什么不由得让司很担心。
358
- 可能沿途的建筑物会被衣服的下摆缠住倒塌等等,都使得他很紧张。
359
- 不习惯「箱庭」夏姫真的,真的要注意脚下。
360
- 没办法,目光一直追逐着夏姫的身��。
361
- 就算夏姫这时想做什么,
362
- 这个大小的司,根本没可能限制夏姫的行动,
363
- 毫无意义。
364
- 有什么唤回夏姫的方法吗,司开始在思考。
365
- 会首先想到的是用手机叫她,但这里「箱庭」因为是在地下,电波收不到,所以不可行。
366
- 虽说如此,不是还有其他对讲机那样的特别通信设备吗。
367
- 总觉得口袋里什么可能可以使用的东西而开始把手探进去。
368
- 放到口袋的手探到了什么东西。
369
- 「哎呀,这是…嗯嗯嗯…这个是…想到了~」
370
- 司从口袋取出那件「东西」开始操作。
371
- 那是遥控直升机的遥控。
372
- 这个买回来原本是为了遥控在室外飞行的,
373
- 但最近在公园遥控飞机都被禁止而使用机会大减。
374
- 只是放在房间就太可惜了。
375
- 于是在考虑有什么有效的使用方法之后,就放在「箱庭」。
376
- 但大小还是和「箱庭」世界比例不合,所以用了缩小机调节一下。
377
- 和塑胶模型坦克一起并排放置着一看,有一点点的军队基地的气氛。
378
- 此外,和铁路模型一样,直升机也有装上微型相机和扬声器,
379
- 这样总觉得在各种意义上很有趣。
380
- 改造机体安装相机和扬声器。
381
- 但是安装的地方却是机体的下部。
382
- 考虑到安装在机体上部的话,就和直升机内部看到的影像一样,恐怕只会看到「箱庭」的墙。
383
- 而放在机体的下部,应该能摄影到正下方广阔漂亮的街道…
384
- 装载了照相机的改造直升机在模型的街道拍摄的照一看就很真实,
385
- 简直就像在真正的街道空中拍摄一样。
386
- 在「箱庭」中不仅可以驾驶火车,还可以驾驶直升飞机。
387
- 「直升机应该停在平时的地方,所以也很好操纵……」
388
- 从现在的地方没法目视确认,
389
- 总之,先让直升机上升到可以确认的位置。
390
- 过了一会,司的视线前方看到了直升机。
391
- 「还有,为了不被夏姐发现而低空飞行…」
392
- 司计画的恶作剧在逐步进行。
393
- 低空飞行直升机慢慢接近没有注意到的夏姫…
394
- *
395
- 平安无事没有被察觉到而接近夏姫,司控制直升飞机急速上升。
396
- 夏姫注意到了,因为想避开脚下突然上升的直升机而愰神。
397
- 接下来更精彩的是,夏姫的脚绊到了什么。
398
- 「哇,啊——」
399
- 夏姫发出了悲鸣,一旦形成了摔倒的姿势想要重整是不可能的。
400
- 操纵直升飞机的司看在眼里,景象慢动作映入眼帘。
401
- 清晰地看见人摔倒的瞬间。
402
- 接下来,夏姫数十万吨的巨大胴体摔在地面上。
403
- 附近的大楼被手臂直击推倒,
404
- 道路上面有几台汽车被夏姫压扁。
405
- 然后巨大得惊人的钝响和震动先后传到司的所在地。
406
- 夏姫只是走路都可以引发地震,
407
- 而这个全身身体体重引起摇晃,
408
- 和到刚刚走路的摇晃根本不能相提并论。
409
- 站在天台的司也受不了而倒在地上,直到摇晃过去。
410
- 「痛痛痛……在身体下的车都被压到陷进肉了,很痛…」
411
- 夏姫用手捂着身体撞到地面的地方。
412
- 「不要这样啊~~~直升飞机突然接近,不让我看到,吓我一跳。很危险的~」
413
- 「在巨大女发现到本机时,因为惊讶而跌倒。巨大女跌倒为附近地区带来巨大损害和恐惧。」
414
- 虽然很起来很严肃的样子,但其实有一半是在用开玩笑的语调来做实况。
415
- 「什么?」
416
- 夏姫一时之间无法理解那把声音在说什么。
417
- 「重复,巨大女在道路上跌倒的样子。跌倒时的冲击为附近地区带来巨大的损害和恐惧。」
418
- 当然,实况被「巨大女」夏姫听到…
419
- 夏姫终于理解到直升机扬声器放出的实况的意义了。
420
- ブチッ、ぶちっ、ブチッ。
421
- 发出了生气的声音。
422
- 而且不只是一次,而是有数次。
423
- 对那种声音有一种很讨厌的预感。
424
- 「呼~,司做了这种事。」
425
- 乍听之下温柔的语调,
426
- 实际上夏姫的心里对司的愤怒开炸开了。
427
- *
428
- 愤怒的夏姫行动起来非常非常俐落。
429
- 夏姫站起来,又下降低到直升机的高度,也不管找不找到直升机,
430
- 连逃跑的时间也没有就看到直升机了。
431
- 「呼~,这个啊。从刚才开始就一直喷出很多我的坏话。
432
- 还特意用扬声器…」
433
- 巨大女的手猛抓向直升机。
434
- 司即使想操作直升机也不行,被紧紧地抓着。
435
- 仿佛就像那种B级的好莱坞电影般。
436
- 「哇,夏姐~无法遥控了啦」
437
- 「刚才开始这个朝着我流利顺畅地喷出傲慢的话,是哪张嘴吗~?
438
- 不给你一次好好的惩罚,我呑不下这口气~」
439
- 夏姫抓向直升飞机的机身的侧腹,
440
- 那里附带有小型的扬声器。
441
- 「喂,不要拿掉扬声器、夏姐!
442
- 再安上去会很麻烦的!」
443
- 「这就是向我用自大口气的惩罚!」
444
- 夏姫为了拔掉扬声器而展开苦战恶斗,
445
- 扬声器被固定在机体上,所以还真的不容易拿下来。
446
- 「真的会被弄坏的,总之先停止吧」
447
- 「很吵哦。
448
- 你都不好赶紧道歉哟,
449
- 不快点道歉,这个遥控模型就要砸向地面了。」
450
- 两人超越距离和体型而在争吵。
451
- *
452
- 「喂,哥哥你们从刚才开始在干什么?」
453
- 奈央偶然来了。
454
- 不,与其说「偶然」,不如说正好覗机打破了司和夏姫之间的争吵。
455
- 补习班的夏季讲习结束回家。
456
- 「我回来了,夏姫姐,今天听妈妈妳会过来玩,
457
- 和哥哥两个人在『箱庭』吧,因为有点在意进来了…」
458
- 奈央看到表姐很没有大人气概地在瓣遥控直升机,
459
- 看不见身影却又不知从何处传来哥哥的声音而感到困惑。
460
- 「啊,奈央,好久不见了。还好吗~?」
461
- 夏姫猛抓着直升飞机向奈央打招呼。
462
- 「嗯,嗯」
463
- 自己提出的问题还没有得到答案,
464
- 夏姫又再问了。
465
- 「奈央又长高了吗?」
466
- 拿在手里这次把碍手碍脚的直升机随手放到大楼屋顶。
467
- 夏姫的膝盖以下的大楼屋顶上不手够不着,
468
- 她虐待完的直升机机体有点向右倾斜。
469
- 「夏姐~你这么粗暴地对待遥控模型啊」
470
- 司的声音通过扬声器到传出来,不过被夏姫完全无视而在只是在空气中空响而已。
471
- 「嗯,春天测的时候…170.5cm…」
472
- 「那么,比我高17cm。好吧~」
473
- 「比起这个,哥哥在哪里?
474
- 刚才听到他的声音,不过…」
475
- 「司的话,在那边学校的校园吧。」
476
- 「谢谢夏姫姐姐。
477
- 那么,我先去把哥哥收回来。」
478
- 「不会♪
479
- 啊,小心啊,不要像刚才的,像我一样绊倒了什么的话会很危险啊…
480
- 啊,奈央已经习惯这样踩进来了吗,哈哈哈」
481
- 夏姫在后面注视奈央去学校回收被遗弃的司,
482
- 从「巨人专用人行道」走到布满比自己的鞋子还要小一号的建筑物的地区。
483
- 本来以现在的奈央的大小的话,
484
- 是禁止进入这样的拥挤的地方,
485
- 这次因为有拯救司的大义名分,所以没有问题。
486
- 高一点的大楼也比奈央的膝盖还要矮,
487
- 只有相当矮的高度。
488
- 如果不留神放脚的话就快要压毁了。
489
- 为了不碰撞到建筑物而巧妙地动脚,
490
- 一点点接近司被遗弃的学校。
491
- 在这样小小的建筑物之间走,
492
- 可以深深地感到自己的巨大,所以奈央很喜欢这种感觉。
493
- *
494
- 不久看到学校。
495
- 从三层校舍的正上方俯视。
496
- 奈央巨大影子覆盖整个校舍。
497
- 在屋顶上发现了小小的人影。
498
- 司察觉到了什么之后抬头仰望。
499
- 「矮子哥哥。从现在开始我会校园放下脚,所以10秒以内先到校舍内避难哦。」
500
- 因为「小人」哥哥的缘故,要促使他注意。要不然会不小心被我的脚吹跑了。
501
- 司一边开始避难一边确认脚的移动。
502
- 似乎故意把脚抬高到仅仅比校舍高一点点的位置。
503
- 为了着陆的冲击以免造成地震,
504
- 慢慢的慢慢的从上到下把脚卸下去。
505
- 然后,奈央巨大的脚静静到达地面。
506
- 在校舍里避难的司几乎感觉不到落地的冲击。
507
- 「因为还是很危险,一不小心就会把矮子哥哥……还是请再稍等一下」
508
- 再次促使他注意。
509
- 司仔细想想,奈央是一位能骲体谅的好妹妹啊。
510
- 而且成为中学生,还是叫他「哥哥」。
511
- 这就是好妹妹的证明。
512
- 但是至今还在叫的「矮子哥哥」希望她可以消停一下。
513
- 这会令人很受伤的。
514
- 还有为什么奈央会穿去学校用平底鞋呢。
515
- 说不定去外边时也没有对,穿错了就这样不换回来。
516
- 本来制服就与这个年纪的女孩子更相配,
517
- 更富有魅力,展露的黑色平底鞋至少有30米,
518
- 已经有一种要塞程度的存在感。
519
- 加上黑色这一种单一颜色,所以稳重感,威压感更为出众。
520
- 这种大小的皮革厚度,受到坦克攻击看起来也只会好像多了一条划痕。
521
- 「矮子哥哥,出来也没关系了。」
522
- 被奈央叫住,司从避难的校舍出去。
523
- 奈央,比刚才小了点,蹲在校园等待着。
524
- 现在是司25倍左右的大小吧。
525
- 奈央的身体勉强可以收纳在校园里。
526
- 「从现在开始会把你变成和我同样的大小」
527
- 然后「缩小机」的开关反置,
528
- 司变成和自己相同的尺寸大小。
529
- 「Thank you,奈央」
530
- 对救出了自己的妹妹表示感谢。
531
- 如果奈央没有在这么好的时机到来,
532
- 那么至少,还要在这里度过几小时吧。
533
- 求助也不行,这里是地下所以手机的电波完全传达不到。
534
- 「那么,先回到夏姫姐的那里吧。」
535
- 「啊,是啊。首先要从这里出去啊」
536
- 走到附近的「巨人专用人行道」要先穿过狭窄的小巷,
537
- 在时司本来想要回到正常的大小。
538
- 「喂喂,等一下啦,哥哥。以现在的大小,先回到夏姫姐的地方去看看好吗?」
539
- 「为什么这样做呢?
540
- 我们还是通常的6分之一大小的哦。
541
- 奈央也看到的���?
542
- 比我们巨大6倍,啊~夏姐就在那儿耸立」
543
- 司和奈央现在是「箱庭」小人的25倍大小-就像奥特曼一样。
544
- 「正因为如此,不是很有趣吗?
545
- 现在,我和哥哥对『小人』来说的话,
546
- 当然现在谁都不在,如果有的话啊。
547
- 这样一来我们就是『巨人』一样吧?
548
- 但是,从夏姫姐看来,哎—,大约2,30cm的小人吧?
549
- 这真有趣啊~真的觉得…」
550
- 「啊,啊。但是对我来讲,与其说有趣不如说是奇怪。果然是那样。
551
- 啊,还是什么呀?会到和夏姐同样大小吧,如果姐姐看到人偶尺寸的我又会想玩弄的啦?」
552
- 「我也想,不是哥哥你也行,想要做同样的事呀」
553
- 「虽然那个人不是我也可以,
554
- 但如果把夏姐变得和我现在一样大小也不行吧,
555
- 毕竟是只有我可以这样做吧?」
556
- 「…嗯」
557
- 「没办法,我会陪你的。
558
- 我知道奈央就是喜欢这样。
559
- 但是现在是不可能的,所以之后再说。好吗?」
560
- 「嗯,谢谢。哥哥」
561
- 「喂喂~你们两个,快点~」
562
- 夏姫都等得不耐烦,双手抱胸。
563
- 司的眼睛只看到夏姫被黑色丝袜包裹着的大腿。
564
- 腿下是1米长的高跟鞋。
565
- 刚才就是差点撞到这个完蛋。
566
- 从这里看脖子也不用弯曲到会痛的角度,
567
- 就可以看到夏姫的面庞。
568
- 现在夏姫的脸上满满优越感的笑容。
569
- *
570
- 数字上,夏姫只有司的6倍大小,
571
- 但这样仰望,这个数字还是很大的感觉。
572
- 司所感受的压迫感和刚才没变。
573
- 这也大体上和奥特曼同样的大小,却像自己是「小人」那样的感觉。
574
- 如果夏姫是试图侵略地球的宇宙人的话,
575
- 奥特曼也说不定会逃走。
576
- 这样想来,奥特曼和来侵略地球的怪兽们同样大小意外地公平啊。
577
- 司的妄想得出奇怪的结论。
578
- 对奈央来说,现在的状态可能很快乐,
579
- 但司后悔停留在这个大小了。
580
- 这么渺小。反正那个被巨大怪兽女-夏姫看到又会被玩弄。
581
- 对了,今后都在心中这样把夏姫
582
- 叫成巨大怪兽女吧,司暗暗决定了。
583
- 或者没有从嘴里射出破坏光线,和其他眼睛看得见的破坏行为。
584
- 但对「箱庭」居民确实是个威胁。
585
- 真是个不可爱的名称。
586
- 但是现在很适合夏姫。
587
- 本人要是知道了这个叫法,不知道会被她怎么样。
588
- 被发现的话,只是道谦也不行吧。
589
- 尽管如此,司还在「等等,只是在心中叫起夏姐做巨大怪兽女,不会被她发现啊」
590
- 这样地思考。
591
- 司和奈央回到了原来的尺寸。
592
- 俯视在我身旁夏姫,
593
- 「哎~,夏姐的身高意外的矮啊~」
594
- 放在夏姫的头上的手轻轻地敲了敲。
595
- 司原本身高因为性别的关系而压倒性地比夏姫高。
596
- 和刚刚相反,司的脸上满满优越感的笑容。
597
- 「啊~司这种自大怪癖…我绝对不会允许。」
598
- 「这样形势就逆转了啊,呵呵呵」
599
- 夏姫的威势尽失。
600
- 久违的三人又在一起,情绪高涨地谈起来。
601
- 奈央来到这里之前的事啦,
602
- 平时司和奈央在「箱庭」是怎么玩,一些平时的杂谈之类的。
603
- 「奈央,我这边这边」
604
- 夏姫招了招手。
605
- 奈央到了夏姫旁边,
606
- 两个女生互相偷偷开始说话。
607
- 奈央对夏姫所说的密密点头。
608
- 过了一会「司也来这里吧」,
609
- 夏姫和刚才一样招手呼唤司。
610
- 「什么啊,和我也有关系的话啊」司疏忽大意了。
611
- 他大意和致命相连。
612
- 忘记了对方是有心计,喜欢欺负司的抖S夏姫。
613
- 司走近两人。
614
- 夏姫旁边的奈央向司按下缩小机的开关。
615
- 「嗯?」
616
- 司的身体慢慢变小了。
617
- 总觉得这种感觉和很久之前一样。
618
- 「哇啊wwww」
619
- 「有什么好吃惊啊。不是总是变小去玩吗?
620
- 也并不是那么小,不用担心啊,你看」
621
- 司身高到了130cm左右,缩小化就停止了。
622
- 这是,司小学3,4年级时的身高。
623
- 拥有模特儿身高170cm的奈央当然成为了高个子,
624
- 但是还是比平均女性矮的夏姫矮一个头。
625
- 「也不会不小心踩死,
626
- 小个子的司,我要尽情疼爱啊~」
627
- 脸上满脸喜悦的夏姫,却溢出含有恶意的笑容。
628
- 形势又逆转了。
629
- 「嗯,从刚才开始那张嘴就一直向姐姐说自大的话
630
- 这是坏男孩才会做的,不要再这样做了哦,还不快点道歉?」
631
- 体格上占优势的夏姫笑着说。
632
- 司满脸冷汗仰望夏姫。
633
- 两个人有这样的感觉是时隔多少年了?
634
- 司是小学生的时候,常常被夏姫当成玩具玩弄的创伤又开始复苏。
635
- 「哇啊」
636
- 一边叫出无法用言语表达的呼声一边逃跑,
637
- 被夏姫手臂紧紧抓着想逃跑根本是不可能。
638
- 「想逃跑是不行的啊。
639
- 在姐姐好好疼爱你到满意之前我都不会放手。」
640
- 夏姫非常有姐姐一样的举止。
641
- 「啊,奈央—救命呀~。
642
- 这样的话,生命和贞操都会有危机呢(ry…」
643
- 「哥哥加油!」
644
- 奈央用天真无邪的笑容这样回应道。
645
- *
646
- 中条司。他的女难的人生才刚刚开始。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Done 2024-02-23/[ICECAT] 箱庭シリーズ 8 [that123] JP.txt DELETED
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1
- 熱戦が繰り広げられた夏の甲子園の決勝戦も数日前に終わって、
2
- 長くて短い夏休みもいよいよ、終盤に差し掛かったある日のこと。
3
- 朝から司は、「箱庭」の中で久しぶりに電車を走らせていた。
4
- ここ最近は、自分自身の一人旅やら真美が作り上げた「街」のお披露目式やら、
5
- 祖父母が住む父親の故郷へのお盆の帰省やら、夏休みの宿題のレポートやらで
6
- 「箱庭」に長時間入り浸って電車を走らせる暇がなかったのだ。
7
- 昨日、ようやく課題レポートが大体完成し、
8
- 高校の夏休みの宿題にケリがついたところで、
9
- こうして「箱庭」で自由気ままに電車を運転して過ごしているのだ。
10
- 久しぶりに味わう爽快感に思わず鼻歌を口ずさんでいた。
11
- 「今日は、あの『巨人姉妹』がここにやってくる予定もなく、
12
- こうして誰にも邪魔されずに幸せな時間をすごせるんだ~♪」
13
- 司の頭の中で思っていたことが、勝手に歌になっていた。
14
- 歌の中の「巨人姉妹」とは当然ながら、真美と奈央のことだ。
15
- ちなみに、今日を含めここ数日間の午前中は、奈央は塾の夏季講習があり、
16
- 真美の方は友達の家に遊びに行っているらしい。
17
- 「今日は、あの巨大女二人組がやってこないとわかっているとウキウキしてくるぜ♪」
18
- 普段から奈央と真美は、司のように縮小化することなく、
19
- 「巨人」としてこの「箱庭」に遊びにくる。
20
- そのため、今日みたいに司が「小人」になって電車を運転するには、
21
- 彼女達「巨人」がいると少々不都合なのだ。
22
- もちろん司の本音としては、奈央と真美が、ここに「巨人」として入ってくることには別に文句はない。
23
- 奈央は自分の妹だし、真美は自分から招待したのだから構わないと思っている。
24
- ただ、少し前から、奈央と真美が二人揃って「巨人」の状態でいることが
25
- 少し恐く感じるようになったのだ。
26
- 何せ、彼女達の足の大きさだけで30メートル以上はあるのだ。
27
- そして身長は200メートルを優に超えている。
28
- この前、そんな二人が「箱庭」の中を歩いている様を「小人」視点で電車の運転中に、
29
- 何気なく眺めていたら背筋が寒くなったのだ。
30
- 一瞬、二人が「箱庭」を襲う大怪獣に見えたのだ。
31
- もちろん、そんなことは実際には有り得ないと即座に否定できるくらい、司は二人を信用している。
32
- ただ、どこか頭の片隅が拒否反応を示したのかもしれない。
33
- 司が忘れてしまった過去の出来事が原因なのかもしれない。
34
- 幸いなことに、この不快感は大したものではなく、少し落ち着けば症状は緩和される。
35
- ただ、あまり気分のよいものではないのは確かだった。
36
- それからというもの、二人が同時に「巨人」として、
37
- 「箱庭」にいる時は、極力、運転を控えて、
38
- この気分の悪さは、一時的な気の迷いだと結論付けて、もう気にしないことにしたのだ。
39
- それが功を奏したのか、それ以降、不快感を感じることはなかった。
40
- *
41
- さっきからずっとそんなことを考えていたら、いつのまにか
42
- 司の運転する列車は、真美と奈央が作り上げた「街」のあたりを走っていた。
43
- この前、初めて、ここに通されたときはあまりの出来ばえに驚いた。
44
- まさか自分が旅行に行っているたった五日間で奈央が手伝ったとは言え、
45
- ほぼド素人の真美がここまでのものを完成させるとは夢にも考えていなかったからだ。
46
- 悔しいながらも司は、出来ばえを褒めてやるしかなかった。
47
- 本当のところは、「箱庭」にまた一つ華やかの場所が出来上がっていたので、司自身も実は気に入っていたりするのだ。
48
- ただ、その気持ちを真美には素直には伝えていない。
49
- 司は、少しばかり真美の隠された構成センスに嫉妬してしまっていた。
50
- それと、後は単に、司がそういった気の利いた言葉を言うほど出来た人間でもなく
51
- 加えて彼がそういう場面ではどうしても照れてしまう性質だからだ。
52
- と、昔の事をあれこれと思い出している間、
53
- 司は前方に対する注意が疎かになっていた。
54
- 司が気がついた時には、何かとてつもなく巨大な物体が、列車前方の線路上を塞いでいた。
55
- 司は、衝突を避けるために慌てて、急ブレーキを掛ける。
56
- キィーっという特有の音が周囲に響きわたり、
57
- ようやく列車がストップした。
58
- あと十数メートルでぶつかるところだった。
59
- 命が助かったところで線路を塞いでいるこの巨大な物体の正体に気がついた。
60
- それは巨大な「靴」だった。
61
- 形からして女性物のパンプスだろうか。
62
- ヒールの高さだけでも10メートルはありそうだ。
63
- それが「どーん」と二本の線路を塞いでいるのだ。
64
- そして巨大なパンプスからは黒色のストッキングを履いた脚が、
65
- 女性らしい丸みを帯びた曲線を描いて上に向かって伸びている。
66
- 司が今現在立っている場所からでは、
67
- この巨大な靴の持ち主の顔ははっきりと見えない。
68
- さて、気になるのはこれが誰の足かということである。
69
- そもそもこの「箱庭」は家の中にあり、
70
- 外部の人間が簡単に侵入してくるはずがないので、
71
- おそらく司の顔見知りであるはずだ。
72
- まず始めに奈央かと思ったが奈央はまだこういった靴を持っていないので却下。
73
- それに、線路上に「巨人」が足を置いてしまうミスなんて、
74
- 少なくとも、「箱庭」には慣れている奈央では絶対にしない。
75
- では真美はどうだろうか?
76
- 真美はまだこの「箱庭」に不慣れな面もあるが、慎重な性格ゆえに足元には十分注意するはずだ。
77
- それに、今日のこの時間、彼女は友人の家に遊びに行っているはずだから、
78
- わざわざ友人との予定をキャンセルしてまで、司の家に来る可能性は限りなくゼロに近い。
79
- となると、まさに今、「巨人」になって「箱庭」に侵入し、
80
- その巨大な足で線路を塞いでいるのは誰だ!?
81
- 司は、正体を確かめるべく列車から降りた。
82
- *
83
- 司が上を見上げるとそこには、真美とも奈央とも違った若い女性の巨大な顔があった。
84
- 「やっほー、司♪久しぶり~遊びに来てやったよん♪」
85
- 「のわっ、夏姉ぇ。な、なんでここにいるんだよ?」
86
- 巨大な足で線路を塞いでいたのは、藤沢夏姫,司と奈央の従姉にあたる女性だった。
87
- 彼女は今は、都内の名門私立大学に通っている大学生だ。
88
- 司は幼い頃から彼女のことを「夏姉ぇ」と親しみを込めて呼んでいた。
89
- 夏姫とは祖父母の家で顔を合わせることはよくあったが、
90
- 司達の家まで、やってくることはあまりなかった。
91
- 夏姫がしゃがんで司の方に顔を近づけてきた。
92
- 「あれっ?おばさんから、今日私が来ること聞いてなかったの?」
93
- 「そんな話はぜんぜ~ん聞いてない」
94
- 「ありゃりゃ、ごめんごめん。
95
- てっきり知ってるもんだと思ってた。
96
- 司が『箱庭』にいるって、おばさんから聞いてここに来たんだけど、
97
- ついつい、足元への注意が疎かになって線路塞いぢゃった♪
98
- 私は、あまりここに入ったことがないからね...、びっくりさせちゃったね」
99
- 夏姫は、苦笑いしながら司に謝罪する。
100
- 「危うくもうちょっとで、夏姉ぇの足に激突して死ぬところだったんだから。
101
- とにかく、夏姉ぇもここに小さくならずに入ってきたら、
102
- ゴ○ラとかキング○ドラなんかの巨大怪獣と同じようなもんだから気をつけてくれよ」
103
- 「ハイハイ、今度から気をつけま~す♪
104
- ねぇ~、ところで司。
105
- このままのサイズだと話しにくいと思うんだけどなんかいい方法ない?」
106
- 「ん~それなら、俺が元の大きさになるか、
107
- 反対に夏姉ぇが小さくなればいいと思う」
108
- 「それじゃ、私を小さくしてちょうだい。
109
- ただし!せっかく、私が怪獣気分を味わってるんだからあまり小さくしすぎないでよ」
110
- というわけで、夏姫はさっきの5分の1ほどの大きさ
111
- (それでもまだ身長50メートルはある!)まで縮小した。
112
- 周囲の建物は、夏姫の胸あたりまでの高さしかない。
113
- 「うん、なんだか、この大きさの方がさっきよりもいい感じ。
114
- じゃ、私の手に乗って」と夏姫は司の目の前に、自らの巨大な手のひらを差し出した。
115
- 「へっ?」
116
- 「アンタをどっか、丁度いい高さのビルの屋上まで連れて行ってあげるの。
117
- そこで話の続きをしましょ。ほら、グズグズしないで早くして」
118
- 「なんで俺がそんなことやんなきゃなんねーんだよ」
119
- 「姉に従うと書いて従姉のお姉さん。つまり私のことね。
120
- つべこべ言わずに私の言うとおりにしなさい。いいわね!?」
121
- 「ったく~、わかったよ~。言う通りにしないとまたどうせろくな事になんないから言われた通りにやってやんよ」
122
- 返事をしてすぐに、司が差し出された巨大な手に���じ登る。
123
- 夏姫が年上のせいか、司は会話のイニシアチブを完全に握られていた。
124
- 司を乗せた夏姫の手がだんだん上昇していく。
125
- 落とされないように、司は張り付くばっていた。
126
- 手のひらの上昇が夏姫の顔の高さで止まり、
127
- 「司、こっち向いて」と彼女に呼び掛けられた。
128
- 司が声に反応して、振り返ると前方から突然、猛烈な風が吹き付けた。
129
- 「うわっ」
130
- 「おっきなお姉さんの突風攻撃♪」
131
- 口をすぼめて息で司を攻撃するとは、この巨大女、完全にノリノリである。
132
- どちらかと言うと「小人」の司は、夏姫に完全にもてあそばれているという方が正しい。
133
- 司が、声を荒げて抗議をするも
134
- 「どう?怖かった?驚いた?」と夏姫は気にも留めずに、笑顔で尋ねてくるのだから恐ろしい。
135
- 「夏姉ぇ、マジで恨むよ。死ぬかと思ったんだから」
136
- 「はいはい、ゴメンゴメン。これでいい?」
137
- 「謝り方に誠意が感じられないんですけど」
138
- 「謝ってあげたんだから文句言わないの。
139
- でもね、司がそんなに小さいとついついいじめたくなっちゃうの。
140
- まるで、昔に戻ったみたいだね♪」
141
- 「俺にとっては、夏姉ぇが楽しそうに語る日々は単なる地獄でしかなかったんだけど...」
142
- 「あらやだ、司ったら、あの甘くて懐かしく、そして切ないあの夏の日々を地獄だなんて」
143
- 「俺にとっては、プロレス技を掛けられたり、
144
- のしかかられて馬にされた苦い記憶でしかないんですけど…」
145
- 「私は、そんな野蛮な真似をした覚えなんてございませんわ、ホホホ」
146
- 「夏姉ぇめ、完全にとぼけやがったな」
147
- 「司君ったらヒドいわ。お姉さんをそんな風に言うなんて」
148
- 口調をガラリと変えて妙な演技をし始める。
149
- 「夏姉ぇ、ふざけるのもいい加減にしたらどう?」
150
- 「んもう、司はノリが悪いわね。
151
- じゃ、今から歩き始めるからしっかり捕まっててよ。
152
- 私の手から下に落ちても、知らないからねっ」
153
- *
154
- 夏姫の大きな手に乗せられて司は軽々と運ばれる。
155
- 夏姫の指一本でさえ、今の司の体より、確実に大きくて太い。
156
- 別に、夏姫の指が特段に太い訳ではない。
157
- 若い女性らしい細く長くスマートに伸びた夏姫の美しい指。
158
- それでも、小さな司には大木のように感じられてしまう。
159
- 司が腕を回しても、恐らく両腕の先同士が届くことはないだろう。
160
- これでも夏姫は通常の3分の1程の大きさに縮小している。
161
- でも奈央は、大体「箱庭」には縮小せずにそのままの大きさで入ってくる。
162
- そして、昔から司は小さくなって奈央の遊び相手になってあげていた。
163
- もっとも、身長200メートルを優に超す奈央の遊び相手になってやるのは大変だったが...
164
- 何回か死に掛けたことがあるくらいなわけで。
165
- だから、司の本音としては現在の夏姫の大きさなんて、
166
- 奈央と比べたらかわいいもんだといった感じがする。
167
- 「夏姉ぇ~、足元ちゃんと見て歩いてよ。
168
- 道路には車とかいっぱいあるんだから蹴飛ばしたり...」
169
- 「えっ、司?今、何か言った?」
170
- 夏姫は、手元にいる司の声に気を取られてしまった。
171
- 丁度その時、夏姫の足が路上に停車していた
172
- (というよりか置いてあったと言うべきか)模型の自動車を蹴飛ばしてしまった。
173
- 蹴飛ばされた自動車は近くに止まっていた車に次々に衝突していって、最後にビルに激突して停止した。
174
- 「あちゃ~やっちゃった」
175
- 「な~つ~ね~ぇ~。
176
- だから、足元には注意しろって言おうとしたのに...」
177
- 「わ、私は全然悪くないわよ。
178
- こ、こんな狭いところに車が置いてある方が悪いのよ。
179
- 絶対そう!つまり、車を置いていた司の自業自得!」
180
- 「ちょっ、夏姫ぇ!!こっちに責任転嫁すんなっ!
181
- 夏姉ぇが怪獣みたいに、『箱庭』の中をどかどか歩くから、こういうことが起こるんだよ!」
182
- 「う、うるさーい。年上の私に口応えした上に、怪獣呼ばわりするなんて...司、覚悟しなさい!」
183
- そういって夏姫は自由だった右手の指を司の体に絡ませて、「軽く」握りしめた。
184
- 「な、夏姉ぇ...く、苦しい」
185
- 司は、首から下の体の自由をほとんど奪われて、
186
- それでもなんとか少しだけ動かせる足をバタバタさせて、夏姫の手の中でもがいていた。
187
- だが、いくら司が逃れようと抵抗しても、巨大な夏姫の指はびくともしなかった。
188
- 「ふ���~ん♪お姉さんに逆らったから、こういう風に痛い目に合うのよ。まっ、でもこれ以上いじめるのはかわいそうだから、今日のところはこれくらいで許してあ・げ・る♪」
189
- 夏姫は司を握り締めていた指の力を抜いて、司を解放してあげた。
190
- 昔から、司は祖父母宅などで夏姫と会う度にいじめられてきた。
191
- 当時は泣かされぱなっしだったが、お互いに成長した今ではそんなことも自然となくなっていた。
192
- 「いつの間にかアンタに身長は抜かされちゃったし、
193
- それにアンタは男の子だから、もう力で敵うはずもないし...
194
- なんかさびしいなって思っていたら...
195
- 人形みたいにこんなに小さくてかわいらしい司を見つけたから
196
- つい...その...いじりたくなっちゃって...ほ~ら、うりうり♪」
197
- 巨大な夏姫の人差し指が司の股間につんつんと一応やさしく、触れた。
198
- 自分の大事な部分を突然触られて、思わず声を上げて飛びのく。
199
- 「うわっ、いきなり何すんだよっ」
200
- 「ただの悪戯♪司も男の子だからここに『かわいいもの』をつけてるのかな~って♪
201
- もっと言うとキレイなお姉さんを見て興奮して、ズボンにテント張ってたりしないかな~なんて思ったり♪」
202
- 「そんなわけ...ないだろっ」
203
- 「おやおや~、私の目にはズボンのあたりが、膨らんできたように見えるんだけど気のせいかな?」
204
- 「男はココに刺激を受けると反応してしまうんだから、し、仕方ないだろっ。セクハラすんな、この野郎!!」
205
- 「司君は変態さんだね。親戚のお姉さんに大事なところをいたずらされてコウフンしちゃうなんて♪」
206
- 「あーもう!なんで今日はそんなに俺をいじろうとするんだよ!」
207
- 「だって、司をいじめるのが楽しいんだもん。
208
- それに、中々いいリアクションしくれるからもっといじめたくなるし♪
209
- よーするにアンタの存在自体が『いじめて下さい』と言わんばかりに私のS心を刺激しちゃうのよね~。
210
- 『いじめられっこオーラ』があるのよ。
211
- もしかして学校でもいじられキャラ?」
212
- 「いや、そんなことはないって。
213
- オレをいじめるのは夏姉ぇと...いや、夏姉ぇぐらいだって」
214
- 「ふ~ん、それは本当のことなのかな?
215
- 司が見栄張って嘘を吐いてるとも考えられなくはないわけだし....
216
- まぁ、いいわ。そんなこと」
217
- *
218
- 夏姫が司を手から降ろすのにどこかいい場所がないかと周囲を見回すと、近くの住宅街の中に学校を見つけた。
219
- 隣接する校庭も夏姫が立ち入るには十分な広さがあった。
220
- 学校の周囲に立ち並ぶ家々を踏み潰さないように、幅の狭い路地に慎重に足を降ろしていく。
221
- 路地の幅は、夏姫の足の幅より少し広さくらいしかない。
222
- 数本の路地と十数戸の家々を跨いでいってようやく学校のすぐ横の道路に到着した。
223
- それから夏姫は、校舎のそばにしゃがみ込んで、まずは屋上に司を降ろした。
224
- そして夏姫は再び、その場で立ち上がった。
225
- 黒のストッキングに包まれたすらっとした夏姫の脚が校舎の横に高くそびえ立っていた。
226
- そこから、軽く校舎をまたいで足を校庭側に持っていく。
227
- この校庭はそこまで広くはないものの、
228
- 夏姫が腰を下ろすことができるくらいの余裕が十分にあった。
229
- 「よいっしょっと」
230
- 夏姫が校庭に腰を降ろした。
231
- 巨大なお尻の着地の衝撃が小さな揺れとドスンという音に変わって周囲に伝わる。
232
- 屋上に設置されていた金網越しに、座っている夏姫の巨大な顔と目があった。
233
- 模型の学校であるからだろうか、転落防止用の金網の高さは司の首の位置ぐらいまでしかなかった。
234
- 下に転落しそうで恐怖感があった。
235
- ただその分、顔を外に出すことが簡単に出来たので夏姫と会話はしやすかった。
236
- 「ここは本物の小人の街みたいだね。ビルも家も学校もあって、車までちゃ~んとあるんだから。ガリバーみたいに小人の世界の街中を歩くのは気持ちいいね」
237
- 夏姫は「箱庭」を気に入ったようだ。
238
- 「で、今日は何しにウチに来たんだ?」
239
- 「何しにって、司に会いに来たんだけどな~」
240
- 「それは、絶対に嘘だろ。さっさと本当のこと話したら?」
241
- 「アンタ、ほん~っとに素直じゃなくなったわね。まったく、もう~」
242
- 夏姫がなぜか溜め息を吐いた。
243
- 「確かにアンタに会いにきたわけじゃないのは事実じゃな��わよ。まぁ、単純に言うとウチの家族みんなでこのあたりに買い物にきて、近くにアンタの家があるから寄ってくってことになっただけなんだけどね」
244
- 現実世界とはそっくりなようで、全てのもの大きさが全く違う、この小さな「箱庭」の世界。
245
- 夏姫は「箱庭」の中のミニチュアの街を歩いたり、
246
- 「小人」の司と遊んでるうちに、ある種の優越感を感じたのだろう。
247
- 司だって「箱庭」の管理をする時には、
248
- 当然ながら縮小化することなく「箱庭」に足を踏み入れる。
249
- だから司も夏姫の言うことに共感できた。
250
- 「ねぇ司。ちょっと元の大きさに戻ってみてもいい?
251
- どうせなら色々大きさ変えてこの世界を探検してみたいしね」
252
- 「仮に、俺がダメって言ってもどうせ無視するつもりだったんだろ?
253
- もう、勝手に好きにしたらいいよ」
254
- 夏姫には何を言っても無駄だということがわかったのか
255
- 司は夏姫の好きなようにさせることにした。
256
- 「ありがとう~♪流石は司だね~。
257
- お姉さんのいうことはちゃんと聞いてくれるね♪」
258
- 今までの発言を180度ひっくり返すようなことを言って、
259
- 夏姫はやけにうれしそうな表情を浮かべた。
260
- 「じゃ、少ししたらまたここに戻ってくるね。
261
- えっと元の大きさに戻るスイッチは...」
262
- 夏姫が、手に持っていた縮小機をまだ慣れない手付きで操作する。
263
- しばらくすると、夏姫の体が次第に大きくなっていった。
264
- 元々、巨大怪獣サイズはあった夏姫の巨体がさらに巨大化していく様は壮大だ。
265
- もしも夏姫のそばにいるのが司ではなく、
266
- 「箱庭」や「巨人」になれていない人間なら生命の危機に感じられるかもしれない。
267
- さっきまで夏姫の体全体で占領されていた校庭は、
268
- 今となっては夏姫の左足だけで占領されていた。
269
- 夏姫のもう一方の足は校舎を挟んで反対側に置かれていた。
270
- たまたま、足が置かれた場所は空き地だった。
271
- 夏姫がうまく空き地を見つけたようだ。
272
- 建物や家屋が、夏姫の足で踏み潰されるようなことは何とか免れた。
273
- *
274
- さて今、夏姫は校舎の真上で両足を少し開いて立っている。
275
- 少しといっても、実際には、足と足の間は100メートル近くはある。
276
- そして、司の頭上には夏姫のスカートが悠然と翻っていた。
277
- ということは、もちろん夏姫の直下にいる司には、中身が丸見えだった。
278
- 「司、私がここから動く前にスカートの中を見たら、学校ごと踏み潰すから。
279
- アンタの考えてることはすべてお見通しよ!」
280
- 真上から降ってきたのは夏姫からの死の警告だった。
281
- おそろく踏み潰すというのは、冗談であろうが司には冗談には聞こえなかった。
282
- 夏姫は、司がいるはずの場所を把握していた。
283
- 司のおよそ150倍はある夏姫の巨体から発せられた声は、
284
- 周囲の大気を震わせるほどの音量だった。
285
- さっきまでの夏姫の声の音量とは、比べものにならないほどデカい。
286
- 夏姫から死の宣告を受けたからと言って、司だって男だ。
287
- 夏姫の足元という絶好のポジションにいるというのに、
288
- 多少脅された程度でみすみす見逃すわけにはいかない。
289
- これが妹の奈央のスカートの中だったら、
290
- さすがに覗くことはしないだろう。
291
- (たまに見えてしまうことがあるができる限りみないようにしているが
292
- やっぱりどうしても見えてしまうことがある。コレは不可抗力だ)
293
- ちなみに一週間前見えてしまった時には青と白の縞パンだった。
294
- 司の「息子」は正直者なのか、ついつい「反応」してしまった。
295
- 自分が兄として少し情けなくなった。
296
- だが、しかーし。今回の相手は夏姫だ。
297
- 性格と口に多少問題点があるが、
298
- 黙っていれば基本的にはキレイなお姉さんである。
299
- この超ローアングルな場所から夏姫の覗いてはイケないところを、
300
- あえて覗き見る価値は十分にある。
301
- 加えてさっきから、夏姫からは散々嫌がらせを受けている。
302
- その反撃として頭上に目を向けてスカートの中を一瞬見るくらいなら、
303
- 夏姫は許さないにしても、神様は許してくれるはず。
304
- 司は自分にかなり都合のいい言い訳を考え出して、自分自身を納得させた。
305
- 「ちょっと、司。私がどのあたりを歩いていいか教えなさい。
306
- 教えてくれないとそこらへんをテキトーに歩いてくから。
307
- 建物踏み潰しちゃっても知らないわよ」
308
- 「女王様」は、さらに巨大化してもっと傲慢になったようだ。
309
- 「箱庭」を傲慢な巨大女王様の魔の手....じゃなくて魔の足から守るため、
310
- 渋々、司が現在いる位置から一番近い「巨人」用歩道が通ってる場所を教える。
311
- 「ありがとっ」
312
- 「女王様」も小人に礼を言うくらいの優しさは、一応持っていたようだ。
313
- 思いきって頭上を見上げると上空にピンク色の部分が見えた。
314
- 夏姫の下着だ。しかも女の子らしいピンク色。
315
- 夏姫の好みは乙女チックだったので司には以外に感じた。
316
- それは実にすばらしい光景だった。
317
- 男なら興奮しない者はいないだろう。
318
- 今晩のオカズが瞬間的に決まった。
319
- それに、司としては先程からヤケに高圧的な態度を取って、
320
- 自分をコケにする夏姫のスカートの中を見れたことで、
321
- 少しはリベンジできたような気がした。
322
- その一方、夏姫は本当に司がスカートの中を覗き見ていることには、全く気付かないまま歩いていった。
323
- 夏姫自身、まさかあの司が上を見上げて本当にスカートの中を覗くとは予想していなかったからだ。
324
- 先程から何度も小さな地震-震度で言えば2か3くらい-と同じような揺れが続いている。
325
- この揺れは全て、夏姫が歩くことによって発生している。
326
- 数秒ごとに夏姫の巨大な足が地面に達する度に揺れる。
327
- 夏姫のように「小人」になったことのない人間にはわからないだろうが、
328
- 「巨人」が歩くだけで本当に地面が小さな地震と同じくらい揺れるのだ。
329
- 夏姫の姿は、彼女が歩いているところから「小人」の感覚からして数?離れた、
330
- 司がいるこの場所からでも十分に確認できた。
331
- 視界を遮るような高い建物がないのでよく見える。
332
- それ以前に、夏姫の大きさがこの「箱庭」の世界で異質だからだとも言える。
333
- しかしながら、自分自身が歩く姿がこんなにも壮大なものだと、夏姫は気づいていないだろう。
334
- 今のこの光景をカメラの録画して映像として見せればきっと驚くだろう。
335
- 一度、「小人」の視点に立って目撃しなければ想像しがたい。
336
- 今ごろ、夏姫はきっと大怪獣気分を味わってることだろう。
337
- 確かに模型の街並みを上から見下ろしてみたり、
338
- 「巨人」になって「箱庭」の小さな街並みの中を歩りたりすると、
339
- 言葉では表しにくい優越感を感じるのは司も同意できる。
340
- 問題は、その優越感が度を過ぎると色々と厄介なことが巻き起こることだ。
341
- そのことを証明する前例は、真美の一件だ。
342
- あの時は、何とか真美を説得できて事無きを得た。
343
- 説得できてなければ真美との仲も取り返しの付かないものになっていたはずだ。
344
- 「箱庭」に慣れていない人間が長い時間いると元の世界に戻ったとき、物の大きさが変に感じられる。
345
- 特に関係はないが実際に物の大きさの感覚が異常に感じられる病気があると聞いたことがある。
346
- 確か、「不思議の国のアリス症候群」とか言う中々洒落た名前だった。
347
- この調子だと夏姫も後で感覚の不一致に襲われることになるだろう。
348
- 通常の感覚を取り戻すまで割りと時間が掛かる。
349
- 医薬品のCMのように『「箱庭」は使用上の注意をよく読み、用法、用量を守って正しくお使いください』
350
- とでも言ってあげたほうがよかったのか。
351
- *
352
- それにしても、夏姫は中々戻ってこない。
353
- さっきはすぐに戻ってくると言っておきながら、
354
- もう既に15分以上は過ぎている。
355
- いかんせん、縮小機を夏姫に奪われた上に、
356
- 一人ぼっちでいると何もすることがなくて退屈なのだ。
357
- それに夏姫が小さな街並みの中で何かやらかしてしまわないかと心配でならない。
358
- 服の裾が引っ掛かっただけで、沿道の建物が倒れたりすることもあるのでヒヤヒヤする。
359
- だから「箱庭」に慣れていない夏姫には、本当に、本当に注意して歩いて欲しかった。
360
- 仕方なく、夏姫の姿を目で追っているのだ。
361
- 最も、夏姫が何かをやらかしてしまった時に、
362
- この大きさだと司が夏姫の行動を制限できるはずがなかったので
363
- 無意味と言えば無意味だった。
364
- 何か夏姫を呼び戻す方法がないか、司は考えを巡らせ始めた。
365
- 携帯で彼女を呼び出すことをまず最初に思いついたが、ここ「箱庭」は地下なので電波が届かないので、これは不可。
366
- だからと言って、他���トランシーバーのような特別な通信機器を持ってるわけではなかった。
367
- なんとなくポケットの中に何か使えそうなものがないかと探り始める。
368
- するとポケットの中で手が何かを探り当てた。
369
- 「おっ、これは...フムフム...となると...いいこと思いついたぜ~」
370
- 司は、ポケットの中から「ある物」を取り出して操作し始めた。
371
- それは、ラジコンのヘリコプターのリモコンだった。
372
- このラジコンは元々、屋外で飛ばすために買ったものだが、
373
- 最近では公園でラジコンを飛ばすことが、禁止されたりして使う機会が減っていた。
374
- ただ部屋に置いておくのは、実にもったいないと思っていた。
375
- そこで何か有効な使い方はないかと考えた末に、「箱庭」の中に置くことにした。
376
- そのままの大きさだと、「箱庭」の世界との縮尺が合わなかったので、その点は縮小機を使って調節した。
377
- プラモデルの戦車と一緒に並べておいてみると、ちょっとした軍隊の基地っぽくなって気に入っていた。
378
- その後、鉄道模型に同じようにヘリコプターに超小型カメラとスピーカーを付けたら、
379
- なんだか色々と面白そうだということになって、
380
- 機体にカメラとスピーカーを取り付ける改造を施すことにしたのだ。
381
- ただし、取り付ける場所は機体の下部にした。
382
- 機内に取り付けてみても、ヘリコプターの機内から見える映像はおそらく「箱庭」の壁しか映らないと考えたからだ。
383
- 機体の下部なら、真下に広がる街並みが綺麗に撮影できるはず...
384
- というわけで、改造したヘリコプターに搭載したカメラで模型の町並みを撮影した映像を実際に見てみると
385
- まるで本当に街を空中撮影したかのような映像だった。
386
- それからは、「箱庭」の中で鉄道模型だけではなくヘリコプターも操縦するようになった。
387
- 「確かヘリコプターの機体はいつもの場所に停めていたはずだから、うまいこと操作して,,,,」
388
- 今いる場所からでは目視確認はできないので、
389
- とりあえずヘリコプターを高く上昇させてから位置を確認することにした。
390
- しばらくすると司の視線の先にヘリコプターが見えてきた。
391
- 「あとは、これを夏姉ぇのいる方に気づかれないように低空飛行で操縦して....」
392
- 司が計画した悪戯は徐々に進行していく。
393
- 低空飛行でヘリコプターが夏姫に気づかれないまま近づいていった...
394
- *
395
- 無事に夏姫に気付かれずに接近させることができた司は、ヘリコプターをその場で急上昇させた。
396
- 夏姫が突然急上昇してきたヘリコプターを避けようとして足元への注意が一瞬、疎かになった。
397
- すると、見事なことに夏姫が足元にあった何かにつまづいた。
398
- 「き、きゃーーー」
399
- 夏姫が悲鳴を上げるが、一度崩れた体勢をそこから立て直すことはもはや不可能だった。
400
- ヘリコプターを操作していた司の目には、その光景がスローモーションで目に映った。
401
- 人がこける瞬間をあんなにもはっきりと見たことはなかった。
402
- 次の瞬間には、夏姫の十数万トンもの巨体が、地面に叩きつけられていた。
403
- 腕が近くのビルに直撃して倒していき、
404
- 道路上にあった何台もの自動車が夏姫の下敷きになった。
405
- それから、凄まじく鈍い轟音と震動が順を追って司がいた場所に到達した。
406
- 夏姫はただ歩くだけで地震を起こしていたのだから、
407
- 全体重によって引き起こされたこの揺れは、
408
- さっきまでの揺れとは比べ物にならない。
409
- その場に立っていられなくなった司は思わず地面にへばり付いて、この揺れをやり過ごした。
410
- 「痛たたた...車が下敷きになって体のあちこちに食い込んじゃって痛いし~」
411
- 夏姫が地面に打ちつけたところに手を当てて起き上がる。
412
- 「つ~か~さ~、ヘリコプターなんかを近づけていきなりビックリさせないでよ。危ないでしょ~が」
413
- 「巨大女が当機に気付いた際、驚いて勝手に転んだ模様。なお、巨大女が転倒したことにより付近一帯に甚大な被害が出た恐れあり」
414
- 堅苦しいように見えて、半分ちゃかした感じのする口調で現在の状況が実況された。
415
- 「へっ?」
416
- 夏姫は一瞬、今流れている音声が何について言っていることだか判らなかった。
417
- 「繰り返す、巨大女が道路上で転倒した模様。転倒時の衝撃で付近に甚大な被害が出た恐れあり」
418
- 当然なが��、この実況は「巨大女」こと夏姫の耳にも入るわけで...
419
- 夏姫はヘリコプターのスピーカーから流されてる実況の意味をようやく理解した。
420
- ブチッ、ぶちっ、ブチッ。
421
- 何かがキレた音がした。
422
- それも一つだけではなく、複数。
423
- 実にいやな予感を催す音だ。
424
- 「ふ~ん、司ってばこんなことしちゃうんだ~」
425
- 一見すると優しげにも聞こえる口調ではあったが、
426
- 実際の夏姫の心の中は、司に対する怒りで煮えたぎっていた。
427
- *
428
- キレた夏姫の行動は非常に素早かった。
429
- 夏姫がすくっと立ち上がり、そして高度を下げていたヘリコプターを見つけるや否や
430
- 逃げる時間を与えることなくヘリの胴体をガシッと鷲づかみにした。
431
- 「ふ~ん、これね。さっきから何やらいろいろと私の悪口を垂れ流ししているのは。
432
- わざわざ、スピーカーを使ってまでやるとわね...」
433
- 巨大な女の手がヘリコプターの胴体を鷲掴みにしている。
434
- 司が、ヘリコプターの操作をしようにもがっちりと掴まれていて動かせなかった。
435
- まるで、どこぞのB級ハリウッド映画のような光景になっていた。
436
- 「わっ、夏姉ぇ~ラジコン離せー」
437
- 「さっきからこの私に向かって、ずいぶんと生意気なことをベラベラしゃべるのは、どの口かしら~?
438
- 一度、しっかりとお仕置きしてあげないといけないとね~」
439
- 夏姫は、ヘリコプターの胴体の腹側に
440
- 付いてある小型スピーカーを取り外そうとする。
441
- 「ちょっ、スピーカー外すな、夏姉ぇ!
442
- また取り付けるのメンドーなんだから!」
443
- 「私に生意気な口を聞いた罰よっ!」
444
- 夏姫がスピーカーを取り外そうと悪戦苦闘するも、
445
- スピーカーは機体にしっかりと固定されているので中々上手くいかない。
446
- 「マジで壊そうとすんな、とにもかくにもやめてくれー」
447
- 「うるさいうるさーい。
448
- アンタが全部悪いんだからさっさと謝りなさいよー
449
- 早く謝らないと、このラジコンを下に落とすわよ」
450
- 二人は距離と体の大きさを超越して口喧嘩をしていた。
451
- *
452
- 「ねぇ、お兄ちゃん達はさっきから何してるの?」
453
- そこに、たまたま奈央がやってきた。
454
- いや、「たまたま」と言うよりむしろ司と夏姫の間に割って入るタイミングを覗っていたと言う方が正しい。
455
- どうやら塾の夏季講習が終わって、家に帰ってきていたようだ。
456
- 「ウチに帰ってきてみたら夏姫お姉ちゃんが、今日、遊びに来てるってお母さんから聞いて、
457
- それでお兄ちゃんと二人『箱庭』にいるから気になって来てみたけど...」
458
- 奈央はラジコンのヘリコプターを片手に大人げない行動を取っている従姉と、
459
- 姿は見えないものの何処からともなく声だけは聞こえる兄に困惑気味だった。
460
- 「あっ、奈央ちゃん、久しぶり~。元気してた~?」
461
- 夏姫はヘリコプターを鷲掴みしたままで、奈央に声を掛けた。
462
- 「えっ、うん」
463
- 自分の出した質問の答えが得られないまま、
464
- 夏姫につられて返事をする。
465
- 「奈央ちゃん、また身長伸びた?」
466
- 今度は、邪魔になったのか手に持っていたヘリコプターを無造作にビルの屋上に置いた。
467
- 夏姫の膝より下の位置にあるビルの屋上にはしゃがまないと手が届かず、
468
- 彼女がヘリコプターを乱暴に扱ったために、置いた後に機体が右に傾いてしまった。
469
- 「夏姉ぇ~、ラジコンを乱暴に扱うなー」
470
- スピーカーを通じて司の声が届いたが、夏姫に完全無視されて虚しく響き渡るだけだった。
471
- 「えっと、春に測った時で...170.5センチだったかな...」
472
- 「じゃ、私よりも17センチも高いね。いいな~」
473
- 「それより、お兄ちゃんはどこにいるの?
474
- さっきから声だけは聞こえるんだけど...」
475
- 「司ならあっちの方にある学校の校庭にいるはずよ」
476
- 「夏姫お姉ちゃんありがとう。
477
- それじゃ、お兄ちゃんを回収してくるね」
478
- 「どういたしまして♪
479
- あっ、気をつけてよ、さっきの私みたいに何かに躓いてコケたら危ないんだから...
480
- って、奈央ちゃんはここに慣れているからそんなドジは踏まないか、ハハハ」
481
- 夏姫が後ろから見守る中、学校に置き去りされた司を回収するために奈央は、
482
- 「巨人用歩道」から自分の靴よりも小さな建物がひしめき合って立ち並ぶ一画に入っていった。
483
- 本来なら、現在の奈央の大きさであれば、
484
- こういった混み入った場所には侵入禁止なのであるが、
485
- 今回は司を救出するという大義名分があるので、問題はなかった。
486
- 高い部類に入るビルでも奈央の膝より、
487
- かなり下の位置ぐらいの高さしかない。
488
- うっかり足を置いたら潰れてしまいそうだ。
489
- その中を、建物にぶつからないように器用に足を動かして、
490
- 司が取り残されている学校に少しずつ近付いていく。
491
- こうやって小さな建物の間を縫って歩いていくのは、
492
- 自分の巨大さをひしひしと感じられるので奈央は好きなのだ。
493
- *
494
- しばらくして学校のある場所が見えてきた。
495
- 三階建ての校舎を真上から見下ろしてみる。
496
- 奈央の巨大な影が校舎全体を覆う。
497
- 屋上に小さな人影を見つけた。
498
- こっちに気づいたのか、司が見上げ返してきた。
499
- 「ちび兄ちゃん。今から校庭に足を降ろすから、10秒以内に校舎の中に避難してね」
500
- 「小人」の兄のために、注意を促す。
501
- 司が避難し始めたのを確認してから足を移動させる。
502
- ほんの少し足を持ち上げるだけで校舎のよりかなり高い位置にくる。
503
- 着地の衝撃で地震を起こさないように、
504
- ゆっくりゆっくりと上から足を降ろしていく。
505
- そして、奈央の巨大な足は静かに地面に達した。
506
- 校舎の中に避難していた司には,着地の衝撃はほとんど感じられなかった。
507
- 「危ないからもう少し待っててね」
508
- 再度、注意を促す。
509
- 奈央は気配りがよく出来る妹だと、司はつくづく思う。
510
- それに、中学生になっても、まだ「お兄ちゃん」と呼んでくれる。
511
- ここがよく出来た妹の証だ。
512
- でも、未だに「ちび兄ちゃん」と呼ぶのはやめて欲しいとも思うのであった。
513
- ここが珠にキズなのだ。
514
- それとなぜだか、奈央は学校用のローファーを履いてきていた。
515
- 外行きでもないのに、履き間違えてそのままに履き替えずにきたのかも知れない。
516
- さて、本来なら制服と合間って年頃の女の子を
517
- より魅力的に見せる黒いローファーも30メートルもの大きさともなると、
518
- もはや要塞かとも思えてくる程の存在感がある。
519
- 加えて黒の単一色なので、重厚感、威圧感が抜群にある。
520
- このくらいの大きさ、革の厚さがあれば、戦車からの攻撃ぐらいではキズ一つ付きそうにもなさそうだ。
521
- 「ちび兄ちゃん、もう出て来ても大丈夫だよ」
522
- 奈央に呼ばれて、司が避難先の校舎から外に出る。
523
- 奈央は、さっきより小さくなってしゃがみ込んで待っていた。
524
- 司からしておよそ25倍程の大きさだろうか。
525
- 一応、奈央の身体は校庭の中に収まっている。
526
- 「今から私と同じくらいの大きさに戻してあげるから」
527
- それから「縮小機」のスイッチをリバースに変えて、
528
- 司を自分と同じサイズまで大きくした。
529
- 「サンキュー、奈央」
530
- 自分を助け出してくれた妹に感謝する。
531
- いいタイミングで奈央がやってきていなかったら、
532
- ここで少なくとも、数時間は過ごさなければならなかっただろう。
533
- 助けを呼ぶにも、ここは地下なのでケータイの電波はまったく届かないのだ。
534
- 「じゃ、とりあえず夏姫お姉ちゃんがいるところまで戻るね」
535
- 「あぁ、そうだな。まずは、ここから出ないとダメだな」
536
- そこから近くの「巨人」用歩道まで狭い路地を通り抜けて、
537
- この場所で、司は本来の大きさに戻ろうとした。
538
- 「ねぇねぇ、ちょっと待ってよ、お兄ちゃん。今のままの大きさで、夏姫お姉ちゃんのところに行ってみない?」
539
- 「なんでそんなことするんだ?
540
- 俺達は見ての通り、まだ通常の6分の1の大きさなんだぞ。
541
- 奈央だって見えるだろう?
542
- 俺達の6倍はある夏姉ぇがど~んとあそこにそびえ立っているのがさ」
543
- 司と奈央は、今、「箱庭」の人間のおよそ25倍の大きさだ-ウル○ラマンと同じくらいだと考えればいいだろう。
544
- 「だからこそ、面白そうじゃない?
545
- 今、私とお兄ちゃんは『小人』からすると、
546
- もちろん今は誰もいないけどね、いるとすればの話ね。
547
- そうすると私達は 『巨人』と同じでしょ?
548
- でも、夏姫お姉ちゃんからしてみると、えっーと、大体2,30センチの小人になるわけでしょ?
549
- こういうのって面白いなぁ~って思うんだけど...」
550
- 「ん、まぁな。でも、俺にしてみれば面白いというよりか変な感じがするな。やっぱり。
551
- あっ、それとも何だ?夏姉ぇと同���大きさに戻って人形サイズの俺を見てみたいとか?」
552
- 「別に、お兄ちゃんじゃなくてもいいんだけど、それはやってみたいの」
553
- 「相手はおれじゃなくてもいいって言っても、
554
- 夏姉ぇが今から俺と同じ大きさになるわけにもいかないんだから、
555
- 結局は俺がやってやるしかないんだろ?」
556
- 「....うん」
557
- 「しょーがねーな、付き合ってやるよ。
558
- 奈央がこういうことが好きなのはよく分かってるからさ。
559
- 但し、今は無理だから後でな。それでいいか?」
560
- 「うん、ありがとう。お兄ちゃん」
561
- 「ちょっと~二人とも、おそ~い」
562
- 夏姫が待ちくたびれて、シビレを切らしていた。
563
- 司の目には夏姫の黒ストッキングに包まれた脚しか見えなかった。
564
- 足元にあるのは、長さが1メートル以上はあるパンプス。
565
- さっきは危うくこれにぶつかって仕舞うところだった。
566
- そこから首が痛くなるほどの角度まで曲げないと、
567
- 夏姫の顔を眺めることはできなかった。
568
- そして今の夏姫の顔には優越感から来る笑みがこぼれていた。
569
- *
570
- 数字の上では、夏姫は司の約6倍の大きさでしかないが、
571
- こうして見上げると数字以上に大きく感じる。
572
- 司が感じている威圧感はさっきとさほど変わらない。
573
- これでもウルト○マンとほぼ同じ大きさなのに、まるで自分は「小人」のように感じるのだ。
574
- 夏姫がもし地球を侵略しようとする宇宙人なら
575
- ウル○ラマンでも逃げ出すかもしれない。
576
- そう考えると、ウル○ラマンと同じ大きさで地球を侵略しにくる怪獣たちは意外とフェアだ。
577
- 司の妄想が妙な結論に至った
578
- 奈央にとっては今の状態が楽しいものなのかもしれないが、
579
- 司はこの大きさのまま留まったことを後悔した。
580
- この小ささだとどうせあの巨大怪獣女-夏姫にまた弄られるのは目に見えている。
581
- そうだ、これから心の中で夏姫のことを
582
- 巨大怪獣女と呼んでやろうと司はひそかに決めた。
583
- 口から破壊光線は出したり、目に見えた破壊行為はしないけど
584
- 「箱庭」の住人を脅かしていることは確かだ。
585
- 実にかわいらしくない呼称。
586
- しかしながら、今の夏姫には相応しい。
587
- 本人にこの呼び方が知られたら、何をされるかわからない。
588
- バレたら、ただじゃ済まないだろう。
589
- それでも司は「まっ、心の中で呼ぶだけだし夏姉ぇにバレるわけないよな」
590
- と甘く考えていた。
591
- それから司と奈央は元のサイズに戻った。
592
- そばに居た夏姫を見下ろして、
593
- 「へぇ~、案外夏姉ぇって身長低かったんだな~」
594
- と夏姫の頭に手を置いてポンポンと軽く叩いていた。
595
- 元の身長では司のほうが性別の差もあってか夏姫と比べて圧倒的に高かった。
596
- 今までとは反対に司の顔に優越感から来る笑みがこぼれていた。
597
- 「むぅ~司の癖に生意気なことするなんて...絶対に許さないんだから」
598
- 「これで形勢逆転だな、ニヤニヤ」
599
- さっきから夏姫の威勢がなくなっている。
600
- 久しぶりに3人が揃ったことで話が盛り上がる。
601
- さっき奈央がここに来るまでの話やら
602
- 普段司と奈央で「箱庭」でどうやって遊んでいるとか他愛もない話をした。
603
- 「奈央ちゃん、ちょっとこっちこっち」
604
- と夏姫が手招きをしている。
605
- 奈央が夏姫に呼ばれて傍に近付いていき、
606
- なにやら女同士でヒソヒソ話をし始めた。
607
- 奈央が夏姫の言うことにコクコクと頷いている。
608
- 少ししてから「司もこっちに来て」と、
609
- 夏姫が先程と同じように手招きしながら司を呼んだ。
610
- 「なんだ俺にも関係ある話なのか」と司は油断してしまった。
611
- その油断が命取りに繋がるのだ。
612
- 相手が、策士でいじめっ子で司に対してはドSの夏姫だということを忘れていた。
613
- 司が二人がいる方に歩み寄っていく。
614
- 夏姫ではなく、隣にいた奈央が縮小機を司に向けてスイッチを押した。
615
- 「ヘッ?」
616
- 司の体がゆっくりと小さくなっていく。
617
- なんだか前にもこんなことがあったような気がする。
618
- 「あわわわわww」
619
- 「何驚いてんのよ。いつも小さくなって遊んでるんじゃないの?
620
- そんなに小さくしたわけじゃないから心配しなくていいわよ、フフフ」
621
- 司は身長130センチくらいにまで、小さくなったところで縮小化が止まった。
622
- これは、司が小学校3,4年生だった頃の身長だ。
623
- モデル並みの170センチという長身の奈央は当然とし��、
624
- 女性としても低身長の夏姫よりも頭一つ分くらいは小さい。
625
- 「これなら誤って踏み潰すこともなく、
626
- チビな司を思う存分可愛がってあげられるわね~」
627
- にんまりとした夏姫の顔には、悪意がたっぷりと含まれた笑みが溢れていた。
628
- またまた形勢逆転だ。
629
- 「さてと、さっきからずーっとお姉ちゃんに向かって生意気な口を聞いている
630
- 悪い男の子はごめんなさいをしないといけないよね?」
631
- 体格面で優位に立った夏姫。
632
- 司は冷や汗を掻きながら、夏姫を見上げている。
633
- 二人がこんな感じで向き合うのは何年ぶりだろうか。
634
- 司は、小学生の時の夏姫におもちゃにされて弄ばれたトラウマが甦ってきた。
635
- 「あわわっわぁ」
636
- 言葉にならない叫びを上げつつ逃げだそうにも、
637
- 夏姫に腕をしっかりと掴まれているので逃げ出すのは不可能だった。
638
- 「逃げようなんて思ったらダメよ。
639
- お姉ちゃんが満足するまでしっかりと可愛がってあげるんだから♪」
640
- やけに夏姫がお姉さんぶった振る舞いをする。
641
- 「な、奈央ー助けてくれ~。
642
- このままだと命とか貞操の危機だか(ry...」
643
- 「お兄ちゃんがんばってー」
644
- 奈央は無邪気な笑顔でこう返した。
645
- *
646
- 中条司。彼の女難の人生はまだ始まったばかりかもしれない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Done 2024-02-23/[ICECAT] 箱庭シリーズ 9 [that123] CN.txt DELETED
@@ -1,215 +0,0 @@
1
- 今天是某个假日。
2
- 难得的休息日了,外面从早上开始淅淅沥沥断断续续地下雨。
3
- 这种天气的原因,到外面去玩也没心思,
4
- 司吃过午饭后,慌忙回到自己的房间床上躺下。
5
- 然后看着最喜欢的漫画,品味小小的幸福。
6
- 但是他小小的幸福的时间没有多长。
7
- 因为一个巨大的阴谋在他不知道的地方蠢动着!
8
- 一阵敲门声。
9
- 司房间的门被敲了。
10
- 「哥哥,可以进来?」
11
- 声音的主人是妹妹奈央。
12
- 「喔,啊」
13
- 现在做的事被妹妹看见的话也不会有危险,所以司就直接让她进来。
14
- 如果现在是「男人的这个秘密的时间☆」的话…就不一样说法。
15
- カチャリ-门打开的声音,奈央进来了。
16
- 「喂喂,哥哥。现在有空吗?」
17
- 奈央看到独自在床上躺着哥哥,露出高兴的表情,
18
- 「喂喂,去下面玩吧~」向司提出邀请。
19
- 「现在我忙着呢。玩的话,一个人去吧!」
20
- 「忙什为呀,哥哥只有在看漫画啊~~不要这样小气」
21
- 「奈央也已经不是小孩子了,所以一个人…」
22
- 「对不起,哥哥。今天怎么也要一起玩,因为我想…」
23
- 奈央把隐藏在口袋里的缩小机取出,对司使用。
24
- 对妹妹没有警戒心也没办法,奈央经常向司发出缩小机的光芒。
25
- 「喂,又来啊…」
26
- 对司来说,奈央随意地缩小化自己的身体已经是家常便饭。
27
- 正因为如此,不仅没有令人吃惊,连愤怒也说不上。
28
- 有的感情只有惊讶。
29
- 「诶…」司不由得吐出的叹息。
30
- 「这次是~尝试缩小率90%。这个还是现实的大小吧~?」
31
- 奈央说完,司变小了,但是现在的身高是大约只有150cm。
32
- 这是司中学入学时的身高,所以到也不算太奇怪。
33
- 也不怕被奈央巨大的脚一脚踩死。
34
- 但是现在的两人的身高是就有很大差距了。
35
- 当然哥哥司是个子矮的那个。
36
- 与此同时可以清楚感觉到…
37
- 170cm的妹妹和153cm(暂时)的哥哥。
38
- 这对司来说,意识到了被绝望身高差的墙壁挡住一样。
39
- 「好了好了,赶快回到原来大小~。特意把我变小。这满足了吧?」
40
- 「不要~」
41
- 「喂,奈央。不要横蛮无理,早点变回去!」
42
- 「哥哥使用自己的缩小机的话,马上就可以变回原来大小啊」
43
- 司慌慌张张打开了放着平时自己用的缩小机的桌子抽屉。
44
- 但是,那里没有司用的缩小机。
45
- 「我事先取得了哥哥的缩小机。
46
- 之后一定要还给你的,别担心。」
47
- 说完,奈央卖弄自己用的和司用的两台缩小机。
48
- 「喂,奈央。把我的缩小机还给我」
49
- 奈央过于准备周到的行动,司连责备的余力也没有,只想到该如何抵抗。
50
- 「现在哥哥的身高是碰不到的吧♪嘿嘿」
51
- 奈央利用身高再举起长长的手臂,把两台缩小机举到司跳跃都无法碰到的位置晃荡。
52
- 「该,死!!」
53
- 司拼命跳跃,奈央轻易逃走了。
54
- 「被妹妹压着的心情怎么样呀,哥哥?」
55
- 「哈哈,还不好说吧!」
56
- 「就这样一直下去哥哥也赢不了我的吧?
57
- 不然,和我一起玩?」
58
- *
59
- 「真是的。知道了,一起玩吧。
60
- 但是时间要2小时以内。再长的话会很累。因此…
61
- 要好好遵守时间。」
62
- 「谢谢,哥哥」
63
- 奈央满面的笑容。
64
- 「完全在随便使唤哥哥……」
65
- 「我没有随便使唤哥哥哦。
66
- 我有请求的,是请哥哥来的说…」
67
- 「那就是拜托过程有问题。变小的是没问题,但突然问也不问」
68
- 「因为~哥哥吃惊的样子很有趣啊」
69
- 「是我没有警戒心的不好…啊,喂…」
70
- 「エヘヘ,哥哥,变小了,好可爱啊。摸摸你的头」
71
- 奈央温柔地抚摸矮自己一个头的哥哥。
72
- 这样下去,会完全失去作为哥哥的尊严吧。
73
- 「可恶~~奈央,你给我记住。这样继续欺负哥哥的话,总有一天我会反击啊~。神也有好好地看着的…」
74
- 「哥哥太温柔了,不会对我做什么的啊♪喂喂,还是早点下去吧」
75
- 「是、是。先把这本书放回架子」
76
- 司走过奈央,想把漫画放回到原来的位置伸手。
77
- 本来个子高,因为被奈央能缩小的原因,平时可以轻易摸到的架子,
78
- 现在拼命伸手也没到达那个位置。
79
- 「咦,怎么了,哥哥?
80
- 难道因为太矮而摸不到架子啦…?」
81
- 奈央从旁偷看。
82
- 奈央的脸上不知道为什么浮着令人不快的笑容。
83
- 司对这个笑容吃了一惊。
84
- 看惯了的妹妹的笑脸背后,似乎看到了什么可怕的片断一样。
85
- 但是只是一瞬间的事,所以不太关心。
86
- 「麻烦一下,哥哥个子小…」
87
- 「别闹了嘛~哥哥。只是现在啊,比我小。是的,那本书……」
88
- 奈央帮忙把漫画放回原处。
89
- 「那么,这就走吧,哥哥♪」
90
- 奈央拖着变小了的哥哥的手,从房间领出去。
91
- 那光景如果不知道的人看到��话,会当着关系很好的姊弟二人一样看待吧。
92
- *
93
- 「妈妈,哥哥一起去『箱庭』。」
94
- 「哎呀,怎么司变小了啊」
95
- 看到了比奈央矮了一头变小的司和美并不怎么吃惊。
96
- 人类突然变小这种事,
97
- 在这个世界上有如从天空落下的雨一样是家常便饭的事,所以看到也没有令人感到吃惊。
98
- 「嗯,稍微对哥哥用了一下缩小机而己」
99
- 「奈央,不要过分缩小和欺负哥哥哟。
100
- 因为哥哥的自尊心会…」
101
- 「是~的」
102
- 不清楚是不是知道自尊心的问题,
103
- 这两人的母亲知道奈央曾经比司更高的时期,这两人关系紧张,
104
- 基本上,兄妹关系好的话就没问题了。
105
- 然后两个人从一楼后面的楼梯走到了「箱庭」。
106
- 「哥哥,想要再把你变小…可以吗?」
107
- 「如果我说不可以呢?」
108
- 「…会有点失望」
109
- 然后过了一会,
110
- 「哇啊。我也不想…。好了,缩小也可以。
111
- 然后,你有什么行动我是不知道的啊,要以我的身体为第一考量。
112
- 奈央是『巨人』,而我是『小人』啊…
113
- 『巨人』奈央只是在走路也真的会引起地震和刮起暴风。
114
- 所以有什么行动的时候,事先告诉我。
115
- 如果不能够保持我的安全就立刻停止」
116
- 并不是说特别妹控的司也开始有对奈央变得越来越甜的倾向。
117
- 「是~的,哥哥。」
118
- 「嗯,不错的回答。那么,好吧!」
119
- 「啊,缩小到原来的3分之一大小。」
120
- 奈央设置缩小机的倍率,从90%到33%再对着司。
121
- 缩小机激活,司的身体马上渐渐变小,身高缩小到60cm。
122
- 这个身高眼前就是奈央的胯下,站着钻过去也卓卓有余。
123
- 从小小的司来看,奈央是身高5米大的妹妹。
124
- 奈央的裙子下摆,就在司的眼前。
125
- (嘛,「箱庭」高楼大厦的上空就是裙子下摆啊…
126
- 话说,平常这家伙到底有多巨大的啊…)
127
- 还在胡思乱想时,奈央说了「我要蹲下哦,哥哥」提醒一下。
128
- 奈央蹲下之后,司还是要仰视妹妹。
129
- 3倍的差距没有太大改变。
130
- 「站立的哥哥比蹲着的我大一点♪。」
131
- 从刚才开始奈央就故意强调司的渺小。
132
- 但这句话就是现状,不想承认的事实,
133
- 和过去相比稍微好多了,但是司还是会为自己的身高感到自卑,
134
- 像不停被人打击腹部一样还是会一点一点地习惯的。
135
- 「但是现在哥哥在『箱庭』的身高也有80米以上。」
136
- 「比较对象太小而已吧…」
137
- 「哥哥,不要乱动哦」
138
- 「喂,喂!你不要这样抓住我!」
139
- 奈央就那样温柔地举起被自己抓住的哥哥。
140
- 司唯一自由双脚吧嗒吧嗒的踢着想要抵抗,
141
- 但以他现在的大小,力量上已经不可能反抗奈央了。
142
- 「没事,只是想知道哥哥有多重而已。
143
- 现在的哥哥,理论上2kg,很轻的哟♪
144
- 不要乱动因为要开始下楼梯了啊」
145
- 司被奈央抱着送到了「箱庭」。
146
- *
147
- 下楼梯之后,奈央把抱着的司放下来。
148
- 然后,打开门和灯的开关。
149
- 一片漆黑的空间一瞬间变得明亮,
150
- 眼下被扩散「箱庭」的街道占据了视野。
151
- 「之后怎么办啊?」
152
- 「总之—哥哥要先去拿乘坐的电车,我们走去火车车库基地那里吧~」
153
- 「就是说,……以我这个尺寸走去基地走吗?」
154
- 「不是那么远的地方好吗?」
155
- 「对奈央来说是轻松的事但对我来说不是好吗?」
156
- 「嘛嘛,那么生气是不行的」
157
- 「什么啊?」
158
- 「心胸狭小会被真美姐姐讨厌你也不一定哦?」
159
- 「啊,等一下。为什么突然提到真美呀!?」
160
- 「不,没什么啦♪喂,快跟着我。不然把哥哥留下了哦」
161
- 说完,奈央就先去了。
162
- 「啊,等一下。不要留下我啊」
163
- 司慌慌张张地追上奈央。
164
- *
165
- 和只有3分之1大小的司不同,阻挡奈央去路的建筑物,
166
- 也可以一跨过就跨过去。
167
- 为了脚不接触小小的小小的建筑物、奈央已经有找到下脚步行的技术。
168
- 就算进到容易走的「巨人」专用人行道他们之间的差距还是没有缩小,不如说反而离得更开了。
169
- 奈央一步就可以解决的距离,司就要走三步。
170
- 眼睛追随着不停突破小小街道的巨大的妹妹的背。
171
- 用双脚追上去已经是不可能的了。
172
- 然而,反正目的地是相同的。
173
- 那么慢慢走过去也没差。
174
- 不想永远被妹妹握着步伐。
175
- 想到这样,司走路的速度放松下来。
176
- 从后面看着那么巨大的「巨大妹」,
177
- 也不用担心她会弄坏什么,
178
- 不可思议的奈央不会引起「事件」。
179
- 这一点和夏姫有很大的区别。
180
- 是因为自己最喜欢的「箱庭」所以才会想去珍惜吧。
181
- *
182
- 在前头走的奈央停下脚步。
183
- 总算到达目的地。
184
- 后面来的哥哥在哪里呢,为了查找他而回头看了看。
185
- 马上对上奈央的双眼。
186
- 「哥哥~快点来~」
187
- 奈央看来想要尽快开始玩,司只好匆忙赶过去。
188
- 「差一点就到了,老实地待着」
189
- 故意慢慢走的司终于走到奈央胯下。
190
- 「小人哥哥~故意拖延时间慢慢走吧~」
191
- 「在『箱庭』中奔跑不是禁止的吗?
192
- 而且时间有2小时,如果用这样的不起眼的做法拖延时间也太失败了。」
193
- 「唔…那是那样哦,不过…总之我想快点玩嘛!」
194
- 「有什么打算玩什么啊?」
195
- 「今天是~小人哥哥和我『竞争』♪」
196
- 「太糟了,偏偏想要『竞争』啊…」
197
- 「因为最近都没和小人哥哥和我一起玩了~」
198
- 「啊~,难得的休息日被奈央折腾完了…」
199
- 这是司今天吐出的第几个叹息呀。
200
- *
201
- 「竞争」是两个人从很早以前就在「箱庭」玩的游戏之一。
202
- 是怎样的游戏?从「箱庭」某处有名的的地点开始,
203
- 到某地点为止(大多是「箱庭」周游路线)的竞争比赛。
204
- 但是司可以乘上电车,奈央是用走的。…虽然还是取决于奈央的大小,但大部分的时候,
205
- 「巨人」奈央都有压倒性的有利条件,胜负毫无意义。
206
- 囙此速度竞争以外发生的事情才是主要。
207
- 要做什么也是取决于奈央的心情…
208
- 司的作用,就是饰演被巨大少女捉弄的小人。
209
- *
210
- 「那么,哥哥要乘上电车,再一次缩小吧!」
211
- 奈央设置缩小机从33%一下子就下降到到「箱庭」标准尺寸的0.6 %。
212
- 司的身体渐渐越来越小,终于变为可以搭上奈央巨大的脚下的模型电车的大小。
213
- 「就这样我也认真起来了…已经到这里了,我也有自己的领域内享受的快乐。
214
- 那么,电车要哪个呢…」
215
- 司从火车车库基中排例着自傲的收藏选出了要乘坐火车。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Done 2024-02-23/[ICECAT] 箱庭シリーズ 9 [that123] JP.txt DELETED
@@ -1,215 +0,0 @@
1
- 今日はとある休日。
2
- せっかくの休日だというのに、外は朝からシトシトと断続的に雨が降っている。
3
- こういう天気のため、外に遊びに出かけようにも気が進まなかったので、
4
- 司は昼ご飯を食べた後、そそくさと自分の部屋に戻ってベッドに寝転がる。
5
- そして、お気に入りのマンガを読んでささやかな幸せを味わっていた。
6
- だが、彼のささやかな幸せの時間は余り長くは続かなかった。
7
- 例によって、大いなる陰謀が彼の知らぬところで蠢いていたのだ!
8
- コンコン。
9
- 司の部屋のドアがノックされた。
10
- 「お兄ちゃん、入っていい?」
11
- 声の主は妹の奈央だ。
12
- 「おう、いいぞー」
13
- 特に、妹に見られたらやばいこともしていなかったので、司は素直に応じた。
14
- これが、「おとこのこの秘密の時間☆」とかだったら別だったが...
15
- カチャリとドアが開く音がして、奈央が入ってきた。
16
- 「ねぇねぇ、お兄ちゃん。今、ヒマ?」
17
- 奈央は退屈そうにベッドに寝転がっている兄の姿を見ると、うれしそうな表情になって、
18
- 「ねぇねぇ、下に行って遊ぼうよ~」と司を誘ってきた。
19
- 「今、オレは忙しいんだ。下で遊ぶんなら一人でやってこいよ~」
20
- 「忙しいって、お兄ちゃん漫画読んでるだけじゃん~、ケチ~」
21
- 「奈央ももうガキじゃないんだから、一人で...」
22
- 「ごめんね、お兄ちゃん。今日はどうしても一緒に遊んで欲しいから...」
23
- 奈央はポケットに隠し持っておいた縮小機を取り出し、司に向けて使用した。
24
- 妹だから警戒心が無くても仕方がないが、よくあるように司は奈央に縮小機が発する光を浴びてしまった。
25
- 「ちょ、またかよ...」
26
- 司にとって、奈央に勝手に身体を縮小化させられることは、もはや日常茶飯事になっていた。
27
- だからこそ、驚くことはあってもあまり怒りも込みあがってこない。
28
- あるのは、呆れる感情のみ。
29
- 「はぁ~」と、思わず司が溜め息を吐いた。
30
- 「今回はね~、縮小率90%にしてみたの。コレだと現実的な大きさでしょ~?」
31
- 奈央の言う通り、司は小さくされたものの、現在150?くらいの身長だ。
32
- これだと司が中学校に入学した頃の身長だから、そこまで奇しくはない。
33
- 奈央の足で、踏み潰される恐れもない。
34
- しかし、今の二人の身長は頭一つ分違っていた。
35
- もちろん、兄の司の方が背が低い。
36
- それもはっきりと感じとれるくらいに...
37
- 170cmの妹と153cm(仮)の兄。
38
- これが、司にとって絶望的な差となって壁のように立ちはだかるものだと思い知らされることになる。
39
- 「はいはい、さっさと元に大きさに戻せ~。わざわざ小さくなってやったんだからコレで満足しただろ?」
40
- 「いやだもんね~」
41
- 「おい、奈央。屁理屈を捏ねないで早く戻せ!」
42
- 「だってお兄ちゃん、自分の縮小機使えばすぐに元に戻れるじゃん」
43
- 司は、慌てて普段自分用の縮小機を保管している机の引き出しを開けた。
44
- が、そこには司用の縮小機はなかった。
45
- 「あらかじめ、お兄ちゃんの縮小機は私が取っておいたの。
46
- 後でちゃんと返してあげるから心配しないでね」
47
- そういって奈央は、自分用と司用の二つの縮小機を見せ付けた。
48
- 「こ、こらっ、奈央。オレの縮小機返せー」
49
- 奈央のあまりにも用意周到すぎる行動をしかる余裕もなく、司は何とか抵抗しようとする。
50
- 「今のお兄ちゃんの身長だと届かないでしょ♪えへへ」
51
- 奈央は、高い身長と長い腕を活かして、二つの縮小機を司がジャンプしても届かない位置でブラブラさせた。
52
- 「くそっ、っら!!」
53
- 司が必死にジャンプしても、奈央によって軽くかわされてしまう。
54
- 「妹に見下ろされる気分ってどうお兄ちゃん?」
55
- 「ハァハァ、んなもん、良くないに決まってんだろっ」
56
- 「このままだとずっとお兄ちゃんは私に勝てないんだよ?
57
- だったら、私と遊んでくれるよね?」
58
- *
59
- 「ったく~。わかったよ、一緒に遊んでやるよ。
60
- ただし、時間は2時間以内な。それ以上付き合うと疲れそうだから...
61
- いいな、時間はちゃんと守れよ」
62
- 「ありがと、お兄ちゃん♪」
63
- 奈央は満面の笑みを浮かべていた。
64
- 「兄をこき使おうとするなんて...まったく...」
65
- 「私、お兄ちゃんをこき使おうとしてないもん。
66
- 私がお願いしたら、お兄ちゃんがやってくれるって言ったから...」
67
- 「そのお願いする過程に問題ありだっつーの。小さくなるのは別にいいが、いきなりはよせって」
68
- 「だって~、お兄ちゃんがびっくりするのおもしろいんだもん♪」
69
- 「オレに警戒心がないのが悪いのか...って、おい...」
70
- 「エヘヘ、お兄ちゃん、小さくなっちゃってかわいいね。頭なでなでしてあげる♪」
71
- 奈央は、頭一つ分背の低い兄の頭を優しくなでた。
72
- こうなってしまうと、もはや兄としての尊厳などというものは完全に無くなっていた。
73
- 「くそ~、覚えてろよ~奈央。こんな兄いじめを続けてたらいつかしっぺ返しがあるはずだからな~。神様はちゃんと見てるはずだって...」
74
- 「お兄ちゃんは、優しいからひどいことは私に出来ないはずだもんね♪ねぇねぇ、それより早く下に降りようよ」
75
- 「はいよっと。先に、この本を棚になおしてからな」
76
- 司は奈央が来るまで読んでいたマンガを元の位置に戻すために手を伸ばした。
77
- が、奈央に身長を縮められているせいで、いつもなら余裕で届くはずの棚に、
78
- 必死に手を伸ばしても目的の段には届かなかった。
79
- 「あれれ、どうかしたの、お兄ちゃん?
80
- まさか背が低いから棚に届かないとか...?」
81
- それを見ていた奈央が横から覗き込んできた。
82
- 奈央の顔には、なぜか笑みが浮かんでいた。
83
- 少しばかり、司はこの笑みにドキッとした。
84
- いつも見慣れた妹の笑顔の裏に、何か恐ろしいものの片鱗が見えたような気がしたからだ。
85
- だが、一瞬の出来事だったので気に掛けることはなかった。
86
- 「悪かったな、チビな兄貴で...」
87
- 「も~拗ねないでよ~、お兄ちゃん。今だけじゃん、私より小さいのは。はい、貸して、その本」
88
- 結局、奈央が代わりにマンガを元の場所に戻した。
89
- 「じゃ、行こっか、お兄ちゃん♪」
90
- 奈央は小さくなった兄の手を取り、部屋から連れ出した。
91
- その光景は何も事情を知らぬ者が見たならば、仲の良い姉と弟のように映っていただろう。
92
- *
93
- 「お母さん~、お兄ちゃんと一緒に『箱庭』に行ってくるね」
94
- 「あら、どうしたの。司が小さくなってるじゃない」
95
- 奈央より頭一つ分小さくなっている司を見ても和美は大して驚かなかった。
96
- 突然、人間が小さくなったりするのは、
97
- この世界では空から雨が降ってくるのと同じくらいの日常茶飯事なので、差し当たって驚くことではない。
98
- 「うん、ちょっとだけお兄ちゃんに縮小機をかけてみたの」
99
- 「奈央、あんまりお兄ちゃんを縮めていじめたりしちゃダメよ。
100
- お兄ちゃんにだってプライドがあるんだから...」
101
- 「は~い」
102
- プライドの問題だけ済むのかはよく分からないが、
103
- かつて奈央が司よりも背が高かった時期の二人のギクシャクした関係を知る二人の母親は、
104
- 基本的に兄妹が仲良くしていれば問題ないと考えていた。
105
- そして二人は、一階まで降りて「箱庭」に続く階段までやってきた。
106
- 「お兄ちゃん、もう少し小さくなって欲しいんだけど...ダメ?」
107
- 「オレがダメって言ったら?」
108
- 「...ちょっとしょんぼり」
109
- それから少しの間があった後、
110
- 「わーったよ。ったく...しょーがねーな。いいぞ、小さくしても。
111
- それから、何を企んでいるのか知らねーが、オレの身を第一に考えてくれよ。
112
- 奈央が『巨人』で、オレが『小人』なんだから...
113
- 『巨人』の奈央が歩けば地震は起きるわ、突風が吹くわで地上は大変なことになる。
114
- だから、何かアクションを起こす時は前もってオレに言うこと。
115
- これが守られなかったやめるからな」
116
- 特にシスコンというわけではないが、司も奈央に対しては甘くなってしまう傾向がある。
117
- 「は~い、お兄ちゃん」
118
- 「まぁ、いい返事だ。さぁ、やっていいぞ」
119
- 「じゃ、元の3分の1の大きさまで小さくするね♪」
120
- 奈央は縮小機の倍率設定を90%から33%に変えて司に向けた。
121
- 縮小機が起動し、すぐに司の体が小さくなっていき、身長60センチちょっとにまで縮んでしまった。
122
- この身長だと目の前にいる奈央の股の下を司が、立ったまま余裕でくぐることが出来てしまう。
123
- 小さな司からすれば奈央は身長5メートルはある大きな妹だ。
124
- 奈央のスカートの裾が、司の目の前にある。
125
- (まぁ、「箱庭」だとこれがビル街の上空にあるんだよな...
126
- つか、いつものこと��がコイツ、どんだけデカいんだよ...)
127
- なんてことを思っていたら奈央が「しゃがむよ、お兄ちゃん」と警告してきた。
128
- 奈央がしゃがんでも司が妹を見上げるのは変わりなかった。
129
- 3倍の差は伊達じゃない。
130
- 「立っているお兄ちゃんよりしゃがんでる私の方が大きいね♪」
131
- さっきから奈央は必要以上に、司の小ささを強調する言動を取る。
132
- その言葉は現状、認めたくはないが事実であり、
133
- 昔に比べたら幾分マシになったとはいえ、身長コンプレックスを持っているには、
134
- ボディーブローのようにじわじわ効いている。
135
- 「でも、今のお兄ちゃんが『箱庭』に入ったら身長80メートル以上はあるよ♪」
136
- 「そりゃ、比較対象が小さすぎるだけだろ...」
137
- 「お兄ちゃん、少しじっとしといてね」
138
- 「ちょっ、こらっ!オレを掴みあげるな!」
139
- 奈央は優しく兄を掴み、そのまま持ち上げた。
140
- 司は自由に動かせる両足をバタバタと抵抗するも、
141
- 今の彼の大きさではもう、力で奈央に逆らうことなど不可能だ。
142
- 「大丈夫だって、ただお兄ちゃんがどのくらいの重さがあるのか知りたかっただけ。
143
- 今のお兄ちゃんは、理論上、2キロちょっとしかないはずだからすごく軽いんだよ♪
144
- このまま階段降りるからあまり動かないでね」
145
- 司は奈央に抱っこされたままで「箱庭」に運ばれていった。
146
- *
147
- 階段を降りて、奈央は抱き抱えたままの司をその場で降ろす。
148
- そして、内開きのドアを開けて照明のスイッチを押す。
149
- すると、真っ暗闇だった空間が一瞬で明るくなり、
150
- 眼下に広がる「箱庭」の街並みが視界を占める。
151
- 「で、どうするんだ?」
152
- 「とりあえずねー、お兄ちゃんが乗る電車を取りに行かないといけないから、車両基地のあるあそこに行くの~」
153
- 「ということは......げっ、オレはこのサイズで基地まで歩くのかよ」
154
- 「そんなに遠いところじゃないしいいよね?」
155
- 「そういう奈央は、デカい分だけ短くてラクに済むじゃねーか」
156
- 「まぁまぁ、そんなに怒っちゃダメだって~」
157
- 「なんでだよ?」
158
- 「心が狭いと真美お姉ちゃんに嫌われるかも知れないよ?」
159
- 「って待て、コラ。なぜそこでいきなり真美が出てくるんだ!?」
160
- 「ううん、なんでもないよ♪ほら早く行こ。置いていっちゃうよ、お兄ちゃん」
161
- そう言って奈央は、先に行ってしまった。
162
- 「あっ、待てコラ。オレを置いてくな」
163
- 司は慌てて奈央を追い掛け始めたのだった。
164
- *
165
- 3分の1に小さくされている司とは違い、奈央は行く手を阻む建物があっても、
166
- それをひょいひょいと跨ぎ越していく。
167
- 小さな小さな建物に足が触れないように、足場を見つけて歩いていく術を奈央は持っていた。
168
- 歩きやすい「巨人」用歩道に入ってもその差は縮まることなく、むしろ広がっていくばかりだ。
169
- 奈央が一歩で済む距離を、司は三歩掛けて歩かなければならない。
170
- ずんずんと小さな街並みの中を突き進む巨大な妹の背中を目で追い掛ける。
171
- もう足で追い付くのは不可能だ。
172
- しかしながら、どうせ目的地は同じ。
173
- ならば、こちらはゆっくりと行く方が得策だ。
174
- いつまでも妹にペースを握られたくはない。
175
- そう思い、司は歩く速度を緩めた。
176
- あれだけデカい「巨大妹」がと後ろから見ていて、
177
- 何かを壊してしまうのではないかと心配してしまうが、
178
- 不思議と奈央はそういう「事件」を起こさない。
179
- ここらへんが夏姫との大きな違いなのだ。
180
- 自分の大好きな「箱庭」だからこそ大切にしたいと考えているのだろう。
181
- *
182
- 前を行く奈央が歩みを止めた。
183
- どうやら目的地に着いたようだ。
184
- 後に付いて来ているはずの兄が何処にいるのかと、探すためこちらに振り返った。
185
- すぐに奈央と目があった。
186
- 「お兄ちゃん~早く来て~」
187
- 奈央は一刻でも早く遊びたいのか、司を急かす。
188
- 「もう少しで着くから大人しく待ってろ」
189
- わざとゆっくり歩いてきた司がようやく奈央のもとに着いた。
190
- 「チビ兄ちゃん~、わざとゆっくり歩いて時間稼ぎしてるんでしょ~」
191
- 「『箱庭』の中で走るわけにはいかないだろ?
192
- それに時間が2時間もあったらこんなチンケなやり方で、時間稼ぎしてもあまり意味がないと��うけどな」
193
- 「む~、それはそうだけど...とにかく早く遊びたかったんだもん~」
194
- 「で、何をして遊ぶつもりなんだ?」
195
- 「きょうはね~、チビ兄ちゃんと私が『競争』するの♪」
196
- 「げっ、よりによって『競争』がしたいのかよ...」
197
- 「だって最近、チビ兄ぃやってくれなかったもん~」
198
- 「はぁ~、せっかくの休みが奈央に振り回されて終わってしまう...」
199
- 司がこの日何度目かのため息を吐いた。
200
- *
201
- 「競争」とは二人が昔から「箱庭」でやっている遊びの一つだ。
202
- どういうものかと言うと、名前の通り「箱庭」のある地点から、
203
- ある地点まで(大抵は「箱庭」一周がコース)競争するのだ。
204
- ただし、司が電車に乗って、奈央は歩きでだが...奈央の大きさにもよるが、ほとんどの場合、
205
- 「巨人」の奈央が圧倒的に有利な条件のため、勝負は無意味だ。
206
- そのため速さを競う以外のことがメインになる。
207
- そこで、何をするかは奈央の気分次第...
208
- 司の役割は、巨大少女のいたずらに翻弄される小人を演じることだ。
209
- *
210
- 「じゃ、お兄ちゃんには電車に乗ってもらうから、もう一回小さくするね♪」
211
- 奈央は縮小機の設定を33%から、一気に「箱庭」標準サイズの約0.6%まで下げた。
212
- 司の体がどんどん小さくなっていき、奈央の足元にある模型の電車に乗り込めるまで小さくなった。
213
- 「こうなりゃ、こっちも本気出すか...もうここまで来れば俺も自分のテリトリー内で楽しまないと損だな。
214
- さて、電車はどれにしようかな...」
215
- 司は、車両基地に並ぶ自慢のコレクションの中から乗る車両を選び出すことにした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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1
+ 黒川真美 ==黑川真美 --人名,女
2
+ 中条司 ==中条司 --人名,男
3
+ 中条奈央 ==中条奈央 --人名,女
4
+ 藤沢夏姫 ==藤泽夏姫 --人名,女
5
+
6
+ 黒川 ==黑川 --姓
7
+ 中条 ==中条 --姓
8
+ 藤沢 ==藤泽 --姓
9
+
10
+ 真美 ==真美 --人名,女,黑川真美
11
+ 司 ==司 --人名,男,黑川真美
12
+ 奈央 ==奈央 --人名,女,中条奈央
13
+ 夏姫 ==夏姫 --人名,女,藤泽夏姫
14
+ 夏姉ぇ ==夏姐 --人名,女,藤泽夏姫的昵称
15
+
16
+ 箱庭 ==箱庭 --名词
Next/[ICECAT] 箱庭シリーズ #1-9 [that123] JP.txt ADDED
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