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ハルの部屋。
アスカ 「で、なにしよっか? ゲームでもする?」
床に敷かれた布団の上に座り込んだアスカが言う。
俺は未だに谷間に乗っけられたままである。
ハル 「ゲームっていったい何をするんですか? お兄ちゃんはこの通りですし」
同じく布団の上にペタンと腰を下ろしているハル。
枕を抱きながらアスカをジト目で見る。
アスカ 「そだね、シュウも参加できるゲームとなれば……王様ゲーム?」
ハル 「お、王様ゲームですか…」
ハルがげんなりする。
それはアスカの谷間に転がされる俺も同じだった。
だがアスカはチッチッチと指を振った。
アスカ 「ただの王様ゲームじゃないよ。王様はあたしとハルちゃん、シュウは命令される人」
シュウ・ハル 「は?」
俺とハルは同時に聞き返していた。
アスカ 「あたしとハルちゃんがシュウに交互に命令して、シュウはそれに従う。出来なかったら罰ゲーム」
何言ってんだこいつは…。
つかそんなの王様ゲームでもなんでもねーじゃねーか。
アスカ 「例えばー…」
と言いながらアスカは胸の谷間に転がしていた俺をつまみ出し、自分の目の前に置いた。
俺にとっては雲のようにもこもことした布団の大地だ。
そしてそうやって布団の上に下ろされた俺の上に、アスカが座ったまま右足を持ち上げ翳してきた。
俺の頭上に、アスカの全長4m80cmの足の裏が現れる。
んで、
ボフッ
踏みおろされた。
俺はアスカの巨大な足の裏と柔らかな布団との間に挟まれる。
風呂から上がったばかりのアスカの足の裏はとても温かかった。
で、
アスカ 「10秒以内にそこから出てこれなかったらちょっと強く踏むよー」
アスカが言った。
ふざけるな! と思いつつも急いで脱出しようとするが、こんな巨大な足の裏に踏みつけられてて脱出できるはずが無い。
全長4m80cm幅1m60cm。俺が両手を広げても届かないような足の裏である。
下が柔らかな布団のお陰でさほど苦しくは無かったが、逆に踏ん張りが利かず這い出ることができない。
結局そのまま10秒が経過してしまい、
アスカ 「はい罰ゲーム」
むぎゅ!
俺を踏みつけるアスカの足の力が強くなり、俺はその柔らかな布団に埋まるほどに強く踏みしめられた。
今度は確かに苦しかった。
しかもアスカは俺を踏む足をぐりぐりと動かすものだから溜まったものではない。
そしてアスカが足をどけると、足の下から目を回した俺が現れた。
アスカ 「とまぁこんな感じで。シュウが気を失ったら負け」
ハル 「あ、面白そうですね♪」
ハルが笑いながら言った。
冗談じゃない…と、アスカに踏まれてやや痛む体を起こす俺。
だが突如ズシンと地面が揺れ、何かと思って振り返ればハルが立ち上がっていた。
ハル 「じゃあ今からお兄ちゃんを狙って足をおろすからちゃんと避けてね」
俺が抗議する前に、ハルの巨大な足が振り上げられた。
俺は走り出した。しかしこのふかふかでモコモコの地面は走るには最悪だった。
とくにこのサイズでは布団の小さな膨らみですら小山のようなものである。
そこに、ハルの足が遠慮なくズシンと踏み込まれる。
地面が揺れた。布団の大地が変形するほど巨大な足の一歩だ。
制限時間は10秒であったが、俺は3秒と経たずして足に捕まってしまった。
ハル 「もうお兄ちゃんたら。もっと逃げてくれないとゲームにならないよ」
俺を踏みつける足をぐりぐりと動かしながらハルが言う。
ハル 「それじゃ罰ゲームね」
そう言うとハルは俺に乗せていた足をどけた。
これが罰ゲームじゃないのか…?
踏みつけられ地面に埋め込まれた俺は、巨大なハルが後ろを向くのを見上げていた。
そして、
ハル 「よいしょっと」
俺の上にペタンと座り込んだ。
パジャマに包まれたハルの巨大な尻が布団の上に大の字になる俺の上にズシンとのしかかった。
シュウ 「むぐ…!」
俺は完全に下敷きにされてしまった。
ハル 「ほらほら、罰ゲームだよ♪」
などと言いながらハルが俺にのしかかるお尻をぐりぐりと動かす。
ただ足を乗せられるだけのときとは比べ物にならない重圧がかかる。ハルの膨大な体重だ。
加減はしているようだが、それでも重い。
ハルの尻がどけられたときには、俺は息も絶え絶えだった。
だが、
アスカ 「んじゃ次はあたしね」
布団の上に横たわる俺を、アスカの巨大な顔が覗きこんでくる。
布団の上に座る小山のように巨大な幼馴染と妹が、その間にて大の字に寝転がる俺をにやにやと笑いながら見下ろしてきていた。
これから、俺を生かさず殺さずのゲーム大会が始まるのだ。
俺は、自分目掛けて降りてくるアスカの巨大な手を見上げながら己の運命を覚悟した。
#4
夏。
早朝。
シュウ 「う……」
あまりの寝苦しさにうなされた俺はハッと目を覚ました。
すると、このクソ暑い中、俺の腰に抱きついて眠るモノがあった。
アスカである。
シュウ 「…」
アスカ 「ぐー」
俺の腰をガッチリホールドし、にやけ顔でよだれをたらしながら眠るアスカ。
胸が押し当てられているのが若干気になったが、問題はそんなことではない。
俺は寝こけているアスカの鼻をつまんだ。
アスカ 「ぐー。………む……………ぬお!?」
息の出来なくなったアスカが目を覚ました。
アスカ 「あ、シュウ。おはー…」
まだ眠たげな顔のアスカが朝の挨拶をしながら俺の腰に顔を埋めてすりすりする。
やめろ。
シュウ 「おはー。じゃねーだろ! なんでここにいる!」
アスカ 「いやー、今朝面白いものを作ってさー。シュウに見てもらおうと思って。で、来たらシュウがあまりにも気持ちよさそうに寝てるもんだからつい一緒になって眠っちゃって…」
シュウ 「まだ4時前だぞ…。ていうか玄関には鍵かかってるはずだが…」
アスカ 「ちょっと前に作ったワームホール発生装置を使って……」
シュウ 「待った。それ以上言わなくていい」
寝ぼけ眼のまま説明するアスカを遮った俺。
こいつが日々何を発明しているのか。それは知らないほうが身のためと言うものだ。