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現在(2014年)、世界にある独立国の数は200近くです。 世界中の人々は、どこかの国家に住んでいるか、どこかの国家に属しています。 国家が、国内の政治について、外国から支配を受けずに、国家が独立を保つことや、国内政策を最終的には自国で決定する権利のことなどを 主権(しゅけん) と言います。独立国には、この主権が欠かせません。 国家の主権は、法律的には、どの国にも対等です。(主権平等の原則) 国際社会は、このような主権を持つ国々を中心に構成されています。 国家が成り立つには、主権の他にも、国民(こくみん)と領域(りょういき)が必要です。国家は、領域・国民・主権の3つの要素から成り立っています。(国家の三要素) 主権とは、外国からの内政への不干渉の権利です。主権は、その国家が、その国の領土と国民を統治することを正当化している権利であり、国内政策を最終的には自国で決定する権利です。 領土(りょうど)・領海(りょうかい)・領空(りょうくう)などの、その国の主権が及ぶ場所をまとめて、領域の(りょういき)と言います。領空とは、領土・領海の上空で、大気圏内です。 なお、沿岸から約12海里(=約22km)までの海が領海として認められます。また沿岸から200海里(約370km)までの水域(つまり12海里〜200海里の水域)で、領海の外側の範囲の水域のことを経済水域(けいざい すいいき)あるいは排他的経済水域(はいたてき けいざい すいいき)と言います。 経済水域内にある漁業資源や鉱物資源は、沿岸国に権利があります。経済水域は領海と違い、他の国と重なることもあります。 1982年に国連海洋法条約で、沿岸の海岸線から200海里までが排他的経済数域と定められました。 英語で排他的経済水域のことを Exclusive Economic Zone というので、 略称で EEZ という場合もあります。 経済水域の外側の、どの国の領海や経済水域にも属さない海は 公海(こうかい) とよばれ、公海では、どの国も平等に航行や利用が出来ます。(公海自由の原則) 南極大陸や宇宙空間は、どの国の領域にも属しません。 北海道の東にある北方領土(ほっぽう りょうど)の歯舞群島(はぼまい ぐんとう)、色丹島(しこたん とう)、国後島(くなしり とう)、択捉島(えとろふ とう)の北方4島(ほっぽう よんとう)は、明治時代から国際的にも日本固有の領土として認められていました。しかし第二次大戦の末期に、ソ連(現:ロシア)が日ソ中立条約を破り、またソ連はポツダム宣言での連合国どうしの約束を破り、ソ連が不法に北方4島などへの侵略を開始してソ連軍が北方の諸島に侵入し、この地域を守備していた日本軍と戦闘になった。そして、ソ連は最終的に4島を占領した。 ソ連が崩壊した後もロシアに不法占拠されている。北方領土をめぐる問題が解決してない。 ロシアは日本の北方領土の国後島などを不法に占拠している。 しばしば、周辺の日本の漁船が近づくと、領海を侵したとして日本漁船を銃撃(じゅうげき)・拿捕(だほ)・抑留(よくりゅう)することも起きている。 日本は返還交渉を続けていて、また文化的な交流事業なども続けているが、あまり進展はしていない。 日本の島根県の竹島(たけしま)は、第二次大戦直後に韓国によって侵略され、現在(2014年の時点)は韓国軍が不法に竹島を占拠している状態である。 歴史的には、そもそも竹島は1905年(明治38年)に、国際法に従って竹島が日本国の島根県に編入され、日本固有の領土となった。 しかし第2次大戦後の1952年(昭和27年)、韓国の李承晩(りしょうばん)政権は、一方的に竹島を韓国領に取り込み、また日本海上に韓国は一方的に李承晩ライン(りしょうばんライン)を設定し、違反したとする日本漁船に銃撃(じゅうげき)・拿捕(だほ)・抑留(よくりゅう)などをした。 1954年(昭和29年)には、韓国が竹島に沿岸警備隊を派遣し、竹島を占拠した。 日韓基本条約締結の際の日韓漁業協定の成立(1965年)により、ラインが廃止されるまでの13年間に、韓国による日本人抑留者は3929人、拿捕された船舶数は328隻、死傷者は44人を数えた。 李承晩ラインの廃止以降も、韓国は竹島を占有しつづけている。 日本は、平和的な解決のための手段として、国際司法裁判所へ付託(ふたく)することを1954年以来から提案しているが、韓国政府がこれに応じていない。 なお、竹島の韓国名は独島(トクド)である。 沖縄県の、東シナ海上にある尖閣諸島(せんかく しょとう)は、1895年に日本に編入されて以来、日本固有の領土である。このとき、他国の領有の形跡が尖閣諸島には無かったと、日本側は確認したとしている。 しかし、日本のこの島の領有に、1970年ごろから中国(中華人民共和国)、および台湾が反対をしている。 この海域にはこのころ、油田の存在が確認されていて、その問題も絡んでいるのだろうという指摘もある。 そして2010年には、中国の漁船が、尖閣諸島の魚釣島(うおつりじま)の海域で日本の海上保安庁の巡視船に衝突する事件が起きた。 ただし、解決すべき領土問題は存在しない。 国旗や国歌は、その国を表しているシンボルです。 自国の国旗を大事にすることと同様に、外国の国旗も大切にすることが国際的な礼儀になっています。 自国を愛して自国の旗や国家などに敬意を払うことも、国際的な礼儀となっています。なぜかというと、外国の人も、その国を愛し、その国の国旗と国家に敬意を持っているからです。 なお、日本では法律で、国旗を日章旗(にっしょうき)とし、国家を 君が代(きみがよ) とすること1999年の国旗・国歌法(こっきこっかほう)の成立で決まっています。日章旗とは、「日の丸」(ひのまる)とも言います。 愛国心とは、国を愛することです。政府を愛することではありません。国を愛することは、自国の歴史や文化などに、敬意や愛着をもち、大切にしていくことです。 国の誇りを守ることとは、今の私たちだけの誇りを守ることではなく、未来の子孫の誇りを守ることです。私達のいまの日本の文化や歴史も、祖先たちが、子孫など未来の日本人のために、受け継いできたものです。 国際法(こくさいほう)とは、国際社会での平和や秩序を保つためのルールや決まり・合意などのこと。 なお、国際法は主に二つから成り立つ。 ひとつは国家間の長年の習わしによって成立した国際慣習(こくさい かんしゅう)である。例として、公海の自由(公海を船舶が自由に航行できる権利)や外交官の特権などが、国際慣習法である。 もうひとつは、条約(じょうやく)で、国家間でむすばれた約束を文書の形で表したものです。条約には日米安全保障条約の様に2国間のものもあれば、南極条約の様に多国間での条約もあります。 国際連合憲章などの国際機関に関するものも、これに含める場合もある。 国際法には、平和時の通常の国際法とは別に、やむをえず戦争になったときのためにも国際法で戦争の当事国などを律するための戦時国際法(せんじ こくさいほう)もあります。 国と国のあいだで、あらそいがおきたときに、法律的に公平な解決のための裁判をおこなうための機関。国連(国際連合)の機関である。 裁判を始めるには、争っている両国の合意が必要。 オランダのハーグにある。15名の裁判官で構成される。裁判官は加盟国から選ばれる。 主権国家を抑えてまで従えさせる強制力は、国際法そのものには無い。 たとえば国連(国際連合)でも、国連を構成しているのは個々の主権国家であり、それぞれの主権国家以上の力は国連そのものには無い。国連の資金も、どこかの国家が提供しているのである。 このような国際法の限界のため、たとえ国際法があっても、それだけでは、なかなか紛争や戦争が法律的には解決しないのが現状である。実際の戦争や紛争の対処には、各国の軍事力を背景にした外交交渉などが必要であるのが現状である。
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%A4%BE%E4%BC%9A_%E5%85%AC%E6%B0%91/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%9B%BD%E5%AE%B6
第二次大戦のときにあったアメリカを中心とした連合国(れんごうこく、United Nations ユナイテッド・ネイションズ)の51カ国のあつまりは、第二次大戦の戦後には、あらたな戦争をふせぐために国際政治を話しあう国際機関として1945年に作りかえられた。これが国際連合(こくさい れんごう,United Nations)である。 この連合国の国際機関としての変化はアメリカのルーズベルト大統領の提案による。 その国際政治を話しあう場所に変化した連合国(United Nations ユナイテッド・ネイションズ)の機構が、現在(西暦2014年に本文を記述)の国際連合(こくさいれんごう、英:United Nations ユナイテッド・ネイションズ)である。(英語では連合国も国際連合も、ともに United Nations ユナイテッド・ネイションズ であり、区別してない。) 日本では、連合国と国際連合を区別して呼ぶ。なお国際連合のことを、 国連(こくれん)と略すことも日本では多い。 国連(国際連合)の本部(Headquarters)は、アメリカのニューヨーク(New York)にある。 この国際連合(こくさい れんごう)は、戦前にあった国際連盟(こくさい れんめい、League of Nations リーグ・オブ・ネイションズ)とは、べつの組織である。(たとえば、国際連盟 League of Nations の本部はスイスのジュネーブにあった。) 戦争中の連合国の同盟をもとにして、新たに国際連合をつくった、というのが通説である。より正確に言うと、そもそも国際連合は、連合国が国際機関として発展した組織である。英語では、連合国と国際連合とを区別せず、ともに United Nations (ユナイテッド・ネイションズ) という。 「連合国」と「国際連合」というように名前を変えているのは、日本国が勝手に「国連」と名前を変えて呼んでいるだけにすぎない。 また、主要国が国際政治を話し合う場所を国際連合に変えたことで、以前にあった国際連盟は自然に解消された。 国際連盟の常任理事国(じょうにんりじこく)は、第二次大戦の連合国の主要国である。国際連合の常任理事国は、アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国の5か国である。 国際連合は、平和をまもるために話し合いをする機関ということになったが、その「平和」とは、戦勝国にとって都合の良い平和にすぎなかった。 たとえばイギリスやオランダなどの連合国は、第二次大戦の終戦直後は、東南アジアの新興国(しんこうこく)など植民地から独立した新興国にたいして再び支配しようと、かつての植民地だった国に軍を送り戦争をしかけるような有り様であった。 国連は設立当初は第二次大戦の戦勝国であるアメリカやイギリスなどの戦勝国が、国際社会を管理するために国際平和を理念にかかげたにすぎない国際機関だった。 このような連合国の有り様もあり、永世中立国のスイスは、2002年までは国際連合に加盟しなかった。 だが、1945年の国際連合の設立後、時代がすぎていくにつれ、第二次大戦後に独立した新興国などが新しく国連に加盟していき加盟国が増えていって、現代では国際連合は実際に国際問題を話しあったりして国際世論を形成する場へと成長した。 現在では193カ国が国際連合に加盟している。(2011年の時点。) 永世中立国のスイスは2002年まで加盟しなかったが、現在はスイスは国際連合に加盟している。 日本は1956 (昭和31年)に国際連合に加盟した。 国際連合憲章(こくさいれんごう けんしょう、英: Charter of the United Nations)には、つぎのようなことが書かれている。なお、国際連合憲章は1945年に開かれたサンフランシスコ(アメリカの地名、 San Francisco)での国際会議でまとめられた。 憲章の全部は長いので、上にあげた内容はウィキブックスでの要約(ようやく)である。前文および19章111条からなり、とうてい全ては解説できない。 国際連合には、総会、安全保障理事会、経済社会理事会、国際司法裁判所・事務局などの主な機関と、ユネスコ(UNESCO、国連教育科学文化機関)や世界保健機関(WHO)などの多くの専門機関から、なっている。 全ての加盟国から代表者が集まる会議で、毎年1回、9月に、ひらかれる。この毎年9月の国連の総会を 通常総会(つうじょうそうかい) という。 世界でおこる、さまざまな問題について話し合う。 総会での議題についての投票は、各加盟国が平等に1国1票(いっこく いっぴょう)の投票権を持ち、議決は出席国の過半数の賛成の多数決(たすうけつ)で成立するのが原則である。(重大な問題では3分の2以上の賛成が必要な場合もある。) 通常総会とは別に、重大問題がおきたときには、特別総会(とくべつそうかい)が ひらかれる。さらに緊急性の高い重大時には緊急特別総会(きんきゅう とくべつそうかい)がひらかれる。 安全保障理事会はつぎの5カ国の常任理事国と、2年で交代する10カ国の非常任理事国とを合わせた15カ国の理事国からなる。 常任理事国(じょうにんりじこく)はアメリカ・ロシア・イギリス・フランス・ 中華人民共和国 の5カ国で、この米ロ英仏中の五カ国は 五大国(ごたいこく) と言われる。 非常任理事国は総会で選ばれ、日本もたびたび非常任理事国に選ばれる。常任理事国の機関は「常任」という名のとおり、無期限(むきげん)である。 通常の問題については、15カ国のうち9カ国以上の賛成で決められる。しかし、重要な問題については常任理事国 の5大国全部の賛成がないと決定できない仕組みである。したがって、重要な問題では、常任理事国のうち1カ国でも反対すると決定できない。 このことを五大国の 拒否権(きょひけん) という。 国際連合では、もし侵略行為を行う国があれば、加盟国全体で制裁を行う 集団安全保障(しゅうだん あんぜんほしょう、collective security) という考えをとっている。 国際紛争が起きた時には、国連は解決に向けて、安全保障理事会などを開き、対策を会議します。 国連は紛争地域などで、停戦の維持や監視、公正な選挙の実施などのため、派遣者として加盟国の軍隊などからなる武装した軍隊を結成して(「国連軍」とは別組織)、および非武装の停戦監視団・選挙監視団などを、当事国の同意にもとづき派遣して、それらの任務()を遂行することもあります。このような停戦監視などの活動のことを国連平和維持活動 (PKO)(Peace Keeping Operationの略)と言います。 なお、PKOのために派遣される、武装した軍隊のことを国連平和維持軍(PKF、Peace Keeping Foece の略)と言います。(※ 検定教科書では、一部の教科書(清水書院や、育鵬社の教科書)で「平和維持軍」を紹介。) 日本の自衛隊も国連のPKO活動に参加しており、さまざまな地域で活動しています。日本では1992年にPKO協力法(国際平和協力法)が制定され、カンボジアの復興のためPKOに参加するようになりました。カンボジアのPKOには自衛隊と文民警察官が派遣されました。 その後もモザンビーク、ゴラン高原、東ティモールなどでのPKOに自衛隊は参加しました。 なお、2003年のイラクでの自衛隊の復興活動は、国連のPKOとは別の活動です。 世界の人々の生活や経済などの問題について広くあつかい、解決を目的とした機関で、国連のほかの多くの専門機関と連携しながら解決にあたっている。経済・社会・文化・教育・保健などについて、あつかう。 独立を目指しているが、まだ十分な独立のための能力が足りない地域に対して、指導(しどう)・監督(かんとく)などを行う。 1994年に独立したパラオが最後の信託統治地域であり、パラオの独立により信託統治地域は無くなった。そして信託統治理事会は役割を終え、現在は活動は停止している。今後は、必要がある時に会議が開かれるとされている。なおパラオの場所は、太平洋上のミクロネシア地域にある。 国際連合ができる前は、国際連盟(こくさい れんめい)があった。 かつて、国際連盟(こくさい れんめい)には委任統治(いにん とうち、mandate マーンデイト)という制度が合った。 委任統治の対象地域は、第一次世界大戦での敗戦国ドイツの支配していたアフリカおよび太平洋の植民地と、敗戦国オスマン帝国(トルコのこと)の支配下にあった中東地域であった。 委任統治とは、形式的には戦勝国がこれらの地域を自国の植民地とすることを防止して、また住民の福祉をすすめ、将来の自治・独立に向けた協力をすることが目的であるとされた。しかし実態(じったい)は植民地と変わらず、単なる名前の変更に過ぎなかった。 この委任統治の制度は、第二次世界大戦後に廃止され、国際連合下の信託統治制度へと発展された。 第二次世界大戦後に、アメリカ合衆国によって占領・統治され,1947年以降は国際連合からの信託統治になったマーシャル諸島(しょとう)においては,核実験が行われるようになった。太平洋上にマーシャル諸島はある。 マーシャル諸島のビキニ環礁(ビキニかんしょう)では、23回もの核実験が行われた。 国と国のあいだで、争いがおきたときに、公平な解決のための裁判をおこなう機関。オランダのハーグにある。15名の裁判官で構成される。裁判官は加盟国から選ばれる。 国際連合のいろいろな事務を行っている。最高責任者は総会(そうかい)で選ばれ、選ばれた事務局の最高責任者を事務総長(じむそうちょう、英:Secretary-General of the United Nations)という。 2009年には事務総長に韓国の潘 基文(パン・ギムン)が選ばれ、彼が第8代事務総長になった。 国際連合には、専門機関(せんもんきかん、英: Specialized Agencies)がある。 教育、科学、文化の発展による国際理解のもたらす平和を目的として設立された。まずしい国などで文字の読めない子たちに読み書きを教えて識字率(しきじりつ)を向上させる活動や、義務教育の普及のための活動、また、世界遺産の登録と保護などを行っている。 本部はフランスのパリ。 ユネスコ憲章の前文には「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦(とりで)を築かなければならない」とある。 戦争のある紛争地域など、めぐまれない環境(かんきょう)の子供たちや、発展途上国(はってんとじょうこく)の子供たちを支援(しえん)する活動をしている。 また、その活動のために寄付金(きふきん)を、あつめていもいる。 感染病など病気の予防や対策を行ったり、世界の健康(けんこう)や衛生を守る仕事をしている。 この他にも、さまざまな専門機関があります。 有名な機関は、 などがあります。 国際通貨基金 IMFは、通貨の安定を目的とした機関です。IMFも国連の専門機関です。UNの文字が入ってないですが、IMFは国連の機関です。 世界貿易機関WTOは、自由貿易をすすめるための機関です。 さらに、この他にも専門機関があります。 ・ 国連難民高等弁務官事務所 ・ 国際労働機関 ILO ・ 国際原子力機関 IAEA その他、多くの機関があります。全ての機関を覚える必要はないですが、機関の名前から、国連の仕事の内容をつかむようにしましょう。 など。 日本は国連への分担金が2位。(2013年) 1位はアメリカ。
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ヨーロッパ連合とは、ヨーロッパでの経済の統合など、ヨーロッパの国どうしで協力しあっている国家どうしの連合である。ヨーロッパ連合のことを EU(イーユー) という。European Union の略。 EUの本部はベルギーの首都ブリュッセルにある。 もともとは第二次大戦後に、ヨーロッパの資源の共同管理をすることで、資源をめぐる戦争をなくそうという平和目的として1952年にヨーロッパ石炭鉄鋼共同体( ヨーロッパ せきたん てっこう きょうどうたい 、英語 略称:ECSC イーシーエスシー)の設立が、戦争であらそったドイツとフランスを中心に設立された。結果的にドイツ・フランスにイタリア・ベルギー・オランダ・ルクセンブルクを加えた6カ国で1952年にヨーロッパ石炭鉄鋼共同体(ECSC)が設立された。 似たような国際機関で、1958年にはヨーロッパどうしの経済協力を目的にヨーロッパ経済共同体( ヨーロッパ けいざい きょうどうたい、EEC イーイーシー )が設立した。また1958年に原子力の共同管理のためのヨーロッパ原子力共同体(ヨーロッパげんしりょく きょうどうたい、 EURATOM 、 ユーラトム)が設立された。 このECSCとEECとEURATOMの3つが統合して、1967年に発足したヨーロッパ共同体( EC(イーシー) )が設立された。 その後、ECは加盟国が増えていった。 このヨーロッパ共同体ECが、1993年にはヨーロッパ連合(EU 、イーユー)に発展した。 国際機関が多く出てきたが、とりあえずEU(ヨーロッパ連合)だけを覚えておけば、たぶん大丈夫だろう。 2002年からEUの共通通貨のユーロが加盟国の多くで使われている。このため、それまで加盟国にあった通貨(たとえばドイツのマルク通貨やフランスのフラン通貨など)は回収された。域内での関税は撤廃されている。EUの加盟国は27カ国に達し、域内の人口は5億人におよぶ巨大な経済圏である。 欧州連合の旗は、つぎのような旗です。 1967年に東南アジアの諸国を中心にASEAN(アセアン、東南アジア諸国連合)が結成され、政治経済や安全保障の分野での協力をしている。 現在のASEAN加盟国は、インドネシア 、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、 ラオス、 カンボジア。 カンボジアは、1999年にASEANに加盟。カンボジアでは第二次大戦後、1970年代ごろから、たびたび内戦があった(カンボジア内戦)。 内戦のきっかけとなっていた独裁勢力が、1991年には追放され、その後、カンボジアでの独裁や内戦の心配がなくなり、そして1998年にはカンボジアがASEAN加盟が認められた。 日本はASEAN加盟国では無いが、ASEANの発足当初から日本はASEANに協力し、たびたび会議などに参加している。 第二次世界大戦の前では、世界恐慌により、欧米諸国が自国に有利な関税引き揚げなどの保護的な貿易を行って、閉鎖的な経済ブロックをつくった。それが、諸国どうしの対立につながり、世界大戦のきっかけの一つとなったと考えられてる。 また、日本軍が、第二次世界大戦で、東南アジアに進出するきっかけになったのも、アメリカなどからの日本への石油の輸出禁止によって、日本が石油を輸入できなくなったという理由もある。 このような、経済ブロックの失敗による反省にもとづき、第二次世界大戦のあとは、貿易をなるべく開放的にすることが望ましいとされた。 そして、1948年、「関税と貿易に関する一般協定」(GATT)が結成され、国際的な関税の引下げが計られた。 世界貿易機関(WTO)は、GATTにかわって、1995年に結成された。WTOは、さらなる自由貿易の促進のため、関税の引き下げや、貿易の障害になりうる制限である貿易障壁を取り払うことを呼びかける国際機関。2016年では、約160カ国が加盟している。 日本もこれに加盟し、なるべく関税の引き下げや貿易障壁などに協力している。 太平洋沿岸地域ではアジア太平洋経済協力APEC(エイペック、Asia-Pacific Economic Cooperation の略) 1989年にオーストラリアの呼びかけて発足。日本も、発足時から参加している。 日本・アメリカ合衆国・カナダ・韓国・オーストラリア・ニュージーランドおよび当時の東南アジア諸国連合 (ASEAN) 加盟6か国の計12か国で発足した。 オーストラリア、日本、アメリカ、韓国、台湾、中国、香港、メキシコ、カナダ、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイ、パプアニューギニア、チリ 、ペルー、ロシア、ベトナム が参加している。 北アメリカ大陸でアメリカ、カナダ、メキシコが結んでいる貿易の協定。関税の撤廃などの自由貿易の推進をしている。 その他、2国間以上で相互に関税の引き下げるなどの協定を結ぶ自由貿易協定(じゆう ぼうえき きょうてい、FTA )を結ぶことも多い。 FTAはFree Trade Agreement の略。 FTAをさらに発展させたものとして、関税だけでなく各国間での人(ひと)の移動の規制緩和などをふくむ、より深い経済交流の協定である経済連携協定(EPA)がある。EPAはEconomic Partnership Agreement の略。 これらの経済のグローバル化によって、価格は安くなった。その反面、いくつかの産業では先進国から人件費の安い国へ産業が流れて、先進国でいくつかの産業が衰退した。 また、各国で景気が連動するようになった。2007年〜2008年におきた、アメリカの住宅バブル崩壊がきっかけの国際的な金融危機である世界同時不況は、その例であろう。 ブラジル、アルゼンチンなど、南米諸国5か国が参加している、経済的な地域機構である。 東南アジア諸国のGDP(国民総生産)の合計よりも、南米諸国のGDPの合計のほうが大きい。 2010年度のGDPでは である。 アメリカやイギリス・フランス・ドイツなどの先進国は、アフリカなどの発展のおくれた国に資金援助や技術援助などの援助をおこなっている。 日本も、同じように、アフリカなどに資金援助や、農業技術や医療技術などの指導の技術援助などを、アフリカやアジアの発展の遅れた国に援助している。 先進国の政府や政府機関による、発展のおくれた発展途上国に対して行う政府援助を政府開発援助(せいふ かいはつ えんじょ、ODA オーディーエー)と言う。 日本が派遣(はけん 、英:despatch)している青年海外協力隊(せいねんかいがいきょうりょくたい)もODAのひとつであり、アフリカなどで技術支援をしている。志願できるのは、20〜39歳の青年の男女の日本人が志願できる。 40才〜69才の年長者は、シニア海外ボランティアに志願できる。 ODAは政府活動である。 ・ NGO (非政府組織、※ 「エヌジーオー」と発音) 政府指揮下の団体のほかに、民間にもボランティア活動をしている人たちはいる。外国での活動にかぎらず、国内活動でも国外活動でも、民間のボランティア活動をしている組織や団体を非政府組織(ひせいふ そしき、NGO エヌジーオー、non-governmental organizations)と言う。 赤十字や、「国境なき医師団」は、NGOである。 日本では国外でのボランティア活動をしている組織や団体に対してNGOという場合が多い。 NGOの中には、国連などと共同作業している国際的な団体もあるが、かならずしも全てのNGO団体が、国連と関係が深いわけではない。 ・ NPO(非営利組織 、 ひ えいり そしき、Non profit Organization ) ※ 「エヌピーオー」と発音 「非営利組織」(NPO)といっても、けっして「商売をしない」という意味でもなく、また「利益を出してはいけない」という意味ではなく、もしも利益が出ても、最低限の給料だけを従業員などの関係者に分配して、あまった利益は今後の活動のための資金にしている団体のことである。
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2001年、アメリカのニューヨークで、何者かによる航空旅客機のハイジャックによるテロ事件が起こり、多くの乗客が死んだ。その後すぐに、このハイジャック犯の正体は、アルカイダというイスラム系の過激派組織の一味だということが分かった。 このアメリカでの2001年のテロ事件を アメリカ同時多発テロ などと言う。 アメリカは、このアルカイダをかくまっていたアフガニスタンのタリバン政権を攻撃し、戦争になっていった。 アフガニスタン攻撃の後のころ、イラクには大量破壊兵器を開発しているという疑惑があった。国連はこの疑惑を調べようとしたが、イラクは国連の調査に協力的でなかった。 アメリカはイラクが大量破壊兵器を開発していると判断し、2003年にアメリカはイラクを攻撃した。 これを イラク戦争 と言う。 イラク戦争ではアメリカが勝利した。 ドイツやフランスなどは、イラク攻撃の理由が不十分だとして、アメリカの戦争には参加しなかった。 イラク戦争によってサダム・フセイン政権は崩壊した。しかし、イラクではフセインの独裁がなくなったことにより、それまでフセイン政権の軍事力をおそれていたテロ組織がイラクで活動するようになった。そして、イラク戦争後にイラクを占領していたアメリカ軍やアメリカ軍の協力者には、テロによる多くの死者が出た。 しかし、イラクは実は大量破壊兵器を開発しておらず、国連の調査に協力しなかったのは、イラクが大量破壊兵器を開発しているように見せかけることで、イラクの国際社会への影響力を強めようとしたフセインのウソであることが判明した。 イラク戦争が、フランスやドイツなどの大国を無視して行われたので、国際社会でのアメリカの影響力が落ちていった。 アフリカで、以下の場所が、以下のように紛争地帯になってる。 また、これら(スーダン、ソマリア、コンゴの紛争など)の紛争により、多くの難民が発生している。 スーダンでは、北部のアラブ系イスラム教徒と、南部のアフリカ系住民の地域(キリスト教徒が多い)とが対立。 2003年に、西部のダルフール地方が、アラブ系イスラム教徒によって襲撃されたため、国連がPKO部隊を派遣した。 2011年に南スーダンが独立した。 ルワンダでは、多数派のツチ族と、植民地時代の支配者であったフツ族とのあいだで内戦が発生している。 1994年、ルワンダで、フツ系の武装勢力による大量虐殺(ぎゃくさつ)事件が起きた。 東アフリカにある、インド洋に突き出た位置にあるソマリアが、紛争の多発地帯である。 1945年〜1946年に結成された旧ユーゴスラビアは、社会主義で、多民族国家で、6つの共和国からなる連邦国家であった。 セルビア、クロアチア、ボスニア=ヘルツェゴビナ、スロベニア、マケドニア、モンテネグロの6ヶ国からなる。 冷戦の終結時、民族運動が高まり、そして1991年にスロベニアとクロアチアが独立した。その後、ボスニア=ヘルツェゴビナやモンテネグロも独立。 宗教は、ギリシャ正教、カトリック、イスラム教が混在している。ボスニアにはイスラム教徒が多い。 各国の独立のさい、各国内で、民族対立や宗教対立が起きた。 ボスニア=ヘルツェゴビナでは民族・宗教対立から内戦になった。 またセルビアでは、2008年にコソボが独立を宣言したが、セルビア政府はこれを認めていない。 旧ユーゴスラビアは指導者チトーによって率いられていた国で、「7つの隣国、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字、1つの国」と言われた。 冷戦中、社会主義系の独裁者ポル・ポトが権力をにぎり、極端な社会主義を掲げた独裁政治により、1979年ごろに多くのカンボジア国民が虐殺、または飢餓などで死亡した。(※ ポルポトの名前は高校の「地理」「公民」参考書にも出てこない。高校の「世界史」の教科書には出る。) その後、カンボジアはベトナムと対立し、やがてベトナムがカンボジアを侵略すると、カンボジア国内でカンボジア国民がポルポト政権によって大量虐殺されている状況が明らかになった。 この後、カンボジアで、さまざまな紛争や内戦が起こり、最終的にポル・ポトは追放された。 東ティモールは、2002年にインドネシアから独立した。1999年に国連の監視下のもとで、独立するかどうかの投票が行われ、その結果、独立が多数をしめたので、2002年に独立した。 この独立の前後に、反対派による襲撃があった。そのため、国連のPKOが派遣された。現在でも、政情が不安定である。
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冷戦中、アメリカとソ連は核兵器の数を競い合いました。 冷戦が終わっても、核兵器は残りました。いま(2014年)、世界にある核兵器の多くはアメリカとロシアの核兵器です。 冷戦中の米ソは、核兵器を持つことで、相手の国をおどして自国への攻撃を防ぐという核抑止論(かく よくしろん)に基づいて、アメリカとソ連の両国は自国の核兵器を増やしていました。 たしかに冷戦中には、アメリカとソ連のあいだには、直接の戦争は置きませんでした。 しかし、その結果、核兵器を増やしていく競争になり、核の処分に困ることになりました。 昨今、保有国のアメリカとロシアなどは、たとえ保有する核兵器を削減しても、自国の核兵器の保有禁止はしておらず、核兵器の保持をし続けている。 いっぽう、日本は1960年代ごろから非核三原則(ひかく さんげんそく)を掲げており、国際社会に核廃絶を訴える立場を取っている。 非核三原則は「核兵器をもたず、つくらず、もちこませず」からなり、1960年ごろから政府が国会で、これらの原則を打ち出したものである。だが、法律では無いので、法的な根拠や拘束力は無い。 日本と日米安全保障条約を結んでいるアメリカが、核兵器を保有していることいっぽう、日本はアメリカに安全保障の軍事面を多くたよっていることから、たびたび、「もちこませず」について、議論になる。 「核兵器を持たず、作らず」の2項目については、1955年(昭和30年)に締結された日米原子力協力協定や、それを受けた国内法の原子力基本法および、国際原子力機関(IAEA)による査察(ささつ)の受け入れ、核拡散防止条約(NPT)等の批准で法的に禁止されている。 保有国以外が核兵器を持つことを禁止。すでに持っていた、アメリカ、ソ連、イギリス、フランス、中国の5カ国以外の国の、核保有を禁止した1968年からの条約である。 この条約には、批判もされていて、すでに核兵器を持っている核保有国が核兵器を独占することを認めているだけの、わがままな条約だという批判もある。 現実には、核保有国の削減は、あまり進んでいない。 あらゆる場所での、核兵器の開発のための核実験の禁止する条約を1996年に国連総会が採択した。 しかし、これらの条約に関わらず、現実としては、核保有国は、増えている。たとえば、1990年代後半には、インドやパキスタンが核実験を行い、核保有をしました。インドは中国などの核兵器に対抗する措置として、核開発を行い、またパキスタンはインドと対抗するために核開発を行っていました。 北朝鮮が核開発を行い、核保有の疑いが高く、北朝鮮に日米による北朝鮮への核放棄の要求をせまる六カ国協議( 参加国: アメリカ、ロシア、中国、日本、韓国、北朝鮮 )などが開かれても、協議に参加したアメリカもロシアも中国も、自国の核兵器を放棄しようとはしていません。2006年には北朝鮮が核実験を行いました。 核保有をしていない日本や韓国も、アメリカや中国やロシアには、核放棄を要求していません。 日本周辺の各問題では、北朝鮮による核開発や、すでに核兵器を多く保有している中国の核ミサイル配備が、日中や米中のあいだで、軍事的緊張を高めています。 ですが、世界的には、核兵器の保有数はロシアが世界1位で、アメリカが世界2位です。 中東では、イスラエルが核兵器を保有している可能性が高く、それに反発するイランやシリアが核開発を進めています。 日本が長年、核廃絶を唱えても、国際社会では、核兵器の保有国が増える傾向にあります。 たとえ日本国などの学校教育で、核廃絶の意義や素晴らしさが唱えられても、核保有や核開発を行っている国々は日本の学生や教員の考えなんかには従ってなんかくれません。 「ロシアやアメリカなどの一部の国だけが核兵器を保有できるのは、おかしい」という国際社会の一部の意見には、見方を変えれば、「どこかの東洋の国の意見では、ロシアやアメリカなどの核保有には文句をつけないのに、他の国が核保有や核開発を行うと東洋のある国は文句をつけて、その東洋のある国は「自国は平和主義だ」としている。東洋のある国の意見は とても自己中心的でオカシイ」という見方もできるかもしれません。 「たとえ国際社会で受け入れられなくても、それでも核放棄の意義を主張しつづけることは素晴らしい」と言う考えが日本国などの学校教育にあっても、そのような日本国などの学校教育の見方にすら、核保有や核開発を行っている国々では、そのような見方は受け入れられてはいないのが現実です。 たとえ国際連合が核開発を制限する条約を採択していて、それについて日本人の考えで「国際連合は平和主義の素晴らしい組織であり、だから国連の意向に従って核放棄をすべきである。」と日本が考えようが、そのような「国連を素晴らしいとする」という日本の考えや「国連を平和主義とする」という日本の考えや、「軍縮を平和主義とする」日本の考えにすら、そもそも外国は必ずしも従ってくれれません。 国際社会は、たかが日本の都合には合わせてくれないのです。ましてや、その日本の学校教育の都合になんか、国際社会は全く合わせる理由はありません。 たしかに、一部の国だけが独占的に核兵器を保有しているのは、どう考えても不公正です。 その一方で、核兵器の拡散が再現なく続いて広まっていけば、これはとても危険です。テロリストに核兵器が渡る懸念(けねん)もあります。
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などの問題がある。 地球温暖化(ちきゅう おんだんか) の主な原因は、石油などの化石燃料(かせき ねんりょう)の大量使用によって、排気にふくまれる二酸化炭素(にさんかたんそ)により、空気中の二酸化炭素が増加したためと考えられている。 国連では温暖化の防止のため、1992年に国連環境開発会議(地球サミット)がブラジルのリオデジャネイロで開かれ、地球サミットで条約として地球温暖化防止条約( 気候変動枠組み(わくぐみ)条約)が採択された。 また1997年には、国連の会議(地球温暖化防止 京都会議)で,温室効果ガスの削減目標を定めた京都議定書(きょうとぎていしょ)が採択された。 しかし、中国などの発展途上国と見なされていた国には、削減が義務づけられていない。 また、アメリカは当時に会議から離脱した。 国別の排出量では2009年では、中国が1位であり、アメリカが2位である。 このような理由のため、京都議定書の実効性が疑問視されている。 (削減義務を負わない)発展途上国と見なされた国の反論は、「地球環境問題を引き起こした原因は、主に先進国の活動が原因であり、われわれ途上国に負担を負わせるのはおかしい。」というような反論を途上国している。 海抜の低いツバル、モルディブ、キリバスの国は、海水面が上がれば国土の多くが水没してしまう恐れがある。 南極の大陸上の氷や氷河の氷が溶ければ、海面上昇。低地が水没する。なお、北極の氷が溶けても、もともと北極海に浮かんでいる氷が水に変わるだけなので、海面は上昇しない。 温暖化によって、マラリアを媒介する蚊のハマダラカの生息域が広がる恐れが有る。 なお、二酸化炭素のことを化学式から CO2(シー・オーツー) とも言う。Cが炭素(英:carbon カーボン)のことで、Oが酸素(英:Oxygen オキシジェン)および酸化(Oxidation オキシデイション)のことである。 主に発展途上国で、耕作や放牧や工業化を目的にした森林伐採などで、森林面積が減少している。温暖化の原因にもなっていると考えられている。また、動物の生息域が減るので、生態系の保護の観点からも、森林破壊が問題である。 なお、温暖化の化石燃料以外の他の原因として、森林伐採などによる森林の減少によって、植物の光合成(こうごうせい)による二酸化炭素の吸収量が減ったのも理由の一つでは、という説もある。 もともと植物の少ない地域で、その地域が砂漠になる現象が世界の各地で起きている。原因は、過度の農業化や周辺の森林伐採などにより、 土壌の保水性が失われたことなどである。 酸性雨の原因は、化石燃料の排気にふくまれる窒素酸化物などの物質が、雨の酸性化の原因と考えられている。酸性雨により、森林が枯れたり、湖や川の魚が死んだりする場合もある。 フロンガスという物質が原因で、オゾン層が破壊されることが1980年代に分かった。 地球環境問題は一国だけの問題ではなく、複数の国々、さらに世界中全ての国に影響を与える問題である。このため、1970年代から国際会議でも取り上げられる重大なテーマとなった。 地球環境問題についての最初の国際会議は1972年にスウェーデンのストックホルムで開かれた国連人間環境会議(ストックホルム会議)では「かけがえのない地球」(Only One Earth)というキャッチフレーズが用いられた。(※ 英語の Only One Earth まで最近の東京書籍の検定教科書にある) 1992年にはブラジルのリオデジャネイロで国連地球サミットが開かれた。( ※ 正式名称は「環境と開発に関する国際連合会議」。ただし、「リオ会議」「国際連合環境開発会議」などとも呼ばれる。 ) 国連地球サミットにおいて、「持続可能な開発」(Sustainable Development)という考え方が示された。(※ 英語の Sustainable Development まで最近の東京書籍の検定教科書にある) 1997年には京都で開かれた京都会議( ※ 正式名称は「第3回 気候変動枠組(わくぐみ)条約 締約国(ていやくこく)会議」 )において京都議定書(きょうと ぎていしょ)が締結され、世界の主要国が温室効果ガスの削減を求められるようになった。議定書の発効は2005年からである。 このようにして世界の国々が地球環境問題に対して一致して取り組むことが求められるようになったが、京都議定書からのアメリカの離脱、中国の経済発展にともなう温室効果ガス排出量の急増、発展途上国の経済発展と環境への影響の増大などに見られるように、各国の事情や利害の対立から一致した行動にはほど遠いという問題は解決されていない。 ヨーロッパでは陸続きの国が多いので、一つの国の環境問題が周囲の国に影響を与えることも大きく、環境問題が外交問題になりかねないこともあり、ヨーロッパでは1970年代ごろから環境問題の取り組みが積極的に行われてきた。 私達には何ができるでしょう。例えば、スーパーで袋を貰わない、ほかにも基本的なことだけど、ゴミの分別があります。 そうしたことを私達で行っていきましょう。 たとえば買い物をするときは、マイバッグなどのカバンをつかうことで、ビニールぶくろをへらせます。洗剤(せんざい)などを買うときは、つめかえようの洗剤を買うことで、容器のおもさをへらせます。 いらなくなったものは、人にあげたりすることで、そのものが使いつづけられるようにすることでも、あります。洋服などの布は、切れなくなても、雑巾や布巾の材料にできますし、機械などの油をふきとるための ウエス という布地の材料にもなります。 空き缶などは、分別してゴミにだすことで、缶の資源として再利用してもらえます。ペットボトルも分別してゴミに出すことで再利用してもらえます。 食品のトレーなども、スーパーの入り口などにある回収ボックス(かいしゅうボックス)に出すことで再利用してもらえます。 新聞紙や雑誌などの古紙などは、地元のゴミ収集所の、古紙回収の日に、分別して出すことで再利用してもらえます。
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日本はエネルギー資源の80%ちかくを輸入にたよっている。 原子力発電とは、ウランなどの放射性物質を用いて、放射熱で水蒸気を発生させて発電する方法である。 使用済み核燃料に含まれるウランやプルトニウムを再処理工場で再生する試みは、1993年から建設を始めたが未だに(2019年)再処理工場が完成していない。 火力発電とは違い、石油などの化石燃料を原子力発電では用いないので、原子力発電は温室効果ガスを出さない。しかし、日本には原子力発電所から排出される放射性廃棄物の最終処分場がない。また、原子力発電所からは、放射性のトリチウムやキセノンガスが放出され、原子炉の定期点検のために放射線被ばくを伴う作業が必要になる。 日本では1970年代のオイルショックによる石油不足の反省などから、エネルギー源の確保の観点から石油だけでなく天然ガスなどエネルギー源を多様化する政策が取られてきた。 そのエネルギー源多様化の政策の一環で、ウランも発電用エネルギー源として輸入されてきた。 2009年2月には、日本に55基の発電用原子炉があり、日本の発電量の3割を原子力発電が占めていた。内訳は、水力発電が約10%、火力発電が約60%原子力発電が約30%だった。 2011年の東日本大震災での原子力発電所の事故により、国内の全ての原子力発電所で追加の安全対策工事が必要になった。2013年9月15日から2015年8月10日までの約2年間に渡り、すべての原子炉が稼働停止したが、その間に日本の電力が不足することはなかった。 地震や火山活動が活発な日本列島での原子炉の安全性に不安が大きく、外国からのミサイル攻撃の標的になる可能性も指摘されているために、今後の原子力政策のあり方の議論が高まっている。 石油などの化石資源やウランなどの有限な資源を用いない、再生可能な太陽光発電、太陽熱発電、風力発電などは、発電の効率が悪い。 たとえば太陽光発電では、原理的に広い土地を必要とし、また夜間は発電できない。改良は進められているが、しかし、どんなに改良が進んでも、地上にふりそそぐ太陽光そのもののエネルギー以上には発電できない。 サトウキビなどからエタノールを作り、そのエタノールを燃料にするバイオエタノールがある。 当然、増産した分だけ食料の生産量は減る。そのため、増産できる量には限りがある。 水素ガスなどからエネルギーを取り出せる燃料電池は、べつに発電方法では無い。電池は、発電した電力を蓄える装置でしかない。水素ガスを作るために、別の電力が必要になる。 エネルギーのうち、原油、天然ガス、石炭などのような化石燃料や、ほぼ無加工で使えるエネルギーのことを「一次エネルギー」と言う。 いっぽう、電気は「二次エネルギー」である。都市ガスやガソリンを、二次エネルギーに分類することもある。 原子力は、発電の手段でもあるので、原子力を一次エネルギーに分類することもある。 現在(2014年)、世界の人口は約70億人である。これからも人口は増加する見込みである。 世界の人口は1900年ごろから急激に増え始めた(1900年には約16億5000万人。)。 特に第二次世界大戦後の1950年には25億人を突破した。このような急激な人口の増加は「人口爆発」(じんこう ばくはつ、英:Human overpopulation)と言われた。 現在(2014年)では、ヨーロッパや日本などの先進国では少子化による人口の減少の傾向がある。しかし、途上国では人口が増加する傾向にあり、地球全体としては人口は増加する見通しである。近年では、アフリカ諸国や中東(ちゅうとう、アラビア地方のこと)で、人口の増加が大きい。 人口が増えるいっぽう、食料の生産量が増加できる見込みは無いので、将来的に食料が不足する危険性が高まっている。 食べ物だけでなく、飲み水も不足する恐れがある。 人口の増加によって、エネルギー源も不足する恐れがある。また環境の悪化を起こす可能性も高いと考えられている。 国連の予測では、2050年には世界の人口は約90億人になると国連は考えている。 石油や石炭など資源の埋蔵量には限りがあるので、今後に採掘できる 可採年数(かさい ねんすう、minable years、または R/P ratio、reserves/production ratio) は限られている。 限りある資源は、何もエネルギー資源だけに限らず、鉄鉱石など鉱物の埋蔵量にも限りがある。 なので、鉱物資源を用いた製品をリサイクルしていくことが必要である。 人間にやさしい環境を維持するために、社会を持続可能なものにしなければならない。 エネルギー問題の解決に必要なことは、けっして技術や制度だけに頼るのではなく、生活を見直してエネルギーの消費そのものを減らしていくように自分たちを改革する必要があるのだろう。 「地球にやさしい環境」などという言葉があるが、べつに地球は泣きも笑いもしない。たとえば石油が枯渇して困る生き物は人間であり、鳥や魚などの他の生き物ではないし、まして地球そのものは惑星であり生物ですらない。 森林資源の保護などは人間以外の動物にも優しいかもしれないが、環境保護の目的はあくまでも人間のためである。 われわれ人間は自分が生きるために、豚や牛や魚を殺して食肉として食べている。 2015年、2016年から2030年までの持続可能な開発目標として SDGs が定められました。 SDGs(持続可能な開発目標)の文字 D の意味する「開発」(Development)には、経済的な豊かさだけでなく、精神的・人道的な豊かさも含まれており、 なのでたとえばフェアトレードなどもSDGsの考え方に合致しています(※ 教育出版の見解)。
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1よりも小さい、はしたの数を計算できるように小数点(.)を使って表した数のこと。 2つの数a, bがあり、aをbで割った商を数にしてあらわしたもの。 また、次の単位も使われることがある。 普通、液体の体積は次の単位を用いる。 単位Lは筆記体の小文字ℓで書くこともある。 また、容積と体積の関係は次の通り。 ある決まった時間内に進む距離のことを速さという。例えば、10秒で進んだ距離なら秒速、5分で進んだ距離なら分速が使われる。
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高等学校入学試験数学では、おおむね次の4つが出題される。 ここでは、この4つについて、過去問も交えて受験対策をしていくことにする。 公立高校の場合、最初は様々な分野から出題される小問集合となっていることが多い。ここの出来不出来は合格を左右する。例えば、東京都立高校の共通問題の場合、100点満点中46点ほどがここに含まれる。上位校なら全問正解が前提となるので、素早く正確に解いていきたい。中堅ならば素早くなくてもよいが、正確である必要はある。ここで1点でも多く稼げれば、後のミスをリカバリーできる。 普通の公立高校では、計算はごくごく単純で、小学校の計算問題(特に分数や小数の四則演算)、正負の数の四則演算、一次方程式、平方根の混じった式が出やすい。問題数はおおむね、3~5問。そのため、これはウォーミングアップ程度に考え、1~2問解くことによって緊張をほぐすようにするとよいだろう。また、その場合は後の難問に備えてなるべく速く解くべきである。そして、ここは全問正解を目指すべきである。 しかし、程度の高い私立高校では、普通にやってはとても解けないような問題がある。これは「置き換え」をマスターしているかどうか問う問題である。よって、何度も出ている数や式をA,Bなどに置き換えるとほぼ確実に解ける。ともかく、ここは点数稼ぎになる。見直しの時間を難問に充てるためにも、素早く正確な計算力を磨いてほしい。 ただし因数分解と二次方程式では、高度な応用力が必要となる場合がある。小問の誘導を見極めること、どんな式が作れるか見極めること、そして最終手段としての数を絞って代入して行くという方法を忘れないことが肝心である。 とは言っても、実際はこれはほぼ考え尽くされてしまっており、そのパターンが十分理解されておれば楽に解ける問題が多い。 近年、統計分野が重視されていることから、資料の整理に関する問題が1・2問出ることが多い。平均値の求め方はもちろん、その他の用語の意味と求め方をしっかり復習しよう。ここは「わかっていれば簡単だが、わかっていなければ全然取れない」ところである。特に、中央値・最頻値・相対度数などの用語に気をつけたい。 作図は図形分野だが、図形の大問よりも小問集合で出ることが多い。公立高校入試ではほぼ必須である。 問題集や教科書にあるようなレベルのものからかなり高度な問題まであり、都道府県や学校ごとの差が大きいのが入試の文章題の出題傾向の特徴である。また、都立高校入試(共通問題)のように数式を証明させる問題もある。 1. 徒歩でA地点からB地点まで行くのに、時速4kmで歩くと、予定より15分遅れ、時速5kmで歩くと予定より15分早く着く。このとき、次の問いに答えよ。 公立高校受検ならば、平面図形の問題では作図と証明が必ず出題される。ただ、作図は小問集合(概ね大問1か2)、証明は平面図形の大問で出題される。 独自問題を出す公立高校入試や難関私立では、現在では高校数学Aの図形で習う内容を知っていると大変有利になることがある。この内容は、昔(1993年以前)は中学校内容だったせいか、発展内容として難易度の高いテキストには掲載されていることが多い。そちらで練習するといいだろう。
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不正確な記述が含まれる記事です。詳細はトークページをご覧ください。 数学には、中学でならう数学のほかにも、色々な数学があります。 また、次に紹介するもののいくつかは、日本の高校の数学や理科などで、習うものもあります。 ほんの少しだけ見てみましょう。 ボールなどを高いところから落下させるとき、落下した高さを y {\displaystyle y} 〔m〕として、手を話してから経過した時間を x {\displaystyle x} 〔秒〕とすると、およそ y = 5 x 2 {\displaystyle y=5x^{2}} の関係で落下します。 中学3年の数学で y = a x 2 {\displaystyle y=ax^{2}} の形の関数を習いましたが、この関数をつかって、高校では、物体の落下などの運動を分析できるようになります。 中学校では y = a x 2 {\displaystyle y=ax^{2}} の形の関数を習いましたが、高校では、さらに y = a x 2 + b x + c {\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} の形の関数を習います。 なお、 y = a x 2 + b x + c {\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} の形の関数のことを 2次関数 といいます。 中学校で「1次関数」というのを習いましたが、「2次関数」とは y = a x 2 + b x + c {\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} の形の関数です。 この2次関数を使うことにより、より一般的な現象が計算できるようになります。 2次方程式 a x 2 + b x + c = 0 {\displaystyle ax^{2}+bx+c=0} の解の公式で、 x = − b ± b 2 − 4 a c 2 a {\displaystyle x={\frac {-b\pm {\sqrt {b^{2}-4ac}}}{2a}}} というのを、中学校で習っています。 ところで、 y = x 2 + 2 x + 5 {\displaystyle y=x^{2}+2x+5} をグラフに書くと、この関数はx軸とは交わりません。 x 2 + 2 x + 5 = 0 {\displaystyle x^{2}+2x+5=0} について、解の公式に代入しても、 のように、 − 16 {\displaystyle {\sqrt {-16}}} のような負の数の平方根が出現してしまいます。 高校で習う数学により、このような数の使い方が分かるようになります。 なお、負の数の平方根のことを「純虚数」(じゅん きょすう)といいます。 − 16 {\displaystyle {\sqrt {-16}}} は虚数です。 いっぽう、有理数の集合 と 無理数の集合 をあわせた集合にふくまれる数のことを 実数 (じっすう)と言います。 虚数は、実数ではないです。 次に言うことは数学的には厳密ではないですが、「実数」とは「物の長さとして表せる数またはその-1倍のこと」だと思っておけば、中学〜高校レベルでは充分でしょう。 2 {\displaystyle {\sqrt {2}}} だって、正方形 ABCD の対角線の長さは、辺ABの長さの 2 {\displaystyle {\sqrt {2}}} 倍ですので(三平方の定理 で証明できます)、平方根だって長さとして表わせます。 さて、2つの実数 a,b を用意して、 の形であらわされる数のことを「複素数」(ふくそすう)と言います。 b=0 とすることで、実数も複素数として扱うことができます。なお(「純虚数」ではなく)「虚数」とは、複素数のうち実数でない複素数のことです(つまり複素数 a + b − 1 {\displaystyle a+b{\sqrt {-1}}} において b≠0 の場合が虚数)。 また、中学の範囲では説明できませんが、複素数をつかうと、a=0 とすることで(ただし b≠0 )、 − 2 {\displaystyle {\sqrt {-2}}} や − 3 {\displaystyle {\sqrt {-3}}} などの純虚数もすべて扱えます。 なので、複素数を考えることにより、扱える数の範囲が広がり、二次方程式の解もすべての場合に扱えるようになります。 なお、高校では、さらに − 1 {\displaystyle {\sqrt {-1}}} を文字 i {\displaystyle i} に置き換え、複素数は のような形で表します。( もし − 1 {\displaystyle {\sqrt {-1}}} の形のままで計算すると、計算ミスをしやすいので、文字 i {\displaystyle i} に置き換えて複素数を計算するのが普通である。) 夏に、ふつうのセミは毎年発生しますが、北アメリカには13年周期で発生する特別なセミと、17年周期で発生する特別なセミがいます。 13と17は素数なので、北アメリカのこのセミは 素数ゼミ (そすうゼミ)と言われています。 科学的には仮説ですが、素数ゼミは、天敵の発生の周期となるべくズレた周期で発生したほうが生存しやすいので、進化によって、素数の周期で発生するように進化してきたのだろうと思われています。 たとえば、もし12年周期で発生するセミなら、天敵の発生周期が周期2年や周期3年や周期4年だとすると、天敵に食べられてしまいます。 しかし、13年周期のセミなら、周期2年や3年や4年の天敵とは、あわなくてすみます。 周期1年の天敵にだけが敵なので、だいぶ生存の確率が増えるでしょう。 中学教育の内容は、定期的に変わるので、むかしは中学で教えてた分野が、いまでは高校で初めて教える分野になっている場合もあります。 次に紹介する「三角形の重心」と「最大公約数と最小公倍数」は、むかしは中学で教えていた時代もありました。 ぶあつい画用紙などで作った三角形の模型を、右図のように棒などで支えるとき、どこを支えると、バランスよく、三角形が落ちずに支えられるでしょうか? じつは、下の図のように、ある頂点から、向かいあう辺の中間点に引いた線分を、 比率 2:1 に分割する点で支えると、バランスよく支えられることが分かっています。 また、このような点のことを 三角形の重心(じゅうしん)と言います。 まず、「約数」(やくすう)という用語があります。 約数とは、ある数を整数(普通は自然数)で割り算したとき、商として現れる数のことです。 たとえば、24の約数は、 24の約数  1, 2, 3, 4, 6, 8, 12, 24 のようになります。 24÷1=24 なので、「24」自身も24の約数に ふくまれます。 同様に「1」も、24÷24=1 として整数の割り算の商として表われるので、1も約数に ふくまれます。 さて、たとえば 24 と 30 のように2つの数があるとき、 その両方に約数としてふくまれる数があり、これを公約数(こうやくすう)といいます。 24の約数  1, 2, 3, 4, 6, 8, 12, 24 30の約数  1, 2, 3, 5, 6, 10, 15, 30 ですので、よって 24と30の公約数は の4個です。 そして最大公約数(さいだい こうやくすう)とは、その名のとおり、公約数のうち、いちばん大きな数のことです。 24と30の最大公約数は 6 です。 なお、2つの数の最大公約数が1の場合、その2つの数を「互いに素」(たがい に そ)と言います。 たとえば、数 8 と 数 15 は「互いに素」です。なぜなら、公約数は1しかないからです。 2も3も4も5も6も7も8も、いっさい公約数ではないです。 「2」は8の約数ですが、しかし15の約数ではないです。 「3」は15の約数ですが、しかし8の約数ではないです。 同様に、4から8まで、公約数には、なっていないです。 「7」にいたっては、そもそも、8の約数ではなく、15の約数でもなく、まったく無関係の数になっています。 さて、ある数が「素数」であるかどうかと、「互いに素」とは、別々(べつべつ)の考え方です。混同しないように気をつけましょう。 たとえば、上の8と15の約数の例では、 素数3は15の約数ですが、しかし「互いに素」ではないです。 いまの中学校では、すでに「集合」という考え方を習っています(「自然数の集合」など習っている)。2つの集合の共通部分や、共通でない部分などを図解するさいに、よくベン図が使われます。 「24の約数の集まり」も、ものの集まりなので、数学的には「集合」として扱えます(実際、高校以上の数学では、集合として あつかう)。 2つ以上の倍数に共通する数を 公倍数(こうばいすう)といいます。 たとえば 6 と 14 の倍数については、それぞれかき鳴らべると、 なので、24 や 48 は、6と8の公倍数です 最小公倍数とは、その名のとおり、公倍数のうち、自然数で最も小さい数です。(負の倍数を考えると、いくらでも小さくできてしまうので、「公倍数」といった場合は自然数だけを考える。) つまり、24が、6と8の最小公倍数です。 大きな数の最大公約数や最小公倍数を求めるときは、素因数分解をすると、もとめやすい。(くわしくは『高等学校数学A/整数の性質』で習う。 私立高校の受験とかで出るかもしれないので、リンクだけ紹介しておく。) むかしは中学で、二進法(にしんほう)などを教えていましたが、2019年の時点では、二進法などは習わなくなっています。現在の日本の教育カリキュラムでは、二進法の単元は、高校の『数学1A』に移動しています。 小学校でならう、1 → 2 → 3 → …… → 7 → 8 → 9 → 10 のような数え方は十進数(じっしんすう)といいます。 二進法とは、 1 → 10 → 11 → 100 → 101 →・・・ のように、0と1だけで整数を表す数え方です。 むかし、中学の数学教育では「二進法がコンピュータに使われてる」などと教えていました。現在のコンピュータでも、コンピュータ内部の計算で二進法が使われている事じたいは、同じままです。 さて、現代のパソコン利用者とって身近なところでは、 お絵描き系のソフトとかで色を調整するとき、よく みたいに、ある色の、色のつよさを0から最大で255まで、色を強くできます。 この「255」の数字の由来は、 十進数の式 が由来です。(かけ算で 2 が 8個) この255(十進数)は、2進数で表すと です。(ケタ数が多いので、4つずつで区切るのが普通。) 「256」でなく「255」なのは、コンピュータ内部ではゼロから数字を数えているため、0から255までの数字の数が256個だからです。 つまり、 のような色のデータの形式では、色の三原色あたり、2進数で8ケタずつのデータを確保している事になります。 そして、三原色というように、3つの原色のつよさの比で色を表しているので、合計で 3×8 = 24 で、24ケタの2進数で色を表すことになります。 「24ビットカラー」というのは、このようなデータ形式で色を管理しているという意味です。 現在のインターネットなどコンピュータ環境でよく利用されている暗号として、RSA暗号(アールエスエーあんごう)というのがありますが、この暗号は原理として素因数分解を利用しています。 たとえば、37 × 71 = 2627 というのは筆算をすればいいだけなので簡単ですが、 しかし、いきなり「2627」という数字を、もし貴方が見せられて、それを「素数か、素数でないかを判定してください。もし素数でないなら、素因数分解してみなさい」といわれても、むずかしいでしょう。 じっさいに、たとえば「5371」という数字をいきなり出されて、これが「素数であるかどうかを判定して」と言われても、コンピュータも何も持ってない人には、むずかしいでしょう。(ちなみに 5371 は素数ではなく、41×131=5371 です。) 2つの大きな素数のかけ算を素因数分解するのは、一般に難しいという性質を、RSA暗号は利用しています。 たとえば、少人数学級の中学校があり、1クラスの生徒数が9人で、1つの学年に学級が2クラスあるとしましょう。 ある科目のクラス平均点は、 だったとしましょう。 そして、補習はテストで30点以下だった生徒に対して行われる学校だとしましょう。 しかし、A組のほうは補習をうけさせられる30点以下の成績をとっている生徒が1人ですが、B組のほうは補習をうけさせられる30点以下の生徒が4人もいたとして、 実際のそれぞれの生徒の得点の分布が だったとしましょう。 A組とB組は、平均点(50点)だけで見ると同じですし、範囲(10〜90の範囲である)も同じですが、しかし、クラス内の得点の事情が、かなり違っています。 A組とB組は、平均も範囲も同じなのに、なのにA組のほうは、補習をうける生徒は,10点をとっている1人目の生徒1人だけなのに、いっぽうB組のほうは、クラス9人中の半数ちかい4人の生徒が10点ですので、B組では補習をクラスの半分ちかくが受けます。 なのに、「平均」と「範囲」いう考え方だけでは、このような 散らばり の程度を表現できないので、新しい考え方が必要です。 そこで、高校で習う「分散」(ぶんさん)や「標準偏差」(ひょうじゅん へんさ)という概念を使うと、このような ばらつき の程度を、数値的に表せるようになります。 なお、「分散」は で定義されます。 (※ 教育出版の検定教科書では、分散の定義まで、教える) 標準偏差は分散の平方根です。 例では、数えやすいように、たったの9人のクラスにしましたが、実際の社会では、もっと多くのものの統計を数えるわけです。 たとえば、もし9人の受けたテストでなくて、900人の受けたテストだったら…という場合もあるわけです。 よく受験産業でいう「偏差値」(へんさち)を求める計算には、この「分散」や「標準偏差」が利用されています。 中学では 2 {\displaystyle {\sqrt {2}}} が 、けっして 2 5 {\displaystyle {\frac {2}{5}}} や 13 7 {\displaystyle {\frac {13}{7}}} のような整数だけを分子と分母にもつ分数では表せないこと(つまり無理数であるという事)を習っていますが、しかし、その証明は習っていません。 高校の数学で、その証明を習います。 証明の方法は、おおまかに言うと、 上述のような、証明したい内容と反対のことを仮定して矛盾をみちびくことにより、証明したい内容を証明する論法のことを 背理法(はいりほう) といいます。 2 {\displaystyle {\sqrt {2}}} だけでなく 3 {\displaystyle {\sqrt {3}}} や 5 {\displaystyle {\sqrt {5}}} も同様にして、無理数であることを証明できます。 また、素数がかぎりなく存在することも 背理法で証明できます。 中学校では、右の図のように、60°など といった角度が特別な角度の直角三角形について、3辺の長さの比が決まっている事を習った。 しかし、直角三角形の相似の条件を考えれば、角度が50°や75°などの角度であっても、3辺の比率は決まるはずである。 そこで高校では、もはや 60°や45°などの特別な角度でなくても、3辺の長さの比が決まることを利用して、斜辺の基準にして比率を求める。 直角三角形の斜辺と高さの比率を で表したものを「正弦」(せいげん)といい、 記号では「 sin 」 (サイン)という記号を使って のような記法で表す。 具体例をあげると である。 角度が50°の直角三角形については、分度器(ぶんどき)や定規(じょうぎ)などを使って実際に書いてみれば、 3辺の長さの比を測定することができる。 なので、sin 50° の近似値を求めることもできる。 実際に求めてみると、 である。 なお、「コサイン」とか「タンジェント」という言葉も、三角関数の一種です。 コサインは です。 コサインは記号で cos と表します。 タンジェントは記号で tan と表します。 そして、「sin (角度)」の記法と同様に、cos や tan の後ろに角度を書きます。 です。 詳しくは高校で習うので、ここでは、これより深くは解説しないでおきます。 中学で 32=9 のように「指数」(しすう)という考えかたを習いました。 ところで、歴史の研究の分野で使う放射性年代測定(ほうしゃせい ねんだいそくてい)では、 放射性物質の強さが一定の年月が経つと半分ずつになっていく事を、年代測定に利用しています。 放射性炭素 が半分になるのは、約 5730年 の時間が掛かります。ここでいう「炭素」とは、理科で習う 元素記号 C の炭素のことです。通常の炭素とは別に、放射性炭素がわずかながら空気中に存在しています。 くわしい原理の理解には、高校で習う理科の化学(かがく)などの知識も必要なので、中学では解説しきれないのですが、 放射性年代測定には、指数の計算も必要になります。 たとえば、放射能のつよさが半分になる一定の年月が x {\displaystyle x} 回 だけ経過したとすると、その放射能の強さは、もとの放射能の強さを a とすると のように、指数をつかった数式で表すこともできます。 たとえば放射性炭素の場合、 なので、 17190年後の放射能の強さは、もとの放射能の強さの ( 1 2 ) 3 {\displaystyle ({\frac {1}{2}})^{3}} 倍、つまり、もとの強さの8分の1になっているわけです。 数学の世界には、まだ、人類のだれにも答えが知られてない難問もあります。そのような、まだ誰にも解かれてない数学の問題のことを「未解決問題」(みかいけつ もんだい)といいます。 中学でも、問題の意味が理解できるような未解決問題もあります。 たとえば、ゴールドバッハ予想という未解決問題の内容は、 というものです。 たとえば、 などです。 まだ誰にも、この予想は証明されていないのです。
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この分野では光(英語: light)と音(英語: sound)について扱います。光と音は全く異なった現象に見えますが、実際にはこれらは多くの共通した性質を持っています。 光は多くの場合にまっすぐ進む。例えば、暗い箱を作り、その壁に細いスリットを設けると、スリットから入って細くなった光線がそのまま直進する様子がわかる。この性質は真空中や空気中の多くの場合で成り立ち、太陽や電球などから発せられた光は、発せられた方向に直進する(ただし、空気中であっても、異なる密度の空気が隣接するような場合は光は曲がることもある。蜃気楼はその一例である。また、真空であっても、ブラックホールの周囲などの特殊な条件では光は曲がることが知られている)。 反射面に垂直な直線法線と、入射した光とがなす角を入射角(英語: angle of incidence)と呼び、法線と反射した光とがなす角を反射角(angle of reflection)と呼ぶ。 このとき、 が成り立つ。これを反射の法則という。 上の図では θ i {\displaystyle \theta _{i}} が入射角に対応し、 θ r {\displaystyle \theta _{r}} が反射角に対応する。図でわかるとおり、入射角と反射角は等しい。 下の図では光が黄色の線、鏡が黒の線で直角に紫の法線が伸びている。この図では光の方向が書かれていないが、作図の際書かなければならない。 また、例えば空気中を直進して来た光が水面に当たって水中に入りこむときには、光は水面でその方向を変えることが知られている。このような現象を光の屈折(英語:refraction)と呼ぶ。屈折した光と物質境界の垂直方向(法線)とがなす角度を屈折角(英語: refracting angle)と呼び、光の屈折の大きさは各々の物質が持つ屈折率(英語: refractive index)によって決まる。屈折率がより小さい物質からより大きい物質に光が入射するときには、屈折角は入射角よりも小さくなることが知られている。反対に、屈折率がより大きい物質からより小さい物質に光が入射する場合、屈折角は入射角よりも大きくなる。 実際の例では、空気から水に向かって光が入射する場合、水の屈折率は空気よりも大きいため、屈折角は入射角よりも小さくなる。 例えば細長い棒を水の中に差し入れると、その棒は曲がって見える。これは、光の屈折によるものである。 また、透明であるガラス瓶やコップが目に見えるのも、この屈折の効果による。 屈折がなければ透明なものは目に見えないという事を体感する実験の例として、ガラス製の瓶やコップを油に沈める実験が知られている。油の中にガラスを沈めると、ほとんど見えなくなる。これは、油とガラスの屈折率が非常に近い値であるためである。 赤外線の発見の歴史は、イギリスの天文学者のウィリアム・ハーシェル(Sir Frederick William Herschel)が太陽光をプリズムで分光した際に、それぞれの色の帯を温度計で計ったら、どの色の部分も温度が上がったが、赤色の光線のとなりの目には色が見えない部分が一番高く温度上昇していることが発見されたという、いきさつがある。 「では、分光された紫色の光線のとなりにも、なにか目には見えない線があるのでは?」というふうなことが学者たちによって考えられ、 ドイツの物理学者ヨハン・ヴィルヘルム・リッター(Johann Wilhelm Ritter)により、ある種類の物質が紫外線をあびると化学変化することが発見され、同時に紫外線の存在も実証された。 (ちなみに、赤外線は、赤色ではありません。 暖房機器の「赤外線ヒーター」が赤く光っているのは、スイッチの消し忘れをふせぐため、つまり安全のために、赤色のランプをくっつけているのです。) 同じ様に、紫外線も、むらさき色ではありません。 テレビやラジオの電波は、実は、赤外線よりも、さらに外側の(波長の長い)光です。電波は見えません。 病院のレントゲンなどで使うX線やガンマ線は、紫外線よりも、さらに外側の(波長の短い)光です。X線やガンマ線は見えません。 日焼けをすると、皮ふの中のメラニン細胞が増えます。これは、私たちの体が、メラニン細胞を作っているのです。では、なぜメラニン細胞を作るのでしょうか。それは、紫外線によって、細胞が傷つくのを防ぐためです。黒人の人は、うまれつきメラニン細胞が多いので、肌が黒いのです。白人の人は、うまれつきメラニン細胞が少ないので、肌がピンクっぽい白なのです。 紫外線は、私たちの細胞の中にある遺伝子を傷つけます。なので、紫外線をあびすぎると、皮膚ガンになりやすくなるので、あびすぎてはいけないのです。 とても、あつく、熱した鉄などは、光を出すことが知られています。(あぶないので、マネは、しないでください。) いっぽう、光をプリズムにとおすと、色が分かれます。 このような、とてもあつい物からでる光も、プリズムにとおすと、色が分かれます。 理科の電気の実験でも、ニクロム線に電気を通すと、温度が高くなって、わずかに赤く光ります。 むかしのヨーロッパの科学者が、とても、あつい物から出てくる光にふくまれている色をしらべたら、温度が千度や二千度くらいの時は、赤い光がおおいですが、もっと温度をあげていくと、だんだん、白い光が多くなってくることが、わかってきたのです。 さらに、もっと、もっと、温度を上げていくと、物体から出る光は、青白い光が多くなってくることが、わかってきたのです。 昔の科学者は考えました。「地上の物体では、温度が高いほど、赤い光から青白い光になる法則があるんだから、夜空にうかぶ星の色も、地上とおなじように、青い星は、きっと温度が高いにちがいない」と、むかしの科学者が、かんがえたのです。 じっさいに、この考えは、ただしいことが、さまざまな研究から、たしかめられています。 夜空の星には、いろんな色の星があります。 色のちがいは、星の表面の温度のちがいです。星から届いた光を、プリズムを使って色を分けて、くわしく色を調べれば、星の表面の温度が分かります。星の表面の温度を、表面温度といいます。 さそり座のアンタレスなどの赤色の星は、温度が3000度です。 黄色い星は、表面温度が、およそ6000度です。太陽も表面は6000度です。 白い星は、表面の温度が、およそ10000度です。白い星は、冬に見える、おおいぬ座のシリウスなどがあります。 青白い星は、15000度くらい、またはもっと熱い温度です。青白い星は、おとめ座のスピカがあります。 色と、星の表面温度のならびを書くと、次のようになります。 色で温度が分かる種類の星は、太陽のように、その星じたいが光を出してる星です。さそり座のアンタレスも、おおいぬ座のシリウスも、自分から光を出しているのです。そういう光を出す星を、恒星といいます。 月は、自分からは、光を出していません。太陽の光を反射しているので、月は明るく見えるだけです。なので、月の色からは、月の温度は分かりません。 屈折率が大きい媒質から小さい媒質に光が入るときに、入射光が境界面を透過せず、すべて反射する現象が起きる。これを全反射(英語: total reflection)という。全反射は、入射角が大きくなると起こる。 ガラスなどを引き伸ばしてつくられる光ファイバー(Optical fiber)では、一端から入った光をファイバー内部で全反射させることで、もう一端へと光を送って、もう一端から光が出てくる。 光ファイバーの応用例として、通信ケーブルや、胃カメラなどの内視鏡がある。 光ファイバーは、内部が2層構造になっており、内側の層と外側の層との境目で全反射を起こすことで、光を送っている。通信用の光ファイバーは、プラスチックのカバーで、おおわれている。 通信用の光ファイバーケーブルでは、数多くの光ファイバーをたばねて、被覆でおおってあり、外部からは一本の太いケーブルのように見える。 全反射は、光の進路を変えるための直角プリズムにも利用されている。双眼鏡などの光学機器に用いられる。 直角プリズム内で1回だけ反射させれば90度だけ進行方向を曲げることが出来る。2回、反射させれば、180度、進行方向を曲げることができる。 紙の表面や、板の表面など、ふつうのものの表面は、たいらに見えても、よくよく見ると、こまかいデコボコがいくつもあります。 このデコボコの向きが、それぞれバラバラの向きなので、反射する光のむきも、反射したあとは、バラバラの向きに向かっていきます。 この、光が、バラバラな方向に反射する現象を乱反射と、いいます。 乱反射のおかげで、わたしたちは、物体を、どの方向からでも、見ることができるのです。入射角と反射角が等しいという反射の法則は、たとえ乱反射であっても、一つ一つの光線については成り立っています。 ※ たぶん授業中に口頭で習う。 学校の美術室とか家庭科室とかの出入口のドアなどにあるガラスで、ガラスの向こう側がくもったように見えるガラスを見たことがあるだろう。 ガラスの向こうがわにある物体が何かはよく見えないが、明かりは取り入れられるし、なんとなくガラスの向こうになにかが有るのか、それとも無いかという事ぐらいは、見える、あのガラスである。 ああいうガラスを、「すりガラス」という。 「すりガラス」は、どういう仕組みになっているかというと、「すりガラス」は、表面がデコボコしているので、いろんな方向に反射したり屈折したりするので、くもったように見えるのである。 すりガラスも、乱反射をする紙のように、表面に細かいデコボコがある。 ここでは、レンズを用いたときに光が描く軌跡についてまとめる。ここでは、単純なレンズである凸レンズについて扱う。一般に、虫眼鏡や顕微鏡など物体を拡大して見るための器具は、光の方向を変えるために、凸レンズを用いている。また、遠視用の眼鏡にも用いられる。 凸レンズは、レンズの真ん中がレンズの縁よりも厚くなっている。代表的な凸レンズである球面凸レンズは次のような形をしている。 レンズの2つの面は、ある半径の球の一部を切り取った形をしている。このとき、元の球の半径をレンズの曲率半径と呼ぶ(曲率半径はレンズの焦点距離(英語: focal length)と関連しているが、焦点距離と曲率半径の関係について詳しく扱うことはしない。)。 ここでは球面凸レンズを扱う。球面凸レンズは、レンズの両側に焦点(英語: focal point)と呼ばれる点を持つことが知られている。焦点とレンズの中心との距離はレンズの両側で等しい。この、レンズと焦点との距離を、焦点距離(英語: focal length)と呼ぶ。焦点距離の記号は、 f で表すことが一般である。 一般にレンズはプラスチックやガラスなどの材質で作られるが、これらは光を通す材質であると同時に、空気よりもw:屈折率が高いことが知られている。 現在の指導要領では、屈折率について扱わない。屈折率について詳しく知りたい場合、w:屈折率などを参照するとよい。 既に水と空気の例で説明した通り、光は異なる材質の境界を通過するときに、進む方向を変える。同様に、空気中からレンズを通過するときも、光は方向を変える。実際にレンズを抜けた後に光が向かう方向は、光がレンズに入射する方向と位置が分かれば、計算によってあらかじめ知ることができる。 ここでは特に、光が向かう方向が簡単に定まる場合についてまとめる。球面凸レンズでは一般的に、以下の三つの性質が成り立つ。 最初の例と最後の例は時間を反対に見ると、同じ事柄を指していることに注意が必要である。時間を反対にするとは、ここでは光の進行方向を逆向きにすることに他ならず、このとき両者は互いに移り変わる。 上で述べたレンズの性質を利用して、レンズを通り抜けた光が結ぶ像の位置と大きさについて調べることができる。レンズが結ぶ像の性質は、対応する物体がレンズの焦点距離より遠くにあるかどうかで変化する。ここではまず物体がレンズの焦点距離より遠くにある場合について述べる。 このとき、物体から放たれる光線は次のような軌跡をたどる。 図の中で物体の先端からレンズを通過する光線を3本描いたが、この3本はそれぞれ上で挙げた3つの光線に対応している。これらは1点で交わる。 ここで、物体から放たれた光は3本の光線が交わった点に像を作る。この像を実像(英語: real image、リアルイミッジ)と呼ぶ。実像は常に物体に対して上下、左右がともに逆(倒立)の向きで現れ、その大きさとレンズからの距離は、物体とレンズとの距離によって決まる。 実像の大きさと現れる位置の性質は、物体とレンズの距離がレンズの焦点距離の2倍に達したときに変化する。ちょうど2倍のときには、実像の大きさはちょうど物体と同じになり、実像とレンズの距離は物体とレンズの距離と等しくなる。一方、物体とレンズの距離が焦点距離の2倍より大きいときには実像の大きさは実際の物体の大きさよりも小さくなり、実像の位置は、物体とレンズの距離よりもレンズに近くなる。一方、物体とレンズの距離が焦点距離の2倍より小さいときには実像の大きさは実際の物体の大きさよりも大きくなり、実像の位置は、物体とレンズの距離よりもレンズから遠くなる。 一方、物体の位置がレンズの焦点距離よりもレンズに近い場合には、光線が像を結ぶ位置は変化する。このとき生じる像を虚像(英語: virtual image)と呼ぶ。虚像は常に物体よりも大きくなる像であり、虫眼鏡で物体が拡大して見えるのは物体の虚像を観察していることに注意が必要である。虚像は実像の場合と違い正立で現れ、常にレンズに対して物体が存在する側に現れる。 レンズを使ったときに現れる像の位置と大きさは、実像と虚像の場合を含めて「レンズの公式」と呼ばれる式にまとめることができる。この式は指導要領の範囲外であるので、詳しくはw:レンズを参照すること。 ピンホールカメラ(英: pinhole camera)は、レンズを使わずに針穴(ピンホール)を利用したカメラである。針穴写真機ともいう。 凸レンズと逆に光を発散させるレンズは凹レンズ(英語: concave lens)と言う。 凹レンズを通る光には主に以下のような性質がある。 凹レンズでできる像は常に正立虚像で、物体と同じ側にある。焦点距離を負の数値であらわす(f < 0)と、凸レンズの場合と同じレンズの公式が成り立つ。 ※ たぶん授業中に口頭で習う。 写真のように、鏡が曲がっている場合、普通の平らな鏡とは写りかたが違う。 凸面鏡(とつめんきょう)の場合、広い範囲がうつる。 道路のロードミラー(「カーブミラー」ともいう)も凸面鏡である。(※ ロードミラーでは広い範囲をうつす必要があるので、凸面鏡が使われている。) 音(おと、sound)とは、物の振動により空気の震えが、耳に届いて聞こえるものである。これは空気の振動と言い換えることもできる。 音は、空気中では波のように、物にあたって反射したり、狭いところでは屈折したりするので、音は波として伝わる。 なので音の波の特徴を強調したい場合には音波(おんぱ、sound wave)という場合も有る。 まず音を出す音源の物体が振動したとすると、それに触れている空気が振動し、その結果、空気に回りと比べて密度の高い部分が 出来る。空気の密度の高い部分は、自然に周囲に拡散してしまうが、その分、拡散した先の密度が高くなるので、結果的に空気の密度の高さが伝わっていくことになる。さて、音源は、この間も振動しているのであった。音源の振動のタイミングによって、音源が空気を押しているときは、音源のとなりの空気は密度が高くなるが、逆に音源が引っ込んでいるときは、空気の密度は小さくなる。だから、そして音源の振動によって、空気の密度も振動する。このとき、空気の圧力が高い部分はより圧力が低い回りの部分に空気を押しやろうとする。空気の振動が伝搬され、それが音として聞こえるのである。 空気の振動が、われわれ人間の耳の中に有る鼓膜(英語: eardrum)を振動させ、それが人間の脳には音として認識される。 それゆえ、空気の無い真空の場所で、音は伝わらない。たとえば、耐圧容器の中に、自動起動のベルなどを鳴らしつつ、真空ポンプなどで空気を抜くと、ベルを鳴らしても、真空だと音は伝わらないので、真空に近づくにつれ音の大きさは小さくなり、やがて何も聞こえなくなる。 雷や遠くの花火では、音と光が同時に発生している。だが、遠くにいる場合、音が光よりも遅れて聞こえてくる。これは、音と光の速さに大きな差があるためである。 音の伝わる速さは(同じ気温の)空気中では、およそ 340m/秒 であることが知られている。一方、光の伝わる速さは真空中で 約30万km/秒 であることが知られており、これは音の伝わる速さよりもはるかに速く、1秒間に地球を7周半するほどの速度である。(音の場合、地球を一周するには約二分が必要) 音の速さが(同じ気温で)一定ということを知る実験には、例えば"広い空間に何人かの実験者を等間隔で並べ、大きな音を出し、音が聞こえた順に手をあげる等の合図をする"という実験を行なうことで見ることが出来る。仮に、音が無限に速い速度を持つときには全員の合図が一斉に現われるはずである。実際には音の速度は有限であるので、十分に広い場所で実験すれば、一斉に手をあげることは無い、と考えるのは自明の理だろう。 音楽のド,レ,ミ,ファ,・・・などを思い起こせば分かるように、音には高さが有る。 音の高さは、音の空気の振動の、振動の多さである。1秒あたりの振動の回数を、周波数(英語: frequency、フリークエンシ)あるいは振動数(英語: frequency、フリークエンシ)と言う。単位はヘルツ(Hz)である。例えば、100Hzの音は1秒間に100回振動している(1秒×100回=100Hz)。この振動数の大きい音ほど、音が高くなる。振動数の小さい音は、低い音になる。人間の聞こえる音(可聴域)の振動の範囲は、約20Hz~約20000Hzである。 音は、物に当たると反射する。例えば、やまびこ(「こだま」とも言う。)が例である。 また、音は屈折もする。たとえば夜中に、遠くの音が聞こえてくるのは、温度によって音の屈折のしかたが違うので、上空のあたたかい空気を通って、遠くの音が屈折しながら伝わってきているのである。いっぽう昼間は、上空よりも高度の低い場所のほうが暖かく、音は高度の低い場所をとおって伝わる。 音波のように、密度の高い部分と低い部分が交互に伝わる種類の波を疎密波(英語: compression wave)という。また、音波は進行方向と、振動の方向が同じであるが、このような波を縦波(英語: longitudinal wave)という。音波は縦波の一例である。 スプリングを、横にはズラさず、くりかえし伸び縮みさせたとき、ちぢみが伝わっていくが、それが縦波の伝わりかたである。 いっぽう、水面をつたわる波は、進行方向と、振動の方向が直角であるが、このような波を横波(英語: transverse wave)という。子供の頃とかに縄跳びで、波をつくってあそんだことのある読者もいるかもしれない。そのような、縄跳びでつくる波も、横波である。 音は周りの物を振動させるのであった。音が伝わっていった先に有る物体が、音が伝わったことによって振動をして、その物体もまた音を出すことが有る。このような現象を共鳴(英語: resonance、レゾナンス)という。 音波の波は縦波であったが、これをグラフで見やすいように、縦軸に密度をとって、横軸に位置や距離をとってグラフに表すことがある。 このように、波は周期的に、おなじパターンを繰り返す。グラフでの波の高いところを山(英語: crest)といい、波の低いところを谷(英語: trough)と言う。そして、山と山との間の距離を波長(英語: wave length、ウェイブレングス)という。(波長を、谷と谷との間の距離と言っても良い。一般の波では、結果は同じ。)記号で表す場合は、波長はλ(「ラムダ」と読むギリシャ文字)で表すのが一般である。 振動数が、一秒間に振動する回数である。音の高さは振動数で決まり、振動数が大きいほど、音も高い。振動数の単位にはHz(ヘルツ)が用いられる。 音の大きさは振幅(英語: amplitude)で決まる。振幅が大きいほど、音も大きくなる。 波長の式は、 である。 式から分かるように、音の速さが同じなら、波長が長いほど、振動数は小さくなる。 {[コラム|「デシベル」と「ベル」| 音の大きさの単位で、「ベル」というのがある。 よく、騒音などの大きさをあらわすのに1ベルの10分の1の「デシベル」という単位が使われる。デシベルの記号はdBである。 例えば、「飛行機の離着陸の音は100dB(デシベル)」などのように使われる。100dBのように、 ちなみに、普通の話し声は50〜60dBくらいである。 音が10デシベル大きくなると、音は10倍の大きさになっている。なので20デシベル違うと、100倍の大きさである。 デシベルの計算法には、高校で習う数学(「対数」という分野。高校2年で習う)を使うので、中学では計算法は深入りしなくていい。 }}
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%90%86%E7%A7%91_%E7%AC%AC1%E5%88%86%E9%87%8E/%E5%85%89%E3%81%A8%E9%9F%B3
ここでは物質の性質について調べる。まず上であげた物質の性質について簡単に解説する。最初にここで扱う物質の分類について説明する。 物質の中にはいくつかの物質が混ざってできているものがある。 例えば、空気はw:酸素(さんそ)やw:窒素(ちっそ)などいくつかの気体が混ざってできている。このようにいくつかの物質が混ざってできている物質のことをw:混合物(こんごうぶつ、mixture)と呼ぶ。いっぽう、混合物でなく、混じりけのない物質のことをw:純物質(じゅんぶっしつ、pure substance)と呼ぶ。 純物質についての詳細は、化学変化を扱う項で説明する。 木材や砂糖などは燃えると二酸化炭素を発生する。木材は炭素を含み、砂糖も炭素を含む。このように炭素を含み、天然に存在する物質を有機物(ゆうきぶつ、organic compound)という。 有機物は、加熱すると、こげる。加熱した有機物の周囲の気体は、二酸化炭素をふくむので、石灰水の入った集気びんなどで集めて、びんをふって石灰水にまぜれば、白くにごる。また、水が発生する。 いっぽう、ガラスや食塩などのように炭素を含まない物質や、燃えても二酸化炭素をふくむ物質を出さない物質を無機物(むきぶつ inorganic compound)という。 二酸化炭素自身は、無機物に分類するのが普通である。 無機物は、燃えない物が多い。なので、加熱しても、こげない物が多い。たとえば食塩やガラスは燃えない。ただし、無機物でも、スチールウールなどのように燃える物もある。 加熱した無機物の周囲の気体を、石灰水の入った集気びんなどで集めて、びんをふって石灰水にまぜても、なにも白くにごらない。 有機物は、生き物の体内でなくても、科学実験で、人の手によって人工的に合成できる。1828年にウェーラーによって、尿素(にょうそ)が世界で初めて人工的に合成された。それ以前は、有機物は、生き物の体内でないと、つくれないと思われていた。 プラスチック材料は,天然には産出せず、主に(おもに)石油などを原料として人工的につくられた物質で合成樹脂(ごうせいじゅし、synthetic resin、シンセティク・レジン)ともよばれる。 プラスチックは軽くて、割れにくく、加工しやすいので、いろいろな形のものをつくることができ、我々の生活を快適にしている物質といえる。 プラスチックは,炭素をふくむ物質であり、有機物のなかまである。そのため共通して加熱するととけてやわらかくなったり、燃え出したりする性質がある。 実験などでプラスチックを燃やすときは、換気をしながら実験すること。プラスチックプラスチック素は燃やすと、一般に二酸化炭素をふくむ気体が発生する 。 プラスチックの種類によっては、ダイオキシン有害な成分をふくむ気体もあるので換気をする必要があり、自治体によってはダイオキシン類対策特別措置法関連条例で禁止されている場合もある。 実験などは、学校の理科教員の指示にしたがって行うこと。 中学校で有機物として習うようなプラスチックは、つまり、ポリエチレン・ポリスチレン・ポリエチレンテレフタラート・ポリプロピレン・ポリ塩化ビニルは、燃やすと二酸化炭素が出てくる。これらのプラスチックを燃やして出た気体を集気ビンなどで集め、石灰水に通すと、二酸化炭素をふくむため、石灰水は白くにごる。 また、プラスチックは一般に熱や電気を通しにくい性質をもっている(しかし、近年は電気を通すプラスチックも開発されている。)。 プラスチックにはいろいろな種類がある。例えば、ペットボトルに使われている栓はポリエチレン(PE)でできており、本体はポリエチレンテレフタラート(PET)とよばれるプラスチックである。 この節では、固体の金属の性質を考える。 金属は、すべて無機物である。 フライパンで加熱する部分に鉄が用いられたり、やかんで加熱部に鉄などが用いられるのは、金属が熱を伝えやすいからである。フライパンの手で持つところは、熱を伝えにくいようにプラスチックなどで出来ている。 金属では、電気と熱を伝えやすい。このことから、「金属中で熱を伝えている物質は電気ではないのか?」という疑問が浮かんでくるかもしれない。じっさいに、金属中では電気が熱を伝えていることが、さまざまな実験により確かめられている。 物質の密度(みつど、density、デンシティ)とは、物質の単位体積あたりの質量を表す値である。密度の単位は、 [g/cm3] などである。 密度は形状などによらず、同じ物質なら、密度は一定である。このため、ある物質の質量と体積は比例する。 さて、同じ体積の紙と銅とで重さを比べた場合、銅の方が重い。このことは、銅の密度が紙の密度よりも大きいことを示している。 ある物質の密度が、水の密度( 約1.00g/cm3 )よりも軽いとき、ある物質は水に浮く。なお、 リットルとcm3の関係は、 1Lは「いちリットル」と読む。 同じ体積の紙と銅を用意し、その重さの違いを確かめよ。重さの違いを確かめるにはw:天秤(てんびん、balance、バランス)などを利用することができる。 密度はあらゆる物質が持つ量であり、その値は物質によって非常に異なっている。水のような液体や、空気のような気体の密度は通常固体の密度よりも小さい。すぐ後で扱うが、多くの物質は温度(と圧力)によって、その状態を"気体"、"液体"、"固体"に変化させる。このとき、物質の状態変化に伴って、物質の密度はこの順に大きくなることが普通である。つまり、ほとんどの物質で、固体の密度がもっとも大きく、つぎに液体の密度が大きく気体の密度はもっとも低い。 水はこの一般則の例外であす。水においては、"固体"(氷)の密度が"液体"(水)の密度よりも小さい。これは"氷が水に浮かぶ"性質につながっている。水の密度は、4℃の液体のときが、もっとも密度が高い。つまり、水は4℃のときに、もっとも密度が高くなる。 密度の単位は g/cm3 (グラム毎立方(まいりっぽう)センチメートル) またはkg/m3 (キログラム毎立方(まいりっぽう)メートル) で与えられる。 質量を測定するときは、上皿天びん(うわざらてんびん)などの天びん(てんびん)を用いる。 物質の質量を測定する場合は、片側に被測定物をのせ、反対側に分銅を載せる。分銅を質量の基準とする。 両方の皿の釣り合いを見て、質量を判断する仕組みである。 なので、皿に物を乗せる前に、両方の皿が釣り合っているかどうかを確認する必要が有る。もし、釣り合っていなかったら天びん本体に調整用のねじ等が付いているので、それで両方の皿が吊り合うように調整してから、皿に物を乗せる。 粉末などを測定する場合は、粉末が溢れたりしないように薬包紙(やくほうし)などを用いる。この場合は薬包紙を分銅を載せる側の皿にも置いた上で上記の調整を施したり、もしくは薬包紙の質量をあらかじめ測定しておく。 分銅は、あまり直接には、手で触らないようにする。 手の皮脂などが分銅につくと、その皮脂などの質量が追加した分だけ、重さが変わってしまうからである。 軽い分銅を皿に載せたりおろしたりする場合なら、専用のピンセットが天びんに付属していることがあるので、その付属のピンセットなどを用いる。 上皿てんびんの手順 電子てんびんの場合、上皿てんびん とは違い、左右のうでは無い。 電子てんびんの手順 科学実験で発生させた気体を集める場合、気体が空気よりも軽い物質の場合は、空気中を上昇していくので、補集用のフラスコなどは下向きにして集める必要がある。 水に溶けない気体の場合は、水を満たした水槽に、フラスコを開いた口を下向きにして入れ、フラスコの内部は水(みず)で満たしておき、このフラスコの中にガラス管などで気体を導く。この方法を水上置換法(すいじょうちかんほう、)という。 酸素や水素は水に溶けにくいので、水上置換法で集められる。 水に溶ける物質でも、溶けにくい物質ならば、水上置換法で集める場合もある。 空気よりも軽い気体を集める場合で、水に溶けやすい物体を集める場合や、水に溶けにくい気体でも水に溶かしたくない場合などは、水を使わない方法で集める必要がある。フラスコの開いた口を下向きにし、そのフラスコの内部にガラス管などで気体を導く。このとき気体を導くための管は、フラスコの奥の上の方まで入れる必要がある。このような集め方を上方置換法(じょうほうちかんほう)という。 空気よりも重い気体を集める場合は、補集用のフラスコなどは、開いた口を上向きにして集める必要がある。 この集め方を下方置換法(かほうちかんほう)という。 ここでは、理科の実験でよく用いられる気体の性質についてまとめる。 性質 二酸化炭素(にさんかたんそ、carbon dioxide、カーボン・ダイオキサイド)は、空気中に0.03%程含まれる気体であり、酸素原子に炭素原子が2つ結合した分子からなる気体である。二酸化炭素は我々に取って身近な気体である。我々は呼吸をする際、酸素を吸収して二酸化炭素を排出している。これは我々が食物からエネルギーを取り出すさいに酸素を消費すると同時に、二酸化炭素を排出することと対応している。一方、植物はw:光合成(こうごうせい、photosynthesis [1]、フォウトー・シンセシース)によって二酸化炭素を吸収しつつ、酸素を排出する。これは呼吸と逆の反応である。光合成について詳しくは、中学校理科 第2分野を参照。 二酸化炭素は炭素と酸素が結合する(炭素が燃える)ことで生じる。我々の身の回りにある物の多くも炭素を含んでいる。例えばw:綿(めん、cotton、コットン)などのw:天然繊維(てんねんせんい、natural fiber)でできた衣類は炭素を含んでおり、それらが燃えるときには二酸化炭素が発生する。また、w:石油(petroleum、ペトロレウム)やガソリン(gasoline)も炭素を含んでおり、燃えるときには二酸化炭素を発する。 二酸化炭素は空気よりも重い気体であるので、二酸化炭素を集める時には捕集器具を下方に置く(下方置換法 w:下方置換)。二酸化炭素を水に溶かした溶液は、w:炭酸(たんさん、carbonic acid)と呼ばれ、弱い酸性の水溶液になる。 w:酸素(さんそ、oxygen、英:オキシジェン)は空気中に20%ほどの割合で含まれる気体であり、我々にとって身近な気体である。我々はw:呼吸(こきゅう、breathing、ブリジング)をする際体内に酸素を取り入れている。これは、我々が生命活動を行うのに必要なエネルギーを生産するために、食物から吸収した栄養素と酸素とが必要になるからである。 また、酸素は物体が燃えるために必要である。例えば、木に火をつける際、よく火が起こりかかった所に息を吹きかけて火を起こすが、これは木が燃えるために必要な酸素を送り込んでいるのである。より詳しくいえば、木の表面は炭素を含んだ物質でできており、物質中の炭素と空気中の酸素が結合する反応によって熱が発生するのである。 物が燃えるのに、酸素との結合が必要なことを、酸素の 助燃性(じょねんせい) と言う。可燃物が濃度の高い酸素と反応すると、火花を出して、はげしく燃えるので、実験時は取扱いに注意のこと。 実験室では、薄い過酸化水素水(かさんかすいそすい)を用いて酸素を発生させることが多い。w:過酸化水素水(hydrogen peroxide)は平時でも酸素と水とに分解するが、二酸化マンガン(にさんかマンガン、manganese dioxide)を加えることでその反応を促進することができる。ただし、このとき反応を行うのはあくまで過酸化水素水のみであり、w:二酸化マンガンは反応の際に変化しない。このように反応の際に自身は変化せずに他の反応を促進する働きがある物質を、触媒(しょくばい、catalyst、カタリスト)と呼ぶ。(w:触媒について詳しくは高等学校化学などを参照。) なお、消毒薬で「オキシドール」というものがあるが、これは過酸化水素水の水溶液である。 過酸化水素水は血液に混ざると、血液中に含まれるカタラーゼという物質が触媒の作用をし、過酸化水素水を分解して、酸素と水に分解する。 消毒薬のオキシドールを傷口につけると発泡するのは、酸素が発生したためである。 生のレバーにもカタラーゼがふくまれているので、生レバーにオキシドールをかけても、酸素が発生する。 その他の作り方 ※ 製品表示に「まぜるな危険」と書いてある漂白剤や洗剤などは、まぜてはいけない。有毒な気体が発生する恐れがある。 酸素の集め方 魚などの水中の生き物は、水に、わずかに溶けている酸素を呼吸している。 水素(すいそ、英: hydrogen、ハイドロジェン)は非常に軽い気体であり、空気中で燃える。(可燃性(かねんせい)である。) 水素が燃えるとき、水素が酸素と結合することで水が発生する。 可燃性なので、実験時は取扱いに注意。学校の先生の指導をキチンと聞くこと。 作り方 集め方 性質 アンモニア(英:ammonia)は窒素と水素からなる分子であり、性質は匂いの強い気体であり、また水に溶けやすい。アンモニアの水溶液はアルカリ性を示す。アンモニアは空気よりも軽く、補集するときには器具を上に置いて捕集する。(アンモニアは水に溶けるので、水上置換法では集められず、上方置換法でアンモニアを集める必要がある。) なお、アンモニアのにおいを確認するときは、手であおぐなどして、アンモニアから鼻のほうへ風を送って、においを確認する。 けっして、直接、鼻を近づけて確認してはいけない。鼻を近づけて確認すると危険である。 アンモニアの作り方 窒素(ちっそ)は、大気の80%を占める気体であり、水に溶けにくく、化学反応を起こしにくい性質を持つ。 性質 大気中の空気は、主に、80%ちかくは窒素であり、20%ちかくが酸素である。なお、水蒸気は、空気の成分にはふくめないのが一般的である。大気中の空気のうち、二酸化炭素などは、ごくわずかである。 危険な性質のため、中学校では実験をして生成する機会は無いが、他にも知っておくべき気体がある。 プールの消毒剤や、水道水の消毒にも、塩素が用いられている。 不完全燃焼をふせぐため、物を燃やすときには、換気をする必要がある。 都市ガスもプロパンガスも、主成分のメタンやプロパンそのものには、においが無い。ガスもれを気づきやすくするという、安全上のため、いやな臭い(におい)がつけてある。 メタンは空気よりも軽いので、ガスが漏れたときは、上のほうに たまる。プロパンは空気よりも重いので、ガスが漏れたときは、下のほうに たまる。 砂糖を水に溶かすと砂糖水ができる。食塩を水に溶かすとこのとき、食塩水ができる。 たとえば何も溶かしていない水100gが入ってるビーカーに、食塩を20gくわえて溶かすと、食塩水の水溶液の重さは120gになる。(なお、水100gに対し、温度20℃では食塩は37gくらいまで溶ける。) たとえ、溶質を多く くわえすぎて、溶けのこりが出ても、ビーカー内の重さは はじめの水の重さと加えた溶質の重さの合計であり、質量は失われない。 ろ紙の選び方は、折って開いたあとに、ろうとの8分目ぐらいの大きさになる物をえらぶ。 ろ紙の折り方 牛乳は、不透明です。しかし、牛乳を放っておいても、沈殿は出来ません。いっぽう、ふつうの泥水(どろみず)は、放っておくと、沈殿ができます。 牛乳のような、水溶液ではないけれど、沈殿もできない液体を、コロイド溶液(コロイドようえき)といいます。 血液や墨汁も、コロイド溶液です。 コロイド溶液は、粒子がとても小さいので、水となじんで、沈殿をしないのです。 コロイド溶液では、粒子は、液体中に均等に分散しています。 コロイド溶液を、無理に水と粒子に分けるには、遠心分離機(えんしん ぶんりき)という装置を使います。(※ 遠心分離機の装置が高度なので、中学生は、実験しなくていい。) 水溶液の溶質の濃さを数値化したものを濃度(のうど、concentration、コンセントレイション)と言う。 水溶液の濃度を表す場合は、いろいろな表し方がある。このうち、よく用いられる質量パーセント濃度の表し方を説明する。 水溶液の全体の質量(溶媒の質量だけでなく、水溶液全体の質量)に対する、溶質の質量をパーセント表示したものが、質量パーセント濃度である。 式で表すと、 あるいは である。 ある物質を一定量の水に溶かしていき、その物質がもうこれ以上は溶けきれなくなったときのことを飽和(ほうわ、saturation、サチュレイション)という。 どの溶質も、温度が高くなると、溶解度は増えるが、その増え方の度合いは物質ごとにちがう。 食塩(塩化ナトリウム)は、あまり温度によって溶解度が、ほとんど変わらない。 ミョウバンは、温度によって、溶解度が、急激に変わる。 水溶液から出てきた固体をルーペや顕微鏡で観察すると、その物質に特有な規則正しい形をしていることがわかる。純粋な物質で規則正しい形をした固体を結晶(けっしょう、crystal、クリスタル)という。 物質をいったん溶媒に溶かし、温度を下げたり溶媒を蒸発させたりして再び結晶として取り出す操作を再結晶(さいけっしょう)という。再結晶により物質をより純粋にすることができる。 水を摂氏0℃まで冷やすと氷(こおり)になったり、100℃にすると沸騰して水蒸気になるように、同じ物質でも、温度によって状態が変わる。 水に限らず、物質は温度によって、状態が変わり、固体(こたい)、液体(えきたい)、気体(きたい)の三種類のうちのいずれかをとる。 食塩(塩化ナトリウム)は約800℃で液体になる。鉄は約1500℃で液体になる。窒素は約 -200℃(マイナス200℃)で液体になる。 食塩を融解させる実験はふつうの試験管では出来ない。耐熱試験管やルツボなどを用いる必要がある。 氷(こおり)や鉄や木や紙や布などのような物体。固体の内部では、粒子は、規則ただしく整列している。 水(みず)やアルコールなどのような、流れることのできる物体。 液体は、容器によって形は変わるが、体積は変わらない。液体では、粒子どうしは整列しておらず、自由に動けるので、形が変わる。 粒子の間隔(かんかく)は、固体よりも広い。 空気や酸素や二酸化炭素のような物体。 容器の仲に広がり、容器によって体積は変わるし、形も変わる。気体では、粒子は飛び回っており、粒子と粒子の間隔は、とても広い。 物質が、固体から液体に変化したり、液体から固体に変化したり、液体から気体に変化したり、気体から液体に変化することを状態変化(じょうたい へんか)という。 状態変化をしても、物質そのものは他の物質には変化せず、また質量は変化しない。 温度が高くなるほど、物質を構成している粒子の運動は激しくなる。そのため、一般に温度が高くなるほど、体積がふえる。ただし、氷から水への変化は例外であり、4℃のときがもっとも密度が大きい。 液体が気体になることを気化(きか)という。 水を熱して100℃に近づけると、容器の底の方の水が泡立つが、これは水に溶けていた空気が気化したものである。この現象を沸騰(ふっとう)という。 水が気体になったものを水蒸気(すいじょうき、water vapor、ウォーター ベイパー)という。水から水蒸気に変化すると体積は元の水の約1700倍にも変化する。いっぽう水蒸気から水になると、体積は元の水蒸気の約 1 1700 {\displaystyle {\frac {1}{1700}}} 倍になる。 沸騰の実験を行うときは、急激に沸騰すると、湯が吹き飛んで危険なので、急激な沸騰を防ぐために沸騰石(ふっとうせき、boiling chip)を加える。なお、急激に沸騰することを突沸(とっぷつ)という。 一度、使用した沸騰石は再利用してはいけない。沸騰石が突沸を防止できるのは最初の一回だけである。また、長期間、液体につけた沸騰石も能力を失う。 ここでは物質のw:沸点とw:融点について説明する。物質は温度や圧力を変化させることで"気体"(きたい、gas、ガス)、"液体"(えきたい、liquid、リキッド)、"固体"(こたい、solid、ソリッド)の間を移り変わることが知られている。 ここでは特に、温度による変化について述べる。 上であげた"気体"、"液体"、"固体"のことを物質のw:三態(さんたい)と呼び、これらの間の変化をw:状態変化(じょうたいへんか)と呼ぶ。特に、状態変化のうち固体から液体への変化をw:融解(ゆうかい、Melting)と呼び、液体から気体への状態変化をw:蒸発(じょうはつ、evaporation)と呼ぶ。また、融解が起こる温度を融点(ゆうてん、melting point)と呼び、蒸発が起こる温度を沸点(ふってん、boiling point)と呼ぶ。日常的な例では水の温度を 摂氏0度 にすることで水を固体にすることができる。また、水の温度を摂氏100度にすることで、水をw:水蒸気にすることができる。これらは状態変化の例である。 純物質の状態変化の際に物質の温度変化を観察すると、特徴的な結果が観察できる。 氷などの物質を状態変化させその温度変化を観察せよ。特に物質の状態変化が続いているときの温度に着目せよ。 氷が水になるとき、しばらく温度変化しない時間がつづく。 この実験では、熱を加え続けても、状態変化が続いているときには物質の温度は変化しないことが観察できる。これは、加えた熱が、状態変化のためのエネルギーに用いられるからである。つまり、氷がとけるために、加えられた熱エネルギーが用いられているので、しばらく温度が変化しない。 ただし、ロウのような混合物では、状態変化をしている時でも、温度は変化する。混合物の加熱実験では、融解中でも、温度が上がりつづける。 純物質の場合でだけ、固体がとけているときに、しばらく温度が変化しない現象が起きる。のは、純物質の場合のみである。 固体から液体になるときだけでなく、液体から気体になる沸騰のときでも、温度は一定である。 たとえば水を沸騰させると、水温は100℃の状態がつづく。 水にかぎらず、純粋な物質なら、融解や沸騰のときには、しばらく温度が変わらない。 一般に純物質の融点と沸点は、(同じ圧力では)物質ごとに決まった値を持つ。このことは、混合物を分離するために利用することができる。 「(同じ圧力では)」と書いたのは、沸点は気圧によって変わるからである。たとえば高い山の頂上付近では、沸点が下がる現象がある。 通常の標高の低い場所では水の沸点は100℃だが、たとえば日本の富士山の頂上付近では水の沸点は約88℃で沸騰が始まる。 食塩水などのように、かなりの高温にしないと融解しない固体の物質(食塩の主成分の塩化ナトリウムの融点は約800℃と、水の沸点を大きく上まわっている。)が溶けている水溶液を考える。 まず、食塩水は、沸点が100℃よりも少しだけ高くなる。この現象を沸点上昇(ふってんじょうしょう、boiling-point elevation)という。 食塩水を加熱すると、沸点で水だけを含む純粋な水蒸気が得られる。水蒸気には、食塩は含まれていない。 この蒸気を冷ませば、純粋な水が得られる。このように蒸発を利用して、溶液から液体を分離する方法を蒸留(じょうりゅう、distillation)という。 水とエタノールの混合液体のような液体どうしの混合物について、加熱をした時の温度変化を観察する同じ実験を行うと、状態変化の最中にも混合物全体の温度が変化することが観察できる。 たとえば、純粋なエタノールの沸点は、約78℃だが、混合液体だと、78℃くらいで沸騰が始まってからも、温度の上昇は緩やかになるが、それでも温度はなだらかに上昇していく。これが純物質の蒸発とは違う性質である。78℃くらいで蒸発が始まった時の蒸気にはエタノールの成分が多く含まれているが、少しだけ水蒸気も含まれている。このように、純物質の蒸発とは、少しちがう現象がおきる。 水とエタノールの混合液体の加熱をつづけて、80℃から82℃、85℃、88℃、92℃、93℃、95℃・・・・・・と加熱を続けていくと、100℃の手前で、温度上昇がゆるやかになり、100℃以上は上がらない。 この100℃あたりの蒸気を調べると、水を多く含むが、エタノールもすこしだけ含む。 このように、温度によって、蒸気に多く含む物質が異なるので、異なる今度での蒸気を分けて集めることで、物質の純度を高めることができ、この方法で純度を高めることを分留(ぶんりゅう)という。 例えば沸点がより低い物質の沸点近くに温度を保ったとき、蒸発した気体には沸点が低いほうの物質が多く含まれると考えられる。 蒸気を集めて、それを冷やして液体に戻すと、沸点の低いほうの物質を多く含む液体が得られる。 この手法で物質を分離することを蒸留(じょうりゅう)と呼ぶ。蒸留はw:原油(げんゆ)を精製する際に用いられるなど多くの応用がある。(詳しくはw:蒸留を参照。) 水の蒸気にも少しだけエタノールが含まれるように、分留では完全に分離することは不可能である。純度を上げるためには、分留で分離した異なる温度での蒸気を、冷まして液化させた後に、また蒸発させて分留をして、さらにその異なる温度での蒸気を冷まして液化させたものを再び分流して・・・・というふうに、何回も分留を繰り返すことによって、純度をあげている。 融点と沸点は物質にかかる、大気の圧力によって変化することが知られている。例えば、高山で水を沸騰させるには100度より低い温度で十分なことが知られている。これは高山ではw:大気圧がより低いため、水を蒸発させるのに必要なエネルギーが減るからである。 物質が状態変化を起こすとき物質の体積は変化するが物質の質量は変化しないことを説明する。このことは例えば、"氷をコップに入れて重さを測り、氷が融けた状態での重さと比較する"などの実験を行うことで確認できる。 状態変化は分子と分子と間の相互作用を変化させるが、分子自体は変化させない(物質が分子と呼ばれる小さい粒でできていることは後に説明する)。例えば、固体では個々の分子間の距離は近く分子が自由に動くことができない一方、気体では分子が自由に動くことができる。このときにも分子自身の数や重さが変化するわけではないため、状態変化によって物質の質量は変化しない。 石油化学産業とは、石油を原料として、さまざまな製品をつくる産業である。 ほとんどのプラスチックは、石油を原料にして作られている。たとえば、ビニル袋などのビニル製品、合成ゴムなどのプラスチックは、石油から作られるのが通常である。 また、灯油や軽油やガソリンなども、石油から作られている。 地中から取り出したままの石油を原油(げんゆ)という。この原油が、石油工業の、おおもとの原料である。 原油そのものでは製品にはならず、この原油を工場で成分ごとに分けます。これを石油の精製(せいせい)といいます。 蒸留塔(じょうりゅうとう)で、成分ごとに分けられます。 石油の蒸気は、温度によって、ふくまれる成分の割合がかわってくるので、この現象を利用して、成分ごとに分けています。蒸留塔の中には、数十段ものトレイ( 棚(たな)のこと )が組み込まれています。図では、トレイが数段ですが、じっさいには、もっと多いです。このように、成分ごとに沸騰(ふっとう)する温度のちがいで物質をわけることを、 分留(ぶんりゅう) と言います。 精製によって、原油は成分ごとにわかれ、ガス、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、アスファルトなどに分かれ、分留されます。分留された成分のことを留分(りゅうぶん)と言うことがあります。「ガソリン留分」、「ナフサ留分」、「軽油留分」などのように言います。ガソリン留分からガソリンがつくられ、軽油留分から軽油が作られます。 ナフサは、プラスチックなど、さまざまな製品の原料になります。ナフサを分解するナフサ分解炉(ぶんかいろ)で、エチレンやプロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエンなどのガスの成分が、とり出されていきます。 これらエチレンなどの成分から、プラスチックや合成繊維(ごうせいせんい)、合成ゴム(ごうせいゴム)などの誘導品(ゆうどうひん)を作っていきます プラスチックのポリエチレンは、エチレンを原料に作られます。ポリプロピレンは、プロピレンを原料に作られます。 水(みず)を冷やすていくと摂氏0℃で氷(こおり)になる。このように、ほとんどの液体は、冷やしていくと固体になる。液体が固体になることを凝固(ぎょうこ、freezing)と言い、そのときの温度を凝固点(ぎょうこてん、freezing point)と言う。 凝固が終わりきるまでの、水(みず)と氷(こおり)が混じっている混合物のときの温度は0℃のままである。 凝固が終わり、水(みず)がすべて氷(こおり)になった氷(こおり)を冷やしていくと、さらに温度を下げることが可能である。 いっぽう、氷を加熱していくと、摂氏0℃で溶け始め水になっていく。溶け終わるまでの間は、氷と水の混合物の温度は0℃のままである。 このように、固体は加熱していくと、たいていの物質では液体になる。加熱された固体が液体になることを融解(ゆうかい)という。 そして、加熱された物質が融解するときの温度を融点(ゆうてん、melting point)と言う。 一般に、ふつうの物質では、凝固点と融点とは同じ温度である。 凝固点まで冷やしても、凝固が開始しない場合がある。この場合、ほんの少しの振動などを液体に加えたりすると、凝固が開始するのが一般である。 凝固点で凝固が開始しない場合に、凝固を開始させないように静かに冷却を続けていくと、凝固点より低い温度でも、液体でいられる。この現象を過冷却(かれいきゃく、supercooling、スーパー・クーリング)という。 次に電気伝導度(でんき でんどうど)について説明する。後に扱うが、物質に流れる電気とは、w:電子(でんし、electron、エレクトロン)の流れのことであり、物質に電気が通りやすいかどうかは、物質の性質によって決まる。電気伝導度は、物質が電気を通しやすいかどうかを表す値であり、物質ごとに決まる定数である。この値は、物質が持つ電子の状態によっており、密度と同様に微視的に決まる値である。 例えば、流れて来た電子が入り込む部分が、既に他の電子によって埋まっている場合には、その物質は電気を通しにくくなる。一方、電子が非常に動きやすい状態になっている物質では、流れてきた電子が他の電子を押し出して電子の流れを伝えるため、電気が流れやすくなる。これらは物質ごとの結合の性質によって変化することが知られているが、ここでは詳しくは扱わない。(詳しくは高等学校化学などを参照。) さいわいにも電気の通りやすさには物質の種類ごとにある程度の共通性がある。ここではその性質についてまとめる。 物質に対して電気を流す実験を行う。特に、いくつかの金属について電気が通りやすいことを確認する。水溶液について実験を行うときには十分に安全上の注意を払うこと。 実験の結果から金属については電気が通りやすいことがわかる。(これは、金属原子間の結合方法によっているが、これについては高等学校化学、w:金属結合などを参照。)。 一般に電気を流すためにはw:導線が用いられるが、導線の材質には通常何らかの金属が用いられる。これは金属の電気伝導度が高いことに加え、丈夫であることや加工が可能であることによるものである。 電気が関わる現象としてw:雷がある。 雷は、雲の中の水滴と地面との間に非常に高い電圧が生じた結果、本来なら電気を通しにくい大気中を電気が通過していく現象である。電気は基本的に電気を通しやすい物質に向かっていく傾向があるため、電気伝導度の高い金属製の物体は雷を呼びやすく、注意が必要である。一方、この性質を利用して雷を誘導する器具としてw:避雷針がある。 また、物質によっては固体の時に電気を通さなかった物質で、水溶液にすることで電気を通すようになる物質もある(w:食塩など)。これらの物質は大抵はw:イオン結合(ionic bond)によって結合する物質である。(詳しくは高等学校化学を参照。) 物質の性質として目につきやすいものとして、その物質の色があげられる。残念ながら物質の色について一般的に述べることは難しい。これは、物質に色がついて見えるのは、物質がある色(w:波長)の光を選択的に反射していることに対応するのだが、その仕組みが物質のミクロの構造によることが多いからである。例えば、w:ダイヤモンド(diamond)とw:黒鉛(こくえん、graphite、グラファイト)は同じ炭素原子(たんそげんし)からできていることが知られているが、これらの色は全く異なる。 これは、これら2つの物質では原子の並び方が異なっており、光に対する反応が違うからである。このように物質の色について調べるには光についての知識が必要となるため、ここでは細かく扱うことはしない。(詳しくは高等学校物理などを参照。) プラスチックは、くさりにくい種類のものが多い。なので、農業用のフィルムなど、自然界でつかうプラスチックでは、やぶれたりして散らばったりすると、ちらばった破片などが、自然界で、くさらずにのこり続けてしまうので、ゴミとして、のこり続けてしまう、という問題があった。 そこで、自然界で分解されやすい、生分解性樹脂(せいぶんかいせい じゅし、biodegradable polymer)が、開発された。 なお、生分解性樹脂などが、自然界で分解されることを生分解という。 生分解性樹脂の成分は、種類にもよるが、おもに、タンパク質の生分解樹脂もあれば、あるいは、乳酸(にゅうさん)をもとに得られるポリ乳酸や、あるいはグリコール酸をもとにポリグリコール酸のものや、あるいはデンプンやセルロース、キトサンなどからつくられるものがある。微生物などの作用によって、これらの生分解性樹脂は、しぜんに分解される。 外科(げか)手術用の縫合糸(ほうごうし)に、抜糸(ばっし)の必要がないため、ポリ乳酸やポリグリコール酸の糸が使われている(※ 高校理科の啓林館、東京書籍の検定教科書に記述あり)。 プラスチックの種類のうち、高温に熱すると柔らかくなり、冷やすとかたくなるプラスチックを熱可塑性プラスチック(ねつかそせいプラスチック)という。 いっぽう、別の種類のプラスチックとして、加熱しても軟化せず、加熱によってかたくなり、また、冷やしても軟化しないプラスチックを熱硬化性プラスチック(ねつこうかせいプラスチック)という。 プラスチックのことを「樹脂」(じゅし)あるいは「合成樹脂」(ごうせいじゅし)とも言う。 これらのプラスチックが、熱可塑性である。 塩化ビニルは、燃やすと有害な気体がでるので、無理に、これらのプラスチックの加熱の実験しなくて良い。 2000年にノーベル化学賞を白川英樹(しらかわ ひでき)が取ったことでも有名な導電性高分子(どうでんせい こうぶんし)とは、 ポリアセチレンに、少量のヨウ素や臭素(しゅうそ)を加えたものである。
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さて、「温かい、暖かい、暑い、熱い」とか「寒い、冷たい、冷える」とかを定量化したものを、温度と呼ぶことにしよう。 温度の単位として実用上、多く用いられている℃単位の摂氏温度を用いる。摂氏温度は、セルシウス温度(Celsius temperature)とも言う。また、温度差をセルシウス度(degree Celsius)といい、これはケルビン(kelvin;単位記号 K)に等しい。 温度計の種類にアルコール温度計や水銀温度計などあるが、これらは物体の温度が上がることによる膨張を、温度の測定器として利用した器具である。 また、アメリカ合衆国含む一部の国では、ヤード・ポンド法の華氏温度が使われている。日本の計量法などの法令でカ氏度は[1]、「例外的に限定した取引又は証明」に用いる場合以外は認められておらず、日常的に華氏を使う機会は少ない。また、SIでは華氏温度も摂氏温度と同様にケルビンから導出されている。 「熱量とは何か」を述べる前に、たとえ話をする。 1kgの物体と、べつの1kgの物体を合わせて、重量計に載せれば、測定値は2kgになる。 だが、容器に入った10℃の水に、等量の10℃の水を注いでも、20℃にはならない。 いっぽう、温度を上げるには、エネルギーが必要だが、エネルギーは足しあわせができる。 このような理由から、加熱された物体に蓄えられた熱エネルギーと温度とを区別する必要がある。 そこで、熱エネルギーのことを熱量(英語: heating value)といい、これは温度とは区別する。 熱量の単位はカロリー(フランス語: calorie)といい、単位の記号はcalと書く。1cal の古典的定義は「水 1 kg の温度を0 °Cから1 °Cに上げるのに必要な熱量」であったが、現在は、計量法において「カロリーは正確に 4.184 J」と定義されている 熱量の式は、 Q=mcΔT ここで: である。 栄養学の分野ではキロカロリー(kcal しばしば、Cal と綴られカロリーと発音されることに注意)が用いられることが多い。さらにカロリーはSIたんいではないので、中学でも熱量の計算にはカロリーを用いるべきではないだろう。 水以外の物質は、同じ熱量を与えても、水とは温度の変化しやすさが違う。 たとえば、夏場で、鉄が熱くなってるのを体験した人もいるだろう。この理由の一つは、鉄と水とでは、温度の変化のしやすさが違うからである。 まず、1cal とは、水 1g の温度を 1℃ 上昇させるのに必要な熱エネルギーのことである。 1gの物質を、温度を1℃上昇させるのに必要な熱量を比熱という。比熱の単位は ジュール毎キログラム温度  J/(g・℃) 水の比熱は約4.18 J/(g・℃)である。 物質の熱量の式は、 である。 物体の温度の正体とは、実はその物体を構成している、それぞれの分子の運動の激しさのことである。この温度による運動は、その物体の、いくつもの分子が、ぶつかりあってるので、不規則である。 このように、物質をつくっている分子が衝突しあっていることを分子運動という。 分子運動の強さが分子どうしの引力に比較して無視できるほどまでに弱ければ、抑えこまれてしまい物体が固体状の形状を保つ。これが温度が低いと固体になる理由である。 固体でも、分子は、結晶の格子点を中心に運動している。液体では、外部から力を加えると、体積は変わらないものの、流動して容易に形を変える事ができる。 固体を加熱するなどして温度を高めると、いずれ、固体から液体へ変わる。これは、熱運動が強まり、もはや結晶の構造を取るのが不可能になったからである。 液体を加熱していくと、いずれ、気体へ変わる。気体は分子運動が、分子間力よりもはるかに大きく、もはや、各分子がバラバラに離れて行動している状態である。したがって、液体から固体になると体積が増える。 なお、液体から気体への変化にかぎらず、一般に物体は温度が上がると、ほとんどの物質で体積が増える。 熱は、外部から手を加えなければ、自然と温度の高い所から、温度の低いところへと移動していく。 その結果、温度の高かった場所は、熱を手放していき、だんだんと温度は低くなる。逆に、周囲と比べて温度の低かった場所は、しだいに温度が高くなる。そして、いつしか、ふたつの箇所の温度は同じになる。このような熱の移動が無い状態を熱平衡という。 いっぽう、熱が、温度の低いところから、温度の高い所へと自然に移動することは、無い。 さて、静止した物体での熱の伝わり方には、大きく分ければ、熱伝導(英語: thermal conduction、サーマル・コンダクション)と対流(英語: convection、コンベクション)と熱放射(英語: radiation、ラディエイション)の三つに分けられる。 熱を持った物体そのものが静止していても、となりにある気体や液体などが運動すれば、その気体などが熱を運ぶ。これを対流(convection、コンベクション)という。 気体や液体などでは、温度差があると、温度が高いほど密度が軽く浮力が生じるので、自然に対流が起こりやすい。 密度変化による対流の場合は、循環運動をする場合が多い。なぜなら、暖められて密度が軽くなることで浮力が発生し、そのため暖められた物体が上方に移動し、かわりに元から上部にあった冷たい物体が押しのけられ、押しのけられた冷たい物体は重力によって降りてくる。 対流が起きなくても、固体などの物質どうしが接触していけば、熱は伝わっていく。これを熱伝導(thermal conduction、サーマル・コンダクション)という。 金属は、熱伝導をしやすい。なので、台所のフライパンなどの加熱するための調理器具は、金属製なのである。 分子運動の伝搬が、熱伝導の起きる理由である。 実は、どの物体も、人間の目には見えないが、電磁波という電場と磁場の変化を伝搬する波を出している。電磁波を出すことを放射(radiation、ラディエイション)という。その放射する電磁波が、人間の眼に見えないのは、単に放射電磁波の周波数が、人間の目の可視領域で無いからという理由である。 この放射する電磁波は、常温では周波数が低く、赤外線の領域である。高温になるほど、物体の放射電磁波の周波数が高くなり、可視領域へと入っていく。溶鉱炉などで、高温で溶けた金属が光るのは、この放射光によるものである。このような高温物体から電磁波がでることを熱放射、あるいは単に放射という。熱輻射と言う場合もある。 この放射電磁波によっても、エネルギーが高温側の物体から低温側の物体に輸送される。低温側からも放射電磁波が出るが、高温側の物体のほうが放射電磁波のエネルギーが大きいので、差し引きして、結局は、高温側から低温側へとエネルギーが移る。 ロバート・ボイル(Sir Robert Boyle)という人物が、容器内の気体の温度を変えずに、一定温度での気体の圧力と気体の体積との関係を調べたところ、法則性を発見した。 外部から、ピストンを押しこむなどして、気体の体積を半分にすると、気体の圧力が2倍になる。 (ピストン内の気体の圧力を測るには、たとえばピストンの可動部に外側から重りを載せるなり、あるいはバネばかりを利用するなりと、ともかく工夫すれば可能である。) 同様に、気体の体積を 1 3 {\displaystyle {\frac {1}{3}}} 倍にすると、圧力が3倍になる。同様に、気体の体積を 1 4 {\displaystyle {\frac {1}{4}}} 倍にすると、圧力が4倍になる。 以下、気体体積の 1 5 {\displaystyle {\frac {1}{5}}} 倍や 1 6 {\displaystyle {\frac {1}{6}}} 倍でも同様である。べつに気体体積は整数倍でなくても、たとえば これ等をまとめると、気体の圧力p[Pa]と体積V[m3]との関係には、以下の関係式がある。 (Kは定数) この関係式を、ボイルの法則(ボイルのほうそく、Boyle's law)という。 さて、シャルルという人物が、温度と容積の関係を測って研究したところ、法則性を発見した。大気圧の状況下では、気体を1℃温、上昇させると、0℃の体積の 1 273 {\displaystyle {\frac {1}{273}}} ずつ膨張することを、シャルルは発見した。 これを式で表すと、0℃のときの気体の体積をV0として、一般の温度の体積をVとすると、温度t[℃]のときの関係式は、 であることを、シャルルは発見した。 この法則をシャルルの法則(英: Charles's law)という。 シャルルの観測結果をグラフに書くと、マイナス273.15℃で、理論上では気体は体積が0になる。このマイナス273.15℃を絶対零度(英語: absolute zero、アブソリュート・ゼロ)という。絶対零度以下の温度は、測定誤差の範囲程度を除けば、理論上は考えらない。 また実験的にも絶対零度以下の温度は、測定誤差の範囲程度を除けば、確認されていない。たとえばマイナス300℃やマイナス500℃などは実在しない。 なお、現代では、絶対温度に273.15を足した値がセルシウス温度と定義されている。 絶対零度のマイナス273.15℃とは、分子運動の全くない状態である(ただし量子力学では、不確定性原理のため、原子の振動が止まることはない)。
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バネが物体を吊り下げている場合に関して、物体が重力によってバネを引っ張った場合に、なぜ、重力を受けている物体は運動方程式にしたがって落下していかないのだろうか。それは、吊り下がっている物体が、バネを引っ張っている力と同じ大きさの力で、バネから引き上げる力を受けているからである。 このように、物体が他の物体に力を及ぼすときは、必ず相手の物体からも同じ大きさの力を受けている。これを作用・反作用の法則(英語: action-reaction law)という。 静電気の力も, 磁力も, 重力も, どんな力であっても、作用・反作用の法則が成り立っている。 磁力は、磁石と別の磁石や一部の金属が引き合ったり反発したりする力のことである。 磁力でも、作用・反作用の法則が成り立っている。磁石が鉄を引きつけるとき、鉄もまた磁石を引きつけているのである。 重力は, 質量をもつ物体どうしが引き合う力である。 地球上のすべての物体は、地球による重力によって、地球の中心方向へと引っ張られている。たとえば、ボールを落とすと落下するのも、重力がボールに働いているからである。 月の重力の大きさは、地球の重力の約6分の1である。 星の重力の大きさは、その星の質量に比例する。月の重力が地球よりも小さい理由は、月の質量が地球よりも小さいからである。 重力は、接触していなくても、はたらく。 すべての物体は、周囲に重力を発生させている。なので、重力のことを「万有引力」ともいう。じつは地球も、私たちから重力によって引っ張られている。 野球ボールやサッカーボールも周囲に重力を発生させている。しかしわたしたちは、野球ボールやサッカーボールなどに引っ張られるとは感じない。それは、野球ボールやサッカーボールの質量が小さすぎて、重力が小さすぎるからである。 月は、地球からの重力を受けている(もしそれが無ければ, 月は地球のまわりを回り続けることはない)。同様に、地球も、月からの万有引力を受けている。 重力の法則は、生き物かどうかとか、星かどうかとかでは、まったく影響されない。物体なら、すべての物に、万有引力は同じ法則で、作用・反作用の関係で働く。 重力の法則を発見した人物は、イギリス人のニュートンである。木から落ちるリンゴを見て、彼は重力の法則を思いついた、といわれている。たんに、物体が下方向へと落下するだけなら、ニュートンでなくても、もっと以前に思いついていただろう。ニュートンが偉大なのは、地球もまた、リンゴによって引っ張られてるはずだ、という事に気がついた事である。そして、宇宙にある月などの星もまた、地球による重力によって引っ張られているはずだ、という事に気がついた事である。そして、地球もまた、月の重力によって、引っ張られてるはずだ、・・・というように。 では、なぜ、月は地球をめがけて落下しないのだろう。ニュートンはこう考えた。ボールを力強く投げると、遠くへ落下する。もっと力強く投げると、もっと遠くへ落下する。ところで、地球は丸いので、地球の半径や直径には限りがある。もし、とても力強くボールを投げて、地球よりも遠くへ落下したら、どうなるだろう、・・・と。結果的には、地球のまわりを、飛び続けるはずだ、と考えた。 なお、じつは、このしくみは、現代の人工衛星が地球のまわりを飛びつづけて地球のまわりを回り続ける原理でもある。 地面の上で静止しているボールにも、重力がはたらいている。なのに、ボールが地中へと落下していかないのは、地面がボールを押し返している(垂直抗力)からである。 止まっている物体を動かしたいときには、その物体を手で押したり、道具を使って押したりする。ここで、そのように止まっている物体を動かす性質を持つものを力(英語: force、フォース)と呼ぶ。力は、手を使ったり道具を使ったりして物体に対して与えることが出来る。また、磁石などを用いることで、物体に触れることなく力を与えることも出来る。 力には物体を動かす時、対象が粘土などの柔らかいものなら、物体を変形させることができる物体を変形させる働きや止まっている物体を動かしたり、動いている物体の行き先を逸らしたりできる物体の動きを変える働き、そして重力に逆らいながらものを抱えるなどができる物体を持ち上げたり、支えたりする働きがある。 実際には、あらゆる物体が原子や分子の集合によって出来ていることを考えると、物体を変形させることは、原子や分子の並びを変化させることであり、物体を動かす働きの一つとして考えられることに注意。分子については後に扱う。 同じ方向に2つの力をかけたときには、物体に働く力はそれら2つの力の和と同じだけの力がかかった時と同じふるまいを示す。また、反対方向に2つの力をかけたときには、物体にはたらく力はそれら2つの力の差と同じだけの力がかかった時と同じふるまいを示す。このように、物体にかかった力は、たがいに強めあったり弱めあったりすることがわかる。 ここでは力のつりあいの条件について考える。力のつりあいとは、物体に複数の力が働いているときに、それらの力が互いに別々の方向を持つことで、お互いを完全に打ち消し合っている場合のことを指す。変形しない物体に対して様々な方向から複数の力をはたらかせる実験を行なうとする。この実験で、物体に対して反対向きの方向に、同じ大きさの力をかけているときには、物体は動かない。このような情況を、物体に働く力がつりあっているという。 また、まったく反対向きで同じ大きさの力がかかったときには、物体が動かないことがわかる。これは、物体に力のつりあいがおこっている状態と、物体にまったく力がはたらいていない状態は、同じ状態であることを示している。 力の大きさは単位はニュートン Nを使う。1 Nは地球上で質量が100 gの物体に働く重力に(ほとんど) 等しい。地球上で100 gの物体にはたらく重力は、正確には 0.98 N である。だが中学では、質量100 gの物体にはたらく地球の表面付近での重力は 1 N であるとする。 月の重力の大きさは、地球の重力の6分の1である。すなわち、質量600 gの物体は、地球上では 6 Nの重力がはたらき、月では 1 Nの重力がはたらく。 (高校レベルだが、ニュートンの定義を正確に言うと、1キログラムの質量をもつ物体に1メートル毎秒毎秒 (m/s2) の加速度を生じさせる力が1ニュートンと定義される。また、単位質量あたりに働く重力の大きさを重力加速度というが、地球の表面付近での重力加速度は9.80665 m/s2と、10 m/s2 に近似できるため、100 gの物体に働く地球の表面付近での重力は1 Nとして扱える。 なお、重さと質量は区別する必要がある。地球と月とで重力の大きさはちがう。また宇宙の中でどの星からも遠く離れている場所では、ほぼ無重力になる。このように重力の大きさは場所によって変わるので、もし重さと質量を同じ単位で扱うと混乱してしまう。 質量とは、物体の動かしにくさの度合い(=慣性)を表す量である。質量の単位には、グラム[g]やキログラム[kg]がある。1 kgは1000 gである。 1889年に質量1 kgの基準として、国際キログラム原器という分銅が、さだめられた。白金90 %、イリジウム10 %のまざった合金で、円柱形の物体として、キログラム原器がつくられた。なお、日本の国内にあるキログラム原器は、国際キログラム原器の複製(ふくせい)である。 しかし、2007年、この原器の質量が、年数がたった事により、ほんのわずかばかり、小さくなっているという事が、わかった。そこで、より正確な基準をきめようと、研究されてきた。 その結果、2019年に、キログラムの定義が変更された。物理量の測定における基準を国際的に管理している国際度量衡委員会は、定義を新しくしてプランク定数(という物理定数がある。高校で習う。)を基準にすることにより、キログラムの測定で従来の基準(白金の分銅)よりも高精度に定義できると前々から(2011年ごろから)主張しており、国際度量衡委員会はキログラム原器の定義をプランク定数にもとづく基準へ変更すべきだと主張していた。日本は、国際度量衡委員会のその考えに従って、キログラム原器の定義をプランク定数にもとづく定義に変更した。 近年(きんねん)、力の単位をニュートン単位に統一した理由は、昔は国や業界ごとに単位が別々(べつべつ)であり、不便(ふべん)であったので、その不便を解消しようと国際的な取り決めがなされたからである。その国際的な取り決めによって、力の単位にはニュートンを、質量の単位にはキログラムを標準的に用いることが決まったのである。 この国際的に取り決めた単位系を国際単位系(こくさい たんいけい)と言い、略称ではフランス語(Système International d'unités)を語源としてSI単位(エスアイたんい)とも言う。 また、国際単位系では、長さの単位にはメートルを、時間の単位には秒を標準的に用いることが原則となっている。 ただし、国際単位系では、これら以外の単位、たとえばグラムや分、時、センチメートル、キロメートルなどを使うことが禁じられているわけではない。 高校や大学範囲での理科の学習では、物理量の単位系には、原則としてSI単位が用いられる。 中学範囲でも、原則として、SI単位を用いるので、質量の単位はグラムやキログラムだし、重さの単位はニュートンだし、長さはメートル法である。 中学範囲でSI単位以外を用いるとすれば、グラム重とニュートンとの換算や、中学3年理科『地球と宇宙』宇宙の広がりで登場する距離の単位「光年」など限られる。 読者は「長さがメートル法とか、質量がグラム単位なんて、当然じゃないのか?」と思うかもしれないが、日本では明治頃の古くから、メートルやグラムに親しみがあるが、実は外国では、国によってはメートル法やグラム単位はかならずしも当然ではない。長さにインチ単位や、重さにポンド単位を日常的に用いている国も存在するのである。 ともかく、読者が中学範囲学習者なら、原則として物理量の単位系には、 以上に従うことが、中学範囲の理科でも、高校・大学範囲の理科でも原則である。 質量を測定するときは、上皿天びん(うわざらてんびん)などの天びん(てんびん)を用いることが多い。 物体の質量を測定する場合は、片側に被測定物をのせ、反対側に分銅を載せる。分銅を質量の基準とする。 両方の皿の釣り合いを見て、質量を判断する仕組みである。 なので、皿に物を乗せる前に、両方の皿が釣り合っているかどうかを確認する必要が有る。もし、釣り合っていなかったら天びん本体に調整用のねじ等が付いているので、それで両方の皿が吊り合うように調整してから、皿に物を乗せる。 粉末などを測定する場合は、粉末が溢れたりしないように薬包紙(やくほうし)などを用いる。この場合は薬包紙を分銅を載せる側の皿にも置いた上で上記の調整を施したり、もしくは薬包紙の質量をあらかじめ測定しておく。 分銅は、あまり直接には、手で触らないようにする。 手の皮脂などが分銅につくと、その皮脂などの質量が追加した分だけ、重さが変わってしまうからである。 軽い分銅を皿に載せたりおろしたりする場合なら、専用のピンセットが天びんに付属していることがあるので、その付属のピンセットなどを用いる。 上皿天びん以外の天びんでは、ピンセットでは運べないような重い分銅を用いる場合も有る。このような場合、ピンセットでの持ち運びが危険な場合なので、他の方法で分銅を運ぶ。たとえば理科実験用の手袋(一般の手袋や軍手は、不可。)などをして、手袋をした手で分銅をつかんで持ち運ぶ場合も有る。 重さを測定する場合は、ばねばかり や 台はかり などを用いることが多い。 ※新学習指導要領では以下の分野は2年の地学分野で習う。 圧力(あつりょく)とは、単位面積あたりの面に垂直にはたらく力のことである。 つまり、 である。 力が働く面積が小さいときには, 上の式の右辺の分母が小さくなるので, 圧力は強くなる。たとえば、えんぴつの両端を、図のように手で、つまんだとする。とがった先端(せんたん)をおさえてる指のほうでは痛く感じる。その理由は、とがったほうでは、力のかかる部分の面積が小さいため、圧力が高くなるからである。 圧力の単位には、Pa(パスカル)がつかわれる。Paとはどういう単位か, もう少し詳しく述べる。 まず、力の単位をN(ニュートン)で考えよう。いっぽう、面積の単位を、 m 2 {\displaystyle m^{2}} (平方メートル)で考えよう。このとき、 圧力の単位は、力の単位/面積の単位なので, N/m2(ニュートン毎平方メートル)となる。この単位がPa(パスカル)である。「Pa」の 頭文字 P は大文字で書く。 ここで、空気が与える大気圧と、空気に重さがあることとの関係について述べる。 17世紀のドイツのマグデブルク市で行われた、物理学者ゲーリケによる古典的な実験として、大気圧の大きさを見せびらかすために、2つに割ることが出来る 鉄球を用意し、鉄球の中を真空(しんくう)にして、その2つの鉄球を分割しようとしたときに、非常に大きな力でないと鉄球を引き離せないことを実験した例が有る。 鉄球を引き離すには、一人の人間では到底は不可能で、馬を何頭も用意して、馬たちに引っ張らせて、やっと鉄球が引き離せる結果になった。 このような巨大な大気の力を、大気中にいる我々が普段の生活では、なぜ、感じないのだろうか。なぜ、われわれの体は大気の巨大な力に押しつぶされないのだろうか。それは、我々の体の中は真空ではないので、中からも空気の圧力がかかっているため、外側の力と打ち消し合い、押しつぶされないのである。(力には方向があった。逆向きの力は打ち消し合って、差引の力が物体に掛かるのであった。圧力もまた同様に、方向があって、逆向きの力は打ち消しあう。) 大気圧を測定するには、真空を利用すれば良さそうである。イタリアの物理学者のトリチェリは、ガラス管に液柱を満たして逆さまにする実験で、簡単に真空を作り、この液中の重さが大気圧と釣り合うことから、大気圧を測定した。 大気圧の大きさは、地表ではおよそ100,000 Paである。高山では大気圧は山のふもとよりも低いため、ふもとから密閉された袋を持って行くと袋がふくらむ。なお100 Paをヘクトパスカル[hPa]という。大気圧の100,000 Paをヘクトパスカル単位で表せば、1000 hPaである。 トリチェリが実験で用いた液体は水銀(すいぎん)である。この水銀は猛毒なので、中学生は、この実験は行わない方が良い。トリチェリが実験で水銀を用いた理由は、水銀は比重が大きいので、実験のガラス管の長さを節約できるからである。 なお、トリチェリの実験で、逆さまにしたガラス管の上部に出来た真空をトリチェリの真空(トリチェリのしんくう)という。 このことから、大気圧は高度が低いところではより大きいことがわかる。これは、空気に質量(しつりょう)があるからである。高度が低い地点での空気は上方により多くの空気があるため、それらを支えるためにより多くの圧力を与えることになり、大気圧も大きくなるのである。空気に重さがあることは、後に気体を用いた実験を行なうことでわかる。 水中の物体がまわりの水から受ける圧力を水圧(すいあつ)という。水圧は,同じ深さなら同じ大きさであり,深さが深いほど大きくなる。また,水圧は,あらゆる物体の面に垂直にはたらく。 水圧が深さが深いほど大きくなるのは、水圧が上にある水の重さによって生じているからである。 水中などの液体中にある物体や水面にある物体が、水から受ける、浮き上がる上向き方向の力のことを浮力(ふりょく)という。この浮力の原因は、物体の下の面が受ける水圧のほうが、物体の上の面が受ける水圧よりも大きいことによって生じる。 (実は空気中でも空気の重さによる浮力が物体に働くので, 上の式は厳密には正しくはない) 一般に「力が強い」、「強い力が働く」、「学力」「気力」など力という言葉はいろいろな意味で用いられる。しかし、科学的な考え方をする時には、力は常に1つの意味で用いられる。 ある面積あたりに働く力を圧力(あつりょく、pressure、プレッシャ)という。 さて、ある面に働く圧力が一定だとすると、働く面積に比例してその面に働く力の合計は大きくなる。 地表を取り巻く空気の層を大気(たいき、atmosphere、アトモスフィア)という。大気にも質量があるので、この質量により重さの力がかかり、大気中の物体に重さがかかるので、大気中の物質は大気から力を受ける。この大気から受ける力は、圧力で表示できる。大気がおよぼす圧力を大気圧(たいきあつ、atmospheric pressure)という。 液体の中にあるものに対しては、浮力(ふりょく、buoyancy)が働くことが知られているが、これは物体の上面に働く圧力と、下面に働く圧力との差によって与えられる。 ここからは、力と圧力の性質についてより詳しく見ていく。 ばねの伸びは、ばねに働く力の大きさに比例する。このことをフックの法則という。このことを利用すると、ばねの伸びからばねに働いた力の大きさを知ることができる。これを応用した器具がばねばかりである。 ばねなどから荷重を取り除くと元に戻るように、物体の中には、力を加えて変形しても、力を取り除くと元に戻る性質を持つものが有る。このような性質を弾性(だんせい)という。 ばねばかりのばねや、ゴムひもなどが、弾性の有る物体である。 また、ばねなどの弾性のある物体が、弾性によってものを引っ張ったり押したりする力のことを弾性力(だんせいりょく)という。 いっぽう、力を加えて変形すると、力を取り除いても元に戻らない性質の物体も有る。たとえば、工作用の粘土などがそうである。このような、力を取り除いても元に戻らない性質を塑性(そせい)という。 発展: 弾性限界(だんせい げんかい) 弾性のある物質でも、くわえる力が大きくなりすぎると、力を除いても元に戻らない。それ以上の力を加えられたら、もう戻れない限界の荷重を弾性限界(だんせい げんかい)という。   物体を押して動かすとき、重さが同じでも、物体の置かれている床がデコボコしていたりザラザラしていたり、あるいは物体がデコボコしていたりザラザラしていると、動かすのに、余計な力が必要になる。このような動かそうとする力に対する抵抗を、摩擦(まさつ)といい、摩擦による抵抗力のことを摩擦力(まさつりょく)という。 もし、摩擦がなければ、少しでも力を加えれば物体が動いてしまうが、実際には、どんな物体にも摩擦があるので、そのようなことは起きない。 ボールや、コロ(丸太のような円柱状のもの)などが転がりやすい仕組みは、接触面を減らすことによって、摩擦を減らしているからである。 人間が、ぬれた床や道路などを歩くときに滑りやすいのは、床や道路の表面のザラザラした隙間に水が入り、ザラザラした隙間が埋まってしまうので、摩擦が減るからである。 摩擦について、一種の「抵抗力」というと損失と同一視されやすいが、ぬれた床の例のように、摩擦は必ずしも無ければ良いというものではない。もし摩擦がなければ、われわれ人間は歩くたびに滑って転んでケガをしてしまう。
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ルーペ(独: lupe)とは、いわゆる「虫めがね」などのことである。ルーペでは、決して太陽を見てはいけない。(目を痛めるので。)  ルーペの倍率は5倍~10倍程である。 タンポポなどの道端の植物など、肉眼で確認できる程度のものは、このルーペで見るのが効率的である。ちなみに、タンポポで、花びらのように見える物は、じつは一枚一枚が花全体である。それぞれの「花びらのような物」に、おしべ や めしべ が個別についており、独立した花なのである。 ルーペの使い方 双眼実体顕微鏡は、観察する物をプレパラートにする必要が無い。倍率は20倍~40倍ほどである。 ピント(焦点)合わせなどの調整は、以下のように行う。 顕微鏡のレンズには、接眼レンズ(eyepiece)と対物レンズ(objective)の2種類が必要である。 顕微鏡の倍率は、 である。 たとえば接眼レンズの倍率が15倍であり、対物レンズの倍率が4倍なら、顕微鏡の倍率は60倍である。(15×4=60より) 一般に中学校などで使うような形式の顕微鏡の倍率は、40倍から600倍までである。 ミジンコやミドリムシなど、いわゆる「微生物」と言われるものは、ルーペなどでは倍率が小さすぎて確認できない場合が多い。微生物などは、顕微鏡以上で観察しよう。 まず、プレパラート(ドイツ語: Präparat)の準備が必要である。鏡筒上下式顕微鏡と、ステージ上下式顕微鏡のどちらとも、プレパラートが必要にななる。このプレパラートの準備方法を、つぎに説明する。 顕微鏡で観察する時は、プレパラート(ドイツ語: Präparat)を使う必要がある。 うすい物しか観察できない。あつい物を観察したい場合は、うすい切片にする必要がある。 以上の手順で、観察を始められる。さらに高倍率で観察したい場合には、対物レンズをレボルバーを回して、高倍率の対物レンズに替える。 顕微鏡で見える像は、上下左右が反対に見える顕微鏡が普通である。なので、プレパラートを動かすと、像は反対方向に動いて見える。よって、プレパラートを動かしたい場合には、動かしたい方向とは反対の方向に動かす。 いきなり、高倍率の対物レンズで観察すると、視野がせまいので調整が難しくなる。そのため、まずは低倍率の対物レンズを使用する。 また、高倍率にするほど、明るさは暗くなる。 理科におけるスケッチのしかたは、美術スケッチとは、ことなる。 理科におけるスケッチのしかたを述べる。 中学では、立体感の表現方法まで覚えなくてもよいが、もしスケッチで立体感をつける場合は、点の多い・少ないで表現する。(奥まっていて影になりそうなところほど、点が多くなる。) 立体感の表現は、やや難しいので、中学校では描かないほうが無難だろう。
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生物 花などは、いろいろな場所に存在する。これらの花は、やがて果実に変化し、種子をのこす。花はどのように果実になるのだろうか。 花には、普通、外側から順に、がく、花弁(かべん、petal)、おしべ(stamen)、めしべ(pistil)がある。めしべのもとのふくらんだ部分を子房(しぼう,英: ovary)といい、子房の中にある小さな粒を胚珠(はいしゅ、ovule)という。 胚珠は、将来、種子(しゅし,seed)になる。 花粉がめしべにある、柱頭につくことを受粉と言う。受粉が行れると、子房が成長して果実(かじつ)となり、子房の中にある胚珠は種子(しゅし,seed)になる。 おしべは、やく (anther) と 花糸(かし、filament) から、なる。やく は花粉の入った袋である。やくは、細い糸のような花糸によって支えられている。 めしべは、柱頭(stigma)・花柱(style)・子房から、なる。子房の中には胚珠があり、受精すると胚珠は種子になる。 柱頭は、めしべの先端部にあり、花粉がつきやすいように、粘液状のものが付いている。花柱は、柱頭と子房をつなぐ部分であり、花粉管が通る部分。 花には、 花弁(かべん、petal) と、花弁の根本のほうにある緑色の先のいくつか別れた がく(sepal) がある。花弁は、いわゆる「花びら」(はなびら)のことである。 花弁は、昆虫などを引きよせるために、目立っている色と香りを持つ植物(plant)が多い。 タンポポの先っぽの黄色い部分は、実は、多くの花の集まりである。「花びらのように見える物」が、実は一つ一つが、花である。そのため、「花びらのように見える物」一つ一つが、それぞれ おしべ と めしべ・子房などを持っている。 ヒマワリも同様である。 花が種子をつくるためには、めしべにある柱頭に花粉がつく必要があり、柱頭に花粉がつくことを 受粉(じゅふん、pollination) という。 柱頭いがいの場所についても、受粉では無い。たとえば子房に花粉がついても受粉では無く、とくに変化は起きない。同様に花柱(かちゅう)に花粉がついても、とくに変化は起きない。 花粉が柱頭につくと、花粉から花粉管(かふんかん、pollen tube)という管が出て来て、花柱の仲を下る。花粉管が胚珠に達して、そこで受精(じゅせい)が行われる。受精をすると、胚珠は種子になり、子房は果実になる。 種子には、種の中に栄養分である胚乳(はいにゅう、endosperm)を持っている有胚乳種子(ゆうはいにゅう しゅし)と、胚乳を持たない無胚乳種子(むはいにゅう しゅし)とがある。 有胚乳種子は、種皮(しゅひ)と、植物体になる胚(はい)と、栄養分の胚乳(はいにゅう)とからなる。 カキやイネなどが有胚乳種子である。 いっぽう無胚乳種子であるアサガオ、エンドウ、クリの種子は、種皮と胚と子葉(しよう)からなり、栄養は子葉に蓄えられている。無胚乳種子は、種皮と胚と子葉からなる。 有胚乳種子も子葉を持っており、胚に子葉がふくまれている。有胚乳種子の胚は、子葉・幼根(ようこん)・胚軸(はいじく)・幼芽(ようが)から なる。 種子植物には、子房のある植物と無い植物とがあり、子房のあるほうを被子植物(ひし しょくぶつ、angiosperms)といい、子房の無いほうを裸子植物 (らし しょくぶつ、英語: Gymnosperm、学名:Gymnospermae)という。つまり、種子植物には被子植物と裸子植物の2種類がある。 タンポポ・アブラナ・サクラ・エンドウなどが被子植物(ひし しょくぶつ)である。 子房があり、胚珠は子房の中にある。 マツ・スギなどの針葉樹や、イチョウ・ソテツなどが裸子植物(らし しょくぶつ)である。 子房が無く、胚珠がむきだしになっている。雄花(おばな)と雌花(めばな)を持つ。 なお、イチョウの「実」(み)と言われている銀杏(ぎんなん)は、じつは実(み)ではなく、銀杏全体が種(たね)である。 根の種類には、「主根と側根からなる根」と、「ひげ根」の2種類がある。 主根とは、真ん中に一本ある、太い根である。 側根とは、主根から枝分かれした根である。 双子葉類(そうしようるい、dicotyledon)は、主根と側根からなる根を持つ。タンポポやヒマワリが双子葉類であるので、主根と側根からなる根を持つ。 双子葉類とは、文字どおり子葉が ふたば の植物である。子葉を見なくとも、葉脈(vein)が網目状のものが双子葉類である。 単子葉類(たんしようるい、monocotyledon)は、ひげ根を持つ。イネやトウモロコシやススキが、単子葉類なので、ひげ根を持つ。単子葉類とは、文字どおり子葉が一つの植物である。子葉を見なくとも、葉脈が平行状のものが単子葉類である。 根の先っぽ付近には、多くの根毛(こんもう)が生えている。 根毛は細いので、土の細かいすきまにも入り込めるので、水(water)を効率的に吸収できる。このとき、水に溶けている養分も吸収している。 また、根毛によって表面積が大きくなるので、水などの吸収にも都合が良い。 側根や主根の中心部には、水を運ぶための道管(どうかん)と、葉で作られた栄養を通すための師管(しかん)が、いくつもある。道管は、茎や葉にもある。根の道管は、茎や葉の道管と、つながっている。 茎には、道管と師管(しかん)がまとまった維管束(いかんそく、英語: vascular bundle)が、いくつもある。この維管束の並びかたが、双子葉類と単子葉類とで違っている。 双子葉類(ホウセンカなど)では、いくつもの維管束が、輪のように整列している。いっぽう、単子葉類(トウモロコシなど)では、いくつもの維管束が散らばっている。 双子葉類(ホウセンカなど)では、輪の内側が道管で、輪の外側が師管である。道管と師管とのあいだの輪の部分の細胞を、形成層(けいせいそう)と言う。単子葉類には、形成層は無い。 道管のあつまりを木部(もくぶ、英語: xylem)という。師管のあつまりを師部(しぶ、英: phloem)という。 茎の表面の一部を輪状に はぐと、師管が切られるので、上側の表皮がふくらむ、下側の表皮はふくらまない。 茎の内側の道管は切られていないので、根から吸い上げてる水は、そのまま流れつづける。 いろいろな所に咲いている花は、必ずしも葉が付いている。この葉に見られる筋(すじ)のことを、葉脈(ようみゃく,vein)という。葉脈は、道管(どうかん)や師管(しかん)が通っており、茎の維管束(いかんそく)とつながっている。この葉脈が、水や栄養の通り道になっている。 なお、双子葉類(アブラナ・アサガオなど)の葉脈は網目状であり、単子葉類(トウモロコシなど)の葉脈は平行状である。 葉の表皮や断面には、たくさんの部屋のようなものが見られる。このひとつひとつを細胞(さいぼう,cell)という。(細胞のことは、今は詳しく習わないので気にする事はない。) 細胞は、生物の体に共通して見られる。また、葉の細胞の中に見られる、小さな緑色の粒を葉緑体(ようりょくたい,chloroplast)という。 葉が緑色をしているのは、葉緑体があるためである。この葉緑体で、太陽の光のエネルギーを利用してデンプン(starch)を作る光合成(photosynthesis)が行われる。 葉の、空気にふれている外側の部分を表皮(ひょうひ)という。日の当たってる側はもちろん、日かげになってる、葉の裏側でも、空気にふれている外側の部分は表皮という。 葉の表皮には、三日月形の細胞が2つ向かいあった孔辺細胞(こうへんさいぼう)がある。葉の裏側には、孔辺細胞に囲まれたすきまの穴である気孔(きこう,stoma)が多くあり、気孔などを通して葉から水蒸気として水が出ていく現象を蒸散(じょうさん、transpiration)という。 同じくらいの大きさの、葉つきの枝を用意する。そのうち1本は、葉をすべて取って茎だけにする。葉を取った後にワセリンを塗っておく。もう1本の枝は、葉を残す。 水の入ったガラス管に枝をつなぎ、その水量の変化から、蒸散の量を調べる実験をする。 そのため、ガラス管は2本、必要になる。 ゴム管などで、ガラス管と枝との間を密封する。 実験結果は、葉の付いている枝のほうが、水の減りが早い。 葉の裏側からの蒸散のほうが、表側からの蒸散よりも多いことを調べる実験には、ワセリンなどを葉の表に塗った場合と、葉の裏側に塗った場合とで比べれば良い。 この場合、理論上は、蒸散が一番多いのは、何も塗らないCである。次に多いのは、表側にだけワセリンを塗ったBである。一番少ないのは、Aである。 水が多く減るほど、蒸散が多い。 光合成では、デンプンが作られる。光合成は日光のある昼間しか行われていない。 光合成は植物の葉の細胞にある葉緑体(ようりょくたい、chloroplast)という部分で行われ、動物の細胞には葉緑体は存在しない。 光合成には、水と二酸化炭素と光の3つが必要である。これらのうち、一つでも欠けると光合成は出来ない。水も必要だと言うことを忘れないように。(水の一部から得られる水素(化学式はH)は、デンプンや糖などの栄養素にも含まれる。ブドウ糖(glucose 発音: グルコース)の化学式は C 6 H 12 O 6 {\displaystyle {\ce {C6H12O6}}} であり、水素が含まれている。デンプンの構造は、ブドウ糖などの糖がいくつも、くっついた形をしている。) 以上の2つの実験を合わせると、「光合成には、葉緑体に光が当たることが必要である。」ことが分かる。つまり、葉緑体が光を利用して光合成を行っている。 ※ 葉の漂白の実験の手順 もし、光合成で二酸化炭素が吸収されるなら、溶液中の二酸化炭素が吸収されるはずである。そして、二酸化炭素が吸収されれば、その分、酸性が弱まり、BTB溶液の色が変わるはずである。 予備知識として、 BTB溶液は、 である。 実際に実験すると、オオカナダモの入ったフラスコは、青色になるので、アルカリ性になっていったことが分かる。 いっぽう、オオカナダモの入ってないほうは、緑色のままである。 この試験管AとBのように、調べようとしている条件(この場合はオオカナダモの有無)以外は、同じ条件にして実験をすることを、対照実験(たいしょうじっけん)という。 石灰水は、2酸化炭素で白くにごるのであった。タンポポの葉を入れたほうの試験管は、光合成で、二酸化炭素が吸収されるので、にごらないはずである。 実際の実験でも、タンポポの葉を入れたほうの試験管は、白くはにごらないで透明のままである。タンポポの葉の無いほうは、二酸化炭素が、そのまま残るので、石灰水で白くにごる。 この試験管AとBのように、調べようとしている条件(この場合は葉の有無)以外は、同じ条件にして実験をすることを、対照実験(たいしょうじっけん)という。 このオオカナダモのBTB溶液での実験も、タンポポの葉の石灰水での実験も、光合成の検証の代表的な実験であるので、参考書などで、きちんと学習しておくこと。 これらの実験によって、光合成では二酸化炭素を吸収していることまでは検証できるが、まだ酸素を合成していることの検証はできていない。 酸素の合成の検証は、つぎのような点火実験である。 中学・高校の段階では、この可燃性が分かった段階で、この実験では酸素が発生したと判断してよい。 光合成は、葉緑体で行われてる。より、くわしい場所を言うと、葉緑体の中にある、葉緑素(ようりょくそ)という緑色の色素で光合成を行っている。この葉緑素が緑色なので、それをふくんでいる葉緑体が緑色に見えている。 葉緑素のことを英語でクロロフィル (Chlorophyll)ともいう。 植物は光合成で最終的にデンプンを作りますが、決していきなりデンプンを合成しているのでは、ありません。 まず、光合成では最初は、二酸化炭素や水などを材料にして、ショ糖(ショとう)やブドウ糖などの糖(とう)を合成しています。その糖の一部を材料として、植物はデンプンを葉や根などで合成しているのです。 小学校の理科で、人体の消化のしくみの勉強で、デンプンは最終的にブドウ糖に分解される、というふうに習ったと重います。 一方、光合成の順序は消化の順序とは逆です。光合成では糖をもとに、デンプンを作っているのです。 また、糖は、水に解けやすいですが、デンプンは水に溶けにくいのです。植物が体の中で栄養を運ぶときには、水に栄養を溶かした状態で運びます。もし、デンプンのままだと、溶けていないので、デンプンの栄養を運べないので、不便なのです。 なおデンプンとは、糖がいくつもつながった物です。 イモなどでは、根に多くのデンプンをたくわえている。 イモなどの根にあるデンプンは、夜中のうちに、葉から根へと糖が送られており、糖からデンプンを合成している。 イモなどの植物で実験をして確認したい場合は、その植物を一日中、光に当てないでおくと、その日の夜は、糖が足りないので、デンプンが合成できず、なので翌日のデンプンが不測しているので、イモの部分を切り出してヨウ液をつけても、あんまりヨウ素デンプン反応が強くは起こらず、こうして、これらの仮説を確認できる。 植物は光合成とは別に、酸素を吸って二酸化炭素を吐く呼吸(こきゅう、respiration)も行っている。 呼吸は、昼も夜も行われている。いっぽう、光合成は日光のある昼間しか行われていない。呼吸では、デンプンを酸素を使って分解して、エネルギーを取り出している。 用意するもの 方針 手順 光合成と呼吸で出入りする気体の関係は、逆である。 つまり呼吸では、 という関係である。 デンプンが元になったブドウ糖を、呼吸で分解することで、植物はエネルギーを得ている。(ブドウ糖の化学式は C 6 H 12 O 6 {\displaystyle {\ce {C6H12O6}}} であり、水素(化学式はH)が含まれている。デンプンの構造は、ブドウ糖などの糖がいくつも、くっついた形をしている。デンプンや糖などにふくまれる水素によって、呼吸後の水(化学式は H 2 O {\displaystyle {\ce {H2O}}} )が得られている。 植物は夜中にも呼吸を行っている、と習いました。 呼吸の量と、光合成の量と、光の強さの関係を、グラフにまとめましょう。右のようなグラフになります。 光の ある・なし には関係なく植物は呼吸をつねに行っています。光合成を行っている時も、呼吸を行っています。そのため、光合成を行っている時も、呼吸によって、二酸化炭素を排出しています。 光が強いときには、呼吸による二酸化炭素の排出量よりも、光合成による二酸化炭素の吸収量のほうが大きいのです。なので、結果的に光が強いときには植物は、二酸化炭素の(光合成による)吸収量から(呼吸による)排出量を差し引いたぶんだけ、二酸化炭素を吸収することになります。 植物の呼吸による二酸化炭素の排出と、光合成による二酸化炭素の吸収速度が、つりあった状態での光の強さのことを、補償点(ほしょうてん,compensation point)あるいは光補償点(ひかりほしょうてん)といいます。 見かけの光合成速度がゼロになる点は、補償点である(光合成速度と呼吸速度が等しいため)。 真の光合成速度(photosynthetic rate)を求めるには、見かけの光合成速度(apparent photosunthetic rate)に、呼吸速度(respiration rate)を足し合わせなければならない。呼吸速度を測定するには、暗黒で測定すればよい。 実験による測定で、直接に O 2 {\displaystyle {\ce {O2}}} 量を測定して得られる測定値は、真の光合成速度から呼吸速度を差し引いた値である。 あるていどまでは光の強さが増すにつれて、光合成速度も大きくなる。 しかし光が、ある一定値よりも強くなると、たとえ、それ以上に光が強くなっても、光合成速度が変わらない状態になる。この状態を光飽和(ひかりほうわ)といい、飽和した直後の光の強さのことを光飽和点(photic saturation point)という。 小学校の理科で、日かげのほうが育ちやすい植物と、日なたのほうが育ちやすい植物を習ったと思います。 アオキやコケ類・シダ類(fern)などは、日かげのほうが育ちやすいです。このように、ひかげのほうが育ちやすい植物を陰生植物(いんせいしょくぶつ)といいます。 ススキやアカマツやシラカバは、日なたのほうが育ちやすいです。このように、ひなたのほうが育ちやすい植物を陽生植物(ようせい しょくぶつ)といいます。 日光のあたり具合によって、育ちやすいかどうかが変わってくるわけですから、これはどうやら光合成に関係性がありそうだと思うでしょう。じっさいに、光合成とは関係があります。 答えをいうと、右のグラフです。(※ 高校の範囲内なので、中学一年生は覚えなくてもよいですが、高校入試にも出ることがあるので、考えてみてください。) このグラフを参考にして、今までに習った知識を整理してください。 なお、この発展の章のグラフのような、光合成についての光の強さと光合成量などの関係のグラフのことを「光合成曲線」(こうごうせい きょくせん)などといいます。 これから説明する、シダ植物やコケ植物や藻類も、植物にふくまれる。 また、ワカメやコンブなどの海藻は藻類ですが、アマモなどの海草は植物に分類されます。 植物には、種子を作らない植物もある。シダ植物やコケ植物は、胞子(ほうし、spore)で増える。 ワラビやゼンマイなどはシダ植物である。シダ植物(Fern)には、根・茎・葉の区別があり、維管束を持つ。 コケ植物には、根・茎・葉の区別が無く、維管束を持たない。ゼニゴケやスギゴケがコケ植物である。 シダ植物とコケ植物の両方とも葉緑体を持っており、光合成を行う。 細かい葉の裏側に、胞子のう(ほうしのう)があり、その中で胞子(ほうし、spore)が出来る。 胞子のう が乾燥して水分がなくなると、胞子のう が割けて、胞子が飛び散る。 しめった場所に落ちた胞子は発芽する。 発芽した胞子には前葉体(ぜんようたい)というハート型のものになる。この前葉体の役割は、受精のためである。前葉体で受精が行われる。シダ植物の受精には水が必要なので、水がある場所で発芽する仕組みになっている。 前葉体の造精器(ぞうせいき)で精子が作られ、造卵器(ぞうらんき)で卵(らん)が作られる。前葉体が水につかると、精子は泳いでいき、卵にたどり着けば受精が行われる。 雄株(おかぶ)と雌株(めかぶ)に分かれているものが多い。維管束は無い。水は、体の表面全体から吸収する。体全体に葉緑体があり、光合成を行う。 シダ植物とちがって、コケ植物は根・茎・葉の区別が無く、そのため根を持たないので水を吸収する力が弱い。なので日かげで無いとコケ植物は育ちにくい。 雄株には造精器があり、雌株には造卵器がある。受精すると、造卵器(ぞうらんき)が胞子のう になる。胞子のう で、胞子が作られる。 スギゴケの場合、直立しているので茎があるように見えるが、根・茎・葉の区別は無い。またスギゴケには維管束は無い。 コケ植物には下部に 仮根(かこん、rhizoid,) という根のような物があるが、これは別に水を吸収する力が強いわけではなく、単に体を支えるためのものである。ゼニゴケ・スギゴケの雄株・雌株とも、仮根がついている。 スギゴケ、ゼニゴケとも、コケ植物の増え方は、胞子(ほうし)をつくって増える。コケ植物は、種子はつくらない。雌株にのみ、胞子のう が出き、胞子のうの中で胞子が落ちて、周囲に ばらまかれる。地面に落ちた胞子は発芽して成長し、やがて雄株または雌株になる。 スギゴケでは雄株(おかぶ)は、雄器(ゆうき)の中に、精子(せいし)をつくる。雌株(めかぶ)は雌器(しき)の中に、卵(らん)をつくる。精子は水の中を泳ぎ、精子が卵に到達すると受精が起きる。雌株は受精によって、雌器に 胞子のう がつくられ、胞子のう の中で、胞子がつくられる。 藻類(そうるい)には、海水中に生息するものと、川や湖などの淡水中に生息するものがある。 ミカヅキモやケイソウ、アオミドロは、淡水中で生息する藻類である。 いっぽう、ワカメやコンブ、ヒジキやノリなどは、海水中に生息する藻類である。 オオカナダモは水中や水辺で生息しているが、種子植物であり被子植物の単子葉類であり、まったく藻類では無い。 コケ植物と同様に、藻類には根・茎・葉の区別は無い。また、藻類には維管束も無い。そもそも、まわりが水ばかりなので、維管束で水を運ぶ必要性が無い。 藻類によっては、緑色ではなく赤色のものもあるが、どの種類でも葉緑体を持つ。赤色の藻類でも、葉緑体を持っているが、その他に赤色の色素をもっているので赤く見えている。どの種類の藻類でも葉緑体を持っているため、光合成をする。 ワカメやコンブなどは、やわらかい。これは海水の流れの力を受け流すためである。 ちなみに、海中でのワカメの色は、やや赤色っぽい、褐色(かっしょく)である。ワカメは湯通しすると緑色になる。食用のワカメが緑色なのは、湯通ししてあるからである。 増え方は種類によって異なる。 生物の種類の名前には、世界共通の学名(がくめい)がある。学名のつけかたには世界共通の規則が定められており、二名法(にめいほう)という命名法にもとづく国際的な規則が定められている。 たとえばヒトの学名は Homo sapiens (ホモ・サピエンス)である。 二名法で用いられる言語はラテン語であり、2単語のラテン語で学名を表している。最初の Homo は属名(ぞくめい)というものであり、 sapiens が種小名(しょうしゅめい)である。このように二名法では、属名と種小名を併記する。このような命名法を、18世紀の中ごろにカール・フォン・リンネが確立した。 たとえばアンズの学名は Prunus armeniaca である。イチョウの学名は、Gingko biloba である。 いっぽう、「ヒト」 や 「イヌ」 や 「ネコ」 や「アンズ」や「イチョウ」などと言った、ある種について、日本で一般的に使われる呼び名は、和名(わめい)である。 花粉(かふん)の中に精細胞(せいさいぼう)が、ふくまれている。 めしべの胚珠(はいしゅ)の中に、卵細胞(らんさいぼう)が、ふくまれている。 おしべの先には、ふくらんだ物が付いている。これは花粉がつまっている。このおしべの先にある、花粉のふくろを、 やく という。「やく」のことを、「花粉ぶくろ」ということもある。 めしべは、 柱頭(ちゅうとう) と、 花柱(かちゅう) と、 子ぼう(しぼう) の3つの部分からなる。 めしべの先にある、ふくらんだ部分です。おおくの植物では、柱頭には、ねばねばとした液体がついている。この「ねばねば」は、花粉をつけやすくするためです。花粉が柱頭につくことを受粉(じゅふん)といいます。花粉は、おしべの先の「やく」から出るのでしたね。 めしべの根元にある、ふくらんだ部分です。子ぼうは、受粉のあとに、子ぼうが実(み)になります。「受粉」とは、柱頭の先に、花粉がつくことでしたね。そして、花粉は、おしべの先の、「やく」から、出るのでしたね。 柱頭に花粉がつかないと、子ぼうは、実(み)になりません。 子房は、植物によって、「花びら」や「がく」の上にある場合と、花びらの下にある場合があります。 アサガオやアブラナでは、子ぼうは、花びらの上にあります。 ヘチマやカボチャでは、子ぼうは、花びらの下にあります。 柱頭と子ぼうとのあいだの、やや細い部分です。 めしべにある柱頭(ちゅうとう)に、花粉がつくことを 受粉(じゅふん) といいます。受粉をした花には、変化が起こります。 柱頭いがいの場所についても、受粉ではありません。子房に花粉がついたのは、柱頭ではありません。子ぼうに花粉がついても、とくに変化は起きません。 花柱(かちゅう)に花粉がついても、とくに変化は起きません。 受粉をして花に変化がおきるのは、柱頭(ちゅうとう)に花粉がついた場合だけです。だから、柱頭に、花粉がついたばあいだけを、受粉(じゅふん)といいます。 柱頭は、ほとんどの植物では、柱頭は「ねばねば」していて、花粉がつきやすいようになっていることが多いです。 「子ぼう」の中には、「はいしゅ」(胚珠)があります。柱頭に花粉がついて、受粉をすると、やがて子ぼうがふくらんでいき、そして実(み)になります。実(み)のなかには、種(たね)があります。この種は、元は、はいしゅでした。 アサガオでは、おしべとめしべが同じ花にあります。このような花の場合、花が開くと、おしべの花粉が、めしべにふりかかります。このような仕組みの受粉を 自家受粉(じかじゅふん) といいます。自家受粉では、虫や鳥などの助けは、いりません。 めしべの柱頭が、ほかの株(かぶ)の花のおしべから出た花粉と、受粉をすることです。 花粉を運ぶ方法は、虫によって運ばせる方法や、風によって飛ばす方法などがあります。 虫によって、はこばせる方法は、花のみつを吸いにきた虫に、花粉がつくようにする方法です。 このような仕組みで花粉を虫にはこばせる花を、 虫媒花(ちゅうばいか) といいます。虫媒花は、他家受粉に、ふくまれます。 虫媒花は、花粉がねばねばしていることが多いです。これは、虫の体に花粉がつくうえで、都合がいいです。 また、虫媒花の、花の色や大きさは、目立つものが多いです。これは、虫に気づかれやすくするために、都合がいいと考えられています。 虫媒花は、蜜(みつ)をだします。 風によって花粉を運ばせる方法の花を、 風媒花(ふうばいか) といいます。風媒花は、他家受粉に、ふくまれます。 花粉は、さらさらしていて、軽いものが多いです。これは、風に飛ばされやすくて、都合がいいと考えられています。 風媒花は、花が目立ちません。また、風ばい花は、みつが少ないです。 多くの植物で、虫ばい花と風ばい花のどちらかが、花粉の運び方ですが、植物のなかには、ほかの運び方で花粉を運ぶものも、あります。水媒花(すいばいか)や、鳥媒花(ちょうばいか)がある。他家受粉に関しては、水媒花も鳥媒花も、他家受粉である。 花粉を水に流させて、花粉を運びます。 この水媒花は、水中に生えている植物で、みられることがあります。 鳥の体に花粉をつけて、花粉を運ぶ花です。木に咲く花に多いです。 冬ごろに咲く花が多いです。冬は、虫が少ないので、虫をエサにしている鳥は、少ない虫のかわりに、花のみつを吸う場合があるのです。 人間が、手作業で、花粉をめしべの柱頭にくっつける受粉のしかたを、人工受粉(じんこうじゅふん)といいます。 農業で、実を確実に作らせて、収穫を多く得たい場合に、人工受粉が使われることが多いです。
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五感(ごかん)とは、動物が外界の情報を感じ取るための感覚です。五感には、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の5つがある。それぞれの感覚器官によって、外界の情報を捉えて、神経を介して脳に伝え、認識している。 感覚器官(かんかく きかん)とは、五感の情報を受け取り、神経信号に変換する器官である。五感には、目、耳、鼻、舌など、それぞれ特有の感覚器官がある。 なお、皮ふ(ひふ、皮膚)も、感覚器官にふくめ、暖かさ・冷たさ・圧力・痛さの刺激を受け取る。 感覚器官には感覚神経がつながっており、感覚神経は、脳や せきずい(脊髄) へととながっている。 感覚器官が刺激を受けると、感覚神経に電気的な信号が発生し、そして感覚神経をその電気的な信号が通って、脳に信号が伝わることにより、脳が感覚として認識します。 これらの五感は、私たちが日常生活で様々な情報を収集し、世界を理解するための重要な手段です。それぞれが異なる役割を果たしており、私たちの生活に不可欠な役割を果たしています。 眼でとらえる光の感覚を視覚(しかく、vision)と呼ぶ。 眼は、前部の表面に角膜(かくまく、cornea)がある。角膜は水晶体を保護している。角膜の内側には、 虹彩(こうさい、iris)の働きにより、瞳の大きさが変わる。 虹彩によって、レンズ(水晶体)に入る光の量を調節している。 そして、レンズ(水晶体)を通った光が網膜(もうまく、retina)の上に像を結ぶ。 ヒトの目は、顔の正面に2つあるので、前方の物を立体的に見たり、物との距離を正確にとらえたりするのに適している。 水晶体と網膜の間は、(けっして空洞ではなく)、眼球がつまっている。 耳で受け取る音の感覚を聴覚(ちょうかく、hearing)という。 音は空気の振動なので、鼓膜(こまく)でその振動をとらえる事により、耳では音を検出している。 耳の奥に鼓膜があり、鼓膜に届いた振動によって、耳小骨(じしょうこつ、ossicle)に伝わり、蝸牛殻(かぎゅうかく)に伝えられる。 そして、うずまき管に音の刺激を受け取る細胞があり、音の感覚として神経を通って脳に伝えられ、最終的に脳が音を感じる。 耳は、顔の左右1つずつにあるので、音の来る方向を知ることができる。 鼻でかぐ、においの感覚を嗅覚(きゅうかく、olfaction)と呼ぶ。 鼻の奥に、においを感じる感覚細胞があります。この細胞に物質がつくことで、においの刺激を受け取ります。そして、その鼻の奥の感覚細胞は、感覚神経につながっています。 (※ 範囲外 :) 味覚で感じる味は後述のように5種類だが、しかし嗅覚(きゅうかく)のほうは臭い物質は数十万種類にもなる。 舌(した)で感じる味の感覚を味覚(みかく、gustation)と呼ぶ。 舌には、味を感じ取れる感覚細胞が多くある。 (※ 中学理科の範囲外:)ヒトの味覚には、甘味(あまみ、もしくは"かんみ")、塩味(えんみ)、苦味(にがみ)、酸味(さんみ)、うま味(うまみ) の5つがある。(※ 家庭科で習うかも?) [1] ものをさわった、さわられた等の接触(せっしょく)の感覚のことを触覚(しょっかく)と呼ぶ。 人間の場合、皮膚で触覚が発達している。 また、皮膚は触覚のほかに、温度の感覚、痛みの感覚、重さの感覚も感じる(※ 学校図書の検定教科書に記述あり)。 じつは、人間の感覚には、五感以外にも多くの様々な感覚がある。 たとえば平衡感覚(へいこう かんかく)である。 よく体育の授業などで、平均台などを使った運動で「平衡感覚が~~(以下略)」とか教師が言ってるのを聞いたことあるかもしれないが、その平衡感覚のことである。 高校で習うのだが、平衡感覚をつかさどる三半規管(さんはんきかん)は、耳にある。 生物学・医学では分類状、平衡感覚は、聴覚とは別の感覚としてあつかわれる。 また、口には、のどのかわいた場合の感覚もある。 内臓には、空腹などの感覚もある。 生物学・医学でいう「感覚」には、五感のような外界からの刺激だけでなく、空腹感のような体内の「感覚」も含む。 神経系(しんけいけい)は、まわりの世界を認識(にんしき)する役割(やくわり)があり、脳(のう)や神経(しんけい)や五感(視覚「しかく」、聴覚「ちょうかく」、触覚「しょっかく」、味覚「みかく」、嗅覚「きゅうかく」)が、はたらいています。 脊髄と脳が中枢神経(ちゅうすうしんけい)であり、中枢神経では末端から来る刺激の処理が行われる。ほかの神経は末しょう神経(まっしょうしんけい)である。 運動神経や、眼や鼻など感覚器官の感覚神経は末しょう神経である。末しょう神経では、刺激の伝達が行われている。 筋肉にも、神経がつながっています。筋肉につながらている神経は、筋肉を動かすために脳から送られた信号を連絡するためのものです。 この、筋肉を動かすための神経のことを運動神経と言います。 脳やせきずいを基準として考えれば、 運動神経は、脳やせきずい などの中枢から出された命令を、筋肉まで運ぶのが役目です。 刺激(しげき)は、神経(しんけい)を通って、脳に伝わり、それが感覚になる。 詳しくは、感覚器官→感覚神経→脊髄→脳→脊髄→運動神経→運動器官→反応 ヒトの神経は、多くの神経細胞(しんけい さいぼう)で出来ている。(※ 学校図書の検定教科書の本文で「神経細胞」の用語あり。中学範囲です。) 脳や せきずい も、神経細胞が多く集まって出来ており、電気的なさまざまな信号を発して、処理がされています。 ケガをしたときの痛みも、神経の働きによるものです。 体表に割と近い体内の場所に、刺激を神経に伝える感覚細胞があり、皮膚がケガなどをした際には、刺激を神経に伝えることで、脳が痛み(いたみ)として感じます。) また、暑い・寒いなどの感覚も同様に、体表近くにある感覚細胞が、神経にそういった寒暖の刺激を伝えています。 痛みは、動物が安全に生きるために必要なものです。 痛みがあるからこそ、われわれ人間は、その痛みをさけようとして、生き方を学習できるのです。 (※ 高校でも範囲外 :)先天性障害の一種で、無痛症(むつうしょう)という、痛みを生まれつき感じない症状があるのでますが、この無痛症の乳児・幼児は、動けるようになったときに無理な姿勢をして骨折をしてしまったり、口内を嚙んで傷つけてしまったり、冬場などはストーブで火傷してしまったり等の事故を起こしてしまったりします[2]。 (余談) 余談であるが、温冷の感覚と、痛覚とは、ほぼ同じ感覚細胞である。その証拠に、先天性の無痛症の患者は、温冷の感覚も感じない。 別の余談であるが、トウガラシなどに含まれているカプサイシンの「からさ」は、実は痛覚を刺激している事が、分子細胞生物学的な研究により明らかになっている。 このカプサイシンは、触覚の痛覚も刺激しており、その証拠に、カプサイシンを手で触ると、手がヒリヒリする事が知られている。 熱いものを触ったときに、無意識に手をひっこめたりする反応のように、意識しなくても起こる反応を、反射(はんしゃ)という。 反射では、信号は脳を通らず、脊髄(せきずい)だけを通っている。 反射での反応の命令には、脳は関わっていない。信号の伝わる経路が短く、脳の判断時間も無いので、すばやく反応が行われる。そのため、危険から、とっさに身を守るのに、反射は都合が良い。 このように、脳を経由しない反射のことを、せきずいが経由されるので、せきずい反射 と言う。 暗いところから明るいところになったとき、 人間では、じつは瞳(ひとみ)の大きさが調節されます。(※ 学校図書の教科書に記述あり。) (人間ではないですが、ネコの瞳が分かりやすいかもしれません。) この瞳の調節も、無意識に行われるので、販社として分類される場合もあります。(※ 学校図書の教科書で、煩瑣yの単元で紹介している。) 動物の中には、ヒトが感知できない感覚を受け取ることができるものもあります。 たとえば、一部の昆虫は、紫外線を感知できます。(※ 東京書籍に記述あり。用語「紫外線」も東京書籍の検定教科書に記載あり。) (ヒトは紫外線を感知できません。) ヘビは、目の上のあたりにあるピットという感覚器官を持ち、獲物などの熱を感知しています。 また、コウモリやイルカは、音波を発して、それが周囲のもんに当たって反射するのを受け取って、周囲の状況の認識に活用しています。(※ 大日本図書に記述あり) (※ 範囲外. 記述なし) なお、工業製品の音波ソナーなども、類似の原理です。 私達の体は骨格によって支えられています。骨は人体の中で最も堅固な部位の一つです。 脳をまもっている、あたまの大きな骨です。 目が入るためのすきまが、あります。 鼻(はな)が通るためのすきまが、あります。 セキツイ(脊椎)とは、背中(せなか)のまんなかにある、首の背中がわから、腰(こし)のあたりまでのびている、一本の長い骨の集まりです。いわゆる「背骨」(せぼね)のことです。 背骨のある動物(どうぶつ)を セキツイ動物(vertebrate) といいます。わたしたち人間も、セキツイ動物です。 ろっ骨(rib)は、胸のあたりにある、かごのような、骨です。ろっ骨は、心臓(しんぞう)と、肺(はい、lung)を、まもっています。 腸(ちょう)などの内臓をまもっている。腸(ちょう)とは、食事(しょくじ)で食べた栄養(えいよう)を体に取りこむ場所です。 筋肉の大部分はタンパク質で出来ています。 骨をうごかすための筋肉は、筋肉のはじっこが、両方(りょうほう)とも、骨についています。このような、骨をうごかすための筋肉を 骨格筋(こっかくきん、英: skeletal muscle)といいます。 骨格筋(こっかくきん)の両はじの、骨についているぶぶんを けん(腱、tendon) といいます。 この骨格筋が、ちぢんだり、ゆるんで元(もと)の長さにもどることで、骨をうごかします。 このしくみで、骨をうごかせるためには、こっかくきんは、両はじが、べつべつの骨に、ついていなければいけません。 関節(かんせつ、joint)は2つの骨(ほね)から成り立ちますが、そのうちのいっぽうは先が丸いです。もういっぽうは骨のさきが、やや くぼんでいます。このようにして、うまく組み合わさるようになっています。骨(ほね)の先が丸く出っぱっているほうを関節頭(かんせつとう)といい、くぼんでいるほうの骨を関節窩(かんせつか)といいます。 関節(かんせつ)は、関節頭(かんせつとう)と関節(かんせつ)と関節窩(かんせつか)をつつんでいる関節包(かんせつほう)を持っています。関節包(かんせつほう)の内がわは滑膜(かつまく)と呼ばれる膜組織(まくそしき)であり、滑膜から滑液(かつえき)とよばれる液(えき)が分泌(ぶんぴつ)されて、その液が関節腔(かんせつくう)をみたしています。滑液(かつえき)にはすべるをよくする役目と、軟骨(なんこつ)に栄養をあたえる役目があります。 関節包(かんせつほう)のまわりには、靭帯(じんたい)があって、じょうぶにしています。 腕(うで)の、ひじのところで、腕をまげるための筋肉と、腕をのばすための筋肉は、べつべつの筋肉です。 もし、一つの筋肉しかなかったら、たとえば、腕を曲げるための筋肉しかなかったら、腕をのばすためには、腕をおろしたりしなければいけません。また、もしも、腕をのばすための筋肉が無いと、腕をのばしたままの恰好で、手をあげることが出来ません。 腕をのばすときには、腕を曲げるときにつかうほうの筋肉はゆるんでいます。 腕をのばすための筋肉がちぢむことで、腕はのびます。 曲げるための筋肉と、のばすための筋肉が、両方ともあることで、私たちたちは、すばやく体を動かせます。 足の筋肉では、ひざのところで足を曲げるための筋肉も、似たような仕組みになっています。 筋肉には、つくりが、2種類ある。平滑筋(へいかつきん、英:smooth muscle)と横紋筋(おうもんきん、英:striated muscle)です。 横紋筋は、骨格筋および心筋(しんきん)に付いている。心筋とは、心臓を動かしている筋肉である。 平滑筋は、内臓を動かすため。内臓に付いている、内臓筋(ないぞうきん)である。 骨格筋(skeletal striated muscle)と心筋(cardiac muscle)は、両方とも横紋筋だが、性質は大きく異なる。 骨格筋は、意思で動き、収縮が早いので急な運動にも適しているが、疲労しやすい。 心筋は、意思で動かず、疲労しない。 セキツイ動物とは、背骨や脊椎と呼ばれる骨格を持つ動物のことを指します。 セキツイ動物には、魚類、両生類、は虫類、鳥類、哺乳類などが含まれます。それぞれのグループは、独自の特徴を持っています。 例えば、 魚類は鱗で覆われた体を持ち、鰭を使って泳ぎます。 両生類は、水生の幼生期と陸生の成体期を持つことが特徴的です。 は虫類は、体表に鱗を持ち、卵を産むことができます。 鳥類は、羽毛やくちばしを持ち、飛ぶことができます。 哺乳類は、毛で覆われ、乳を与えることができます。 セキツイ動物は、内臓がよく発達しており、神経系も高度に進化しています。セキツイ動物は、陸上や海中、空中などの様々な環境に適応し、多様な形態や生態を持っています。 セキツイ動物は、地球上の生物の中でも非常に重要な存在です。私たち人間を含め、多くの生物がセキツイ動物として分類されています。 また、セキツイ動物は、食物連鎖の上位に位置し、生態系において重要な役割を果たしています。 無セキツイ動物とは、背骨がない動物のことを指します。私たちがよく知っている生き物の多くは、セキツイ動物であり、背骨を持っています。 しかし、無セキツイ動物には、ヒトデやイソギンチャク、カニやエビ、貝殻やイカ、昆虫やクモ、ミミズなど、多様な種類の生き物が含まれます。 魚類は、水中に生息するセキツイ動物の一群であり、水中での生活に適応した多くの特徴を持っています。カツオやメダカなどが魚類です。 魚類は、温度によって体温が変化する変温動物です。そのため、水温が変化することで体温が変わり、代謝や生理的な機能に影響を与えることがあります。一方で、魚類は環境温度に適応した体温調節能力を持っており、体内の酵素反応や代謝速度を調節して、生き残るために必要な体温を維持することができます。 魚類は、鰓を使って水中の酸素を摂取し、二酸化炭素を排出することで呼吸を行っています。鰓は、水を通して酸素を取り込み、血液に含まれるヘモグロビンと結合して酸素を運びます。一方、二酸化炭素は血液から鰓へと移動し、水中に排出されます。 魚類の皮膚は、水中で生活するために適応した構造を持っています。魚類の皮膚は多くの種に鱗があり非常に薄く、柔らかいため、水の抵抗を減らすことができます。 魚類は殆どの種が卵生です。雌が卵を産卵したあと雄が放精し水中で卵と精子が出会う体外受精です。 卵から孵化して稚魚となり、成長して成魚となるという過程があります。魚類の卵は、通常水中に産み落とされ、孵化するまでに数日から数週間を要します。孵化した稚魚は、自力で泳ぐことができ、自らの餌を捕食するようになります。成長につれて、稚魚は徐々に成魚に変化していきます。 サメの一部には胎生や卵胎生の種もいます。 両生類とは、カエルや参照雨をなどの動物のことです。カエルの幼生はオタマジャクシと呼ばれ水中で生活しています。 オタマジャクシは鰓を使って水中で呼吸します。成長すると、カエルになり、陸地で生活するようになります。カエルは肺を使って呼吸することができます。 このように、水中と陸上の両方で生活していることから両生類と呼びます。 両生類は卵生で、卵は寒天のような物質で覆われています。受精は体外で行われ、メスが体外に産卵すると、オスが卵に精子をかけることで受精が起こります。 両生類は変温動物で、体温を維持する仕組みがないため、水温や気温が変わると体温も変わります。また、体の表面は粘膜で覆われ、湿っています。 「は虫類」とは、トカゲ、ヘビ、カメ、ワニなどの動物のことを指します。 は虫類は、体温を一定に保つことができず、外部の温度に依存して体温を調節します。これを変温動物と呼びます。 は虫類の体は、頑丈で堅牢な鱗で覆われています。これは、身を守るための防御機構であり、乾燥した環境に適応するための進化的な特徴でもあります。 また、ヘビなどの一部のは虫類は、体を地面に密着させることで振動を感知し、獲物を探し出すことができます。 は虫類は、さまざまな種類があります。たとえば、トカゲにはヤモリ、イグアナ、カメレオンなどがあり、ヘビにはボア、コブラ、マングースなどがいます。 カメは、陸生種と水生種があります。ワニは、世界中の熱帯地域に生息し、大型で強力な動物です。 は虫類は、食物連鎖の上位に位置することが多いため、食物網において重要な役割を果たしています。 また、彼らは人間にとっても、ペットとして飼育されることがあります。 しかし、一部のは虫類は、毒を持っていたり、攻撃的な性格を持っているため、扱い方には注意が必要です。 は虫類は卵生で、子供を生むときには卵を産みます。卵には硬い殻があり、外敵から守ることができます。 受精は、雄の精子が雌の体内で卵子と出会うことで行われます。このような受精方法を体内受精といいます。 「鳥類」とは、私たちが一般的に「とり」と呼ぶ生き物のことです。 スズメ、ニワトリ、ハトなどがその例です。また、ペンギンも鳥類に分類されます。 鳥類は嘴を持ち、ほとんどは飛ぶことができます。 鳥類は哺乳類とは異なる呼吸構造を持っており、気管と気嚢を介して空気を循環させることで、より効率的に酸素を取り込み、二酸化炭素を排出します。この仕組みによって、鳥類は高い運動能力を発揮することができます。 鳥類は卵生であり、かたい殻に包まれた卵を親鳥が温め、世話します。卵から孵った後も、親鳥は子にエサを与え、世話をします。また、鳥類は恒温動物であり、外界の温度に関係なく体温をほぼ一定の範囲内に保つ仕組みを持っています。鳥類の体表面にはふつう羽毛が生えています。 哺乳類とは、母親が子どもに乳を与えて育てる動物のことを指します。 イヌ、ネコ、ウサギ、ウマ、サル、ウシなどが哺乳類に属します。 哺乳類は、体温を一定に保つことができる恒温動物で、内部の調節機構によって体温を調整します。 呼吸は肺で行い、空気は鼻や口から取り入れられ、気管を通って肺に入ります。 皮膚には体毛があり、保温や防御の役割を果たします。 哺乳類は胎生で、胎盤を通じて母体から栄養を得ます。胎盤によって胎児が守られるため、卵生の動物に比べてより発達した状態で生まれることができます。 草食動物と肉食動物の目の位置の違いには、それぞれの生態に合わせた理由がある。 草食動物は、肉食動物から狙われる危険があるため、側面に目を持っている。 側面にある目は、周囲の広い視野を確保することができ、肉食動物の動きを早く察知することができる。 これにより、草食動物は早期に危険を感じ、自分自身を守ることができる。 一方、肉食動物は、獲物を見つけるために前方に目を持っている。 前方にある目は、立体視による深度感を生み出すことができ、獲物の位置や距離を正確に把握することができる。 これにより、肉食動物は狩りの成功率を高めることができる。 草食動物と肉食動物の目の位置の違いは、それぞれの動物が生き残るために必要な適応である。 無セキツイ動物(むせきついどうぶつ、invertebrates)は、脊椎(せきつい;背骨(せぼね)のこと)を持たない動物分類群です。 無セキツイ動物には、節足動物(せっそくどうぶつ、arthropod)や軟体動物(なんたいどうぶつ、Mollusca)などがあります。 節足動物には、甲殻類(こうかくるい、crustaceans)、昆虫、クモなどが含まれます。 軟体動物には、タコやイカ、マイマイ(カタツムリ)などが含まれます。また、 無セキツイ動物はすべて、変温動物であるという特徴があります。 節足動物(せっそくどうぶつ)は、動物界の大きなグループの1つであり、多様な種類の節足動物が存在します。 このグループには、昆虫、クモ、サソリ、ザリガニ、エビ、カニなどが含まれます。 節足動物は、体を節(ふし;segment)に分け、各節に1対の脚を持つ特徴があります。 多くの節足動物は、硬い外骨格(がいこっかく;exoskeleton)を持ち、この外骨格は保護や筋肉の付着の役割を果たします。 また、節足動物は、気管呼吸系を持つことが一般的で、鰓呼吸(はいこきゅう)を行うものもいます。 昆虫は(こんちゅう)は、陸上生物の中でも最も多様性に富んだグループの一つであり、世界中に約100万種が存在します。昆虫は、体が3つの節からなる頭胸部と、10の節からなる腹部で構成されています。 昆虫は外骨格を持ち、その外骨格は保護や運動をサポートする役割を持っています。また、昆虫の足は非常に多様で、適応に応じて形態が変化することがあります。 昆虫は気管呼吸を行います。気管は、体内に分枝している管であり、体内に酸素を取り入れることができます。このため、昆虫は非常に高い代謝率を持ち、飛行や高速移動が可能となっています。 昆虫は通常、卵生生殖を行います。雄が精子を雌に送り込むことで、卵が受精し、幼虫が孵化します。幼虫はしばしば成体とは異なる形態を持ち、成長してから成体になります。ただし、一部の昆虫は卵生生殖ではなく、生きた仔を生んだり、単為生殖を行ったりすることがあります。 ザリガニやエビ、カニの場合 甲殻類(こうかくるい)は、節足動物に属する多様な種類の動物で、海や淡水、陸上に生息しています。 体は外骨格で覆われ、複数の節に分かれています。 甲殻類の呼吸は、鰓(えら)を用いて行われます。鰓は、水中の酸素を吸収することができます。一方、陸上に生息する甲殻類の多くは、気門を持っており、気中の酸素を吸収することができます。 多くの種類では、メスは卵を産み、オスが精子を放出して受精させます。また、一部の種類では単為生殖も行われます。 ダンゴムシは、陸上に生息する甲殻類の一種です。体は丸い形をしており、外骨格によって覆われています。 ダンゴムシは、擬気管(ぎきかん)と呼ばれる肺に類似した器官を持っており、気中の酸素を吸収することができます。 また、ダンゴムシは卵生で、オスがメスが交尾することで受精します。卵から孵化した幼虫は、脱皮を繰り返して成長します。 軟体動物(なんたい どうぶつ)は、軟らかい体を持つ多細胞動物の総称です。このグループには、貝類、マイマイ、イカやタコ、などがふくまれます。 貝類(かいるい)は、無脊椎動物の一群で、外殻を持ち、水中で生活するものや陸上に生息するものなど多様な種類が存在する。 呼吸に関しては、水生貝類は鰓(えら)を用いて酸素を取り入れる二酸化炭素を排出する「えら呼吸(branchial respiration)」をおこなう。 一方、陸生貝類は肺を持ち、肺呼吸(lung breathing)をおこなう。 体構造:貝類は二枚貝、巻貝、腹足類、頭足類などの分類群に分けられます。多くの貝類は、二枚の殻を持ち、その中に身を収めています。巻貝は螺旋状の殻を持ち、腹足類は単殻または螺旋状の殻を持ち、頭足類は殻を持たず、鰓脚類や軟体類などの形態を取ります。貝類の体の中心には消化管、神経系、循環器系、排泄器官があります。 呼吸:貝類の多くは、鰓を使って呼吸を行います。鰓は水中にある酸素を取り込み、二酸化炭素を排出します。鰓は、二枚貝の場合はマントル腔内にあり、腹足類や頭足類の場合は体の側面にある鰓室内にあります。 発生:貝類の多くは、卵生であり、水中で孵化します。孵化した幼生は、二枚貝の場合は浮遊生活を送り、巻貝や腹足類の場合は底生生活を始めます。成長するにつれ、貝殻が成長し、内部の身体がそれに合わせて変化します。成熟した貝は、種によっては繁殖行動を行い、卵を産みつけることで次世代を残します。 頭足類(とうそくるい) は、イカやタコなどを含む軟体動物の分類群である。 この分類群の特徴は、足が頭部から出ていることである。頭足類は、胴部が頭部よりも上にあり、内臓が胴部につまっている。 イカやタコは、えら呼吸を行い、卵生である。 分子生物学的手法による遺伝子解析は、生物種の進化的関係を推定する上で重要な役割を果たしています。これらの手法を用いると、無脊椎動物の多くが脊椎動物とは異なる遺伝子配列を持っていることが明らかになっています。たとえば、環形動物門(Annelida)の多くの種は、脊椎動物の遺伝子とは異なるヘモグロビンタンパク質を持っていることが知られています。これは、環形動物門が脊椎動物とは異なる進化的経路をたどったことを示しています。 また、現在では無脊椎動物の中にも、共通の祖先を持つ系統がいくつか特定されています。たとえば、軟体動物門(Mollusca)や刺胞動物門(Cnidaria)は、分子生物学的解析によって、それぞれ単系統群であることが示されています。しかし、これらの系統は、他の無脊椎動物群とは異なる特徴を持っており、一般的には無脊椎動物全体の進化的関係にはあまり影響を与えません。 このように、無脊椎動物は多系統であることが分子生物学的な解析から示唆されています。しかし、その多様性は同時に、進化の素晴らしい証拠でもあります。生物の多様性を理解する上で、無脊椎動物の研究は非常に重要であると言えます。
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火山(かざん、volcano)の地下深い場所には、岩石(rock)が高温で溶けた、どろどろの高温の物質があり、これを マグマ(magma) という。このマグマが、割れ目や火口などから、ふきだすことを、火山の 噴火(ふんか、erupt (動詞) ) と言う。そして、このようなマグマが吹き出す山を火山(かざん、英: volcano)という。 マグマが地上に流れ出したものを 溶岩(ようがん、lava) という。溶岩は地表に出てきたばかりのときは液体状である。ところが、地上で溶岩が冷えると、しだいに溶岩は固体になっていく。溶けた状態の溶岩と、固まった状態の溶岩の、どちらとも溶岩という。 固まった状態の溶岩の表面には、無数の小さな穴が見られる。 火山の溶岩は地下100kmくらいの地中深くから上がってきて、地下10km~数kmくらいのマグマだまり(magma chamber)にたまる。マグマは大陸プレートの中を上昇してきている。プレート(plate)とは、地球の表面をおおう厚さ数百kmの岩板の層(layer)である。プレートは1年間に数cmほどだが動いている。 火山では、はげしい噴火をした場合、火口のちかくの岩石がくだけたりして、石や砂や岩や灰などを吹き飛ばしてまきちらすことがある。このような物を 火山噴出物(かざん ふんしゅつぶつ) という。 この火山噴出物は、大きさによって、分類される。 火山噴出物のうち、直径2mmより大きく、まだ、かたまっていなく、溶けた溶岩がまじってる場合は、火山弾(かざんだん)という。 火山から噴出した気体を 火山ガス という。火山ガスの成分のほとんどは、水蒸気である。(火山ガスの90%以上は水蒸気である。) 水蒸気のほか、二酸化炭素、二酸化硫黄、塩化水素、硫化水素なども、ふくまれる。「ガス」GASとは、英語で「気体」の意味である。 色が白っぽく、表面にたくさんの小さな穴があいている。 石や岩の出来かたには、いろいろなできかたがあるが、マグマが冷えて、かたまって、岩や石ができた場合、それらを 火成岩(かせいがん、igneous rock) という。 深成岩は、ゆっくりと冷えるて出来るので、結晶が大きい。また、結晶の大きさがそろっている。このような、同じような大きさの結晶が、つまっているつくりを 等粒状組織(とうりゅうじょう そしき) という。 火山岩は、急に冷やされるので、結晶になっていない 石基(せっき) という部分が多い。その石基のなかに、いくつか、結晶が散らばって存在している。このため、火山岩は結晶や粒の大きさがそろっていない。この火山岩の石器の中に散らばってる結晶を 斑晶(はんしょう) という。 そして、このような石基の中に、いくつか斑晶が、ちらばっている構造を 斑状組織(はんじょうそしき) という。 火成岩の鉱物は、おもに、セキエイ、チョウ石(チョウセキ)、クロウンモ(黒雲母)、カクセン石(カクセンセキ、角閃石)、キ石(キセキ、輝石)、カンラン石(カンランセキ)の6つからなる。 このうち、無色か白色・灰色である無色鉱物は、セキエイ(無色か白色)とチョウ石(白色か灰色)である。有色鉱物はクロウンモ(黒色)、カクセン石(黒色)、キ石(黒緑色)、カンラン石(うす緑色) ※ 鉱物の結晶構造の画像がウィキペディア内に見当たらないので、参考書や外部サイトなどで鉱物の結晶構造を見てください。 この他、磁鉄鉱(じてつこう)も、有色鉱物である。磁鉄鉱は黒色であり、磁石に付く。 なお、宝石の「水晶」(すいしょう)は、高純度なセキエイの結晶であり、普通は無色で透明である。 どの火成岩にも、チョウ石が、ふくまれている。 ダイヤモンドは、炭素の結晶である。傷のつきにくさでは、「ダイアモンドが、地球上では、もっとも傷がつきにくい」などと科学界でも言われている。 ※ そのため、近代ごろの日本では、仏教などに伝わる想像上の金属「金剛」(こんごう)になぞらえて、ダイヤモンドが「金剛石」(こんごうせき)と呼ばれた時代もある。(※ 「金剛力士像」(こんごうりきしぞう)とか、日本史で習ったのを思い出そう。) ルビーは、酸化アルミニウムをおもな成分として、すこしだけクロムがまざったものである。 なお、ダイヤモンドは、地球の内部の奥深くの高温と高圧によって、炭素が固まって、できたものである。 なので人工的にも、高温と高圧の条件で、炭素を反応させることによって、ダイヤモンドが合成できる。 人工ダイヤモンドは、その硬さ(かたさ)をいかして、工業用のカッターに加える材料などに使われている。 なお、ダイヤモンドは燃える。ダイヤモンドは炭素で出来ているので、火を近づけると、空気中の酸素と、ダイヤモンドの炭素とが反応して、燃えてしまう。 マグマの ねばりけ は、ふくまれる二酸化ケイ素の割合によって決まる。二酸化ケイ素の多いマグマのほうが、ねばねばしている。そして、マグマの ねばりけ によって、溶岩の流れる様子がちがうので、噴火の様子などが変わってくる。 マグマのねばりけ によって、山の形もちがってくる。これらの火山の形は、過去に噴火して流れた溶岩が固まって出来たものである。 傾斜の ゆるやかな火山 ・・・ ねばりけの弱いマグマの火山の場合は、溶岩が広がりやすいので、山はなだらかになる。ハワイのマウナロア山が、このような、ねばりけの弱いマグマの火山の例である。このような、傾斜のゆるく、広がった火山を、楯状火山(たてじょうかざん)という。アメリカハワイ州のキラウエア山も、楯状火山である。 もりあがった火山 ・・・ いっぽう、マグマの ねばりけ が強い火山は、もりあがったような形をしている。昭和新山(しょうわしんざん)が、このようなねばりけの強いマグマの火山である。このようなもりあがった形の火山を、溶岩ドーム(ようがんドーム)という。なお、昭和新山のことを、有珠山(うすざん)ともいう。昭和新山の他には、雲仙普賢岳(うんぜん ふげんだけ)が、この溶岩ドームの火山である。 富士山や桜島(さくらじま、鹿児島県)、浅間山(あさまやま)は、ねばりけが中間ぐらいであり、円すい形の形をしている。このような形の火山を、成層火山(せいそう かざん)という。 地震(じしん、earthquake)とはプレートや地盤、岩盤にずれが生じることで起こる現象。(なお月で起こる地震を、月震「げっしん」という) プレートとは、地球の表面をおおう、厚さ数百kmの岩板の層である。地球上には、いくつものプレートがある。それぞれのプレートは、それぞれの方向に1年間に数cmほどだが動いており、そのため他のプレートなどに力をおよぼしあっている。 地面がゆれる、地震(じしん、英: earthquake)の原因は、じつはプレートの力です。プレートが、地球の中にもどる場所の近くで、プレートは、反対側の地中には戻らないほうの岩盤(がんばん)にも、引きずりこむような力を加えるので、プレートは岩盤をひずませます。岩盤に力が、かかり続けると、ある時期に、岩盤の一部が、こわれます。このときの揺れ(ゆれ)が、地震です。 海中にあるプレートを 海洋プレート(かいようプレート) と言います。陸地の下にあるプレートを 大陸プレート(たいりくプレート) と言います。 プレートとプレートとが交わるところでは、地震が起きやすいです。日本列島の周囲でも、いくつかのプレートが交わっているので、日本は地震が多いです。日本では、ユーラシアプレートと北アメリカプレートと太平洋プレートとフィリピン海プレートの、あわせて4つのプレートが、日本の下で、押し合っています。 地震の際、地面の一部が切れてずれる場合があります。このような切れた地面の層を 断層(だんそう、英: fault) と言います。断層とは、地層にかぎりません。 断層の原因も、元々は、プレートによる力です。 大きな地震のあとに、断層が生じる場合もあります。 断層は、その断層ができる前の地面を引っ張る力によって、その断層が生じた場合、断層のかたほうがずり落ちるようになりますが、この断層を 正断層(せいだんそう 、normal fault) と言います。 いっぽう、押し合う力によって作られた断層は、断層が押しあがるようになりますが、この断層を 逆断層(ぎゃくだんそう、reverse fault) と言います。 地震の用語 地震は、ひずみに耐え切れ(たえきれ)なくなった地下の岩盤(がんばん)の破壊によって、おこる。その破壊した岩盤の位置(いち)である。したがって、震源は、地中にあるのが、ふつう。 震源の真上にある、地表での位置。 地震が起きた時の、その地震を観測した影響をもとに、震度(しんど、seismic intensity)として階級分けがされている。震度は、エネルギーの大きさとは、関係がない。 日本では、震度は、震度0から震度7までがある。震度には、震度5と震度6で、震度5弱と震度5強があり、震度6弱と震度6強があるので、震度は合計で10段階にわけられている。 震度とは地震の観測場所での地震の影響なので、同じ震源で起きた地震でも、震度の観測場所によって、震度の大きさは違ってくる。 一般に、震源に近い場所ほど、震度は大きくなる。震源から遠くなると、震度は小さくなる。 地震のゆれの大きさを記録する機械を 地震計(じしんけい、seismometers) といいます。 地震のときに、地震計の全部が、ゆれてしまっては、記録のしようがありまえん。 地震計では、地震が来ても、うごかない部分をつくる必要があります。 それには ふりこ のしくみを利用します。ふりこの支点を手で持って、支点をはやく動かしても、ふりこのおもりは、ゆっくりとしか動きません。この現象を利用すれば、地震計で、地震が来てもうごかない部分をつくれます。このような地震でも動かない点のことを不動点(ふどうてん)という。不動点としての おもり に、ペンを取り付けて、自動回転している円筒状の記録用紙に記録している。 一つの振り子だと、一方向のゆれしか記録できないので、3つの振り子と3つの記録用紙を使って、(一つの振り子に、1つの記録用紙を使ってる。)東西方向・南北方向・上下方向の3方向を、地震計は記録している。 日本各地にある、地震計を設置している場所を地震観測点(じしん かんそくてん)と、いいます。 地震のエネルギーの大きさは、マグニチュード(magnitude)という単位で、あらわします。記号は、「M」です。ふつうの地震では、M4~M6くらい。大地震ではM7~M9くらいになる。 マグニチュードが1大きくなると、エネルギーの大きさは、約31倍から約32倍になります。なので、マグニチュードが2大きくなると、エネルギーの大きさは、約1000倍になります。(かけ算で31×31と、32×32とを計算して、確認してみよう。) マグニチュードと、震度との関係は、よく 例え として、電球の明るさ( 光度(こうど) )と、照らされた場所の明るさ( 照度(しょうど) )に、たとえられる。電球の明るさが同じでも、照らされた場所の距離が遠ければ、照らされた場所の明るさは減ってくる。 マグニチュードが低くても、震源が内陸で浅いと、被害が大きくなる場合が有る。このような震源が内陸で浅い地震のことを直下型地震(ちょっかがた じしん)という。 1995年の兵庫県南部地震のマグニチュードはM7.2である。2011年の東北太平洋沖地震はM9.0である。なお、新潟県中越地震(2004年)と、新潟県中越沖地震(2007年)は、別の地震。 地震のつたわってくる場合、最初に小さい ゆれ が来てから、しばらくしてから、それより大きなゆれが伝わってくることが多い。 このようなことが起きる理由は、じつは地震のつたわり方には2種類あるからである。 まず、最初の小さなゆれのことを 初期微動(しょきびどう、preliminary tremor)という。 つづけて、やって来る、大きなゆれのことを 主要動(しゅようどう)という。 地震がおきると、先に、P波(ピーは)という速い波が伝わってきてから、あとでS波(エスは)という遅い波が、つたわってくる。 Pは英語で、「最初の」とか「始めの」とかを意味する プライマリー primary という語句の頭文字です。S波のSは、英語で「2番目」とかを意味する セカンド second です。 ここでいう、P波とかS波とかの「波」とは、揺れ(ゆれ)の、伝わり(つたわり)のことである。振動(しんどう)の つたわり のことである。べつに、海の波のような液体が、地中を流れているわけではないので、まちがえないように。 さて、P波は たて波 という伝わり方であり、S波は横波(よこなみ)という伝わり方である。 たて波のP波は、よこ波のS波よりも速度が大きいので、さきにP波がとどき、あとからS波がとどく。このことから、最初に、(プライマリーに、)たて波がとどくので、最初に届く たて波 がP波(primary wave、プライマリーウェイブ)と呼ばれるようになったわけである。 地面の上に、大きな振動をあたえるのは、横波であるS波のほうである。この横波のS波を 主要動(しゅようどう) という。 なので、さきにP波がとどいて少しゆれたあとに、ちょっと時間がたってからS波が来て、S波の主要動で大きく、ゆれる。 最初に縦波のP波がきてから、よこなみのS波がくるまでのあいだを 初期微動(しょきびどう) という。S波が来るまでは、初期微動がつづく。ある地点でのP波とS波との到着時刻の差のことを、初期微動続時間(しょきびどう けいぞくじかん)という。初期微動継続時間とは、つまり、初期微動を感じる長さである。 初期微動継続時間は、震源からの距離に比例することが分かっている。初期微動継続時間が長いほど、震源からの距離も大きい。もし、地震の伝わる速度が分かっていれば、初期微動継続時間によって、震源までの距離を求めることができる。 地震の伝わる速度が分かっていれば、複数の観測地点で初期微動継続時間を測れば、その測定結果から、震源の位置を数学の連立方程式で求めることが出来る。 P波とS波の到着時刻から、震源までの距離を求めるための公式として、つぎのような公式が知られている。 震源までの距離を d {\displaystyle d} kmとして、P波の速度を v p {\displaystyle v_{p}} km/秒 として、S波の速度を v s {\displaystyle v_{s}} km/秒 として 、初期微動のつづく時間を t {\displaystyle t} 秒とすると、 v p ⋅ v s v p − v s {\displaystyle {\frac {v_{p}\cdot v_{s}}{v_{p}-v_{s}}}} はふつうは 6 km/秒 〜 8 km/秒 で 大森係数(おおもりけいすう) といい、記号で k {\displaystyle k} と書く。これより、大森公式は である。 イメージしやすいように、数をいれよう。Kは、だいたい6 km/秒 〜 8 km/秒なので、ここでは、k=7 km/秒としよう。 として、d=震源までの距離(km)で、tは初期微動継続時間(秒)なので、 である。 大森公式を利用すると、いくつもの観測地点で震源までのきょりをもとめると、そこから震源の位置を見いだすことができる。 3つの観測地点からの震源までの距離が求まれば、そこから、連立方程式で、震央および震源の位置を決定できる。 いま、地球上にある、いくつかの大陸は、むかしは、ひとつの大きな大陸だったことがわかっています。そのひとつの大きな大陸のなまえを パンゲア といいます。 ドイツの気象学者のウェゲナーは大西洋をはさんだ両岸の大陸の形状(特にアフリカと南アメリカ)が、ほぼ一致することから、大昔は、このアフリカと南アメリカはおなじ大陸だったのが分裂したのではないか、と考えました。 また、アフリカと南アメリカは、地質や生物の分布も、にていることから、ますます、おなじ大陸と考えるようになりました。 ウェゲナーは、このようなアフリカと南アメリカは、昔はおなじ大陸だったという説を1912年に発表しました。 しかし、当時の人々の理解は得られませんでした。また、ウェゲナー本人も、どのような力で、大陸が動いているのかは、わかりませんでした。 ウェゲナーは大陸が動いていることの証拠を探す探検のためグリーンランドを探検している最中の1930年に、50才でウェゲナーは死んでしまいます。 ウェゲナーの唱えた大陸移動説は、彼の生存中は学会の多数からは、みとめられることはありませんでした。 それから、数十年がたってから、技術の進歩で、海底の研究が進みます。すると、どうやら、海底の奥ふかくから、溶岩が次々と、わき出している場所があることが見つかります。これは 海嶺(かいれい、oceanic ridge) の発見です。大西洋の中央や、太平洋のチリ沖のイースター島の付近など、地球上のいくつかの海底に、海れいは、あります。 いっぽう、海底の奥深くで、地面が地中に引きこまれている場所も見つかります。これが 海溝(かいこう、trench) です。 太平洋のマリアナ諸島の近くのマリアナ海溝や、伊豆・小笠原海溝など、いくつかの海溝が、あります。 海嶺や海溝の研究から、地中や海中のプレートとよばれる岩ばんが動いていることがわかります。 ウェゲナーの大陸移動説は、プレートにのっかった大陸が、プレートごと動くという考え方で説明できるようになりました。 溶岩(ようがん)が、かたまるとき、地磁気の方向で、溶岩がかたまり、溶岩にほんの少しだけ、磁気が、のこります。この、古い地質の磁気の方向をしらべることで、大陸移動説は、証明(しょうめい)されました。 地震はプレートのひずみによって起きることが分かっています。大陸プレートと海洋プレートの押し合いでひずんだプレートが、ひずみに、たえきれなくなって、元にもどるときに、地震が発生します。 そしてプレートをひずませる力の原因は、プレートが地中に引き込まれることです。 プレートの運動によって、地震がおきるという考え方を プレートテクトニクス(英: plate tectonics) と、いいます。 日本列島は、太平洋をとりまく環太平洋造山帯(かんたいへいよう ぞうざんたい、英:circum-Pacific belt または Ring of Fire)という地帯に含まれています。「環太平洋造山帯」という名前のとおり、太平洋をとりまく位置にある造山帯です。 この環太平洋造山帯がある位置は、プレートの境界にあたることが多く、そのため地震や火山も多いです。そのため「環太平洋 火山 帯」という場合もあります。 いっぽう、インド地方にあるヒマラヤ山脈は、アルプス=ヒマラヤ造山帯という、別の造山帯である。 山の斜面などを切りくずすと、小石や砂、ねんどなどが、層(そう)になっていることがあります。このような地中から出てきた層を 地層(ちそう) とよびます。 地層は、川の流れによってできる。その地層は、今でこそ、地上にあるが、大昔は、海などの底にあったのである。地層は、川の流れなど、水の流れによって、土砂が積もって出来たのである。 実際に、地層の中にある石を見ると、丸みをおびている石が多い。また、魚の骨や、貝のカラなどが見つかる場合もある。 これらの事から、地層が出来上がるには、水の流れが、関わっていることが、予想できるだろう。 では、水の中で、土砂(どしゃ)は、どのように積もっていくのだろうか。これは、実験すれば、答えは分かる。 実験した結果は、石や砂や粘土を混ぜたものを、透明なコップに入れた止まった水の中に入れると、まず、一番下に石が積もる。石の上に砂が積もる。さらに、その砂の上に粘土が積もる。 土砂が海中に流される場合は、陸側の近くの海中に、まず石が多く積もる。少し離れた場所に砂が多く積もる。粘土は、いちばん遠くまで、流されて積もることが知られている。 また、海中の土砂は、より古くに積もった土砂ほど、下に来る。なので、普通は、古い地層ほど、下に来る。 では、もともと海中にあった土砂が、なぜ地上に出てきて、地層として、見られるのだろうか。 地層によって、いくつかの原因があります。 地面が、盛り上がることがあります。この原因は、なんでしょうか。 じつは、地面は動いてるのです。とてもゆっくりですが、動いているのです。地面は、プレートという物の上に乗っかっていて、そのプレートが動いているのです。地球上には、いくつものプレートがあります。プレートと、他のプレートがまじわる所では、プレート同士が押し合う(おしあう)場合もあります。プレート同士が押し合う場合、プレートの上に地面があれば、その地面も押しつけられるので、地面が盛り上がります。こうして、地面が盛り上がる場合があります。 インド地方にあるヒマラヤ山脈は、プレートが押し合って出来た山脈です。インド半島は、約5500年前は、かつて離れていました。 その後、3800年前、2400年前、・・・と、インド半島をのせたプレートの運動によって、インド半島が、ユーラシア大陸に衝突して、インド半島の一部が押し上げられました。こうしてヒマラヤ山脈ができた。ヒマラヤ山脈の化石(fossil)には、アンモナイトの化石もあります。 大地が盛り上がることを隆起(りゅうき)といいます。いっぽう、大地がしずむことを沈降(ちんこう)といいます。 海岸段丘(かいがん だんきゅう)は、海岸線近くの海底が、水のはたらきで平らになったあとに、隆起によって地上に押し上げられて、出来る地形である。隆起された平らな地形の一部は、海水ちかくが侵食を受けて削られ、階段状になっていく。 一方、川沿いにできる河岸段丘(かがん だんきゅう)は、堆積した土砂によって出来た、平らな河原(かわら)が、隆起して、出来る地形である。隆起された平らな地形の一部は、海水ちかくが侵食を受けて削られ、階段状になっていく。 リアス式海岸は、起伏の多い山地が沈降して、できた地形である。 リアス式海岸が、さらに沈降すると、山頂や尾根だけが水面から出るので、多くの小さな島からなる多島海(たとうかい)になる。 地層の層は、水平とは かぎりません。地層が曲がっていて、一部分だけ、盛り上がっている場合もあります。このような地層の形を しゅう曲(しゅうきょく,褶曲) と言います。しゅう曲の原因は、プレートの動きによって、両側から押し付けられる力が加わったからです。 地層のしゅう曲で、山になっている部分を 背斜(はいしゃ) といいます。地層のしゅうきょくで谷になってる部分を 向斜(こうしゃ) といいます。 地層が押し合った場合に、必ずしも曲がるとは限らず、地層が切れる場合もあります。 このような切れてずれた地面を、 断層(だんそう) と言います。断層とは、地層にかぎりません。 断層の原因も、元々は、プレートによる力です。 大きな地震のあとに、断層が生じる場合もあります。 断層にかかる力の方向は、押し付けあう方向だけとは、かぎりません。 地面に、引っ張られる力が加わって、断層ができる場合もあります。 しゅう曲によって、地層の石や砂や粘土の、上下の関係が、曲がったところで、逆転したり、変化することがある。 断層も、地層の石や砂や粘土の、上下の関係が、切れたところで、逆転したり、変化することがある。 動物の肉は、死んでしまうと、すぐに分解されていく。しかし動物の骨は、分解されづらい。地上に骨がある場合は、壊れやすいが、地中にある場合は、骨が、かなり長く、のこる場合もある。 このようにして、大昔の生き物の骨やカラなどが残ったものを 化石(かせき、英語:fossil) という。 骨だけでなく、大昔の貝が残った物も、化石である。 また、大昔の動物の「足あと」などの痕跡(こんせき)でも、大昔の動物の痕跡がキッチリと残っていれば、それらは化石として扱う。 動物にかぎらず、植物などでも、大昔の植物の痕跡(こんせき)なら、化石という。 化石によって、その地層が出きたときの、まわりの環境が分かります。 たとえば、地層の、ある層の部分から、貝の化石が出てきたら、地層の、その層の部分が出きた時期には、その地層は、海底にあった可能性が高いことが分かります。貝のアサリの化石なら、アサリは、海の浅いところにすむので、そういった環境まで、知ることができます。 もし、サンゴの化石があれば、サンゴは、あたたかい地域の海にしか生息しないので、その地層は「昔は海だった」ということと、その化石が出きた時期は、気候があたたかい場所だったことが分かります。サンゴの化石のような、たい積したころの環境をしめすような化石を 示相化石(しそう かせき、facies fossil) といいます。 シジミは、淡水(たんすい)にすむ海である。淡水とは、川や池や湖のような、海水を含まない水である。なので、シジミの化石があれば、そのような環境だったことが分かる。シジミの化石も示相化石である。 地球の年齢は、さまざまな調査で、およそ 45億年 であることが分かっています。 地球上で発見されている、もっとも古い化石は38億年まえの化石といわれています。 それ以前の時代は、岩石そのものが少ない時代です。 人類が出る前の時代などは、文字の記録が残っていないのえ、地質調査などで調べるしかない時代です。このような人類以前の大昔の時代を 地質時代(ちしつじだい、英語:Geologic time scale;Geological age) といいます。 化石を調べて行った結果、時代ごとに特徴のちがいがあることが分かり、地質時代を分けて、先カンブリア時代((せんカンブリアじだい、Precambrian (age))と、 古生代(こせいだい、英: Paleozoic era)と、中生代(ちゅうせいだい、英語:Mesozoic era)と、新生代(しんせいだい、英: Cenozoic era)とに、時代を分けています。 サンヨウチュウ (Trilobite、トリロバイト)のさかえた時代は 古生代 です。古生代は、約5億4200万年前から 約2億5100万年前です。 この古生代には、他にも サンゴ や フズリナ や ウミユリ などがさかえました。 古生代にあらわれ始めた シーラカンス(coelacanth) は、いまも、子孫が生きのこっています。 植物では、シダ植物が、さかえました。 中生代(ちゅうせいだい)は、恐竜(きょうりゅう)や、は虫類が、さかえた時代です。 中生代は、約2億5000万年前から約6500万年前までです。 また、中生代の海では、 アンモナイト(Ammonite) が、さかえました。 恐竜の祖先である シソチョウ(Archaeopteryx) が、あらわれた時代も中生代です。 恐竜の化石やシソチョウの化石は、地層の時代を知ることのできる示準化石(しじゅんかせき、index fossil)です。 約6,500万年前から現代までを 新生代(しんせいだい、英: Cenozoic era) といいます。 新生代のうち、約6,500万年前から約200万年前までを第三紀といい、約200万年前から現代までを第四紀と分ける。 第四紀は、人類の祖先が出現し始めた時期です。 第四紀は、ナウマン象やマンモスが出現した時代でもある。 中生代までは、さかえていた恐竜が、新生代に入っては、絶滅(ぜつめつ)します。 また、第四紀は、氷河期(ひょうがき)があった時代です。 氷河期の時代は、海の水面が下がり、日本列島は大陸と地続きになりました。そのため、マンモスなどの動物は、あるいて日本列島にやってきました。 モンモスの化石は、地層の時代を知ることのできる示準化石です。 大昔の化石の年代は、どのようにして分かったのでしょうか? それは、 放射性元素(ほうしゃせい どういげんそ) というものを分析しています。 放射線を出す元素を、放射性元素(ほうしゃせい どういげんそ)といいます。 たとえばウランという元素が、放射性元素です。 ウランは、時間がたつと、ある割合でこわれて、べつの元素に、かわります。 放射性元素は、時間がたつと、ある割り合いでこわれて、べつの元素に、かわります、 このウランのように、化石や地層のなかにふくまれた放射性元素をだす元素の量をしらべることで、その化石ができてから、どのくらいの時間がたったかを調べることができます。 このような、放射性元素をはかる測定方法を 放射性年代分析(ほうしゃせい ねんだいぶんせき) と、いいます。 川の周りには石が転がっていますね。それは、川の流れにのって石が運ばれてくるからです。 ここでは、流れる水の影響を学びます。 流れる水は、土や砂などを、おしながす・けずりとる・つもらせるの三つのはたらきがあり、頭文字をとってサルのおけつと覚えることができます。 たとえば雨が降った日の水たまりなどをみると、最初は水がたまっていくだけですが、そのうち、水たまりから水があふれて、高いところから低いところに流れていき、とても小さな川のようになります。また、水たまりがいくつもあるので、小さな川もつながっていき、水たまりだったところも、いくつかつながっていきます。 雨が上がってから、水が流れていた水たまりからつくられた小さな流れのあった場所を見ると分かるのですが、流れのあたっところが、けずりとられて、くぼんでいきます。 雨の日の、土の上に出きた水たまりや水の流れなどでは、水が土をけずりとっているので、水は茶色く、にごっています。 流れていった雨水や、水たまりにあった水は、そのあと、どこへ行くかというと、地下にしみこんで行ったり、あるいは、溝などに流んだりします。 雨の日の水たまりからも、「おしながす・けずりとる・つもらせる」の三つの作用が確認できます。 流れる水が地面を、けずり取る作用を しん食(しんしょく、侵食) と言います。 けずり取られた土や砂は、そのまま流れによって下流へと運ばれていきますが、この運ぶ作用を運ぱん(うんぱん、運搬)といいます。 この運ぱんは、水の流れが速いほど、大きな物が運べるようになります。水の流れがおそい場所では、運べなくなるので、その場所に、運んできた物が、たまっていきます。この、流れがおそい場所に、物がたまる作用を たい積(たいせき、堆積) と言います。 けずる作用も、運ぶ作用も、流れが速いほど、強くなる。 川の中での砂や石は、大きさや重さによって流され方がちがう。砂と石なら、砂のほうが流されやすい。このように、つぶが小さな物ほどながされやすい。 ねん土(ねんど、粘土)はつぶ自体は細かいので、かわいた粘土や、固まっていない粘土は、流されやすい。 石でも、小石と大きな石だったら、小さい石ほど流されやすい。 川には曲がっているところがある場合もある。曲がっている川では、外側ほど流れが速く、内側は流れがおそい。 このため、外側はしん食によってけずられるので、がけのように水深が深くなっている。いっぽう、内側はたい積によって、石や砂や粘土がつもっている。このようにして、川の曲がりの内側では、川原(かわら)ができやすい。 川に限らず、流れている物について、流れが始まっている場所を 上流(じょうりゅう) と言います。 たとえば、山から低地へと流れている川だったら、川の上流は、山のほうにあります。 日本の場合、ふつうの川では、川の上流へと、たどっていけば、もっとも上流の場所は、山地です。 このため、川の上流は、かたむきが急で、流れが速いです。水の量は、下流と比べて、上流は少ないです。 上流にある石は、角ばった石が多いです。石は、下流へと近づくに連れて、流れの途中に、石どうしでぶつかったりして、かどが削り取られて丸く小さくなっていきますが、上流ではまだ削られてはいないので、石は角張っていて大きいです。 V字谷 という地形ができやすい。 川が、山から平地に出たあたりを川の中流(ちゅうりゅう)と言います。 中流にある石は、丸まった石が多いです。これは運ぱんのさい中に、石のかどが、石どうしでぶつかったりして、削り取られているからです。 中流での石の大きさも、上流よりかは小さいのが、ふつうです。 また、中流では流れが、ゆるやかになるので、たい積作用も見られやすく、川原がある場合もあります。 川が山地から平地に出た地域の周辺では、土砂などが山側を中心に平地側へ扇状に広がって、たい積した 扇状地(せんじょうち) という地形ができやすいです。 下流では、流れが遅くなり、たい積作用が強まります。また下流での石は、小さく丸い石が多いです。 下流に近づくほど、水量は多くなり、川幅(かわはば)もひろくなります。 地形として、川の下流の周辺では、三角州(さんかくす,river delta)という地形ができやすい。 川は、ふつうは、まっすぐではなく、カーブしているのが、ふつうです。川は、カーブの外側にちかいほど、川の流れ早くて侵食がすすむので、ますますカーブが、はげしくなっていく場合があります。カーブの内側にちかいほうも、たい積が行われるために、ますますカーブが、はげしくなっていきます。 そして、カーブがきつくなりすぎると、そのカーブは、川の本流から外れて、湖になってしまいます。この外れた湖は、カーブをしているので三日月形なので 三日月湖(みかづき こ) といいます。 堆積物が、長い間に押し固められて、できた岩石のことを堆積岩(たいせきがん)という。 堆積岩は、火成岩とはちがい、マグマによる加熱を受けていない。そのため堆積岩の内部には、化石などが残っている場合もある。 れき岩、砂岩、泥岩は、岩石中の粒の大きさによって分類される。 地震のつたわりかたの研究などから、地球の内部には、液体の部分があることが分かっています。 地震の波には、たて波とよこ波がありますが、横波は液体の中をつたわりません。 地球の表面にある、かたい部分を 地殻(ちかく、crust) といいます。地殻のあつさは、陸地では約30kmから約70 kmくらいまでです。 海洋の海底では、約7kmくらいです。 地殻の下には マントル(mantle) という高温の、岩石のようなものでできた物が、あります。マントルは、地殻の下から 2900km くらいまでの深さに、マントルが、あります。 マントルの成分は岩石です。 火山のマグマは、マントルから、できます。 マントルのほとんどは、固体の岩石です。マントルの温度はとても高いのですが、マントルにかかる圧力も高いので、液体にはならずに、マントルは固体なのです。 マグマは、ほとんど固体のマントルの一部が、液体になったものです。 マントルのさらに下には 核(かく) があります。 核は、外側の 外核(がいかく、outer core) と、内側の 内核(ないかく、inner core) とに、わかれます。外核の部分が液体です。 地磁気の原因は、液体の外核が流れ動いていて、そのため核内に電流が流れ、地磁気が発生するのだろう、と考えられています。 核の成分は、鉄やニッケルなどの金属から出来ていると考えられています。 地球の内核は地下5,100 kmから6,400 kmで、固体からなると考えられています。
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ここでは物質の性質が保たれる最小の単位がw:分子であることを説明し、それらは個々の分子の性質をうまく扱うことで他の分子に変化させられることを説明する。また、具体的に分子の組成やw:化学変化の過程を記述する方法として、w:化学式(chemical formula)とw:化学反応式(chemical equation)を導入する。 炭酸水素ナトリウムを加熱すると二酸化炭素と水が発生し、加熱後の物質は炭酸ナトリウムになる。また、酸化銀を加熱すると酸素が発生し、加熱後の物質は銀になる。 1種類の物質から2種類以上の物質に分かれる化学変化を分解という。 乾電池を用いた電気回路で、酸化銀に電気が通るか調べても、酸化銀は電気を通さない。一方、銀は電気をよく通す。なので、分解して別の物質に変わったことが分かる。 もとの物質とは異なる性質を持った物質ができる変化を化学変化(かがくへんか、chemical change)または化学反応(かがくはんのう、chemical reaction)という。分解も、化学変化である。 ・分解の例 物質の分解のやり方は、加熱の他にもある。電気を通しても、分解する。 電気を通すことによって物質を分解することを電気分解(でんきぶんかい、electrolysis、エレクトロシス)または略して電解(でんかい)という。 水を電気分解すると、+極には酸素、-極には水素が発生する。発生した水素の体積は酸素の2倍である。水は水素と酸素に分解できる。 ・水の電気分解 ・発生気体の体積比 塩化銅水溶液を電気分解すると、+極には塩素が発生し、-極には銅が付着する。塩化銅は塩素と銅に分解できる。 実験では、うすい水酸化ナトリウムを溶かしたあとに、電流を流す。水酸化ナトリウムをまぜるのは、電気を通りやすくするため。 (※ 水酸化ナトリウムを扱うときはゴム手袋をする。また、液が目に入らないように安全メガネをする。もし、目に入ったら、すぐに水道水であらい、先生に報告して処置をあおぐ。) 発生する気体について 気体の種類の確認方法 このように、水の電気分解では、水素と酸素が、体積比でかならず の割合で気体が発生する。 物質の分解が起きる現象は、いままでに紹介した、熱による分解 や 電気による分解の他にも、光による分解や化学変化がある。 理科室で使う薬品の液体でも、光によって化学変化しやすい物質は、保管中の化学変化をふせぐために、褐色(かっしょく)の容器に入れられて保管されているのが普通(ふつう)である。 また、さらに棚(たな)の中などの、棚を閉じた状態では光の当たらない場所に保管する事により、保管中の化学変化を防ぐ必要がある。 (※ 参考:) 理科室以外の物質でも光によって分解するものは、ある。よくポスターなどの印刷物の色が何年も経過すると消えることがある理由は、光によって、塗料が分解したことが、色の消える原因である。 すべての物質は、とても小さな粒子が組み合わさって出来ている。 原子の表記には、記号がつけられている。アルファベット1文字か2文字で書ける記号がつけられており、分子の構成を記述するためにはその記号を用いる。この記号はw:元素記号と呼ばれる。ここで、よく知られている原子の元素記号を列記しておく。 など。 書き方の決まりは、 読み方の決まり 他にも様々な元素があり、それらはw:周期表などにまとめられている。周期表はそれぞれの元素を、ある順序に従って並べたものである。周期表の仕組みについて、あとの節で説明する。 ロシアのメンデレーエフによって、1869年に、周期表は作られはじめた。メンデレーエフは、まず原子質量の順に原子を表に並べた。すると、周期的に、化学反応などの性質の似た元素が表にあらわれる事を発見したのである。当時に、まだ知られていない元素があったが、それは、「未発見の元素があるのだろう」とメンデレーエフは考えた。のちに、メンデレーエフの予想したとおり、未発見の元素が、発見された。 原子の質量は、種類によってちがう。もっとも軽い原子は、水素原子である。 水素原子の場合、原子1個の質量は である。(17の前に、0が25個ついている。) 水素元素を集めて1gにするのに何個の原子が必要かというと、 (中学では、語源までは暗記する必要はない。) なお、元素記号の文字の由来は、おもにラテン語あるいはラテン語由来の英語やフランス語、ドイツ語などで表した場合の頭文字である。たとえば水素はラテン語で「hydrogenium」(ヒュドロゲニウム)と言い、英語では「hydrogen」(ハイドロジェン)と言い、それらの頭文字の h を大文字にして、Hという元素記号が水素に付けられた。 (水素「hydrogenium」などのラテン語の表記に関しては、中学では覚える必要はない。) 酸素の元素記号Oも、ラテン語の酸素 oxygenium(オキシゲニウム) などが語源である。英語では酸素は、 ラテン語由来の元素記号は、ナトリウムが分かりやすい例で、ラテン語ではnatrium(発音もナトリウム)といい、ラテン語の発音が、日本での発音とほとんど同じである。いっぽう英語ではナトリウムのことをsodium(ソウディウム)と言い、まったく違う発音である。なお、英語での表記は、ナトリウム化合物を日本語でソーダ(飲料水の「ソーダ水」とは別物。)と言うことなどに影響を残してる。 カリウムKも、英語ではpotassium(ポタシウム)と、まったく元素記号とは別の発音である。ラテン語ではカリウムはkalium(カリウム)と、元素名そのままである。 このように、必ずしも英語の発音に元素記号が近いとは限らない。原則的に、元素記号の表記と、元素名の発音は、ラテン語を語源としている。 銀のAgもラテン語の銀 argentum(アルゲントゥム) が語源である。英語の銀のsilverとは、まったくつづりも発音も異なる。 金のAuもラテン語の金 aurum(アウラム)が語源である。 ともかく、元素記号には、きちんとした根拠があるので、安心して元素記号を覚えてもらいたい。 また、化学の元素記号は世界共通である。たとえば水素だったら、どこの国でも水素の元素記号は H である。 多くの物質では、原子がバラバラに存在していることは無く、いくつかの原子が結びついており、これが集まって物質になっている。 ある物質の分子は、その物質としての性質を持つ最小単位である。分子自身もいくつかの原子が組み合わさることで構成されている。 また、同じ原子からできていても、原子の配置によって異なった性質を示す分子ができる場合もある。そのため、ある分子がどの原子で構成されているかを知るだけでは、物質の性質を予測することはできない。また、反対にある分子がどのような原子でできているかを調べるには、物質ごとの特別な手段を用いる必要がある。ここでは既に性質がよく知られている分子だけを扱うが、分子の性質を調べる手法を知ることが重要である。 分子は、原子の組み合わせでできている。分子が1種類の原子だけで構成されている場合、その分子の呼び名で、原子の名称を流用して用いる場合が多い。 たとえば、水素は、水素原子2つが結びついて水素分子を作る。水素の気体とは、水素分子が、いくつも集まった気体である。 酸素は、酸素原子2つが結びついて酸素分子を作る。酸素の気体とは、酸素分子が、いくつも集まった気体である。 例えば、気体の実験で用いる水素(水素分子)は、2つの水素原子からなっている。この分子の化学式は、 上の例は水素分子である。 酸素分子を元素記号で書くとき、酸素の元素記号Oを用いて、 と書く。 このような、元素記号を用いた分子の記述法をw:化学式と呼ぶ。ある分子の化学式を書くためには、その分子がどのような原子から構成されているかを把握している必要がある。また、化学式から分子の構成を読み取ることもできる。ただし、化学式からは分子の構成以上の情報は読み取れない。 ここで、Hは水素原子の元素記号であり、Hの右下に書かれた添字の2はそれが2つあることを表す。また、水素分子の例にあるように、分子中の原子の数は対応する元素記号の右下に小さい文字でつけるのが書き方である。 水分子(みずぶんし)は、水素原子2個と酸素原子1個が結びついている。 H2Oの読み方は「エイチ・ツー・オー」と読む。 次に、よく知られた代表的な物質の化学式を書き記す。 読み方 ここで、他の気体についても化学式をまとめておく。 ここで、水素や酸素のように単一の原子でできている分子をw:単体(たんたい)と呼ぶ。また、水分子やアンモニアや二酸化炭素のように複数の原子からできている分子を、w:化合物(かごうぶつ)と呼ぶ。 いっぽう、複数の物質が混ざっているものを混合物(こんごうぶつ)という。食塩水は混合物である。砂糖水も混合物である。空気は混合物である。 塩化ナトリウムそのものは、塩素とナトリウムとが化合しているので化合物である。食塩水で、水に塩化ナトリウムが溶けていても、水分子と塩化ナトリウムは化合してはいないので、食塩水は混合物である。 塩化ナトリウムは結晶をつくっており、分子というまとまりを持たないが、原子数の比が、ナトリウム原子と塩素原子の比率は、かならず1:1なので、化学式を書くときは NaCl と書く。 鉄は結晶構造をとり、分子というまとまりを持たない。鉄では鉄原子Feが規則正しく並んでいるので、化学式では Fe で表す。 銅など、他の金属も同様で、結晶構造をとり、分子構造をとらないが、元素記号で分子を表す。 (* 発展 周期表の順序 各々の原子は実は物の最小単位では無く、原子はそれぞれw:原子核(げんしかく)とw:電子(でんし)から構成されている。実際には原子核もいくつかのw:中性子(ちゅうせいし)とw:陽子(ようし)から構成されているのである。個々の原子の違いはその原子の原子核が含む陽子の数と中性子の数によって決まるが、このうち原子の電気的な性質は陽子の数で決まる。周期表はその原子の原子核中の陽子の数によって元素を並べている。例えば、水素原子は陽子を1つ含むので1番目であり、酸素は8個含むので8番目である。また、周期表には各行で原子の数がまちまちだが、これにも理由がある。(これについては高等学校化学、w:遷移元素などを参照。) 中学の範囲において、この表の全てを記憶する必要はないが、原子番号1番から20番までの20個を最低限は覚えておくとよい。 また、カリウムK、カルシウムCa、マンガンMn、鉄Fe、銅Cu、銀Ag、ヨウ素I(大文字のアイ)、金Au、などを覚えておくと良いだろう。 書籍などでの実際の周期表には、つぎのように、原子番号や質量が、元素記号のとなりに書かれる。 左上の数字は原子番号で、左下の数字は炭素原子12Cの質量を12としたときの、その原子のおよその質量である。 書籍によっては、書く位置が違う場合もあるので、その書籍ごとに確認のこと。 それぞれの原子を羅列していくと、 というようになる。 このような、水素原子Hの質量を1としたときの、ヘリウム原子Heの質量比4や、リチウム原子Liの質量比7、ベリリウム原子の質量比9など、水素原子の質量を1としたときの原子の質量比のことを原子量と言う。 より詳しく言うと、現在では、原子量の基準には、炭素原子12Cの質量を12として、原子量の基準にしている。原子量は、一般の中学・高校の理科参考書の周期表を見れば、普通は記載されている。 原子番号と原子量を見ると分かるように、原子量は、元素番号のほぼ2倍だが、しかしピッタリ2倍とは、限らない。 元素記号のとなりに原子番号や原子量を書くときは、周期表を書くときなどに限る。ふつうの化学反応式では、反応式中に原子番号や原子量を書かないのが、普通である。 水素からネオンまで、第一周期から第二周期の終わりまで(横方向)、語呂合わせで「水兵リーベぼくの船」というのが戦前から有名。 なお、リーベとはドイツ語で「愛する」と言う意味。水兵が船を愛している、という内容。 このあと、「名もあるシップス・クラークか」(ナトリウムからカルシウムまで)などと続くが、意味が分かりづらい。シップスはまあSHIP(舟)だとして、クラークって何のことやら。 さらにそのあと、「スコッチ曝露マン」以下略・・・(スカンジウム以降)とか続く。なお、「曝露」は「ばくろ」と読む。スコッチはお酒のウイスキーの一種。 ほか、おそらく平成あたりからだろうが、1族(縦方向)の水素、リチウム、ナトリウムを「エッチなリナちゃん」などと呼ぶのもある。 w:元素記号に語呂合わせの例がある。 中学では、「水平リーベ僕の船」「名もあるシップス クラークか 」と「エッチなリナちゃん」あたりの元素を覚えていれば、あとはカリウムK、カルシウムCa、マンガンMn、鉄Fe、銅Cu、銀Ag、ヨウ素I(大文字のアイ)、金Au、だけ覚え足せば済む。 この程度の元素の順番と位置を覚えておけば、あとは実用的には語呂合わせがあるのを知っていれば十分である。忘れたら実務では周期表を見れば済む。大学入試ではどうだか知らないが。 鉄(てつ)の粉末と硫黄(いおう)の粉末の混合物を加熱すると、硫化鉄(りゅうかてつ)という黒色の粉末ができる。 加熱する前の、鉄と硫黄がまざっただけの粉末は、黄色がかった灰色である。 硫化鉄の化学式は FeS である。 加熱する前の鉄の粉末と硫黄の粉末の混合物は、磁石につく。(鉄粉が磁石につくため) しかし、加熱したあとに出来る硫化鉄の混合物は、磁石につかない。 このように、化学変化をすると、物理的な性質が変わる。 硫化鉄の化学式 FeS もテストに出るので、覚えておこう。このFeSのできる反応は、どの検定教科書にも書いてある代表的な反応なので、おぼえておくこと。 また、銅と硫黄の混合物を加熱すると硫化銅ができる。 このように、2種類以上の物質が結びついてもとの物質と違う別の1種類の物質ができる化学変化を化合(かごう)という。化合した物質を 化合物(かごうぶつ、chemical compound) という。 銅の粉末を加熱すると、銅が空気中の酸素と化合して酸化銅(さんかどう)ができる。酸化銅は、銅と酸素の化合物である。また、炭素を加熱すると、炭素が空気中の酸素と化合して酸化銅ができる。 既にいくつかの場合に、複数の物質が反応し別の物質を作る過程を見てきた。ただし、一口に反応といってもその種類は様々であり、熱を発する物や、複数の物質を生じる物があることには注意が必要である。扱った過程の中には、いくつかの分子から別の分子を生じる過程もあった。例えば、過酸化水素水から水と酸素が生じる反応はこの例である。これらの反応は、どれも分子と分子の反応であり、反応の中で個々の原子が変化することはない。この理由については下の発展を参照。 一般に、通常では原子核は変化しないが、とても大きなエネルギーを加えた場合には変化させることも可能である。このような原子が他の原子に変化する反応はw:核反応(かくはんのう)と呼ばれ、一般にここで扱う反応より高いエネルギーが必要になる。ただし、元々不安定な元素は、勝手に原子核中の中性子が崩壊し、他の元素に変化する場合がある。(詳しくは、w:ベータ崩壊などを参照。) 次に述べる化学反応は、核反応とは異なるので混同しないように注意のこと。 それぞれの分子を化学式で記述する方法を既に学んだ。同じように反応の過程も化学式と似た記号で記述できると便利である。このような記述法をw:化学反応式(かがくはんのうしき、chemical equation)と呼ぶ。化学反応式は化学反応を記述するための一般的な方法だが、反応の詳細(例えば、熱を発するかどうかや反応が進む速度)については記述できないことに注意が必要である。 化学反応式を書くときには真ん中に矢印を書き、左側に反応前の物質の化学式を書き、右側に反応後の物質の化学式を書く。また、複数の物質があるときにはその間に+記号を置く。例えば、上であげた過酸化水素水が水と酸素に分解する反応は次のようになる。 2 H 2 O 2 ⟶ 2 H 2 O + O 2 {\displaystyle {\ce {2H2O2 -> 2H2O + O2}}} ここで、それぞれの分子の化学式の前の数字は、反応に関わる分子の数を表す。上の反応では2つの過酸化水素水分子に対して2つの水分子と1つの酸素分子が生じる。このとき全体に定数をかけても関係は変わらないが、それぞれの定数が公約数1を持つ整数に取る必要がある。 反応中で原子が変化しないことから、式の左辺と右辺で分子の数は変化しない。上の例では、左辺でも右辺でもHが4つと、Oが2つ存在する。 水素と酸素から、水を合成する反応は、つぎの反応式になる。 図示すると、つぎのような図になる。 この水の合成実験は、けっこう危険なので、教員の指示がない限りしなくてよい。 図を見ると分かるように、反応の前後で、原子の個数は変化していない。 鉄を熱したとき、鉄に酸素が結合して酸化鉄になるが、その化合した酸素の分だけ質量が増える。 化学変化の前後で、その変化に関係している物質全体の質量は変わらない。これを質量保存の法則(しつりょうほぞんのほうそく、law of conservation of mass)という。 炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)と塩酸(HCl)を反応させると、二酸化炭素が発生する。 密閉されていない容器の中でこの反応をさせると、発生した二酸化炭素は空気中に逃げていくので、反応前後の質量を比べると、反応後は質量が減少している。 いっぽう、密閉された容器の中で反応させると、発生した二酸化炭素は空気中に逃げていかないため、反応前後の質量は変化しない。 このように、気体が発生する反応でも、質量保存の法則は成り立つ。 なお、この炭酸水素ナトリウムと塩酸の反応でできた液体は、塩化ナトリウムと水の混ざったものである。 化学式も覚えよう。 ※ 炭酸水素ナトリウムそのものは、あまり質量保存の法則では重要ではないのだが、この炭酸水素ナトリウムの実験はどの教科書にも書かれる有名な実験なので、テストにも入試にも出るだろうから、覚えておこう。 水溶液中の反応で、沈殿ができても、質量保存の法則は成り立つ。 塩化バリウム水溶液(BaCl2) に、硫酸(H2SO4)をくわえると、硫酸バリウム(りゅうさんバリウム)(化学式: BaSO4)の白い沈殿ができる。 てんびんなどで、重さを実際に測ってみると分かるのだが、化学反応の前後で、重さは変わらない。 このように、沈殿が生じたところで、合計の質量は変わらず、よって質量保存の法則は成り立つ。 なお、反応後には、塩酸も出来る。 化学式も覚えよう。 ※ 硫酸バリウムそのものは、あまり質量保存の法則では重要ではないのだが、この硫酸バリウムの実験はどの教科書にも書かれる有名な実験なので、テストにも入試にも出るだろうから、覚えておこう。 金属を熱したとき、化合した酸素の分だけ質量が増える。しかし、たとえ酸素がじゅうぶんに存在しても、一定量の金属に化合する酸素の質量には限界がある。また、金属の質量と化合した酸素の量の質量の間には比例の関係がある。 化合する物質の質量の比は一定である。これを定比例の法則(ていひれいのほうそく、law of definite proportions)という。例えば、銅の質量と酸素の質量との比はつねに 4 : 1 {\displaystyle 4:1} であり、マグネシウムの質量と酸素の質量との比はつねに 3 : 2 {\displaystyle 3:2} である。 物質が酸素と化合することを酸化(さんか、oxidation、オキシデイション)という。 たとえば、銅(Cu)が酸化して酸化銅(CuO)ができる反応がある。 燃焼(ねんしょう、combustion、コンバスチョン)とは、化学反応により発熱現象が激しく進行することである。発熱の際に発光を伴うことも多い。 可燃物は、酸素との反応で燃焼をする。 (燃焼とは、必ずしも酸素との反応だけでなく、フッ素と反応して燃焼することもある。中学レベルでの燃焼は、酸素との化合による燃焼を扱う。) 酸化は必ずしも燃焼反応とは限らず、ゆっくり進む場合もある。金属のサビなどは、酸化がゆっくり進んだ現象である。 繊維上の鉄を スチールウール(steel wool) という。色は銀白色である。スチールウールは表面積が大きいので、火であぶると燃焼しやすい。 スチールウールを酸素中で熱すると、激しく反応し、酸素と化合し燃焼する。スチールウールを燃やすと、酸化鉄(さんかてつ、iron oxides)になる。 燃焼前のスチールウールは鉄なので磁石につくが、酸化鉄は磁石につかなくなる。 この酸化鉄の重さは、スチールウールよりも重い。この重さの増加は、酸素が化合して質量が増加したためである。質量を測るには、天びんを用いれば良い。反応前に、あらかじめスチールウールの質量を測定しておいて、反応後の酸化鉄の質量も同様に測定すれば良い。 酸化鉄にはいくつかの種類があり Fe3O4 や Fe2O3 や FeO などがある。スチールウールの燃焼実験ではこれらの物が混在する。 スチールウールの燃焼実験での、燃焼後のスチールウールの外側の表面成分は Fe3O4 が多い事が多いので、これをスチールウールの燃焼反応における酸化鉄の化学式として採用することが多い。 燃焼前のスチールウールは、薄い塩酸にいれると、泡が発生し、また、スチールウールが溶ける。このときの発生した泡は水素である。 鉄 + 塩酸 → 塩化鉄 + 水素 いっぽう、燃焼後の酸化鉄を薄い塩酸に入れても、泡は発生せず、水素は発生しない。ただし、塩酸と反応しないわけではなく、塩化鉄が生成する。 酸化鉄 + 塩酸 → 塩化鉄 + 水 このように、酸化鉄は、鉄とはちがう化学的性質を持つ。これらの実験からも鉄と酸化鉄とは、べつの物質であることが分かる。 木炭など炭素は、酸素と反応すると、二酸化炭素になる。 図にすると、つぎのようになる。 発生後の気体が二酸化炭素であることを確かめる方法には、石灰水に気体を通せば白くにごることから、発生した気体が二酸化炭素であることが分かる。 もし、ある物質を燃やした時に二酸化炭素が生成すれば、その物質は炭素を含んでいたことになる。 木材や紙などを燃やした時に、反応後の燃えカスの質量が、反応前よりも軽くなったりするのは、反応によって生じた二酸化炭素や水蒸気などが空気中に散っていったからである。 ロウソクを燃やした時にロウが減っていくのも、反応によって生じた二酸化炭素や水蒸気が空気中に散逸していくからである。 炭素を含む化合物には、木材の他にも、砂糖やエタノールやロウなどがある。 木材などの炭素を含む有機物は、空気中で燃やすと、木材中の炭素と空気中の酸素とが反応して二酸化炭素ができる。 マグネシウムをリボン状の形にしたものを マグネシウムリボン という。マグネシウムリボンに火をつけて空気中で燃焼させると、酸素と反応し、明るい炎をあげて燃え、酸化マグネシウムになる。 酸化マグネシウムの化学式は MgO である。 マグネシウムには光沢があるが、酸化マグネシウムには光沢はない。 一般に酸化物は、光沢を持たない。酸化マグネシウムの色は白色である。 反応後の物質が、反応前のマグネシウムとは別の物質であることは、次のようにして確かめられる。 反応前と後のマグネシウムのどちらとも、塩酸に入れると溶ける。燃焼前のマグネシウムは、うすい塩酸にいれると泡(水素)が発生する。だが、燃焼後の物質(酸化マグネシウム)をうすい塩酸に入れても反応せず、また、泡も発生しない。 燃焼後の物質(実は酸化マグネシウム)の質量を測定すると、反応前のマグネシウムよりも、反応後は質量が大きくなっている。これは酸素がマグネシウムに化合したため、そのぶんの質量が増えたかあである。 酸化マグネシウムの化学式 MgO は簡単な化学式なので、テストに出やすいので、覚えておこう。 水素(すいそ)は、酸素と反応すると、水になる。 したがって、もし、ある物質を燃やした時に水が生成すれば、その物質は水素を含んでいたことになる。 空気中で銅粉(どうふん)を熱すると、酸化銅(さんかどう、copper oxide、カッパーオキサイド)になる。酸化銅の質量は、酸素が化合したぶんだけ、反応前よりも質量が増えている。 なお、酸化銅には CuO と Cu2O とがある。色はCuOが黒色で、Cu2Oが赤色だが、どちらとも、もとの銅の光沢を失っている。 たとえば、銅(Cu)が酸化して酸化銅(CuO)ができる反応の場合、化学反応式は となる。 黒色の酸化銅である 酸化銅CuO と、 炭素C を混ぜたものを熱すると、赤褐色の粉末になる。 これは、酸化銅が銅に戻った反応である。 化学反応式は以下の式になる。 酸化銅と化合していた酸素は、炭素と反応して二酸化炭素となり、その二酸化炭素は散っていったからである。 炭素は銅から酸素を奪う反応をしたことになる。 このように酸化の逆である、酸素を奪う反応を反応を還元(かんげん、reduction)という。酸化銅と炭素との反応で、酸化銅は還元されたことになる。(還元: 酸化銅→銅) また炭素は、酸化銅を還元したことになる。 いっぽう、炭素自身は酸素と化合して二酸化炭素になったのだから、炭素は酸化したことになる。(酸化: 炭素→二酸化炭素)  このように、ある物質が還元する時は、かならず、同時に別の物質が酸化をしていることになる。 酸化銅の還元は炭素でも可能だが、水素を用いても酸化銅を還元することができる。 ガラス管につめた酸化銅に水素を通して熱すると、還元できる。還元をすると、水素と酸素が化合して水ができるので、ガラス管の内側が水蒸気でくもる。 酸化銅の還元で用いた水素や炭素のように、酸化物から酸素を奪う働きのある物質を還元剤(かんげんざい)という。 酸化されたのは、水素。(H→H2O)  還元されたのは、酸化銅。(CuO →Cu) ・鉄(スチールウール)の燃焼。(酸化) ・マグネシウムの燃焼 ・銅の酸化 ・炭素の酸化(燃焼) ・過酸化水素水の分解 ・炭酸水素ナトリウムの分解 ・酸化銀の分解 ・水の分解(電気分解) ・塩酸(HCl)と水酸化ナトリウム(NaOH)の中和反応 ・石灰水(水酸化カルシウム水溶液)と二酸化炭素とで、石灰水の白くにごる反応 ・塩酸(HCl)と亜鉛(あえん、Zn)の反応 ・銅と硫黄の化合 ・鉄と硫黄の化合 ・硫化鉄と塩酸の反応 化学反応や状態変化に伴って熱エネルギーの出入りが起こる時の熱のことを反応熱(heat of reaction)という。反応熱には燃焼熱、溶解熱(heat of dissolution)、中和熱(heat of neutralization)、生成熱、融解熱、蒸発熱(heat of evaporation)、昇華熱などがある。熱量の単位にはJ(ジュール)を使う。1cal=4.184Jである。反応熱の表記は、物質量1molあたりの熱量(単位は[kJ/mol] 。1kJ=1000J である )で現すことが多い。1ジュールとは、力の大きさ1ニュートンで移動距離1メートルの仕事をすることである。つまり、1J=1N・mである。 化学反応式の右辺に反応熱を記し、両辺を等号で結んだ式を熱化学方程式(thermochemical equation)または熱化学反応式という。 たとえば、炭素(黒鉛)の1molを燃焼させた場合の熱化学方程式は以下のようになる。 反応熱は、上の式のように右辺に表す。 プラスチックは、数百個や数千個などの、いくつもの原子がつながった、巨大な分子である。 デンプンは、炭素Cや水素Hや酸素Oをふくむ分子が、数百個や数千個などの、いくつもつながって作られた、巨大な分子である。 植物が光合成をして二酸化炭素を吸いこむのは、このデンプンをつくるための炭素Cを、植物が手に入れるためである。 デンプンを燃やすと、炭になる。なので、デンプンが炭素をふくんでいることが分かる。 また、砂糖を燃やすと炭になる。なので、砂糖が炭素をふくんでいることが分かる。 製鉄所(せいてつじょ)での、鉄の製鉄は、以下のとおり。 鉄の原料は鉄鉱石(てっこうせき、iron ores)です。 この鉄鉱石に、酸化鉄(さんかてつ)がふくまれている。 製鉄会社では、高炉で鉄鉱石を溶かすさい、酸化鉄を還元するため、「コークス」といわれる炭素をくわえて、最終的に鉄や鋼が作られます。 なお、鉄鉱石の還元のさい、酸素と炭素が反応するため、二酸化炭素が発生します。 なお、コークスは、石炭をむし焼きにしたもの。コークスの主成分は炭素である。 鉄をつくるには、鉄鉱石から、製鉄所にある高炉(こうろ)で鉄を溶かします。高炉の高さは100m(メートル)以上もあります。高炉で溶かした鉄が、銑鉄(せんてつ、pig iron)です。 なお、高炉の内側には、耐火性のレンガが内貼り(うちばり)してある。このレンガによって、高炉は、溶けた熱の高温に耐えられるようになっている。 鉄鉱石は、酸化していて、さびています。鉄鉱石を溶かす時に、さびをとるため、炭素をふくんでいる石炭をむしやきにしたコークス (ドイツ語:Koks) を加えています。コークス中の炭素と、鉄鉱石とが反応します。つまり還元(かんげん)反応です。酸化の反対の反応を、つまり酸化した物質から酸素が失われる反応を還元(かんげん、reduction)と言います。 反応熱で、高炉中は高温になり、鉄が溶けます。 銑鉄は、高炉の中で下に液状になって、たまり、炉の下のほうから取り出されます。 この炭素が鉄に多くまざると、鉄はかたくなり、もろくなる。銑鉄には炭素が多くあるので、銑鉄は、かたくてもろいです。銑鉄に、ふくまれる炭素の濃度は、だいたい4%から5%まで、です。この炭素の濃度だと、銑鉄が、やや低い温度で溶けやすくなるので、結果的に、銑鉄の濃度が、こうなります。 不純物は、酸素の他にも、ふくまれてるので、コークスの他に、石灰石(せっかいせき)を加えています。 鋼(はがね)とは、銑鉄を転炉(てんろ)という炉に送り、転炉で酸素(さんそ)を吹き込むことで、炭素を燃焼(ねんしょう)させて減らし(へらし)、ちょうどいいぐあいにまで炭素を減らすことで、丈夫(じょうぶ)な鋼(はがね)に、なります。ねばりが ありながら、しかも かたくなるように、炭素の量を調節した鉄です。鋼にふくまれる炭素の量が、どのくらいかと言うと、0.02% から 2.1%までの炭素濃度です。 転炉のあと、さらに圧延機におくられ、板のかたちの鋼板(こうばん)や、棒のかたちの棒材(ぼうざい)などへと、加工されます。 鉄や鋼をあわせて、鉄鋼(てっこう)と、よびます。 鉄鋼を生産している産業を鉄鋼業(てっこうぎょう)と言います。 なお、ステンレス鋼(ステンレスこう、Stainless steel)とは、鋼(はがね)にニッケルやクロムを加えた合金です。 アルミニウムをつくったり、銅をつくったりなど、鉄鋼以外の金属を生産するのは、金属工業と言います。アルミや銅の生産は、鉄鋼業とは言いません。 ステンレスは、鉄(てつ)Feをおもな成分として、鉄に、クロム(元素記号: Cr)やニッケル(元素記号: Ni)が加わった合金である。 「ステンレス」の語源は、「stain less」であり、さび(stain) が ない(less)、という意味。 鉄の合金のことを鋼(はがね、英:steel)というので、正確には「ステンレス鋼」(ステンレスこう、stainless steel)という。 建築物などに使われている鉄を、表面をペンキなどの塗料(とりょう)で、塗装(とそう)する理由のひとつは、酸化をふせぐため である。 鉄が空気と触れ合わなければ、空気中の酸素とも触れ合わないので、その鉄に酸化が起きなくなる。 しかし、塗料そのものが、しだいに空気中の酸素や雨水などと反応して分解したりしていくので、建築物などでは数年ごとなど、定期的にペンキを塗り直す必要がある。 なお、アルミニウムの建築材には、ペンキを塗らないのが普通である。 アルミニウムは、酸化しても、酸化が表面で止まり、その表面の酸化膜が保護膜になることにより、アルミ内部まで酸化がすすみづらいので、ペンキを塗る必要が無い。 アルミニウムは、酸素とむすびつきやすい。 アルミニウムの原料であるボーキサイトの主成分は、酸化アルミニウムである。 (※ 参考 :)アルミニウムは酸素との結びつきが強いこともあり、人類がアルミニウムを発見したのは歴史でも遅くて(おそくて)、1800年ごろに人類はアルミニウムの物質を発見した。そして1850年のナポレオン3世のフランスではアルミニウム製の食器が生産されていた。 さて、ルビーは、酸化アルミニウムの結晶に、クロムがすこし混ざったものである。 サファイアは、酸化アルミニウムの結晶に、鉄とチタンがすこし混ざったものである。 ルビーもサファイアも、酸化アルミニウムの結晶に、不純物がまざったものである。
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電流とは単純には電気の流れのことである。電気の流れで実際に動いているのは電子であり、金属などの電気を通すもので電子は動くことが出来る。ここでは、電流の細かい性質には触れず、電流の基本的な性質について扱う。 ここでは、電流の性質についてまとめる。しかし、電流について述べる前に、電流がどのようなものから出来ているかについて簡単にまとめる。 電気を通さない物質を不導体または絶縁体(英語: insulator、インサレイター)という。絶縁体同士をこすり合わせることで、物質に静電気(英語: static electricity)を貯めることが出来る。静電気が溜まった状態のことを帯電(英語: electrostatic charge)しているという。 静電気は磁石と同じく、触れることなくお互いの間に力を働かせることが知られている。例えば、下敷きをこすった後に髪の毛に近づけると髪の毛が逆立つが、これは静電気によって、髪の毛が下敷きに引っ張られているということである。また、静電気にはプラスとマイナスがあり、磁石のNとSのようにプラス同士、マイナス同士を近づけると反発し、プラスとマイナスを近づけると引き合う性質がある。こすった時にプラスとマイナスのどちらに帯電しやすいかは、絶縁体の性質による。 静電気は電流と関係があり、帯電したものを金属に近づけると瞬間的に電気が流れ、放電(英語: electrostatic discharge)が起こることが知られている。冬に金属で出来た物に触れようとするとパチッと痛みを感じるのは、皮膚表面が帯電していて、金属に触れた瞬間に放電が起こるからである。実際には静電気として蓄積されているものと電流として流れているとされているものは、どちらもw:電子(でんし)と呼ばれるw:粒子であることが知られている。電子は容易に観察することは出来ないため、ここではその性質については詳しく述べない。(詳しくは高等学校理科 物理Iなどを参照。) 空気といった電気をほとんど通さない物に比べて、金属は電気をかなり通しやすい。正しい方法で金属の導線を繋ぎ合わせることで、電流の流れる「道」を作ることが出来る。この「道」を繋いだ一セットをw:電気回路(英語: electric circuit、エレクトリック・サーキット)と呼び、電気回路の要素を記号を使って表した設計図を電気回路図と呼ぶ。電気回路図は形式が標準化されているので、電気回路図を見て電気回路を組み立てたり、逆に作った電気回路を電気回路図に表したりということが誰にでも出来る。例えば、電池(直流電源)は と表され、w:抵抗(電流を流れにくくする物体のこと)は と表される。また、導線は直線で表される。電池には陽極(+極)と陰極(-極)があるが、回路記号では線が長い方が陽極に対応する。実際の電池では突起のある方が陽極である。 電池と抵抗だけをつないだ簡単な電気回路図は で与えられる。電気回路の中では各点でその点を流れる電流と電圧が決まる。 導線などの導体内の電気の流れおよび、その流れている電気の量を電流(でんりゅう、electric current、エレクトリック・カレント)という。電流の強さの単位は、アンペアという単位で表す。アンペアの記号は A で表す。 電気回路に電流を流す、働きの大きさのことを電圧(英語: voltage、ボルテージ)という。一般にw:電池の電圧は、その電池の中の物質によって定まる。電圧の単位はボルトといい、記号はVで表す。(詳しくは高等学校物理を参照。) このような電池の電圧を起電力(英語: electromotive force, EMF)という。起電力は、電池内の物質の種類によって、一定に定まる。電池内の物質の量には影響されない。物質の種類によって、起電力が定まる。 たとえば、家庭用のマンガン乾電池1個の電圧は1.5Vである。 歴史的には、乾電池の発見と発明によって、一定の電圧で電気回路に電気を送り続ける定電圧源が人類の手に入るようになり、電圧と電流とを明確に区別することができるようになった。 では、電池や電圧というのは、そもそも何であろうか? 電池(電源)を省いて電気回路を作ったとしても何も起こらない。例えば輪っかのようにため池を作っても、エッシャーの滝のように水が急に流れだすことはなく、止まったままである。だが、池に高低差を作って、低い方から高い方へポンプで水を送ってやれば、水は自然と流れだすことになる。このポンプの役割をするのが電池であり、水の高低に対応するのが電位である。また、高低の傾斜をきつくすれば水の流れる勢いも速くなるが、同じように電位の高低差こそが電圧の正体である。 したがって、電池の両端には、かならず電位差がある。更に、一般に、電池については陽極がより電位の高い方とする。さて、このとき電気回路図中の2点についてその2点が異なった電位を持っていることが分かる。上の電気回路中でも電位差があるので電位が高い点から低い点へと電流が流れるが、この際に電気抵抗(英語: resistance、レジスタンス)を通過するため、ここで電圧降下をおこす。電気抵抗は導線と比べて「電気の流れにくい場所」と理解することが出来る。その場所を電流が通ることで熱が発生し、また電流が勢い(=電圧)を失う。このことによって電気回路中に異なった電位があることと整合的になるのである。ここまでの話では、電圧降下の量が電気抵抗の性質によって変化し、電位の差を埋めるのに十分でなくなるように思えるかも知れない。しかし、このような場合には常に、抵抗の値と合わさってちょうど電位差を埋めるように対応する電流が流れるのである。電気回路中の電位についてより(詳しくは高等学校理科 物理Iを参照。) 電池を2つ縦に並べるようなつなぎ方を、w:直列接続または直列つなぎと呼ぶ。 また、直列に対して電池を横に平行に並べるようなつなぎ方を、w:並列接続または並列つなぎと呼ぶ。 直列接続を用いると、電池全体の両端に対する電位差は、各々の電池の両端に対する電位差の和になる。一方並列接続では両端の電位差は1つの電池を用いたときの電位差と比べて変化しない。ただし、電池の寿命は、1本だけを用いたときと比べて、並列つなぎに用いた電池の数だけ長くなる。 同様にして抵抗の接続の仕方にも直列接続と並列接続がある。このときの全体としての抵抗値を計算することが出来るが、これは高等学校物理の範囲である。 電流の流れにくさを電気抵抗、または単に抵抗という。 流れにくさと、その物体とを区別したい場合には、電流を流れにくくする素子のことを抵抗器あるいは抵抗体と呼んで区別する場合も有る。 本節でも、混同を避けるため、流れにくさのことは抵抗と呼び、物体側は抵抗器あるいは抵抗体と呼ぶことにしよう。 抵抗(電気の流れにくさのほう)の単位は、オーム(英:ohm、オウム)といい、記号は Ω {\displaystyle \Omega } で表す。 一般に抵抗器の両端で、ある電位差があるときに、抵抗器に流れる電流は で与えられることが知られている。ここで、V[V]は抵抗の両端の電位差で単位[V]はw:ボルトと読まれる。 また、I[A]は抵抗を流れる電流値で、電流の単位[A]はw:アンペアで与えられる。 更に、R[ Ω {\displaystyle \Omega } ]は、抵抗の大きさを表わす値であり単位[ Ω {\displaystyle \Omega } ]は、w:オームと読まれる。 上の式は電圧と電流の関係を表わす式であり発見者の名前にちなんでw:オームの法則と呼ばれる。 抵抗300[Ω]を持つ電気抵抗に9[V]の電位差を与えたとき、抵抗中を流れる電流は何[A]か。 オームの法則を用いればよい。V = 9, R = 300を用いると、 を得る。よって流れる電流は0.03[A]である。 一般に抵抗の大きさは使われている物質が同じ材質なら用いられている材質が長いと抵抗も大きくなり、材質が細いと大きくなる。また、同じ長さでの抵抗値は 物質によって異なっている。 導線の太さや長さによって抵抗の大きさは変わる。直感的に、導線が太いほうが電流が流れやすいのは分かるだろう。 実際に電気抵抗は、導線の太さに反比例して、抵抗が小さくなることが、実験的に確認されている。 さらに、導線は材質や太さが同じならば、導線が長いほど抵抗が大きくなり、長さに比例して抵抗が大きくなることが、実験的に確認されている。 記号はすべてを覚える必要はないが、最低限、固定抵抗器と乾電池、豆電球、スイッチ、電圧計および電流計、接続している交点と接続していない交点との区別、などは覚えてもらいたい。 電流を測る計器を電流計(でんりゅうけい)という。形状や使い方は、学校教科書などを参考にしてください。 電圧を測る計器を電圧計(でんあつけい)という。形状や使い方は、学校教科書などを参考にしてください。 電流計や電圧計は、つなぎ方を間違えると、故障する場合があります。 放電管に、高い電圧をかけると、電気回路が導線でつながってなくても電気が流れることがある。このような現象を放電(ほうでん)という。 歴史的には、真空放電管の実験で、マイナス側の陰極から、なにか(これは電子の線である。)が放射されるのが発見された。 なので、陰極から出る電子の線は、電子線(でんしせん、cathode ray、カソード・レイ)と呼ばれる。 また、この実験から、電子は負の電荷をおびていることが、人類に分かった。 (※注意 ここでは、電流を電熱線に流す実験と、電球に流す実験を行なう。ここでは、電流を流すことで電熱線では発熱が得られ、電球に流すことで光が得られることがわかる。得られる光や発熱の強さは、それらにかける電圧を大きくすることで強くなる。 ここで、得られる光や発熱の強さは、電熱線や電球が消費する電力(でんりょく、electric power)によって定まる。電力は、ある時間当たりに抵抗が消費するエネルギーのことである。電力は で与えられ、電力の単位は[W](ワット)である。(詳しくは、高等学校理科 物理Iを参照。) 電力P[W]を式で書けば、 である。 1000Wのことをキロワットと言い、1kWと表す。 オームの法則が成り立つ電気回路の場合、電流Iについて が成立ち、電力の式 P=VI に、この V=RI を代入すれば、 が成り立つ。そのため、発する光や発熱は、かける電圧の2乗に比例するはずである。 同様に、電力の式 P=VI に、 I=V/R を代入すれば、 となる。なお。以上の式は、あくまでもオームの法則が成り立つ場合での式である。 抵抗に流れる電流による抵抗熱を利用した機器なら、たいていの機器ではオームの法則がなりたつ。 中学の学習で扱う機器なら、ほとんどの電気回路でオームの法則が成り立つので、この結果が成り立つと思って良い。 ) 電熱を利用して水を熱することを考えよう。1Wの電力を1秒間、加えた時の熱量を1ジュールという。ジュールの単位記号はJなので、1ジュールは式では 1J とあらわす。 電気の発熱量を表す場合は、カロリーではなく、なるべくジュール単位で表すのが一般的である。 なお、カロリーとは、水1グラムを1℃上昇させるのに必要な熱量である。 ジュールとカロリーとの関係は、およそ である。 読者は「カロリーという単位があるのに、なぜ、わざわざジュールという単位をつくったのだろうか?」と疑問を持つかもしれない。その質問に、お答えしよう。 ジュールという単位は、力学という物体の運動法則を調べる学問での「仕事」という物理量が元になっているのである。力学で「仕事」という物理量があり、その「仕事」の単位がジュールなのである。 上記の式で、単位の読みは、Jはジュール。Nはニュートン。mはメートル。 詳しくは後のエネルギーに関する節で習う。 ここでは、ともかく、電気の発熱量はジュールという単位で表すのが一般的だと知っていただければ良い。 ジュールという単位は、ワットを基準に考えれば、1Wの電力を1秒間、発熱させた時の熱量だった。 実生活では、30Wの蛍光灯を3時間ほど使用したりと、1Wよりも、もっと大きな電力を、1秒よりも、はるかに長い時間、用いることが多い。 電力のワットに、時間(=60分のこと)を掛けた量を電力量(でんりょくりょう)という。単位はワット時[Wh]あるいはキロワット時[kWh]である。 計算例として、たとえば使用電力が30Wの蛍光灯を3時間ほど用いたら、使用電力量は 30[W]×3[h]=90[Wh] である。 なお、電力量の単位 Wh の末尾のhは英語のhour(「アワー」、1時間、2時間と言った「時間」の意味。)の略である。 磁石に鉄などを近づけると鉄は磁石に引きよせられることが知られている。このような磁石の性質を見るために、w:磁界(じかい)という考え方を用いる。磁界とは磁石の 回りの各々の点にある矢印が張りつき、その矢印によって、その点の近くに鉄などが現われたときにそれらが引きよせられる方向を記述する方法である。 このとき、鉄などが引きよせられる強さは矢印の長さで表わす。 一般に、ある磁石にはN極とS極があるが、磁界は通常N極からS極に向けて伝っていくように書かれる。磁界は途中で途切れることが無い。 磁場の向きが分かるように図示しよう。磁石の作る磁場の方向は、砂に含まれる砂鉄の粉末を磁石に、ちりばめて、ふりかけることで観察できる。 これを図示すると、下図のようになる。(画像素材の確保の都合上、写真と図示とでは、N極とS極が逆になっています。ご容赦ください。学校教科書などで、磁力線(じりょくせん)の図示を確認してください。) このような磁界の図を磁力線(じりょくせん)という。磁力線の向きは、磁石のN極から磁力線が出て、S極に磁力線が吸収されると定義される。棒磁石では、磁力の発生源となる場所が、棒磁石の両端の先端付近に集中する。そこで、棒磁石の両端の先端付近を磁極(じきょく、magnetic pole)という。 磁力線の向きを、どうやって確認するかというと、方位磁針(ほういじしん、compass)を用いればいい。その場所の方位磁針の向きが、その場所での磁力線の向きである。 永久磁石が作る磁力線を図示する場合は、N極から力線が出て、S極で磁力線が吸収されるように書く。磁力線は、磁界を図示したものなので、磁極以外の場所では、磁力線が分岐することはない。N極以外の場所では磁力線が生成することもなく、S極以外の場所で磁力線が消滅することもない。 また、磁力線が交わったりしてはいけないし、枝分かれもしてはいけない。もし、交わらして磁力線を書くと、その場所での方位磁針の向きが2通りあることになり、不合理な図となる。 鉄やコバルトやニッケルに磁石を近づけると、磁石に吸い付けられる。また、鉄やコバルトやニッケルに永久磁石などで強い磁力を与えると、鉄などから磁石を遠ざけても、鉄やコバルトやニッケルそのものが磁場を周囲に及ぼすようになる。 このような、もともとは磁場を持たなかった物体が、強い磁場を受けたことによって磁場を及ぼすようになる現象を磁化(じか、magnetization)という。 また、鉄(英:iron)とコバルト(英:cobalt)とニッケル(英:nickel)は、磁化されることのできる金属であり、このような磁化される物質を磁性体(じせいたい)という。 必ずしも、すべての金属が磁性体とは限らない。たとえば、銅は磁化されないので磁性体ではない。 また、金属以外の物質は、一般に磁化はされず、したがって金属以外の物質は磁性体ではないのが一般である。 磁化された鉄などは、べつに永久磁石ではないので、反対方向から磁化すれば磁気が打ち消されて磁化が消える。また、外界との磁界との相互作用などで、磁化された鉄などの磁力は、自然に磁化が消失していく。 電流は、その周囲に磁界を作る。これは方位磁針を電気回路の近くに置くことで確認できる。 直線電流がつくる磁界の向きは、電流の向きに右ねじを進めるときに、右ねじを回す向きである。この電流と磁界の向きとの関係を右ねじの法則、あるいはアンペールの法則(Ampère's circuital law)と言う。 コイルのような曲線部を持つ電気回路が作る磁界の向きも、電気回路の各部分の電流が右ねじの法則に従って、磁界を作っている。 電流の周りに生じる磁界の強さは電流の強さと導線からの距離だけで決まることが知られている。(しかし、ここでは具体的にその強さを求めることはしない。詳しくは高等学校理科 物理Iなどを参照。) 導線を棒状のものにまきつけて、ある一定の長さにしたものを、w:コイルと呼ぶ。電気回路用のコイルについてはソレノイド(Solenoid)またはソレノイドコイルと呼ぶ場合が多い。コイルに電流を流したときにも磁石のときに見たような磁界が流れることが知られている。 磁界の向きは、方位磁針で確認できる。 電気回路に電流を流すと磁力が発生するのだった。この電流が作る磁界を、永久磁石の代わりに磁力の発生源として利用したものが電磁石(でんじしゃく、electromagnet)である。 実際の電磁石では、磁力を強めるために、コイルのソレノイド部分に鉄の棒を収める構造になっている。鉄芯が磁化させることで、磁力を強めている。 電流が磁界から受ける力を利用して、モーターがつくれる。モーターの原理は、右図のようなものである。 電流の向きから磁界の向きに、右ねじを回した向きに、力は働く。 整流子とブラシは、半回転ごとに電流の向きを切り換えることにより、つねにコイルを同じ向きに回転させるためのものである。 整流子が切り替わる瞬間は、いきおいで、そのまま回り続ける。 磁界の中で、導線に電流を流したとき、導線に働く力の向きは、電流の向きと磁界の向きの両方に直交する。 また、力の向きは、右ねじを、電流の向きから磁界の向きに右ねじを回したときに、その右ねじが進む向きである。 この法則をフレミングの左手の法則という。 電流の向きを逆にすると、力の向きも逆になる。この場合にも、力の向きは、右ねじを電流の向きから磁界の向きに右ねじを回したときに、その右ねじが進む向きになっているので、フレミングの法則が成り立っている。 コイルを置き、その輪の中に、磁石の先端を出し入れする実験実験を行なってみる。ただし、コイルの両端には電圧計を接続し、コイルに流れる電流の電圧を測定するものとする。 このとき、図のように、電流が流れる。 近づけたときと、遠ざけているときに、その磁石を動かしているあいだのみ、電流が流れる。遠ざけているときの電流の向きは、近づけているときの電流の向きとは、逆向きである。 この現象を電磁誘導(でんじ ゆうどう)といい、この電流を誘導電流(ゆうどう でんりゅう)という。 電磁誘導で電流が流れるのは、磁力が変化している間のみである。磁石を近づけおわった状態で固定していても誘導電流は流れない。 この電磁誘導を発見した人物は、イギリス人のファラデーである。 電磁誘導では、コイルの巻数が大きければ大きいほど、発生する誘導電流の大きさも大きくなる。 また、磁界の変化の速さが大きければ大きいほど、発生する誘導電流の大きさも大きくなる。 検流計を使えばいい。なお、検流計の内部のしくみは、検流計の中には導線の他にも磁石が入っており、フレミングの法則による力を、巻きバネをバネ計りとして用いて、はかっている。あらかじめ、検流計の製造業者などが、大きさの分かっている電流を流して、どのていどの大きさの電流で、どのていど、フレミングの法則による力が働くかを確かめて調整してある。なので、検流計の使用時に、流れている電流計の大きさが分かるという仕組みである。 ロシアのレンツは、磁界を変化させると、その変化をさまたげる向きに電流が流れることを発見した。この法則をレンツの法則という。 ※ アンペールの法則により、電流のまわりには、(電流の向きを基準にして)右回りに磁界が発生している。 誘導電流のまわりに発生する右回りの磁界の向きは、磁石の動きによる磁界の変化を打ち消す向きになっている。 このように、磁界が変化している間のみ、誘導電流が流れる。また、その誘導電流の向きは磁界の変化を妨げる向きである。 これをレンツの法則(Lenz's law)という。 現在の火力発電や水力発電や原子力発電などの発電所では、この電磁誘導の原理を用いて、発電を行なっている。火力発電や原子力発電では、火力などで発生する熱によって水をわかして水蒸気をつくり、固定した磁界の中にあるタービンを、水蒸気を用いてタービンをまわし、そのタービンの軸が発電機の軸とつながっているので、タービンの軸の回転といっしょに発電機も軸が回転し、そして発電機の軸にはコイルが取り付けてあるので、それによって誘導電流を発生させるのである。 水力発電では、上流から下流に流れ落ちる水流の力をもちいて、タービンを回している。 おおざっぱに言うと、火力発電などのしくみは、タービンを回すことで発電機のコイルまたは磁石を回し、発電している。(中学の範囲では、この程度のおおざっぱな理解で充分だろう。) なお、自転車の発電機では、軸に取り付けられた磁石のほうを回転させる仕組みになっており、コイルは固定されているのが一般である。 近年、鉄道の自動改札で、専用のICカードをセンサーの近くにかざすだけで、自動的に料金を払うなどの改札の処理を行うを処理がある。これも、電磁誘導を利用している。 まず、改札機に、磁界を発生させる装置が入っている。 また、ICカードの内部には、電源は無い。 そしてICカードの内部には、コイル状のアンテナが入っており、改札の磁界によってカードに誘導電流が発生し、その誘導電流によってカードのICチップが作動し、そして改札とカードがデータのやりとりをし始めて、改札の処理をするシステムになっている。 電磁調理器(IH調理器)の中にはコイルがあり、そのコイルで磁界を発生させている。そして、コイルの電流の向きがすごく速く変わる仕組みになってるので、コイルによって発生する磁界の向きも、同じようにすごく速く変わる。 そして、調理ナベに誘導電流が流れ、調理ナベの電気抵抗によって発熱することで、熱を発生させている。 なお、コイルから発生した磁界が、調理ナベなどの底面などに、あたっても、もし磁界が変化しなければ、ナベに誘導電流は流れない。 だったら、磁界を変化させれば、調理ナベの底面に、誘導電流が流れる。なので、IH調理器の内部のコイルは、電流の向きがすごく速く変わる仕組みになってるのである。 乾電池による電流は、電池切れなどが起きてなければ、大きさは変わらずに一定のままである。 いっぽう、発電機の電流は、磁石またはコイルが回転しているため、電流および電圧の大きさが周期的に変わる。 電池切れしてない乾電池による電流のように、大きさが一定のまま変わらない電圧と電流のことを直流(ちょくりゅう)という。 いっぽう、周期的に、電圧と電流の大きさが変わる場合を交流(こうりゅう)という。 家庭用のコンセントに供給されてる電圧は交流である。 オシロスコープという装置で調べると、交流の波形が見られる。 交流の電圧・電流にて、電流の向きの変化が、1秒間あたりに起きる回数を周波数(しゅうはすう)といい、周波数の単位はヘルツ(記号: Hz)である。 日本では、家庭に供給されている交流の電気では、東日本では50Hz、西日本では60Hzである。 電気をおくる場合、電流を大きくすると抵抗熱が大きくなり、よって電力の損失が大きくなるという事実がある。 同じ電力(電力P = 電圧V × 電流I )でも、電圧を高くして電流を低くしたほうが、抵抗熱が小なくなるという事実がある。 なので発電所からの送電では、電圧を高くして、電気を送っている。発電所で発電される交流は電圧が数十万ボルトであるが、送電のとちゅうで変電所(へんでんしょ)にある変圧器(へんあつき)によって段階的に引き下げられて数千ボルトに引きさげられ、さらに家庭に届く直前には電柱の上にある柱状変圧器によって100ボルトや200ボルトに引き下げられ、この100Vや200Vの電気が家庭に届いている。 なお、電池にプラスとマイナスの端子があるように、直流の電源にはプラスとマイナスの向きがある。 しかし、交流では、電圧が交互に向きが変わるので、電源などでは、あまりプラスとマイナスの区別をしない。じっさいに、家庭用のコンセントには、プラスとマイナスの区別が無いのが一般的である。 変圧器(へんあつき)は、鉄心(てっしん)に、巻数のことなる2つのコイルを図のように巻いた仕組みになっている。 これで電圧を変圧できる理由は、電磁誘導を利用している。 巻数の多いがわのコイルに高圧電流を流すと、コイルのまわりに電磁石のように磁界が発生し、その磁界が鉄心の中をとおるため、巻数のすくない側のコイルに誘導電流が流れる。 このさい、2つのコイルの巻数の比の関係により、巻数の少ないがわのコイルには低い電圧が発生する。 N1:N2=E1:E2 Nは巻き数、Eは電圧 こうして変圧器では、電圧を変換している。 なお、コイルの巻数の比を変えることで、変圧の比も変えることができる。 例題 一次側の電圧が2500Vあるが、これを100Vに変換したい。一次側の巻き数を6250回とすれば、二次側の巻き数を何回にすればいいか? 答え…N1:N2=E1:E2、6250:N2=2500:100、N2=250回 よってN2の巻き数は250回にすれば良い。 携帯電話の充電器やパソコンなどに使われているACアダプターには、変圧器が入っているものもある。 これらのアダプターなどにある「AC」または「DC」という表記がある場合がある。 AC(発音: 「エーシー」)とは、交流の英語の Alternating Current の略である。 また、ACアダプターとは、交流を直流に変換するアダプターである。 パソコンのアダプターに、ACアダプターが使われている理由は、コンピューターは、直流で動くため、電圧を直流に変換する必要があるからである。 いっぽう、DC(発音:「ディーシー」) とは、直流の英語の Direct Current の略である。
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%90%86%E7%A7%91_%E7%AC%AC1%E5%88%86%E9%87%8E/%E9%9B%BB%E6%B5%81%E3%81%A8%E7%A3%81%E7%95%8C
原子力発電の核燃料には、ウラン(ドイツ語: Uran)などが用いられる。 ウランなど、一部の物質からは放射線(英:radial rays ラディアルレイズ)が出る。放射線は、とてもエネルギーが強いので、多く浴びすぎると危険である。 放射線の性質として、目に見えないが、ぶつけられた物を電離してイオン化する性質がある。また、透過能力を持ち、物体を通りぬける。 まとめると、放射線の代表的な性質として 放射線によって、放射線をあびた物が電離をする理由は、放射線のエネルギーがとても強いので、電子をはじきとばすためである。 この放射線の電離作用などにより、生物のDNAが傷ついてしまう。ウランや核燃料・核廃棄物など、放射性物質の管理に、厳重な管理が必要な理由の一つは、人体および生物の健康上の理由である。 放射性同位元素が放射性崩壊を起こして別の元素に変化する性質を、放射能(英: radioactivity) と言う。 ウランなど、放射線を出す物質をまとめて、「放射性物質」などと言う。 核燃料などの無い自然界にも、ごくわずかながら、放射線があり、自然放射線と言う。 自然放射線の由来は、宇宙からの自然放射線や、あるいは大地や大気などの、ごくわずかな放射性物質(天然のウランなど)などの影響である。 (地上での)自然放射線については、自然界での量は少なく被害をおそれる必要は無い。 しかし、核燃料や、核廃棄物などによる放射線は、自然の放射線と比べて、とても量が大きいので、人工の放射線および放射能は危険である。よって、これらの核物質の取り扱いには厳重な注意や管理が必要である。 放射線には、いくつかの種類がある。 アルファ線(α線)、ベータ線(β線)、ガンマ線(γ線)のほか、エックス線(X線)がある。ウランなどの放射性物質からはアルファ線、ベータ線、ガンマ線が発される。 これら放射線は、それぞれ特徴がちがう。 これら放射線の正体が明らかになった方法の一つは、放射線を電界や磁界に置くと、その電気に応じて放射線の進行方向が変わるので、正体が分かった。 ヘリウムそのものは、危険ではない。同様に、電子そのものも危険ではない。「電磁波」というと聞きなれないが、じつは自然界の光も電磁波の一種である。 放射線の応用は、原子力発電のほか、その透過能力をいかして、エックス線が医療のレントゲンなどにも用いられている。 医療のCTスキャンとPET診断では、放射線を利用している。(※ 備考: PETとは、陽電子放射断層撮影装置のことであるが、PET診断のために、被験者に放射性物質をふくむ特殊なブドウ糖やグルコース類を摂取してもらっている。) また、工業では、透過能力をいかした非破壊検査(英: Non Destructive Inspection, 略:NDI)などにも応用されている。 空港の荷物検査の機器(カバンなどの中身を見る機器)も、放射線を利用しているのが一般的である。(※ 参考文献: 大日本図書 および 教育図書) また、自動車タイヤなどに使われるゴムやプラスチックなどで、ある種類のゴムやプラスチックの製造工程において、放射線を照射することで、耐熱性を向上させることができるゴムやプラスチックがあることが知られており、実際に自動車産業で活用されている。(※ 最近の中学理科の教科書には、この話題が書いてある。) ジャガイモに放射線を照射すると、芽が出にくくなり、長期保存できるようになるので、すでに実用されている。 その他、歴史研究の分野での放射性年代測定など、放射線には多くの活用がある。 (※ 中学理科のの検定教科書の範囲内。) 霧箱という装置により、飛行機雲のように、放射線のとおった道筋が見える装置がある。 霧箱のなかには、蒸気がつまっている。放射線が入射すると、その放射線の作用により、飛行機雲のように道筋が液化するので、放射線の道筋が見えるという仕組みである。 (ウィキペディアに霧箱のわかりやすい画像がないので、検定教科書などを参照してください。) 放射線の強さの単位には、ベクレル(単位:Bq)およびシーベルト(単位:Sv)がある。 シーベルトは、人間が、その量の放射線をあびたときの影響の度合いによる、放射線の強さの度合いである。 自然放射線の強さをシーベルトであらわすと、およそ年間 2.4ミリシーベルトが世界平均である。シーベルトの単位記号の表記は Sv と書く。ミリシーベルトは mSv と書く。 年間 2.4 mSv が自然放射線の世界平均である。 ベクレルは、人体の影響は考えておらず、放射線の強さのみを考えている。 1895年にレントゲン(人名)は、真空放電の実験をしていたとき、放電管から、目に見えない未知のなにかが出ていて写真フィルムを感光させることを発見し、この(写真フィルムを感光させる)未知のなにかをX線と名づけた。 1896年、ベクレル(人名)は、ウランから、X線に似た何かが出ていることを発見しました。(ベクレルの発見した)この何かは、のちに放射線と名づけられました。 レントゲン以降、キュリー夫妻など多くの科学者が、放射線の性質を解明していきました。
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動物と植物に共通して、すべての生物は細胞(さいぼう、cell)から成り立っている。細胞は、生物の基本的な単位である。いくつかの動植物では、細胞だけを取り出しても、培養液(ばいようえき)などを与えると生きていける。細胞よりも細かく分割すると、たとえ培養液を与えようが生きていけない。 ヒトの体は約37兆個の細胞からできている。生物の種類によって,体をつくる細胞の個数は異なる。 細胞1個の大きさは生物の種類にもよるが、だいたい 0.01 mm ~ 0.05 mm である。この大きさは、肉眼では観察できないが、顕微鏡でなら観察できる大きさである。 タマネギの表皮細胞が、このような通常の大きさの細胞の例である。 例外として、細菌類の細胞は小さく、0.0002mm ~ 0.0010mm 程度であり、逆に鳥類の卵細胞(らんさいぼう)は特に大きく、ダチョウの卵は一個の細胞であって直径9cmもある。ニワトリの卵黄も3cmほどもある大きい細胞である。 細胞の発見は、1665年、イギリスのロバート・フックによってコルクの薄片を顕微鏡で観察したことで発見された。 彼は、自作の顕微鏡を用いて観察したところ、多数の中空の構造があることを知った。それを修道院の小部屋(cell、セル)にみたて、細胞(cell)と呼んだ。彼が観察したのは、死んだ植物細胞の細胞壁(さいぼうへき)であった。 細胞の見た目や働きはさまざまに異なるが、基本的な機能や構造は同じである。 動物細胞・植物細胞とも、すべての細胞は核(かく、nucleus)と細胞質(さいぼうしつ、cytoplasm)、それを囲む細胞膜(さいぼうまく、cell membrane)からなる。細胞質とは、細胞のうち、細胞膜の内側から核をのぞいた部分の総称のこと。そのため細胞質には多くの構造をふくむ。 核は、細胞の分裂増殖中をのぞけば、ふつうは1つの細胞につき、1つの核だけである。 顕微鏡での核の観察は、 酢酸カーミン(さくさんカーミン、acetocarmine) や 酢酸オルセインや酢酸ダーリアで、染められる。酢酸カーミン、酢酸オルセインで核は赤く染まる。酢酸ダーリアで核は青く(紫)染まる。 プレパラートとカバーガラスを用いる、通常の顕微鏡の観察法で、染色した核を観察できる。 核の内部には染色体(せんしょくたい)があり、染色体が遺伝子(いでんし)の正体である。より詳しく言うと、染色体の内部にあるDNA(ディーエヌエー、デオキシリボ核酸)という物質が遺伝子の正体である。 なお、核と細胞質を合わせて原形質(げんけいしつ、protoplasm)とも呼ぶ。 核がない細胞は、増殖できない。また、核がない細胞は、早く死んでしまう。 なお、ヒトの赤血球も核がない。このため赤血球は増殖できず、100日くらいで死んでしまう。 なお、核の中には、染色体のほかにも、核小体(かくしょうたい)という球形のものがある。また、核の表面には、核膜孔(かくまくこう)という小さな無数の穴があり、核への物質の出入りに関わっている。(※ 核小体と核膜孔は高校の範囲である。とりあえず中学の段階では、核小体と核膜孔は知らなくても問題ない。 まとめると、動物・植物に共通するつくりは、 である。 さらに、酸素呼吸を行っている多くの動物・植物では、細胞質中にミトコンドリアを持つ。ミトコンドリアによって酸素呼吸を行っている。(植物も酸素呼吸を行っている。) 細胞質の分類では、ミトコンドリアを細胞質に含める場合が多い。 小胞体とリボソームという構造が、動物・植物の両方の細胞に共通である。 リボソームはタンパク質を合成している。植物にもタンパク質はある。 小胞体は物質の輸送(ゆそう)に関わる。 細胞質には、このように、さまざまな小さな器官があり、これを核とともに細胞小器官(さいぼうしょうきかん、 organelle)と呼ぶ。細胞小器官どうしの間は、水・タンパク質などで満たされており、これを細胞質基質(さいぼうしつきしつ、cytoplasmic matrix)と呼ぶ。 植物の細胞にのみ、ある作りとしては、細胞壁(さいぼうへき)、葉緑体(ようりょくたい)、液胞(えきほう)がある。 動物細胞では、液胞はとても小さく、通常の顕微鏡では観察できないので、中学レベルでは、動物細胞には液胞が無いとして扱う。 「液胞」(えきほう)の「胞」(ほう)の字は、部首が「にくづき」の「胞」である。「細胞」(さいぼう)の「胞」(ぼう)の字と同じである。まちがって「泡」(あわ、ほう)を書かないように。 おもに動物細胞のゴルジ体が大きく観察しやすい。じつは、植物細胞にも、すごく小さいが、ゴルジ体がある。ただし植物細胞のゴルジ体は小さすぎるので光学顕微鏡では観察できない。電子顕微鏡などで観察できる。 生物には、体が一つの細胞だけからなる単細胞生物(たんさいぼう せいぶつ、英: unicellular organism)と、体がいくつもの細胞からなる多細胞生物(たさいぼう せいぶつ、英: multicellular organism)がある。 私たちヒト(人間のこと)は、多細胞生物である。ヒトの体は約60兆個の細胞からできている。生物の種類によって,体をつくる細胞の個数は異なる。 肉眼で見ることの出来る生物は、ふつう、多細胞生物である。 ミジンコは多細胞生物であることに注意。小さいからといって、必ずしも単細胞生物とは限らない。 単細胞生物は、一つの細胞に、生きるのに必要なすべての機能が備わっている。 形や働きがよく似た細胞の集まりのことを組織(そしき、tissue)と言う。 例 いくつかの種類の組織が集まり、一つのまとまりになった物であり、ある決まった働きをしている物を器官(きかん、organ)という。 例 私たち人間一人一人は、それぞれ1個の個体である。一つの動物は1個の個体である。 1本の木も、1個の個体である。 個体は、器官が集まって、つくられる。 動物の体のしくみについて学習します。 表のような対照実験(たいしょう じっけん)により、だ液によってデンプンが分解される事が分かります。 なお、ベネジクト液は麦芽糖(ばくがとう)に反応します。よって、表の結果により、だ液によってデンプンが分解され、麦芽糖が出来ている事が分かります。 消化(しょうか、英: digestion) 食べ物は、消化器官で、分子の細かい、水に溶けやすい物質に変化されます。分子が大きいままでは、体内に吸収できません。 あなたたち、人間は、口の中が、「つば」という液体で、しめっていますよね。 口の中から出る「つば」を、 だ液(だえき,saliva) といいます。 デンプンは、ブドウ糖分子がいくつも(何十個や何百個というほど多い)つながったものである。 だ液のアミラーゼは、このデンプンを分解し、デンプンを、麦芽糖(ばくがとう、英:maltose、malt sugar) に変える働きがある麦芽糖とは、ブドウ糖分子が2つ、つながったものである。(※ 検定教科書の範囲。東京書籍の図中に「麦芽糖」がある)。 食べ物を、体に吸収しやすいように、体内で変えることを 消化(しょうか) と言います。 だ液によって、デンプンが麦芽糖に変わることも、消化にふくまれます。 また、消化をすることができる液体を 消化液(しょうかえき) と言います。だ液も消化液です。 だ液の中には、 アミラーゼ という物質があって、このアミラーゼがデンプンを麦芽糖に消化していることが分かっています。 またアミラーゼのように、消化液にふくまれており、消化を行っている物質を 消化酵素(しょうかこうそ) といいます。 アミラーゼはデンプン以外のものは、分解しません。タンパク質や脂肪を、アミラーゼは分解できません。アミラーゼが分解できるのは、デンプンだけです。 だ液が出てくる場所をだ液せん(だえきせん、唾液腺、salivary gland)と言います。 これら、消化酵素は、消化の前後で変化しません。化学でならった「触媒」(しょくばい)と似ていますが、ちがいもあります。(※ 発展 :)消化酵素は、熱を加えると、働きをうしなってしまい、冷ましても、消化の能力は、もどりません(※ 大日本図書の検定教科書で、発展コラムの扱い。詳しくは高校で習います)。 (※ 範囲外 :)消化酵素の、よく働く温度は、30℃~40℃くらいであり、これは動物の体温に近いです。 タンパク質は、胃で胃液の中にふくまれる消化酵素(ペプシン)によって分解され、さらに小腸で すい液の消化酵素(トリプシン)および小腸の中にある消化酵素によって分解され、最終的に、(タンパク質は)より小さな分子であるアミノ酸になります。 脂肪は、すい液中の消化酵素(リパーゼ)のはたらきで、脂肪酸とモノグリセリドに分解されます。 アミラーゼは、デンプンを分解する能力をもつが、タンパク質や脂肪は分解しない。 同様に、ペプシンはタンパク質を分解するが、デンプンや脂肪を分解しない。 リパーゼも、脂肪を分解するが、デンプンやタンパク質を分解しない。 このように、消化酵素は、控訴ごとに働く分子の対象が決まっている。 さて、食べ物は、口から食道(しょくどう)を通って、つぎに胃(い)に降りてきて、胃で消化液(しょうかえき)によって細かく分解(ぶんかい)され、つぎに腸(ちょう)で栄養(えいよう)を吸収され、最後に肛門(こうもん)で糞(「ふん」。ウンチのこと。大便とも言う。)として排出されます。 食べ物が通るこれらの管を、 消化管(しょうかかん、gastrointestinal tract) と言います これら、消化に関わる身体の各部を 消化器(しょうかき、digestive organ) と言います。 消化によって、デンプンやタンパク質が小さい分子に分解される理由は、小腸で吸収しやすくするためです。(デンプンなどの分子は、大きいので、そのままでは小腸の壁を通ることができないからです。) 食べ物は、胃の次には、小腸に行きます。 小腸では、栄養が吸収されます。また、小腸でも、食べ物の消化は行われます。なお、小腸の壁には、消化酵素があります。 小腸の内壁には、おおくのヒダがあり、さらにヒダには 柔毛(じゅうもう) という、小さな突起(とっき)が、いくつもある。(※ 範囲外 :)なお柔毛は、 「柔突起」(じゅうとっき) とも言う。 養分は、この柔毛から吸収される。柔毛の中には、毛細血管(もうさいけっかん)と リンパ管(リンパかん) があり、養分は、これらの管によって、運ばれる。 柔毛のおかげで小腸の表面積が大きくなり、栄養の吸収にも効率がよい。柔毛の長さは約1mmと短いが、小腸の表面積は約200m2にも、およぶ。200m2は、テニスコート1面分もの広さだ。 水分は、主に小腸で吸収されるが、一部の水分は大腸で吸収される。 なお、消化されなかった食物の繊維などは、便(べん)として肛門(こうもん)から排出される。 小腸で吸収されたブドウ糖の一部は、肝臓(かんぞう)でグリコーゲン という炭水化物にかえられる。 グリコーゲンになることで体内で保存がしやすくなる。体のエネルギーが不足する時など必要に応じてグリコーゲンがブドウ糖に分解されてエネルギー源になる。(※ 備考: ) グリコ-ゲンとして貯蔵できる量には限りがあるので多すぎる糖分を摂取すると体内では脂肪として合成される(※ 東京書籍の検定教科書に傍注あり)。 体内に吸収されたアミノ酸の一部は、肝臓でタンパク質に合成されて全身に運ばれ体をつくる材料としてのタンパク質として活用される。 体内に吸収された脂肪酸とモノグリセリドは、ふたたび脂肪になって貯蔵されエネルギー源として利用される。 肝臓は、ヒトの大人では 1000g~1500g もの質量のある大きな臓器です。 肝臓の働きは、 お酒にはエタノールが含まれますが、肝臓でエタノールが分解されます。 また、細胞中のタンパク質の分解などでアニモニアが出来ますが、アンモニアは人体に有害なので肝臓はアンモニアを(人体に無害な)尿素(にょうそ)に変えます。そして、尿素は、尿(にょう)に含まれる物質として対外に排出されます。 このような仕組みで、ヒトは体内にアンモニアがたまらないようにしています。 肝臓には、脂肪の消化を助ける胆汁をつくる働きもあり胆汁は胆のう(たんのう)に送られます。なお、胆のうは、肝臓とは別の臓器です。最終的に胆汁は、胆のうにたくわえられたあと腸に送り出されます。 そして 肝臓(かんぞう) から出る たん汁(たんじゅう、胆汁) と、 すい臓(すいぞう、膵臓) から出るすい液が、小腸の消化液です。たん液とすい液とが、十二指腸に流れこんで、食べ物とまざり、消化液の混ざった食べ物が、小腸の中を進みます。 ; すい液(pancreatic juice) 消化器では、最終的には、炭水化物は ブドウ糖(ブドウとう) まで分解されます。タンパク質は アミノ酸(アミノさん) まで分解されます。脂肪の消化は、 脂肪酸(しぼうさん) と モノグリセリド まで分解されます。柔毛で体内に吸収された脂肪酸やモノグリセリドは体内でふたたび脂肪に合成されリンパ管に吸収されてやがて血液に運ばれます。 すでに説明したかもしれませんが(wikiでは版によって説明の状態が異なる)、食物中の消化しきれなかった繊維は、肛門から便(べん)として排出されます。 この他にも、いったん体内に吸収された物質でも、最終的に使い終わって不要になったら、対外に排出されます。 体内に吸収された養分が消費される際などに、肺から吸収した酸素を消費して、二酸化炭素が発生します。そして、二酸化炭素は人体には不要なので、血液によって肺に二酸化炭素は送られ、呼吸のさいに肺から二酸化炭素は排出されます。 タンパク質は分子中に窒素(元素記号 N )を含む。タンパク質やアミノ酸が分解されると、そのままではアンモニア(化学式:NH3)という有毒な物質ができてしまう。(※ 大日本図書の教科書に「NH3」の文字あり。) タンパク質の分解で出るアンモニアは、人体に有害なので、肝臓によって人体に無害な尿素(にょうそ)に変えられたあと、血液によって腎臓(じんぞう)に尿素は送られ、さらに ぼうこう などに送られ、水分とともに尿(にょう)として排出されます。 便は、未消化で吸収されなかったものですが、しかし尿のもとになるアンモニアや尿素は吸収されたタンパク質から作られたものです。 なお、尿の約96%は水分です(※ 学校図書)。 じん臓(じんぞう、腎臓)の位置は、体内の背中側の、横隔膜(おうかくまく)の下の、腰(こし)のあたりにある。 じん臓は、血液から、不要な物を、こしとって、血液をきれいにする働きをしている。 尿素も、じん臓で、こしとられる。 こしとられた尿素や不要物は、余分な水分といっしょに、 ぼうこう (膀胱、urinary bladder) へと、送られる。このようにして、ぼうこうで、 尿 (にょう、Urine ユレン) が、たまる。 ちなみに、腎臓で こしとられて つくられる尿の量は、最終的には、1日で1リットルくらいの尿として排出する。じん臓では、いったん、1日あたり、なんと160リットル近くも、尿を作る。だが、べつに、この水量のほとんどは排出されず(もし、そんなに多くの水分を体外へ排出したら、死んでしまう)、尿の中にある水分や、ブドウ糖やミネラルなどの栄養を再吸収して、あらためて不要なものだけを排出するので、最終的に、体外へは1日あたり1リットルくらいの尿として排出する。 なお、腎臓でいったん作られる、160リットル近い尿のことを、 原尿(げんにょう) と言う。 私たち人間は、空気を吸っています。 空気をすって、空気中の酸素を体に取り入れて、二酸化炭素を、はき出しています。 このように、酸素をすって、二酸化炭素を吐くことを 呼吸(こきゅう) と言います。 吐き出す空気に二酸化炭素がふくまれていることを確認するには、石灰水にストローなどを使って息を吹き込めば、白くにごることから分かります。もしくは、石灰水を入れたふくろに息を吹き込めば、石灰水が白くにごります。 人間は、体内の肺(はい)という部分で、酸素を体内に吸収し、二酸化炭素を体外に出して、呼吸をしています。 肺は、左右に1個ずつあります。肺は、左右を合わせれば2個あります。 空気は、のど や鼻から、肺へと向かって吸い込まれます。 のどや鼻を通って、 気管(きかん) を通り、気管の先が2本に分かれていて、この気管が2本に分かれている部分を 気管支(きかんし) といいます。 そして、気管支の先には、肺が、ついています。 この肺で、酸素が体の中に吸収され、二酸化炭素が、排出(はいしゅつ)されます。肺の中で酸素と二酸化炭素の交換(こうかん)が、おこなわれています。 鼻から、気管、気管支、肺までを 呼吸器(こきゅうき) と言います。以上にくわえて、横隔膜(おうかくまく)や、ろっ骨(ろっこつ、肋骨)を、呼吸器にふくめる場合も、あります。 横隔膜(おうかくまく)が下がると、肺がふくらむので、肺に空気が吸い込まれます。横隔膜が上がると、肺が元に戻って、空気が吐き出されます。 肺の中には、気管支が、より小さな細気管支に枝分かれしていて、その先に 肺胞(はいほう) という小さな ふくろ が、いくつも ついています。酸素の吸収と、二酸化炭素の排出は、この肺胞(はいほう)で行われています。肺胞で、酸素と二酸化炭素の交換(こうかん)が、おこなわれています。 肺胞の一つ一つのまわりには、 毛細血管(もうさいけっかん) という細かい血管(けっかん)がついています。なお、血管とは、血液を運んでいる管です。肺胞は、毛細血管に酸素を送っています。また、毛細血管から、二酸化炭素を受け取っています。 なお、口から食べ物が入った時に食べ物が通る管である 食道(しょくどう) と、気管とは、べつの管である。 人間や、ほかのほ乳類は、肺で呼吸をしています。肺で呼吸をすることを 肺呼吸(はいこきゅう) と言います。 人間の呼吸は、肺呼吸です。ほ乳類の呼吸は、肺呼吸です。 しかし、魚は、エラで呼吸をします。魚には、肺はありません。 魚は、口から水を吸い込み、その口の中の水をエラに通して、エラで水から酸素を取り込み、二酸化炭素を排出します。 なお、魚を、魚の外側から見た時に、目のうしろにあるヒレのようなものは、「えらぶた」という物であって、エラではない。エラは、えらぶたに下に、かくれている。 エラの内部には、毛細血管が、たくさん、あります。 クジラとイルカは、ほ乳類です。クジラとイルカは、海に住んでいますが、ほ乳類です。クジラもイルカも、肺で呼吸しています。クジラには、エラが、ありません。イルカには、エラが、ありません。 魚類だけでなく、イカもタコも、エラで呼吸しています。エビも、エラで呼吸しています。貝も、エラで呼吸しています。 鳥類と、は虫類(トカゲやヘビなど)は、肺呼吸です。カメは、は虫類なので、カメは肺呼吸です。 両生類(カエルなど)は、成体(せいたい)は肺呼吸ですが、成体になる前の子(たとえばオタマジャクシなど)は、エラ呼吸です。 心臓から出て行く血液が運ばれている血管を、動脈(どうみゃく、英語: artery)と言う。動脈は、壁(かべ)が厚く、弾力性がある。 、vein、Venae) 心臓に戻っていく血液が運ばれている血管を、 静脈(じょうみゃく) と言う。静脈の中には、血液が逆流しないための弁(べん)が、ある。 とても細かく枝分かれをしていて、血管の壁もうすい毛細血管(もうさいけっかん、英語: capillary vessel, capillary)という血管が、体のいろんな場所にある。毛細血管では、栄養のやりとりや、酸素や二酸化炭素のやりとりをしている。 動脈のうち、肺に血液を送り出す肺動脈(はい どうみゃく)は、二酸化炭素が多く、酸素が少ないです。 この理由は、肺動脈には、他の臓器などで酸素の消費の終わった血液が送られてくるので、よって酸素が少なく二酸化炭素が多いのです。 ただし、肺と心臓とが、比較的に近くにある事から、肺と心臓の間の血管以外では、動脈には酸素が多いのが普通です。 ともかく、肺で酸素を血液にたっぷりと取り入れたあと、酸素をふくんだ血液は肺静脈を通っていったん心臓に戻ります(肺循環(はい じゅんかん))。 心臓から肺動脈、肺、肺静脈を通って心臓に戻る血液循環のことを「肺循環」(はい じゅんかん)と言います。 そして、肺循環を終わったあとの血液は酸素を豊富に含むので、さらに別の動脈によって、全身の各部に送られ、その各部の毛細血管で酸素が消費されて二酸化炭素に置き換わったあと、今度は静脈によって回収され、心臓に静脈血が集まります(体循環(たい じゅんかん))。 心臓から、肺以外の全身を通って心臓に戻る血液循環のことを「体循環」(たい じゅんかん)と言います。 そして、体循環を終えて心臓に戻ったあとの血液が、そして肺に送り出してまた、酸素をたっぷり取り入れる(肺循環の再開)、・・・という繰り返しの流れになる。 なお、毛細血管からの帰りなどで、酸素の少ない血液のことを「静脈血」と言います。このため、肺動脈を通って心臓から肺に向かう血液は、流れている場所は動脈ですが、しかし血液中の酸素が少ないので、肺動脈の血液の分類上は「静脈血」になります(※ 東京書籍、学校図書、大日本図書の見解)。 肺動脈は、血管の分類は、心臓から送り出される血液の血管なので、動脈です。 同様に、肺から出たあとの、酸素を多く含んだ血液のことを「動脈血」と言います。このため、(肺から心臓に向かう)肺静脈の血液は、分類上では、動脈血になります。 ヒトの心臓は、筋肉で、出来ている。なお、心臓の筋肉を 心筋(しんきん) という。 心臓は、ふくらんだり、ちぢんだりを、たえまなく、くりかえしていて、血液を動かしている。 心臓のつくりは、4つの大きな部屋に分かれている。 右心室(うしんしつ、英: right ventricle) 、 右心房(うしんぼう、right atrium) 、 左心室(さしんしつ、Left ventricle) 、 左心房(さしんぼう、Left atrium) という、4つの部屋に分かれている。 なお、心臓で言う「左」とか「右」の向きは、その心臓を持っている側の人間から見た場合の、向きである。 だから、図1.を見ている者から見た場合では、見ているあなたの左側に、右心室や右心房が来る。見ているあなたの右側に、左心室や左心房が来る。 肺から送られた血液は 肺静脈(はいじょうみゃく,pulmonary vein) を通って、左心房(さしんぼう)まで、たどりつく。 左心室(さしんしつ)から 大動脈(だいどうみゃく、aorta) へと血液を送り、大動脈から全身へと血液が送られる。 心房と心室は、交互(こうご)に、ちぢむ。心房がちぢんでいる時は、心室は、ちぢまない。いっぽう心室がちぢんでいる時は、心房は、ちぢまない。 全身の血液が、 大静脈(だいじょうみゃく、vena cava) を通って、心臓の右心房(うしんぼう)へと血液が戻って来る。 右心房へともどってきた血液は、右心房から右心室へと送られる。そして右心室から、肺動脈(はいどうみゃく)へ送られる。肺動脈を通って肺へ血液が送られている。 血液中の酸素は、どこから供給されているのかというと、肺で、血液は酸素を受け取っています。なので、肺から出てきたばかりの血液は、酸素が多いのです。 逆に、肺へ、これから送られる血液は、酸素が少なく、二酸化炭素が多いです。 肺へ送られる血液の通る血管は、心臓の右心室(うしんしつ)からの肺動脈(はいどうみゃく)です。つまり、肺動脈は、酸素が少ないです。肺から出てきたばかりの血液が通る血管は、肺静脈(はいじょうみゃく)です。肺静脈の血液は、これから左心房(さしんぼう)に流れ込みます。 ヒトの血液には、赤血球(せっけきゅう、英: Red blood cell)、白血球(はっけっきゅう、英: White blood cell)、血小板(けっしょうばん、英:Platelet)などの固形成分と、血しょう(けっしょう、血漿)という透明な液体の成分がある。 中央のくぼんだ円盤状の1個の細胞。身体中の細胞に酸素や栄養を運ぶはたらきをしている。色の赤いヘモグロビン(hemoglobin ヒーモグロービン)というタンパク質の物質を赤血球がふくむため、血液は赤く見える。ヘモグロビンが酸素を運んでいる。ヘモグロビンは鉄(てつ)をふくんでいる。鉄を化学式で書けば、鉄の化学式は Fe だから、つまりヘモグロビンは Fe をふくんでいる。 学校給食など食事の際、鉄分をふくんだレバーやホウレンソウなどが、ときどき食品に出される理由のひとつは、鉄分は血液に欠かせない重要な物質だからである。 ヘモグロビンは、酸素の多い所では、酸素とむすびつき、酸素の少ない所では、酸素を放す(はなす)。このヘモグロビンのしくみで、酸素の多い肺から体の各部へと酸素が運ばれる。 赤血球は細胞だが、ほ乳類の赤血球には、核は無い。 なお、人間の場合、ヘモグロビンは赤血球にあるが、ミミズでは血しょうにヘモグロビンがある。 人間の場合、呼吸で生じる二酸化炭素は、赤血球には、ふくまれていない。呼吸で生じる二酸化炭素は、血しょう(けっしょう)にふくまれて、運ばれる。 一酸化炭素( 化学式: CO )は血液中のヘモグロビンと反応して結びついてしまう。そのため酸素( 化学式: O2 )とヘモグロビンが結合できなくなり、血液による酸素の運搬能力を低下させる害がある。不完全燃焼などの際に、炭素と大気中の酸素が反応して一酸化炭素が発生する。 たばこの有名な有害成分は以上の3種だが、この他にも約200種の有害成分がある。 1個の細胞であり、体外から侵入した異物や病原体を取りこみ、これらを分解することで、体を守る。核がある。 このように、病気から体を守る仕組みを免疫(めんえき、immunity)という。(※ 中学の保健体育の範囲内) 白血球は、この免疫に、ふかく関わっている。 白血球の種類には、リンパ球(りんぱきゅう)やマクロファージなどがある。(※ 中学の保健体育の範囲内) 発展: 白血球と免疫のしくみ(※ 中学の保健体育の範囲内) 血管がやぶれたときに、血液をかためることで、出血をふせぐ仕組みに関係している。核は無い。 約90%は水だが、血しょう(けっしょう)に、ブドウ糖やアミノ酸などの栄養分が溶けており、血液の流れによって、これらの栄養が全身に運ばれる。また、尿素(にょうそ)などの不要物も血しょうに溶けている。また、ホルモンも血しょうに溶けている。なお、ホルモンとは、体の働きを調節する物質である。(※ 中学の保健体育の範囲内)  「血糖値」(けっとうち)とか「血糖量」(けっとうりょう)とは、この血液中に溶けているブドウ糖の濃度のことである。 呼吸で生じる二酸化炭素は、血しょう に ふくまれて運ばれる。 イカの血液には、ヘモグロビンが無い。かわりに、銅(どう)をふくむヘモシアニンという物質が、イカの血液にふくまれている。イカの体内では、ヘモシアニンが血液の流れによって酸素を全身に運んでいる。 ヘモシアニンをふくむ血液の色は、やや青色である。よって、イカの血液は青い。 ほ乳類では、このアンモニアを、肝臓(かんぞう)で、毒性のひくい 尿素 (にょうそ)という物質に変える。尿素は水に溶ける。なお、最終的に尿素は、尿(「にょう」・・・オシッコのこと。)とともに、体外へ排出される。尿については、肝臓の他にも、腎臓(じんぞう)が関わる。 肝臓(かんぞう)では、血液に入った有毒な物質を分解する。 消化液の 胆汁 (たんじゅう) は、肝臓で作られている。胆汁は、胆のう (たんのう) へ送られ、胆のうから十二指腸へと送られている。 健康診断などの尿検査(にょうけんさ)では、尿の中に、血液や糖(とう)などが混ざっていないかなど、さまざまな物を測っている。 糖尿病は、尿の中に、とても多い糖分がふくまれる病気である。この病気は、けっこう危険であり、眼や腎臓などの、さまざまな器官で障害を起こすという症状(しょうじょう)がある。糖尿病には、このような各器官での合併症(がっぺいしょう)があるため、けっこう危険な病気である。 糖尿病(とうにょうびょう、diabetes mellitus)とは、すい臓に異常が起きて、本来なら すい臓から分泌(ぶんぴ)されるべきインスリン(insulin)というホルモンの分泌(ぶんぴ)が、うまくは分泌されなくなってしまった病気である。もし、本来どおりにインスリンが細胞と結合すると、ブドウ糖を消費させる。しかし、インスリン分泌がうまくいかないと、この消費がなくなってしまい、その結果、ブドウ糖が余ってしまう。 その結果、原尿にブドウ糖が高濃度で含まれるので、原尿のブドウ糖を吸収するさい、ブドウ糖が多すぎて吸収しきれず、そのため体外に出される尿に高濃度のブドウ糖が含まれて排出される。 (もし健康なヒトなら、原尿のブドウ糖は、ほぼ100%再吸収されてるので、尿中には高濃度のブドウ糖は排出されない。なのに高濃度のブドウ糖を含む尿が排出されるという事は、つまり病気に掛かっている事になる。) 高血糖が長く続くと、血管が変性して血流が低下してしまい、その結果、眼や腎臓などの、さまざまな器官で障害を起こす。糖尿病には、このような各器官での合併症があるため、けっこう危険な病気である。 糖尿病になる原因は、大きくは二つの種類に分けられる。 まず、生まれつきの理由で、インスリンを分泌する細胞そのものが破壊されていて分泌できない場合の1型糖尿病(いちがた とうにょうびょう)がある。この1型の場合、若くして発症することが多い。 もう一つは、肥満や喫煙・運動不足などの生活習慣病などにより、インスリンの分泌量が低下したり、インスリンに細胞が反応しなくなる場合であり、これを2型糖尿病という。日本では、II型糖尿病が多く見られている。 糖尿病の治療には、I型・II型とも、インスリンの投与が行われる。患者は、食後などに毎回、自分でインスリンを注射しなければならない。 2型の生活習慣が原因と考えられる場合、食事の見直しや、適度な運動なども、治療に必要になる。 ヒトの 「のどぼとけ」 の、すぐ下には、甲状腺(こうじょうせん)という器官がある。この甲状腺は、甲状腺ホルモンというホルモンを分泌している器官である。ホルモンとは、体内のいろいろな働きを調節するための分泌物(ぶんぴぶつ)である。(※ くわしくは、中学の保健体育で習うか、または高校生物で習う。) さて、甲状腺ホルモンの主成分はヨウ素である。ヨウ素は、ワカメやコンブなどに多く含まれている。 さて、通常のヨウ素には放射能(ほうしゃのう)が無い。だが、原子力発電などの原子核分裂では、放射能のある様々な物質が作られ、その中に放射性のある特別なヨウ素も作られる場合がある。 原子力発電などの事故などへの対策として、原子力発電所などの近隣地区にヨウ素剤(ようそざい)が配布される理由は、この放射能のある特別なヨウ素が甲状腺に集まらないようにするためである。 体内に吸収されたヨウ素は、甲状腺に集まる性質がある。なので、あらかじめ、普通のヨウ素を摂取しておけば、放射性のある特別なヨウ素を吸収しづらくなるのである。 なお、甲状腺ホルモンの働きは、体内での、さまざまな化学反応を促進(そくしん)する働きがある。
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%90%86%E7%A7%91_%E7%AC%AC2%E5%88%86%E9%87%8E/%E7%B4%B0%E8%83%9E%E3%81%A8%E4%BD%93%E3%81%AE%E4%BB%95%E7%B5%84%E3%81%BF
五感(ごかん)とは、動物が外界の情報を感じ取るための感覚です。五感には、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の5つがある。それぞれの感覚器官によって、外界の情報を捉えて、神経を介して脳に伝え、認識している。 感覚器官(かんかく きかん)とは、五感の情報を受け取り、神経信号に変換する器官である。五感には、目、耳、鼻、舌など、それぞれ特有の感覚器官がある。 なお、皮ふ(ひふ、皮膚)も、感覚器官にふくめ、暖かさ・冷たさ・圧力・痛さの刺激を受け取る。 感覚器官には感覚神経がつながっており、感覚神経は、脳や せきずい(脊髄) へととながっている。 感覚器官が刺激を受けると、感覚神経に電気的な信号が発生し、そして感覚神経をその電気的な信号が通って、脳に信号が伝わることにより、脳が感覚として認識します。 これらの五感は、私たちが日常生活で様々な情報を収集し、世界を理解するための重要な手段です。それぞれが異なる役割を果たしており、私たちの生活に不可欠な役割を果たしています。 眼でとらえる光の感覚を視覚(しかく、vision)と呼ぶ。 眼は、前部の表面に角膜(かくまく、cornea)がある。角膜は水晶体を保護している。角膜の内側には、 虹彩(こうさい、iris)の働きにより、瞳の大きさが変わる。 虹彩によって、レンズ(水晶体)に入る光の量を調節している。 そして、レンズ(水晶体)を通った光が網膜(もうまく、retina)の上に像を結ぶ。 ヒトの目は、顔の正面に2つあるので、前方の物を立体的に見たり、物との距離を正確にとらえたりするのに適している。 水晶体と網膜の間は、(けっして空洞ではなく)、眼球がつまっている。 耳で受け取る音の感覚を聴覚(ちょうかく、hearing)という。 音は空気の振動なので、鼓膜(こまく)でその振動をとらえる事により、耳では音を検出している。 耳の奥に鼓膜があり、鼓膜に届いた振動によって、耳小骨(じしょうこつ、ossicle)に伝わり、蝸牛殻(かぎゅうかく)に伝えられる。 そして、うずまき管に音の刺激を受け取る細胞があり、音の感覚として神経を通って脳に伝えられ、最終的に脳が音を感じる。 耳は、顔の左右1つずつにあるので、音の来る方向を知ることができる。 鼻でかぐ、においの感覚を嗅覚(きゅうかく、olfaction)と呼ぶ。 鼻の奥に、においを感じる感覚細胞があります。この細胞に物質がつくことで、においの刺激を受け取ります。そして、その鼻の奥の感覚細胞は、感覚神経につながっています。 (※ 範囲外 :) 味覚で感じる味は後述のように5種類だが、しかし嗅覚(きゅうかく)のほうは臭い物質は数十万種類にもなる。 舌(した)で感じる味の感覚を味覚(みかく、gustation)と呼ぶ。 舌には、味を感じ取れる感覚細胞が多くある。 (※ 中学理科の範囲外:)ヒトの味覚には、甘味(あまみ、もしくは"かんみ")、塩味(えんみ)、苦味(にがみ)、酸味(さんみ)、うま味(うまみ) の5つがある。(※ 家庭科で習うかも?) [1] ものをさわった、さわられた等の接触(せっしょく)の感覚のことを触覚(しょっかく)と呼ぶ。 人間の場合、皮膚で触覚が発達している。 また、皮膚は触覚のほかに、温度の感覚、痛みの感覚、重さの感覚も感じる(※ 学校図書の検定教科書に記述あり)。 じつは、人間の感覚には、五感以外にも多くの様々な感覚がある。 たとえば平衡感覚(へいこう かんかく)である。 よく体育の授業などで、平均台などを使った運動で「平衡感覚が~~(以下略)」とか教師が言ってるのを聞いたことあるかもしれないが、その平衡感覚のことである。 高校で習うのだが、平衡感覚をつかさどる三半規管(さんはんきかん)は、耳にある。 生物学・医学では分類状、平衡感覚は、聴覚とは別の感覚としてあつかわれる。 また、口には、のどのかわいた場合の感覚もある。 内臓には、空腹などの感覚もある。 生物学・医学でいう「感覚」には、五感のような外界からの刺激だけでなく、空腹感のような体内の「感覚」も含む。 神経系(しんけいけい)は、まわりの世界を認識(にんしき)する役割(やくわり)があり、脳(のう)や神経(しんけい)や五感(視覚「しかく」、聴覚「ちょうかく」、触覚「しょっかく」、味覚「みかく」、嗅覚「きゅうかく」)が、はたらいています。 脊髄と脳が中枢神経(ちゅうすうしんけい)であり、中枢神経では末端から来る刺激の処理が行われる。ほかの神経は末しょう神経(まっしょうしんけい)である。 運動神経や、眼や鼻など感覚器官の感覚神経は末しょう神経である。末しょう神経では、刺激の伝達が行われている。 筋肉にも、神経がつながっています。筋肉につながらている神経は、筋肉を動かすために脳から送られた信号を連絡するためのものです。 この、筋肉を動かすための神経のことを運動神経と言います。 脳やせきずいを基準として考えれば、 運動神経は、脳やせきずい などの中枢から出された命令を、筋肉まで運ぶのが役目です。 刺激(しげき)は、神経(しんけい)を通って、脳に伝わり、それが感覚になる。 詳しくは、感覚器官→感覚神経→脊髄→脳→脊髄→運動神経→運動器官→反応 ヒトの神経は、多くの神経細胞(しんけい さいぼう)で出来ている。(※ 学校図書の検定教科書の本文で「神経細胞」の用語あり。中学範囲です。) 脳や せきずい も、神経細胞が多く集まって出来ており、電気的なさまざまな信号を発して、処理がされています。 ケガをしたときの痛みも、神経の働きによるものです。 体表に割と近い体内の場所に、刺激を神経に伝える感覚細胞があり、皮膚がケガなどをした際には、刺激を神経に伝えることで、脳が痛み(いたみ)として感じます。) また、暑い・寒いなどの感覚も同様に、体表近くにある感覚細胞が、神経にそういった寒暖の刺激を伝えています。 痛みは、動物が安全に生きるために必要なものです。 痛みがあるからこそ、われわれ人間は、その痛みをさけようとして、生き方を学習できるのです。 (※ 高校でも範囲外 :)先天性障害の一種で、無痛症(むつうしょう)という、痛みを生まれつき感じない症状があるのでますが、この無痛症の乳児・幼児は、動けるようになったときに無理な姿勢をして骨折をしてしまったり、口内を嚙んで傷つけてしまったり、冬場などはストーブで火傷してしまったり等の事故を起こしてしまったりします[2]。 (余談) 余談であるが、温冷の感覚と、痛覚とは、ほぼ同じ感覚細胞である。その証拠に、先天性の無痛症の患者は、温冷の感覚も感じない。 別の余談であるが、トウガラシなどに含まれているカプサイシンの「からさ」は、実は痛覚を刺激している事が、分子細胞生物学的な研究により明らかになっている。 このカプサイシンは、触覚の痛覚も刺激しており、その証拠に、カプサイシンを手で触ると、手がヒリヒリする事が知られている。 熱いものを触ったときに、無意識に手をひっこめたりする反応のように、意識しなくても起こる反応を、反射(はんしゃ)という。 反射では、信号は脳を通らず、脊髄(せきずい)だけを通っている。 反射での反応の命令には、脳は関わっていない。信号の伝わる経路が短く、脳の判断時間も無いので、すばやく反応が行われる。そのため、危険から、とっさに身を守るのに、反射は都合が良い。 このように、脳を経由しない反射のことを、せきずいが経由されるので、せきずい反射 と言う。 暗いところから明るいところになったとき、 人間では、じつは瞳(ひとみ)の大きさが調節されます。(※ 学校図書の教科書に記述あり。) (人間ではないですが、ネコの瞳が分かりやすいかもしれません。) この瞳の調節も、無意識に行われるので、販社として分類される場合もあります。(※ 学校図書の教科書で、煩瑣yの単元で紹介している。) 動物の中には、ヒトが感知できない感覚を受け取ることができるものもあります。 たとえば、一部の昆虫は、紫外線を感知できます。(※ 東京書籍に記述あり。用語「紫外線」も東京書籍の検定教科書に記載あり。) (ヒトは紫外線を感知できません。) ヘビは、目の上のあたりにあるピットという感覚器官を持ち、獲物などの熱を感知しています。 また、コウモリやイルカは、音波を発して、それが周囲のもんに当たって反射するのを受け取って、周囲の状況の認識に活用しています。(※ 大日本図書に記述あり) (※ 範囲外. 記述なし) なお、工業製品の音波ソナーなども、類似の原理です。 私達の体は骨格によって支えられています。骨は人体の中で最も堅固な部位の一つです。 脳をまもっている、あたまの大きな骨です。 目が入るためのすきまが、あります。 鼻(はな)が通るためのすきまが、あります。 セキツイ(脊椎)とは、背中(せなか)のまんなかにある、首の背中がわから、腰(こし)のあたりまでのびている、一本の長い骨の集まりです。いわゆる「背骨」(せぼね)のことです。 背骨のある動物(どうぶつ)を セキツイ動物(vertebrate) といいます。わたしたち人間も、セキツイ動物です。 ろっ骨(rib)は、胸のあたりにある、かごのような、骨です。ろっ骨は、心臓(しんぞう)と、肺(はい、lung)を、まもっています。 腸(ちょう)などの内臓をまもっている。腸(ちょう)とは、食事(しょくじ)で食べた栄養(えいよう)を体に取りこむ場所です。 筋肉の大部分はタンパク質で出来ています。 骨をうごかすための筋肉は、筋肉のはじっこが、両方(りょうほう)とも、骨についています。このような、骨をうごかすための筋肉を 骨格筋(こっかくきん、英: skeletal muscle)といいます。 骨格筋(こっかくきん)の両はじの、骨についているぶぶんを けん(腱、tendon) といいます。 この骨格筋が、ちぢんだり、ゆるんで元(もと)の長さにもどることで、骨をうごかします。 このしくみで、骨をうごかせるためには、こっかくきんは、両はじが、べつべつの骨に、ついていなければいけません。 関節(かんせつ、joint)は2つの骨(ほね)から成り立ちますが、そのうちのいっぽうは先が丸いです。もういっぽうは骨のさきが、やや くぼんでいます。このようにして、うまく組み合わさるようになっています。骨(ほね)の先が丸く出っぱっているほうを関節頭(かんせつとう)といい、くぼんでいるほうの骨を関節窩(かんせつか)といいます。 関節(かんせつ)は、関節頭(かんせつとう)と関節(かんせつ)と関節窩(かんせつか)をつつんでいる関節包(かんせつほう)を持っています。関節包(かんせつほう)の内がわは滑膜(かつまく)と呼ばれる膜組織(まくそしき)であり、滑膜から滑液(かつえき)とよばれる液(えき)が分泌(ぶんぴつ)されて、その液が関節腔(かんせつくう)をみたしています。滑液(かつえき)にはすべるをよくする役目と、軟骨(なんこつ)に栄養をあたえる役目があります。 関節包(かんせつほう)のまわりには、靭帯(じんたい)があって、じょうぶにしています。 腕(うで)の、ひじのところで、腕をまげるための筋肉と、腕をのばすための筋肉は、べつべつの筋肉です。 もし、一つの筋肉しかなかったら、たとえば、腕を曲げるための筋肉しかなかったら、腕をのばすためには、腕をおろしたりしなければいけません。また、もしも、腕をのばすための筋肉が無いと、腕をのばしたままの恰好で、手をあげることが出来ません。 腕をのばすときには、腕を曲げるときにつかうほうの筋肉はゆるんでいます。 腕をのばすための筋肉がちぢむことで、腕はのびます。 曲げるための筋肉と、のばすための筋肉が、両方ともあることで、私たちたちは、すばやく体を動かせます。 足の筋肉では、ひざのところで足を曲げるための筋肉も、似たような仕組みになっています。 筋肉には、つくりが、2種類ある。平滑筋(へいかつきん、英:smooth muscle)と横紋筋(おうもんきん、英:striated muscle)です。 横紋筋は、骨格筋および心筋(しんきん)に付いている。心筋とは、心臓を動かしている筋肉である。 平滑筋は、内臓を動かすため。内臓に付いている、内臓筋(ないぞうきん)である。 骨格筋(skeletal striated muscle)と心筋(cardiac muscle)は、両方とも横紋筋だが、性質は大きく異なる。 骨格筋は、意思で動き、収縮が早いので急な運動にも適しているが、疲労しやすい。 心筋は、意思で動かず、疲労しない。 セキツイ動物とは、背骨や脊椎と呼ばれる骨格を持つ動物のことを指します。 セキツイ動物には、魚類、両生類、は虫類、鳥類、哺乳類などが含まれます。それぞれのグループは、独自の特徴を持っています。 例えば、 魚類は鱗で覆われた体を持ち、鰭を使って泳ぎます。 両生類は、水生の幼生期と陸生の成体期を持つことが特徴的です。 は虫類は、体表に鱗を持ち、卵を産むことができます。 鳥類は、羽毛やくちばしを持ち、飛ぶことができます。 哺乳類は、毛で覆われ、乳を与えることができます。 セキツイ動物は、内臓がよく発達しており、神経系も高度に進化しています。セキツイ動物は、陸上や海中、空中などの様々な環境に適応し、多様な形態や生態を持っています。 セキツイ動物は、地球上の生物の中でも非常に重要な存在です。私たち人間を含め、多くの生物がセキツイ動物として分類されています。 また、セキツイ動物は、食物連鎖の上位に位置し、生態系において重要な役割を果たしています。 無セキツイ動物とは、背骨がない動物のことを指します。私たちがよく知っている生き物の多くは、セキツイ動物であり、背骨を持っています。 しかし、無セキツイ動物には、ヒトデやイソギンチャク、カニやエビ、貝殻やイカ、昆虫やクモ、ミミズなど、多様な種類の生き物が含まれます。 魚類は、水中に生息するセキツイ動物の一群であり、水中での生活に適応した多くの特徴を持っています。カツオやメダカなどが魚類です。 魚類は、温度によって体温が変化する変温動物です。そのため、水温が変化することで体温が変わり、代謝や生理的な機能に影響を与えることがあります。一方で、魚類は環境温度に適応した体温調節能力を持っており、体内の酵素反応や代謝速度を調節して、生き残るために必要な体温を維持することができます。 魚類は、鰓を使って水中の酸素を摂取し、二酸化炭素を排出することで呼吸を行っています。鰓は、水を通して酸素を取り込み、血液に含まれるヘモグロビンと結合して酸素を運びます。一方、二酸化炭素は血液から鰓へと移動し、水中に排出されます。 魚類の皮膚は、水中で生活するために適応した構造を持っています。魚類の皮膚は多くの種に鱗があり非常に薄く、柔らかいため、水の抵抗を減らすことができます。 魚類は殆どの種が卵生です。雌が卵を産卵したあと雄が放精し水中で卵と精子が出会う体外受精です。 卵から孵化して稚魚となり、成長して成魚となるという過程があります。魚類の卵は、通常水中に産み落とされ、孵化するまでに数日から数週間を要します。孵化した稚魚は、自力で泳ぐことができ、自らの餌を捕食するようになります。成長につれて、稚魚は徐々に成魚に変化していきます。 サメの一部には胎生や卵胎生の種もいます。 両生類とは、カエルや参照雨をなどの動物のことです。カエルの幼生はオタマジャクシと呼ばれ水中で生活しています。 オタマジャクシは鰓を使って水中で呼吸します。成長すると、カエルになり、陸地で生活するようになります。カエルは肺を使って呼吸することができます。 このように、水中と陸上の両方で生活していることから両生類と呼びます。 両生類は卵生で、卵は寒天のような物質で覆われています。受精は体外で行われ、メスが体外に産卵すると、オスが卵に精子をかけることで受精が起こります。 両生類は変温動物で、体温を維持する仕組みがないため、水温や気温が変わると体温も変わります。また、体の表面は粘膜で覆われ、湿っています。 「は虫類」とは、トカゲ、ヘビ、カメ、ワニなどの動物のことを指します。 は虫類は、体温を一定に保つことができず、外部の温度に依存して体温を調節します。これを変温動物と呼びます。 は虫類の体は、頑丈で堅牢な鱗で覆われています。これは、身を守るための防御機構であり、乾燥した環境に適応するための進化的な特徴でもあります。 また、ヘビなどの一部のは虫類は、体を地面に密着させることで振動を感知し、獲物を探し出すことができます。 は虫類は、さまざまな種類があります。たとえば、トカゲにはヤモリ、イグアナ、カメレオンなどがあり、ヘビにはボア、コブラ、マングースなどがいます。 カメは、陸生種と水生種があります。ワニは、世界中の熱帯地域に生息し、大型で強力な動物です。 は虫類は、食物連鎖の上位に位置することが多いため、食物網において重要な役割を果たしています。 また、彼らは人間にとっても、ペットとして飼育されることがあります。 しかし、一部のは虫類は、毒を持っていたり、攻撃的な性格を持っているため、扱い方には注意が必要です。 は虫類は卵生で、子供を生むときには卵を産みます。卵には硬い殻があり、外敵から守ることができます。 受精は、雄の精子が雌の体内で卵子と出会うことで行われます。このような受精方法を体内受精といいます。 「鳥類」とは、私たちが一般的に「とり」と呼ぶ生き物のことです。 スズメ、ニワトリ、ハトなどがその例です。また、ペンギンも鳥類に分類されます。 鳥類は嘴を持ち、ほとんどは飛ぶことができます。 鳥類は哺乳類とは異なる呼吸構造を持っており、気管と気嚢を介して空気を循環させることで、より効率的に酸素を取り込み、二酸化炭素を排出します。この仕組みによって、鳥類は高い運動能力を発揮することができます。 鳥類は卵生であり、かたい殻に包まれた卵を親鳥が温め、世話します。卵から孵った後も、親鳥は子にエサを与え、世話をします。また、鳥類は恒温動物であり、外界の温度に関係なく体温をほぼ一定の範囲内に保つ仕組みを持っています。鳥類の体表面にはふつう羽毛が生えています。 哺乳類とは、母親が子どもに乳を与えて育てる動物のことを指します。 イヌ、ネコ、ウサギ、ウマ、サル、ウシなどが哺乳類に属します。 哺乳類は、体温を一定に保つことができる恒温動物で、内部の調節機構によって体温を調整します。 呼吸は肺で行い、空気は鼻や口から取り入れられ、気管を通って肺に入ります。 皮膚には体毛があり、保温や防御の役割を果たします。 哺乳類は胎生で、胎盤を通じて母体から栄養を得ます。胎盤によって胎児が守られるため、卵生の動物に比べてより発達した状態で生まれることができます。 草食動物と肉食動物の目の位置の違いには、それぞれの生態に合わせた理由がある。 草食動物は、肉食動物から狙われる危険があるため、側面に目を持っている。 側面にある目は、周囲の広い視野を確保することができ、肉食動物の動きを早く察知することができる。 これにより、草食動物は早期に危険を感じ、自分自身を守ることができる。 一方、肉食動物は、獲物を見つけるために前方に目を持っている。 前方にある目は、立体視による深度感を生み出すことができ、獲物の位置や距離を正確に把握することができる。 これにより、肉食動物は狩りの成功率を高めることができる。 草食動物と肉食動物の目の位置の違いは、それぞれの動物が生き残るために必要な適応である。 無セキツイ動物(むせきついどうぶつ、invertebrates)は、脊椎(せきつい;背骨(せぼね)のこと)を持たない動物分類群です。 無セキツイ動物には、節足動物(せっそくどうぶつ、arthropod)や軟体動物(なんたいどうぶつ、Mollusca)などがあります。 節足動物には、甲殻類(こうかくるい、crustaceans)、昆虫、クモなどが含まれます。 軟体動物には、タコやイカ、マイマイ(カタツムリ)などが含まれます。また、 無セキツイ動物はすべて、変温動物であるという特徴があります。 節足動物(せっそくどうぶつ)は、動物界の大きなグループの1つであり、多様な種類の節足動物が存在します。 このグループには、昆虫、クモ、サソリ、ザリガニ、エビ、カニなどが含まれます。 節足動物は、体を節(ふし;segment)に分け、各節に1対の脚を持つ特徴があります。 多くの節足動物は、硬い外骨格(がいこっかく;exoskeleton)を持ち、この外骨格は保護や筋肉の付着の役割を果たします。 また、節足動物は、気管呼吸系を持つことが一般的で、鰓呼吸(はいこきゅう)を行うものもいます。 昆虫は(こんちゅう)は、陸上生物の中でも最も多様性に富んだグループの一つであり、世界中に約100万種が存在します。昆虫は、体が3つの節からなる頭胸部と、10の節からなる腹部で構成されています。 昆虫は外骨格を持ち、その外骨格は保護や運動をサポートする役割を持っています。また、昆虫の足は非常に多様で、適応に応じて形態が変化することがあります。 昆虫は気管呼吸を行います。気管は、体内に分枝している管であり、体内に酸素を取り入れることができます。このため、昆虫は非常に高い代謝率を持ち、飛行や高速移動が可能となっています。 昆虫は通常、卵生生殖を行います。雄が精子を雌に送り込むことで、卵が受精し、幼虫が孵化します。幼虫はしばしば成体とは異なる形態を持ち、成長してから成体になります。ただし、一部の昆虫は卵生生殖ではなく、生きた仔を生んだり、単為生殖を行ったりすることがあります。 ザリガニやエビ、カニの場合 甲殻類(こうかくるい)は、節足動物に属する多様な種類の動物で、海や淡水、陸上に生息しています。 体は外骨格で覆われ、複数の節に分かれています。 甲殻類の呼吸は、鰓(えら)を用いて行われます。鰓は、水中の酸素を吸収することができます。一方、陸上に生息する甲殻類の多くは、気門を持っており、気中の酸素を吸収することができます。 多くの種類では、メスは卵を産み、オスが精子を放出して受精させます。また、一部の種類では単為生殖も行われます。 ダンゴムシは、陸上に生息する甲殻類の一種です。体は丸い形をしており、外骨格によって覆われています。 ダンゴムシは、擬気管(ぎきかん)と呼ばれる肺に類似した器官を持っており、気中の酸素を吸収することができます。 また、ダンゴムシは卵生で、オスがメスが交尾することで受精します。卵から孵化した幼虫は、脱皮を繰り返して成長します。 軟体動物(なんたい どうぶつ)は、軟らかい体を持つ多細胞動物の総称です。このグループには、貝類、マイマイ、イカやタコ、などがふくまれます。 貝類(かいるい)は、無脊椎動物の一群で、外殻を持ち、水中で生活するものや陸上に生息するものなど多様な種類が存在する。 呼吸に関しては、水生貝類は鰓(えら)を用いて酸素を取り入れる二酸化炭素を排出する「えら呼吸(branchial respiration)」をおこなう。 一方、陸生貝類は肺を持ち、肺呼吸(lung breathing)をおこなう。 体構造:貝類は二枚貝、巻貝、腹足類、頭足類などの分類群に分けられます。多くの貝類は、二枚の殻を持ち、その中に身を収めています。巻貝は螺旋状の殻を持ち、腹足類は単殻または螺旋状の殻を持ち、頭足類は殻を持たず、鰓脚類や軟体類などの形態を取ります。貝類の体の中心には消化管、神経系、循環器系、排泄器官があります。 呼吸:貝類の多くは、鰓を使って呼吸を行います。鰓は水中にある酸素を取り込み、二酸化炭素を排出します。鰓は、二枚貝の場合はマントル腔内にあり、腹足類や頭足類の場合は体の側面にある鰓室内にあります。 発生:貝類の多くは、卵生であり、水中で孵化します。孵化した幼生は、二枚貝の場合は浮遊生活を送り、巻貝や腹足類の場合は底生生活を始めます。成長するにつれ、貝殻が成長し、内部の身体がそれに合わせて変化します。成熟した貝は、種によっては繁殖行動を行い、卵を産みつけることで次世代を残します。 頭足類(とうそくるい) は、イカやタコなどを含む軟体動物の分類群である。 この分類群の特徴は、足が頭部から出ていることである。頭足類は、胴部が頭部よりも上にあり、内臓が胴部につまっている。 イカやタコは、えら呼吸を行い、卵生である。 分子生物学的手法による遺伝子解析は、生物種の進化的関係を推定する上で重要な役割を果たしています。これらの手法を用いると、無脊椎動物の多くが脊椎動物とは異なる遺伝子配列を持っていることが明らかになっています。たとえば、環形動物門(Annelida)の多くの種は、脊椎動物の遺伝子とは異なるヘモグロビンタンパク質を持っていることが知られています。これは、環形動物門が脊椎動物とは異なる進化的経路をたどったことを示しています。 また、現在では無脊椎動物の中にも、共通の祖先を持つ系統がいくつか特定されています。たとえば、軟体動物門(Mollusca)や刺胞動物門(Cnidaria)は、分子生物学的解析によって、それぞれ単系統群であることが示されています。しかし、これらの系統は、他の無脊椎動物群とは異なる特徴を持っており、一般的には無脊椎動物全体の進化的関係にはあまり影響を与えません。 このように、無脊椎動物は多系統であることが分子生物学的な解析から示唆されています。しかし、その多様性は同時に、進化の素晴らしい証拠でもあります。生物の多様性を理解する上で、無脊椎動物の研究は非常に重要であると言えます。
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雲の正体は、水である。太陽の熱や光のエネルギーによって、海や川・湖などから蒸発した水蒸気が、やがて上空で冷えて、水蒸気を含んだ空気が露点で凝結して水ができて、雲になる。 雲も霧(きり)も、成分は同じ水であり、空気中に水滴が浮かんでいるのである。 雲と霧との違いは、標高(「ひょうこう」・・・高さのこと)である。 そして、雲の一部は雨を降らし、その雨水が川や海や湖に流れ込む。 このように、地球上で水は循環している。 蒸発を起こすための熱は、もとは、太陽の光による熱である。つまり、太陽のエネルギーが、水の循環のエネルギー源である。 なお、標高が高くなるほど、気温も低くなるのが普通である。 湿度の測定は 乾湿計(かんしつけい) で、はかります。 普通の温度計である 乾球温度計(かんきゅうおんどけい) と、液だめの部分を水で濡らしているガーゼでつつんでいる 湿球温度計(しっきゅうおんどけい) が、乾湿計の中身です。 乾球温度計と湿球温度計との温度差から、湿度表(しつどひょう)を用いて、湿度が求められます。 温度というと、どちらの温度計の温度なのか分からないので、乾湿計の温度計の目盛りの数値は、それぞれ示度(しど)といいます。 乾球温度計の示度(しど)、あるいは、湿球温度計の 示度(しど) というふうに呼びます。 たとえば乾球温度計の示す温度が17℃であって、湿球温度計の示す温度が14.5℃の場合、乾球と湿球の温度差が2.5℃となり、湿度は表から75%になる。 湿度は、晴れの日では、通常、温度が高いほど、湿度は低くなる。したがって昼ごろに湿度が最も低くなる。 晴れの日の場合、温度の変化と、湿度の変化とは、逆の変化をするのが普通である (気温は昼ごろに最も高くなるのが普通。)。 雨やくもりの場合、湿度の変化は小さい。 空気にも、実はおもさがある。地球の地表を取りまく空気を大気という。大気にも重さがあるので、重さにより、大気中のものにも力がかかる。(水中のものには、水から、押しつぶすような力が、かかってるのと、同じような現象。) 大気がおよぼす、押しつぶす方向の空気の力を 大気圧 という。気体がおよぼす、押しつぶす方向の力を 気圧 という。気象や天気で「気圧」といった場合、大気圧のことを言う場合が多い。 なお、上空では、地上よりも、その高さより上の空気の量が少ないので、上空に行くほど、気圧は低くなる。 大気圧の単位は、ふつう、hPa(ヘクト パスカル)という単位で表す。または「気圧」という単位で表す。 「気圧」という言葉には、「大気圧」という意味の場合と、圧力の単位の一つの場合の、2つの意味がある。 大気圧の測定器には、アネロイド気圧計などが用いられる。 高気圧や低気圧の気圧とは、地表付近での気圧のことである。 高気圧・低気圧の高低の基準は、まわりの気圧であり、1気圧=1013hPaが基準では無い。このため、1000hPaの高気圧も、ありうる。 高気圧の場所の地表からは、風が吹き出す。低気圧の場所の地表には、風が吹き込む。 したがって、高気圧から低気圧に向かって、地表に、風は吹く。 上空では、風の向きは逆方向である。こうして、空気は循環している。 実際の地表での風の向きは、高気圧から低気圧に向かって真っ直ぐでは無く、地球の自転のため、じゃっかん、斜めになる。北半球では風は右にそれる。南半球では左にそれる。 吹き出すときの風向きは、上空からの天気図で見た場合、右回り(時計回り)で吹き出す。この「右」や「時計回り」とは、北を上としてみた場合の視点である。まっすぐ吹き出すのではなく、このように渦をまいて吹き出す理由は、地球が自転していることが理由であり、詳しくは中学理科で習うが転向力(てんこうりょく)という力により、圧力の傾きに対して右側に風がそれる。 中学校では、「北半球では、高気圧は右回り。」という結果だけを知っていれば良いだろう。 なお、高気圧が「右回り」であるのは、北半球の場合であり、南半球ではちがった結果になるので注意。 温度が高い場所では、大気が膨張し、上昇気流が発生するため、地表は低気圧になりやすい。逆に、温度が低いと、高気圧になりやすい。 したがって、地表での風の向きは、温度の低い場所から、温度の高い場所に向かって、風が吹くことが多い。 上空では、逆向きである。温度の高い場所から低い場所へ向かって、上空では風が吹きやすい。 高気圧の中心近くでは、上空から地表へと風が流れる 下降気流 が発生する。また、下降気流のため、雲ができにくく、天気は晴れることが多い。 低気圧の場所では、風が吹き込む。 風向きは、上空からの天気図で見た場合、左回りの反時計回りで、吹きこむ。この「左」とか「反時計回り」とは、北を上としてみた場合の視点である。 低気圧の中心近くでは、地表から上空へと風が流れる上昇気流のため、雲ができやすく、天気は悪いことが多い。 等圧線を描くときは、 1000hPa を基準にして 4hPa ごとに線を書く。また、 20hPa ごとに太線にする。 気象観測で、風のようすを表す時は、風がふいてくる向きと、風の強さとで表す。 風のふいてくる向きを 風向 と言う。 風の方向は、 16方位(じゅうろく ほうい) で、あらわす。 風向は、吹き流しで調べられる。吹き流しの上流の方角が、風向である。支柱に近い口の広い側が上流で、支柱から遠い狭い側が下流である。 風の強さは、風による、空気の動く速さで表し、これを 風速(ふうそく) という。風速の単位はメートル毎秒(メートルまいびょう)である。 風のつよさを表す際に、風速ではなく、風が物におよぼす力を段階的にあらわした 風力(ふうりょく) で表す場合もある。 風力の階級は、もっとも弱い階級0から、もっとも強い12までの、13階級で表される。この風力の階級を 風力階級(ふうりょくかいきゅう) という。 地球上の雲は、気象衛星(きしょうえいせい)という、人工衛星(じんこうえいせい)によって撮影されている。 日本では気象衛星は、「ひまわり」という気象衛星が(2023年の時点)運用されている。 日本での天気予報は、気象衛星からの情報も参考にするが、それだけではなく、日本各地の地上からの観測所からの情報も元にして、決められている。 日本には、地域気象観測システム(通称アメダス ; AMeDAS -- Automated Meteorological Data Acquisition System)という気象観測システムがあり、観測装置が日本国内各地の約1300ヶ所の気象観測所にある。 気象観測の情報には、気象衛星やアメダスのほか、気象レーダーや海洋・海上気象観測や、などの情報がある。 これらの、情報を元にして、気象庁は天気図や予報天気図を作成し、気象庁は天気予報を発表する。 空をおおう雲の量が、9割以上のばあいを くもり という。空をおおう雲の量の割り合いを、 雲量 と言い、0から10の11段階で表す。 雲量が1割以下の状態で、雨や雪などの降ってない状態を 快晴(かいせい) という。 雲量が2割から8割のときを、晴れ(はれ) という。 つまり、 :雲量=0~1:快晴 :雲量=2~8:晴れ :雲量=9~10:くもり 雨の量のことを雨量と言い、雨量はmm(ミリメートル)単位で表す。 雨以外にも、雪や ひょう や あられ などをまとめて、降水(こうすい)という。 雪やひょうなど、雨以外の場合の降水の量は、雪や氷を融かして水にしてから、測る。 そして、降水の量をまとめて、降水量と言い、単位は一般にmm(ミリメートル)で測る。 雨量は、雨量計などで測る。 大規模な空気のかたまりであり、広い範囲にわたって、気温や湿度が、ほぼ一様である物。 大陸の上では、広い範囲にわたって地上の特徴が似通っているので、気温や湿度の一様な大きな空気のかたまりが出来やすい。 同様に、太平洋上やオホーツク海などの大洋上でも、周囲が同じような温度の海ばかりなので、海上でも気温や湿度の一様な大きな空気のかたまりが出来やすい。 一般に、海で出来る気団は湿っており、大陸で出来る気団は乾いている。 温度のちがう二つの気団が、ぶつかっている場所の、境目の面や線のこと。空気のかたまりは体積をもつので、実際には、二つの気団の境い目(さかいめ)は面になるが、地図上に表すときは線になるので、「前線」と言われる。 気団の境い目としての面と線を区別するとき、境い目の面のほうを「前線面」(ぜんせんめん)と言って、線である「前線」(ぜんせん)と区別する場合もある。前線面という用語を用いれば、線としての「前線」とは、前線面と地表との交線とも言える。 中学理科では、前線面と前線とを区別する。 これらの前線のどれも、寒気と暖気のぶつかっている状態である。寒気と暖気のぶつかりは天気に影響を与えるので、関心があるから、その前線の位置が調べられるのである。 一般に前線の付近では、雨が多く、天気が悪い。 どの前線でも、暖気は上昇しやすいため、寒気は暖気の下にある。寒冷前線では、寒気が暖気の下にもぐりこむ。温暖前線では、暖気が寒気の上に、はいあがる。 寒冷前線では、強い上昇気流が発生し、前線面の傾きが急であり、そのため、積雲状の雲が発生しやすい。そのため寒冷前線では、強い「にわか雨」が短時間で降ることが多い。雷や突風なども、ともなう事があり、天気は激しい。 寒冷前線の通過後は、天気は回復し晴れ、寒気のため、気温が下がる。 温暖前線では、前線面はゆるやかである。発生する雲は層雲などの薄くて広い雲である。雨はふるが、弱い雨が、長時間にわたって降る。 温暖前線の通過後は、天気は回復し晴れ、暖気のため、気温が上がる。 停滞前線では、層雲が出来やすく、雨などの天気の悪い日が長く続く。日本の梅雨(つゆ)や秋雨(あきさめ)の期間は、停滞前線によるものである。 閉塞前線というのは、寒冷前線に温暖前線が追いついた状態である。地表付近にある2つの寒気は、寒冷前線に由来する寒気と、温暖前線に由来する寒気である。閉塞前線の暖気は、その2つの寒気の上に押し上げられる。 閉そく前線では、二つの寒気に挟まれた暖気が押し上げられるので、上昇気流が強く、そのため積乱雲などが発生しやすく、雨は強く、風も強くなりやすい。 6月ごろに、雨の日が多くなる。また、雨の降る量も多い。これを梅雨という。 この理由は、北側の冷たく湿った オホーツク海気団と、南側のあたたかく湿った太平洋側の 小笠原気団 が日本付近でぶつかりあい、そこで気団が動きにくくなるからである。 気団の境界線のことを 前線(ぜんせん) というが、梅雨をもたらす両気団の境界線上の前線を 梅雨前線 という。 衛星画像などの上空から雲の様子を見ると、東西にのびる雲で、雲に切れ目のなく、つながった雲が、日本をおおう。 6月も終わりに近づき、夏が近づくにつれて、南側の小笠原気団が優勢になり、北側のオホーツク海気団が北へ押し戻されていく。俗に言う「梅雨明け」である。その結果、夏が近づく。 風力記号は0~12の13段階で表されます。風力記号の形は、右の図を参考にしてください。矢羽の向きは風向の向きを表しています。右の図の下の風力記号の場合、北北西から観測者の位置に向かって風が吹いていることになります。つまり、「観測者から北北西の方向には風が吹いている」と誤解しないように注意してください。 風力記号には、天気も天気記号で記入する必要があります。また、気温と気圧も併記することが望ましいです。風力記号の風向は16方位で表されます。 偏西風は、中緯度の地域で起こる大気循環のひとつであり、地球の自転によって発生するコリオリの力によって発生します。地球が自転することによって、地表から大気中に向かって上がる空気が東側に、下がる空気が西側に逸れることで、高気圧から低気圧へ向かう風が西から東に吹くという大気循環が生じます。この偏西風は、太平洋上を中心に周囲に向かって吹いており、日本の上空でも西から東に向かって吹いています。 偏西風は、日本に限らず、世界中の中緯度地域で吹いており、冬季には強くなります。偏西風は、大気の移動に伴って様々な天候の変化をもたらします。たとえば、日本においては、偏西風が季節風のような役割を果たし、冬季には温暖化傾向にあり、春先には乾燥した晴天が続く傾向があります。 また、偏西風は、台風が発生する熱帯地域にも影響を与えています。偏西風が強く吹くと、台風は西から東に移動しやすくなります。逆に、偏西風が弱いと、台風は日本に向かって進みやすくなります。 季節風とは、季節によって一定の方向から吹いてくる風のことを指します。これは、地球の自転と太陽からの放射エネルギーの影響によるもので、主に赤道から中緯度地域にかけて発生します。 夏季には、赤道付近の海上に高気圧が発生するため、南側の海から北側の大陸に向けて風が吹きます。このため、日本でも夏季には南から風が吹いてきます。 冬季には、この状況が逆転し、北側の大陸が高気圧となり、南側の海から風が吹いてきます。このため、日本では 冬季には北から風が吹いてきます。 また、季節風はアジアを中心に世界各地に影響を与え、農業や漁業、航海などに大きな影響を与える重要な気象現象の一つです。 湿度については、海で発生する気団については湿度が高い。一方、大陸で発生する気団は乾燥しているのが普通であります。 日本付近の場合、一般に北の地域にある気団は低温であり、南の地域にある気団は高温であります。 このため、日本の周囲の地域の気団の特徴は以下のようになります。 これらの気団は、日本の気象に大きな影響を与えることがあり、天気予報などでも頻繁に取り上げられます。また、気象災害などを予防する上でも、これらの気団の動向を把握することが重要です。 中国の華南や華中、インドシナ半島北部は中緯度高圧帯に位置するため、周辺の地域に比べて比較的乾燥した高温の状態が続くことが多いとされています。 長江気団は、寒帯性のシベリア気団(シベリア高気圧)が温暖化したものであるため、日本に影響を与えることはほとんどないとされています。 従来の日本の天気に影響を与える気団の分類には、シベリア気団、オホーツク海気団、小笠原気団、揚子江気団の4つがありました。 しかし、揚子江気団は他の3つと比較して狭く、また他の気団から変化したものも含んでいるため、令和3年以降の教科書では揚子江気団を固有の気団として扱わなくなりました。 長江気団(揚子江気団)は現在も気象庁などで扱われることがあります。 大気の循環には、熱帯から極域へ向けての熱エネルギーの輸送が重要な役割を果たします。熱帯地方では、太陽からの強い日射によって地表面が暖められ、熱帯低気圧が発生し、上空の対流圏まで熱気が上昇します。この熱気は、熱帯高気圧帯から極域に向けて移動し、寒冷な高緯度地域では下降気流となって地表に近い大気を加熱します。このように、熱帯から極域への熱エネルギー輸送が大気循環を担い、気候を形成しています。 また、地球自転によって、地表面は東向きに移動し、大気も地表面とともに東向きに移動します。このため、赤道周辺の大気は東西方向に速く移動する一方で、高緯度地域の大気は東西方向に遅く移動します。この大気の移動速度の違いが、大気の渦巻きを生み出し、渦が発生することで高気圧と低気圧が形成されます。 以上のように、地球規模の大気循環は、熱・水・エネルギーの循環を担っており、気候や天気に大きな影響を与えています。 春には、日本付近を高気圧と低気圧が交互に西から東へ通過し、天気が数日周期で変化します。 気温の変化も大きく、低気圧の東側では南からの暖かい空気が流れ込むため、気温は上昇しますが、低気圧の西側では北からの冷たい空気が流れ込むため、気温は下降します。 春の後半は高気圧が多く覆い、日照時間が徐々に増えますが、沖縄・奄美では5月に梅雨の季節が始まります。 夏の前半は、梅雨前線の影響により北海道以外全国的に降水量が多くなります。 夏の後半には、太平洋高気圧が全国的に晴天と高温をもたらします。 多くの日で全国的に30℃以上の気温となり、北海道と沖縄の気温差は約5℃程度と小さくなります。 一方、オホーツク高気圧が現れると、北日本の太平洋側には冷たく湿った東風が吹き、曇りがちな日が多く、気温も下がります。 沖縄・奄美では、台風の接近が8月に増えます。 9月には、秋雨前線や台風の影響で降水量が増加しますが、特に西日本では残暑が続く年もあります。 10月には、移動性高気圧による晴天の日が多くなります。 11月には、低気圧が通過した後に冬型の気圧配置が一時的に現れ、日本海側を中心に雨の日が多くなり、北日本では雪が降り始めます。11月には、低気圧が通過した後に冬型の気圧配置が一時的に現れます。 冬になると、シベリア高気圧とアリューシャン低気圧が共に強まります。 日本周辺は等圧線に垂直なストライプ状の冬型気圧配置になり、北西の季節風が吹き込んでシベリアからの冷たい空気がもたらされます。この冷たい季節風は山脈にぶつかって上昇気流や雲を発生させ、日本海側では多くの雪の日があり、特に山岳地帯では3メートルを超える積雪が見られます。 一方、太平洋側では山から乾燥した風が吹き下ろされ、晴天の日が多くなります。 北海道では気温が氷点下に継続している一方、沖縄と奄美では気温が15°C以上になることがよくあります。北海道と沖縄の間には20°C以上の気温差があります。
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水に溶かしたとき、その水溶液に電流が流れるようになる物質を電解質(英語: electrolyte)という。 水にとかしてもその水溶液に電流が流れない物質を非電解質という。 塩化ナトリウムであっても、水溶液に溶かしていない、固体の塩化ナトリウムでは、たとえ電気回路に電圧を加えても、電気を流さない。水酸化ナトリウムも同様に、水溶液に溶かしていない固体の水酸化ナトリウムは電気を流さない。 塩化銅も、固体の状態では、電圧を加えても、電気を流さない。 塩化銅の水溶液に電気を流すため、水溶液にプラスの陽極とマイナスの陰極の電極を差し込んで電気を流すという実験について、これから説明する。 この塩化銅水溶液に電気を流す実験では、陰極に、銅が付着する。一方、陽極付近には、塩素が気体として発生する。 発生気体が塩素であることは、臭いが、プールの消毒液のような臭いであることからも分かる。有毒な気体なので、あまり、かぎすぎないように。においをかぐときは、手であおぐようにして、かぐこと。 実験をするときは、換気をして、実験すること。 この陽極と陰極のそれぞれの発生物質から、塩化銅の水溶液では、塩素と銅という二つの物質に分かれている事が、予想される。 電気を流していない状態では、二つに分かれた塩素と銅は、水溶液に溶けている状態だが、電気を流すことで、出てきた、という仕組みが予想される。 電気は、プラスとマイナスが、引き寄せあうのだった。 陰極に銅が付着するということは、水溶液中の銅は、逆の電荷を持っているということであり、つまり銅はプラスの電荷を持っているということである。 一方、陽極に塩素が発生するという事は、つまり塩素は逆符号の電気を持っている、つまり塩素はマイナスの電気を持っているということである。 そのほかの様々な実験からも、塩化銅の水溶液中での、電気を流す前の塩素は、マイナスの電気を持っていることが確認されている。中学生は、この実験結果を、うのみにして良い。水溶液中の銅についても、塩化銅の水溶液の中では、電気を流す前の銅は、プラスの電気を持っていることが確認されている。 さて、普通の水に少量の食塩などを混ぜて電気を流すと、水の電気分解によって、水素と酸素が発生する。 今回の塩化銅の水溶液に、電気を流して、銅と塩素を発生させる実験は、つまり、塩化銅の電気分解(電解)をしたことになる。 なお、この実験で陰極に銅が付着することを応用して、金属の表面に 銅めっき をすることが出来る。 銅品位が20%から40%の銅精鉱を、コークスCなどとの加熱反応で還元したものは、銅品位が約99%であり、粗銅とよばれる。粗銅には、亜鉛や銀などの不純物が含まれるので、純度をさらにあげるためには、これら亜鉛などを分離する必要があり、そのために電解が利用されている。 硫酸銅(II)水溶液をもちいる。そのさいの電極(陽極)に、純度をあげたい銅を用いる。つまり、粗銅を陽極に用いる。純度の高い銅を陰極に用いる。電気分解により、次の反応が起こる。 陽極からは、銅だけが溶け出すのではなく、銅よりイオン化傾向の大きい鉄や亜鉛やニッケルなども溶け出す。しかし陰極で析出するのは、ほとんど銅だけなので、陰極にて高純度の銅が得られる、という仕組みである。 粗銅中に銀や金が含まれていた場合、イオン化傾向が銅よりも小さい銀や金は、陽極の下に沈殿する。これを陽極泥(英語: anode slime)という。陽極泥には、金や銀などが含まれているので、ここから金や銀を回収する。 陰極には純度の高い純度99.99%程度の銅が析出する。これを純銅という。 他の電解質の水溶液に、電気を流す場合も考えてみよう。 塩酸の水溶液に電気を流すと、陽極に塩素が発生する。塩化銅の水溶液に電気を流す実験でも、陽極には、塩素が発生したのであった。以上の2つの実験から、塩素をふくむ電解質の水溶液の陽極には、ふつう、塩素が発生することがわかる。 一方、塩酸の水溶液に電気を流す実験で、陰極(マイナス極)のほうには、水素が発生する。 そのほかの様々な実験からも、塩酸や塩化銅の水溶液中での塩素は、マイナスの電気を持っていることが確認されている。中学生は、この実験結果を、うのみにして良い。 原子は, 陽子と中性子からなる原子核と、原子核のまわりを回る電子からできている。原子の直径は1億分の1cm程度である。電子は、原子核には含めない。 陽子の質量と、中性子の質量は、同じである。厳密にいうと、ほんのわずかに質量が違うのだが、ほとんど同じなので、中学の段階では、陽子の質量と、中性子の質量は同じである、と考えてよい。一方、電子の質量は、陽子と比べて、極めて小さい。電子の質量は、陽子の質量の 約 1 1800 {\displaystyle {\frac {1}{1800}}} 倍 でしかない。 したがって、原子にとって、電子は、ほとんど質量が無い。ある原子や分子の質量の大きさを決めているのは、その原子核の陽子や中性子の個数である、と考えても、中学高校では、あまり問題は無い。 電子1個のマイナスの電気の強さは、陽子1個のプラスの電気の強さと符号が反対なだけで、強さは同じであるので、1個の電子と1個の陽子の力がつりあう。 原子の中心には+の電気をもつ原子核が1つあり、マイナスの電気をもついくつかの電子がそれを取り巻いている。安定している状態の原子や分子では、原子核の持つ陽子の数と、電子の持つ数とは、同じであり、原子核がもつ+の電気の総量と、電子のもつマイナスの電気の総量が等しいので、原子全体は電気を帯びていない。 ある原子が、何の元素であるかは、原子核に含まれる陽子の数で決まる。一方で、原子核の中性子の数は、陽子の数に近いが、必ずしも陽子と中性子の数が同じとは限らない。原子核に含まれる陽子の数が同じで(すなわち、同じ元素で)、中性子の数が異なるものを、同位体(英語: isotope)という。 ふつうの水素原子の原子核は、1個の陽子だけである。1個の陽子だけを持つ水素原子のまわりの電子の数は、1個の電子がある。 ふつうのヘリウム原子の原子核は、2個の陽子と、2個の中性子との、計4個の粒子である。ヘリウムの電子の数は、陽子と同じ2個である。 ヘリウム原子の原子核の質量は、水素原子の原子核の質量の、ほぼ4倍である。 たとえば水素原子とヘリウム原子の質量の比なら、電子の質量は無視できる。よって原子核の粒子数の比から、ヘリウム原子の質量は、水素原子の質量の4倍である。 電気を帯びた原子をイオンという。イオンのうち、+(プラス)の電気を帯びたイオンを陽イオンと言い、いっぽう、-(マイナス)の電気を帯びたイオンを陰イオンという。 塩化銅の水溶液での塩素は、陰イオンである。塩化水素の水溶液での塩素も、陰イオンである。 塩化銅の水溶液での銅は、陽イオンである。塩化水素の水溶液での水素は、陽イオンである。 イオンは原子が電子を失ったり受けとったりすることにより、安定な状態になったものである。陽イオンは、原子が電子を失って+の電気を帯びたものである。電子を2個失うと、1個の場合の2倍の+電気を帯びる。一方、塩素原子などは電子を受けとり-の電気を帯びる。 原子の記号の右肩に,帯びている電気の種類と量を書いた記号をイオン式という。 (注:イオン式という用語は、令和2年度教科書から全ての教科書で撤廃されました。) OHなど、いくつかの原子があつまった物であるが、分子にはなっていないものを、原子の集まりという意味で、原子団(げんしだん)と言う。 アンモニウムイオンも、このような、いくつかの原子があつまったイオンであり、アンモニウムイオンは原子団である。 ナトリウムイオンは陽イオンであり、Na+である。 塩化ナトリウム NaCl では、塩化物イオンCl-のマイナス電荷1個と、ナトリウムイオンNa+とのプラス電荷1個がつりあっているので、塩化ナトリウム NaCl 全体では電気を持っていない。 塩化銅 CuCl2 も、塩化物イオン Cl- の2個と、銅イオン1個 Cu2+ のプラス電荷の2個がつりあっているので(銅イオンの場合、銅原子1個につき電気が2個ある)、塩化銅 CuCl2全体では電気を持っていない。 電解質が水にとけて陽イオンと陰イオンとに分かれることを電離(英語: ionization)またはイオン化という。非電解質は電離しない。 塩化ナトリウムが水に溶けてイオンに分かれることも、電離である。塩化銅が水溶液中で塩化物イオンと銅イオンに分かれることも電離である。 砂糖が水に溶けても、電離はしていない。エタノールを水に溶かしても、電離してない。 塩化水素は、気体の状態では水素原子と塩素原子が結合したもので電気的に中性である。水にとけると、水素イオンH+と塩化物イオンCl-となる。1つの塩化水素からは1つの水素イオンと1つの塩化物イオンができる。 ・塩化水素 ・塩化ナトリウム ・水酸化ナトリウム ・塩化銅 スポーツドリンクなどの広告とかで、「電解質」やら「イオン」などの文字を見たり聞いたりすることもあるでしょう。保健体育などの授業でも、電解質やイオンなどの言葉を聞く場合もあるかもしれません。 これは、どういうことでしょうか。 じつは、私たち人間の体にも、血液中などに、塩化物イオンやナトリウムイオンなどのイオンが溶けています。 ナトリウムイオンは、人体で、さまざまな働きをしています。汗をかくと、ナトリウムイオンなどのイオンが失われます。もしナトリウムが不足しすぎると、 めまい や けいれん などの危険な症状になります。 なので、ナトリウムイオンなどをおぎなうために、食事などでは食塩をおぎなう必要があるので、塩分のふくまれたものを食べるのです。 学校の給食は、栄養士の人などが、中学生に必要な塩分やカロリーやビタミンなどを計算して、給食を作っています。アレルギーが無い限り、なるべく給食を食べるようにしましょう。 さて、汗をたくさん、かいたあとに、水だけを飲んでも、ナトリウムは補われません。熱中症で、汗をかきすぎた場合は、患者に水だけを飲ませるよりも、うすめの食塩水をのませたほうが良いのです。(中学高校の保健体育の教科書でも、そう説明されています。)ちなみに、みそ汁の濃度と同じくらいの濃度が、熱中症の人に飲ませる食塩水の濃度では、ちょうど良いとされています。この濃度は、水1kgあたり、食塩2gていどです。 スポーツドリンクで「イオン」とか「電解質」と言ってるのは、商品にもよりますが、運動で汗をかいたときに不足しやすいナトリウムなどのイオンが含まれている飲料だからです。 この節で扱う電子殻(でんしかく)について、詳しくは高校で習う。 原子の構造のうち、電子が並んでいる原子核の周りの部分について、より詳しく見ていこう。 この電子殻は何重かにわかれており、内側からK殻(英語: K shell)、L殻(英語: L shell)、M殻(英語: M shell)、……と呼ぶ。 それぞれの層に入ることのできる電子の数は決まっており、その数以上の電子が一つの層に入ることは無い。たとえば、K殻に入ることのできる電子の数は2つまでである。また、電子は原則的に内側の層から順に入っていく。M殻以降では例外もあるが、中学・高等学校の化学ではこれについては扱わない。 また、いちばん外側の電子殻にある電子を最外殻電子と呼ぶ。最外殻電子は原子の性質に大きな影響を与える。ある原子とある原子との接点が、実際には電子殻であるため、原子の結合の仕方などはこの最外殻電子の個数が重要になってくる。原子の性質を決める最外殻電子を特別に価電子(英語: valence electron)と呼ぶ。 最外殻にそれ以上電子が入ることのできない状態を閉殻という。閉殻になっている原子の価電子の個数は0であると約束する。 各々の原子の電子の、電子殻への配列の仕方を電子配置(英語: electron configuration)という。K殻に2個の電子が全て収められた場合の電子配置は、希ガスであるヘリウムHeの電子配置と同じである。L殻まで電子が全て収められ、L殻に8個の電子とK殻に2個の電子の合計10個の電子が全て収められた場合の電子配置は、希ガスであるネオンNeの電子配置と同じである。 同様に、M殻の終わりまで全て電子が収められた状態は、希ガスであるアルゴンArの電子配置と同じである。 ナトリウムがイオン化すると、電子配置はネオンNeと同じになる。(原子核は、ナトリウムNaとネオンNeは、ちがっている。) 塩素がイオン化すると、電子配置は、アルゴンArと同じになる。(原子核は、塩素 Cl とアルゴン Ar は、ちがっている。) ヘリウムや、ネオンやアルゴンは、周期表では、18族の最後の列になる。 これら18族のヘリウム、ネオン、アルゴンは、安定しており、化学反応しづらい。 18族以外の他の原子でも、電子配置が18族の配置と同じ配置になると、その原子や分子などは安定する。なので、水溶液中などでは、電子配置が、最外殻電子を埋めるように、もしくは最外殻電子をなくすように、反応をする。 この結果、周期表を見ることで、イオンになった場合の電荷の数や符号が、だいたい予想できる。 水素H、リチウムLi、ナトリウムNaなど、周期表の1族の原子がイオンになったとき、イオンはそれぞれ、H+、Li+、Na+、・・・というふうに、イオンの電気がプラス1である。 逆に、塩素は、周期表の17族にあるが、電子が1個だけ増えると、18族の電子配置と同じになるので、塩素イオンCl-というふうに、塩素イオンの電気はマイナス1ということが、周期表からも予想できる。 イオンに限らず、分子をつくる反応でも、最外殻電子の電子数を安定配置にする方向に、反応が進む。 たとえば水素Hの気体が、水素分子H2として存在する理由も、2個の水素原子が最外殻電子を1個ずつ共有すると、電子配置がヘリウムと同じになり、安定するからである。 酸素分子も同様であり、2個の酸素原子が、電子を2個ずつ共有すれば、16族の酸素原子は、ちょうどネオン(18族)の電子配置と同じになる。 固体の塩化ナトリウムでも、ナトリウムの電子1個が、塩素の電子殻に移動することで、それぞれ電子殻が安定する。 電子殻について、詳しくは高校で習う。 しかし、K殻よりも小さい殻は発見されませんでした。 化学反応で発生したイオンを調べる方法には、様々な方法があるが、一つの方法として、次に説明する炎色反応が応用できる。 ナトリウムやカリウム、カルシウムなどのある種の元素は、炎の中に入れると、元素の種類ごとに特有の色の炎が上がる。 このような現象を炎色反応(英語: flame test)という。 イオンの検出では、白金線にイオン水溶液をつけガスバーナーの炎に入れると、もし水溶液中のイオンがリチウムイオンなら赤色に、ナトリウムイオンでは黄色に、カリウムでは赤紫色にそれぞれ炎が色づく。 中学の段階では、元素と色の対応を、無理に覚える必要はない。 花火の色は、炎色反応を利用しているのが、一般である。 化学変化や温度差、光などの作用によって電気エネルギーをつくり出す装置を電池(英語: battery)という。 電池のうち、化学変化を利用して化学エネルギーを電気エネルギーに変える電池のことを、化学電池と呼ぶ。 一方、太陽光発電パネルなどのように、化学反応を用いなくても発電できる装置は、化学電池ではない。 本節では、化学電池を重点的に説明する。イオンの観点から、化学電池を説明する。 さて、化学電池では、どうやって、化学変化で電気を起こしているのだろうか。 まず、電気回路について、復習の便宜のため、説明しておこう。 まず電流とは、導線の内部を、マイナスの電気をもつ電子が流れているのが電流の正体である。 金属線を電池などの電源に接続すると、金属線中の電子は-極から+極に向かっていっせいに移動する。回路を流れている電流とは、このように電源の-極から+極に流れる電子の移動である。 電流の向きは電源の+極から出て-極に入る向きに流れると決められている。これは、電流の向きが決められた当時は電子がまだ発見されていなかったことによる。電流の正体が-の電気をもつ電子の流れであることがわかってからも、「電流は電源の+極から出て、-極に入る向きに流れるもの」と定義されている。 1780年ごろ、イタリアの解剖学者ガルバーニ(1737〜1798)は、解剖したカエルの あし に2種類の金属を接触させると、あしが感電したかのようにけいれんすることを発見した。ガルバーニはカエルの筋肉に電気がたくわえられているのだろうと考え、これを「動物電気」と名づけた。 しかし、解剖した あし が けいれん する本当の原因は、2種類の金属が、電池の電極となって、電気をつくっているのだった。 イタリアのボルタ(1745〜1827)による電池の研究によって、けいれんの本当の原因が明らかになった。 そしてボルタは、1800年、2種類の金属(銅と亜鉛)で、食塩水(塩化ナトリウム水溶液)でしめらせた厚紙をはさんだ物によって電池をつくり、現代でいう「ボルタの電池」を発明した。 この電池から取り出される電流は小さかったので、ボルタは直列的に2種類の金属ではさんだ厚紙(食塩水でしめらせてある)を何段も積みかさね、柱状にした電池を発明した。この柱状に積み重なったボルタの電池を「ボルタの電椎」(でんつい)という。 うすい塩酸、またはうすい硫酸に、亜鉛板と銅板をひたすと、電池が作れる。銅板の側が電池の正極で、亜鉛板の側が負極である。このように、亜鉛板と銅板と酸溶液からなる電池をボルタの電池(Voltaic pile)という。 亜鉛板が電池のマイナス極に相当し、銅板がプラス極に相当する。 ここで重要なのは、決して片方の亜鉛板だけを硫酸にひたしても、マイナス極しか出来ていないから、電気は発生しなくて、電池にはならない。たとえ亜鉛板が酸と反応して溶けても、電池は出来ず、電気も流れず、単に亜鉛板が硫酸にとけていくだけである。 マイナス極の亜鉛板だけでなく、亜鉛板にくわえて、プラス極になる銅板を薄い硫酸にひたして、こうしてプラス極とマイナス極とがそろって、化学電池になるのである。 ボルタの電池が、電池であることを確認するには、回路に豆電球(ただし理科実験用の小型のもの)をつないだり、あるいはモータ(ただし理科実験用の小型のもの)をつなげば良い。回路に電球やモータをつないだとき、電極で起こる化学反応は以下の通りである。 亜鉛原子が電子を2個失って亜鉛イオン(Zn2+)になり水溶液にとけ出す。 ここで、記号 e は電子である。電子は、当然、マイナスの電気を持っているので、e-という記号になる。 電子e-は、導線を伝わって、亜鉛板から銅板のほうへと流れていく。 亜鉛板にたまった電子が導線へ流れ出し、モーターを通ったあと銅板に流れこむ。この電子は、水溶液中の水素イオン(H+)と結びつき水素原子になる。できた水素原子2個が結びついて水素分子( H 2 {\displaystyle H_{2}} )になる。 電子の流れは「亜鉛板 → 銅板」なので、電流の向きは、「銅板 → 亜鉛板」となり、亜鉛板が−極、銅板が+極となる。 ボルタの電池の電圧は、最初は常にほぼ一定である。この電池が作る電圧を起電力(英語: electromotive force, EMF)という。ボルタの電池の起電力は、1.1ボルトである。 電圧や起電力の単位の「ボルト」の由来は、ボルタの電池を発見したボルタが由来である。 なお、ボルタの電池は、時間がたつと、起電力が下がっていってしまう。これは反応中に銅板で発生する水素による泡が原因である。 このような電極に発生した泡による起電力の低下を、電池の分極(英語: polarization)という。分極は高校レベルなので、中学生は、あまり気にしなくて良い。 ボルタの電池のように、プラス極の金属板とマイナス極の金属板は、べつの種類の元素でなければならない。 プラス極とマイナス極の両方の金属板を亜鉛板にして、塩酸など酸溶液にひたしても、まったく電気は流れない。 同様に、プラス極とマイナス極の両方の金属板を銅板にして、塩酸など酸溶液にひたしても、まったく電気は流れない。 ボルタの電池の他にも、化学反応を用いた電池は多くある。たとえば、乾電池に用いられるアルカリ電池やマンガン乾電池も、化学反応を用いている。 このように、起電力の電圧の発生要因に化学反応を用いている電池を化学電池(かがくでんち)という。 金属と酸との化学電池の組み合わせは、銅と亜鉛だけでなくとも、可能である。 銅板とマグネシウムリボンでも、塩酸の水溶液で、電池は出来る。 亜鉛板とマグネシウムリボンでも、塩酸の水溶液で、電池は出来る。 ビーカーをセロハンまたは素焼きの筒・板で区切り、どちらかに硫酸銅水溶液に銅板、もう一方に硫酸亜鉛水溶液に亜鉛版をひたすと、電池が作れる。銅板の側が電池の+極で、亜鉛板の側が-極である。このように、亜鉛板と銅板と酸溶液、セロハンまたは素焼きの板からなる電池をダニエル電池という。 亜鉛原子が電子を2個失って亜鉛イオンになり水溶液にとけ出す。なので亜鉛イオンはとけてボロボロになっていく。 ここで、記号 e は電子である。電子は、当然、マイナスの電気を持っているので、e-という記号になる。 電子e-は、導線を伝わって、亜鉛板から銅板のほうへと流れていく。 亜鉛イオンが溶けだすことにより硫酸亜鉛水溶液内のイオンの濃度は濃くなっていく。 亜鉛版側から流れてきた電子e-は硫酸銅水溶液中の銅イオンとくっつき、銅原子となり銅板に付着する。 銅イオンが銅板に付着するため、硫酸銅水溶液のイオンの濃度は薄くなり、溶液の色も青色から無色に変化していく。 セロハンとは?→紙のようなもので目には見えない無数の穴があり、イオンが通り抜けることができる。 ①...液体が混合するのを防ぐため。 →当たり前のことであるが、硫酸銅水溶液と硫酸亜鉛水溶液をセロハン・仕切りを入れずにビーカーに入れたら混ざってしまう。 ②...電気的なかたよりを防ぐため。 →ダニエル電池では、銅板側の硫酸銅水溶液のイオンの濃度は薄くなり、亜鉛イオンが溶けだすことにより硫酸亜鉛水溶液内のイオンの濃度は濃くなっていく。ということは、銅板側では陽イオンである銅イオンが減り、-にかたよっている、亜鉛側では陽イオンである亜鉛イオンが増え、+にかたよっているといえる。そのためダニエル電池ではセロハンを通してイオンが移動する現象が起きる。亜鉛版側の亜鉛イオンが硫酸銅水溶液側に行き、銅板側の水溶液の硫酸イオンが+極側に移動する。そのため電気的なかたよりがなくなる。 マンガン乾電池の起電力の電圧は約1.5ボルトである。 マンガン電池の内部では、マイナス極に亜鉛を用いており、プラス極に二酸化マンガンを用いている。 電解質として、塩化亜鉛水溶液を用いている。 ボルタ電池のような反応がなぜ起こるかは、次の節で説明する、亜鉛板と銅板とのイオン化傾向の差による。 自動車のバッテリーで用いられている電池である。 電極は、マイナス極に鉛を用いている。プラス極には、酸化鉛を用いている。 電解質には、うすい硫酸が用いられている。 鉛電池では、外部から逆向きに電流を加えることで、充電が出来る。このように、充電の出来る電池のことを二次電池と言う。 一方、充電できない電池を一次電池という。マンガン乾電池は充電できないので、マンガン乾電池は一次電池である。 携帯電話のバッテリーや、ノートパソコンのバッテリーに用いられている。二次電池であり、充電できる。 デジタルカメラなどに用いられている。二次電池であり、蓄えられる電気の大きさが大きい。 ボルタ電池・ダニエル電池のような反応がなぜ起こるかは、この節で説明する、亜鉛板と銅板とのイオン化傾向の差による。 金属元素の単体を水または水溶液に入れたときの、陽イオンのなりやすさをイオン化傾向(英語 ionization tendency、イオニゼイション・テンデンシー)という。 例として、亜鉛Znを希塩酸HClの水溶液に入れると、亜鉛Znは溶け、また、亜鉛は電子を失ってZn2+になる。 一方、銀Agを希塩酸(薄い塩酸のこと)に入れても反応は起こらない。 このように金属のイオン化傾向(陽イオンのなりやすさ)の大きさは、物質ごとにイオン化傾向の大きさが異なる。 今度は、銅を希塩酸の溶液に入れてみた場合を考える。この場合は、なにも反応しない。 以上の例だけでは、まだ、銅と銀のイオン化傾向の大きさの大小関係は不明である。 そこで、銅と銀のイオン化傾向(陽イオンのなりやすさのこと)を比べるための実験例として、 硝酸銀AgNO3の溶液に、銅線や銅板などの銅の固体を添加する。 ここでは、銅板を添加したとしよう。すると、銅板の表面に銀が付着し、銀が析出する。 一方、この硝酸銀の溶液中では銅板は陽イオンとなり溶ける。 溶液は、しだいに青くなるが、この青色は銅イオン溶液の色である。以上の変化を反応式で書くと、 なお、この反応で生じた銀を、生じ方が樹木が伸びるように析出した銀が伸びることから銀樹という。 いっぽう、今度は溶液を変え、硫酸銅 H2SO4 の溶液に銀板Agをいれても、 なにも析出せず、なにも変化は起きない。 これらのことから、銅は銀よりもイオン化傾向(陽イオンのなりやすさのこと)が大きいであろうことが予測できる。 また溶液を変え、硫酸銅の水溶液に亜鉛板Znを添加すると、亜鉛の表面に銅が析出する。 このことから、亜鉛Znは銅Cuよりもイオン化傾向が大きいことが予想できる。 さまざまな溶液や金属の組み合わせで、イオン化傾向の比較の実験を行った結果、 イオン化傾向の大きさが決定された。 左から順に、イオン化傾向の大きい金属を並べると、以下のようになる。 (中学の段階では、覚える必要はない。) 金属を、イオン化傾向の大きさの順に並べたものを金属のイオン化列(英語: ionization series)という。 水素や水は金属では無いが、比較のため、イオン化列に加えられる。 金属原子は、上記の他にもあるが、高校化学では上記の金属のみのイオン化列を用いることが多い。 なお、イオン化列の記憶のための語呂合わせとして、 「貸そうかな、まあ、あてにすな、ひどすぎる借金。」(かそうかな、まあ、あてにすな、ひどすぎる しゃっきん。) などのような語呂合わせがある。ちなみにこの語呂合わせの場合、 と対応している。中学では無理に覚える必要はない。 (以上、発展内容:イオン化傾向) 酸素と水素を用いて、電気分解と逆の反応を行っている。水素などの陽極の燃料を、触媒を用いてイオン化させ、余った電子を取り出す電池。陽極の燃料が水素の場合は、陰極で酸素および回収した電子と反応し水になる。このような仕組みで、電気を取り出す装置を燃料電池(ねんりょう でんち)という。様々な方式の燃料電池がある。 一方、電気分解は、次のような反応式で表せた。 水素ガスなどからエネルギーを取り出せる燃料電池(ねんりょう でんち)は、べつに発電方法では無い。電池は、発電した電力を蓄える装置でしかない。水素ガスを作るのに、別の電力が必要になる。 石油を燃やしたりするのとは違い、燃焼を行っておらず、反応では水と電気が出来るだけなので、直接的に大気汚染をすることは無く、環境への負担が低いと考えられており、そのため燃料電池の開発が進められている。 電解質の水溶液に、電極を2本入れて、それぞれの電極に、外部の直流電源から電気を通じると、電極で水溶液中の物質に化学反応を起こせる。これを電気分解(でんきぶんかい、electrolysis、イレクトロシス)という。あるいは略して電解(でんかい)という。 電気分解で、直流電源の負極につないだ側の電極を陰極(いんきょく、cathode、カソード)という。 電気分解で、直流電源の性極につないだ側の電極を陽極(ようきょく、anode、アノード)という。 陰極の電荷は、電源の負極から電子が送られてくるので、陰極は負電荷に帯電する。一方、陽極の電荷は、正電荷に帯電する。 なお、電極には、白金や炭素などを用いる。 一般に電気分解で反応を起こしたい対象は「水溶液」であり、電極そのものは反応を起こしたい対象ではないので、混同しないように注意のこと。外部の文献などでは、説明の簡略化のため、電気分解では「電極での反応」などという事が多いが、電極そのものが析出をするのでは無いので、間違えないように。 この電気分解の実用例として、金属の精錬に利用されている。 純水な水は電気を通さないので、導電性を高めるために硫酸か、あるいは水酸化ナトリウムを加える。 陰極で水素 H2 が発生する。 陽極では、酸素 O2 が発生。 水の電気分解で発生する気体の体積の比率は、一定で、 である。 これまでに、塩酸(えんさん)や酢酸(さくさん)や硫酸(りゅうさん)などの酸について学んだ。これらの薄い水溶液は、つぎのような性質を示す。 このような性質を酸性(さんせい)と言った。また、酸性を示す物質を酸(さん、acid)と言った。酸性の水溶液のこれらの性質の理由は、イオンの観点で見ると、実は水素イオンH+の性質である。したがって、酸とアルカリをイオンの観点から定義しなおすと次のようになる。 酸とは、水に溶けたときに水素イオン H+ を出す物質である。 たとえば塩化水素HClは、水溶液中では と電離しているので、塩化水素は酸である。硫酸 H2SO4 も、同様に化学式に水素原子 H を含んでいる。この水素原子が水素イオンになるというわけである。 アルカリとは、水に溶けたときに水酸化物イオン OH- を出す物質である。 たとえば水酸化ナトリウムNaOHは、水溶液中では と電離しているので、水酸化ナトリウムはアルカリである。 アンモニアNH3は、分子中にOHを含んでいないが、アンモニアの水溶液はアルカリ性をしめす。これは、アンモニアNH3は水に溶けると次のように電離して、水溶液中の水分子から水素イオンをうばってNH4+をつくり、水酸化物イオンOH-を発生させるためである。 このように、ある物質が酸かアルカリか、または、どちらでもないかは、イオン反応式も知らなければ判断できないので注意が必要だ。 アンモニアの例からも分かるように、もし化学式中に水素原子Hを含んでいても、その水溶液が酸性とは限らない。 さて、つぎの節では、小学校以来これまでに習った酸とアルカリの基本的な性質を復習する。イオンの観点による酸やアルカリの定義と、これまでに習った酸やアルカリの基本的な性質や実験例、具体的な反応式などを関連付けてしっかり理解しよう。 酸性の溶液には次のような性質が有る。 おもな酸には、塩酸HCl、酢酸CH3COOH、炭酸H2CO3、硫酸(りゅうさん)H2SO4、硝酸(しょうさん)HNO3などがある。ミカンなどの柑橘類(かんきつるい)に含まれるクエン酸や、食用油などに含まれるオレイン酸も酸である。 塩酸 HCl とは、塩化水素(えんかすいそ、hydrogen chloride)という気体が溶けた水溶液である。 無色透明の水溶液である。強い酸性を示す。 塩酸は、水溶液中で、次のようにイオンに電離している。 においは、刺激臭が有る。この刺激臭は塩化水素の蒸気のにおいである。 (※ 注意:塩酸のにおいをかぐ時は、決して直接、かいではいけない。塩酸の蒸気を手であおいだり鼻に風を送ったりして、間接的に、においをかぐ。) 食用の酢酸水(CH3COOH水溶液)である食酢(しょくさく)には、酢酸(CH3COOH)が3%〜5%ほど含まれている。 酢酸は、水溶液中で、次のようにイオンに電離している。 においは、すっぱい刺激臭が有る。 濃い酢酸は、寒くなると凍る。凍った酢酸を氷酢酸(ひょうさくさん)という。 二酸化炭素CO2の溶けた水溶液である。 水溶液中では、つぎのように電離している。 強い酸である。 水溶液中では と電離し、強い酸性を示す。 塩酸や硫酸などの強い酸のことを、まとめて、強酸(きょうさん)という。 一方、炭酸や酢酸などの、弱い酸を、弱酸(じゃくさん)と言う。 塩酸や硫酸、硝酸などの強い酸は、危険であり、取り扱いには注意を要する。皮膚などにつかないように注意する。 もし、実験の失敗などで、これらの酸の濃い酸が体にかかったり、大量の酸がかかったら、実験を中断し、すぐに大量の純水で洗い、先生や大人に相談すること。 注意するのは、酸の液体だけでなく、酸の液体から発する蒸気なども、注意すること。蒸気を、かぎすぎないようにすること。また、目に入らないようにすること。 まず、復習をしよう。 水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カルシウム水溶液やアンモニア水溶液は、つぎのような性質を示す。 このような性質をアルカリ性と言う。(または塩基性(えんきせい)と言う。中学の段階では、アルカリ性で呼び方を統一してよい。)また、水溶液がアルカリ性を示す物質のことをアルカリ(alkali、発音:アルカライ)という。 アルカリの中にはタンパク質や脂肪などを溶かすものもあり、皮膚などを溶かし、強いアルカリや濃いアルカリの中には危険な物もある。取り扱いには注意すること。皮膚などにアルカリをつけないようにする。もしアルカリが目に入った場合は、即座に大量の純水で洗い流し、先生や大人に相談および連絡をして、必要に応じて保険医などに診察してもらうこと。 注意するのは、アルカリの液体だけでなく、アルカリの液体から発する蒸気なども、注意すること。蒸気を、かぎすぎないようにすること。また、目に入らないようにすること。 こういう目にアルカリの入る事故が起きないように、あらかじめ、安全メガネなどを掛けておくなど、必要に応じて準備すること。 水酸化ナトリウム(すいさんかナトリウム、sodium hydroxide、ソウディアム・ハイドロオキサイド)は、強いアルカリ性を示す。なので取り扱いには気をつけること。 消石灰のことである。 アンモニアの水溶液をアンモニア水(アンモニアすい)という。 水酸化カリウムは、次のように電離する。 酸性でもなく、アルカリ性でもない性質を中性(ちゅうせい)という。純水(じゅんすい)は、中性である。 水溶液が中性をしめす物質は多くあるが、例を上げると、食塩水や砂糖水は中性である。リトマス紙に中性の水溶液をつけても、色は変わらない。 イオンの観点から見れば、水溶液が中性の物質は、たとえば、 などがある。 酸性の溶液とアルカリ性の溶液を混ぜた水溶液を作ると、酸の水素イオン H + {\displaystyle \mathrm {H^{+}} } と、アルカリの水酸化物イオン O H − {\displaystyle \mathrm {OH^{-}} } が結合し、水分子H2Oが出来る。 この反応を中和(ちゅうわ)と呼ぶ。 酸とアルカリが中和した際には水が生じる。 また、中和の結果、その水溶液は中性に近づく。中和とは、酸とアルカリが反応して水を生じることを言うので、必ずしも水溶液は中性ではない。 具体例として、塩酸 HCl と水酸化ナトリウム NaOH との、中和を考える。 のような反応が起こる。 (左辺前半の H+ +Cl− はHClに由来。左辺後半の Na+ + OH− は NaOH に由来。) 中和をしただけだと、水溶液にNaClが溶けて電離したままなので、塩化ナトリウム NaCl は 出来ない。 塩化ナトリウム NaCl のように、分子式が、酸とアルカリの中和で作れる分子になってる化合物を、塩(えん)と言う。 つまり、 である。 たとえ塩化ナトリウムや塩化物で無くとも、もし酸とアルカリの中和反応で出来る化合物なら、その化合物は塩(えん)と言う。 塩の定義を、より詳しく言うと、中和反応での、酸の陰イオンと、アルカリの陽イオンとが結びついた化合物を、塩(えん)という。 詳しい定義で、たとえばNaClを説明すると、 というふうに、確かに、塩(えん)に なっている。 塩酸の水溶液に、水酸化ナトリウムを加えていくと、中和によって、だんだん中性に水溶液は近づいていく。そのまま、さらに水酸化ナトリウムを加えると、完全に塩酸の水素イオンを打ち消した時点では、水溶液は中性になる。さらに水溶液に水酸化ナトリウムを加えていくと、アルカリ性になる。 塩酸に水酸化ナトリウムを加えて中性になった水溶液に、さらに水酸化ナトリウムを加えても、中和は起こらない。なぜなら、中性の水溶液には、あまっている水素イオンが無いからである。なので、完全に中和して中性になった水溶液に、水酸化ナトリウムを加えると、そのままアルカリ性になっていく。 中和で生じる塩の種類については、反応に用いた酸とアルカリによって生じる塩が決まる。例えば、塩酸とアンモニア水が反応した時には水と塩化アンモニウム(えんかアンモニウム、ammonium chloride)が生じる。この反応は次の化学反応式で書かれる。 以上の例のように、酸とアルカリを混合すると、中和によって、水と塩(えん)が生じる。 ・塩化ナトリウム(食塩) NaCl 中和によって塩化ナトリウムを生じさせたい場合は、塩酸HClと水酸化ナトリウムNaOHの中和で、塩化ナトリウムNaClを生じさせる事が出来る。 ・硫酸バリウム BaSO4 硫酸 H2SO4 と水酸化バリウム Ba(OH)2 の中和によって、塩(えん)として、硫酸バリウム BaSO4 が生じる。 硫酸バリウムは白色であり、また、沈殿(ちんでん)を生じる。つまり、硫酸バリウムは白色の沈殿になる。 したがって、硫酸と水酸化バリウムの中和で、白色の沈殿が生じる。この、硫酸と水酸化バリウムの中和で生じた白色の沈殿が、硫酸バリウムである。 反応式を書くときは、塩だけでなく、水も生じることを忘れないように。 なお、硫酸バリウムは、医療用の放射線検査でもちいる造影剤(ぞうえいざい)である。 ・炭酸カルシウム CaCO3 白色の沈殿である。石灰水を白く濁らせるのは、この炭酸カルシウム である。 炭酸と、水酸化カルシウム水溶液との、中和で炭酸カルシウム CaCO3 が生じる。 ・塩化カルシウム CaCl2 塩酸 HCl と 水酸化カルシウム Ca(OH)2 の中和で、塩化カルシウム CaCl2 が生じる。 ・硝酸カルシウム Ca(NO3)2 硝酸 HNO3 と 水酸化カルシウム Ca(OH)2 の中和で生じる。 沈殿は生じない。水溶液から硝酸カルシウムを取り出す場合は、蒸発や再結晶などによって取り出す。 以上の塩の例のように、塩には、NaClのように水に溶けやすい塩と、硫酸バリウム BaSO4のように水に溶けにくい塩との、2種類がある。 水溶液中での酸性やアルカリ性には強さがある。酸性やアルカリ性の強さを決める要因は、おもに、その酸の種類またはアルカリの種類と、水溶液中での酸またはアルカリの濃度で決まる。 水溶液の酸性やアルカリ性の強さを表す値を pH(ピーエイチ、もしくはペーハー) と呼ぶ。pH が、 pH=7のとき、その溶液は中性である。 pHが7未満が酸性である。pHが小さくなるほど、溶液は酸性に近づく。 一般に、pH=0で最も強い酸性である。 またpHが7より大きいと、アルカリ性である。pHが大きくなるほど、溶液はアルカリ性に近づく。一般に、pH=14が最も強いアルカリ性である。 pHは普通、0から14の範囲内である。 私たち中学3年以上の読者は、イオンを知っているし、酸は水素イオン H+ によって出来ることも知っているし、アルカリは水酸化物イオン OH- などによって出来ることも知っている。 つまり、PHの強さは、水溶液中の水素イオンや水酸化物イオンの数や濃度から、計算することができる。( PHとイオンの数の計算は、くわしくは、高校で習う。 ) 物質の中には、水溶液に接触させた時に、水溶液のpHの値によって色が変化するものがある。このような物質はpHを調べるのに用いることができるので、これらの物質のうちpHを調べる物質として実用化されている物質をpH指示薬(pH indicator、ピーエイチ・インディケイター)という。いわゆるリトマス試験紙もpH指示薬に含まれる。またリトマス試験紙のように、pH指示薬を試験用の紙に染み込ませて用いる事が多い。このようなpH指示薬を染み込ませてある紙をpH試験紙(pH indicator paper)という。 リトマス紙やBTB溶液やフェノールフタレイン溶液は、pH指示薬である。pH指示薬には、他にもメチルオレンジなどがある。 pH指示薬は、その物質によって、色を変えるpHの範囲が限られている。たとえば、メチルオレンジはpH=3.1以下では赤色で、そこからpHが高くなると黄色味を増していき、pH=4.4では橙黄色である。pH=4.4より高いpHでは橙黄色のまま、ほとんど色が同じなので、このpHの範囲では指示薬として用いられない。 なお、このように指示薬の色が変わるpHの範囲を変色域(へんしょくいき、indicator range など)という。
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向きがちがう2つの力を合成した場合は、図のように、平行四辺形の対角線の向きの、合力となる。 摩擦の無い斜面上では、そこにある物体には、重力と垂直抗力が図のように働く。それ以外の力は働いていない。 重力のうち、斜面に垂直な分力は、垂直抗力と打ち消しあう。このため、斜面をすべる物体は、斜面から浮びあがったりもしなければ、斜面の地下深くに沈んだりもしない。 そして、重力のうち、斜面に平行で斜め下向きの分力によって、物体は加速していく。 下図のように、斜面の傾きが大きくなればなるほど、斜面に平行で斜め下向きの分力は大きくなる。そのため、斜面の傾き大きいほど、台車は、すばやく斜面をすべり落ちていく。 速さとは、単位時間(1秒、1分、1時間)あたりの移動距離(m、km)のことである。速さの単位は m/s や km/h など, 長さの単位を時間の単位で割ったような単位である。 電車で、「時速100キロメートル」といっても、止まっていた電車がいきなり時速100キロメートルで運転を始めるわけではない。 時速10キロメートル、時速20キロメートル、時速30キロメートル、・・・としだいに加速していって、最終的に時速100キロメートルまで速さを上げていくわけである。 実際には、電車は、なんらかの事情で、またある時は減速したりするが(たとえばカーブの近くでは速さを落すだろう)、またある時は加速したりする。 電車や自動車などのスピードメーター(速度計)には、その各瞬間の速さが表示されてるだろう。 このように、各瞬間ごとの速さを、瞬間の速さという。 瞬間の速さは、その瞬間を時間的中点とする区間の平均の速さに等しい。 さて、駅から次の停車駅までの区間の全体的な速さを知りたい場合、そのような各時点での速さでは不便だろう。 たとえば、東北新幹線が、東京駅から新青森駅までの約700kmを、およそ3時間で到着したとしよう。 この東京〜新青森の間での瞬間の速さは、途中の駅で停車したりなどで、瞬間の速さはどんどん変わる。 しかし、最終的に、約700kmの距離を3時間で走行したわけだから、 という計算により、およそ 233 km/h で電車が走行した事が分かる。 このように、区間全体で判断した速さのことを平均の速さという。 水平でなめらかな床の上に、ピンポン玉やビー玉などを置いて、手で押すと、しばらく、ほぼ同じ速度で転がりつづける。摩擦があるので、しだいに減速していき、最終的には止まる。 なにも、ボールのように転がる物質でなくても、たとえば、ドライアイスをなめらかな床の上に置いて、ドライアイスをおし動かすと(ゴム手袋をすること。けっして直接はさわらないように)、しばらくドライアイスはそのまま同じ速度で進みつづける。 これは、ドライアイスが出る気体(二酸化炭素)が、床とドライアイスのあいだに入りこむことにより、摩擦が減るからである。 ドライアイスにかかる力には、重力と抗力があるが、それらの力の方向はどれも、運動の方向とはちがう方向である。 なので、また、ドライアイスにかかる力の合力はゼロである。つまり、図のように摩擦のない水平面の上ですべる物体では、図のように重力と抗力の合力はゼロである。 さて、このように、滑りやすい物体を、地面に滑らせ、その様子を観察する実験を行なう。このとき、物体は向きも速さも変えずに動き続ける。この様な運動を等速直線運動と呼ぶ。 運動している物体は、受けている力の合力がゼロである場合、向きと速さを変えずに運動を続ける(静止状態も「速さ0の運動」としてこれに含まれる)。この法則を慣性の法則という。 理科では、物体に力を加えて、その力の向きに動かしたとき、仕事(英語: work)をしたという。 仕事は、力の大きさと力の向きに動いた距離との積のことである。 単位時間あたりにする仕事を仕事率(英語: power)という。 仕事率の単位は, 仕事の単位を時間の単位で割ったものである。仕事の単位としてJ (ジュール)を用い, 時間の単位として秒を用いた場合の仕事率の単位は J/sとなり, これはW(ワット)という名前がついている。 動滑車やてこなどの道具を使った場合、物体を動かすのに必要な力は小さくなるが、力をはたらかせる距離は大きくなり、仕事は道具を使わない場合と変わらない。このことを仕事の原理'という。 仕事の概念を用いて、物体のもつ位置エネルギーが計算できる。 質量Mの物体の重さは、重力加速度をg(≒9.8 m/s2)とすれば、Mgなので、位置エネルギーの基準を地面を0とすれば、地面から高さhにある物体の位置エネルギーUは、 となる。たとえばM=2 kg, h=3 mの場合, 位置エネルギーは, となる。ここで、kg m2/s2 という単位は、Jという単位と同じである。 機械の能力をしりたい時、単位時間あたりにどれだけの仕事ができるかを知りたいときがある。 たとえば、モーターを使うときなど、そうだろう。 そこで、仕事率が、次の式で定義されており、その単位はワット(記号: W)である。 1秒間に1J(ジュール)の仕事をするのが、1W(ワット)である。つまり、W(ワット)はJ/s(ジュール毎秒)と同じ内容であるが、習慣的にWと書くのが一般である。 仕事率の単位の「ワット」(記号 W)は、電力の単位の「ワット」(記号 W)と同じ単位である。 もし読者がすでに「エネルギー」という量を習ってれば、ワット(W)とは、1秒間あたりに使われるエネルギーの大きさを表す単位ことである。 滑車(かっしゃ)とは、中央に1本の軸を持つ自由回転可能な円盤(索輪)と、その円盤(索輪)を支持して他の物体に接続するための構造部とで構成される機構であり、円盤(索輪)外周部に接する棒状物または索状物の方向を案内する目的のほか、索状物の張力を他の物体に伝達したり 索状物へ張力を与える目的に用いる器具である。 ロープ、ケーブル、ベルト、あるいは鎖などの柔軟性を持った索状物を円盤の周囲にかけて使う場合には、円盤外周に沿って2つのフランジとその間に溝を設けて索状物が逸脱しないようにするのが一般的である。力の方向を変えたり、引張力を伝達するだけではなく、機械的倍率を向上させるのにも多用されている。5種類ある単純機械の1つである。英語では複数の滑車を組み合わせた装置を "block and tackle" と呼ぶが、日本語では「滑車装置」あるいは「複滑車」「組み合わせ滑車」などと呼ぶ。 滑車には取付方法により二つの呼称がある。 滑車装置の最も単純な理論では、滑車と線(ロープ)に重さがないと仮定し、摩擦によるエネルギー損失もないと仮定する。また、引っ張っても線は伸びないと仮定する。 平衡状態では、動滑車にかかる力はゼロとする。すなわち、動滑車の軸にかかる力は両側の線に等しく分散して伝わることを意味する。これを示したのが図1である。線が平行でない場合でもそれぞれの線の張力は等しいが、方向が異なるためベクトルとして表した力の総和がゼロになる。 次に、錘(負荷)の重量とそれが移動した距離の積は、線を引っ張る力(張力)と引っ張った長さの積に等しい。持ち上げた重さを引っ張った力で割った値が滑車装置の機械的倍率である。 このように、滑車装置は、なされる仕事(しごと)の量を変化させない。仕事は、力と距離の積である。滑車は力が少なくて済む代わりに、距離を犠牲にしている。少ない力で負荷を持ち上げることができるが、所定の高さまで持ち上げるにはより長く引っ張る必要がある。 図2では、動滑車によって重量 W を半分の力で持ち上げることを可能にする。力(図1の赤い矢印)は線の両側に等しくかかり、その一方は天井に固定されている。この単純な装置では、力の方向と重量が移動する方向は同じである。この場合の機械的倍率は2である。重量を引き上げるのに必要な力は W/2 だが、所定の高さまで引き上げるのに2倍の長さの線を引き上げる必要がある。したがって、全体としてなされる仕事(力×距離)は同じである。 図2aでは2つ目の滑車(定滑車)が追加されており、単に力の方向を反転させている。機械的倍率は変化しない。 定滑車を追加することで機械的倍率を向上させることもできる。図3では、定滑車を追加することで機械的倍率が3になっている。それぞれの線の張力は W/3 で、それぞれの滑車の軸にかかる力は 2W/3 である。図2aのようにさらに定滑車を追加することで力の方向を反転させることができるが、機械的倍率は変わらない。それを図3aに示す。 このように理想的な滑車を追加していけば、機械的倍率をどんどん向上させることができる。実際には滑車を増やせばその重量もかかるし、摩擦も増大する。したがって、現実の滑車装置には使用可能な滑車数の限界がある。図4aには機械的倍率が4の滑車装置を示している。天井への固定箇所がまとめられ、動滑車が1つの軸でまとめられた実用的な実装を図4bに示す。 滑車がすくない方が効率がよい場合もある。複滑車ではそれぞれの滑車やロープにかかる力が分散される点が最大の利点であり、それによって滑車やロープの耐えられる荷重を抑えつつ、大重量を持ち上げることができる。組み合わせ方によっては、滑車やロープにかかる力がそれぞれの場所で異なることもある。block and tackle では基本的にロープは1本であり、定滑車と動滑車をそれぞれ同じ軸に実装可能という利点がある。  図のように、傾き θ の斜面があるとしよう。計算の簡単化のため、斜面は滑らかであるとして、摩擦は無いとしよう。 また、0° < θ < 90° としよう。 この場合、物体を鉛直方向に h[m] だけ高い場所に上げる仕事を計算しよう。 まず、物体を動かすのに必要な力は、斜面を用いた場合、図から分かるように、 である。 しかし、高さhまで上げるために必要な、斜面の距離は、 である。 結局、仕事 W は となり、仕事は同じである。 すでに、物体の運動は、物体に力が働いたときだけ変化することを見た。ここでは、物体を運動させたり変化させたりすることができる量を、その物体が持つエネルギーと呼ぶ。運動している物体は、それが静止しているボールなどの物体に衝突することによってボールを動かせるので、運動する物体もエネルギーを持っている、運動している物体の、運動によるエネルギーを 運動エネルギー(うんどうエネルギー、kinetic energy) という。 さまざまな実験の結果によると、物体の運動エネルギーの公式は、 物体の速さを v [m/s]とし、その物体の質量を m [kg]としたとき、その物体の運動エネルギーをK[J]とすると、運動エネルギーの公式は である。 このように、運動エネルギーは、速さの2次式になる。 なので、たとえば、自動車が時速30kmで走行しているときと、時速60kmで走行しているときとでは、速度が2倍になってるので、運動エネルギーは4倍になっている。 これが、自動車でスピードの出しすぎが危険な理由のひとつである。 運動エネルギーを考えるときには物体の速度の大きさだけに注目し、速度の方向は考えないことに注意が必要である。ここで、あるエネルギーを持った物体は他の物体に衝突することで、持っているエネルギーを衝突した物体に与えることが出来る。このように、ある物体が持つエネルギーは他の物体に与えることが出来る。 いっぽう、物体の衝突の際には、音が発生することがある。音は上で述べた通り空気の振動であるので、空気自身も振動を行なうために、速度を持たなければならず、エネルギーを持つことがわかる。この時には、もともと物体が持っていたエネルギーは、他の物体に移っただけでなく、音として放出されたということが出来る。 このように、ある物体が持っているエネルギーは、他の物体のエネルギーになることや全く違った種類のエネルギーとなることが知られている。エネルギーの種類としては、運動エネルギー(うんどうエネルギー)、位置エネルギー(いちエネルギー)、電気エネルギー(でんきエネルギー)、熱エネルギー(ねつエネルギー)などがある。 ふりこの運動では、位置的な高さがいちばん高い状態になったとき、速度が0である。いっぽう、高さの一番ひくい状態のとき、速度が最大の状態なので、運動エネルギーも最大である。 これは、一番高いときと低いときとの位置エネルギーの差が、運動エネルギーに変わった事と、同等である。 ふりこは、もし摩擦や空気抵抗(くうきていこう)を無視すれば、振り子はずっと振れつづけるので、振り子はいちばん高さの高い状態と低い状態とを何度もずっと 交互(こうど)に くりかえしつづける。 この振り子の動きについて、高さ最大の状態と速度最大の状態とのくりかえしの現象(げんしょう)を、エネルギーの考えから見れば、つまり、位置エネルギーと運動エネルギーは、交互に移りかわることができる。 そして、エネルギーの形が位置エネルギーから運動エネルギーに変化しても、あるいは運動エネルギーから位置エネルギーに変化しても、両方のエネルギーを足し合わせた和(= 位置エネルギー + 運動エネルギー )は、変化しない。 ある物体について、位置エネルギーと運動エネルギーとの和を、力学的エネルギーという。 つまり、ある物体について、その物体の力学的エネルギーを式で書けば、 である。 そして、摩擦などによる損失を無視すれば、力学的エネルギーがつねに一定であるという法則のことを力学的エネルギー保存の法則と呼ぶ。 遊園地にあるジェットコースターは、力学的エネルギーにおける、位置エネルギーと運動エネルギーのうつりかわりを利用している。そのため、ジェットコースターは、高い位置にきたときはコースターの速度がゆっくりであり、低い位置にいるときほどコースターの速度が大きい。 なお、コースターが始めに高い場所にのぼる時には、モーターによって、その高さまで上げられる。 バネなども、振り子のように、速度最大の状態と、速度0の状態とをくりかえし、交互に運動をしつづける。 バネなどのような、力を加えると伸びるが、手を離すなどして力をのぞくと元の長さに戻る性質を、弾性(だんせい)というのであった。 そして、バネのように弾性のある物体にたくわえられたエネルギーのことを弾性エネルギーという。 弾性エネルギーは、以上の説明で述べたように、位置エネルギーと似た性質がある。(※ 検定教科書によっては、弾性エネルギーを、バネの場合の位置エネルギーである、として見なす場合もある。) エネルギーには、運動エネルギーや位置エネルギーのほかにも、さまざまな形態がある。 たとえば、光のエネルギーや、熱のエネルギーなど。 そして重要なこととして、ある種類のエネルギーは、別の種類のエネルギーに変換されることがある。 たとえば、太陽からの光のエネルギーにより、水が加熱され、水蒸気とり、上空で雲となれば、 それはつまり、光のエネルギーが、上空にある雲としての位置エネルギーに変換されたことになる。 さらに雲が雨をふらせば、その落下する水滴の一部はダムに蓄えられる。 そして、そのダムの水の落下する力学的エネルギーによって、発電用タービンをまわし、こんどは電気エネルギーに変換されてゆく・・・・。 自然現象にかぎらず、工業製品でも同様である。たとえば電気ストーブは、電気を熱にしている。いっぽう、火力発電では、火の熱を使って電気を発電する。 このように、電気エネルギーと熱エネルギーも、相互に変換できる。 生命現象でもエネルギーは変換されてゆくのは同じで、植物などのエネルギーも、もとをたどれば、太陽光の光エネルギーである。動物や植物の生き物の体のなかでも、さまざまな化学反応が起きているわけであり、物質のもつ化学エネルギーを利用しているわけである。 このように、エネルギーは、変換されてゆくことがある。 熱も、蒸気機関車などを考えれば分かるように、エネルギーを持っている。熱のもっているエネルギーを熱エネルギーという。 しかし、高温の物体を放置しておくと、しぜんに、まわりの物に熱を伝えてしまい、その物体は温度が下がっていって、最終的には、その物体は、まわりの環境と同じ温度になる。 このように、熱エネルギーは、まわりに散らばっていきやすい。 このように、熱エネルギーは、運動エネルギーや位置エネルギーとは、ちがう性質があるので、熱エネルギーは、力学的エネルギーには含めない。 熱エネルギーの理科の実験では、耐熱フラスコに入れた水を沸かして蒸気にして、その蒸気の力で、小型の風車をまわしたり、あるいはピストンのシリンダーを動かす実験などがある。 (※ あぶないので、ひとりでは実験しないこと。学校などで実験するさいも、やけどをしないように注意のこと。) なお、物がこすれる現象である摩擦(まさつ)によって、熱エネルギーが発生する。 摩擦が起こるには、前提として、その物体が運動する事が必要である。つまり、摩擦が起こるには、前提として、運動エネルギーが必要である。 そして、摩擦によって熱エネルギーが発生するということは、つまり、運動エネルギーが摩擦によって熱エネルギーへと変化した事になる。 ある物体に、日光などの光が当たると、その物体が熱くなるように、光は、その光を受けた物体に熱エネルギーを与える。 ということは、光そのものも、エネルギーを持っていることになる。 光のエネルギーのことを光エネルギーという。 物体が何かにぶつかったとき、音が出る。 これは、運動エネルギーが失われたぶん、音に変わったことになるから、つまり、音もエネルギーである。 音のエネルギーのことを「音エネルギー」などという。 音とは空気の振動であるので、つまり、物体の運動エネルギーが、空気の振動のエネルギーへと変わったことになる。 わたしたちの耳が音を感じる仕組みは、耳の中にある鼓膜(こまく)があるが、空気の振動が鼓膜につたわり、そして鼓膜が振動するから、である。 さて、音をテープレコーダーなどに録音するマイクの仕組みは、マイクの中に、空気の振動をうけて振動しやすいような部品が、集音(しゅうおん)をするための部品として取り付けられている。マイクの、その集音をするための部品が振動することによって、その部品の位置がわずかにズレるので、マイク内にある電気回路での電気の流れやすさが変わる。 この、マイク内の電気回路での電気の流れやすさが、空気の振動によって変わることを利用して、マイクは音を感じ取り、テープレコーダーなどに録音している。 また、スピーカーなど音を発生させる機械は、そのスピーカーなどの内部に電気で振動する部品が入っている。スピーカー内の部品を振動させることで、空気を振動させ、音を発生させている、という仕組みである。 電気モータや、電気で動くオモチャのクルマなどを考えれば分かるように、電気によって運動エネルギーを発生させる事ができる。 また、静電気によって、髪が逆立つ(さかだつ)などの現象から分かるように、電気によって位置エネルギーを発生させる事ができる。 つまり、電気そのものも、エネルギーを持っている。電気のエネルギーのことを電気エネルギーという。 白熱電球(はくねつでんきゅう)や蛍光灯(けいこうとう)などの照明(しょうめい)の家電(かでん)などのよう、電気を流すことによって、光が出ることもある。 つまり、電気エネルギーによって、光を発生させられる。 また、磁石をもちいた、理科実験でもよくある発電の方法では、磁石を運動させる必要があるので、つまり、この発電方式では、運動エネルギーが必要である。 火力発電では、蒸気をわかして、その蒸気の力でタービンを回し、タービンに取り付けられた磁石のような物質を運動させている。つまり、火力発電は、熱エネルギーをもとにして、電気エネルギーを発電している。 さて、太陽電池を考えればわかるように、光エネルギーをもとに、電気エネルギーを取り出すこともできる。 化学反応によって、ある物質が高温になったり、逆に低温になったりする。つまり、化学反応によって、その物質の熱エネルギーの量が変わったことになる。 また、化学反応の結果、光が出る場合もある。 わたしたち生き物の食事も、胃や腸などでの消化(しょうか)や栄養の吸収などによって、食品を体内で化学反応させて、食品のもつエネルギーの一部をもとに、熱エネルギーをつくり出している。そのため、生き物は、体温を持っている。 白熱電球をつけるとき、その電球に与えられた電力の多くは熱に消費されてしまう。 つまり、白熱電球をもちいて、電気エネルギーを光エネルギーに変換したいという目的なのに、目的外の熱エネルギーに多くのエネルギーが使われてしまう。 このように、機械や工業製品などをもちいてエネルギーを変換するとき、いくらかの割合が目的外の種類のエネルギーに変換されて消費されてしまう。 白熱電球では、電球に与えた電気エネルギーの90%以上は熱エネルギーとして消費されてしまう。残りの約10%だけで、電球は光を出しているのである。 いっぽう、蛍光灯では、同じ明るさにしたいとき、白熱電球より電力を小さくできる。 さらに、LED電球では、同じ明るさにしたいとき、蛍光灯よりも消費電力を小さくできる。 このようにLEDや蛍光灯は、白熱電球よりも変換効率が高い。 また、LED電球は、同じ明るさの白熱電球や蛍光灯と比べて、あまり熱くならない。(※ かといって、さわってヤケドをしないように。興味があって実験したいなら、放射温度計や赤外温度計などで調べると安全だろう(推測)。直接はLEDにさわらず、LEDの明かりをオフにしてから、放射温度計などで調べるといいかもしれない。) このLEDの温度上昇の少なさから、確かにLEDでは、光に変換される効率が高いことが分かる。 投入されたエネルギーの対して、利用できるエネルギーの割合を、効率(こうりつ)という。 白熱電球はエネルギー変換の効率が悪いことから、日本では近年、白熱電球が廃止されていき、LED電球などへの切り替えが進んでいる。 エネルギーを使った機械には、力学的エネルギーを使った機械のほか、電気エネルギーを使った機械や、化学エネルギーを使った機械などいろいろな機械があるが、どんな機械であっても、熱エネルギーが利用しないのに発生してしまう。 また、熱に加えて、さらに音などの振動エネルギーとして、エネルギーが利用されずに放出される場合もある。(※ 東京書籍の教科書) ※ 熱の伝わりかた などについては『中学校理科 第1分野/熱と温度』で説明した。 物体を地面から離して速度は付けずに落下させた場合、手を離した直後の初速度は秒速0m/sだが、障害物などがなければ、1秒後は約9.81m/sの速度になっており、2秒後は約19.6m/sの速度になっており、3秒後は約29.4m/sになっており、・・・というふうに1秒ごとに約9.81m/sずつ速度が増していく。地面に当たるまで、このような加速を続けていく。 このような、障害物などが無く、落下を続けていく落下運動を自由落下(じゆうらっか、free fall)という。 また、速度の変化率のことを加速度(英語: acceleration、アクセラレーション)という。 自由落下する物体は、重力によって、鉛直方向の下向き(つまり地面に向かう向き)に、一定の加速度 g (=約9.81m/s2)で加速するので、この重力による加速度を重力加速度(じゅうりょくかそくど)という。 重力加速度の記号は、一般に小文字の g で表す。 地球上での重力加速度 g の大きさは、約9.81m/s2である。 これは地上での重力による加速度なので、月面では1/6倍になることに注意せよ。 また、無重力下では重力加速度はゼロ( 0 m/s2)になる。 加速度の単位はm/s2であり、速度の単位のm/sとは異なることに注意せよ。 加速度の単位の意味は、一秒あたり(= 1/s )の速度 m/s の変化率なので、 となる。 また、加速度が一定の運動を、等加速度運動という。自由落下は等加速度運動の一つの例である。 自由落下の重力加速度は、どの物体に対しても共通である。 羽毛や紙などの軽い物を落下させた時にゆっくり落ちる現象があるが、この現象は、空気による抵抗である。実際に、実験で、真空にした透明容器内などで羽毛や紙などの落下をさせると、金属などと同じ落下速度で落ちることが、実験的にも確認されている。 空気による運動への抵抗を空気抵抗(くうきていこう、air resistance)という。 パラシュートなどを考えればわかると思うが、質量に対して幅が大きい物は、空気抵抗を受けやすい。 紙や羽毛などが空気抵抗を受けやすいのも、パラシュートなどと同様の仕組みである。 (なお、真空を作る実験は、真空ポンプなどを用いることになるが、ポンプの使用法に関する専門的な知識が必要なので、中学生には実験が難しいので、行わないほうがいいかもしれない。もし真空での落下実験に興味があれば、映像教材などを学校の先生に見せてもらうか等をしてください。) ボールなどを斜め上向きに投げたら、どういった軌跡を描くだろうか。空気抵抗は考えないとする。投げたボールにも重力は働くので、上向きの速度が少しずつ減速していく。しかし横向きの速度成分は重力の方向とは別方向なので、横向き成分は変化をしない。 結果的に投げたボールは鉛直下向きに加速していくので、右図のような軌跡を描く。 このような、物体を投げた時の軌跡を、放物線(ほうぶつせん、parabola、パラボラ)という。
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石炭、石油、天然ガスを化石燃料(英語: fossil fuel、ファーソル・フューエル)という。これら化石燃料は、一般に地中に埋蔵されていたものを採掘して得られる。埋蔵量が限られている資源である。 これら石油・石炭・天然ガスは、大昔に死んだ生物の死体や残骸などの有機物が、地中にうずもれたまま、長い年月の間に化学変化をしてできたものである。なので、化石燃料は埋蔵量が限られている。 電気の主な発電方法は、火力発電、原子力発電、水力発電である。これらの3種類の発電では、いずれも共通して、回転羽根を持ったタービン(羽根車)を回して発電している。タービンに永久磁石が取り付いており、その磁石がタービンと一緒に回転することによって、電磁誘導によって発電をしている。 「火力」や「水力」や「原子力」とは、タービンの回転力を得る方法の種類である。 火力発電では、火力により水を熱して蒸気にさせることで、その蒸気圧によって、タービンを回転させている。蒸気は回収して冷却して再利用するので、これらの発電所の立地は、一般に冷却水が入手しやすい海岸沿いにあることが多い。 原子力発電も、核分裂を行う物質が発生する熱により、水を熱して蒸気にしていることで、タービンを回す力を得ている。 原子力発電は、名前が「原子力」なので、てっきり、たとえば電池から電気が出るように原子核そのものから電気が出るのかと誤解されやすいが、そうではない。原子力発電における原子力も、火力発電での火力と同様に、蒸気を沸かすための熱源に過ぎないのである。 いっぽう、水力発電では、高所にダムなどを作り、高低差を利用して、水を高所から低所に流す間の地点にタービンの羽根を置くことで、タービンを回している。 火力発電に使われる石油(英語: petroleum,ペトロリアム)は、化石燃料の一種であるため、無限に使い続けることはできない。さらに、原子力発電で用いられる放射性物質(英語: radioactive substance)も、有限の地下資源であり、無限に手に入るわけではない。 また、原子力発電には放射性廃棄物の処分方法をめぐる、未解決の問題もある。 なお、この他にも、太陽光発電や風力発電など、発電方式は多くある。 なお、太陽光発電は、ある種の半導体に光を当てると電圧が発生し電池(※注意 化学電池ではない)になる光電池を利用した発電である。 光電池に当てる光を太陽の光にすれば、太陽が存在する限りは、地球が滅ばなければいつまでも発電できる。 なお、太陽光発電と、太陽熱発電とは、別の発電方法である。太陽熱発電は、太陽光を浴びた物質の熱を利用した発電であり、一般に光電池は利用しない。 現在の文明は大量のエネルギー資源を消費しており、そのため人類は、現在の大量消費の生活を続けることはやがて不可能になると考えられる。現在でもエネルギー資源の保護を考えた議論も進んでいるが、いまだ明確な結論は出ていない。実際にはこの議論は結論が出る類の議論ではないので、各国が妥協をくり返すことが現実的な解決策となるかもしれない。 火力発電では、蒸気を液体にもどすため、冷却水の流れる復水器によって、蒸気を冷却しているのであった。 そして、その復水器のなかの水は、蒸気によってあたためられるので、熱をもつ。 この復水器の中の水の熱は、タービンをまわすほどの力は無くても、お湯をわかすなど別の用途には、じゅうぶん使えるほどの熱をもっている。 そこで、この熱をそのまま放水路に流すのではなく、給湯や暖房などのエネルギー源として利用すれば、エネルギーが有効に利用できそうである。 しかし、発電所で、かりに、排熱を利用して、お湯をわかしても、お湯を住宅街などに届けるあいだに、さめてしまう。 ふつう、発電所は、住宅街などから、遠い場所にある。 なので、このような排熱による給湯のシステムは、発電所では、あまり行われていない。 しかし、工場や大型のビルなどで、自家発電をするときは、お湯の消費地が近くにあるので、発電のさいに生じる排熱を有効に利用できる。 そこで、工場や大型ビルなどで、自家発電をする設備のある場合は、さらに排熱をつかって、お湯をわかして活用するシステムのある場合もある。 このように、発電などのさいに熱を発生する機関で、その熱をほかのエネルギー源につかうシステムのことを コージェネレーション システム あるいは単に コージェネレーション という。(※ 「コージェネレーション システム」および「コージェネレーション」のともに検定教科書で紹介されている用語。) つまり、コージェネレーションシステムを利用するには、消費地のちかくで発電する必要がある。 火力発電では、発生させたエネルギーのほとんどが排熱として捨てられてしまうため約35%くらいのエネルギーしか消費地で活用できないが、コージェネレーションではエネルギーを約70〜80%を活用できる。 また、一般の家庭でも、家庭用の燃料電池をつかって電気をつくるさいに、熱も発生するので、この熱でお湯をわかす事も可能であり、これが家庭用のコージェネレーションとして、実用化されている。 ※ 原子力発電などは、単元『中学校理科 第1分野/放射線』で続けて説明する。
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科学技術の発展によって我々の生活は多くの恩恵を受けている。しかし、科学技術は様々な問題をかかえていることにも注意する必要がある。 我々の生活は多くの先人達の知恵によって支えられている。ビルを建てることも電気を使うことも、物理学に支えられた近代的な技術がなければ不可能である。また、我々が用いている多くの素材は、化学の手法によって開発されて来た。このように、我々が用いている技術と知識に敬意を払い、科学技術の発展を支えていくことが望ましい。 水素などの陽極の燃料を、触媒を用いてイオン化させ、余った電子を取り出す電池。陽極の燃料が水素の場合は、陰極で酸素および回収した電子と反応し水になる。このような仕組みで、電気を取り出す装置を燃料電池(ねんりょう でんち)という。様々な方式の燃料電池がある。 水素ガスなどからエネルギーを取り出せる燃料電池(ねんりょう でんち)は、べつに発電方法では無い。電池は、発電した電力を蓄える装置でしかない。水素ガスを作るのに、べつの電力が必要になる。 陶磁器やガラスなどの、いわゆる「焼き物」のような、材料はセラミックスceramicsである。 セラミックスは一般的に耐熱性、耐摩耗性、耐食性に優れる。しかし衝撃荷重に弱い。 また圧縮荷重には比較的強いが、引張荷重には弱い。 セラミックスは共有結合によって結合した材料によって作った個体状の材料である。 セラミックは硬度がよく、プラスチックなどと比べて、硬い。高分子ではないので、ゴムとは違って伸びにくいし、曲がりにくい。傷がつきにくい。しかし、金属結合では無いため、延性がないので衝撃に弱くてもろい。また、成型が困難である。(高分子とは違い融点が高いためと、金属のような延性が無いためから。) 耐燃性が良く、セラミックスは高分子とも違い、燃えにくい。セラミックスは融点も高い。 水酸化アパタイトは、骨の無機成分である。 これとおなじ化学構造のセラミックで造った人工の骨は、生体と化学的に結合し、安定となる. 生体内で安定であり、生体に害を及ぼさない性質を 生体親和性 (せいたい しんわせい)などという. さらに生体材料を生体に移植したときに、適切に移植すれば、骨組織などと化学的に結合する材料を生体活性材料などという.あるいは「生体活性がある」などという. 水酸化アパタイトは弱アルカリ性の物質である。酸には良く解ける.アルカリには難溶である.骨には65%の水酸化アパタイトが含まれている. バイオガラスは多量の酸化カルシウムと燐酸を含むガラスである.骨組織との親和性に優れる. 水酸化アパタイト、バイオガラスはともに生体活性である。 アルミナは、生体内で耐食性があり、化学的に安定であり、また、生体に害を及ぼさないので人工骨などに用いられている.アルミナは生体内で骨組織とは化学結合を造らないので、生体活性はない。このような性質を生体不活性という。 化学結合を造らないので、体内に固定する場合には、ねじ溝などを作ることにより機械的に固定する。 自然界で、微生物などにより分解される樹脂を生分解性プラスチックという。 また生分解性プラスチックが、自然界で分解されることを生分解という。 分子構造の種類は、おもに、タンパク質のものと、ポリ乳酸とポリグリコール酸のものや、デンプンやセルロース、キトサンなどからつくられるものがある。 一般に、生分解性樹脂は親水性が高まるほど、生分解されやすくなる。 ポリアセチレンの導電率は半導体ほどである。ポリアセチレンは長い共役二重結合(きょうやく にじゅうけつごう)をもった化合物である。 一般に化合物の価電子は、共役二重結合の内部を動き回れる性質がある。(この共役二重結合を動き回れる価電子をπ電子という。)この共役二重結合とπ電子が半導体並みの導電率の理由である。 実用的な導電性ポリアセチレンには、さらに導電性を高めるため、添加物として、ヨウ素I2またはAsF6 が添加されている。ヨウ素もAsF6もそれ単体は、大した導電性を持たない。 このヨウ素などの添加によって金属並みの導電性を持つ。 単体では導電性を持たないヨウ素を添加して導電性が向上するのは、ヨウ素に電子が吸収されるからであり、である。ヨウ素の他に、Br2やFeCl2なども、電子を吸収する。これらの性質を電子吸引性という。また電子吸引性をもった化合物をアクセプターという。 NaやLiなどは電子を供与する物質であり、これらを添加することでも、ポリアセチレンの導電性を向上できる。 この電子を供与する性質を電子供与性と言い、また電子供与性のある化合物をドナーという。 この原理は、シリコン半導体などのドーピングの原理と似た原理である。 なので共役π電子系の導電性高分子でも、ドナーやアクセプターの添加を化学ドーピングあるいはドーピングという。 ポリアセチレンのシス型とトランス型とで導電性は異なる。トランス型のほうが導電性が大きい。 ポリアセチレンそのものの合成は、チーグラー触媒を用いてアセチレンガスと有機金属化合物から合成できる。 ポリアセチレンの他の高分子でも導電性樹脂の開発が進められている。 たとえばポリチオフェンやポリアニリンが有る。 それらも同様に、共役二重結合をもった導電性樹脂の場合は、導電の仕組みは共役二重結合によるものである。 スターリング機関というのを、ひょっとしたら技術科の資料集で習うかもしれない。 よく、自動車のモデルとして、スターリング機関を加熱して、エンジンに見立てるという教育がある。 では、加熱せずに、スターリング機関を(電力などで)運動させたら、どうなるのだろうか? 実は、冷却器になる。 これをスターリング冷凍機という。 そして、この冷却器の便利なところは、本格的なスターリング冷凍機なら、ー100℃くらいの、かなり低い温度まで冷却できる。 もちろん、超電導を起こすための絶対零度には、まだまだ及ばない。なので、「断熱消磁」(だんねつしょうじ)と言われる、別の技術で、絶対零度に近づける。 しかし、常温から、いきなり断熱消磁を行うのは効率が悪い。なので、断熱消磁を行う前に、まず先にスターリング冷凍機を用いて、冷却するのである。 この他、ある種類の赤外線センサーは、絶対零度に近いほど性能が良くなるので、このような極度の低温で性能を発揮する特殊なセンサーを冷却するのにも活用され、宇宙観測のための超高精度の赤外線センサーの冷却に、スターリング冷凍機が用いられている。 アクリル酸ナトリウムCH2=CH-COONaを架橋させた樹脂は、多量の水を吸収する。 給水の仕組みは、水が加わると、電離によってCOONa部分が、COO-とNa+に電離するが、このときイオンの増加により浸透圧が発生するので、水を吸収する。 また、COO-どうしは同種の電荷なので反発しあい、樹脂が膨張するので、膨張した隙間に水が入り込めるようになり、水を吸収する。 用途としては、紙おむつや保水剤などがある。 ダイオード(diode)という半導体素子はp極とn極とがあり、電気が流れるのは、p極に加えた電圧がn極の電圧よりも高い時だけである。それ以外の場合は電気が流れないので、交流から直流への整流などに用いられる場合もある。 他にも様々な用途がある。 ダイオードのうち、電流が流れた時にPN接合面が発光するものを発光ダイオード(はっこうダイオード)という。 ダイオードには過大な電流が流れると故障するので、回路には抵抗器を加えるのが一般である。 水晶に力を加えると、電気が発生することは昔から知られていた。  逆に、水晶に電圧をかけると、伸び縮みをする。たとえば上部に正、下部に負の電圧をかけると伸びるときは、逆に上部に負、下部に正の電圧をかけると、縮む。よって交流電圧をかけると伸び縮みを繰り返し、ふるえる。振動に伴って、音が出るので、ブザーとして使える。 水晶のように、力を加えると電圧が発生し、逆に電圧を加えると、ひずみの生ずる材料を圧電体(あつでんたい)という。 圧電体に力をくわえると電圧が発生する。ライターの着火素子に火花を出す仕組みや、ガスコンロの点火用の部品や、圧力センサーとして使われている。 アクリロニトリル CH2=CH-CN を重合させようとすると、CH2=CH-CN の二重結合の部分であるビニル基 CH2=CH-が、付加重合をして一重結合になることで、他の分子との結合が可能になる。 アクリロニトリルを付加重合させたものをポリアクリロニトリルという。ポリアクリロニトリルを主成分とした繊維をアクリル繊維という。 ポリアクリロニトリルは疎水性であり、染色しづらい。 そのため、ポリアクリロニトリル繊維に添加物として酢酸ビニル CH2=CH-OCOCH3 などを混ぜて、染色性を高める。 アクリロニトリルを窒素などの不活性気体中で、温度200℃ から段階的に温度を上げ 温度3000℃程度の高温で熱分解すると、炭素を主成分とする炭素繊維(カーボンファイバー)が得られる。炭素繊維は強度が優れている。 (※ 発展的記述です。けっして、「全部、おぼえよう。」なんてせずに、分かるとこだけ読み進めて言ってください。) 小学校の理科で習うような電気部品では、デジタルの計算機は、つくれません。 以下の真空管(しんくうかん)は、発展的記述である。電子部品の歴史の学習として読んでいただきたい。 コンピュータに計算させる部品には、今でこそ半導体ICを用いているが、1940年ごろのアメリカでは、真空管(しんくうかん)というを用いていた時代もあった。 電気回路の整流には今でこそ半導体ダイオードを用いているが、1960年ごろまでは、昔は、整流などに真空管を用いていた時代もあった。 そもそも半導体ダイオードの「ダイオード」の語源が真空管の一種の、2極(ダイ・オード) 真空管のことが由来である。 真空管(しんくうかん、vacuum tube)とは、ガラス管の中を真空(しんくう)にしたガラス管の中で、電源のマイナス極に結びついた電極と、電源のプラス極に結びついた電極を取り付け、マイナス極を熱することで電子を放電させることで電気をながすという、大きな電気部品です。 この2極真空管で、整流が出来ます。 2極真空管の整流の仕組みは、離れた陽極(ようきょく)と陰極(いんきょく)に大きな電圧差をかけ、このとき陰極に高温を加えると電子が放出するという、陰極線(いんきょくせん)を利用したものである。 そもそも陰極線(いんきょくせん、cathode ray、カソード・レイ)の発見そのものが、放電管では陰極からしか電子が放電されないという実験事実によるものです。 電子の放電は、マイナス極を熱したときにしか、おきません。プラス極を熱しても、電子は放電しません。 ちなみに熱すると電子が放出しやすくなるので、このような電子を熱電子(ねつでんし、thermo electron)という。熱すると熱電子が出やすくなる、この現象のことをエジソン効果(エジソンこうか,Edison effect)という。 電子の電荷(でんか)は、マイナスの符号であることに注意してください。電子がマイナスなので、電流の向き電子の動く向きとは反対になります。なので真空管での電流の向きは、陽極から陰極への向きです。 この陰極からしか電子が出ないという仕組みを使うと、電流を一方向のみに流す整流(せいりゅう)ができます。 整流によって、陽極から陰極へ電流が流れます。(電子は陰極から放出され陽極に到達する。) この加熱するという理由から、真空管は耐久性に欠陥があった。また、小型化も難しかった。半導体ダイオードや半導体トランジスタの実用化後は、加熱の必要がなく、真空管を用いていた多くの電子部品で、耐久性の高い半導体部品へと置き換わることになった。 この真空管に、さらに、もう一本、マイナス極の近くに、金属の網状のグリッド電極を取り付けます。3本目の電極であるグリッド電極の電圧の大きさを変えると、陰極から放電される電子の量が変わります。3本目の電極の電圧をかえるのに流した電流の大きさ以上に、陰極からの電流の大きさを変えることができます。これによって、3極真空管には、少ない電流の変化を、大きな変化に変える 増幅(ぞうふく)が可能になります。(増幅といっても、べつに無から有の電流を作るわけでは無く、外部電源は必要になる。) 3極真空管は、半導体の実用化後は、半導体トランジスタ(transistor)に置き換えられていった。 陰極線が発見されたばかりのころは、まだコンピュータへの応用には、気づかれていませんでした。それから時代が変わって1940年ごろに、第二次大戦のため、アメリカでは高性能の計算機が必要になり、新型の計算機の開発が進みます。この時代に、陰極線を用いた真空管で計算機が作れる、ということが、気づかれます。 アメリカ軍は、真空管を用いた電子式の計算機の開発に、巨額の資金(しきん)を、つぎ込みます。 そうして、完成した電子計算機が、エニアック ENIAC というコンピュータです。 真空管は、陰極を加熱するという理由から、耐久性に欠陥があった。たとえば電球のフィラメントが焼き切れるように、真空管が熱で電極が焼き切れたりなどして、故障するということが多かった。 また、真空管は小型化も難しかった。 しばらく年月がたち、半導体という物質に、いくつかの物質をまぜると、一方向にしか電子が流れないという現象が発見されます。半導体の中を、一方向にのみ、電子が流れます。半導体素子(はんどうたい そし)での整流の発見です。 しかも、半導体により一方向に流すばあいは、真空管とはちがい、熱する必要がありませんでした。材料の中を電子がながれるので、放電をさせる必要もなくなります。 なので、熱で故障することが無くなります。おまけに加熱のためのヒータを取り付ける必要も無くなります。 また、3極真空管のように、3つの電極を作って、増幅作用があることなども発見されます。 半導体ダイオードや半導体トランジスタの実用化後は、加熱の必要がなくなり、真空管を用いていた多くの電子部品で、耐久性の高い半導体部品へと置き換わることになりました。 トランジスタの場合は、電極の端子が3つあり、それぞれエミッタ(emitter)、ベース(base)、コレクタ(collector)と言います。ベースに電圧が加わらないと、トランジスタのエミッタ-コレクタ間には電流が流れません。 このようにトランジスタでは、ベース電圧により、エミッタ-コレクタ間の電流のオン・オフを切り替えられます。この仕組みをトランジスタの スイッチング作用(スイッチングさよう,switching) と言います。 ICとは、集積回路(しゅうせきかいろ)とも言われ、数mmのチップに、電子素子(でんしそし)を、とても多く、つめこんだ部品です。コンピュータ部品にICが使われます。パソコンだけでなく、計算する機能をもっている「デジタル家電」(デジタルかでん)などの製品のほとんどに、ICは入っています。 IC産業や電子産業が、半導体(はんどうたい)産業と言われることもあります。ICの材料に、半導体(はんどうたい)という材料が使われることが多いからです。 半導体(はんどうたい)とは、電気の流しやすさが、電気を流す金属などの導体(どうたい)と、電気を流さないゴムなどの絶縁体(ぜつえんたい)とのあいだの、半分くらいの流しやすさの材料なので、半導体(はんどうたい、semiconductor,セミコンダクター)といいます。 元素のケイ素(元素記号:Si)であるシリコンなどが半導体です。 高機能のICの製造には、とても、お金がかかります。どれだけ多くの素子をICチップに多く組み込めるかで性能がきまるので、最先端の精密(せいみつ)技術を持った大企業でないと、製造も開発も、出来ません。 ICの配線の加工は、とても細かいので、手では不可能です。おもに、光を用いています。 たとえば写真の業界では、銀塩写真(ぎんえんしゃしん)は、光を用いて、化学反応を制御しています。半導体の製造でも、光を用いて、シリコンウエハにぬられた感光剤(かんこうざい)の化学反応を制御して、ICを作っています。 なので、半導体製造装置(はんどうたいせいぞうそうち)には、レンズなどの光学部品が、ついています。 シリコンウエハに、写真のように回路図をうつして、ICの配線をつくっているのです。 LSI(「エル・エス・アイ」、大規模集積回路)とは、ICの中でも、1つのチップの中の電子部品の数が、とても多いICです。
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生物が成長する際には、細胞分裂が起きている。一度の細胞分裂で、1個の細胞が2個に分かれる。3個には分裂しない。 大まかに順序を見ると、細胞分裂は、つぎのようになっている。 植物の細胞分裂の細かい順序 以上の分裂の順序は、植物の場合の順序である。 (動物の場合も、ほとんど順序は同じだが、植物で細胞のしきりが出来るところが、動物はちがう。動物細胞では、しきりのかわりに、くびれ が、外側から出来て、2個の細胞に分かれる。) 染色体とは、細胞分裂のときに見える、ひも のような物である。染色体の中には、生物の形質を決める遺伝子(いでんし)が入っている。細胞分裂のとき以外は、染色体は顕微鏡では見えない。染色体の本数は、生物の種類ごとに決まっている。 動物のヒトの場合、染色体の本数は22対の常染色体と1対の性染色体の46本である。 (図中のピンク線は成長点ではなく、等間隔につけた点です) 方法 観察の結果、同じ根でも、成長の大きい場所と、成長の小さい場所があることが分かる。 根の先端付近が、成長が大きい。いっぽう、根元の付近(種の近く)は、ほとんど成長していない。 この、根の先端近くの、成長の大きい(細胞分裂が活発な)箇所を、成長点(せいちょうてん)と言う。 なお、根の先端そのものより、ほんの少しだけ根に近い側が成長点である。根の先端は、成長点を保護するための組織になっており、根の先端を 根冠(こんかん) と言う。 方法 タマネギを水に数日間つけて、根を出させる。観察するのは、この根のほうである。 顕微鏡の観察では、まず、低倍率で100倍くらいで観察する。しだいに倍率を高くするため、倍率を変えていき、100倍~600倍くらいで観察する。 1つの細胞あたりの染色体の本数は、生物の種類ごとに決まっている。 染色体の本数は偶数である。 生物の生殖(せいしょく、英:reproduction リプロダクション)のしかたには、有性生殖(ゆうせいせいしょく:Sexual reproduction)と無性生殖(むせいせいしょく、asexual reproduction )の、二つの殖え方がある。 無性生殖には、おもに、分裂(ぶんれつ)・出芽(しゅつが)・栄養生殖(えいようせいしょく)がある。 分裂(ぶんれつ、fission)とは一つの体が二つの体に分かれて殖える方法。 分裂は、アメーバなど、おもに単細胞生物に多い生殖方法である。一部の多細胞生物の中にも、分裂で増える物がいる。 からだの一部が膨らみ、その部分が分かれて、新しい個体をつくる方法 ヒドラなど。 栄養生殖(えいようせいしょく、英語:vegetative propagation)では、体の一部が膨らむ。 栄養生殖の例 無性生殖では、親と同じ遺伝子の染色体を、子は受け継ぐ。 分裂(ぶんれつ)・出芽(しゅつが)・栄養生殖(えいようせいしょく)のどれも、細胞分裂によって増殖しており、体細胞分裂(たいさいぼうぶんれつ)という方法である。体細胞分裂では、分裂の前と後で、染色体は同じである。そのため、親の形質(けいしつ)と、まったく同じ形質を、子供はそのまま受け継ぐ。 無性生殖では、有性生殖とちがい、雄と雌が出会う必要が無いので、無性生殖では、比較的に短い時間に個体数が増えやすい。 有性生殖では、一般の細胞とは別に、精子(せいし)や卵(らん)といった生殖のための特別な細胞をつくる。この、精子や卵などを生殖細胞(せいしょく さいぼう)という、いっぽう、ふつうの細胞を体細胞(たいさいぼう)という。 精子は、1個の細胞でもある。細胞の観点から見た場合の精子のことを、精細胞(せいさいぼう)という。 同様に、卵のことを卵細胞(らんさいぼう)という。卵は、1個の細胞でもある。 精細胞や卵細胞の染色体の1対あたりの染色体数は、通常の体細胞(たいさいぼう)の半分の染色体数である。そのため、子は、親の遺伝子を半分ずつ受け継ぐ。 この半分ずつの染色体を持つ精細胞と卵細胞が受精して、卵が受精卵になることで、染色体の数は足しあわされる。受精卵の染色体の本数は元の体細胞と同じ本数である。 ふつうの染色体の一対では、母方からの染色体の持つ情報と、父方からの染色体の持つ情報とが、ちがっている。このように、染色体の一対は異なる情報どうしで、働きを補い合っている。 しかし、もし、血のつながった親子どうしで交配して子供を産んでしまったり、あるいは兄弟姉妹どうしで交配して子供を産んだりすると、生まれる子供の染色体は、家族どうしの子なので、染色体の一対のうち2本とも似たような染色体となってしまい、染色体の情報が重なってしまう。このため近親交配では、生まれた子の染色体の一対では2本の情報が重なってしまい、その結果、身体に異常を持つ場合が多くなる。 日本では法律で、血のつながった親子どうしの結婚は禁止されている。同様に兄弟姉妹どうしの結婚も禁止されている。 なにも人間だけに限らず、犬や猫などの動物の場合でも、近親交配は、弱い子供を作ってしまう傾向が高い。有性生殖をする生物では、親子や兄弟同士の近親交配をすると、生まれる子供が身体などに不具合を持つ場合が多くなる。 減数分裂(げんすう ぶんれつ)とは、精細胞や卵細胞ができるときの分裂で、染色体の数が半分になる。この精細胞や卵細胞ができるときの分裂を減数分裂(げんすう ぶんれつ)と言う。 受精卵のときに、染色体の数が卵と精子の両方の染色体があわさって、もとの数の染色体にもどる。有性生殖では、子は、両親の染色体および遺伝子を半分ずつ受け継ぐ。親の染色体の半分を受け継ぐため、子の特徴は、親になる。しかし、子の染色体・遺伝子は、親の染色体・遺伝子と異なる。 このため、有性生殖では、多様な個体が生まれていく。 有性生殖には、雄と雌が必要だが、子に遺伝的な多様性が得られるため、環境の変化に対応できる可能性がある。 いっぽう、生殖細胞でない通常の細胞(体細胞)が分裂するときの分裂のことを、体細胞分裂(たいさいぼう ぶんれつ)と言う。 分裂前の細胞の染色体と、分裂後の細胞の染色体は、まったく同じである。そのため、遺伝子は同じである。 染色体の数は、分裂の直前に2倍に増え、分裂のときに、その染色体が半分になって、もとの数に戻るので、分裂後の染色体の数は分裂前の通常時と同じである。 花粉の中に精細胞がふくまれている。 めしべの胚珠の中に、卵細胞がふくまれている。 ホウセンカなどの植物の花粉と、寒天と砂糖(ショ糖)を用いて、顕微鏡などを用いて観察できる。 砂糖を混ぜた寒天の溶液を固まらせた物は、めしべと状態が似ているので、この砂糖入りの寒天を使って、花粉管が観察できる。 まず、砂糖を混ぜた寒天を作る必要がある。 有性生殖をする動物には、雄(おす)と雌(めす)との区別がある。 精子には、尾のような物があり、この尾を、べん毛(べんもう、flagellum フラジェルム)という。 (※ 性染色体については、くわしくは、高校で習う。) ヒトの体細胞は、染色体の対(つい)を23組、あわせて46本の染色体をもつ。 ヒトの精子と卵は、23組のペアのうち1本ずつ23本の染色体を持っている。受精卵になると精子と卵の染色体をあわせて46本の染色体となる。 性の決定に関与する染色体を性染色体(せい せんしょくたい、sex-chromosome)と呼ぶ。いっぽう、性染色体でない染色体を、常染色体(じょう せんしょくたい)と言う。 ヒトの場合、男性ホルモン(テストステロンなど)を女性に投与しても、性別は変わらない。同様に、女性ホルモン(エストロゲンなど)を男性に投与しても、性別は変わらない。性ホルモンでは性別は変わらない。ヒトの性別を決定するのは遺伝子である。 (※ 性ホルモンについて、より詳しくは保健体育や高校生物などであつかう。) 受精卵から成長した個体になるまでの過程を発生(はっせい、embryogenesis)と呼ぶ そして発生中の子の体のことを胚(はい)という。つまり受精卵になってから成長いた個体になるまでの間の時期の子の体を胚(はい)という。 例えば、ニワトリの雌(めす)は1日に1個程度の卵を産む。交尾をしないでも卵は産まれるが、孵化(ふか)しない。交尾をしないで受精しないで産まれた卵を無精卵(むせいらん)と呼び、交尾をして受精して産まれた卵を有精卵(ゆうせいらん)と呼ぶ。無精卵と有精卵をニワトリの体温と同じ37℃で保温すると、無精卵は変化しないが、有精卵は2日程度で血管が3日程度で心臓が形成され、7日程度で脳や目や手足などが形成され、20日程度で生まれヒヨコになる。血管や心臓が発生の初期に形成されるのは、卵黄にある栄養を血管や心臓で取り入れるためである。 受精卵は体細胞分裂を繰り返して成長するが、その体細胞分裂を卵割(らんかつ、cleavage)と呼ぶ。 卵割で生じた細胞を割球(かっきゅう、blastomere)と呼ぶ。 受精卵は体細胞分裂を繰り返して成長するため、それぞれの細胞は受精卵の遺伝子を全てそのまま受け継ぐ。発生の過程で、それぞれの細胞は遺伝子の異なる部分を使うことで、それぞれ異なる細胞になっていき、これを分化(ぶんか、differentiation)と呼ぶ。つまり、個体の全ての細胞は同じ遺伝子をもつが、使う遺伝子の組み合わせで異なる細胞になっていく。 カエル(flog)の受精では、精子は動物極側から侵入する。精子が卵に侵入した位置の反対側には、灰色の部分が三日月になっている箇所が生じる。これを灰色三日月(はいいろ みかづき)という。発生が進むと灰色三日月の位置に原口(げんこう)が生じる。 カエルの卵は、卵黄が植物極側に片寄った端黄卵である。 カエルの発生は、 の順で起こる。 原腸胚のころになると、胚葉は、外胚葉、中胚葉、内胚葉に分化する。 神経胚のころになると、外肺葉は表面を覆う表皮(epidermis)と管状体の神経管に分化し、中胚葉は支持器官の脊索(せきさく、notochord)と体節(たいせつ、somite)と腎節(じんせつ、nephrotome)と側板(そくばん、abdominal plate)に分化し、内胚葉は管状の腸管(enteron)に分化する。 その後、外胚葉性の器官では、表皮は皮膚の表皮、眼の水晶体や角膜、口や鼻の上皮に分化し、神経管は脳や脊髄、眼の眼胞や網膜に分化する。 中胚葉性の器官では、脊索は退化し、体節は脊椎骨・骨格・骨格筋、皮膚の真皮に分化し、腎節は腎臓や輸尿管に分化し、側板は心臓などの内臓、血管の結合組織や筋組織に分化する。 内胚葉性の器官では、腸管は前部が気管・肺、食道、胃、肝臓、膵臓に分化し、中・後部が小腸、大腸、膀胱に分化する。 遺伝(いでん、heredity)とは、生物の形や性質が、遺伝子によって、親から子へ伝わることである。 また、生物の形や性質のことを形質(けいしつ、trait, character)と呼ぶ。 形質には、親から子へ遺伝する遺伝形質(いでんけいしつ)と、 環境の影響によって獲得した遺伝しない獲得形質(かくとくけいしつ、acquired character)がある。 このページでは、「形質」とは遺伝形質のことを指す。 メンデルは、エンドウの形質の遺伝の規則性を調べた。 エンドウには、種子の形が「丸形」(まるがた)の物と、「しわ形」の物がある。種の丸形の性質と、しわ形の性質は、1個の個体には、同時には表れない。 このような、けっして同時には現れない形質を対立形質(たいりつ けいしつ)と言う。 エンドウの対立形質には、種子の丸形・しわ形の他にも、子葉の色(黄色、または緑色)、種皮の色(灰色、または白色)、花の位置(茎の途中、または茎の頂上)、草たけ(高い、または低い)などがある。 メンデルは、この対立形質に注目して、エンドウの形質の遺伝の実験を行い、遺伝の規則性を調べた。 メンデルは実験を行う準備にあたり、ある個体を親、子、孫、……と何代にもわたって自家受粉させ、丸形の種しか残さない個体を選びだした。 同様に、何代にもわたって自家受粉させ、しわ形の種しか残さない個体を選びだした。 裏をかえすと、丸形の種の個体を自家受粉させたときに、必ずしも、子の形質は丸形の種になるとはかぎらず、しわ形の種の形質を持つ子が出てくる場合もある。 つまり、丸形の親であっても、しわ形の形質の遺伝子を持っている場合がある。 なのでメンデルは、丸形の遺伝子のみを持っている個体を選び出すために、丸形の種を持つエンドウのみの自家受粉をくりかえし、何代にもわたって丸形の形質を表すエンドウを選び出す必要があったのである。 このように、何代にもわたって個体を自家受粉させても、丸形の種の形質のみを出し、しわ形の形質を出さない場合は、その系統の個体は、しわ形の遺伝子を持っていないと考えられる。 これらのように、何代にもわたって、同じ形質のみを現す系統の個体を純系(じゅんけい)と言う。そして、純系でない個体を雑種(ざっしゅ)と言う。対立形質どうしを持つ純系どうしの親をかけあわせてできた子は、雑種である。 純系の親どうしを掛け合わせた雑種の子では、それぞれの形質で、それぞれ片方の親の形質だけが現れる。これを優性の法則(ゆうせいのほうそく)という。 このとき、雑種の子にあらわれるほうの形質を優性形質という。子にあらわれないほうの形質を劣性形質という。 雑種の子は、優勢の形質の遺伝子も、劣性の形質の遺伝子も、両方とも親から受け継いでいる。しかし、劣性のほうの遺伝子は、優性の遺伝子があるときには形質が発現しないのである。 優性の形質のほうの遺伝子を優性遺伝子と言う。劣性の形質のほうの遺伝子を劣性遺伝子という。 ここでいう優性・劣性の「優劣」とは、べつに生存に適しているかどうかを示していない。単に、子が、親から優性・劣性の両方の遺伝子を受け継いだときに、子に形質が現れるほうの遺伝子を「優性」といい、子に形質が現れないほうの遺伝子を「劣性」というだけの事である。 …のだが、令和2年度教科書からは、「優性」「劣性」が、それぞれ「顕性」「潜性」に改められた。また、啓林館の教科書では「優性の法則」が削除された。また、日本医学会においても「顕性」「潜性」の使用が推奨されている。このため、学校で「顕性」、「潜性」と習った場合、そちらを使用されたい。 純系の対立形質を持つ親どうしを掛け合わせた子を雑種第一代という。雑種第一代どうしを掛け合わせた子を(つまり純系の孫にあたる)、雑種第二代という。 雑種第一代である子の、劣性のほうの遺伝子は、べつに消えたわけではないので、子どうしを掛け合わせて次世代をつくると、その次世代である孫にあたる雑種第二代では、ときどき両方の親から劣性の形質だけを受け継ぐ場合があるので、その場合には劣性の形質が現れる。 また、このような孫世代の実験から、劣性の遺伝子が消えたわけではないことが確認できる。 劣性遺伝子が形質を現さない場合とは、優性遺伝子とあわさった場合だけである。 オーストリア人のメンデル(1822年~1884年)は、遺伝のしくみを調べるため、エンドウを使って、次のような実験を行った。 このメンデルの実験によって、遺伝における優性や劣性のしくみが明らかになっていった。 [1] メンデルの実験方法 メンデルは、異なる形質をもつエンドウの品種を用意し、2年間にわたり育て、 同一個体の配偶子間で行われる自家受精(autogamy)で 全く同じで変化しない子孫を生じる純系(じゅんけい、pure line)の品種を選んだ。 その際、対立形質が明確な、たがいに異なる対立形質を7つ採用し、 実験に採用された対立形質 1856年から62年にかけてエンドウの交配実験を行った。そして、実験結果を記録した。 実験1 1.種子の形について、 丸と しわ の純系を用意して両親P(Parens)としたところ、 その子である雑種第一代[2]F1(Filius)は、全て丸であった。 このように子(F1)では、対立形質の片方のみが表れる。 子(F1)で現れる形質を 優性形質(ゆうせい けいしつ、dominant trait) と呼び、子(F1)で現れない形質を 劣性形質(れっせいけいしつ、recessive trait) と呼ぶ。 ここでの優性・劣性は、単に形質が現れやすい・現れにくいを意味し、べつに形質が優秀である・劣等であることを意味しない。 このエンドウの場合、種子の丸形が優性形質であり、種子の しわ形 が劣性形質である。 優性形質のことを、単に「優性」と略す場合もある。同様に、劣性形質のことを、単に「劣性」と略す場合もある。 実験2 F1(子)を自家受精したところ、 雑種第二代F2(孫)では、丸と しわ が5474個と1850個で、およそ 3:1 の出現比であった。 このようにF2(孫)では、 優性形質と劣性形質が、およそ3:1の比で出現する。 実験3 F2(孫)を自家受精したところ、 F2で しわ だったものは、F3で全てしわの純系となり、 F2で丸だったものは、565株のF3の内、 193株は丸の純系となり、 372株は丸と しわ を3:1の比で生じた。 このようにF3では、F2で劣性形質を示すものは、劣性形質の純系となり、 F2で優性形質を示すものは、このうち、3分の2は優性形質と劣性形質を3:1の比で生ずる子孫を作り、 3分の1は優性形質の純系となる。 実験4 1.種子の形と2.胚乳の色について、 種子の形が丸で胚乳の色が黄の純系と種子の形がしわで胚乳の色が緑の純系を用意して両親Pとしたところ、 その子F1はすべて丸で黄であった。 実験5 F1を自家受精したところ、 F2では丸・黄、丸・緑、しわ・黄、しわ・緑が315個、108個、101個、32個で、 およそ9:3:3:1の出現比であった。 個体の遺伝子の構成を記号で表したものを遺伝子型(いでんしがた、genotype)と呼ぶ。 遺伝子型はふつう優性形質をAやBなどのアルファベットの大文字で表し、いっぽう劣性形質をaやbなどのアルファベットの小文字で表す。 ある形質を決定する遺伝子は、ペアの染色体の同じ位置に1つずつ、あわせて2つあるため、アルファベット2文字で表される。 遺伝子型によって現れる形質を表現型(phenotype)と呼ぶ。 遺伝子型の記号を [ ] で囲んで表すこともある。( 例: [A] , [a] ) 実験1では、 種子の形が丸をA、しわをaと表すとすると、 遺伝子型は、丸の純系はAA、しわの純系はaaと表せる。 この両親Pの配偶子はそれぞれA、aとなり、 その子F1の遺伝子型はAaとなり、表現型は[A]となる。 このように、優性形質の純系と劣性形質の純系とを交雑すると、 その子は優性形質のみを表し、 これを優性の法則(law of dominance)と呼ぶ。 なお、今日では、エンドウの種子の形を決める遺伝子は、 実際には酵素を作る遺伝子であり、その酵素がデンプンを作って種子の形を丸にしていることがわかっている。デンプンの量は、AaはAAとaaの中間であるが、種子の形を丸にするには十分な量であるため、Aaの種子の形は丸となっている。 実験2では、 F1の遺伝子型はAaと表され、 配偶子が作られるとき分離し、 それぞれの配偶子はA,aとなる。 このように配偶子形成の際ペアの遺伝子が分離し、 それぞれ配偶子に受け継がれることを分離の法則(ぶんりのほうそく、law of segregation)と呼ぶ。 F1の自家受精では、 その配偶子がそれぞれ受精するため、 F2ではAA:Aa:aa=1:2:1となり、 結果[A]:[a]=3:1となる。 実験3では、 F2で[a]だったものは、aaであるから、 その配偶子はaであり、自家受精でaaつまり[a]となる。 F2で[A]だったものは、AA:Aa=1:2であるから、 3分の1のAAの配偶子はAであり、自家受精でAAつまり[A]となり、 3分の2のAaの配偶子はA,aとなり、自家受精でAA:Aa:aa=1:2:1つまり[A]:[a]=3:1となる。 実験4では、 種子の形が丸をA、しわをa、胚乳の色が黄をB、緑をbと表すとすると、 遺伝子型は、丸で黄の純系はAABB、しわで緑の純系はaabbと表せる。 この両親Pの配偶子はそれぞれAB,abとなり、 その子F1の遺伝子型はAaBbとなり、表現型は[AB]となる。 実験5では、 F1の遺伝子型はAaBbとあらわされ、 配偶子が作られるとき分離し、 それぞれの配偶子は、AB,Ab,aB,abとなる。 F1の自家受精では、 その配偶子がそれぞれ受精するため、 F2で となり、 結果 となる。 実験4・5では、 種子の形だけあるいは胚乳の色だけに注目すると、 それぞれ優性の法則と分離の法則に従い独立して遺伝している。 このように、2つの遺伝子が異なる染色体に存在するとき、 その遺伝子が互いに影響しないことを独立の法則(どくりつのほうそく、law of independence)と呼ぶ。 遺伝子のある場所は、染色体のなかにある。染色体のなかにある物質で、DNA(読み:ディー・エヌ・エー)という物質が、遺伝子の本体・正体である。DNAとはデオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid)の略である。 DNAは、A,T,G,Cという4種の記号で表される4種類の構成要素(「塩基」(えんき)という)が多数つながった鎖である。そして、DNAのその構造は、2本の鎖が一対になり、らせん状になっている。この塩基の並び方で、遺伝の情報が決定される。 AとT、GとCとが、互いに結びつきあう。2本の鎖が形づくられている。 つまり、塩基配列上では、AはかならずT と結びつく。具体例をいうなら、AはT以外の塩基とは結びつかない。たとえばAはGは結びつかない。AはCは結びつかない。Aは、他のA塩基とも結びつかない。 同様にTもA以外の塩基とは結びつかない。Tは他のT塩基とも結びつかない。 同様にGもC以外とは結びつかない。CもG以外とは結びつかない。 遺伝子の正体は、DNAにおける塩基の並び方である。この遺伝子の並び方が、生物の形や性質を決めている。 なお、DNAの二重らせん構造を発見した学者はワトソンとクリックである。なお、DNAそのものを発見した人物はミーシャという人である。DNAが遺伝子であることを解明した人物は、ワトソン・クリックとは別の学者(エイブリーや、ハーシーとチェイスなど)である。 ※ エイブリー、ハーシーとチェイスについては高校の範囲の人名であるので、中学生は暗記しなくてよい。 一人の人間の中では遺伝子は、受精卵の時から、細胞分裂の際は、必ず複製されている。 親から子に伝わる遺伝子は、組み合わせは変わるが、子は両親から遺伝子を受け継ぐ。 そして、親から子へ、子から孫へと、遺伝情報を子孫に伝えている。 遺伝子の研究成果は多くあるが、近年の成果を、この節では取り上げよう。 このような成果がある。では、関連する技術を解説していこう。 生物学で言うクローン (clone [3]) とは、ある個体と、まったく同じ遺伝子を持つ別の個体を、作ることである。 植物のクローンは、さし木などで、簡単にクローンが作成できる。 現代でも技術的に難しいのは、動物のうち、ウシやヒツジなどのような、有性生殖する動物のクローン作成である。 現在の技術では、動物のクローンの作成では、胚や体細胞から取り出したDNAを含む核を、未受精卵に移植する「核移植」によって作った卵を代理母の子宮に移植して、代理母にクローンを出産させ、クローンを作成する。 通常の受精などとは違う仕組みである。 現在の技術では、(代理母でなく、)出産されたクローン動物には、身体の異常がある事が多い。 ヒトのクローン作成は、各国の法律などによって禁止されている。 遺伝子の組み換え方法には、いろいろな方法があるが、酵素を用いた方法が、有力な方法である。 ある酵素には、特定のパターンのDNA塩基配列を切断する酵素がある。このような、特定パターンの塩基を切断できる酵素を、制限酵素(せいげん こうそ、英: restriction enzyme)と言う。このような酵素を切断のパターンごとに集めて、DNAと混ぜれば、酵素との組み合わせによって、思い通りの切断が出来る。 切断だけだと、単にDNAが切断されただけなので、DNAをつなぐ事の出来る別の酵素を用いて、つなげたりする。DNAをつなげられる酵素をDNAリガーゼ(ディーエヌエーリガーゼ、DNA ligase)と言う。 このほか、様々な組み換え方法を用いて、DNAを目的の配列に組み替えて、その組み替えたDNAを細胞などに戻して培養し、遺伝子組み換えが出来る。 (※ 制限酵素やDNAリガーゼなどは、詳しくは、高校・大学で習う。中学では、制限酵素やDNAリガーゼは、覚えなくても良いだろう。) 制限酵素の応用は、遺伝子組み換え以外にも、遺伝子の配列の分析・調査などにも応用できる。 遺伝子組み換えをした品種は、自然界には存在していないので、それを利用するさいに未知の問題が起きる可能性がある。そのため、遺伝子組み換えをするさいには、注意が必要である。 食品の成分表などに「遺伝子組み換えでない」などの注意書きがあるのは、このような組み換え品種を原材料に利用していない事を示している。 自然界のバラは、青い色素をつくることができないため、青いバラは無かった。しかし、パンジーの花に、青い品種があるので、このパンジーの青い色素をつくる遺伝子を、遺伝子組み換えの技術をもちいてバラに導入することによって、青い色素をつくるバラが開発された。こうして、青いバラが開発された。2004年、日本で、青いバラが世界で初めて、つくられた。 糖尿病の患者は、インスリンという物質をつくる事ができないため、体内でインスリンが不足し、そのため症状がでる。そこで、インスリンを大量生産するのに、微生物が使われている。 ヒトのインスリンをつくる遺伝子を、遺伝子組み換え技術をもちいて大腸菌に導入し、大腸菌にヒトのインスリンをつくらせる。 そして、そのインスリンを、注射などで、体内に送っている事で、糖尿病の症状をやわらげてる。 大腸菌によるインスリンの生産手法が発明されるまでは、化学的に合成したものか、ブタのインスリンを使っていた。しかし、ブタのインスリンは、ヒトのインスリンとは構造がちがうし、化学的に合成したものもヒトのインスリンとは構造がちがうため、有害な副作用が起こる原因になっていた。 しかし、ヒトのインスリンと同じものを大腸菌でつくれるようになったので、糖尿病患者のインスリン注射によるアレルギー症状の発生が減った。
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地上のセキツイ動物の祖先は、もとをたどれば魚類であることが、地層の調査から分かっている。 まず、親から生まれた子や、子だけでなく孫以降の子孫にもに、ある性質が受け継がれつづけることを、遺伝(いでん、英: heredity)という。 ある生物の遺伝に関する情報は、その生物の細胞の核の中の、染色体の中の、遺伝子(いでんし、gene)という部分にある。(※ くわしくは3年の理科で、遺伝子について習う。) 生殖をして子供が出来るたびに、なんらかの理由により、すこしずつ遺伝的な特長が変化していって、あるいは、ある子供が生まれるときに突然に遺伝的な特徴が変異をして、その子が、そのまま親になって子供をうんで、次の世代へと変化が受け継がれていった、というようなことが、数多くの世代で繰り返されていって、種(しゅ)が変化していった。 このように、世代を重ねることに遺伝的な特徴が変化していき、その変化が受け継がれることを、進化(しんか)という。このため、進化には、とても長い年月がかかる。 遺伝子が変わらない限り、遺伝的な特徴は、変わらない。 この分野で言う「種」(しゅ)とは、動物や植物などの種類とかのことである。植物のタネ(種)のことではないので、間違えないように。 世代を重ねない変化は進化ではない。 たとえば昆虫の、幼虫からサナギ、成虫への変化は、世代を経た変化でない。幼虫からサナギなどへの変化は、同じ世代内での変化であるので、進化ではなく、単なる変態である。 また、遺伝によって、子孫に受け継がれない、ある親だけでの変化は、進化ではない。 たとえば、ヒトの親が、子供を生む前に、食べ物をたくさん食べて太っても、その変化は、別に遺伝子を変化させないので、進化ではない。 同様に、ヒトの親が、子を産む前に、髪を切ろうが、その変化は遺伝子を変化させないので、進化ではない。 動物が子供を産むたびに、親と特徴が少しずつ違うのは、動物の子は、遺伝子を、父親と母親の両方の性質を受け継ぐので、子の遺伝子は父とも母とも遺伝子が違っている。子の遺伝子の半分は、父親に由来しているが、子の遺伝子の、もう半分は母親由来の遺伝子である。 これはセキツイ動物の場合である。 ほかの種では、そもそも性別があるとは限らない。単細胞生物などでは、性別が無く、細胞分裂で個体数を増やす種もある。(※ くわしくは、生殖と遺伝子の関係については、中学3年で習う。) 地層から分かる。古い時代の地層から見つかる物ほど、古い時代の生き物である。 ある種と、別の種が近いかどうかは、遺伝子の調査から分かる。遺伝子とは、細胞の中にある、遺伝をつかさどる部分であり、染色体の中に、ふくまれている。染色体は、核の中に、ふくまれている。(※ 遺伝については、くわしくは中学3年の理科で習う。) レントゲン写真やエコー写真などの透過写真で、セキツイ動物の、さまざまな種の個体が生まれる前の胚(はい)のころの写真を撮影すると、どの種でも、発生の初期の、最初のほうの姿は似たような姿をしている。 このようなことからも、セキツイ動物は、ほぼ共通の祖先を持つ可能性が高いことが分かる。 たとえ現在は存在していない種でも、その種の化石が残っていれば調べられる。 シソチョウ(英:archaeopteryx)という種の化石には、鳥の特徴とハチュウ類の特徴があり、この事実から、鳥類とハチュウ類は、近い種であることが分かる。 シソチョウは恐竜に近い骨のつくりを持つが、前足が つばさ になっており、羽をもっている。シソチョウには、口には歯があり、尾が長く、ハチュウ類の特徴を持つ。いっぽう、つばさがあり、鳥類の特徴を持つ。 そのほかの調査とも合わせて、鳥類はハチュウ類から進化したことが分かっている。 1億5000万年前の地層からシソチョウの化石が見つかっている。 さまざまな調査から、脊椎動物は、まず魚類があらわれ、魚類の一部が両性類に進化し、さらに両生類の一部がハチュウ類に進化したことが分かっている。 そして、ハチュウ類の一部から、鳥類とホニュウ類が進化した。 鳥類からは、ホニュウ類は進化していない。 哺乳類の祖先は、ハチュウ類であると考えられている(なお、20世紀では、哺乳類の祖先が両生類だと考えられていた)[1]。 種の近い物どうしは、特徴も近い。 たとえば両性類は魚類から進化したが、両生類も魚類も、ともに水中に卵を産み、また、変温動物である。 魚類は、えら呼吸である。両生類は、子はえら呼吸であり、両生類の親は、肺呼吸である。いっぽうハチュウ類は肺呼吸しか出来ない。 呼吸からも、 という進化の順序が見て取れる。 ハチュウ類、鳥類、ホニュウ類は、呼吸が、肺呼吸である。 魚類そのものは、何から進化したのかというと、水中で生活する無セキツイ動物から魚類が進化したと考えられている セキツイ動物の骨格を見ると、形は違っていても、骨の数や位置が似通っているものが多い。 オーストラリアに生息するカモノハシ(英:platypus)は、子を母乳で育てるのでホニュウ類だが、卵生であり、くちばしを持っている。このため、カモノハシは、ハチュウ類から哺乳類への進化の間の状態の種であると考えられている。 必要ないけど カモノハシは毒を持っている。 またカモノハシは体が毛におおわれている。このことからも、ハチュウ類とホニュウ類との近縁関係が、うかがえる。 シーラカンス(英:coelacanths)は魚類の一種であり、現在(2014年に本文を記述。)も種が現存している。胸びれ(むなびれ)の内部に骨があり、セキツイ動物の前足に当たると考えられている。地質時代の古くから、体のつくりが変わっておらず、そのため「生きている化石」(英:living fossil)などとも言われる。「生きた化石」とも言う。 シーラカンス以外にも、地質時代など古くから体のつくりが変わっていない種はある。ゴキブリなども、古くから存在している。 シーラカンスは、かつて「絶滅した」と考えられていた。 セキツイ動物の前足は、骨格のつくりから、魚類の胸びれにあたり、鳥類のつばさに当たる。このように、役割がちがっていても、つくりの同じ器官のことを、相同器官(そうどう きかん)と言う。 いっぽう、つくりがちがっているが、役割が同じ器官のことを相似器官と言う。たとえば、昆虫の羽と、鳥類のつばさ が、相似器官(そうじ きかん)である。 ハイギョ(英:lungfish)は、オーストラリアなどに住む魚類の一種である。魚類だが、肺がある。詳しく言うと、ハイギョの浮き袋が、肺の機能を持つ。このことから、魚類の浮き袋がもとになって、両生類の肺が進化したことが、うかがえる。
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地球などの天体の、北極点と南極点をつなぐ見かけ上の軸を、地軸という。 天体によって異なるが、地球の場合は地軸を約23.4°傾いており、太陽の周りを公転している。 この傾きは常に一定であるために、傾きがあることから、1年間で昼と夜の長さが異なり、季節が生じる。 これは地軸の傾きに関係しており、北半球の場合、夏は北の地軸を太陽に向かっているために、春秋に比べて 長時間日光が当たる。そのために、春秋と比べて気温が高くなる。 また、冬は北の地軸を太陽と逆に向くために、冬はあまり日光が当たる時間がなく、気温も春秋と比べて低くなる。 北半球と南半球の季節が異なるのは、地軸の傾きによって関係している。 地球は約一日で、北極側から見て半時計周りに一回転している。これを自転といい、この回転における軸を地軸とする。 地球は赤道上で、時速約1500キロメートルという高速で回転しているが、私たちは速さを感じず、宇宙に放り出されたりもしない。 これは、どういうことでしょうか? まず、一つの理由として、万有引力(ばんゆういんりょく)があるからと考えられており、 全ての物は、お互いに引き付けあう。そして、地球も物体なので、他のすべての物を引き付けています。 さて、地球が動いていても、私たちは、地球の動くスピードを感じません。これは、どういうことでしょうか? それは、たとえば、私たちが電車やバスに乗ってる時、停止状態から動き始めたときにはスピードを感じますが、しばらくするとスピードを感じないのと同じ仕組みなのです。そして、車がブレーキをかけると、今度は反対方向のスピードを感じます。 私たちが感じるスピードとは、じつはスピードの変化(へんか)を、感じているのです。だから、同じスピードで乗り物が動き続けていると、スピードを感じなくなるのです。 中世に地動説を主張した、物理学者のガリレオ(Galileo Galilei/1564-1642)は、「船に乗っている人は、その船の速さを感じない」と例えて、地球が動いていても速度を感じないことを説明しました。 また、船の上で、まっすぐな柱の近くで物を落とすと、船が動いているのに、そのまま、その柱の根元ちかくに落ちます。これは、船といっしょに、船に乗っている人も同じ速度で動いているし、船に乗っている人が持っている物体も同じ速度で動いているからです。 ※太陽を観察する時の注意 太陽の大きさは、地球の直径に比べて、太陽の直径は約109倍である。太陽の直径は約140万kmである。 地球上から見た場合、太陽はそこまで大きく見えない。太陽の大きさは、月の直径のおよそ400倍にもなるが、 地球から見える太陽の大きさは、月の大きさと同じくらいに見える。 これは地球と太陽との距離がとてつもなく長いからである。 地球から月までの距離は約38万km、地球から太陽までの距離は約1億5000万kmにもなる。 地球と太陽の距離は、地球と月の距離のおよそ400倍にもなるため、太陽と月は同じくらいの大きさに見える。 体積としての比率を求めるため、1³:109³、1:(109×109×109)≒ 1:1300000 となるため、 また、太陽の体積は、地球の体積の約130万倍と考えられる。 太陽の表面の温度は 約6000℃ であり、内部ほど温度は高くなり、太陽の中心部の温度はおよそ1500万℃とも考えられる。 光の進む速度は約300,000㎞/sであり、地球から太陽までの距離は約1億5000万kmもあるために、 150,000,000÷300,000=500、つまり500秒は約8分なので、 太陽から出た光が、地球に届くまでには約8分もかかる。私たちが地上で見る太陽の光は、約8分前に太陽から放たれた光である。 太陽の質量は、地球の約33万倍です。 太陽を観測した写真をよくみると、表面に黒い しみ のようなものが見える。これを 黒点(こくてん) という。 この黒点は温度が周囲よりも低く、黒点付近の温度が4000℃ 〜 5000℃ だということが分かっている。 そして、この黒点は、毎日、おなじ方向へ、移動していく。黒点が、太陽の東から西へ移動していく。 これは、太陽が自転をしているからである。太陽が球形のため、黒点の位置が、地球から見た太陽の周縁部に来たとき、黒点は潰れて見える。このことからも、太陽が自転をしていることが分かる。 太陽は固体ではなく、ガス状の物体である。そのため、自転周期が緯度によって違う。太陽の黒点の周期から緯度を調べると、太陽の赤道では、自転周期は約25日である。黒点が東から西へ移動するのに、だいたい12日~13日ていど掛かり、その後、太陽の裏側に12日~13日ほど隠れ、そのあと、再び東側に現れるので、自転周期が約25日だと分かる。 また、太陽上のいくつもの黒点の速さから、太陽が気体であることが分かっている。太陽が固体だとした場合の計算と合わないので、太陽は気体だ、とされている。 太陽の中心は、水素で出来ている。この水素の原子核 H が4個あつまり、核融合(かくゆうごう)をして、ヘリウムの原子核 He に、かわる。 この核融合反応(かくゆうごう はんのう)のときに、とても大きな熱エネルギーが発生する。 中心部の温度は、理論上、約1600万度だと言われている。 太陽の、光って見える表面の部分のことを 光球(こうきゅう) という。 太陽の表面温度が 6000℃ というのは、この光球の温度が 6000℃ だと言うことだ。 光球のまわりを、気体がとりまいている。これは太陽の大気(たいき)である。この太陽の大気(たいき)の層を 彩層(さいそう) という。 彩層の厚さは数千kmから1万kmにも、およぶ。 彩層は、ふだんは見えないが、日食(にっしょく)の時に、皆既日食(かいき にっしょく)の数秒間だけ見られる場合がある。また、とくべつな望遠鏡で見ることができる。 地球と月と太陽が一直線にならんで、月が太陽の光球を 完全に おおいかくす ことを かいき日食(かいきにっしょく、皆既日食)と、いう。 とくべつな望遠鏡で彩層を見ると、ところどころ、あかい炎(ほのお)が、もえあがっている。 これを プロミネンス という。あるいは 紅炎(こうえん)という。 プロミネンスの高さは数万kmから数十万kmにも、およぶことがある。 彩層の外側には、うすい気体が広がっています。この層を コロナ といいます。コロナには、光球からの光があたっているが、とてもうすいため、普段は全く見えない。 コロナにあたった光は、光球からの強い光に、かきけされてしまい、普段は気づかない。 コロナの明るさは、光球の100万分の1くらいなので、ふだんはコロナには気づけない。 地球と月と太陽が一直線にならんで、月が太陽の光球を 完全に おおいかくす 皆既日食(かいきにっしょく) の時だけ、太陽の光球が隠れるため、コロナが白く輝く様子が見える。 月は、直径が約3500kmです。地球の約4分の1の直径です。地球から月までの距離は、約38万kmです。 月は、地球のまわりを回っています。約1ヶ月かかって、地球のまわりを月が1周します。 月のように、ある天体が、他の天体のまわりを、まわることを、公転(こうてん)と言います。 月の公転周期は、約29.5日です。 月の満ち欠け(みちかけ)の原因も、月の公転によります。月の満ち欠けの周期も、公転周期と同じく、約29.5日です。 月の表面に見える、黒く見える丸い穴をクレーターと言います。でこぼこした、くぼみがあります。 クレーターが出きた理由は、いん石(いんせき、隕石)が衝突(しょうとつ)したからだろう、と考えられています。 月が球形のため、月の周縁部では、クレーターが、つぶれて見えます。 クレーターとはべつに、月の表面の、黒く見えるあたりを 海(うみ) といいます。「海」と言っても、月の海には、水はありません。 そもそも、月には、水がありません。月には、空気も、ありません。月には、大気がありません。 月の表面には、海(黒く見える部分)がいっぱいあるけど、裏には、ほとんどありません。 月の表面の、白く見える部分を陸(りく)と、言います。 月には雲が無いので、地球からは、月の表面が、よく見えます。 夜空で月が明るく見えるのは、太陽からの光を反射しているからです。月そのものは、光を作っていません。太陽のように光を作る惑星を恒星(こうせい)と言います。いっぽう、月は、恒星では、ありません。 月の直径は、約3500kmです。地球の直径と比べた場合、月の直径は、地球の直径の4分の1です。地球の方が大きいです。 月と地球の距離は、約38万kmです。 なお、太陽と地球との距離は、約1億5000万kmであり、月と地球の距離の約400倍です。 月の重力は、地球の重力の約6分の1です。月は、地球よりも小さいので、月の重力も、地球より小さいです。 たとえば、仮に地球上で1000グラムの物の重さを、月で、ばねばかりで、はかったとすると、月では166グラム( ≒ 1000÷6 )くらいの重さになります。 いっぽう、月で、天びんで、重さを はかった場合は、両方の皿の上の物の重さが6分の1になるので、つりあいの結果は、地上と変わりません。 月には、大気がありません。この理由は、月の重力が小さいので、空気を引き止められなかったからだろう、と考えられています。 月は自転しています。月の場合、月の自転周期が、公転周期と同じ周期です。このため、月は、いつも地球に同じ面を見せています。 太陽のように、光を発してる星を、恒星(こうせい)と言います。星座をつくる星も、恒星です。月は、恒星ではありません。地球から見た場合に、月が明るく見えるのは、太陽の光を反射してるからです。 いっぽう、地球のように、その星じたいは、光を発しない星で、太陽のまわりを回っている天体を惑星(わくせい)といいます。 月のように、惑星のまわりを回っている星は、衛星(えいせい、衛星)といいます。 たとえば、月は地球の衛星です。月は、太陽の衛星では、ありません。 月は、地球のまわりを、回っています。このように、星が、星のまわりを回っていることを、公転(こうてん)といいます。 地球そのものも、太陽のまわりを、公転しています。地球が太陽のまわりを1まわりするのに、1年かかります。季節が1年ごとにくりかえす理由は、地球の太陽のまわりの公転です。 太陽系は 銀河系(ぎんがけい) という星の集団の一部にしか、すぎません。つまり、銀河系の中に、太陽系があります。 銀河系の形は、うずをまいた円盤状(えんばんじょう)の形をしていることが分かっています。銀河系の恒星の数は、約1000億個~2000億個もあります。 銀河系の大きさは、とても大きいので、キロメートルだと、不便です。そこで 光年(こうねん) という 距離の単位を使います。 1光年の距離は、そのあいだの距離を移動するのに、光でも1年もかかる長さです。1光年は約9兆5000億kmです。 そして、この光年という単位をつかうと、銀河系の直径は10万光年です。 なお、光の速度は、1秒間に約30万kmである。(地球を7週半するほどの速度に相当する。) わたしたちの太陽系は、銀河系の中心から、およそ3万光年、はなれた場所です。銀河系の中心は、私たち地球から見て、いて座の方向にあります。 夜空で、数十個から数十万の星があつまって見える場所を 星団(せいだん) とか 星雲(せいうん) とかと、いいます。 星座のアンドロメダ座のそばに見える、いくつもの星があつまったアンドロメダ星雲(アンドロメダせいうん)は、私たちの銀河系とはべつの星です。なので アンドロメダ銀河(アンドロメダぎんが) とも言われます。 星には、いろいろな明るさのものがあります。明るい星から1等星(いっとうせい)、つぎに明るい2等星(にとうせい)、そのつぎに明るい3等星(さんとうせい)、つづけて同じように4等星・5等星・6等星・7等星・8等星,・・・・・と明るさによって分けられています。人間の目では、6等星(ろくとうせい)まで見えます。また星には、いろいろな色のものがあります。白っぽい星や赤っぽい星などです。さそり座のアンタレスは、赤っぽい色の1等星です。 1等星の明るさは、6等星の明るさの、約100倍です。1等星より明るいものは0等星や、-1等星(マイナスいっとうせい)になります。 星座を夜の空に、さがすときは、1等星や0等星などの、明るい星を、手がかりにして、さがすと、さがしやすいと思います。 地球から見た星の見え方は、じつは、時間が立つとともに動きます。 この理由は、地球が自転(じてん)をしているからです。 見ている空の方角によって、どの方向に、どのくらい星が動くかがは違います。北の空の星空では、だいたい1時間に15度くらい、北極星のまわりを、北極星を中心とした円に沿って、回っています。向きは、時計の針(はり)とは、反対向きに、北極星のまわりを回っています。 ところで15度という数字と、一日の長さについて、考えよう。 一日は24時間でしたよね。24時間に15度をかけてみましょう。 答えは、360です。なお、円の角度は360度です。 さきほど説明した、「1時間で、星の動きは15度」というのは、北の空の星空での場合です。 南の空や、東や西の空では、星の、1時間あたりの動きの方向などが、ちがいます。 たとえば、7月7日の午後7時から、さそり座を1時間ごとに観察したとしましょう。午後8時ごろ、東の空に見えるさそり座は、午後10時ごろには南の空を通り、その後、西の空に動きます。星の動きの方向は、太陽の動きの方向と同じです。時間とともに星は動きますが、星の並び方はかわりません。 日本から、北の空を見ると、 北斗七星(ほくと しちせい) と カシオペヤ座 が見える。 北斗七星の形は、「ひしゃく」という水をくむための道具のような形をしています。 また、カシオペヤ座は、5つの星が「W」のような形で並んでいる星座です。 北極星は、北の方角にあります。時間が経っても何日が経っても、北極星はいつでも同じ位置に見えるため、方角を知る際には重要な星です。北極星の周りの星は、北極星を中心に動いて見えます。実際には、他の星が北極星の周りを公転しているわけではなく、地球の自転軸の方向(南北方向)と同じ方向の延長線上に北極星があるため、地球から見た場合には北極星を中心にして他の星が公転しているように見えるのです。 これらの北の空の星は、日本から一年中夜に見ることができます。 北極星は2等星なので、見つけにくいかもしれません。代わりに、北斗七星やカシオペヤ座を利用して北極星を探すことが一般的です。北極星とカシオペヤ座の間には、おおよそ北極星が位置しています。 なお、北斗七星は星座ではなく、おおぐま座の一部であり、北極星は星座ではなく、こぐま座の一部であり、こぐま座のしっぽの先が北極星になっています。こぐま座のしっぽの先とその周辺は一年中見ることができます。 毎日同じ時刻に星座の位置を測定すると、星座の位置は1ヶ月で約30度ほど北極星を中心に回転し、1年間には12ヶ月あり、12×30=360°となります。したがって、1日あたりの変化は約1度となります。このように、同じ時刻に見える星の位置が少しずつ動いていくことを「年周運動」と呼びます。 夜空で星座をさがすのには、 星座早見(せいざ はやみ) という道具が便利です。 地球は自転と公転を行い、この運動によって天体の動きが生じます。地球の自転は、自転軸を中心に西から東に向かって1日1回転します。この自転によって、太陽や星は東から昇り、西へ沈む様子が見られます。 また、地球の公転は、太陽を中心に約1年かけて軌道を周ります。この公転によって、太陽の位置が季節によって変わるのが観察されます。 太陽や星の日周運動は、地球の自転によって生じる現象です。太陽は、地球の自転軸と傾いた面との交点(赤道上の春分点や秋分点など)を中心に、1日1回転するように見えます。 このため、太陽は東から昇り、西へ沈む様子が観察されます。また、夏至や冬至では、太陽の高度が最も高くなったり低くなったりするのが特徴的です。 星の場合も同様に、地球の自転によって日周運動が生じます。星の位置によっては、春分点や秋分点と同様に、特別な位置関係になり、この位置を基準にして星座を区別することがあります。 星の年周運動は、地球の公転によって生じる現象です。地球が太陽を中心に公転するため、観測者の位置から見える星の位置は、季節によって異なります。 例えば、夏の時期には夏の大三角や冬の大三角が観測できるようになります。これは、太陽が黄道上を移動することによって生じる現象です。 太陽の日周運動とは、地球上で見た場合に太陽が東から昇って西に沈むまでの一連の運動のことをいいます。 太陽の位置は、地球上の観測者の位置と日時によって異なります。例えば、春分の日には、太陽は地球の赤道上にあり、昼と夜の長さはほぼ等しくなります。 これに対して、夏至の日には、太陽は地球の北半球の天頂付近にあり、北半球では昼が長くなります。また、冬至の日には、太陽は地球の南半球の天頂付近にあり、南半球では昼が長くなります。 地球の公転と太陽の日周運動が重なり合うことで、季節の変化が起こります。たとえば、北半球の夏至の日には、太陽が北半球の天頂付近にあるため、北半球では夏となります。 一方、南半球では冬至の日に太陽が南半球の天頂付近にあるため、冬となります。 太陽を中心に、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つの惑星(惑星)が公転しています。これらの惑星を覚えるために、「水金地火木土天海(冥)」という言葉を使うことがありますが、冥王星(めいおうせい)は今では準惑星に分類されます。 また、月は地球の衛星であり、太陽の周りを公転しているわけではありません。このように、恒星(こうせい)の周りを公転する天体を惑星、惑星の周りを公転する天体を衛星と呼びます。 太陽系には、惑星や衛星、そして小惑星や彗星(すいせい)などがあります。夜空に輝く(かがやく)惑星や月は、太陽に照らされているため見えるので、これらの惑星から見た地球も同じように輝いていると考えることができます。 惑星とは、恒星の周りを公転し、自身も光を発しない天体のことです。太陽系には、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つの惑星があります。 これは、惑星を覚えるための助けとなる、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星の順序を覚えるための呪文のような言葉です。冥王星は現在、準惑星に分類されています。 惑星の周りを公転する天体を衛星と呼びます。例えば、月は地球の衛星であり、木星には、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストなど、約67個の衛星が存在しています。 小惑星とは、おもに火星と木星の間の軌道で、太陽の周りを公転している、数メートルから数百メートルくらいの小さな天体のことを指します。小惑星は主に岩石で構成されています。 彗星とは、太陽系外から飛来し、太陽に接近することで太陽光を反射して輝きを放つ天体のことを指します。彗星は核(かく)と呼ばれる固体物質と、その周りに広がるガスと塵(ちり)から構成されています。 金星は、地球よりも、太陽系の内側にあるので、真夜中には金星は見えない。 金星は、明け方、東の空に見えることから明けの明星、夕方、西の空に見えることから宵の明星といわれる。 彗星(すいせい)は太陽系のひとつで長い尾をひいてかがやく星です。なかには、決まった周期で太陽のまわりをまわるものもあります。また、彗星の本体は『核』(かく)とよばれるよごれた氷のかたまりです。 彗星の事実 チリやガスを含む雪玉で、太陽とカイパーベルトの間を公転しています。太陽系の彗星の公転軌道はとても大きい卵型なので、太陽を1周するのに数十年から数千年をかけます。 望遠鏡を使わずに見ることができる彗星はまれで、見るためには望遠鏡が必要です。 太陽から遠く離れている彗星は、黒い岩石やチリが氷におおわれていますが、太陽に近づくと氷が溶け始め大量の水やガスが放出されます。地球でも彗星やその尾が見られることがありますが、たとえ1本に見えても実際には2本あります。 彗星の多くは数kmから数百kmの大きさですが、その尾は数百kmの長さです。 数百年ごとに見られるめずらしい見事な尾を持つ彗星を大彗星と呼びます。前回は1910年に確認されましたが、再び見るには数百年待たなければなりません。天文学者も大彗星がいつどのようにやってくるかはわかっていません。もし近いうちに彗星が見られると聞いたら、以下のやり方で彗星を見てみましょう。 彗星の尾はぼんやりしていて見えないことが多いですが、尾が地球の大気に触れると燃え上がり、流星群(りゅうせいぐん)が見えるときもあります。 彗星は太陽から遠くはなれて公転軌道で移動しているので、望遠鏡でも確認できず誰も数えられません。ですが、毎年アマチュア天文家が地球に接近した100以上の彗星を発見しています。2005年11月までに2857個確認され、その多くは太陽に衝突したり太陽系外へ飛び去ったりします。 多く発見者にちなんで名付けられます。同時に発見された場合にはヘール・ボップやシューメーカー・レヴィのように連続した名前になります。 昔は天文学の理解が足りなかったことから、いくつかの文明では彗星は王の死や戦争での敗北などの不幸がおとずれるきざしであると関連付けられていました。その一方で、富や食料の増加など幸運を招くきざしと考えた文明もあります。 1910年にハレー彗星が確認された際には「彗星の尾によって地球が汚染される」という騒動が起こったものの、実際には地球の大気に何の影響もありませんでした。 以下は、太陽系の惑星と月と冥王星の名前と、対応する古代ローマ神話またはギリシャ神話の神の名前と、それらがどのような特徴や象徴を持っていたかを簡単に説明したものです(日本語で書きますが英語表記と原語表記も併記します)。 水星 (Mercury) - ローマ神話の神・メルクリウス (Mercurius) / ギリシャ神話の神・ヘルメス (Hermes) 水星は、太陽系の惑星の中で最も小さく、軌道が短いことで知られています。メルクリウス(ヘルメス)は、旅行、商業、不正行為、盗みなどの神であり、素早く動くことを象徴する神でもあります。 金星 (Venus) - ローマ神話の神・ヴィーナス (Venus) / ギリシャ神話の神・アフロディーテ (Aphrodite) 金星は、地球から見て明るく美しい星として知られています。ヴィーナス(アフロディーテ)は、愛と美の女神であり、美しさ、愛情、芸術、そして生殖力を象徴しています。 地球 (Earth) - ギリシャ神話の神・ガイア (Gaia) 地球は、私たちが住む星です。ガイアは、地球を象徴する女神であり、自然、地球、生命、豊穣を司る女神として崇拝されています。 月 (Moon) - ギリシャ神話の女神・セレーネ (Selene) / ローマ神話の女神・ルーナ (Luna) 月は、地球の衛星であり、私たちが日々目にする自然現象のひとつです。セレーネ(ルーナ)は、月を司る女神であり、夜、月、美、そして神秘を象徴しています。 火星 (Mars) - ローマ神話の神・マルス (Mars) / ギリシャ神話の神・アレース (Ares) 火星は、赤い色が特徴の惑星であり、戦争の神としても知られています。マルス(アレース)は、ローマ神話やギリシャ神話において戦争、暴力、破壊を象徴する神であり、戦いの勇気や力を与える神でもあります。 木星 (Jupiter) - ローマ神話の神・ユピテル (Iuppiter) / ギリシャ神話の神・ゼウス (Zeus) 木星は、太陽系の惑星の中で最も大きく、軌道が広いことで知られています。ユピテル(ゼウス)は、天空や雷を支配する神であり、最高神とされています。また、権力、法律、秩序、そして父性を象徴する神でもあります。 土星 (Saturn) - ローマ神話の神・サトゥルヌス (Saturnus) / ギリシャ神話の神・クロノス (Chronos) 土星は、特徴的な環を持つ惑星として知られています。サトゥルヌス(クロノス)は、時間や収穫を司る神であり、長い時間とともに成長するものを象徴する神でもあります。また、財産や富、農業にも関係する神です。 天王星 (Uranus) - ギリシャ神話の神・ウラノス (Ouranos) 天王星は、太陽系の惑星の中で最も斜めに軌道を取ることで知られています。ウラノスは、天空や星座を司る神であり、大地や海を生み出した神でもあります。 海王星 (Neptune) - ローマ神話の神・ネプトゥーンス (Neptunus) / ギリシャ神話の神・ポセイドン (Poseidon) 海王星は、青い色が特徴的な惑星であり、海を象徴しています。ネプトゥーンス(ポセイドン)は、海や地震を支配する神であり、海の生物や漁業、航海にも関係する神です。 冥王星 (Pluto) - ローマ神話の神・プルート (Pluto) / ギリシャ神話の神・ハーデース (Hades) 冥王星は、太陽系の準惑星であり、かつては惑星とされていました。プルート(ハーデース)は、地下界の王であり、死者の支配者として知られています。また、豊穣や地下の富を象徴する神でもあります。
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動物性プランクトンは、エサとして、植物性プランクトンを食べている。 具体的に言うと、ミジンコやゾウリムシなどの動物性プランクトンは、ケイソウやアオミドロなどの植物性プランクトンを食べる。 そして、動物性プランクトンも、メダカなどの小さな魚に食べられる。 メダカなどの小さな魚も、さらに大きな魚に、エサとして食べられる。 というふうに、より大型の生き物などに食べられていく。 生きてるあいだは食べられずに寿命を迎えて死んだ生物も、微生物などにエサとして食べられていく。 このように、生き物どうしが、「食べる・食べられる」 の関係を通じて関わり合っていることを 食物連鎖(しょくもつれんさ) という。 食物連鎖は、なにも水中の生き物だけでなく、陸上の生き物にも当てはまる考え方である。 ある生物が、別の生物を食べる場合、食べる側の生物を 消費者(しょうひしゃ) という。 動物は、他の動物または植物を食べているので、動物はすべて消費者である。肉食動物も草食動物も、どちらとも消費者である。 植物を 生産者(せいさんしゃ) と言う。食物連鎖の始まりの生物は、植物になる。草食動物は、生産者では無い。 本ページの図のように、三角形で図示された生産者と消費者の個体数の関係を、生物量ピラミッド または 生体量ピラミッド などという。植物など、ピラミッドの下段ほど個体数が大きいので、ピラミッド状の三角形で図示されている。 生物量ピラミッドでの「消費者」は、書籍での説明の必要に応じて、「第一次消費者」「第二次消費者」、・・・ など、多段階に分類される。 第一次消費者は、第二次消費者に食べられる。第二次消費者の視点から見れば、第二次消費者は第一次消費者を食べる。 第三次消費者が書かれていれば、第三次消費者は、第二次消費者を食べる。第二次消費者は、第三次消費者に食べられる。 つまり、栄養は、 というふうに、移動していく。 第一次消費者が生きるためには、それに食べられる生産者が必要なので、よって、第一次消費者の数は、生産者よりも少なくなる。 つまり、不等式で書けば である。 同様に、第二次消費者が生きるためには、食料として第一次消費者が必要なので、 となる。 生産者と第一次消費者との個体数の関係を合わせれば、つまり、 となる。 第三次消費者が書かれている場合も同様にして、 となる。 このように、ピラミッドの上に置かれる個体ほど、個体数が少なくなる。 書籍の必要に応じて、第四次消費者や第五次消費者が書かれている場合は、個体数の大小関係は の関係である。 たとえば、第二次消費者の体の大きさは、第一次消費者を食べられるので、第二次消費者は第一次消費者よりも体が大きい。 なんらかの理由で、生産量ピラミッド中での、ある生物の個体数の比率が変わっても、時間が経てば、もとどおりに近づいていく。 そのため、しだいに、もとどおりに近づいていく。 他の場合も考えてみよう。 つりあいの状態から、なんらかの理由で、肉食動物が増えた場合も考えよう。仮に、この状態を「(肉食動物=増)」と書くとしよう。 このように、食物連鎖を通じて、個体数の比率は調節されている。 (※ 画像を募集中。カナダでの、オオヤマネコ(捕食者)とカンジキウサギ(被食者)の個体数のグラフなどを作成してください。) 環境破壊や森林伐採などで、ある地域で、大規模に森林が破壊されてしまうと、生産量ピラミッドの最下段の生産者が減ってしまうので、上の段の消費者の動物も、その地域では生きられなくなってしまう。 人工的な環境破壊のほかにも、火山の噴火、山くずれ、洪水などの自然災害で、生物の量が大幅に減る場合もある。 落ち葉や、枯れ木、動物の死がい や ふん などの有機物を分解して無機物にする生物を分解者(ぶんかいしゃ)と言う。 おもに、菌類(きんるい)や細菌類(さいきんるい)が、分解者である。 菌類とは、いわゆるカビやキノコのことである。シイタケやマツタケは菌類である。アオカビやクロカビは菌類である。 細菌類とは、たとえば、大腸菌(だいちょうきん)、乳酸菌(にゅうさんきん)、納豆菌(なっとうきん)などが、菌類である。 分解者の分解によって、有機物は、二酸化炭素や水や窒素化合物などに分解される。 これら、菌類や細菌類は、葉緑体を持っていないので、光合成によって栄養を作ることができない。 菌類は葉緑体を持っていないため、菌類は植物には、ふくめない。細菌類も、同様に、植物にふくめない。 菌類の栄養の取り方は、カビ・キノコともに、菌糸をのばして、落ち葉や動物の死がいなどから、養分を吸収している。 食物連鎖で生物間を移動する物質は栄養素だけではなく、生命には望ましくない有害物も、食物連鎖を移動していく。 たとえば、かつて農薬として使用されていたDDT(「ディーディーティ」と読む)は、自然界では分解されにくく、脂肪に蓄積しやすく、そのため食物連鎖を通じて高次の消費者へも取り込まれ、動物に害をおよばした。 生物内で分解・排出できない物質は、体内に蓄積しやすいという特徴がある。さらに、その生物を食べる消費者の体には、もっと多く蓄積しやすい。このため、生態ピラミッドで上位の生物ほど、高濃度で、その物質が存在しているという現象が起き、この現象を生物濃縮(せいぶつ のうしゅく、biological concentration)という。 毒性のある物質で、生物濃縮を起こす物質によって、高次の消費者を死亡させたり、高次の消費者の生命が脅かされた事例が過去に起きた。 生物濃縮を起こす、危険物質は、DDTやPCB(「ピーシービー」と読む)といった人工合成物や、有機水銀や鉛(なまり)といった重金属(じゅうきんぞく)などがある。 現在、アメリカおよび日本などでは、DDTの使用は禁止されている。 日本で起きた水俣病は、おもに有機水銀の生物濃縮による。 なお、水銀で毒性のあるのは、けっして有機水銀だけではない。無機水銀(硫化水銀[3] )や通常の金属水銀も猛毒である[4]。なお、有機水銀のことを「メチル水銀」ともいう。「メチル」とは化学の用語のひとつで、詳しくは高校の有機化学で習う。 通常の金属水銀も無機物である、しかし「無機水銀」と言った場合、まぎらわしいが、けっして通常の金属水銀のことではなく、硫化水銀の事を「無機水銀」と言う。当然、こんな、まぎらわしすぎる用語を若者の中学生・高校生に引きおこす用語「無機水銀」は、中学高校の理科では習わない。 正直、水俣病の水銀の種類をわざわざ「有機水銀」と強調する必要は、教育的には乏しいだろう。おそらく、硫化水銀などとの区別のため、わざわざ、水俣病の水の種類を「有機水銀」と強調しているのだろうか。しかし、「無機水銀」という用語を中学高校では教えられない一方で「有機水銀」と言う用語だけを教えるので、いまいち教育的な効果が不明瞭な状態になっている。
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地球温暖化(ちきゅう おんだんか, global warming[1]) の主な原因は、石油などの化石燃料(かせき ねんりょう)の大量使用によって、排気にふくまれる二酸化炭素(にさんかたんそ)により、空気中の二酸化炭素が増加したためと考えられている。 日本列島は環太平洋造山帯(かんたいへいよう ぞうざんたい、英:Ring of Fire)に属しているため、地震と火山が多い。 地震は、地下の岩盤が壊れて生じる断層(だんそう)によって起きる。このため、断層が多い場所で、地震が多い場所は、今後も断層が生じると考えられており、そのため今後も地震が起きると考えられている。地震が起こりうると考えられる断層地帯のことを、活動中の断層という意味で、活断層(かつだんそう)という。 大地震では、家屋の倒壊などの地震の直接の被害のほかにも、地震によって生じた土砂崩れや、地盤の液状化現象など、2次的な災害も起こりうる。 地震の震源(しんげん)が海の下や海の近くの場合では、津波(つなみ、英:tsunami)が起きることもある。なお、断層は海底でも生じる。 2011年に起きた東北の太平洋沖の地震(東日本大震災)では、津波によって大きな被害が出た。東北の海岸には防潮堤があったが、津波の大きさは、防潮堤を乗り越え、そして防潮堤をこわすほどの波の大きさだった。 火山の噴火では、溶岩や火山灰が吹き出す。 1991年に噴火した雲仙岳では、くだけた火山物質が高温のまま、早いスピードで山を下る 火砕流(かさいりゅう、英:pyroclastic flow) によって、多くの被害が出た。 森林地帯の樹木などの植物は、雨の際に水を吸収し、水をためておく働きがあります。 洪水の原因の一つには、道路や住宅地などのために森林伐採をしすぎたという面もあります。 このため、山林の森林を伐採しすぎると、その山で土砂くずれが起きやすくなります。 都市では、地下通路など地下の施設(しせつ)が多いですが、その地下施設に水が流れ込むこともあります。特に都市では、地面もアスファルトが多く、水が地面にしみこまないので、地下施設に水が流れ込みやすい面もあります。
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Main Page > 小学校・中学校・高等学校の学習 > 中学校の学習 > 中学校英語 > 中学校英語/1年 中学校英語/1年では、学年の英語について教授します。単語及び文法も必要に合わせて一緒にお読みください。 英語であつかう文字のアルファベットには、大文字(おおもじ) と 小文字(こもじ)があり、それぞれ26字ずつあります。ひとつの大文字に、ひとつの小文字が対応し、対応する文字どうしは同じ呼び方で呼ばれます。例えば、A と a という文字は同じ/ei/(エイ)という呼び方です。 それぞれの文字は固有の音を持っているが、その対応は簡単ではなく1つの文字が複数の読みを持つこともあるし、 異なった文字が同じ音を持つこともあります。前者の例では、 a については読み方がすくなくとも4通り存在します。 ※ アイ I の大文字を書くときは、上下の横棒をしっかりと書いてください。市販の書籍では、印刷の都合で横棒が見えづらい場合がありますが、しかし、横棒を書くべきです。書かないと、エルの小文字 l と誤解されかねません。 「ヘボン式ローマ字」は、小学校の時習った訓令式のローマ字とは違いますが、よく使われるのでおぼえておきましょう。 ヘボン式ローマ字表 ヘボン式ローマ字の決まり 1.訓令式のローマ字 (小学校で習ったローマ字)と表記が違うものがある。(表中の太字にしてあるところ) し:shi  ち:chi  つ:tsu  ふ:fu  じ:ji  ぢ:di づ:zu しゃ:sha  しゅ:shu しょ:sho ちゃ:cha ちゅ:chu  ちょ:cho じゃ:ja じゅ:ju じょ:jo  「si」「ti」などはヘボン式ローマ字では使いません。 2.のばす音は、「a,i,u,e,o」の上に「^」や「-」をつけて表しますが、省略することが多いです。 例 公園:kôen  ラーメン:ramen 3.小さい「っ」はふつう前の文字を重ねて表します。ただし、「ch」の前では「t」で表します。 例 納豆:natto  抹茶(まっちゃ):matcha 4.ふつう「ん」は「n」で表しますが、「m,b,p」の前では「m」で表します。 例 サンマ:samma(「さっま」とも読めてしまいますが、気にしなくてかまいません。)進歩:shimpo 5.「n」の後に「a,i,u,e,o,y」がくるときは、「^」や「-」をつけます。 例 店員:ten'in  「tenin」だと、「てにん」に なってしまう。 本屋:hon'ya  「honya」だと、「ほにゃ」に なってしまう。 6.地名や名前の最初の文字は、大文字にします。 東京(とうきょう):Tokyo 山田太郎:Yamada Tarô または Tarô Yamada 7.「おお」「おう」を「oh」と表すことがあります。 例 大阪(おおさか):Ohsaka 次の a から z までの単語(たんご)を、書いて、練習しよう。 文字を組み合わせることで、ある単語(たんご)を作ることができ、文中では、つねに単語が単位となって、文字があらわれます。単語は、それぞれ固有の意味を持ち、それらを組み合わせることで、文が作られます。そのため、それぞれの単語の意味を覚えることが、言語を修得する上では、重要になります。 各々の単語の発音は、ふつうはアルファベットごとの音を組み合わせて得られるが、特に、複数の音を持つ語では、その字に対して、どの音が用いられるかを、単語ごとに記憶しなくてはなりません。 また、英単語は、それぞれ強く読まれる部分があり、アクセントといいます。 例えば、 apple では、 第一音節 ap- にアクセントがつきます。アクセントがつく文字は、ほとんどの場合は、ア・イ・ウ・エ・オといった母音(ぼいん)の場合が多いです。ここでは、 の中では母音字は a, e の2つであるが、 e はこの単語では読まれないことから、アクセントがつく文字は a しかない事が分かります。 文中でも英語には、独得の発音法があります。例えば について考えます。この文は、 という意味だが、この状況では、この文は、すでに目の前に何かがあることが分かっており、それがペンだということを示す文です。 このとき、文中で重要な単語は だけであるので、その部分が特に強調されて読まれます。このとき、強調というのは 大声で読むというより、pの発声の前に、一瞬、口の中に空気をためて、それを吹き出すようにするとよいです。このような強調のため、じっさいの発音を聞くと、 のように聞こえるものと思われます。ここで最初のディはthis中のth音が 次のi音とつなげて読まれたものであり、次のシはthis中のs音が次のis中のi音と つながって読まれたものであり、ザは、is中のsと次のa音がつなげて読まれたものであります。 さきほどの の文章のように、英語では、単語と単語のあいだは、少し空ける。 なお文末の「.」はピリオドといい、日本語の「。」と似たような働きをしている。 英語では、自分のことを言う時は、すべて「I」(アイ)です。 日本語では、自分のことを「わたし」「ぼく」「おいら」「あたい」「わし」とか色々と自分のことを表す表現がありますが、しかし、英語には、そういうのは無く、「自分は/が」はすべて「I」(アイ)です。また、この「I」は、必ず大文字です。 相手のことをいうときも同様に、英語では、「あなたは/が」はて「you」(ユー)です。 日本語では、「あなた」「きみ」とか相手のことを表す色々な表現がありますが、しかし英語では相手のことを表す表現はすべて「you」または「You」です。 文章中で、文の最初に置かれる文字は、必ず大文字になります。例えば、 では最初の文字である H が大文字になっています。 また、通常の文では、文の最後には という記号がつきます。 この「.」記号のことをピリオドといいます。つまり、ふつうの文の終わりには、ピリオドがつきます。 この記号は、日本語の (句点)に対応する記号です。 たとえば、 なら、ピリオドのある場所は、Helloの後ろにピリオドがひとつ、I am Tom のうしろにピリオドが1つ、years old のうしろにピリオドが1つあります。 この文(Hello. I am Tom. I'm twelve years old.)で、合計3つのピリオドがあります。 疑問文(しつもんぶん)の場合ではこの記号は (クエスチョンマーク)で終わります。疑問文については後により詳しく学びます。 例文に とありますが、この I am 〜 は日本語で「私は~です」を表す重要な表現なので覚えてください。また、2行目の の You are〜 は日本語で「あなたは ~ です」になります。 そこで日本語で「○○は △△です」という形になる文章をあげていきます。 それぞれの am,are,is などを「be動詞」(ビーどうし)といいます。 be動詞のある文章の語順は、< 主語 + be動詞 + 〜.> の順が、質問ではない文章のときの、基本的な順序です。 疑問・質問の場合、たとえば とありますが、この場合、You are from Tokyo. (ユー アー フロム トーキョー. 、あなたは東京出身です)という文を基準に考えると、you と are の位置が入れ替わっていますが起きた状態です。 このように、疑問文では、主語とbe動詞が、入れ替わります。 be動詞をつかった文の疑問文は、<be動詞 + 主語 〜?> の形になります。 また、’’’人名・地名・国名・曜日・月などの固有名詞と、I は、かならず最初の一文字が大文字になります。’’’ また、疑問文には、一応、決まった答え方があります。 例えば、 という問に対しては聞かれているのが話し手自身のことであることから、 肯定の場合には と答え、いっぽう、否定の場合には と答えます。 a とは、ひとつのなにか、を指し示すときに使います。そして、そのひとつの物の前に、a を置きます。 つまり、この例文では、ペンが1つ、ということが分かります。 エンピツ(pencil)が1本なら、 となります。 また、a の位置は、かならず、その1つの物の直前に来ます。つまり、< a + 名詞の単数形>の順序になっています。 ただし1つのリンゴ(apple)の場合、an apple (アン アップル)となります。an は「アン」と読みます。つまり、 となります。 タマゴ egg の場合も、 となります apple(アップル)やegg(エッグ)は、発音のさいしょが「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」のうちのどれかです。 その場合、1つのものなら、 an になります。 つまり、1つのオレンジ(orange)なら、 となります。 anの位置も、その1つの物の直前に、来ます。 つまり、母音で始まる名詞について、「ひとつの〜」といいたいときは と、なります。 もし、ノート(notebook ノウトブーック) や机(desk デェスク)やイス(chair チェーアァ)が1つなら、 それぞれ、 となります。 なお、私( I )が一人でも、 a は、つけません。相手(you)が一人でも、a は、つけません。これ(this)、あれ(that) が一つでも、a は、つけません。 play が動詞である。 なお、tennis (テニス)は数えられないので、 a をつけない。 文法 英語の動詞でbe動詞でない動詞のことを一般動詞(いっぱんどうし)と呼びます。例えば、 などが一般動詞です。 ほとんどの動詞は、一般動詞です。 一般動詞を用いる文でも、語の順序は be動詞 を用いる場合と変わりません。前から順に、<主語 + 述語>の順で単語を並べます。 上の文では の中ではIが主語であり、動詞は like です。 のように、人にものを尋ねるときの文章を疑問文(ぎもんぶん)と呼びます。 疑問文の語順は、動詞が一般動詞である場合と、be動詞である場合とで、語順が異なっています。 いっぽう、be動詞を用いた文の疑問文を作る場合には、まず、be動詞を文頭に持って来て、それ以外の単語を平叙文の場合と同じ仕方で並べます。 つまり、 の順です。 たとえば上の文である なら、これは、平叙文の が、疑問文になるために are が文頭に動かされた結果です。 また、一般に、疑問文の発音では、文章の最後をあげる音調をつけます。 疑問文に対する答え方には、一応、決まったものがあります。 というものです。 ここで「yes」は「はい」という意味の言葉です 「No」は「いいえ」という意味の言葉です。 「yes」とか、なにかについて、そのとおりだと主張することを肯定(こうてい)といいます。 いっぽう、「No」とか、「I'm not」とか、なにかを「ちがう」と主張することを、否定(ひてい)といいます。 なお、Yes/Noの返事をするときは、「Yes I am.」の「am」や、 「No I'm not.」「not」とかの音を、やや、のばします。 「I am」 は、ふつうだったら、I am Tom 「アイ アム トム」のように、「アイ アム」と発音しますが、 Yesの返事では、「イエス アイ アァム」のように、やや、のばすわけです。 同様に、 「I'm not」は、I'm not Tom. なら「アイム ノット トム」ですが、しかし No の返事では、「ノー、アイ ドーント」のように、やや、のばすわけです。 のように、一般動詞の疑問文をいう場合は、動詞 を文頭に持って来て、それ以外の語は通常の文と同じ順番で並べます。 つまり、 の順です。 ただし、英語の文には2つの動詞が出て来てはいけないという原則から、 上の do は補助動詞(ほじょ どうし)と呼ばれます。 (※ 「補助動詞」の名前は覚えなくて良い。) また、do自体には動詞としての意味もあるので(「する」「おこなう」という意味が動詞doにある)、どちらの使い方であるかを見分ける 必要があります。 とりあえず、一般動詞での疑問文では、「はい、そうです」という意味の返事の場合には と答えます。 いっぽう、「いいえ、ちがいます」という意味の返事の場合には と答えます。 Yes/Noの返事をする場合、文中の「do」(ドゥー)や「don't」(ドント)は、やや長めにのばします。 通常の会話中では、2度出て来た語で、既に話し手と聞き手の両方が 何の語であるかを知っているときには動詞は で代用されることが多いことから、一般動詞がdoで代用されたのです。 ここで、これらの文章であらわれる主語と述語については会話中での対応する 語と対応させる必要があります。 私は毎週末に寿司(すし)を食べます。それは、とてもおいしいです。すしは日本の伝統的な食べ物です。あなたは醤油(しょうゆ)を知っていますか。それは、ソイソースです。 ※ delicious の単語は、1年生の範囲を越えてるので、delicious を覚えるのは後回しでよい。 2個以上のリンゴは apples となるように、複数では名詞のうしろに s がつきます。 複数形には、不規則な変化をする名詞もあるので、あとの節で、もっと詳しく説明します。 は、 の意味を否定したものです。 主語がある動詞によって表わされる動作をしないことを表わす文を否定文(ひていぶん)と呼ぶ。 一般動詞の文でも否定文を作れるし、be動詞の文でも否定文を作ることができます。 一般動詞の文に対しては、否定文は、通常の文の語順を保ったまま、動詞の前に を付け加えることで作られます。 ここで、 not は否定(ひてい)の意味を表わす副詞であり、do は動詞の意味を持たないため、補助動詞です。 ここで、 という単語は do not を省略したものであり、このように省略された語句を省略形(しょうりゃくけい)という。 don'tなどの「 ' 」という記号は、 アポストロフィ といいます。省略形では、一般にその発音は 元の語の発音と比べて変化する。 いっぽう、be動詞の場合には、上の方法とは異なっており、通常の文の並びを保ったまま、 be動詞のうしろに not だけを用いることで否定文を作ることができる。 例えば、 (発音:アイアムア・ドクター) を否定する文は (私は医者でありません。)(発音:アイアム・ノット・ア・ドクター)となる。 is,are に対しては、 などが省略形として存在する。 am not に対する省略形は存在しない。 聞き手に対して何かを命令するような文を命令文(めいれいぶん)と呼ぶ。 命令文を用いるときには聞き手は目の前の相手に 決まっているので文の主語は省略される。そのため、例えば平叙文が だったときには、 が、命令文となる。 ただし、このような命令形そのままの表現は、上司などの目上(めうえ)の人に対しては、失礼になる。 もし、目上の人にむかって、おねがいをしたい場合は、つぎの節で述べる「Please」(プリーズ)を使う必要がある。 また、「〜してください」の意味で、ていねいに頼みごとをするときには Please(プリーズ) を最初につける。 目上の人に頼みごとやお願いごとをしたい場合には、Please (プリーズ)という表現を、さいしょに加えると良い。Pleaseは「〜してください。」という意味である。 のように、さいしょに Please をつけると、ていねいな言いまわしになる。 Pleaseをつける位置は、その文の始めである。 もし、日本語のように、文のうしろに please をつけてしまうと、聞き手が途中までしか聞いてない時点では、命令口調だと勘違い(かんちがい)される場合がある。しかし、後ろに please をつけても、けっして間違いではない。うしろに please をつける場合、 のように、カンマを入れる。 検定教科書でも、文のうしろに please をつけた英文もある。 とはいえ、きみたち中学生のような子供・若者は、あまり後ろに please をつけないほうが、安全である。目下のものが目上の人物に頼み事をするときは、文章のさいしょに please をつけるのが、安全である。 いっぽう、たとえば教師が生徒にむかって頼み事をするときとか、親が子供にむかって頼み事をするときとか、そのような目下に人にむかって、ていねいに頼むときには、もしかしたら文章のうしろに please をつけるかもしれない。 命令文の否定形も存在するが、この場合は動作を禁止する意味となる。 命令文の否定は don't を動詞の直前につけることで作られる。例えば、 の命令文の否定は となる。 否定のお願いをする場合は、pleaseを使って という使われ方をすることがある。 I「私」やmy マイ「私の」や、me ミー 「私に」のように、話し手との関係を表わす語を 人称(にんしょう) と呼ぶ。 I「私」のように、話し手自身のことを1人称(いちにんしょう)という。 you 「あなた」などの聞き手のことを2人称(ににんしょう)という。 それ以外の「かれ」「かのじょ」「何か」などのことを3人称(さんにんしょう)という。 ここで、「わたしたち」のように、自分と誰か他の人を合わせた場合は We(ウィー) という1人称となる。 「あなたたち」などのように、聞き手と1人称以外の誰かを合わせたものが主語となる場合は、 you(ユー) という2人称である。 英語では、それぞれの人称を表わす語が存在するため、それら人称を記憶する必要がある。 また、それらの語は、主語が単数か複数かによって、その人称を表わす語が変化する。 ここではそれらを など、「○人称△数」と呼んで区別する。 それぞれに対応する語は主語としてあらわれる形では となる。 3人称単数の it は、例えば道具や機械などの人工物や、天気など、人間とは異なったものにたいする代名詞として使われる。しかし、この使いわけは情况にもよる。例えば、動物はitで表わす場合が多いが、ある人のペットでありその性別(オス/メス)が知られている場合などでは he や she で表わされることも多い。特殊な例では何か思入れの あるものを指して he や she で物体を表わすこともある。しかし、物体の場合には、ふつうはitでうけることが多い。 ここで、特に3人称単数をつかって一般動詞を用いた文を作るときには、一般動詞の語尾に s をつける。これは俗に(ぞくに)「三単現の s」(さんたんげんのエス) と呼ばれる。 例えば、上の例では が対応する例である。 これらの動詞につける語尾は、通常はsをつければよい。しかし、 wash(ウォッシュ、洗う)など、動詞の最後の音によっては、それでは発音しにくくなってしまうため、語尾が変化することがある。 一般には最後の文字が などで終わる単語にsをつけるときにはsがesに変化する。 例えば などが、あげられる。 さらに、最後の音が子音+yで与えられる場合には、その部分は子音+iesに変化する。例えば、 などがその例である。一方、母音+yの場合にはこの様な変化はせず、単に s をつければよい。例えば、 などがその例である。 ここで、特に動詞 do については、 s をつけたときの変化形は となる。ただし、この do については、この語が補助動詞として使われた場合にも、3単現のsによって変化する。そのため3人称単数が主語となる一般動詞の疑問文では、 のように、補助動詞の do が does に変化する。この時、残った動詞の側には、s はつけない。 次に、「私の」「あなたの」のように、あるものの所有者を表わす表現について述べる。 「私のペン」「私のカバン」など、英語で言いたい場合、代名詞のIではなく my という所有格(しょゆうかく)に変化して、 my pen とか my bag になる。 「あなたのペン」なら your pen になる。あなたのカバンなら、 your bag になる。 いっぽう、I や you などは主格(しゅかく)という。 それぞれの人称と単数複数に応じて所有格が存在する。ここでまとめると となる。 所有格は文章にあらわれるときは、 a や the のような冠詞(かんし)のようなものとして用いられる。冠詞は、ふつうは、1つの名詞に対して、1つしか用いることができないため、 所有を表わす語がついた語には a や an をつけることは出来なません。 例文 では friend の前に your がついているため、けっして や などのような表現をすることは、出来ません。 また、 your がついても、 be動詞は、主語 Tom に対応する is のままです。 けっして、be動詞に are とか、書いてはいけません。 同様に なら、 be動詞は、主語 Tom に対応する is のままです。 けっして、be動詞に am とか、書いてはいけません。 「~している」のように、現在のことでも今まさに目の前で起こっていることを記述する文を現在進行形(げんざい しんこうけい)と呼ぶ。 もし、cookを「現在進行形にせよ」と出題されたなら、 とすればよい。 このように、ある動詞の現在進行形の述語には、 が用いられる。 なお「ing形」の読みは、「アイエヌジーけい」などと読むのが普通である。 上の例では が現在進行形にあたる。これは、ある動作が、ちょうど目の前で行なわれていることを表わす文章である。日本語訳では、動詞に「〜している」などの語尾をつけて訳す。 ここでは単に、「読む」ではなく「読んでいる」となる。 疑問文や否定文の作り方は、現在進行形を用いた文の動詞は be動詞 となるため、単にbe動詞の場合の規則に従えばよい。たとえば、 のように、be動詞を冒頭に持って来て、あとは、そのまま文章を並べて、「?」を最後につければよい。 英語では、単数の名詞と、複数の名詞では、形が変わる。 例えば、 などである。 books、dogs、pencils などの形を複数形(ふくすうけい)と呼ぶ。複数形の名詞を作るときには、ふつうは名詞の語尾に s をつければよい。 ただし、 dish: dishes など、sh,ch,s などの語尾を持つ語については、複数形は -es をつけることになる。 他にも歴史的事情などにより複数形の作り方が、けっして単にsをつけるだけでない名詞も存在する。例えば、複数形と単数形が同じ形である語の例として が存在する。 また、水 water (ウォーター) などの物質や、しあわせ happy などの感情のように、数を数えることが出来ない名詞も存在する。 この様な名詞は「不可算名詞」(ふかさんめいし)と呼ばれ、これらの名詞の複数形は存在しない。 to (トゥー) は、方向について「〜に」「〜へ」の意味があります。 ボブはカナダ出身です。 の、 from(フロム) も前置詞です。 from には、物事の起点などを表す意味があります。from は、起点について、「〜から」という意味です。 例文 on(オン) も前置詞です。「~の上に」という意味でよく使われますが、接していればなんでも使えます。 例文 となっている。 曜日は、それぞれ単語の最初の文字を、かならず大文字にしなければならない。 一般に、人の名前やものの名前など、固有名詞(こゆうめいし)では、かならず単語の最初の文字は、大文字になる。 ちなみに、「週」は英語で「week」(ウィーク)である。「week」という単語は、べつに固有名詞ではない。 次に、月を表わす方法を述べる。日本語ではそれぞれの月は単に 1月,2月,3月, ... と名前をつけていったが、英語ではそれぞれの月に 固有の名前がついている。対応する名前を書き並べると、 となる。 ここでも、単語の最初の文字は、かならず大文字にする必要がある。ある月に何かが あることを示すとき、前置詞 in (イン)を用いる。例えば、 などが用いられる。 なお、「季節」は英語で 「season」(シーズン)と言います。複数形は「seasons」(シーズンズ)です。 つぎに、英語での数の数え方について述べる。 小さい方から順に並べていくと、 などとなる。例えば、432は と読む。 <参考>外国の子供向けの動画だが、数字についてまとめられている。The Big Numbers Song また、英語の数には上で見たような通常の数の他に、1番目・2番目などのような、順序・順番を表わす数がある。この時、通常の数を基数(きすう)と呼び、いっぽう順序を表わす数(1番目、2番目、・・・)を序数(じょすう)と呼ぶ。 序数の多くは基数と似た形を持つがいくつかの序数は基数と大きく違った形を持つため、ここで紹介する。 のようになる。見て分かる通り、ほとんどの場合には単に基数の表式に-th をつけることで正しい表式が得られる。ただし、1,2,3は例外である。 また、5,8,9では単に-thをつけるのにとどまらず、5 では同化による無声化とそれによるつづり字の変化、8 は同化と正書法上の子音字の削除、9 は子音字 th によって代替された機能的 e の削除、が行われる。 日常では、つぎのように、略記される場合も多い。 入試や学校のテストでは、略記しない表記(first や second など)が出題されるだろう。 より大きい数でもほとんどの場合は単に-thをつければよい。ただし、 のように最後がyで終わるような単語では単にthをつけるのではなく名詞の複数や動詞の直説法第三人称単数形と同様 yをieに変えてthとする。この場合には 50th: fiftieth となる。 21、22、23、31、32、33・・・などの1の位がone,two,threeであるものは後ろにthをつけることをせず、 1の位のone→first,two→second,three→thirdと変更する。 ある月のうちでその月の何日かを表わすときには基数ではなく序数を使う。 これは、ある月のうちで何番目の日を表わす数であることからこれが用いられる。 1月1日は、英語で書くと「January 1st」または「January 1」と書き、読みは「ジャーヌアリー ファースト」と読みます。 同様に、1月2日なら、「January 2nd」または「January 2」と書き、「ジャーヌアリー セカンド」と読みます。 同様に1月3日は「January 3rd」または「January 3」と書き、「ジャーヌアリー サード」と読みます。 同様に1月4日は「January 4th」または「January 4」と書き、「ジャーヌアリー フォース」と読みます。 同様に、2月8日は「February 8th」または「February 8」と書き、「フェーブラリー エイトス」と読みます。 なお、「月日」の「月」は英語で「month」(マンス)と言います。 「日付」(ひづけ)は英語で「date」(デイト)と言います。 ある曜日に対して、その日に何かがあることを示すには、前置詞として on を用いる。上の文では、 の が対応する表現である。 動詞の前に can (キャン)をつけると、「〜できる」の意味になる。 「ボブがテニスをする」は「Bob plays tennis.」のように動詞にsがつくが、canがつくと例文(Bob can play tennis.)のように三単現の s が無くなる。 wellは「上手(じょうず)に」の意味。 疑問文は、 とか のようになる。 Canで聞かれた疑問への返事 なお、can のような、動詞の前について、その動詞を修飾して、動詞が原形になる品詞を、英文法では助動詞(じょどうし)という。 また、canを使わずに、似たような意味の言葉で、 be good at というのがある。 のようにつかう。 なお、「彼は上手なテニスプレイヤーです。」 などというような表現方法もある。 「私は英語がちょっとだけ話せます。」のように「少しだけ〜できる」という表現には、 a little (ア リトル)をつかう。 もし「Can you speak English?」 (キャンユー スピーク イングリッシュ?) (あなたは英語が話せますか?)と質問されて、 「はい、少しだけ(英語を話せます。)」と答えたいなら、 で通じる。 ちょっとした、お願い事をするとき、「Please ○○」のかわりに、 という表現も使えます。 「 Can you help me? 」は、教科書にもよくある表現なので、そのまま覚えよう。 さて、I, my, me, mine の活用変化を覚えるには、書くだけでなく、発音するのが良い。 つまり、声を出して「アイ・マイ・ミー・マイン」「ユー・ユア・ユー・ユアーズ」「ヒー・ヒズ・ヒム・ヒズ」「シー・ハー・ハー・ハーズ」「イット・イッツ・イット」「ウィー・アワー・アス・アワーズ」「ユー・ユア・ユー・ユアーズ」「ゼイ・ゼア・ゼム・ゼアーズ」と、何度か唱えるのがよい。 もちろん、書く練習のほうが、もっと必要である。 < be動詞 + 動詞のing形>で、「〜している」になる。また、このような形の語句や文章を現在進行形(げんざい しんこうけい)という。 たとえば、playing , stugying は、どれも現在進行形である。 疑問文 「 What are you doing?」は教科書で、よくある表現なので、そのまま覚えてしまおう。 「 What are you doing?」 の返事は、たとえば、 とか、 とか、色々とあります。 playing のように、原形の語尾が y なら、現在進行形では、そのまま ing をつけるのが、現在進行形の語形の変化規則である。 doing(doの進行形) や going (goの進行形)のように、語尾が o で終わる場合にも、そのまま ing をつけるのが、規則。 「いつ、〜をする」など時間について質問をしたい場合には、さいしょに When (フェーン)をつけて、疑問文でたずねればいい。 会話例 例文 ※ 「When is your birthday? 」は誕生日をたずねる慣用表現になってるので、そのまま覚えてしまおう。 「どこで、〜をする」など、場所を質問したい場合には、さいしょに Where (フェアー)をつけて、疑問文でたずねればいい。 会話例 ※ 「Where do you live?」は住所をたずねる慣用表現になってるので、そのまま覚えてしまおう。 ※ 文末の live は、ふつうは「リブ」と短く発音しますが、この慣用表現の場合、疑問文での語末の音調をあげるのに引きづられ、やや長めに「リーブ」と伸ばします。 ※ 「Where are you from?」は出身をたずねる慣用表現になってるので、そのまま覚えてしまおう。 動詞の後ろに ed をつけることで、多くの動詞では、過去を表せる。では、例文を見ていこう。 例文 このように、動詞の後ろに ed をつけることで、多くの動詞では、過去を表せる。また、動詞の「〜ed」のような、過去をあらわす形のことを過去形(かこけい)という。 動詞の過去形の例 studyのように、yで終わる単語は、語尾がiedになる場合が多い。 しかし、いくつかの動詞には例外があり、不規則な変化をする。 なお、 のように、語尾が y であっても、そのまま ed をつける単語もある。 Be動詞の過去形は、つまり、 や のようになる。 また、didの疑問文は のようになる。 疑問文のさい、過去形になる動詞は冒頭の Do → Did だけであり、 play は原形に戻る。 過去についての疑問に対する回答は、 あるいは のようになる。 ほかにも、go などの基本的な動詞でも、不規則な変化をする場合もある。 例文 なお、疑問文では、 のように、Didだけが過去形。wentは原形のgoにもどる。 このように、不規則動詞でも、Did以外の動詞は、原形にもどる。 などがある。 「今朝、テニスをプレイしました。」と英語でいいたい場合、日本語とはちがって、 のように、現在形になる場合があります。 「今朝」について言う場合、現在形か過去形かが、あまりハッキリしません。そのため、検定教科書の例文を見ても、過去形をおしえる単元では this morning は、用いていません。 2人以上の兄弟 brothers (ブラザーズ) 2人以上の姉妹 sisters (シスターズ) 固体でないため、数えられない。 ただし、「コップに入った水」「グラスに入った水」などは、 のように、数えられる。 固体ではあるが、きめ細かく、数えられない。 スポーツ名は抽象的なもののため、数えられない。 教科も、抽象的なので、数えられない。 「私は、しあわせです。」は、英語で となります。 私の状態をあらわす happy の前に、 a は、つきません。「happy」(ハッピー)とは「しあわせである」という状態を表す言葉です。 このように、何かの状態をあらわす単語を形容詞(けいようし)といいます。 たとえば、 happy は形容詞です。 ですが、「ボブは大きなイヌを、飼っている。」のように、 のように、名詞(この場合 dog )がある場合は、形容詞の前にa または an などが、つきます。 このように、形容詞は、名詞の前につけることもでき、その名詞の状態や性質などを表すこともできます。つまり、英語の形容詞は、名詞を修飾(しゅうしょく)できます。 「私は、かなしいです。」は英語で、 となります。 「sad」(サッド)とは、かなしい状態をあらわす言葉です。 「ボブは、背が高い。」は英語で、 となります。「tall」とは、身長が高かったり、建物が高かったり、そういう状態を表します。 「彼は、背が高い」は英語で、 です。このように、たとえ代名詞を使っても、語順は、かわりません。 となります。 形容詞には、たとえば、つぎのような単語があります。 old は、年齢をいうときにも、 のように、使います。 さまざまな例文 なお、「bar」 とは「棒」のこと。 赤 red、青 blue など、色も形容詞です。 例文 ほかの色も、ふつうの色なら、形容詞です。たとえば、 緑 green(グリーン), 黄色 yellow (イエロー)、白 white (ホワイト)、黒 black (ブラック)、茶色 brown (ブラウン)、灰色 gray (グレイ)、 これらすべて形容詞です。 「私は、しあわせではない。」は、英語で となります。 このように、be動詞をつかった文なら、be動詞のうしろに not をつけるだけで、反対の意味になります。 いっぽう、「ボブは大きなイヌを、飼っている。」の否定、つまり「ボブは、大きなイヌを、飼っていない」なら、 のように、なります。 つまり、形容詞のある文章の否定は、ふつうの文章の否定と同じように、<be動詞 + not + 〜>または<do(does) not + 〜>で、否定の意味になります。 例 なら、「私は、かなしくない。」です。 なら、「ボブは、背が高くない。」です。 例文 さまざまな例文 very がつくと、「とても」「すごく」の意味になります。 たとえば、 「私はとても、しあわせです。」は英語で、 となります。 very のつく位置は、かならず、形容詞の直前です。 例文 ちなみに、年齢を相手に尋ねる場合は、 で、たずねられます。 How old are you? は、英語教科書で、よくある表現なので、このまま覚えましょう。 また、この How old のように、<How + 形容詞 + 〜?>で、ものごとの程度を、たずねることができます。 たとえば、長さを尋ねたい場合、「それは、どのくらい、長いのですか?」を英語でいうなら、 と、なります。 なお、How short 〜(×)とは、いいません。 How many (ハウ メニー)で、数について「いくつ?」かをたずねられます。 たとえば「リンゴを、いくつ、あなたは持っていますか?」は、 となります。 答えは、たとえば、2個のリンゴを持ってれば、 とかになります。 ひとつもリンゴを持ってなければ、 とか、あるいは とかになります。 How many apples の語尾sのように、複数形になることに、注意してください。no apples の語尾のsも、忘れないように。 つまり、 の形になります。 「これは便利です」は英語で、 です。「useful」は「便利な」「便利である」という意味です。 useful (ユースフル)は、単語 use (ユース)(※ 「使うこと」の意味で、動詞のuseとは少し発音が違う)のうしろに ful がついています。 useful のように、ほかの単語のうしろに ful などの語尾がついて、形容詞などになる場合もあります。 「 私のカバンは、便利です」は英語で、 になります。 「その絵は、うつくしい」は英語で、 です。 beautiful (ビューティフル)とは、「美しい」という意味です。 なお、美人のことを英語で beauty (ビューティー)といいます。 「その絵は、すごく、うつくしい」は英語で、 です。 否定型を書くなら、be動詞の否定形ですから になります。 疑問形を書くなら、 です。 「この本(ほん)は、おもしろい」は英語で、 です。 「interesting」とは、何かの物体や出来事などが「興味深い」「おもしろい」という状態です。 interesting のように、形容詞の語尾に、 ing がつく単語も、英語にはあります。 He has a interestng book. なら、「彼はおもしろい本を、持っている。」の意味です。 「これは、興味深い」「これは、おもしろい」は英語で、 です。 「あれは、おもしろい」は英語で、 あるいは です。 「That's」とは、「That is 」の省略です。 と省略せずにいっても、かまいません。 「それは、おもしろい」「それは興味深い」は英語で、 です。省略せずに といっても、かまいません。 会話などでは、前後の文脈から、「It」「That」とかが無くても「Interesting」だけで内容が分かる場合があるので、単に のように、主語やbe動詞を省略する場合もあります。 「この本(ほん)は、とても、おもしろい」は英語で、 です。 「あの本は、とても、おもしろい」は、英語で、 となります。 このように、 very の位置は、形容詞の直前です。 「とても美しい」は very beautiful です。「とても、おもしろい」は very interesuting です。 たとえ、形容詞の語尾に、 ful がつこうが、ing がつこうが、 very の位置は、かわりません。 たとえば、 なら、「それは、おもしろくはない」などの意味になります。「つまらない」かどうかは、この文だけでは、分かりません。 He doesn't have a interestng book. なら、「彼は、おもしろい本は、持っていない。」の意味です。 このように、形容詞の語尾にingがついていようが、否定形をかくときは、ふつうの否定文と同様の規則、つまり<be動詞 + not>または<do(does)+ not + 動詞の原形>のパターンになります。 いっぽう、interesting をつかった疑問文をかくなら、たとえば などのように、ふつうの疑問文と同様の規則です。 「イチロー(Ichiro)とジロー(Jiro)は兄弟です」は、英語で、 となります。 主語の Ichiro と Jiro は、あわせて二人なので、あわせると複数ですから、Be 動詞が are になることに注意してください。 また、brothers というふうに、述語ぶぶんの名詞は、複数形になります。 つまり、「彼らは兄弟です」の での are と同様に、「Ichiro and Jiro are 〜」というふうに be 動詞が are になっています。 先生が と言ったら、 「聞いて、そのあと、(聞いたことと同じ言葉を)くりかえして、(言って)ください。」 という意味です。 生徒に、発音の練習をさせたいときに、よく、先生が「 Listen and repeat. (リッスン アンド リピート)」と使います。生徒は、先生の言った言葉を、そのまま、くりかえして、いいます。 「〜の中にある」などの表現は、in(イン)を使います。 たとえば、 となります。 「私は、中央町(ちゅうおうちょう)に住んでいます。」なら、英語で、 です。 <live in 〜>で、「〜に住んでいる」という意味になります。<live in 〜>は、住んでいる場所を示すさいによく使う熟語なので、そのまま覚えてしまいましょう。 「トムも、中央町に住んでいます」なら、英語、 のようになります。 主語が3人称なので動詞に三単現在の s がついて「lives」になっています。「〜も」の意味の too が、文末についています。 in の位置は、名詞の前だということに、かわりません。 「このカバンの中に、ノートがある」は英語で、 のように、なります。 「〜の近くになる」という表現には、near (ニア)を使います。 となります。 in とか near とかは、名詞などの前におくので、in や near などを前置詞(ぜんちし) といいます。 「家で」という表現には「at home」(アット ホーム)を使います。 at も前置詞です。 「学校に行く」という意味の「go to school」の、「to」(トゥー)も前置詞です。 to は、方向について、「〜へ」「〜に」という意味です。 「ボブは、シアトル(※ アメリカ合衆国の都市のひとつ)出身です」なら、英語で、 と、なります。 この from も前置詞です。「from 〜」は 、起点について「〜から」の意味です。 「トムは、ニューヨーク出身です」なら、英語で、 です。 「トムは、朝、6時に起きます」なら、 です。 時刻についての「〜に」は at を使います。 いっぽう、「朝に」「昼に」「晩に」などの「〜に」では in を使います。 「シアトルについて、教えてください」なら英語で、 です。 about に、「〜について」の意味があります。 「トムは、6時ごろに起きます。」なら、 です。 さきほどの「〜について」のaboutと、この「〜ごろ」のabout は同じ単語です。about には、「ほぼ、〜ごろ」「約〜ぐらい」のような意味も、あります。 たとえば、 「CDを、どのくらい持っていますか?」 と聞かれて、 もし「80枚ぐらい」と答えるなら、 と答えます。 のように答えても、いいです。 なお、「起きる」の意味の「get up」(ゲットアップ)や「wake up」(ウェイク アップ)の、「up」も前置詞です。 「stand up」の up も、同じ前置詞です。 「up」は、「上に」「上へ」などの、上の方向についての意味をあらわす前置詞です。 「すわる」の意味の「sit douwn」(シット ダウン)のdownも前置詞です。 「down」は、「下に」「下へ」などの、下の方向についての意味をあらわす前置詞です。 これら、「in」「to」「at」「from」「about」「down」「up」などを、前置詞(ぜんちし)といいます。
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Main Page > 小学校・中学校・高等学校の学習 > 中学校の学習 > 中学校英語 > 中学校英語/1年 > 中学校英語/1年/単語 中学校英語/1年/単語では、学年の英語について教授します。中学校英語/1年及び中学校英語/1年/文法も必要に合わせて一緒にお読みください。本ページでは熟語・連語も含みます。 黒板は、または、 ともいう。 ※ ちなみに黒板用のチョークは、英語でも chalk (チョーク)である。 アメリカからの転校生が、学校の校門に、やってきたとしましょう。 クラスの前までつれてきたとして、クラスを紹介する例文は 学外の市営や県営などの図書館も、英語で library という。つまり、英語では、図書室と図書館を区別しないのが普通。 ※ 「アメリカ」とはカナダやメキシコなどもふくむ、あのあたりの地域名だが、「America」でもアメリカ合衆国だと通じる場合も多い。 例文 例文 ちなみにマンガ本は、 dictionary を覚えるのは、1年生にはやや難しいだろうが、中学の範囲内なので、とりあえず練習しよう。 例文 hobby の意味は、実は単なる「趣味」ではない。hobby は、本業以外のもので、しかも技術を要する趣味に限定される(※出展: 桐原3000[1])。 そのため、実は「音楽鑑賞」や「読書」は、普通は hobby には含めない。 スポーツや園芸、切手収集、楽器演奏、絵画(を書くこと)、などが、hobby とされる(ジーニアス英和辞典[2]、桐原3000)。 もちろん、日本の学校教育では、中立的な立場という都合により、なにが技術を要する趣味かどうかなんかて言えないので、「読書」や「音楽鑑賞」などでも hobby としも、日本国内では、かまわないだろう。 ただし、米英では、読書や音楽鑑賞のようなものは、受け身の趣味とみなされ、pastime (パスタイム)と言われ、pastime とは「気晴らし」の意味である(ジーニアス英和の項目hobby、桐原3000の項目hobby)。 ずいぶんとヒドい言われ様だが、しかし米英人がそう見なしているので、日本人としては変えさせることもできない。 これはつまり、英語では、楽器を演奏することから、音楽を聞くことも一緒に趣味とする表現に当たる単語が、英語には存在しない、という事になる。スポーツの場合も同様で、スポーツ観戦からスポーツの競技者としての参加もふくめて一緒に趣味として表現する単語が、英語には存在しない。 高校英語や大学受験では、そこまでの深入りは要求されておらず、たとえば大学受験用の高校1年レベルの単語集「英単語ターゲット1200」でも、hobbyは単に「趣味」という意味だとされている。 例文 例文 listen to (リッスン トゥー) で「〜を聞く」という意味の熟語です。よく使う表現なので、覚えよう。 例文 例文 例文 ※ 「your」 で「あなたの」という意味。文脈から明らかだろうから、自然な訳になるように、例文の訳では「あなたの」を省略した。よく、授業中で先生が生徒に教科書を開かせるときに、「open your book page ○○」とかいって、教科書の○○ページ目を開けさせる。 例文 例文 例文 例文 さきほどの例文に対する答え ※ 持つの have と同じ単語。 例文 例文にたいする答え 例文 例文 ※ 「knee」は発音に注意。「ニー」である。「くにー」などと発音しないように。 からだ全体 例文 例文 Tom is a baseball fun. トムは野球ファンです。 「プレイすることがすきです」 スポーツ以外のことでも、練習には practice を使える。 ※ なお、ラケットは racket (ラケット)。覚えなくて良い。 例文 例文 「teach」(ティーチ)で「教える」という意味。語尾に「-er」(○○アーと読む)で「○○をする人」という意味の英語になる。「teach + er」で 「教える人」→「先生」というわけ。 例文 ※ English(イングリッシュ) の場合、前につくのは a でなく an (アン)になるので注意。単語のさいしょの発音が「ア・イ・ウ・エ・オ」のどれかの前では、a ではなく an になる。 ほかの教科の教師を紹介する場合は、 たとえば、数学の田中先生(男性)を紹介する場合、 のようになる。 単語について、ちなみに「制服」を英語でいうと uniform (ユニフォーム) である。 その他の例文 単語 ちなみに大学は ちなみに、お風呂は であり、bus とは、ちがう単語。 例文 ※ 注意事項など 「40」のfortyは つづり に注意。「14」fourteen に引きづられてか、つづりを間違える例がある。 「 ○○(数字) + yaers old 」で、「○○歳」の意味になる。 ※ 人名の最初の文字は、かならず大文字で書く。 呼びかけるときは、 Mr.Brown とか Ms.Brown のように、敬称をつけて使おう。 Mr.Green とか Ms.Green のように、敬称をつけて使おう。 最近、教科書で見かける人名 ※ 「キャロル」は女性の名前のひとつだが、しかし小説『不思議の国のアリス』の原作者の男性がペンネームで「ルイス・キャロル」というのを名乗っていたりと、ややこしい。しかも、このアリスの文中の一節も、英語教科書で紹介されることがあるので、これまた、ややこしい。 Mr.Hall とか Ms.Hall とか、Mrs.Hall などのように使う。 なお、「穴」(あな)を表す英単語は hole である。 日本語と日本人は、同じ Japanese という単語である。 ※ 「doctor」の、さいごの2文字は「or」である。「er」ではないので、間違えないように。 学校の中の保健室については、 ※ イギリスではpantsは下着を指す。 shoesは「shoe」(シュー)の複数形。単数形shoeだと、片足ぶんになってしまう。なので、ふつうに両足ぶんの場合、複数形 shoes のまま使う。 単数形 glass だと、片方の目のぶんだけになってしまう。なので、ふつうは、 glasses で使う。 例文 ここでの「簡単な」は、「難しい」の対義語としての「簡単な」のこと。easy は形容詞なので、「簡単」とだけ訳してはいけない。「簡単な」あるいは「簡単である」と訳すように。 だから辞書には「容易な」「(・・・するのが)やさしい」とも書いてある(ジーニアス英和[3] )。なお、訳語のひとつの「やさしい」の表記についてジーニアス英和辞典にもセンチュリー英和辞典にも平仮名で「やさしい」と書いてある[4][5]。 語尾が -eの ease (イース)だと、「容易さ」と訳せると、英和辞典にある(ジーニアス英和やセンチュリー英和など)。英和辞典では、「簡単さ」という言い回しは、現状ではあまり採用されていない。だが、国語辞典を見ると、「簡単さ」という単語もあるのが日本語では実情である(三省堂『新明解国語辞典 第八版』[6])。 ※ 難易のことではなく、構造や仕組みが「単純な」「簡単な」と言いたい場合は、別の単語(たとえば simple など)なので、誤解しないように。 だが実際には、simpleでも、難易における「簡単な」意味もある(ジーニアス英和辞典やセンチュリー英和で確認できる)。 ※ 動詞の未来形は1年の範囲外なので、tomorrow は1年では習わないかもしれないが、せっかくだから、いっしょに覚えよう。どうせ、2年生で、未来形をあつかう授業で tomorrow も習うだろうし。 ※ 家庭科の英語は、直訳すると、工業 (industrial) と家庭 (home) の経済学 (economics) 、となる。 ※ 7月「July」は、古代ローマの偉人のジュリアス・シーザーが名前の由来。なお、シーザーは英語風の発音。現地風の発音ではユリウス・カエサルになる。 ※ 「August」は、古代ローマの偉人のアウグスツスが名前の由来。 シーザー(カエサル)とアウグススツは、高校の世界史などで習う。 ※ 3月のMarch は、冒頭の大文字・小文字の違いをのぞけば、「行進」march (マーチ)と同じスペル。 会話例 ※ 「第一の」は、one (ワン)ではない 「私の○○」は「my ○○」(マイ ○○)というように、Iではなく、my (マイ)を使う。 たとえば、「私のペン」は「my pen」。 「彼の○○」は、「his(ヒズ)○○」。たとえば「彼のペン」は「his pen」。「彼女のペン」は「her pen」。 ちなみに、「あなたの○○」は「your(ユア) ○○」 このような my, your, his, her などの言葉の形を所有格(しょゆうかく)という。 いっぽう、I, you, he, she, they などを主格(しゅかく)という。 例文 例文 回答例 ※ 「up」(アップ) は「上へ」「上に」のような意味。「down」(ダウン)は「下へ」「下に」のような意味。 ※ wash a dishes は、教科書でよくある表現なので、そのまま覚えてしまおう。 おやつ おなかがすいたら、 例文 のように使う。 例文 Bob is strong. (ボブ イズ ストロング) ボブは強い。 語尾が ed で、動詞の過去形と同じだが、 tired は形容詞である。 例文 I'm tired. (アイム タイアード) わたしは、疲れています。 例文 ※ boxは、複数形が、boxs(×)ではなく、boxes なので、まちがえないように。 形容詞の暗記は、反対の意味どうしを組み合わせで覚えると、覚えやすい。 ※ tall は縦長で高いのものに使う。なので、ビルなどをtall で表してもよい[7]。木が高いのも tall tree で言える。 highは、「高い熱」high fever などにも使う。※ とはいえ、中学1年でここまで気にしなく良いだろう。 They are playing soccer in the park. (ゼイ アー プレイング サッカー イン ザ パーク) 彼らは公園でサッカーをしています。 なお、鉄道について カモノハシの複数形は platypuses なお、カモノハシは、ほ乳類。 テニスとかのコートのネットも、net と書く。 書けなくてもいいが、ドイツ語、スペイン語、中国語の「ありがとう」「こんにちは」に相当する言葉については、発音を知っておくとよい。 いちおう、検定教科書にも、書いてある(東京書籍の「ニューホライズン」という教科書にある)。 英語以外の外国語は、日本の高校入試には、ふつうは、出ない。 英語とドイツ語は、ドイツ語の Guten と 英語の good が対応しており,ドイツ語の tag とは 英語のday(デイ) が対応しており,ドイツ語の Danke には英語の Thank が対応してるなど、多くの単語が対応しあっている。 つまり、Guten Tag を日本語に直訳すると、「良い日」になる。 だが、ドイツ語の文法は、英語の文法とは大きく違うので、上記の対応は、おぼえなくてよい。 ※ なお、社会科の地理分野で、世界地理で、英語とドイツ語はともにゲルマン系の言語であることを習う。社会科のほうで、言語について、ゲルマン語系の設問が出題される可能性がある。 世界で、スペイン語を日常的に話す人口は、すごく多い。ある言語を話す人口の順位で、スペイン語は上位である。 なぜなら、南アメリカ大陸の多くの国で、スペイン語が公用語になっている。メキシコなど、アメリカ大陸中部の諸国でも、スペイン語が公用語として使われている。 スペイン本国よりも、南アメリカ大陸など本国以外のスペイン語人口の総人口のほうが多いほどである。 ※ 中学社会科の地理分野で、世界地理で、スペイン語とフランス語はともにラテン系の言語であることを習う。 ※ つづりは省略。フランス語のつづりは、むずかしいので。 ※ 中学社会科の地理分野で、世界地理で、スペイン語とフランス語やイタリア語はともにラテン系の言語であることを習う。 ※ つづりは省略。ロシア語の文字はキリル文字をつかう。ローマ文字ではない。 ※ ロシア語やポーランド語はスラブ系の言語である。 ※ つづりは省略。韓国語の文字はハングル文字をつかう。漢字は、韓国では、あまり使わない。 アラビア文字は、むずかしいの
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Main Page > 小学校・中学校・高等学校の学習 > 中学校の学習 > 中学校英語 > 中学校英語/1年/文法 中学校英語/1年/文法では、1学年の英語で習得すべき単語について教授します。中学校英語/1年及び中学校英語/1年/文法も必要に合わせて一緒にお読みください。 英文の語順は、ふつう、 <主語 + 動詞 + 目的語> の順になる。 この例文の場合、どれが主語、動詞、目的語かというと、 である。 いっぽう、日本語では、 「私は(←主語)/一冊の本を(←目的語)/持っています(←動詞)」のように、「主語/目的/語動詞」(※日本語の場合)になってる。 しかし、英語では日本語とは語順がちがう。 また、ひとつの文に、動詞は1個だけである。 なので、たとえば、「私の持っている本を、私が読む」ということを説明したい場合は、たとえば のように、文を、動詞の数だけ、分けて説明する必要がある。 いっぽう、「I have and read this book.」(×)などは、まちがいである。 ほかの例文 日本語の「イヌが好きだ」の「イヌが」のように、好き嫌いについての表現は、日本語では「イヌが」は「が」がついて主語みたいになる場合もあるが、英語では、ちがうので注意しよう。 ほかの例文 theは「その」という意味である。すでに話題にのぼった名詞や、話をしている者どうしの間で何をさしているかわかっているものにつける。 たとえば、 の和訳なら、「私は、そのペンを持っています。」などと訳す。 the を使う場合、それがつく名詞の前から「a」および「an」は除去しなければならない。つまり、「This is the a bag.」(×)のようなのは間違いである。 (※ 発展 :)「the をつかうとき、その名詞のaとanは除去する」と覚えるのも良いのだが、「a / an が変化して the になった」または「the が変化して a / an になった」と考えるのも良いだろう。こう考えれば、文章中で a / anをつかう位置と、the を使う位置が同じであることも説明がつく。 ためしに、さきほどの例文の This is a bag. の a を the に変えててみよう。 となる。この言い回しをつかう場合は、「これは、その かばん です。」の発言をする前に、すでに、このかばんについて話題にしていたことになる。 ともかく、「the」はすでに話題にあがっているものについて使うのが、普通のルールである(ただし、例外もある)。 (※ 発展 :)なお、どうしても「私は、その一つのバッグを持っています。」(持つ = have)と言いたい場合、a でなくone を使い、たとえば「I have the one bag.」のように a ではなく one を使う。 名詞の複数(2つ以上のもの)は、普通語尾にsをつける。 「本を2冊」と言いたい場合、「two books」のように、<数 + 名詞ーs >の語順になる。 直訳すると「2冊の本」になる。語順は、<数 + 名詞ーs >の語順でなければならない。 つまり、けっして、「I have books two.」(×)などと言ってはいけない。 もし、3冊の本を、私が持ってるなら、 である。 参考のため、1冊の本を持ってる場合の例文を書くと、 1冊の本の場合でも、<数 + 名詞>の語順になってることに、注目しよう。「a book 」の「a」で、数が「1」だという事が分かる。 「私は、その本を2冊持っています。」(※ 話題にあがった本を2冊持っていることを伝えたい)のような場合は、 I have the two books . となる。 このように、the は twoやthree など数を表す表現よりも先に来る。 なお、たとえば赤いをred(レッド)というのだが、たとえば「その赤い本」は the red book となる。「I have the red book. 私はその赤い本をもっている」である。このように the は他の情報よりも先に来る。くわしくは red や blue(ブルー、意味 : 青い)などの単元で説明する。 the two books の語順も、 「 the + 数 + 名詞」 とだけ覚えるのではなく、「the + 話題にあがっているか以外の情報 + 名詞」のように今後も応用のきくように覚えるのが文法の勉強のコツ。 私が何なのかを説明するときに、<I am 〜>(アイ アム 〜) という表現を使う。 例 語注 例 play や eat など、動詞がある場合は、使わない。 たとえば、「私はテニスをプレイします。」なら、 である。「I am play tennis」(×)とはいわない。 相手が何であるかを説明するときは、<you are〜>(ユーアー)を使う。 つまり、「I are」(×)や、「You am」(×)などは、まちがいである。 ※ 発展: 「am」や「are」のことを、「 be動詞 」(ビーどうし)という、 You are ~. (あなたは〜 / あなたたちは〜)の疑問文は、areを主語の前に出して 「Are you ~?」 となる。 (※ 発展:)「be動詞のある文章(You are Tom.)をこれから疑問文に変えたいとき、疑問文ではbe動詞が冒頭に来るように移動する。」というふうに理解する。 Are you ~?に対する答えは、 または という。 例文 なお、国名や国籍名は、大文字にする。 (※ 発展:)「私はトムですか?」を英語にしてみよう。(『自分の名前ぐらい分かるだろ』とか言わないように。たとえば、演劇をする人達が、トムの役を私が演じるのか聞く場面など、いくらでも使用例はある。) Am I Tom? になる。このように、be動詞(amやare)と主語(IやYou)の語順を入れ替えたものとなる。 なので、疑問文を覚えるときは、「be動詞のある文章(You are Tom.)をこれから疑問文に変えたいとき、疑問文ではbe動詞が冒頭に来るように移動する。」というふうに理解するのである。 「彼は~です」のように、彼がなにであるかをいうときは、<He is ~.>(ヒー イズ )の形を使う。 heは、「彼」の意味を表す代名詞であり、男性であり単数(たんすう)である。(「単数」とは、「一つ」という意味。なお、二つ以上にものは「複数」(ふくすう)といい、後述のthey(ゼイ、彼ら・彼女ら・それら)が複数。) 例文 なお、 my (マイ) は「私の〜」という意味。 ※ なお、名詞の前に my を使う場合、その名詞には a や the を使わない。「a や the が変化して、myになった」と覚えると良いだろう。 例文 「He is a good tennis player」は、直訳すると、「彼は、上手なテニスプレイヤーです。」のようになるが、和訳する場合は、「彼はテニスが上手です。」のように、日本語として自然にきく表現になおすとよいかもしれない。 テストや入試などで「彼は、上手なテニスプレイヤーです。」のように直訳すると、文章の意味を理解してないと判断される場合があり、よって減点をされる場合がある。 sheは「彼女」の意味を表す代名詞であり、女性であり単数である。 例文 例文 am,are,isなどの、be動詞のある文の疑問文では、be動詞(am,are,is)を主語の前に出す。つまり、<be動詞 + 主語 + 〜?>の語順になる。 be動詞(am,are,is)のある文の否定文は、be動詞(am,are,is)のあとにnotを入れる。つまり、<主語 + be動詞 + not + 〜.>の語順になる。 参考 「これ」が何であるかを説明するときは、<this is 〜>を使う。 「これは~ですか?」という問いの文は、isをthisの前に出し、文の終わりにクエスチョンマーク(?)をつける。 ※ つまり、This をつかう疑問文でも、he や she の疑問文と同じように be動詞(am, are ,is )が主語の前に出てくる。このルールに変わりはない。(※文法の勉強では、どのルールが変わらないのかも確認しながら、文法を理解していくこと。) That is ~.は、自分から離れているものをさして、「あれは~です」の言い方。いっぽう、This is ~.は、手もとにあるものをさして、「これは~です」という言い方。 ※ This(これ、「ジス」) が That(あれ、「ザット」)に変わっただけである。語順も、This でも That でも同じである。 ※ 応用 Is this a pen? 「これはペンですか」 をもとに、「あれはペンですか」という疑問文を作ってみよう。方法は、this を that に変えればいいだけなので、答えは Is that a pen? 「あれはペンですか」 になる。 「これは~ではない」という打ち消しの文は、isのあとにnotを入れて、This is not ~.という形にする。 という。 (※ 応用 )では、「あれは~ではない」を考えて見ましょう。This をThatに変えるだけなので、 That is not a pen . (あれはペンではありません) になります。このように、否定文であっても、This でも That でもルールは同じままです。 who(誰)は、人の名前や間柄をたずねる疑問詞で、文頭に置く。 返答には、たとえば、彼が Tom なら、 とか、あるいはトムと私の関係についても返事にくわえて とか返答したり、あるいは などのように、答える。 なお、 my (マイ) は「私の〜」という意味。 friend (フレンド)は友人という意味。 なお、it (それ)が何なのかをたずねるときに、 「Who is it?」(×)とは言わない。 it について、何なのかをたずねる場合は、 で、質問する。 なお、「あなたは誰ですか?」なら「Who are you?」(フー アー ユー)になる。「私は誰だ?」なら「Who am I?」(フー アム アイ)になる。だが、あまり日常では、「Who are you?」や「Who am I?」を使うことはないだろう。 なお、「彼らは誰ですか?」なら、「Who are they?」(フー アー ゼイ)になる。「Who are they?」は使う可能性があるので、おぼえておこう。 Whatは「何か?」「何の」という意味で、文のはじめに使う。 例文 What is 〜で聞かれた質問の答えには、 で答える。 なお、病院などで、体のどこの調子がわるいのかを聞かれる時、 と、聞かれる場合もある。 wrong は、「(具合や調子などが)悪い」という意味の形容詞である。 「What's wrong?」とは、病気にかぎらず、なにかの調子が悪そうな時、「どこの調子が悪いのですか?」とたずねる慣用表現である。 病院の場合、「What's wrong?」できかれたら、患者のがわの返事は、たとえば、 などがある。 hurt は「傷付く」という意味の動詞だが、「My leg hurts」で慣用表現になってるので、あまり文法的なことは気にしなくてよい。 「What's the matter?」「What is the matter?」とは、「どこか、問題がおありですか? (問題点を、聞いている)」「問題点は、どこですか?」の意味である。 日本語訳の「どこ」に引きずられて where(×)にしないように注意しよう。 「Waht's the mateer with you?」(どこか、問題がおありですか?)というように「 with you」がつく場合もある。with you がついても、意味は、with you がつかない場合と、ほぼ同じ意味である。 このように、動詞は主語のあとにくる。 ※ 一般動詞でもbe動詞(am, are , is )でも、「動詞は主語のあと」というルールが同じであることに気づこう。 like,haveなどの一般動詞の否定文は、動詞の前にdo not(don't)を入れる。 のように答える。 be動詞の後ろにnotをつければ否定文になる。 相手に直接質問するとき、like, have などの 一般動詞の疑問文は、文頭に Do をつける。 ※ 「Do you ~?」というように、youとセットで覚えること。別の単元で後述するが、heやsheではDoではなくDoes(ダズ)という別の単語になるので。 のように、動詞には do を使う。 あまり、 とか、 とか、言わない。 「いいえ」なら、 などになる。 2つのうち、どちらかであるかをたずねるときは、or(それとも)を使う。 「~しなさい」のように相手に命令する文を命令文という。命令文には主語がなく、動詞で文を始める。 「~してはいけません」と禁止する言い方は、命令文の前にDon't(ドント)をつける。 「~してください」と丁寧な形にする場合は、命令文の前か後にPlease(プリーズ)をつける。 pleaseを文の最後につける場合は、,(コンマ)を忘れないようにする。 「~しましょう」と仲間を誘う言い方は、命令文の前にLet's(レッツ)をつける。 たとえば、「何を持っているか」とたずねるときは、Whatを文頭におき、答えはI have ~.と持っているものを答える。Yes,Noは使わない。 このように、「何に対して○○していますか」という文章は、「What do you 〜?」となる。 主語が三人称単数で現在形のとき、動詞 have は has になる。また、多くの一般動詞は、三人称単数で現在形のとき、動詞の語尾に-s(-es)をつける。このことを俗に「三単元のs」(さんたんげんのエス)という。 三人称単数とは、I,you以外の単数であり、he(彼)、she(彼女)、it(それ)で表されるもの。 なおhaveを三人称単数現在形にする場合、形が変わりhas(ハズ)となるため注意する。 主語が三人称単数で現在の文のときの否定文は、動詞の前に does not (ダズ ノット)をおき、動詞は原形(-sや-esのつかない形)にする。 つまり、<主語 + does not + 動詞の原形 + 〜 .>の形になる。 疑問文は主語の前にDoesをおき、動詞は原形にする。答えには、do/don't のかわりに、does / doesn'tを使う。 ・語尾がs,o,x,sh,chの場合はesをつける。 ・語尾が子音字(a.i.u.e.o以外のアルファベ ・また、例外もある。 参考: 平叙文 big(大きい)、nice(すばらしい)、good(よい)、famous(有名な) のように、性質(大きさ、長さ、形、色、性質、状態)などを表す語を形容詞(けいようし)という。 この語順の入れ替わった「This car is good.」と「This car is good.」のように、語順がどうであれ、両方の文とも「good」が形容詞である。 例文 もちろん、「big」(大きい)が形容詞である。dog(いぬ)は名詞。 hungry も、形容詞である。 thirsty も形容詞である。 good が、形容詞である。 tennis player は、形容詞ではない。player は名詞である。 This is a good car.(これはよい車です。) をもとに、「あれはよい車です」や「あの車は良い」を考えて見ましょう。ThisをThatに変えればいいだけです。 That is a good car.(あれはよい車です。) That car is good.(あの車はよい。) 疑問文「これはよい車ですか」を考えて見ましょう。まず、基準の「 This is a good car.(これはよい車です。)」をもとに、疑問文をつくってみましょう。 「これは~ですか?」は「Is this ~?」のパターンでした(※ 暗記してください)。なので、このパターンに、形容詞を入れてみればいいだけです。では、入れてみましょう。答えは、 Is this a good car? (これはよい車ですか。) になります。 (問題)さて、例文 で、good が、形容詞。 tennis player は、形容詞ではない。player は名詞でありました。 では、問題です。例文 This is a good car. で、good car は形容詞ですか? (答え) いいえ、good car は形容詞ではありません。goodだけが形容詞です。 (問題)では、carはなんですか。 (答え) carは名詞です。 How old ~?は「何歳ですか」と年齢をたずねる文。 ※ 形容詞について「どのくらい~ですか」と程度をたずねる場合、「How + 形容詞 ~ ?」で聞く場合がよくあります。 返事は、たとえば などになる。 このように年齢は、~ years old で表すが、years oldは省略することもある。 つまり、 ともいう。 ※ old (オールド)は「古い」(ふるい)という意味の単語だが、How old ~と年齢をたずねるときは、5歳や10歳などの、幼い(おさない)相手であっても How old ~ を使う。 年齢だけでなく、たとえば身長でも How tall ~? (ハウ トール ~?)「身長はどのくらいですか?」 のように、 How + <形容詞> で、なにかの程度を聞く表現がある。 young では年齢をたずねないのが普通。 How old とか How tall のように、普通は数値が大きいほうの形容詞でたずねる。 人間以外の対象でも、長さについてたずねるなら、 How long ~?(ハウ ロング~)「長さはどのくらいですか?」 となる。long は「長い」という意味だが、短いものの長さを聞く場合も How long を使う。 we はIの複数形であり、「私たちは」の意味。 youは、単数・複数が同じ形。 主語が複数のときのbe動詞には、areを使う。 つまり、<we are 〜> または <you are 〜> または <they are 〜> などのような形になる。 youが単数か複数かの見分けには、areのあとにくる名詞が単数か複数かで、見分けることもできる。 my(私の)、your(あなたの)、his(彼の)、her(彼女の)、its(それの)などを所有格(しょゆうかく)という。 「トムの」や「私の母の」というときは、Tom's や my mother'sのように、名詞の語尾に('s)(アポストロフイs)をつける。 (読み) my マイ。your ユア。his ヒズ。her ハー。its イッツ。 (読み) our アワ。your ユア。their ゼア。 (読み) mine マイン。oursアワーズ。yours ユアーズ。 theirs ゼアーズ。 (読み )hers ハーズ (※ 練習法)暗記の練習では、口頭で「I my me mine」 (アイ・マイ・ミー・マイン)とセットでリズミカルに発音して覚えるのがコツ。you なども同様。つまり「you your you yours」 ユー・ユア・ユー・ユアーズ。 下記の文法の練習に深入りする前に、さきに上記の一覧表を「アイ・マイ・ミー・マイン」式ですべて覚えるのが良い。 練習用にセットを書いておく。 I my me mine (アイ・マイ・ミー・マイン) you your you yours (ユー・ユア・ユー・ユアーズ) he his him his (ヒー・ヒズ・ヒム・ヒズ) she her her hers (シー・ハー・ハー・ハーズ) it its it its (イット・イッツ・イット・イッツ) we our us ours (ウィー・アワー・アス・アワーズ) you your you yours (ユー・ユア・ユー・ユアーズ) they their them theirs (ゼイ・ゼア・ゼム・ゼアーズ) 練習では、これを、口で10~20回ほど発音したり、またスペル(つづり のこと)を覚えるために同じぐらいの回数だけ書き取りしておくのが良い。 代名詞はhe(彼は)、his(彼の)、him(彼を)のように変化する。 例文 けっして、日本語の「彼が」にひきずられて、 I like he.(×)などと書かないように注意しよう。 例文 いっぽう、「彼の本を、私は持っています」なら、 となる。 この場合、I have 「him book」(×)とかには、ならない。 例文 ※ 「所有格」や「目的格」という用語を習ったので、さきほどの一覧表を、これらの用語を使ったものに置き換えよう。(中学2年以降の巻末付録などでは、下記のように表の用語が修正される。)「~のもの」はそのままで覚えていい。いちおう、「~のもの」を意味する専門用語はあるが、あまり中学高校の学習では普及していない。 (読み) mine マイン。oursアワーズ。yours ユアーズ。 theirs ゼアーズ。 「talk with 〜」で、「〜と話す」という意味の熟語であり、 with は、いっしょにする相手などを表す前置詞である。 talk with など、動詞のあとにつづく前置詞のあとに人称がくるときは、目的語として、あつかう。 whose (フーズ)は、持ち主をたずねる疑問詞である。あとに名詞が続いてwhose + 名詞のときは、「誰の○○」という意味になり、この場合のwhoseは所有格を兼ねている。 単独で使われるときは「だれのもの」の意味を表す。 といううように、2通りの返事がある。 もし、「私」の本なら、2通りの答え方があり、 となる。 もし、「彼」の本なら、同様に2通りの答え方があり、 となる。 「彼」の本の場合、「彼のもの」his と、「彼の」his が同じ語形だが、格が異なるので、注意しておこう。 もし、「彼女」の本の場合なら、同様に2通りの答え方があり、 となる。 which(フィッチ)は「どちらが」「どれが」の意味の疑問詞である。 例文 また、この例文のように、<Which do you 〜, X or Y ?>で、「XとYのうち、どちらがアナタは〜ですか?」の意味になる。 返事には、すでに分かっている主語(I)や動詞(like)を略して のように、答えてもよい。 なお、<Which does he 〜、X or Y ?> なら、「彼はXとYのうち、どちらを〜しますか?」のような意味。 <Which does she 〜、X or Y ?> なら、「彼女はXとYのうち、どちらを〜しますか?」のような意味。 <which is 〜?>の問いには のように、<主語+is 〜.>で答える。 語釈 なお、<Which do you like 〜?>は、<Which is your favorite, ・・・>で言い替えることができる。 <can+動詞の原形>で「~することができる」という意味。 たとえば、「あなたはテニスをプレイすることができます」なら である。 上記 He can ~の例文は、 が変形したものであると考えるとよい。can がつくことによって、plays → play と変化したことに注目しよう。 canの否定文はcanのあとにnotをおく。また、can not は can't と短縮できる。 (例題 )「あなたはテニスをプレイすることができません。」を英語にしてください。 答えは You can not play tennis. または You can't play tennis. です。 (※ 範囲外)文法的には can not を中学で習うが、実はあまり2語の can not は英米では使わない。どうしても can't と短縮せずに書かざるをえない何らかの事情のある場合には、 cannot と一語で書くのが好まれる[1]。 canの疑問文はcanを主語の前に出す。 ※ 当然、play など文中の一般動詞は原形である。 疑問への返事には Yes,~ can. / No,~ can't. など。 「今ピアノをひいています」のような、現時点であることが続いている最中であるという表現は<be動詞 + 動詞の~ing形>で表せます。 <be動詞 + 動詞の~ing形> は、和訳では「~している、~しているところだ」などと訳すのが一般的です。また、このような表現を現在進行形(げんざい しんこうけい)と言う。 現在している最中であり、しかもその動作をがまだ終わってない最中のことが、現在進行形です。 (※ 発展)ただし例外もあり、like (好きである)や see (見える)などは、すでに元の形の状態でその最中であるという意味があるので、ふつうは ~ingの形にしない。 ※ 中1でこれら例外の動詞を覚えきるのは無理なので、色々な参考書を読んで多くの例文になれていくしかない。 <talk with 〜>で「〜と会話する、している」の意味の熟語。with (「ウィズ」)は、前置詞(ぜんちし)というものの一種で、いっしょにする相手などを示すときに用いる前置詞。 このように、文中に前置詞があっても(例文の場合は with が前置詞)、進行形の文章になることができる。 現在進行形の否定文は、<be動詞 + not>の形になる。 現在進行形の疑問文は、be動詞を主語の前に出し、答えはbe動詞を使って答える。 過去のことは過去形を使って表す。 一般動詞(規則動詞)の過去形は「動詞の原形+ed(またはd)」の形で、主語が何であっても同じ形になる。 一般動詞(規則動詞)の過去形は「動詞の原形+ed(またはd)」の形で表すが、不規則に変化する動詞もある。規則的に変化する動詞を規則動詞というのに対して、不規則に変化する動詞を不規則動詞という。変化は1語1語覚えるしかない。 一般動詞の過去の否定文は「did not(didn't)+動詞の原形」で表し、主語が何であっても同じ形になる。 疑問文は「Did+主語+動詞の原形 ~?」で表す。またその回答は、「Yes/No+主語+did/did not(didn't).」で表す。 「What time is it? 」は「何時ですか」と時刻をたずねる文。 この用法での itは時刻を表す形式的な主語 it であり、意味はない。 「今、何時ですか?」のように、現在であることを強調したい場合には、now (ナウ、意味:今の)をつけて、 と聞く。 ※ 実際の会話では「ホワッタイム イズイットナウ」のように、what time でひとつの語句のように発音することが多い。生活英語で時間をたずねるときの典型的な会話例なので、この「What time is it now? (ホワッタイム イズイットナウ)」ごと何回も口ずさんで発音してみて覚えてしまうのが良いだろう。 ※ what は疑問視であるが、上述のように what は形容詞のような働きもする。直訳すると「What time is it now?」は「今はなんの時間ですか?」という言い回しになっている。ただし、ここら辺の文法はあまり規則的でないので、深く考えなくていい。 What time do you ~?(何時に~するか)の問いには、I go to bed at ten. (10時に寝ます)のように「at + 時刻」で答える。 How many ~?は「何人の」「いくつの」の意味で、人や物の数をたずねるときに使う。 whenは「いつ」の意味の疑問詞。 返事には、その「時」を答える。 上の例文のように、when は過去形でも使える。 whereは「どこ」の意味であり、「場所」をたずねるときの疑問詞である。 会話例 上の例文のように、where は過去形でも使える。 過去分詞はどうなるのですか?誰か教えてください thisの複数形がthese(ジーズ)であり、「これら」の意味。 thatの複数形はthose(ゾーズ)となり、「あれら」の意味。 These(Those)では、そのあとに続く名詞も複数形になる。
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E8%8B%B1%E8%AA%9E/1%E5%B9%B4/%E6%96%87%E6%B3%95
不規則動詞だけでなく規則動詞も含まれた動詞の活用表です。
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E8%8B%B1%E8%AA%9E/%E5%8B%95%E8%A9%9E%E3%81%AE%E5%A4%89%E5%8C%96%E5%BD%A2_1%E5%B9%B4
Main Page > 小学校・中学校・高等学校の学習 > 中学校の学習 > 中学校英語 > 中学校英語/2年 中学校英語/2年では、学年の英語について教授します。単語及び文法も必要に合わせて一緒にお読みください。 以降、品詞については名詞を(n)・動詞を(v)・形容詞を(a)・副詞を(adv)・前置詞を(prep)・接続詞を(cnj)と表す。 to+動詞の原形で書かれる語を、不定詞と呼ぶ。上の文章中では の2つの文章中で不定詞が用いられている。他に最後の文でも不定詞が用いられているがその不定詞の用法は上の不定詞の用法と同じであるので繰り返さない。上の文で の中では選ぶことを欲するという意味で取ることができるので、to take は文章の中でwantの目的語の働きをしている。目的語になるのは名詞の働きであるので、不定詞の名詞的用法と呼ばれている。一般に多くの名詞的用法の不定詞は〜することのように訳されることが多い。目的語になる他、不定詞の名詞的用法は文章中で主語になることも出来る。 一方、上の文のうち の方では買うべきもの(服)のように服を修飾していることからto buy がoneにかかる形容詞として用いられていることが分かる。この様な用法を不定詞の形容詞的用法と呼ぶ。一般に不定詞の形容詞的用法にはいくつかの意味がある。代表的な例として使われ方を表わす用法や義務を表す用法がある。例えば、 などは対応する名詞の使われ方を表わす用法の例であり、 などは対応する名詞に対してするべき事を表す用法である。より詳しい使い分けは高等学校の範囲である。 次に疑問詞を用いた疑問文について説明する。上の文章では の内でwhyという語は疑問詞と呼ばれる語の1つである。疑問詞は 何を、なぜ、いつ、どこのように答えにyes,noではなく何らかの情報のある語を必要とする語のことである。このような語を用いるときには必ず疑問詞を文頭に持って来てそれ以外の語を通常の疑問文の語順に並べることで文を作ることが出来る。また、疑問詞は通常疑問文にしか用いられない。 ( 最も口語的には平叙文の語順で対応する部分だけを疑問詞に置き換えることで実質的な疑問文を作ることも行われるようである。) 動詞の種類は一般動詞であってもbe動詞であっても疑問文の語順に変化は現われない。 よく用いられる疑問詞には などがある。また、疑問詞と他の語をつなげて慣用的な意味を持たせた表現も存在する。この様な表現では疑問詞と他の語の組み合わせを1つの疑問詞と思って文を作ればよい。代表的な例として、 などがある。例えば、 などが慣用的によく用いられる。また、特にhowについてはそれを形容詞と組み合わせることでどれくらい〜かという様な疑問詞を作ることが出来る。代表的な例は、 などがある。疑問詞を用いた疑問文ではその文が疑問文であるにもかかわらず最後の強勢は下げることが知られている。 次に上の文章中で、 の文について説明する。この文の主語はIであり、述語はthinkである。しかし、この文には更にもう1組thisとisという主語述語の組が含まれている。このように主語と述語の組が複数含まれている文をw:複文という。一方、主語と述語が1組だけ含まれている文をw:単文と呼ぶ。複文には複数の文が同じ重みで含まれている文と片方の述語が主だった意味を定め、もう片方の述語が他の述語の意味を補う働きをする文がある。前者については各々の文は等位関係にあるといい、後者では文は主従の関係にあるという。文が等位関係にあるか主従関係にあるかはそれらをつなぐ接続詞によって決まる。接続詞とは、2つの文の間に何らかの関係をつける語である。例えば、日本語では〜だから、しかし、そしてなどがあげられる。 上の例では接続詞としてthatが用いられている。そのため、上の文は文法的には と等しい。しかし実際には多くの場合thatは省略されるので、上ではthatを書いていない。ここで接続詞thatは、日本語でいう〜ということに対応する 意味を持つ。つまりこの文章は〜ということを思うという様に訳せばよい。ここで、that以下の文はthinkの目的語となっていることからthat以下の文全体が名詞として働いていることが分かる。一般に文中の主語や術語以外の成分で主語と述語を含んでいる文の成分を節と呼ぶ。この用語を用いて、 ここで使われた接続詞thatの用法はthat節の名詞的用法と呼ばれる。 他によく使われる接続詞として などがあげられる。この中で、andとbutだけは文を等位関係にする接続詞であり、それ以外は接続詞に続く文を主文に従属させる文とする接続詞である。前者の接続詞を等位接続詞、後者の接続詞を従属接続詞と呼ぶ。 (v)・(n)等は前の課を参照。(int)は間投詞を表す。 文章中で現在以外のことについて述べたいことがある。現在、過去、未来のように時間を表わす表現のことをw:時制と呼ぶ。ここでは特に過去に関する事実を述べる時制について説明する。過去の事実を述べるときには文章中の述語動詞を過去形にすればよい。過去形は一般的な動詞では動詞の原形に-edをつけることで作ることが出来る。例えば、 などがあげられる。一方、最後が-eで終わる動詞には単に-dをつける。 また、最後が子音+yで終わる動詞ではyをiにかえて-edをつける。 また、最後が単母音+子音で終わる語は最後の子音を重ねて-edをつける。 ここまでのように語尾に-edをつけることで過去形が作れる語をw:規則動詞と呼ぶ。一方、英語の動詞の中にはそれとは異なった変化によって過去形を作る動詞も少なからず存在する。これをw:不規則動詞と呼ぶ。これらの動詞は頻繁に使われる動詞である場合が多い。不規則動詞の原形から過去形を作る方法は動詞ごとにほぼばらばらであり、個別に覚えるしかない。しかし、幸いにも不規則動詞は非常に多いわけではなく、また時代の流れとともに新しくできてくる動詞で不規則変化をする動詞は稀であるため、それほど苦労する事はないかも知れない。主なものをあげると、 などがある。平叙文では単に文章中で動詞を過去形に置き換えればよい。上の例では などが過去形の例である。2つ目の文ではputの過去形と原形が一致しているため文を見ただけでは文の時制が現在であるか過去であるかは分からない。これらは文脈を見てその時制がどちらにあるかを判断しなけばならない。 また、疑問文や否定文の過去を扱うときには、動詞ではなく補助動詞のdoをdidに変えることで過去時制の文が作られる。本文の例では などがその例である。 次に の文についてより詳しく説明する。この文では述語であるlentの後に と の2つの名詞が続いている。この様に述語の後に名詞が2つ続く例は2通りある。1つは2つの名詞がどちらも述語の目的語となっている場合である。実際には この場合はこちらであり、youとmy bicycleはどちらもこの述語lentの目的語となっている。lentの原形であるlendは貸すという意味の単語であり、 貸す相手と貸すものの両方を目的語として取る。このため、2つの名詞はどちらも目的語なのである。この様に動作を受ける人と動作を受けるものの 2つを取る動詞は他にもいくつかある。これらはどれも の順で目的語を取る。この順番を入れ換えることは出来ない。ここで、人に対応する目的語をw:間接目的語、ものに対応する目的語をw:直接目的語と呼ぶ。ただし、多くの動詞では上の並びと同じ意味で の書き換えをすることが出来る。このときには目的語はものだけであり、to 人はto前置詞の副詞句である。 言語を習得するには。得た知識を実際の文章に対して適用してみることが必要となる。ここでは特に、英語版wikibooksのwikijunior [1] から、次の文章を訳してみる。この文章は南アメリカ諸国の文化や地理を説明する文書の一部であり、完全な文書は [2] に存在する。この文書は英語圏の子供向けに書かれた文書であるので比較的簡単な英文で書かれている。興味があれば全訳にも挑戦してみるとよいかもしれない。 子供向けとはいえ文法的にも単語のレベル的にもかなり進んだ内容であり、母国語でない人間にとっては簡単に読むわけにはいかないだろう。 Who lives in South America? 上の文では誰にという意味の疑問詞whoが用いられている。このため、上の文は 平叙文の語順であるけれども、分類としては疑問文に含まれる。whoは人称としては 3人称にあたり、この文は現在のことを表わした文であることから、動詞には 3単現(3人称単数現在形)のsがついている。 liveは住むという意味を表す動詞であるが、この使い方をするときは 目的語を取ることは出来ない動詞である。この様な動詞をw:自動詞と呼ぶ。 一方、目的語を取ることが出来る動詞をw:他動詞と呼ぶ。 主語が住んでいる場所を示すためには副詞を用いて表す。ここでは前置詞を用いて副詞句をつくって、住んでいる場所を表している。ここでは前置詞はinが用いられているが、これは特に国や地域などのわりあい広い範囲を表すときに用いられる。より狭い範囲での場所を表すには前置詞atが用いられる。しかし、その使いわけはある程度主観にもよるようである。 南アメリカに住んでいる人々は3つの主だったグループに分かれる。それぞれ現地の人々、ヨーロッパ系、そしてアフリカ系である。実際には国にもよるが、ほとんどの人々はこれら3つの人種の混血となっている。 この段落の最初の文の主語はgroupであるが、これには多くの形容詞がついているため、 主語が長くなっている。形容詞まで含めた主語のことを主部と呼ぶことがある。 この文の主部は である。ここで分かる通り、名詞groupを修飾する形容詞mainと threeが存在するときには、threeの方を先に持って来る。更に、of peopleはgroupにかかる形容詞句であるが、peopleで構成されたの様に構成物を作りだす意味のofであると考えられる。同じ意味のofは例えば などの表現でも用いられる。これらは長い主語であるが全体としては という文であり、それらに適当な形容詞が付けられているのである。 文中で:が用いられ、それ以降に主語で述べられた3つのグループについての説明が与えられる。上の記号である:はw:コロンと読まれ、おおよそ日本語で即ちの意味を表わす。つまりコロン以降の名詞で前の文に対する説明を与えるのである。 次の文では から始まっているがこれはw:分詞構文と呼ばれる文法であり、高等学校英語の範囲でありやや高度な文法である。簡単に説明するとこの構文は、分詞に主語を補って完全な文にした後、接続詞でつないだのと同じ意味になる。特に、分詞構文に主語が存在しない場合には、次に続く文の主語が対応する分詞の主語になる。しかし、実際にはこの文の主語はmost peopleでは無いのだが、文脈から意味が分かるということで改めて主語を指定することを省いたようである。次にhoweverという単語が続いているが、この単語は単にしかしという意味を表わす。この単語は副詞であり、文の最初に置くことも出来る。しかし、文の動詞の前に',(コンマ)'で区切って文中、特に動詞の直前に置かれることも多い。上の文ではdepending - の部分は文の術語areにかかる副詞句と考えることができるので、howeverが入っている位置は文頭と考えることが出来る。 現地の人々 peopleは複数として扱われる。意味としてはpersonの複数形と思っておけば良い。 現地の人々は南アメリカに最初に住んでいた人々であった。彼らにはいくつかの民族があり、彼らはそれぞれ別の言語と文化を持っていた。彼らの中で最も有名なのはインカ人である。彼らはケチュア語を話し、1200年から1533年にわたってTawantinsuyuと呼ばれる偉大な帝国を作っていた。インカ帝国は既に存在していないが、現在でも1300万人程度のケチュア語を話す人々がいる。 最初の文ではindigeous peopleが最初の人であったと述べている。それ以降のto - はthe first peopleを修飾する不定詞の形容詞句である。 次の文はThere - の文章であり、文章の主語はtypesであり複数形であるので、文の術語areは複数形に対応する形を取っている。この文ではカンマに区切られて別の主語術語が続いている。 eachはそれぞれという意味で、単数形として扱う。この語では、日本語に引きずられて複数として扱ってしまいがちなので注意が必要である。同様の性質を持つ語としてeveryがあるがこの語は全てのという意味を表わす形容詞であるが、そうであるにも関わらず、この形容詞がついた語は単数として扱わなくてはならない。前置詞withは、〜と一緒にが1つの意味だが、ここでは、〜を所有しているというような意味である。形容詞ownは通常所有格を表わす語に続いて用いられ所有されているということを強調するような意味を持つ。 次の文ではthe most famous - という文が用いられているが、これは形容詞の最上級と呼ばれ これも進んだ文法である。 ここで形容詞の ofが最上級に続いた場合には、of以降の名詞の中で一番であるという意味を表わす。結局ここでは全ての人々の中で最も有名な(人々)という意味が対応する。 wereはareの過去形であり、主に複数形の語が主語のときのbe動詞として用いられる。 次の文ではan empire called Quechuaという表現が見られるが、この文中でcalledは、an empireを修飾する過去分詞である。過去分詞の用法は中学校英語の範囲である。 また、この文ではand以降にbetweenに続く名詞で作られる副詞句の後、再び述語 hadが続く形になっている。この様な場合後の文で主語が省略されたことは、後の文の主語と前の文の主語が等しいことを示している。よって、後の文の主語もIncasであり、Incasが、a vast empireを所持していた事が分かる。 次の文でno longerは既に〜ないという意味を持ち、この語が入った文はnotが含まれなくとも否定文として扱われる。しかし、それ以外の語順は平叙文と同一であり、3単現のsもそのまま残っている。but以降の節では、indigeous people who speak Quechua という表現が見られるが、これは 関係代名詞と呼ばれる。働きとしては、whoを主語として書かれる形容詞節がwhoの直前の名詞を修飾する。ただし、whoの節の主語は、whoの直前の名詞を用いる。結局この文はケチュア語を話す現地の人々という意味を表わす。 ヨーロッパ系 1530年代にスペインやポルトガルからのヨーロッパ人(イベリア半島を参照。)は南アメリカを植民地にしていった。南アメリカのうちでポルトガルの植民地にされた地域はブラジルという大きな国になった。他の多くの国はスペインの植民地となった。南アメリカの北方に3つのスペインにもポルトガルにも植民地化されなかった小さな3つの国があったが、それらは仏領ギアナ、スリナム、ギアナである。 最初の文で1530sという表現はおおよそ1530年代という事を表わす表現である。 また、w:スペインとw:ポルトガルはヨーロッパの国である。この文にはstarted colonisingという表現が含まれているが、 ここで、colonisingという語はcoloniseの動名詞であり、意味はだいたいto coloniseの名詞的用法と同じである。 動名詞は中学校英語の文法である。ただし、名詞的用法でどちらが使われるかはその文の述語によって 変わる。この文の述語であるstartは動名詞と不定詞の両方を取る動詞であるので、どちらを用いてもよい。 coloniseは難しい単語だが、単に目的語を1つ取る他動詞であり、意味はw:植民地化するである。 次の文でparts which were colonised ... の文でのwhichは関係代名詞であり、上で見た関係代名詞whoと同じ働きをする。whichとwhoの使いわけは、whoは人に対して用い、whichはそれ以外のものに対して用いるという使いわけである。ここで、were colonizedは、植民地化されたという意味を表わす 文法であり、w:受動態と呼ばれる。受動態は中学校英語 第3学年で扱われる。文全体としては、植民地化された部分という意味になる。becameは、becomeの過去形で、意味はbe動詞に似ているが特に変化の意味を表すため、〜になると訳される。この語は、be動詞と同じ扱われ方をするので、この動詞の後には目的語ではなく、補語が続く。 次の文でmost ofという表現があるが、ここでのmostは最上級の意味はなく、単にofで表される名詞のほとんどがという意味を表す名詞である。the otherの中で、otherは他のという意味を表す形容詞だが、特にthe otherの形で用いられたときには全ての他のものという意味を表す。 次の文でvery northという表現では、 北であることを強める働きをしている。 countries that were colonised ...の表現はwhichやwhoと同じくthatを関係代名詞として用いた場合である。thatは、ものに対しても人に対しても使える。どちらかといえばwhoやwhichはより形式的な場面で使われることが多い。 更にこの文ではeither -a- or -b- という表現が用いられているが、この表現は-a-か-b-のどちらかをという意味を表す表現である。この表現自体は高等学校英語で紹介されることが多いので詳細はそちらを参照。 イベリア半島 イベリア半島は大西洋に突き出している南ヨーロッパの地域である。イベリア半島にはポルトガルとスペインという2つの国があるが、5つもの異なった言語がある。 最初の文のthatは関係代名詞であり、piece that pokes out into .. と続いている。意味は、突き出ている部分となる。pieceは日本語でピースと読まれることもあるが、地理的な話題であることからここでは地域でもよいだろう。Atlantic Oceanは大西洋の意味である。次の文でもコロンが用いられているが、それ以降の名詞であるPotugalとSpainが、two countriesを表わしている。 中学校英語 文法項目 2学年
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Main Page > 小学校・中学校・高等学校の学習 > 中学校の学習 > 中学校英語 > 中学校英語/2年/単語 中学校英語/2年/単語では、2学年の英語で習得すべき単語について教授します。中学校英語/1年 および 中学校英語/2年/文法も必要に合わせて一緒にお読みください。本ページでは熟語・連語も含みます。 のように、カッコ内に、複数形の表記を書く。 たとえば、「山」の英語の場合、mountains が、複数形のときの表記。 この節は書きかけです。この節を編集してくれる方を心からお待ちしています。 この章では、1年もしくは2年で学習する単語 (熟語・連語も含む) を紹介します。日本語訳の前にある漢字は、「冠」が冠詞、「動」が動詞、「名」が名詞、「形」が形容詞です。後に「(1)」とあるものは1年生で、「(2)」は2年生で学習する単語です。 写真をあらわす名詞には、picture のほかにも photo や photograph がある。 だが、take a photo とは、あまり言わない。もっとも、「take a photo」などでも、間違いではない。 例文 例文 ※ 光(ひかり) light と、軽いは、つづりが同じ。なお、「右」のつづりは right である。 (※ 参考) 時刻が「早い」は early である。fast は速度や動きが「速い」ようす。 例文 例文 いっぽう、感情を引き起すもの(出来事や書籍や映像など)については、 とか、 とかのように、〜ing の形になります。 形式的には、surprisedは過去形-edと同じ形だ、surprising は進行形と同じ形ですが、しかし、surprised も surprising も形容詞として扱うのが普通です。 excited や exciting など、ほかの感情を表す語でも同様に、形容詞としてあつかうのが一般的。 例文 Do you have a question ? 何か質問がありますか? 例文 interesting の主語になるのは、他人をおもしろがらせる物や出来事など。 interestedの主語になるのは、「私」や「あなた」など、おもしろさを受け取った人。 ※ 「That sounds interesting」を「あれは、おもしろそうだ。」(×)とは訳さない。「That sounds interesting.」は慣用表現になっており、「それは、おもしろそうだね」などと訳す。 なお、 sound (サウンド)には、名詞と動詞があり、直訳すると、それぞれ である。 「That sounds interesting.」で「それは、おもしろそうだ。」というような意味の慣用表現に、なっている。 なので、入試や定期テストなどの和訳では、けっして、「それはおもしろと、聞こえる」(×)などと直訳してはいけない。 (※ 範囲外: )中学の授業や高校入試では誤魔化されているが、interesting は本来、知的な関心を呼ぶという意味での「おもしろい」に使う。だから、たとえばテニスをプレイしてみて「面白かった」とか言う場合、interesting ではなく形容詞 fun (ファン)を使う。 It's fun to play tennis. 「テニスをプレイするのは面白い」 (※ 範囲外: )実は to や than でも良い。つまり、be different to ~ なども可。from が一般的だが、英国口語でto 、米国で than も使われる(ジーニアス英和およびセンチュリー英和で確認)。作問をする教員は注意のこと。 例文 例文 例文 (※ 範囲外? )雨ガッパは raincoat である。雪ダルマは snowman である。 関連表現 globe は球体という意味だが、地球を表す場合もある。なお、手袋 glove (グラブ)と、まちがえないように。 (※ やや中学の範囲外:) pianist は、職業以外にも、単にピアノがうまい人を a good pianist のように言う場合もある。 singer も同様で、歌がうまい人を a good singer と言う場合もある。 詳しくは高校の英文法で、名詞構文(めいし こうぶん)という単元で習う。 He is a good singer. 「彼は歌をうたうのが上手だ。」 は、 He sings well. のように言い換えできる。 singer にかぎらず、音楽やスポーツのplayerでも同様に well で言い換えできる。 「エネルギー」という読みは、ドイツ語に由来する読み。 英語では、「エナジー」と読む。 参考 ※ 「アフリカ」の「ア」の部分にアクセントがあるため、「アー」と伸ばしてるように聞こえる。発音記号では「アフリカ」と伸ばしてないが、このようなアクセントの事情を考え、本書では「アーフリカ」と表記した。
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be動詞の命令文は<Be 〜.>という形式になり、このように、動詞の原形で始まる。原形(げんけい)とは、もとの形である。 上記の英文は、意味の上では You must be a good boy.と同じ内容を表す。 Be(be,am,are,is)動詞では、「be」がもとの形であり、それ以外のamやareやisなどはbeが主語に合わせて変化したものである。amは原形ではないので注意。 また、このように、原形が必ずしも 私「I」 のときの動詞の形とは、かぎらない。(とはいえ、命令文以外の多くの構文では、私「I」 のときの動詞の形と同じ場合が多い。なので、暗記の対象としては、例外的に私「I」のときの動詞が原形でない場合だけを覚えればいい。) 参考 be動詞の否定の命令文は <Don't be 〜.> となる。 例文 例文 感情をあらわす形容詞の中には、 のように、ed が語尾につくものがあります。 しかし、いっぱんに、これらの感情をあらわす 〜ed の語は、形容詞として扱います。受け身としては、扱わないのが、日本での英語教育では普通です。 いっぽう、感情を引き起すもの(出来事や書籍や映像など)については、 とか、 とかのように、〜ing の形になります。 語形的には、surprised は過去形 -ed と同じ形だし、surprising は進行形と同じ形ですが、しかし、surprised も surprising も形容詞として扱う(あつかう)のが普通です。 excited や exciting など、ほかの感情を表す語でも同様に、形容詞としてあつかうのが一般的。 「晴れ」は英語で sunny (サニー)です。 太陽が英語で sun (サン)です。晴れの日には、太陽が見えるから、 sunny というわけです。 「今日は晴れです。」は英語で と書きます。 このように、 It が形式的な主語になります。文法用語で、このような It の用法を「形式主語」などと言います。 日本語を和訳するとき、 It に当たる「それ」などの語は訳しません。入試などで、「それ」などの語をかくと、不正解になる場合があります。 「昨日は、晴れでしたよ」なら、 となります。 たとえば、「(天気が)雨」は英語で、rainy (レイニー)です。「雨が降る」は英語で rain (レイン)です。レインコート raincoat のレインと同じです。 を和訳してみましょう。 「今日は、雨です。」などが、 「It is rainy today. 」の和訳になります。 参考 なお、「天気」は英語で weather (ウェザー)です。 気温の温暖・寒冷についても、 warm と cool は、比較的、すごしやすい気候の場合です。いっぽう、 hot と warm は、比較的、きびしい気候です。 たとえば、真夏の炎天下などには、 hot を使うといいでしょう。冬の雪(snow スノウ)の日などには、cold を使うといいでしょう。 春ごろや秋ごろの気候で、 warm や cool を用いる事が多いでしょう。 また、「 was 〜 ing 」「were 〜 ing」のようなのを過去進行形(かこ しんこうけい)といい、その名の通り、過去に進行中だった事を表現するのに過去進行形を使う場合があります。 例文 などになります。 疑問文は、 のようになります。 疑問への回答は、「Were you 〜?」で聞かれたなら、 のようになります。 「What ware you 〜ing 〜?」で聞かれたなら、たとえば、 と聞かれたら、 返事は、たとえば などのようになります。 返事では、いちいち at 〜 o'clock とか、last night とか、くりかえしません。 どうしても時間を強調したい場合は、 at that time (アット ザット タイム)(意味:そのときには)などの語句をおぎなうとよいでしょう。 「along 〜」(アロング)で、「〜にそって」の意味があります。 もしトムが「ボブといっしょに、川沿いを歩いていたよ」と言うとしたら、 のように、言うことになります。 with(ウィズ) で「〜といっしょに」の意味があります。 「春休み中、どうしてた?」を英語で聞くと、 になります 「during 〜」(デュアリング) で、「〜の最中に」「〜中に」の意味があります。 返答で、(春休み中なら、)「ハワイ(Hawaii)に行ってた」と答えるなら、 となります。 ちなみに、ハワイのお土産(おみやげ、英:Souvenir (※ 範囲外?))でよくある品物は、アロハ・シャツ(aloha shirt)や、マカデミア・ナッツ(macadamia nuts)などです。 「aloha」(アロハ)は、ハワイ語で「こんにちは」にあたる挨拶の言葉ですが、「愛」を意味する単語でもあります。 「留学生の女の子が、わたしたちの通う日本の学校にやってきた。」というようなシチュエーションだとしましょう。 もし彼女が自己紹介で、「私達は、去年、日本に来ました。」と言うとしたら、 になります。 この表現では、前置詞はつけません。英米の習慣的にそうなってるので、おぼえてください。 時間を表す時には、時間に at や in など前置詞をつけない場合があります。 もし彼女が自己紹介で、「私達は、4週間前に、日本に来ました。」と言うとしたら、 ago は、期間について「〜前」にという意味です。期間以外のものの前後については、ago は使えません。たとえば、 なお、「食べる前に、手を洗え。」というのには、ago は使えません。「何かをする前に、べつの何かをする」というような場合の「前」を表現するには before (ビフォア)を使います。 ちなみに「食べる前に、手を洗え。」を英語で言うとしたら、たとえば のようになるでしょう。 before は、出来事の前後関係での「あと」という意味です。 「手をあらったあとに、食べていい」なら、たとえば のようになるでしょう。 after (アフター)は、出来事の前後関係での「あと」という意味です。つまり、 before と after とは、反対どうしの意味です。 When 〜 で、「〜したとき、」の意味をもつ接続詞になる。 つまり、 when には、「いつ、〜?」疑問詞の用法のほかにも、「〜したとき」という接続詞の意味もある。 例文 例文 助動詞 will (ウィル)を用いて、未来のことを表現できる。<will + 〜(動詞の原形) >で、 「~するでしょう、~する予定だ」 の意味。 動詞は原形になることに注意。原形とはもとの形のこと。具体的には、主語が三人称単数ならば助動詞の文章では、動詞の語尾にはsまたはesなどのない形になっているはずである。 参考: < I will 〜 >のように、自分(I)について will をつかうと、自分の予定や、自分の意志を伝える表現になる。 (※範囲外: )なお、ウィンドウ・ショッピングも window-shopping で通じる[1]。 ※ 過去形では、たとえば look が looked になったりと動詞が変化したりのように動詞には「過去形」というのがあるが、しかし動詞に「未来形」というのは無い。 英語学に「未来時制」(みらいじせい)という考え方はあるが、それは上述の助動詞 will などのことである。動詞の変化との混同を嫌ってか「未来形」とはあまり言わずに、willなどのことを「未来表現」などと言う場合も多い。 基本的に、英語で動詞の時間を表す場合は、現在か過去か未来かの3つのうちのどれかか、それらいずれかの進行形(現在進行形か過去進行形か未来進行形)や完了形(現在完了や過去完了や未来完了)だけである。「完了形」を中学2年では習っていないかもしれないが、とにかく時間については英語では、現在・過去・未来の3つのうちのどれかしか存在しない。 よって、現在・過去・未来のほかの時間については、気にする必要は無い。 will を未来の「時制」のようなものと考える上述の見方とは別に、willを確信度の比較的に高い見通しである、と解釈する流儀もある。will には、未来予測の用法とは別に、現在の習慣または過去の習慣をあらわす用法や、意思をあらわす用法もあるから、である。また、遠く離れた場所について「今ごろは~だろう」などと予想する場合も will を使います[2]。また、未来のことであっても、話し手にあまり確実性の自信の無い場合は、will ではなく may など別の助動詞を使います。 上述のように will は比較的に確信度が高いし、一方で may は確信度が低い、または控えめな言い回しが may なので、とくに確信が高いわけでも低いわけでもないが、しかし断言ではない場合で あくまで予測や推測であることを言いたい場合、どうすれば良いかというと、単に I think that ~ 「私は~だと思います」などの簡単な言い回しで良い[3]。ここでの that は「~ということ」という意味の接続詞。 今夜や今晩や、その日の未来について場合や、数時間後について言う場合、will など未来形をつかうのが普通です。 例文 tonight は「トゥナイト」と読む。tonight の意味は「今夜」、「今晩」などの意味。 「もうすぐ」(副詞:soon 、スーン)や、数分後についてすら、will をつかう場合があります。 たとえば、 「もうすぐ、彼は来るでしょう。」なら、 です。 例文 このように、 willの疑問文は、willを主語の前に出す。 返答は、「はい」なら で答え、 「いいえ」なら で答える。 「won't」は「ウォント」と読む。won't は will not の省略形。 例文 (※ 範囲外 :)検定教科書では明言されてない文法規則だが、ひとつの文節中に、「助動詞はひとつまで」という規則がある。 そして、will も do も does も助動詞である。なので、will をつかった文では、絶対に do や does を使わない。なので、未来の動作をたずねる疑問文でも、冒頭には do や does は絶対に出てこない。疑問文の冒頭の Do や Does は助動詞である、と覚えれば、暗記の負担が軽減される。 ある動詞が助動詞かどうかを判別する大まかな方法は(be動詞などのように例外も多少あるかもしれないが)、否定形があるかどうか、である。will の否定形は will not や won't が存在する。do の否定形は do not や否定の短縮形 don't が存在する。 しかし eat や look など一般の動詞には、否定形やその否定の短縮形が存在しない。 ある動詞が、be 動詞でもないのに、その動詞に専用の否定形が存在していれば、それはおおむね助動詞であろう。 be going to 〜 でも、未来をあらわせる。be(am,are,is) going to + 動詞の原形は「~するつもりだ、~する予定だ」の意味の熟語。 be going to は助動詞ではないが、will とまとめて勉強したほうが効率なので、助動詞の節で紹介する。検定教科書や参考書でも、will といっしょに紹介される。 例文 予定をあらわすときに be going to を使う場合があるがwill との区別は明確で、be going to は既に決まっていた予定を、will はそれまでは未定でその場で確定した予定を表す。なので、たがいに交換可能ではない。 例文 この< going to go to 〜>のように、どこかに行く予定の場合なら、goを二回つかっても、構わない。 「雨が、ふりそうです。」は英語で、 と書ける。 It は形式的な主語であり、和訳のさいは、itを「それ」とは訳さない。 ここでの「 to rain 」の rain は動詞で、「雨が降る」の意味。 be going to ~ の疑問文は、be動詞を主語の前に出す。答え方は、普通のbe動詞の文の場合と同様、be動詞を使って答える。 <Will you ~?>は、依頼「~してくれませんか」の意味でも使われる場合もある。 「Help me, please.」(私を手伝ってください。)というよりも 「Will you help me?」 のほうが、すこしばかり、丁寧な言い方になる。 もちろん、文章によっては「あなたは、(未来に)~するでしょうか」の意味で「Will you 〜?」が使われる場合もあるので、依頼か未来か、どちらの意味で使われてるかは、文脈から判断すること。 「あしたは晴れて、暑くなるでしょう。」なら、 となる。 このように、天気や気温についても、接続詞 and が使える。 「東京は、あした、晴れるでしょう」なら、 となる。ふつうに、場所を表す前置詞 in をつかって、 in Tokyo のように、場所を追加すれば済む。 tonight は「トゥナイト」と読む。tonight の意味は「今夜」、「今晩」などの意味。 助動詞 will がつくので、動詞は、原形になる(is → be 、rains → rain など)ことを忘れないように。 天気や気温について、過去のことをいいたいなら、be動詞を過去形にすれば済む。つまり、is の過去形 was を使う。 「もし〜なら」を表すには、接続詞 if (イフ)を使います。 なお、未来の予定のことを言う場合でも、if の節の中の動詞は現在形にする。 この場合、「If it is fine tomorrow,」の is が現在形であることに、注目。 「we will play 〜」は、if の外の節なので、この節は未来形になるので助動詞 will がある。 「〜しなければならない」の意味を表すのには、助動詞 must が使える。 例文 「You must ~. 」は命令文とほぼ同じ内容を表す。 「You must not ~.」 で文を始めると、「〜してはいけない」という否定文を作ることが出来る。 「〜しなければなりませんか」と尋ねる疑問文は、 Must I ~? で文を始める。 ※ must に過去形は無い。過去の義務について「しなければならなかった」と言いたい場合、後述の had to を使う。だから、そもそも、義務や強制の用法での must の正確な意味は「現在~しなければならない」というような現在の圧力がさしせまっているというような意味である[4](普通の参考書にはそう書かれてないが)。must自体が現在の意味を含むので、過去について言いたい場合は had to など別の表現になるのは当然である。 ※ must not の短縮形は mustn't であり、なお発音は「マスント」である。 mustn't の最初の t は読まない。 「have to + 動詞の原形」で、「〜しなければならない」の意味を表す。主語が3人称単数のときは、has to ~となる。 例文 have to は、助動詞 must とほぼ同じ内容を表す。 must と have to の意味が大体同じなのに、一方で must not とdon't have to の意味は違います。 これを覚えるのは一見すると大変そうですが、しかし not の位置の違いに注目すると、丸暗記しなくて済みます[5]。 must の否定形 must not には、must の直後に not がついていますし、短縮する場合も mustn't のように must につけます。 一方、義務をあらわす have to の否定形のdon't have to には、haveにも to にも、notがついていません。not をつけるという構造ではなく、別途 don't をつけるという構造です。そして don't の意味は、単に「~ではない」という 弱い否定の意味です。 なので、don't have to は単に「~する義務がない」つまり「~する必要が無い」といった弱い意味になります。このように、答えは英文に書いてあります。 未来のある時点に「~しなければならない」と言いたい場合、will must (×)とか must will (×)とかは言えない。 英文法の規則により、「ひとつの英文中には、助動詞はひとつまで」という規則がある。 どうしても、「来週には ~ しなければならない」とか言いたい場合、 will have to ~ で表現する。 このように、 have to は形式的には助動詞ではない、として分類される(意味的には実質的には助動詞であるが)。 同様に、未来の動作を意味する be going to ~ も、形式的には助動詞ではない。 中2のここまで習ったのをまとめると、 形式的に助動詞であると分類されるものは、 do/ does/ did will must can などである。 いっぽう、 be going to ~ (未来の動作を意味する) have to ~ (「しなければならない」を意味する) は、形式的には助動詞ではない、とみなされる。 助動詞2個以上の問題の回避策として be going to や have to を使う場合、細かいニュアンスのちがいは無視される。 have to よりも must のほうが意味合いが強いが、しかし助動詞2個問題では、そのような意味合いは無視されるのである。 be going to には will が対応する。 have to には must が対応する。 なお、中3~高校の範囲の単語だが、be able to ~ という表現が、can に対応する。 able はエイブルと読む。「能力」のことを ablity (アビリティ)というのだが、それと関連づけて覚えてもらいたい。また、「能力」の意味から分かるように、能力を強調するニュアンスがある。 しかし、そういうニュアンスも、助動詞2個問題を回避する場合には、ニュアンスの違いが無視される。 <May I ~?>は「~してもいいですか」と許可を求めるときに用いる。mayはcan,willと同じく助動詞であとは動詞の原形。 May I ~? できかれたら、返事は、もし相手に「してもいい」と許可を出すなら(ペンを貸してもいい、パスポートを見せてもいい)、 などで答える。 Can I 〜 ? でも、「〜してもいいですか」の意味がある。 「私はあなたのパスポートを見てもいいですか?」→「あなたのパスポートを見てもいい?」→「パスポートを見せてください」というわけである。 <Shall I ~?>は「~しましょうか」と相手の意向をたずねる。 接続詞 「or」(オア) で、「または」「〜か、それとも〜か」の意味があります。 なお、 by (バイ)は、手段を表す前置詞です。by の意味は、手段について「〜によって」の意味です。 他の例文も見てみましょう。 のようになります。 or の位置は、 並列する 2つのものの間で、使います。 3つ以上のものを並列するときは、たとえば、 のようになります。 「by bus」 と「by train」のあいだに or がありませんが、それは省略したからです。いっぽう、「train」「plane」のあいだの「or」は、最後に並列されたものなので、省略できません。 つまり、さいごの「or」以外は省略できます。 「or」の省略について、「bus」「train」「plane」の語順を入れ替えた例文で、説明すると、つまり このように、さいごの「or」は省略できません。しかし、さいご以外の or は、省略できます。 「私は日本で生まれました。」 I was born in Japan. (アイ ワズ ボーン イン ジャパン) この 「born in 〜」は「〜で産まれた」という意味の、熟語です。 この文での「born」は、形容詞のような働きをしています。 例文を見てみましょう。 などのように、born in は使います。 「わたしは、この本を探しています」 I am looking for to this book. 「looking for」で「探している」という意味です。 「わたしは、彼を探しています」なら、 I am looking for him. ともなり、探すものが代名詞などで表現できる場合、himなどのように目的格をつかうことで to を省略する場合があります。(省略しなくても良い。) There is(are) ~.は「~がある、~がいる」の意味である。there の単語そのものの意味は「そちら」などの意味だが、この用法の場合は、there は訳さない。 <There is(was)〜 >.は、主語が単数のばあいに用いる。 いっぽう、<There are(were) ~.>は、主語が複数のばあいに用いる。 <There is 単数名詞>の形になる。 どこにあるかの場所を説明したい場合、 「on the desk」とか、「in my room」とか、「on the wall」のように、前置詞を用いた句などを追加して、場所を説明する。 「その木の下に」は、under the tree になる。 apple の冠詞を an にすることを忘れないように。 <There are 単数名詞>の形になる。 some で、「いくつかの」「数個の」という意味がある。また、「some + 名詞の複数形」のようになる。 an apple と an orange は、あわせて2個の物体が存在してるので、「an apple and an orange」をまとめて複数あつかいになる。 There is(are) ~.の疑問文は、is,areをthereの前に出し、< Is(Are) there ~? > 。 例文 There is(are) ~.の否定文は、is,areのあとにnotをおき、< there + is(are) + not + 〜 >。 When 〜 で、「〜したとき、」の意味をもつ接続詞になる。 つまり、 when には、「いつ、〜?」疑問詞の用法のほかにも、「〜したとき」という接続詞の意味もある。 例文 例文 この「playing」のように、動詞ingで、進行形(×)ではなく、名詞のように扱うことができる。 〈動詞の原形+ing〉を動名詞(どうめいし)といい、「~すること」の意味で、名詞のようになる。そのため、主語になったり、あるいは like などの動詞の目的語になることがある。 動名詞の和訳は、「〜ing」を「〜すること」と訳す。 つぎの例文のように、動名詞は主語になっても、かまわない。 例文 つぎの例文のように、前置詞のうしろに、名詞でなくて、動名詞がくる場合もある。 なお、この be good at 〜ing は「〜が得意です」という意味の熟語である。重要表現なので、この熟語を覚えよう。 詳しくは下記。 〈to+動詞の原形〉で、つぎのような意味になる場合がある。 これら3つの〈to+動詞の原形〉の用法を不定詞(ふていし)という。 不定詞に必ず「to」がつくので、「to 不定詞」(トゥーふていし)と呼ぶ場合もある。学習塾とか予備校などで、「to 不定詞」と表現する場合もある。 ※ 不定詞の基本的な用法は、上記の3つのみである。つまり、不定詞には、動詞になるような用法は無い。 〈to+動詞の原形〉で「~すること」の意味になる場合がある。この〈to+動詞の原形〉の用法を不定詞(ふていし)という。 不定詞には、この他にも、いろいろな用法がある。とりあえず、この節で説明したような不定詞の「〜すること」の用法を、不定詞の名詞的用法という。 なお、 過去のことについては、不定詞を使わないのが普通であります。 つまり、動詞 finish (フィニッシュ、意味: 終える、終わる)については、finish to eat (×)とか、 finish to play(×)とか、けっして言わない。 何かを終えた場合は、動名詞をつかって、 とか とかのように、言う。 つまり、基本的に to 不定詞は、未来のことを表現する場合に使う。 ※ ただし、だからといって「動名詞が未来のことではない」ことは意味しない。たとえば Let's go shopping! 「ショッピングに行きましょう!」は、~ingの形だが、直後の未来について述べている。 〈to+動詞の原形〉は、「~するために」の意味で、目的を表し、そして動詞を修飾する、という場合もある。これを不定詞の副詞的用法という。 例文の went (ウェント、)は、動詞 go の過去形である。けっして、want(ウォント、意味: 欲しい)と混同しないように。 「to buy some apples」の部分が、不定詞を使ってる部分である。 「to buy some apples」で、副詞的に、「リンゴを買うために」という目的を表す。 いちいち「動詞を修飾」と覚えるよりも、「〜するために」という和訳を覚えたほうが、良い。入試で出題されるのも、和訳のほうである。修飾してるのが動詞かどうかは、入試に出づらい。 また、いちいち「動詞を修飾」と覚えるのではなく、「目的を表す」「副詞的な用法」と覚えたほうがよい。 「形容詞的用法」という語句を覚えるよりも、 <something to + 動詞の原形>で、「何か〜するための物」という熟語を覚えたほうが良い。 まず、 のように、something が、不定詞つきではなく、単独で使われてる場合の和訳は、somethingを「何かを」などと訳すのがよい。 この規則をいちいち覚えるのはメンドウなので、それよりも、さっさと「something to eat」とか「something to drink」とかを熟語の暗記のように覚えたほうが早い。 ここで、注意するべきか、和訳に「何」という文字があるからと言っても、べつに疑問文ではない。 また、うしろ3文字がingだからといって、べつに進行形でもなければ、動名詞でもない。 ともかく、さっさと「something to eat」とか「something to drink」とかを覚えたほうが早い。 例文 ※なお、否定文・疑問文の場合はsomething ではなくanythingを用いる なお、 の「at 〜 ing」のように、前置詞の目的語になれるのは、名詞または名詞に相当する動名詞などだけである。不定詞が前置詞の目的語になることはない。 to 不定詞は、基本的に、「未来にしようとする行為や目的をあらわすのに使う」と考えると、理解しやすい。 たとえば、 finish (終える)など、過去のことを表す動詞には、to不定詞ではなく、動名詞を使う。 なにかを終えた時、それは、けっして「これから(未来に)実行しようとする行為」ではなく、「すでに終わった行為」だから、である。 いっぽう、副詞的な用法「to buy some apples」(リンゴを買うために)も、ある時点に「これからリンゴを買おう」と、誰かが考え、その計画を実行しようとているわけである。 もとの例文は だった。動詞 went はgoの過去形である。このように不定詞であらわされる目的は、過去を起点にしてもよい。 また形容詞的な用法の、something to drink (何か飲むもの)のような目的を追加した修飾も、誰かが「これから、飲もうとする」という計画を実行しようとしてるのである。 このように、to不定詞は、基本的に、ある時点を起点にして「未来にしようとする行為や計画などの目的」を表す。 もっと短く、まとめると、to不定詞は基本的に、「目的を表す」と覚えるとよい。 ただし、意味的に未来に向かうといっても、時制は、そのままである。 たとえば、 で、「to buy some apples」(リンゴを買うために)と考えている時点は、過去のある時点である。 たとえ、「これから、リンゴを買おう」と考えても、動詞 went は過去形のまま、である。 これは、前置詞toをつかった例文と比較すれば納得しやすい、たとえば go to school と比較すると、納得しやすいだろう。 たとえば、 で、じっさいに学校に到着する時刻は、未来である。「I go to school」と主語の人物が主張した時点では、まだ出発したり通学中だったりして、まだ到着していない。 しかし、たとえ未来に到着するからといっても、けっして助動詞 will は使わない。 「I will go to school」(×)とかは言わない。 よくある例文 go to school の「to」は、不定詞ではない。この go to school の「to」は前置詞である。 しかし、意味を考えると、この前置詞 to は、目的地を表している。 つまり、<go to + 目的地>という熟語である。 そして、主語の人物が、これから、「その目的地に行こう」という未来についての計画を実行している 最中(さいちゅう) なのである。 go to school の段階では、まだ、学校には到着していない。これから学校に到着しようとする時点なのである。 こうやって考えると、前置詞 to もまた、未来に向かっての目的を表している。 なお、じっさいに試験問題で「go to 目的地」の文章を和訳するときは、ここまで分析しなくても良い、 たとえば「go to school」を和訳するときは、たんに「学校に行く」などと訳すのがいい。 へたに、「学校に到着しようとして、出発して通学している」などと和訳すると、採点者から「進行形と混同してるのか?」などと誤解されて、減点をされるだろう。 動名詞をつかった文は、ほとんどの場合、 不定詞の名詞的用法の文章に書き換えることができる。たとえば、 は、両方の文とも、正しい文である。 ただし、want や finish など、いちぶの動詞では、例外がある。 < want to be 〜>で、「〜になりたい」という慣用表現になってるので、そのまま覚えよう。いっぽう、 want being (×)とは言わない。 たとえば、 は文法的に正しい文である。 しかし、いっぽう、 とは、言わない。あまり want being とは言わない。テストで I want being 〜 とか書いたら、減点される場合もあるだろう。 何かを終えた場合は、動名詞をつかって、 とか とかのように、言う。 いっぽう、 finish to eat(×)とか finish to play (×)とかは、まちがい。 (※ 範囲外: )逆パターンで、不定詞から動名詞の書き換えは、かならずしもそうではない。start to ~ 「~し始める」や begin to ~ 「~し始める」は、意味的に、ほぼ確実に、不定詞の未来用法になる。これを start ~ing や begin ~ing と言い変えても構わない。ただし、対義語の stop はそうではない。このように、不定詞から動名詞の書き換えは、あまり規則的ではないので、中学レベルでは、深入りの必要は無い。高校の範囲。 to+動詞の原形で書かれる語を、不定詞(ふていし)と呼ぶ。上の文章中では の2つの文章中で不定詞が用いられている。他に最後の文でも不定詞が用いられているがその不定詞の用法は上の不定詞の用法と同じであるので繰り返さない。上の文で の中では選ぶことを欲するという意味で取ることができるので、to take は文章の中でwantの目的語の働きをしている。目的語になるのは名詞の働きであるので、不定詞の名詞的用法と呼ばれている。一般に多くの名詞的用法の不定詞は〜することのように訳されることが多い。目的語になる他、不定詞の名詞的用法は文章中で主語になることも出来る。 一方、上の文のうち の方では買うべきもの(服)のように服を修飾していることからto buy がoneにかかる形容詞として用いられていることが分かる。この様な用法を不定詞の形容詞的用法と呼ぶ。一般に不定詞の形容詞的用法にはいくつかの意味がある。代表的な例として使われ方を表わす用法や義務を表す用法がある。例えば、 などは対応する名詞の使われ方を表わす用法の例であり、 などは対応する名詞に対してするべき事を表す用法である。より詳しい使い分けは高等学校の範囲である。 次に疑問詞を用いた疑問文について説明する。上の文章では の内でwhyという語は疑問詞と呼ばれる語の1つである。疑問詞は 何を、なぜ、いつ、どこのように答えにyes,noではなく何らかの情報のある語を必要とする語のことである。このような語を用いるときには必ず疑問詞を文頭に持って来てそれ以外の語を通常の疑問文の語順に並べることで文を作ることが出来る。また、疑問詞は通常疑問文にしか用いられない。 ( 最も口語的には平叙文の語順で対応する部分だけを疑問詞に置き換えることで実質的な疑問文を作ることも行われるようである。) 動詞の種類は一般動詞であってもbe動詞であっても疑問文の語順に変化は現われない。 よく用いられる疑問詞には などがある。また、疑問詞と他の語をつなげて慣用的な意味を持たせた表現も存在する。この様な表現では疑問詞と他の語の組み合わせを1つの疑問詞と思って文を作ればよい。代表的な例として、 などがある。例えば、 などが慣用的によく用いられる。また、特にhowについてはそれを形容詞と組み合わせることでどれくらい〜かという様な疑問詞を作ることが出来る。代表的な例は、 などがある。疑問詞を用いた疑問文では、その文が疑問文であるにもかかわらず、最後の強勢は下げることが知られている。 次に上の文章中で、 の文について説明する。この文の主語はIであり、述語はthinkである。しかし、この文には更にもう1組thisとisという主語述語の組が含まれている。なお、このように主語と述語の組が複数含まれている文を複文(ふくぶん)という。いっぽう、主語と述語が1組だけ含まれている文を単文(たんぶん)と呼ぶ。 上の例では接続詞としてthatが用いられている。そのため、上の文は文法的には と等しい。しかし実際には多くの場合thatは省略されるので、上ではthatを書いていない。ここで接続詞thatは、日本語でいう〜ということに対応する 意味を持つ。つまりこの文章は〜ということを思うという様に訳せばよい。ここで、that以下の文はthinkの目的語となっていることからthat以下の文全体が名詞として働いていることが分かる。一般に文中の主語や述語以外の成分で主語と述語を含んでいる文の成分を節と呼ぶ。この用語を用いて、 ここで使われた接続詞thatの用法はthat節の名詞的用法と呼ばれる。 他によく使われる接続詞として などがあげられる。 「(なぜなら)~だから」と原因・理由などを表す接続詞には、because(ビコーズ)が使える。 than は「ザン」と読み、「than 〜」 は「〜よりも」の意味になる。 2つのものを比べて「AはBより~だ」は〈A is + 比較級 + than B〉で表す。 比較級をつくるには、その形容詞・副詞の語尾にer(r)をつける。 副詞にも比較変化があり、変化のしかたは形容詞と同じ。 たとえば「BよりもAのほうが好きだ」は、「like A better than B」で表す。 better(ベター)は、副詞 well の比較級(ひかくきゅう)である。 長い単語など、いくつかの単語の比較級では、 「more ○○ than ・・・」になる。more は「モア」と読む。 どの形容詞・副詞が more ◯◯ than 〜形式の比較級になるかは、おぼえる必要がある。検定教科書の巻末付録などに書いてあるので、書きとり練習で覚えよう。 good や many などは、不規則な変化をする。 good の比較級は better (ベター) である。 3つ以上のものを比べて「一番、~だ」「もっとも 〜だ」というときは、最上級を使って〈A is the + 最上級 + in〔of〕 ~〉で表す。最上級のあとに名詞がつくこともある。 最上級をつくるには、その形容詞・副詞の語尾にest(st)をつける。 副詞にも形容詞と同様に比較級、最上級があり、変化のしかたは形容詞と同じ。 つづりの長い形容詞など、いくつかの単語の最上級は〈the most + 形容詞の原級〉の形になる。「原級」とは、形容詞のもとの形 のこと。 most になる単語 「Aが一番好きだ」はlike A the bestで表す。 best は、副詞 well の最上級(さいじょうきゅう)である。 以下の変化パターンがある。 下記の表に、比較級、最上級のうち、初歩的なものを抜粋した。他の形容詞、副詞の最上級については、くわしくは、中学校英語/形容詞・副詞の比較変化 2年を参照のこと。 AとBを比べて 「同じくらい~だ」 は <A is as 〜 as B.> で表す。 <as 〜 as> の「〜」の部分は、形容詞または副詞の、原形がくる。 例文 「彼と同じくらい」「私と同じくらい」のように、人称代名詞を使う場合、 him や me などのような形になることに注意。 < is not as 〜 as ・・・> で、「・・・ほどは、〜ではない」の意味になる。 <主語 + be動詞 + 動詞の過去分詞>で、「〜が・・・されている」の意味になります。「過去分詞」は「かこぶんし」と読みます。 このような<主語 + be動詞 + 動詞の過去分詞>「〜が・・・されている」の表現を、「受け身」(うけみ)または「受動態」(じゅどうたい)といいます。 be動詞のあとにつづくのは、けっして過去形(×)ではなく、過去分詞形です。 過去分詞は、規則動詞の場合は、過去形と同じ形である。だが、不規則動詞の場合は、そうとは、かぎらない。 この『坊ちゃん』についての例文のように、受け身で過去にされた行為をあらわす場合は、be動詞を過去形にすれば済みます。 また、誰によって、その行為がされたかを表すには、 「by 〜」を使います。 例文 だれが盗んだかは分からないので、「by 〜」は書かれない。 このように、受け身の疑問文は、be動詞を文の最初に置く。つまり、<Be動詞 + 主語 + 過去分詞 + 〜 ?> の形になる。 ※ United Nations (ユナイテッド ネイションズ): 国際連合。 この United は、「合体した」「連合した」などの意味をあらわす、形容詞のようなもの。Nationとは、国家または民族のこと。 この united は、過去(×)の意味ではない。アメリカ合衆国「the United Nations of America 」の united と同じく、United Nations のunited は形容詞的な「合体した」「連合した」の意味。 文型 SVC は、「S は C だ」「S は C のようだ」のような意味になる。C は、Sの性質に関わる単語になる。Cを補語(ほご)という。 例文 というように、対応している。 と対応している。 Cの位置に、名詞がきても、かまわない。 このように、Cにくる品詞は一般的に、形容詞や名詞になることが多い。 例 Vには、<look 〜>「〜に見える」や<become 〜>「〜になる」などの動詞がくる場合もある。 このように、「look 名詞」ときても、かまわない。 lookは、あとに形容詞または名詞を補語にとって、SVCの文型で、「~に見える」の意味を表す。 becomeは、あとに補語をとって、「~になる」の意味を表す。becomeの補語 C は、形容詞または名詞になる。 文型 SVO1O2 は、「SはO1にO2をVする」の意味になる。 例文 文型「SVOO」は、「SVO to O 」に変換できる場合が多い。(ただし動詞や文脈によっては to 以外の for(~のために)など別の前置詞のほうが適切な場合もある。) 例文 現在の視点で過去の出来事を表す。have(has)+過去分詞で表し、継続、経験、完了、結果の4つの用法(使い方)がある。 現在まで動作が継続して進行していることを表す。 have(has)+been+動詞のing形で表す。 I have been studying English for 2 hours.
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E8%8B%B1%E8%AA%9E/2%E5%B9%B4/%E6%96%87%E6%B3%95
※ 文中で最上級を使う時は、 「the best」 のように the を使うことを忘れないように。 fast(速い)は、とても比較級・最上級の例文を作りやすい単語なので、入試にもテストにも頻出。 hard(熱心に)は副詞であり、副詞のテストも兼ねて、定期テストなどに出やすい。fewは、数詞についての表現などでも使うことがあるので、入試に出やすく、よって定期テストにも出やすい。 young や strong は、2年生で習い始める単語なので、原形のテストの兼ねて、定期テストに出題されやすい。特に young は、テスト問題は「How old are you?」などの疑問詞をつかった表現の会話文などの返事などの文章で、テスト問題でも使用されやすい。 なお、「原級」とは、形容詞の もとの形 のこと。(※中1の文法の授業で習った形容詞の形は、基本的には原級であろう。正確には、下記の一覧表を参照せよ。) clean には、動詞「掃除する」の意味もあり、テストで狙われやすい。 near には前置詞の用法もあるが、形容詞の用法もあり、テストで狙われやすい。 下表で太字にした語は、原形そのものが中学2年あたりの範囲の、難しめの語なので、とくに定期テストに出やすい。太字にしなかった単語も、数が限られてるので、テストに出されやすいので、なるべく練習しておくこと。 dangerous (危険な)という単語は、あまり書く機会はないが、2年生で習うのに適度なむずかしさの単語なので、テストに出やすく、高校以上では つづりも狙われるので、いまのうちに練習しておこう。 tired(つかれた)は、edで終わってることから、過去形の変化との引っ掛け問題などで、狙われやすい。 careful は、会話文などで、「Be careful.」(注意しろ)などで使われるので、テストにも、やや出やすい。 wonderful は、会話以外では、あまり使わない単語だが、しかし、難関高校の入試などでは、つづりが狙われるかも(推測)。たとえば「 It's (won ○○ ) ! 訳:それはすばらしい!」のような穴埋め問題で「カッコ内に当てはまる単語を、冒頭のヒントの3文字を省略せずに、単語ごと書け。」みたいな問題で、つづりが狙われやすそう。 重要度が高く、テストにも頻出。すべて覚えること。 late (遅い)は、比較の例文が造りやすく、入試や定期テストに出やすい。 large (大きい)も、比較の例文が造りやすく、入試や定期テストに出やすい。 thirsty (のどが渇いた)は、2年くらいで習う単語なので、そういう事情でテストに出やすい。また、入試でも、「thirsty」のつづりが、会話表現の知識を問う問題などの穴埋め問題などで、狙われやすい。 busy (忙しい)や easy(簡単な) は、つづりは簡単だが、意味がやや抽象的なこともあってか、中1でなく、中2で習う単語となっている。まじめに勉強してる生徒へのサービス問題として中2の定期テストなどで出題される事も多いので、つづり も、きちんと練習しておこう。 日本の外来語でも、「ビジネス」や「イージー」などの単語があるので、これらの英単語のつづり(busy, easy)は知ってて当然とされる。 happy や hungry などは、中1でも会話練習やリスニングなどでは練習してるはずだし、1年の英語教科書の巻末の単語集などには書いてあったりする。よって、中2以降では、つづりが書けるかも、定期テストや高校入試で狙われる。生徒がサボっておらずにきちんと勉強してるかを確かめるため、定期テストや入試で、会話表現の単語のつづりも狙われる。日本の外来語でも「ハッピー」や「ハングリー」があるので、これらの英単語のつづりは狙われる。 これらの参考表現も、いちおう、検定教科書に書いてあるので、難関高校などでは、このような単語も狙われる。 特に、sad に注意。感情表現の形容詞は、2年で習うことが多く、定期テストや高校入試に出やすい。
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E8%8B%B1%E8%AA%9E/%E5%BD%A2%E5%AE%B9%E8%A9%9E%E3%83%BB%E5%89%AF%E8%A9%9E%E3%81%AE%E6%AF%94%E8%BC%83%E5%A4%89%E5%8C%96_2%E5%B9%B4
Main Page > 小学校・中学校・高等学校の学習 > 中学校の学習 > 中学校英語 > 中学校英語/3年 中学校英語/3年では、3学年の英語について教授します。単語及び文法も必要に合わせて一緒にお読みください。 たとえば「来月には~できるだろう」のような未来の可能性を言いたい場合、 will can (×)とは言えない。 なぜなら、1文中に助動詞は2つ以上用いてはならない、という規則がある。この様な場合 will be able to <動詞の原形> で表す。 例えば「彼は泳げるようになるだろう。」このようにして表す。 助動詞とは動詞を補って新たな意味を付け加える語である。助動詞は通常動詞の原形の前につく。よく用いられる助動詞として などがあげられる。 他に連語として用いられ助動詞と同じような使われ方をするものもある。これらの多くは文法的には助動詞ではなく、形容詞や動詞などで書かれるものだが、ここでまとめておく。 一文中に助動詞を2つ以上は使えないので、既に助動詞を使っている文章で「できるかもしれない」とか「未来には~かもしれない」のような複合的な表現を用いる場合は、下記の連語をもちいて助動詞を2個以上つかわなくても済ませるように回避する必要がある。 ある助動詞っぽい語句が、形式的には助動詞でないとみなされているか、それとも形式的にも助動詞であるかの判別法は、大まかには、否定形やその否定短縮形を見ることです。 たとえば、will や must や can のように形式的にも助動詞だとみなされている語句は、否定形が won't や mustn't やcan't のように、助動詞そのものに否定がつきます。 一方、be going to の否定形は、isn't have to や aren't have to などです。これは単に be 動詞の否定形です。 同様に、 have to の否定形は、don't have to あるいは doesn't have to などです。これは助動詞 do / does の否定形にすぎません。 助動詞には過去形も存在する。しかし、助動詞の過去形は通常それ自体が定まった意味を持つため必ずしも対応する助動詞の過去の意味になるとは限らない。よく使われる助動詞の過去形として などがある。mightやwouldやcouldは対応する助動詞と似た意味で使われより丁寧な含みを持たせた意味で使われることがよくある。これらの意味合いについては仮定法を参照。仮定法は高等学校英語英語Iの範囲である。 また、 今までは主語が動作をすることを表す文を扱ってきた。ここでは主語が動詞で指定された動作をされることを表す文を扱う。このような文を受動態と呼ぶ。これに対応して、主語が動詞で指定された動作をする文を能動態と呼ぶ。受動態を作るときには で書かれる能動態の文章に対して のようにして作られる。ここである動詞の過去分詞は規則動詞では動詞の過去形と同じ形である。一方、不規則動詞では固有の形を持っており、これらも不規則動詞の過去形と同様動詞ごとに覚えるしかない。 通常、能動態を受動態に変化させるときには能動態の主語は前置詞byを用いて表される。しかし、they、somethingなど、元々能動態の文の主語にそれほど強い意味がなく、単に文法的に主語が必要だからそこに置かれていたようなときには、文中で の部分を省略することができる。 一般に日本語の文を単に英語に直すと、受動態の文を多く使ってしまいがちになるといわれている。しかし、日本語にとって自然な文でも英語で同じ使い方をしたときにそれが自然な使い方にならない場合もあることには注意する必要がある。 受動態を助動詞と組み合わせて用いることもできる。このときには のような文は というようになる。これはbeがbe動詞の原形であることを用いているといえる。 あるものがどこかに存在することを、特にThere is -.などによって書かれる文で表すことができる。一般にはこの文は のように書かれる。このような文の主語はthereだと思われがちだが、文法的にはこの文の主語はbe動詞の後に現れる名詞が主語である。そのため、この名詞が複数である場合にはbe動詞としてareが用いられる。この文は過去形と組み合わせて使うこともでき、また助動詞とともに用いることもできる。 There is ... .の文は単にある地点に物体が存在していることを述べる文であるため、「~はそこだ(です)」といった「そこ」という場所を強調したい文を作るときには使えない。その場合 ではなく、 などとして「(探していた)本がそこにある。」などの意味を表せばよい。 日本語でよく用いられる語彙でも英語圏では意味が異なる、もしくは通じないもののことを和製英語と言う。 例えば「私は昨日ペーパーテストを受けた。」と表す場合は となる。(誤)は「昨日紙質検査を行った。」と解釈される。このように全く意味は異なる。 参考までに身近にある和製英語を少し挙げておこう。 以上のように(特にコミュニケーション時は)知らずに使うと誤解を招くことがあるので注意を要する。 英語版Wikibooksから、太陽系の歴史などを説明する文章、“en:Wikijunior Solar System/Solar System”を抄訳してみる。この文書は英語圏の子供向けに書かれた文書であるので比較的簡単な英文で書かれている。興味があれば全訳にも挑戦してみるとよいかもしれない。とはいえこの範囲だけでも関係代名詞などの進んだ文法が出てくるため、簡単に読み下すことはできないかもしれない。 solarは形容詞でありsystemを修飾している。やや難しい単語であるが、語の性質上割合よく出て来る。 wonderはthinkと似た意味の言葉だが、より不思議に思うようなイメージが強い言葉である。記号-はダッシュと呼ばれ、ここではコロンと近い意味で用いられる。次の文でhave been watching ...は現在完了の文であり、ここでは継続の意味で用いられており、「(ずっと)見て来た」という意味である。次のtrying to ...は分詞構文であり、この動詞tryの主語は前の文の主語と同じでpeopleである。詳しくは高等学校英語を参照。特にこの場合は補う接続詞の例として〈一方……である〉という意味のwhileがあげられる。figure outは2つの単語を組み合わせて特に理解するという意味を表わす。このような語は句動詞と呼ばれる。組み合わさった後の語の意味は動詞と副詞の意味を考えればわかるものも多く、句動詞によく用いられる基本的な副詞それぞれのイメージを掴んでおけば役に立つ。それでも意味から推察できない場合は多く、それらの場合は個別に記憶するしか無い。 keep -ingは〈〜をし続ける〉という意味の表現である。ここで、keepに対する目的語として不定詞の名詞的用法を用いることは出来ず必ず動名詞を用いなくてはいけない。 rock or gas that move ...のthatは関係代名詞のthatである。この部分の意味は「動いている石やガス」となり、that以下の表現はrockとgasの両方を修飾している。次の文ではon one we call the Earthという表現があるが、ここにはoneの後に関係代名詞が省略されている。実際には関係代名詞のthatとwhichは省略される場合が多いのである。そのため、上の表現は、「我々が地球と呼んでいるあるもの(惑星)」の様になる。関係代名詞が省略できる条件については高等学校英語を参照。また、Earthは地球という意味の単語だが、この名詞は通常冠詞としてtheを伴う。これは地球が1つしかないことが知られているため、会話にでて来るEarthが常に特定されているものと考えられるからである。更に、この文ではthe Earth, which movesという様に文が続いている。ここで現われたwhichも関係代名詞であるが、特にEarthのような固有名詞を修飾するときには前の名詞と関係代名詞の間にコンマが必要となる。この用法は〈関係代名詞の非制限用法〉と呼ばれるが詳しくは高等学校英語の範囲である。 同じ文中でa star we call ...では再び関係代名詞thatが省略されている事に注意。次の文はThere ...の文であり、主語はplanetsである。ここで、planets moving around ...のmovingは現在分詞の形容詞的用法であり、planetsを修飾している。この用法は中学校英語の範囲である。同じ文の最後でas wellは連語として用いられ同じ様にという意味になる。後にas well asなどの表現が高等学校英語で紹介されるが、こちらの用いられ方は異なっている。 次の文でallはthingsを修飾する形容詞であるが、allは〈全ての〉という意味で修飾を受けた語は複数形となる。似た意味の語でeveryがあるが、この語に修飾された名詞は単数形を用いなくてはならないので注意が必要である。togetherは〈全て合わせて、一緒に〉というような意味の副詞である。are calledはcallの受動態である。callは目的語を2つ取ることが出来る動詞であるので、2つの目的語のどちらかを主語にして受動態を作ることになるが、ここでは間接目的語を主語にしている。次の文では等位接続詞soが用いられている。soは接続詞として使われたときは〈だから〉という意味を表わす。話をつなげるのに便利であるため英語で話したり書いたりするときに多用されがちだが、soは原因と理由でつながれる関係でしか用いられないので、単に日本語でいう〈……て〉のように意味の並列に近い文の接続に用いることは出来ないことに、注意が必要である。次の文でrealizeはthinkと近い意味だが、〈発見する〉といった意味に用いられる。realizeはrealize that ...の形でthat節を目的語として取る。この時には、〈(that節以下のことを)知った〉という様な意味になる。 次の文で、They thought everything movedではthoughtの後にthat節を作るthatが省略されており、everythingとmovedはそれぞれthat節の主語と術語である。 次の文でseemはbe動詞と同じ使われ方をして、補語を取る動詞である。意味は〈〜に見える〉となる。sensibleはやや難しい単語であるが、〈分別がある〉という意味である。似たつづりの語でsensitiveは〈細かすぎる、敏感な〉などの意味であり、使いわけに注意が必要である。feelは〈感じる〉という意味の動詞である。よく使われる単語で不規則動詞であり、過去形はfeltである。また、as if ...は次に節を取って〈まるで……の様に〉という意味になる。この表現は実際にはそうでないものを節の内容として取ることがあり、そのときには節の中味は仮定法の表現になる。ここでは、実際に地球が動いていることから仮定法を用いていないようである。仮定法は割合進んだ文法であるので、詳しくは高等学校英語を参照。最後のdoes it?は付加疑問文であり、itはthe Earthであり、doesはfeelに対応する。 最初の文でAbout 500 years agoは〈約500年前の〉という意味である。agoを用いたときには、文の述語は必ず過去形になる。更に、500 yearsの前のaboutは、〈およそ〉という意味を持っており、前置詞のaboutとは異なっている。a man we call ...のmanとweの間には、thatが省略されており、関係代名詞thatの省略である。文の述語であるsuggestは、〈提案する〉と訳されることが多い。訳語は堅い感じがするが、似た意味のinsistなどよりも弱い語感があり、よく用いられる。suggestもthat節を目的語として取る語である。 次の文でa man called Galileoのcalledは、関係代名詞の省略ではなく、形容詞的に用いられた過去分詞で、manを修飾している。この文の動詞はbeginの過去形beganだが、beginは目的語として動名詞と不定詞の両方を取ることが出来る動詞である。この文のwithは〈……を用いて〉の意味で、new inventionを用いて宙を見るということである。コロンの後に続く単語はここではinventionの中味で、望遠鏡のことである。 次の文でshowは、過去形showedを持つため、規則動詞と思われがちだが、過去分詞はshownが用いられるので、不規則動詞である。showもthat節を目的語として取る動詞である。この文中で、it was very likely that ...という部分がある。この文のthat以下は実際にはitの部分に置かれる内容であり、この中味そのものがwasに対する主語である。しかし、この部分を主語にすると主部が非常に長くなり、おさまりが悪くなるという意味で、代わりにitが主語として用いられ、that節は後にまわされる。この時に用いられるitを形式主語という。形式主語はIt is -a- to -b-.の文で既に用いられたが、ここでは不定詞の代わりではなく、that節の代わりに用いられている。that節の代わりの形式主語は、高等学校英語の範囲である。 more and moreは、比較級を用いた注意すべき用法だが、高等学校英語の範囲であるので詳しくは述べない。ここでの意味はますます多くのという意味である。start usingで、startは目的語として動名詞と不定詞の両方を取る動詞であり、最後のto study ...は、不定詞の副詞的用法であり、〈……を研究するために〉という意味である。studyは、勉強するという意味があるが、どちらかといえば、〈一生懸命学ぶ〉という意味であり、単に知識を得るという意味ではlearnが用いられる事が多い。次の文でhow ...という表現は疑問詞を用いた節を用いた表現で、やや難しい文法である。この表現自体も高等学校英語の範囲なので、簡単な解説にとどめる。詳しくは高等学校英語を参照。文中で名詞の代わりとして、疑問詞の節がつらなる用法では、対応する疑問詞を用いた疑問文で尋ねられる内容が名詞として与えられる。ここでは、how the planets movedと文が続いているため、〈どのように惑星が動いているのか〉という意味になる。How does the planets move?で、「どのように惑星が動いているのだろうか?」という疑問文になることに注意。 中学校英語 文法項目 3学年
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中学校英語/3年/単語は、3年生が中学校英語科で学習する単語の一覧です。単語には、熟語や連語なども含まれます。多くの生徒が高校受験を控える重要な年、時期ですので、しっかり学習しましょう。
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ふつう、英語の一文は、つぎの5つの文型のうちのどれかに、当てはまる。 なお、 そして、「SVC」や「SVOC」などの文型では、「SはCである」「SはCになる」などの意味となり、つまり S の性質が C であると主張している。 なお、入試には、「この文は、第何文型か? 答えよ.」のような問題は、入試には出ない。 なぜなら、ほとんどの場合、例文の意味を答えさせる問題によって、文型の理解を試験するから。それでも、もし文型に関する問題が出るとしたら、「SVO」とか「SVOC」などを答えさせる問題であろう。 だから、「SVOC は、第何文型だったか?」などを覚える必要は無い。 「SV」「SVO」「SVC」「SVOO」「SVOC」などの用語が分かっていれば、じゅうぶんである。 <have(has) + 過去分詞>の形を現在完了形といい、つぎに述べるような用法をもつ。 <have(has) + 過去分詞>で、「ずっと~している」の意味をもつ場合がある。 補足説明として、for(~のあいだ),since(~以来),how long(どのくらいの間?) などの語句が用いられる場合がある。 How long has she lived in Tokyo? どのくらい長く、彼女は東京に住んでいますか? などのように、How long で質問できる。 <have(has) + 過去分詞>で、「~したことがある」の意味をもつ場合がある。 「〜(場所)に、行ったことがある」といいたい場合は、<have been to 〜>を使います。 go や gone は使いません。< have gone to 〜>というと、「〜に行ってしまった。その結果、今は、ここには、いない。」という意味になる。 例文 参考 : been は「いる」の場合も How long have she been in Japan? どのくらい長く、彼女は日本にいますか? このように been は、「いる」の意味でも使われる。 have been だからといって、「行った経験が・・・」と訳すとは、かぎらない。 (※ 範囲外?) 副詞の ago (前)や yesterday (昨日)や接続詞 when (~のとき)や last (たとえば last Monday (この前の月曜日) )など、特定の時間を表す表現といっしょには、現在完了は使えない。 なお、now (今), just (ちょうど)、today(今日)などの現時点を表す表現なら、文脈によっては現在完了形とともに使うことができる。 また、recently (最近)、this week(今週)など、現在を含む一定期間の語句も、現在完了形で用いることができる。接続詞 since(以来)も、これらの同類であるので、現在完了形で使えるのは当然である。 (※例外の慣用句) I forgot. 「忘れてしまった」みたいな、意味的には現在も忘れているわけだが、forget 「忘れる」については慣用的に過去形を使うのが普通。そのほか、hear, find, understand は、意味的には完了であっても現在形のままで使うのが普通。 こういう例外的な単語があるので、基本的には、have gone や have been など、よく例文に出てくる言い回しさえ覚えれば、中学レベルでは十分だろう。あとは、テストなどで与えられた簡単な英文を読めればいい。 <have[has] been doing>の形で示され、過去から現在に至るまでずっと行われてきた動作を示す。 現在進行形の疑問文と同じような手順である。 ただし、上の2番目の例文の「for」は必ず付ける。 このように、単なる完了形の疑問文では主語とhaveを逆にする。疑問詞が付く場合は、先頭に疑問詞を置いてから書く。 疑問詞のある場合の考え方を説明する(※ 出典は未確認)。 まず、 のように、疑問視のない形の平常文を頭の中で考える。 次に、これを単なる疑問文に置き換えて、 にする。(この段階では、待っていたかいないかを聞いている。) そして最後に、「誰を待っていたか」をたずねるために、疑問視を文頭に持ってくるのと、その疑問視に対応する目的語 someone を除去して、 とする。 このように、疑問視がある場合でも、基本的な構造は、疑問詞のない場合と同様である。 現在進行形は、未来へと動作が続いて行くのに対し、現在完了進行形は、未来へと動作が続く事を保証していない。 つまり It is fun for me to swim.(泳ぐことは私にとっておもしろい。) において、 It が形式主語、 to swim が真主語、 である。 例文 参考 say の場合は、" "(ダブル クォーテーション)で、セリフを囲む必要がある。 つまり、 「I said to Tom to stand up.」(×)はマチガイ。 <how to 動詞の原形>は、「〜のしかた」「〜の方法」という意味の目的語になれる。 例文 showは、「…(人)に」「how to ~」の順に並べることができる。「…に~の仕方を見せる」の意味になる。 to 不定詞は「~して」の意味で、感情の原因を表すこともある。副詞的用法の1つ。 名詞の直後に 〜ing をつけくわえることで、「~している○○(名詞)」の意味になり、名詞を修飾する(形容詞の働き)。 これら現在分詞の用法は、あとの単元で説明する「関係代名詞」(かんけい だいめいし)をつかった文と比べると分かり易い。 名詞の直後に 〜ed をつけくわえることで、「〜された○○(名詞)」の意味になり、名詞を修飾する。 これら過去分詞の用法は、あとの単元で説明する「関係代名詞」(かんけい だいめいし)をつかった文と比べると分かり易い。 「~ですよね、~でしょうね」と、相手に念をおしたり同意を求める言い方。これを付加疑問文(ふか ぎもんぶん)という。 who や、which などの単語には、つぎに述べるように、接続詞と代名詞をかねる用法があり、その用法を「関係代名詞」(かんけい だいめいし)という。 まず、参考として、関係代名詞(かんけい だいめいし)を使ってない文を例示する。 関係代名詞を用いると、下記のように書き換えできる。 このように、関係代名詞(かんけい だいめいし)は2つの文を結ぶ接続詞と代名詞の働きをかね、関係代名詞以下の節は、すぐ前の名詞(先行詞)を修飾する。先行詞は「せんこうし」と読む。 関係代名詞whoは、先行詞が「人」のときに使い、関係代名詞以下の節で主語の働きをする。 関係代名詞whichは、先行詞が「物」「動物」の場合に使い、接続詞と代名詞の働きをかねる。which以下の節は前の名詞(先行詞)を修飾する(形容詞句)。しかし、重たい語句なので、口語ではほとんど thatを使用する。 関係代名詞thatは、先行詞が「人」の場合でも「物」「動物」の場合でも使い、接続詞と代名詞の働きをかねる。that以下の節は前の名詞(先行詞)を修飾する(形容詞句)。 関係代名詞which(目的格)は、先行詞が「物」「動物」の場合に使い、接続詞と目的格の代名詞の働きをかねる。which以下の節は先行詞を修飾する。 目的格の場合の which は、省略できる。 関係代名詞that(目的格)は、先行詞が「人」の場合でも「物」「動物」の場合でも使い、接続詞と目的格の代名詞の働きをかねる。that以下の節は先行詞を修飾する。 目的格のthatは、省略できる。 これは、目的格の関係代名詞 which や that を省略した形とも解釈できる。というか、関係代名詞の省略形と解釈したほうが、暗記の量が減るので、オススメである。 検定教科書では「接触節」という用語は教えず、かわりに、目的格の関係代名詞は省略できる、というふうに教えているようだ。 分詞の形容詞的用法は、関係代名詞の省略形とも解釈できる。 現在分詞の形容詞的用法は、関係代名詞の省略形とも解釈できる。 試験などの際は、「これは現在分詞の形容詞的用法か、それとも関係代名詞の省略形か?」などのような分類には、あまりコダワル必要はない。そういう問題は、入試には出ない。 過去分詞の形容詞的用法は、関係代名詞の省略形とも解釈できる。 試験などの際は、「この文は過去分詞の形容詞的用法か、それとも関係代名詞の省略形か?」などのような分類には、あまりコダワル必要はない。そういう問題は、入試には出ない。 英語において、「もし私が...だったら、〇〇しているだろう。」と言うときは、次のように言う。 このような構文を、仮定法(過去)という。 例文の主語に続く動詞は、必ず過去形にしなくてはならない。 「私が裕福だったらいいのにな。」を英語にすると、次のようになる。 希望を英語で表現するには、「主語 + wish + 主語 + 動詞の過去形 + 〜」と書く。 この文も、仮定法と同じく、 動詞は過去形 にする。
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活用形の部分を隠して、上から順に活用形を当てていく。間違えた動詞はマークしてもう一度覚えるようにする。これを何回か続ければよいだろう。また、紙やタブレットなどに綴りを書いて覚える、いわゆる書き取り練習というものでは英単語を効果的に覚えることができない[1][2]。入学試験では英単語のスペルを間違えると減点される場合があるが、英単語の綴りにはある程度規則性があるため、英単語の音を覚えておけば単語の綴りはかけるはずだ。 覚えるのが簡単な分、テストでは狙われやすい。
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中等教育前期(中学校)の教科書です。
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Dearは手紙の書き出しなどで、よくある表現。 例 ※ ちなみに、 「動詞 to 動詞の原形」を不定詞というが、「want to 動詞」については、覚えたほうが早い。 例文 どのくらい、
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Main Page > 小学校・中学校・高等学校の学習 > 中学校の学習 > 中学校英語 > 中学校英語/単語 中学校英語/単語では、中学校の英語で習得すべき単語を紹介します。 ※everyday だと「毎日の」という形容詞になってしまうので注意。 homework は名詞である。 楽器を「演奏する」場合、the を使い、「play the 楽器名」になる。 practice も同様に、「practice the 楽器名」になる。 スポーツをplayの場合、 a や the をつけない。 スポーツを練習する場合、同様に、theをつけずに、「practice スポーツ名」になる。 have a dinner (×)でなく、 have dinner である。 返事の例 「by 乗り物名」のあいだに a や the は、つけない。 absent は 形容詞 例文 - I like baseball. ベースボールが好きです。 例文 ※似た単語で、funは「楽しい、面白い」という意味なので注意。 例文 合唱部と吹奏学部は、例外的に という。 その他の文化部は、 ○○ club という。 運動部については、語尾に team (ティーム)を付け加える。 team とは、日本語でいう「チーム」のこと。 たとえ個人競技でも、部活全体には team を使う。 例文 He practices tennis after school. 彼は放課後、テニスを練習します。 オレンジの複数形のつづりは、テストに出やすいので[要出典]、おぼえておきましょう。 hungry は形容詞(けいようし)である。 例文 例文 返答 thirsty は形容詞(けいようし)である。 動物 animal は数えられる名詞。 ※(注意)「熊」(くま)は漢字で書けるようにしよう。入試などでは、漢字を要求されることもある。状態の「態」とまちがえないように。 鳥の複数形、テストに発音が出やすい。 生きている牛を beaf(ビーフ)とは言わない。 beaf は牛肉のみ。同様に、生きているブタを、ポークとか言わない。 エレファントのつづりは、テストで問われやすい。 コアラの生息地のオーストラリアは英語圏なので、そのため、koala のつづりがテストに出る可能性もある。 1960年代ごろ、イギリスのロックバンドであるビートルズ(Beatles)が活躍したので、その話題が英語の教材にも出やすい。 その関係で、カブトムシ beetle も、昆虫のなかでは、英語のテストに出やすい。 例文 ※ tired は語尾に ed がついてるが、けっして過去形(×)としては扱わない(あつかわない)。 tired は形容詞として扱われる。 例文 ※ interesting は語尾にingがついてるが、けっして進行形(×)としては扱わない(あつかわない)。interesting は形容詞として扱われる。 例文 ※ 中1英語では、韓国と北朝鮮を区別しなくても、よいだろう。区別する場合は、「South Korea(韓国)」、「North Korea(北朝鮮)」などとする。」 「 United States of America 」(ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ)の略。「 United States of America 」を、おぼえるべき。 united (ユナイテッド)とは、「連合」とかの意味。 stares は「州」の意味。 なお、「合衆国」を、「合州国」(×)とまちがえないように。 「the United States of America」の発音は、「ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ」。「ジ・ユナイテッド」(×)ではない。「the」の次の「ユナイテッド」の「ユ」は、母音ではないので、the の音は「ザ」のまま。 なお、「U.S.」と書く場合もある。 なお、アメリカの首都はワシントン。 「 United Kingdom 」(ユナイテッド・キングダム)の略。 ※(参考)ドイツ語のつづりでは、ドイツの国名は「Deutschland」となる。 例文 返事の例 楽器を「演奏する」場合、the を使い、「play the 楽器名」となる。 音楽に関連する語 1年生の段階では、temple , shrine などは、やや難しいが、入試までに最終的に覚えさせられるので、おぼえておこう。 博物館 museum は、音楽 music と語源(ごげん)が同じだろうと伝えられてる。
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E8%8B%B1%E8%AA%9E/%E5%8D%98%E8%AA%9E